JP4300741B2 - デバイスの製造方法及び製造装置、デバイス及び電子機器 - Google Patents

デバイスの製造方法及び製造装置、デバイス及び電子機器 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出ヘッドを用いてデバイスを製造する製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体集積回路等の微細な配線パターンを有するデバイス製造方法としてフォトリソグラフィー法が多用されているが、近年において、インクジェット方式を用いたデバイスの製造方法が注目されている。特開平11−274671号公報にはインクジェット方式を用いた電気回路の製造方法に関する技術が開示されている。上記公報に開示されている技術は、パターン形成面にパターン形成用材料を含んだ流動体をインクジェットヘッドから吐出することによって電気回路を形成するものであり、少量多種生産に対応可能である点などにおいて大変有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例においては、インク吐出動作停止時にインクジェットヘッドのノズルが乾燥し、インクの増粘化やインクからの固形分の析出により目詰まりやインクの飛行曲がりが生じて安定した吐出動作が行われない場合があった。インクの吐出安定性が悪化すると、所望の精度を有するデバイスが製造できなくなるといった問題が生じる。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドのノズルの目詰まり等の不具合の発生を防止し、安定したインク吐出動作を実現することによって所望の精度を有するデバイスを製造できるデバイスの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のデバイスの製造方法は、パターン形成領域を有する基板と複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドとを走査方向へ相対移動しつつ、前記パターン形成領域に対して前記複数のノズルから液体材料を吐出する工程を有するデバイスの製造方法において、前記基板と伴に相対移動すると共に、前記走査方向と直交する方向において前記基板の幅よりも大きく設けられたフラッシング領域に、前記パターン形成領域に対する吐出動作の前に、前記複数のノズルから前記液体材料を吐出するフラッシング工程を備え、前記相対移動は、時間軸において加速区間と、定速区間とを含み、前記パターン形成領域に対する前記液体材料の吐出は前記定速区間において行われ、前記フラッシング工程は、前記加速区間において開始され、前記定速区間前までに終了すると共に、前記パターン形成領域に対する吐出動作に比べて、高い周波数で前記液滴吐出ヘッドを駆動することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、パターン形成領域に対する吐出動作の前に、複数のノズルからフラッシング領域に液体材料を吐出するフラッシング工程を行うことにより、ノズルにおける液体材料(インク)の増粘化や液体材料からの固形分の析出を防ぎ、液滴吐出ヘッドのノズルの目詰まり等を防止できる。ゆえに、液滴吐出ヘッドは安定した吐出動作を実現でき、パターンを所望の精度で形成できる。また、基板と伴に相対移動するフラッシング領域が、走査方向に対して直交する方向において基板の幅よりも大きく設けられている。したがって、基板に対する液滴吐出ヘッドの走査(相対移動)において、複数のノズルの一部が基板に対して外れるように液滴吐出ヘッドが配置されても、基板を外れたノズルからもフラッシング領域に液体材料を吐出するフラッシング吐出動作を行うことができる。ゆえに、走査時の液滴吐出ヘッドの配置に関わらず、ノズルの吐出状態を安定した状態とすることが可能なデバイスの製造方法を提供することができる。
さらには、フラッシング領域に対する吐出動作は、相対移動における加速区間に開始され、定速区間前までに終了する。これによれば、パターンを形成するための吐出動作区間である定速区間に入る前にフラッシング吐出動作が終了するので、パターンを精度良く安定的に形成できる。また、加速区間においてフラッシング吐出動作を行うことにより、定速区間のストロークを大きく設定できるので、パターン形成領域を拡大することができる。
また、フラッシング工程では、高い周波数で液滴吐出ヘッドを駆動するので、単位時間当たりの吐出数を増やしてノズルの目詰まりを効果的に防止し、後のパターン形成時の吐出動作をより安定化させることができる。
この場合、フラッシング工程では、すべてのノズルから液体材料を吐出することが好ましい。走査時の液滴吐出ヘッドの配置に関わらず、すべてのノズルの吐出状態を安定した状態とすることができる。
【0007】
本発明のデバイスの製造方法において、前記相対移動は、時間軸において連続した前記加速区間、速度調整区間、前記定速区間、減速区間に亘って行われ、前記フラッシング工程は、前記加速区間において開始され、速度調整区間において終了するとしてもよい。
この方法によれば、定速区間に入る直前の速度調整区間にフラッシング吐出動作が終了するので、安定した吐出状態で直ちにパターン形成のための吐出動作を行うことができる。
【0010】
ここで、加速区間とは、基板及び所定領域に対する液滴吐出ヘッドの相対速度を目標速度(目標値)まで加速する区間であり、速度調整区間とは、基板及び所定領域に対する液滴吐出ヘッドの移動速度が目標速度に対して所定範囲(許容範囲)内に達するとともにこの移動速度が安定するまでの区間であり、定速区間とは、基板に対する液滴吐出ヘッドの移動速度が安定している区間であり、減速区間とは、移動する液滴吐出ヘッドあるいは基板を減速する区間である。
【0014】
本発明のデバイスの製造方法において、前記基板に対して有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出する構成が採用される。
これにより、有機エレクトロルミネッセンス装置を精度良く製造できる。
【0015】
