JP2004230003A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊技の制御を行うメイン制御手段と、このメイン制御手段から送信されたコマンドの受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段と、を備え、メイン制御手段は、ゲームの進行に応じてコマンドを生成してコマンドキューに格納し、定期的に実行されるコマンド送信処理において、コマンドキューに格納されたコマンドを、そのコマンドが生成された順番で、0〜69.44msの範囲でランダムに遅延させて送信する。
【選択図】 図11
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関し、特には遊技の制御を行うメイン制御手段と、メイン制御手段から送信された制御情報(コマンド)の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段と、を備えるスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスロットマシンでは、遊技の制御と、遊技に関連して行われる演出の制御とが、1つの制御手段にて行われていた。しかしながら、この制御手段の処理能力には一定の限界があり、ゲームの多様化やそれに伴う演出の多様化を図ることが極めて困難であった。
【0003】
このため、遊技の制御を行うメイン制御手段とは別個にサブ制御手段を設け、このサブ制御手段がメイン制御手段から送信されたコマンドに基づいて遊技に関連した演出の制御を行うようにしたスロットマシンが多数実用化されている。
【0004】
また、上述のようにメイン制御手段とサブ制御手段とを備えるスロットマシンにおいては、サブ制御手段が、いわゆる目押しの補助となるような演出を行えないように、一定の範囲で送信タイミングを変化させてコマンドを送信するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許登録第3098740号公報(第7、8頁、第1−3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにコマンドの送信タイミングがランダムに変化するスロットマシンでは、複数のコマンドを連続して送信する場合に、各々の送信タイミングが変化するため、必ずしもコマンドの送信順が、その送信が決定された順番、すなわち本来コマンドが送信されるべき順番と一致するとは限らないため、メイン制御手段の制御状態とサブ制御手段による演出とに食い違いが生じてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、メイン制御手段から送信されるコマンドの送信タイミングをランダムに遅延させた場合でも、サブ制御手段により違和感のない演出を行うことができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技の制御を行うメイン制御手段と、
該メイン制御手段から送信された制御情報の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段と、
を備え、
前記メイン制御手段は、制御状態に応じて前記制御情報を生成する制御情報生成手段と、該制御情報生成手段にて生成された前記制御情報を格納する制御情報格納手段と、該制御情報格納手段に格納された前記制御情報を前記サブ制御手段に対して送信する制御情報送信手段と、該制御情報送信手段による前記制御情報の送信タイミングを所定時間の範囲でランダムに遅延させることが可能な送信タイミング遅延手段と、を備え、
前記制御情報送信手段は、前記制御情報格納手段に前記制御情報が複数格納されている場合に、該格納された制御情報を生成された順番に送信することを特徴としている。
この特徴によれば、メイン制御手段からサブ制御手段に対して送信される制御情報の送信タイミングが所定時間の範囲でランダムに変化するため、サブ制御手段によりメイン制御手段から送信される制御情報の受信タイミングに基づいて目押しの補助となるような演出が行われてしまうことを防止できる。すなわちスロットマシンが有する本来の楽しみである目押しの楽しみを損なうような演出が行われてしまうことを防止できるため、興趣の高いスロットマシンを提供することができる。更に、複数の制御情報が連続して送信される場合でも、各々の制御情報がその生成順、すなわち本来制御情報が送信されるべき順番にて送信されるため、サブ制御手段はメイン制御手段の制御状態を正確な順番で把握して演出を行うことが可能であり、演出の順番に食い違いが生じることにより遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0009】
本発明のスロットマシンの前記送信タイミング遅延手段は、前記制御情報送信手段が前記制御情報を送信するときに、該送信する制御情報の送信タイミングの遅延時間を決定することが好ましい。
このようにすれば、各制御情報とともに、その送信タイミングの遅延時間を制御情報格納手段に格納する必要がなくなるため、制御情報格納手段の格納容量を節約できる。
【0010】
本発明のスロットマシンの前記制御情報送信手段は、前記制御情報の送信後、所定の送信規制時間が経過するまで前記制御情報の送信を行わないことが好ましい。
このようにすれば、制御情報を連続して送信することにより、サブ制御手段が制御情報の受信を確実に行うための時間を担保できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
本発明が適用された遊技機の実施例を図面を用いて説明すると、図1には、本実施例におけるスロットマシン1の全体正面図、図2にはスロットマシン1の内部構造図がそれぞれ示されている。スロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筺体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されており、前面扉2bの裏面に設けられた施錠装置(図示略)の鍵穴3に挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより施錠が解除されて前面扉2bを開放することができるようになっている。
【0013】
前面扉2bの周囲には、遊技効果LED130(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部41が設けられているとともに、前面扉2bの前面上部には役構成等が印刷された上部パネル4が、前面中央部には各種表示部が形成された遊技パネル6が、前面下部にはタイトル等が印刷された下部パネル7が、各々設けられている。
【0014】
遊技パネル6と下部パネル7の間には、前方に突出するように操作部8が形成されており、この操作部8には遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部34や各種操作ボタン35、36a、36b、37、40L、40C、40R、及びスタートレバー38等が設けられているとともに、操作部8の下部左右側には、遊技効果LED131(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部43がそれぞれ設けられている。