本発明のデバイスの製造装置は、基板のパターン形成領域に対して液体材料を吐出するデバイスの製造装置において、前記基板を支持するステージと、前記液体材料を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドと前記ステージとを走査方向に相対移動させる移動装置と、前記移動装置により前記ステージと伴に相対移動し、前記走査方向に対して直交する方向において前記基板の幅よりも大きく設けられたフラッシング領域と、前記相対移動は、時間軸において加速区間と、定速区間とを含み、前記加速区間において前記フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を開始させ、前記定速区間前までに前記フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を終了させ、前記定速区間において前記パターン形成領域への前記液体材料の吐出動作を行うように、前記液滴吐出ヘッドと前記移動装置とを制御する制御装置とを備え、制御装置は、パターン形成領域に対する吐出動作に比べて、高い周波数で液滴吐出ヘッドを駆動して、フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を行わせることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、制御装置は、液滴吐出ヘッドに対してフラッシング領域とステージとを走査方向に相対移動させる走査において、複数のノズルからフラッシング領域に液体材料を吐出するフラッシング吐出動作を加速区間に開始して、定速区間前までに終了するように液滴吐出ヘッドと移動装置とを制御する。これにより、定速区間において基板のパターン形成領域に対して吐出動作を行う前に、液滴吐出ヘッドのノズルにおける液体材料の増粘化や液体材料からの固形分の析出を防ぎ、ノズルの目詰まり等を解消することができる。また、フラッシング領域が、走査方向に対して直交する方向において基板の幅よりも大きく設けられているので、走査時に複数のノズルの一部が基板を外れるように液滴吐出ヘッドが配置されても、基板を外れたノズルからもフラッシング領域に液体材料を吐出することができる。
また、フラッシング吐出動作では、高い周波数で液滴吐出ヘッドが駆動され、単位時間当たりの吐出数が増化するので、ノズルの目詰まりが効果的に防止され、後のパターン形成時の吐出動作をより安定化させることができる。
すなわち、走査時の基板に対する液滴吐出ヘッドの配置に関わらず、液滴吐出ヘッドの安定した吐出動作を実現して、パターンを所望の精度で形成可能なデバイスの製造装置を提供することができる。
【0017】
本発明のデバイスの製造装置において、前記相対移動は、時間軸において連続した前記加速区間、速度調整区間、前記定速区間、減速区間に亘って行われ、前記制御装置は、前記速度調整区間において前記フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を終了させるとしてもよい。
この構成によれば、定速区間に入る直前の速度調整区間にフラッシング吐出動作が終了するので、安定した吐出状態で直ちに液体材料の吐出動作を行うことができる。すなわち、時間的な無駄を省いて作業効率よく液体材料を吐出可能なデバイスの製造装置を提供することができる。
【0020】
本発明のデバイスの製造装置において、フラッシング領域が、前記ステージのうち前記基板を支持する以外の部分において、前記基板の走査方向の前方側および後方側のうち、少なくとも一方に設けられていることが望ましい。これによれば、液滴吐出ヘッドと基板とを相対的に走査しつつ吐出動作を行う場合、パターン形成領域に対する吐出動作の前に、フラッシング吐出動作を行うことによって、液滴吐出ヘッドのノズルの乾燥を招くことなく直ちにパターン形成領域に対して吐出動作を行うことができる。また、パターン形成領域に対する吐出動作の後に、フラッシング吐出動作を行なわせて、ノズルの目詰まりを解消した状態で次の吐出動作に対して待機させることができる。
【0023】
本発明のデバイスの製造装置において、前記液滴吐出ヘッドは、有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出する構成が採用される。
これにより、有機エレクトロルミネッセンス装置を精度良く製造できる。
【0026】
ここで、液滴吐出ヘッドは、インクジェットヘッドを含む。インクジェット方式としては、圧電体素子の体積変化により流動体を吐出させるピエゾジェット方式であっても、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式であってもよい。パターンを形成する液滴吐出ヘッドとしてインクジェット方式を採用することにより、安価な設備でパターン形成領域の任意の場所に任意の厚さで液体材料を設けることができる。なお、液滴吐出装置としてはディスペンサー装置でもよい。
【0027】
液体材料(流動体)とは、液滴吐出ヘッドのノズルから吐出可能な粘度を備えた媒体をいう。水性であると油性であるとを問わない。ノズル等から吐出可能な流動性(粘度)を備えていれば十分で、固体物質が混入していても全体として流動体であればよい。また、液体材料に含まれる固体物質は融点以上に加熱されて溶解されたものでも、溶媒中に微粒子として分散させたものでもよく、溶媒の他に染料や顔料その他の機能性材料を添加したものであってもよい。また、パターン形成領域とは、フラット基板の表面を指す他、曲面状の基板であってもよい。さらにパターン形成面の硬度が硬い必要はなく、フィルム、紙、ゴム等可撓性を有するものの表面であってもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のデバイスの製造装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明のデバイスの製造装置の一実施形態を示す図であって、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を有するインクジェット装置(液滴吐出装置)を示す概略斜視図である。
【0029】
図1において、インクジェット装置IJは、ベース12と、ベース12上に設けられ、基板Pを支持するステージSTと、ステージST上に設けられた第1フラッシング領域(第1の所定領域)52と、ベース12とステージSTとの間に介在し、ステージSTを移動可能に支持する第1移動装置(移動装置)14と、ステージSTに支持されている基板Pに対して所定の材料を含むインク(液体材料、流動体)を吐出可能なインクジェットヘッド20と、インクジェットヘッド20を移動可能に支持する第2移動装置16と、インクジェットヘッド20のインクの吐出動作を制御する制御装置CONTとを備えている。更に、インクジェット装置IJは、ベース12上に設けられている重量測定装置としての電子天秤(不図示)と、キャッピングユニット22と、クリーニングユニット24と、第2フラッシング領域(第2の所定領域)59とを有している。また、第1移動装置14及び第2移動装置16を含むインクジェット装置IJの動作は、制御装置CONTによって制御される。
【0030】
第1移動装置14はベース12の上に設置されており、Y軸方向に沿って位置決めされている。第2移動装置16は、支柱16A,16Aを用いてベース12に対して立てて取り付けられており、ベース12の後部12Aにおいて取り付けられている。第2移動装置16のX軸方向(第2の方向)は、第1移動装置14のY軸方向(第1の方向)と直交する方向である。ここで、Y軸方向はベース12の前部12Bと後部12A方向に沿った方向である。これに対してX軸方向はベース12の左右方向に沿った方向であり、各々水平である。また、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向に垂直な方向である。
【0031】
第1移動装置14は、例えばリニアモータによって構成され、ガイドレール40、40と、このガイドレール40に沿って移動可能に設けられているスライダー42とを備えている。このリニアモータ形式の第1移動装置14のスライダー42は、ガイドレール40に沿ってY軸方向に移動して位置決め可能である。
【0032】
また、スライダー42はZ軸回り(θZ)用のモータ44を備えている。このモータ44は、例えばダイレクトドライブモータであり、モータ44のロータはステージSTに固定されている。これにより、モータ44に通電することでロータとステージSTとは、θZ方向に沿って回転してステージSTをインデックス(回転割り出し)することができる。すなわち、第1移動装置14は、ステージSTをY軸方向及びθZ方向に移動可能である。
【0033】
ステージSTは基板Pを保持し、所定の位置に位置決めするものである。また、ステージSTは吸着保持装置50を有しており、吸着保持装置50が作動することにより、ステージSTの穴46Aを通して基板PをステージSTの上に吸着して保持する。
【0034】
第2移動装置16はリニアモータによって構成され、支柱16A,16Aに固定されたコラム16Bと、このコラム16Bに支持されているガイドレール62Aと、ガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動可能に支持されているスライダー60とを備えている。スライダー60はガイドレール62Aに沿ってX軸方向に移動して位置決め可能であり、インクジェットヘッド20はスライダー60に取り付けられている。
【0035】
インクジェットヘッド20は、揺動位置決め装置としてのモータ62,64,66,68を有している。モータ62を作動すれば、インクジェットヘッド20は、Z軸に沿って上下動して位置決め可能である。このZ軸はX軸とY軸に対して各々直交する方向(上下方向)である。モータ64を作動すると、インクジェットヘッド20は、Y軸回りのβ方向に沿って揺動して位置決め可能である。モータ66を作動すると、インクジェットヘッド20は、X軸回りのγ方向に揺動して位置決め可能である。モータ68を作動すると、インクジェットヘッド20は、Z軸回りのα方向に揺動して位置決め可能である。すなわち、第2移動装置16は、インクジェットヘッド20をX軸方向及びZ軸方向に移動可能に支持するとともに、このインクジェットヘッド20をθX方向(X軸回り)、θY方向(Y軸回り)、θZ方向(Z軸回り)に移動可能に支持する。
【0036】
このように、図1のインクジェットヘッド20は、スライダー60において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能で、α、β、γに沿って揺動して位置決め可能であり、インクジェットヘッド20のインク吐出面20Pは、ステージST側の基板Pに対して正確に位置あるいは姿勢をコントロールすることができる。なお、インクジェットヘッド20のインク吐出面20Pにはインクを吐出する複数のノズルが設けられている。
【0037】
図2はインクジェットヘッド20を示す分解斜視図である。図2に示すように、インクジェットヘッド20は、ノズル211が設けられたノズルプレート210及び振動板230が設けられた圧力室基板220を、筐体250に嵌め込んで構成されている。このインクジェットヘッド20の主要部構造は、図3の斜視図一部断面図に示すように、圧力室基板220をノズルプレート210と振動板230で挟み込んだ構造を備える。ノズルプレート210は、圧力室基板220と貼り合わせられたときにキャビティ(圧力室)221に対応することとなる位置にノズル211が形成されている。圧力室基板220には、シリコン単結晶基板等をエッチングすることにより、各々が圧力室として機能可能にキャビティ221が複数設けられている。キャビティ221間は側壁(隔壁)222で分離されている。各キャビティ221は供給口224を介して共通の流路であるリザーバ223に繋がっている。振動板230は、例えば熱酸化膜等により構成される。振動板230にはインクタンク口231が設けられ、不図示のタンク(流動体収容部)からパイプ(流路)を通して任意のインクを供給可能に構成されている。振動板230上のキャビティ221に相当する位置には、圧電体素子240が形成されている。圧電体素子240は、PZT素子等の圧電性セラミックスの結晶を上部電極および下部電極(図示せず)で挟んだ構造を備える。圧電体素子240は、制御装置CONTから供給される吐出信号に対応して体積変化を生ずることが可能に構成されている。
【0038】
インクジェットヘッド20からインクを吐出するには、まず、制御装置CONTがインクを吐出させるための吐出信号をインクジェットヘッド20に供給する。インクはインクジェットヘッド20のキャビティ221に流入しており、吐出信号が供給されたインクジェットヘッド20では、その圧電体素子240がその上部電極と下部電極との間に加えられた電圧により体積変化を生ずる。この体積変化は振動板230を変形させ、キャビティ221の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ221のノズル穴211からインクの液滴が吐出される。インクが吐出されたキャビティ221には吐出によって減ったインクが新たにタンクから供給される。
【0039】
なお、上記インクジェットヘッドは圧電体素子に体積変化を生じさせてインクを吐出させる構成であったが、発熱体によりインクに熱を加えその膨張によって液滴を吐出させるようなヘッド構成であってもよい。
【0040】
電子天秤(不図示)は、インクジェットヘッド20のノズルから吐出されたインク滴の一滴の重量を測定して管理するために、例えば、インクジェットヘッド20のノズルから、5000滴分のインク滴を受ける。電子天秤は、この5000滴のインク滴の重量を5000の数字とノズル数で割ることにより、1ノズルあたり一滴のインク滴の重量を正確に測定することができる。このインク滴の測定量に基づいて、インクジェットヘッド20から吐出するインク滴の量を最適にコントロールすることができる。
【0041】
クリーニングユニット24は、インクジェットヘッド20のノズル等のクリーニングをデバイス製造工程中や待機時に定期的にあるいは随時に行うことができる。キャッピングユニット22は、インクジェットヘッド20のインク吐出面20Pが乾燥しないようにするために、デバイスを製造しない待機時にこのインク吐出面20Pにキャップをかぶせるものである。
【0042】
インクジェットヘッド20が第2移動装置16によりX軸方向に移動することで、インクジェットヘッド20を電子天秤、クリーニングユニット24あるいはキャッピングユニット22の上部に選択的に位置決めさせることができる。つまり、デバイス製造作業の途中であっても、インクジェットヘッド20をたとえば電子天秤側に移動すれば、インク滴の重量を測定できる。またインクジェットヘッド20をクリーニングユニット24上に移動すれば、インクジェットヘッド20のクリーニングを行うことができる。インクジェットヘッド20をキャッピングユニット22の上に移動すれば、インクジェットヘッド20のインク吐出面20Pにキャップを取り付けて乾燥を防止する。
【0043】
つまり、これら電子天秤、クリーニングユニット24、およびキャッピングユニット22は、ベース12上の後端側で、インクジェットヘッド20の移動経路直下に、ステージSTと離間して配置されている。ステージSTに対する基板Pの搬入作業及び搬出作業はベース12の前端側で行われるため、これら電子天秤、クリーニングユニット24あるいはキャッピングユニット22により作業に支障を来すことはない。
【0044】
図1に示すように、ステージSTのうち、基板Pを支持する以外の部分には、インクジェットヘッド20がインクを捨打ち或いは試し打ち(フラッシング)するためのインク被吐出部である第1フラッシング領域52が設けられている。この第1フラッシング領域52は、図1及び図4に示すように、ステージSTの−X側端部においてY軸方向に沿って設けられている。第1フラッシング領域52は、図4に示すようにステージSTに固着され、上方に開口する断面凹字状の受け部材53と、受け部材53の凹部に交換自在に設置されて、吐出されたインクを吸収する吸収材54とから構成されている。
【0045】
基板Pは、上面にパターンが形成されるパターン形成領域ARを有している。本実施形態では、基板Pの上面全面をパターン形成領域ARとする。そして、パターンを形成するために、基板Pのパターン形成領域ARに対してインクジェットヘッド20からインクが吐出される。
【0046】
そして、吸収材54のY軸方向の幅は、基板Pのパターン形成領域ARのY軸方向の幅より大きく形成されている。
【0047】
インク被吐出部としての第2フラッシング領域59は、ベース12上にクリーニングユニット24と分離して設けられている。インクジェットヘッド20が第2移動装置16によりX軸方向に移動することで、インクジェットヘッド20を第2フラッシング領域59の上部に位置決めさせることができる。第2フラッシング領域59は、電子天秤、クリーニングユニット24、およびキャッピングユニット22同様、ベース12上の後端側、すなわち、ステージSTの+Y側で、インクジェットヘッド20の移動経路直下に、ステージSTと離間して配置されている。したがって、ステージSTに対する基板Pの搬入作業及び搬出作業は第2フラッシング領域59で妨げられない。
【0048】
第2フラッシング領域59は、第1フラッシング領域52同様、上方に開口する断面凹字状の受け部材と、受け部材の凹部に交換自在に設置されて、吐出されたインクを吸収する吸収材とから構成されている。
【0049】
次に、上述したインクジェット装置IJを用いて、ステージSTに支持されている基板Pのパターン形成領域ARに対してインクジェットヘッド20からインクを吐出することにより、パターン形成領域ARにパターンを形成する方法について説明する。
【0050】
基板PがステージSTの前端側からこのステージSTに対して搬入されると、ステージSTは基板Pを吸着保持し位置決めする。そして、モータ44が作動して、基板Pの端面がY軸方向に並行になるように設定される。
【0051】
ここで、ステージSTに対して基板Pが搬入されている間、制御装置CONTは、インクジェットヘッド20をX軸方向に移動し、第2フラッシング領域59に対して位置決めし、第2フラッシング領域59に対して吐出動作(フラッシング)を行う。第2フラッシング領域59に対する吐出動作中、インクジェットヘッド20及びステージSTは静止している。
【0052】
続いて、制御装置CONTは、インクジェットヘッド20をX軸方向に移動し、電子天秤の上部に位置決めし、指定滴数(指定のインク滴の数)の吐出を行う。これにより、電子天秤は、たとえば5000滴のインクの重量を計測して、インク滴1滴当たりの重量を計算する。そして、インク滴の一滴当たりの重量が予め定められている適正範囲に入っているかどうかを判断し、適正範囲外であればピエゾ素子に対する印加電圧の調整等を行って、インク滴の一滴当たりの重量を適正に納める。
【0053】
インク滴の一滴当たりの重量が適正な場合には、制御装置CONTは基板Pを第1移動装置14によりY軸方向に移動して所定の位置に位置決めするとともに、インクジェットヘッド20を第2移動装置16によりX軸方向に移動して、ステージST上の第1フラッシング領域52に対して位置決めする。そして、制御装置CONTは、インクジェットヘッド20の全ノズルより第1フラッシング領域52(吸収材54)に対してインクを吐出してフラッシングする。ここで、第1フラッシング領域52に対するフラッシング吐出動作の際、インクジェットヘッド20とステージSTとは静止している。
【0054】
フラッシング後、制御装置CONTは、インクジェットヘッド20と基板PとをX軸方向に相対移動(走査)しつつ、基板P上の所定のパターン形成領域ARに対してインクジェットヘッド20の所定のノズルから所定幅でインクを吐出する。本実施形態では、インクジェットヘッド20が基板Pに対して+X方向に移動しつつ吐出動作する。
【0055】
インクジェットヘッド20と基板Pとの1回目の相対移動(走査)が終了すると、基板Pを支持するステージSTがインクジェットヘッド20に対してY軸方向に所定量ステップ移動する。制御装置CONTは、インクジェットヘッド20を基板Pに対して、例えば−X方向に2回目の相対移動(走査)しつつ吐出動作を行う。2回目の走査が終了したら、制御装置CONTは第1フラッシング領域52に対してインクジェットヘッド20よりインクを吐出するフラッシングを行う。2回目の走査終了後、フラッシング吐出動作を行う際、インクジェットヘッド20とステージSTとは静止している。そして、この動作を複数回繰り返すことにより、インクジェットヘッド20は制御装置CONTの制御のもとでパターン形成領域AR全体にインクを吐出して、基板P上にパターンを形成する。
【0056】
基板P上にパターンが形成されたら、基板PはステージSTから搬出される。ここで、制御装置CONTは、基板Pの搬出時において、インクジェットヘッド20を第2フラッシング領域59に対して位置決めし、待機させる。そして、この待機時において、インクジェットヘッド20は第2フラッシング領域59に対してフラッシング吐出動作を行う。
【0057】
ここで、制御装置CONTは、インクジェットヘッド20と基板Pを支持するステージSTとをX軸方向に相対移動(走査)しつつ、インクジェットヘッド20より基板Pに対して吐出動作を行う構成である。そして、第1フラッシング領域52は、基板Pの−X側(ステージSTの−X側端部)に設けられている。したがって、第1フラッシング領域52は、ステージST上において、基板Pの1回目の走査時における走査方向の後方側(2回目の走査時においては走査方向の前方側)に設けられている構成となっている。
【0058】
また、インクジェットヘッド20は、基板Pのパターン形成領域ARに対する吐出動作の前後において、第1フラッシング領域52に対するフラッシング吐出動作を行う構成となっている。
【0059】
以上説明したように、パターン形成領域ARに対してパターンを形成するための吐出動作を行う前後に、ステージSTに設けられた第1フラッシング領域52及びベース12上に設けられた第2フラッシング領域59に対してフラッシング吐出動作を行うことにより、インクジェットヘッド20におけるインクの増粘化やインクからの固形分の析出を防ぎ、インクジェットヘッド20の目詰まり等を防止できる。したがって、インクジェットヘッド20は安定した吐出動作を実現でき、パターンを所望の精度で形成できる。また、パターン形成方法としてインクジェット方式を採用することにより、安価な設備でパターン形成領域ARの任意の場所に任意の厚さでインクを付着させることができる。
【0060】
上記実施形態では、フラッシング領域は、基板Pを走査する際にフラッシングするためのステージST上に設けられた第1フラッシング領域52と、基板Pの搬入・搬出時にフラッシングするためのベース12上に設けられた第2フラッシング領域59とを有する構成であるが、フラッシング領域の設置位置は任意に設定可能である。
【0061】
上記実施形態において、1回のフラッシング吐出動作時における発数(吐出回数)は、5発〜1000発程度に設定されていることが好ましい。また、フラッシング周波数(単位時間当たりの吐出回数)は1kHz〜32kHz程度に設定されていることが好ましい。また、フラッシング吐出動作間隔(1回目のフラッシング時から2回目のフラッシング時までの時間)は、0.1秒〜5分程度に設定されていることが好ましい。
そして、本実施形態において、制御装置CONTは、上記発数、フラッシング周波数、及びフラッシング吐出動作間隔を任意に設定できる。
【0062】
上記実施形態では、基板Pに対してX軸方向(走査方向)の一方にフラッシング領域52を設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、図5に示すように、基板Pを挟んだX軸方向の両側にフラッシング領域52、52を設ける構成としてもよい。この場合、基板Pをインクジェットヘッド20に対して往復移動させてパターン形成処理を行う際に、インクジェットヘッド20が基板PのX軸方向いずれの側にあっても、フラッシング領域52がその近傍に存在することになり、走査前後にフラッシングでき、また、フラッシング領域52との間の移動時間が短くなりスループットの向上を実現することができる。
【0063】
また、上記実施形態では、吸収材54をステージSTとは別部材の受け部材53に設ける構成としたが、これに限られるものではなく、例えばステージSTにY軸方向に延びる溝を形成し、この溝内に吸収材54を設置する構成としてもよい。
なお、フラッシング領域52,59に設けられた吸収材がフラッシング吐出動作によるインクで満たされたら、これを交換すればよい。
【0064】
なお、インクジェットヘッド20は、パターン形成処理時の途中で適宜、クリーニングユニット24でクリーニングしてメンテナンスしたり、あるいはキャッピングユニット22でキャップを付けたり、そして電子天秤でインク滴の重量を測定したり、第2フラッシング領域59でフラッシングする処理を行うことができる。
【0065】
上記実施形態では、フラッシング領域は、ステージST上やベース12上に設けられた構成であるが、基板Pの一部に設定される構成でもよい。すなわち、基板Pは、パターンが形成されるパターン形成領域と、フラッシングするためのフラッシング領域とを有する。
【0066】
上記実施形態において、第1フラッシング領域52に対してフラッシング吐出動作を行う際には、ステージST及びインクジェットヘッド20の移動を一旦停止した状態でフラッシング領域52に対してインクを吐出する構成であるが、インクジェットヘッド20と基板Pを支持するステージSTとを相対移動しながら、フラッシング領域52に対してインクを吐出するようにしてもよい。このことについて図6を参照しながら説明する。
【0067】
以下、インクジェットヘッド20を基板Pを支持するステージSTに対してX軸方向に移動しつつ吐出動作する場合について説明する。この場合、ステージSTはX軸方向及びY軸方向には移動しない。
制御装置CONTは、ステージSTに対してインクジェットヘッド20を第2移動装置16により移動させつつインクジェットヘッド20の吐出動作を行うが、インクジェットヘッド20は第2移動装置16により、加速区間H1、整定区間H2、定常区間H3、減速区間H4の順に移動されるようになっており、この移動中にインクジェットヘッド20からの吐出動作が行われる。
【0068】
ここで、加速区間H1とは、インクジェットヘッド20が目標速度(目標値)まで加速する区間であり、整定区間H2とは、インクジェットヘッド20の移動速度が目標速度に対して所定範囲(許容範囲)内に達するとともにこの移動速度が安定するまでの区間であり、定常区間H3とは、インクジェットヘッド20の移動速度が定常状態となり、移動速度が安定している区間であり、減速区間H4とは、移動するインクジェットヘッド20が減速する区間である。
【0069】
制御装置CONTはフラッシング吐出動作開始点を設定する。すなわち、インクジェットヘッド20が加速区間H1においてフラッシング領域52に対してインクを吐出可能な位置関係となるように、すなわち、フラッシング領域52がインクジェットヘッド20の加速区間H1において直下に配置されるように、フラッシング吐出動作開始点を設定する。
【0070】
更に、制御装置CONTはフラッシング吐出動作終了点を設定する。このとき、フラッシング吐出動作終了点は、加速区間H1あるいは整定区間H2に設定されるが、整定区間H2に設定されることが好ましい。フラッシング吐出動作終了点を整定区間H2に設定することにより、パターン形成領域ARに対する吐出動作直前までフラッシング吐出動作することになるので、インクジェットヘッド20の乾燥を招くことなくパターン形成領域ARに対する吐出動作を行うことができる。
【0071】
こうして、フラッシング領域52に対する吐出動作は、インクジェットヘッド20の加速区間H1あるいは整定区間H2を含む加速区間H1に設定される。制御装置CONTは、フラッシング領域52に対するフラッシング吐出動作を加速区間H1で行うことができるように、インクジェットヘッド20の加速度や速度を調整する。あるいは、フラッシング領域52のX軸方向における幅を適宜変更するようにしてもよい。
【0072】
次に、制御装置CONTは、基板Pのパターン形成領域ARに対する吐出動作開始点を設定する。すなわち、インクジェットヘッド20が定常区間H3において基板Pのパターン形成領域ARに対してインクを吐出可能な位置関係となるように、すなわち、パターン形成領域ARがインクジェットヘッド20の定常区間H3において直下に配置されるように、パターンを形成するための吐出動作開始点を設定する。
【0073】
更に、制御装置CONTはパターンを形成するための吐出動作終了点を設定する。このとき、吐出動作終了点は、定常区間H3に設定される。このように、パターン形成領域ARに対する吐出動作は、インクジェットヘッド20の定常区間H3に設定される。制御装置CONTは、パターン形成領域ARに対する吐出動作を定常区間H3で行うことができるように、インクジェットヘッド20の加速区間H1における加速度や定常区間H3における速度を調整する。あるいは、フラッシング領域52と基板PとのX軸方向における離間距離を適宜変更するようにしてもよい。
【0074】
こうして、インクジェットヘッド20の移動動作の設定が終了したら、インクジェットヘッド20は、加速区間H1、整定区間H2、定常区間H3、減速区間H4の順にX軸方向に移動し、制御装置CONTは、フラッシング領域52に対するフラッシング吐出動作を加速区間H1で行うようにインジェットヘッド20の吐出動作及び移動動作(速度あるいは加速度)を制御する。更に、制御装置CONTは、パターン形成領域ARに対する吐出動作を定常区間H3で行うようにインジェットヘッド20の吐出動作及び移動動作を制御し、パターンを形成する。
【0075】
以上説明したように、インクジェットヘッド20を基板Pに対して加速区間H1、整定区間H2、定常区間H3、減速区間H4の順に相対移動し、フラッシング領域52に対するフラッシング吐出動作を加速区間H1に設定し、パターン形成領域ARに対する吐出動作を定常区間H3に設定することにより、パターンを精度良く形成できるとともにパターン形成領域ARを拡大でき、しかもスループットを向上できる。すなわち、インクジェットヘッド20あるいはステージSTの移動距離(ストローク)が定まっている場合、加速区間H1においてフラッシング吐出動作することにより、パターンを形成するための吐出動作区間である定常区間H3のストロークを大きく設定できる。したがって、パターンが形成されるパターン形成領域ARを拡大でき、デバイスを効率良く製造できる。この場合、フラッシング吐出動作は高い吐出精度を必要としないため、加速区間H1においてフラッシング吐出動作を行っておけば、定常区間H3においてパターンを精度良く形成できる。
【0076】
そして、フラッシング領域52に対する吐出動作終了点を整定区間H2に設定することにより、パターン形成領域ARに対する吐出動作直前までフラッシング吐出動作を行うことになるので、インクジェットヘッド20の乾燥を招くことなくパターン形成領域ARに対して安定した吐出動作を行うことができる。しかも、整定区間H2にフラッシング吐出動作終了点を設定したことにより、定常区間H3の全てをパターンの形成に有効利用できる。
【0077】
なお、図6を用いた説明では、ステージSTが停止しており、インクジェットヘッド20が移動するように説明したが、もちろん、ステージSTが、加速区間、整定区間、定常区間、加速区間を有するように移動する構成も可能である。
【0078】
本発明のインクジェット装置(デバイス製造装置)IJは、有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の製造に適用可能である。
図7は、有機EL素子の一例を示す断面図である。図7において、有機EL素子301は、光を透過可能な基板302と、基板302の一方の面側に設けられ一対の陰極(電極)307及び陽極(電極)308に狭持された有機エレクトロルミネッセンス材料からなる発光層305と正孔輸送層306とからなる有機EL素子(発光素子)309と、基板301と有機EL素子309との間に設けられている封止層304とを備えている。
【0079】
ここで、図7に示す有機EL素子301は、発光層305からの発光光を基板302側から装置外部に取り出す形態であり、基板302の形成材料としては、光を透過可能な透明あるいは半透明材料、例えば、透明なガラス、石英、サファイア、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルケトンなどの透明な合成樹脂などが挙げられる。特に、基板302の形成材料としては、安価なソーダガラスが好適に用いられる。
一方、基板と反対側から発光光を取り出す形態の場合には、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0080】
陽極308は、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等からなる透明電極であって光を透過可能である。正孔輸送層306は、例えば、トリフェニルアミン誘導体(TPD)、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等からなる。このうち、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく、中でも4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが好適とされる。
【0081】
なお、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形成するようにしてもよく、さらに正孔注入層と正孔輸送層を両方形成するようにしてもよい。その場合、正孔注入層の形成材料としては、例えば銅フタロシアニン(CuPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が挙げられるが、特に銅フタロシアニン(CuPc)を用いるのが好ましい。
【0082】
発光層305の形成材料としては、低分子の有機発光色素や高分子発光体、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質などの発光物質、Alq3(アルミキレート錯体)などの有機エレクトロルミネッセンス材料が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン又はポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。低分子発光体では、例えばナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、ポリメチン系、キサテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体等、または特開昭57−51781、同59−194393号公報等に記載されている公知のものが使用可能である。陰極7はアルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)、金(Au)、銀(Ag)等からなる金属電極である。
【0083】
なお、陰極307と発光層305との間に、電子輸送層や電子注入層を設けることができる。電子輸送層の形成材料としては、特に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等が例示される。
【0084】
封止層304は、基板302側の外部から電極307,308を含む有機EL素子309に対して大気が侵入するのを遮断するものであって、膜厚や材料を適宜選択することにより光を透過可能となっている。封止層304を構成する材料としては、例えばセラミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの透明な材料が用いられ、中でも酸化窒化珪素が透明性、ガスバリア性の観点から好ましい。なお、封止層304の厚さは発光層305から射出される光の波長より小さくなるように設定されるこのが好ましい(例えば0.1μm)。
【0085】
図示しないが、この有機EL素子301はアクティブマトリクス型であり、実際には複数のデータ線と複数の走査線とが格子状に配置され、これらデータ線や走査線に区画されたマトリクス状に配置された各画素毎に、スイッチングトランジスタやドライビングトランジスタ等の駆動用TFTを介して上記の有機EL素子309が接続されている。そして、データ線や走査線を介して駆動信号が供給されると電極間に電流が流れ、有機EL素子309の発光層305が発光して基板302の外面側に光が射出され、その画素が点灯する。
【0086】
また、有機EL素子301のうち、有機EL材料309を挟んで封止層304と反対側の表面にも、電極307,308を含む有機EL材料309に対して大気が侵入するのを遮断する封止部材310が形成されている。
【0087】
以上説明した有機EL素子301の各材料層308,306,305などの形成材料を所定の溶媒でインク化することにより、本発明のデバイス製造装置を用いて製造することができる。
【0088】
上記有機EL装置を備えた電子機器の例について説明する。
図8は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の有機EL表示装置を用いた表示部を示している。
【0089】
図9は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図9において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の有機EL表示装置を用いた表示部を示している。
【0090】
図10は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の有機EL表示装置を用いた表示部を示している。
【0091】
図8〜図10に示す電子機器は、上記実施の形態の有機EL表示装置を備えているので、表示品位に優れ、明るい画面の有機EL表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0092】
次に、フラッシング吐出動作の効果を確認するための実験及び結果について説明する。
実験では、図11に示すように、180個配列されたノズルを有するインクジェットヘッドから基板に対して前記配列方向と直交する方向に走査しつつインク滴を吐出してパターンを形成するに際し、フラッシング条件を変更した場合の基板上におけるインク滴の並び(パターン)のばらつきを評価した。
【0093】
使用したインクは、有機エレクトロルミネッセンス材料のうちパラフェニレンビニレン誘導体である以下の化合物1、2、3を混合したものを、溶媒(テトラメチルベンゼン(50%)+イソプロピルビフェニル(50%))でインク化したものである。濃度は、1.0wt/wt%に設定した。
【0094】
【化1】
Figure 0004300741
【0095】
【化2】
Figure 0004300741
【0096】
【化3】
Figure 0004300741
【0097】
図12に実験結果を示す。フラッシング条件をNo.1〜No.8のそれぞれに設定し、このときのノズル抜け及び吐出ばらつきσを評価した。ここで、「発数」とは、1回のフラッシング動作時における吐出回数であり、「フラッシング間隔」とは、フラッシング吐出動作間隔であって1回目のフラッシング時から2回目のフラッシング時までの時間であり、「周波数」とは、フラッシング周波数であって単位時間当たりの吐出数である。なお、「フラッシング間隔」の単位は「秒」であり、「周波数」の単位は「kHz」である。
【0098】
また、「ノズル抜け」とは、180個あるノズルのうちインク滴を吐出できなかったノズルの数であり、「吐出ばらつき」とは、図11に示すように、基板上に直線状にインク滴を吐出した際の中心(目標吐出位置)からの距離(ずれ)dのσ値である。なお、「吐出ばらつき」の単位は「μm」である。
そして、「ノズル抜け」が多いということは、ノズルが乾燥して目詰まりが発生していることを示し、「吐出ばらつき」の値が大きいということは、インク滴の飛行曲がりが発生していることを示す。
【0099】
図12において、例えばNo.1、2、3から分かるように、発数が多い方が吐出ばらつきが小さくなる。すなわち、フラッシング時において多数回吐出動作を行った方が、パターン形成時における吐出動作は安定する。
【0100】
また、No.3、4、5、7から分かるように、フラッシング間隔が短いほうが吐出ばらつきが小さくなる。すなわち、フラッシングをこまめに行ったほうが、パターン形成時における吐出動作は安定する。
【0101】
No.5、6から分かるように、周波数が大きい方が吐出ばらつきが小さくなる。すなわち、フラッシング吐出動作を高速に行ったほうが、パターン形成時における吐出動作は安定する。
【0102】
また、No.7、8から分かるように、フラッシング間隔を420秒と長時間に設定すると、ノズル抜けが生じ、安定した吐出動作を行うことができない。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、パターン形成領域に対してパターンを形成するための吐出動作をする工程の他に、このパターン形成領域以外の所定領域に対して吐出動作をするフラッシング工程を行うようにしたので、液滴吐出ヘッドのノズルの乾燥を防いで目詰まり等の不具合の発生を防止できる。したがって、液滴吐出ヘッドは安定した吐出動作を実現できるので、パターンを所望の精度で形成でき、高性能なデバイスを生産性良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデバイス製造装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】インクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図3】インクジェットヘッドの主要部の斜視図一部断面図である。
【図4】ステージの側面図である。
【図5】ステージの他の実施例を示す側面図である。
【図6】インクジェットヘッドの移動動作を説明するための図である。
【図7】有機EL装置を示す概略断面図である。
【図8】有機EL装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図9】有機EL装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図10】有機EL装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図11】本発明のデバイスの製造方法の効果を確認するための実験条件を説明するための図である。
【図12】実験結果を示す図である。
【符号の説明】
14 第1移動装置(移動装置)
16 第2移動装置(移動装置)
20 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)
52 第1フラッシング領域(所定領域)
59 第2フラッシング領域(所定領域)
AR パターン形成領域
CONT 制御装置
IJ インクジェット装置(液滴吐出装置、デバイス製造装置)
P 基板
ST ステージ

Claims (7)

  1. パターン形成領域を有する基板と複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドとを走査方向へ相対移動しつつ、前記パターン形成領域に対して前記複数のノズルから液体材料を吐出する工程を有するデバイスの製造方法において、
    前記基板と伴に相対移動すると共に、前記走査方向と直交する方向において前記基板の幅よりも大きく設けられたフラッシング領域に、前記パターン形成領域に対する吐出動作の前に、前記複数のノズルから前記液体材料を吐出するフラッシング工程を備え、
    前記相対移動は、時間軸において加速区間と、定速区間とを含み、前記パターン形成領域に対する前記液体材料の吐出は前記定速区間において行われ、
    前記フラッシング工程は、前記加速区間において開始され、前記定速区間前までに終了すると共に、前記パターン形成領域に対する吐出動作に比べて、高い周波数で前記液滴吐出ヘッドを駆動することを特徴とするデバイスの製造方法。
  2. 前記相対移動は、時間軸において連続した前記加速区間、速度調整区間、前記定速区間、減速区間に亘って行われ、
    前記フラッシング工程は、前記加速区間において開始され、前記速度調整区間において終了することを特徴とする請求項1に記載のデバイスの製造方法。
  3. 前記基板に対して有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出することを特徴とする請求項1または2に記載のデバイスの製造方法。
  4. 基板のパターン形成領域に対して液体材料を吐出するデバイスの製造装置において、
    前記基板を支持するステージと、
    前記液体材料を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドと前記ステージとを走査方向に相対移動させる移動装置と、
    前記移動装置により前記ステージと伴に相対移動し、前記走査方向に対して直交する方向において前記基板の幅よりも大きく設けられたフラッシング領域と、
    前記相対移動は、時間軸において加速区間と、定速区間とを含み、
    前記加速区間において前記フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を開始させ、前記定速区間前までに前記フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を終了させ、前記定速区間において前記パターン形成領域への前記液体材料の吐出動作を行うように、前記液滴吐出ヘッドと前記移動装置とを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記パターン形成領域に対する吐出動作に比べて、高い周波数で前記液滴吐出ヘッドを駆動して、前記フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を行わせることを特徴とすることを特徴とするデバイスの製造装置。
  5. 前記相対移動は、時間軸において連続した前記加速区間、速度調整区間、前記定速区間、減速区間に亘って行われ、
    前記制御装置は、前記速度調整区間において前記フラッシング領域への前記液体材料の吐出動作を終了させることを特徴とする請求項4に記載のデバイスの製造装置。
  6. 前記フラッシング領域が、前記ステージのうち前記基板を支持する以外の部分において、前記基板の走査方向の前方側および後方側のうち、少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載のデバイスの製造装置。
  7. 前記液滴吐出ヘッドは、有機エレクトロルミネッセンス装置形成用材料を吐出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のデバイスの製造装置。
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