【0015】
前面扉2bにおける下部パネル7の下方には、メダルが払出されるメダル払出穴9が設けられたメダル受皿11が設けられている。
【0016】
上部パネル4の左右側には、内部に設けられる高音用のスピーカ136a、136b(図3参照)から出力される音を放音する放音部12a、12bがそれぞれ設けられているとともに、メダル払出穴9の側方には、内部に設けられる低音用のスピーカ137(図3参照)から出力される音を放音する放音部13が設けられている。
【0017】
上部パネル4の中央部には、液晶表示部15が設けられており、この液晶表示部15を透して内部に設けられる液晶表示器135(図3参照)の表示内容が表示されるようになっている。
【0018】
遊技パネル6には、スロットマシン1の筐体2aに内設された後述のリール51L、51C、51Rを透視可能な透視窓14と、各種表示部と、がそれぞれ設けられている。
【0019】
遊技パネル6に設けられた各種表示部のうち、クレジット表示部31は、クレジットが表示される。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1内部の記憶部に記憶されているメダル数である。このスロットマシン1では、クレジットとして記憶可能な価値の上限値が最大でメダル50枚分とされており、この上限値を越えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合にはその上限を越えるメダルがメダル払出穴9から払出される。
【0020】
ゲーム回数表示部32は、後述するビッグボーナス(BB)中に提供されるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)の残回数や、後述するレギュラーボーナス(RB)の残回数等が表示される。さらにゲーム回数表示部32は、スロットマシン1に発生した各種の異常を表示する報知手段であるエラー表示器としても機能する。
【0021】
ペイアウト表示部33は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるメダル枚数が入賞がある毎に表示される。
【0022】
1〜3枚賭け表示部46〜48は、内蔵された1〜3枚賭けLED111〜113(図3参照)が、遊技者がゲームに賭数を設定した場合にその賭数に応じて点灯する。
【0023】
リプレイ表示部27は、リプレイ入賞が発生した場合に、その内部に内蔵されたリプレイLED114(図3参照)が点灯する。スタート表示部28は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能となった場合に、その内部に内蔵されたスタートLED115(図3参照)が点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部30は、メダルを受付可能な状態である場合に、その内部に内蔵された投入指示LED117(図3参照)が点滅し、メダルを受付不可能な状態である場合に消灯する。
【0024】
ウェイト表示部29は、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に、その内部に内蔵されたウェイトLED116(図3参照)が点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまりに速く進行しすぎてしまうことを規制するために設定されたゲーム進行規制期間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後にリールが始動するように設定されている。
【0025】
演出用表示部16〜25のうち演出用表示部17〜20は、リプレイ表示部27、ウェイト表示部29、スタート表示部28、投入指示表示部30と、演出用表示部21〜25は、1〜3枚賭け表示部46〜48と、各々同様に機能する表示部であり、これら各表示部に内蔵されたLED111〜117の点灯/消灯に応じて、各々対応する演出用表示部17〜25に内蔵された演出用ランプ141〜149(図3参照)が点灯/消灯する。また、演出用表示部16は、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞の発生が許容されている場合に、その内部に内蔵された演出用ランプ140(図3参照)が点灯するようになっており、ボーナス告知表示部として機能する。尚、以下の説明において演出用ランプ140をWINランプと称す。
【0026】
操作部8の上面右側には、メダル投入口が形成されたメダル投入部34が設けられているとともに、左側には精算ボタン37、1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bがそれぞれ設けられている。
【0027】
1枚BETボタン36aは、クレジットを使用してメダルを1枚分賭ける際に押圧するボタンであり、MAXBETボタン36bは、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例ではメダル3枚分)をクレジットの範囲内で賭ける際に押圧するボタンである。1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bの内部には、BETボタンLED121a、121bがそれぞれ内蔵されており(図3参照)、これらのBETボタンLED121a、121bは、対応するBETボタンの操作により賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態の場合に消灯する。
【0028】
精算ボタン37は、記憶部に記憶されているクレジットの精算操作をする際に押圧するボタンであり、この精算ボタン37の押圧操作に伴い、クレジットとして記憶されている枚数のメダルがメダル払出穴9から払出されるようになっている。
【0029】
操作部8の前側面には、スタートレバー38、ストップボタン40L、40C、40R、メダル詰まり解除ボタン35がそれぞれ設けられている。スタートレバー38は、ゲームを開始する際に操作するレバーであり、賭数の設定終了後においてスタートレバー38を操作することによりリールユニット50の各リール51L、51C、51Rの回転が開始される。
【0030】
各ストップボタン40L、40C、40Rは、ゲームが開始した後にリール51L、51C、51Rの回転を停止させる際に操作するボタンであり、ストップボタン40L、40C、40Rの内部には操作有効LED122L、122C、122Rが、それぞれ内蔵されている(図3参照)。これら操作有効LED122L、122C、122Rは、対応するストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。
【0031】
メダル詰まり解除ボタン35は、メダル投入部34に投入されたメダルが内部で詰まった場合に、これを解消させる際に操作するボタンである。
【0032】
前面扉2bの裏面には、メダル投入部34から投入されたメダルを後述するホッパータンク57aに導く投入メダルセレクタ(図示略)が設けられている。直径や厚みの異なる不正メダルは、この投入メダルセレクタにより振り分けられてメダル払出穴9から返却される。
【0033】
投入メダルセレクタの下流側には、流下するメダル流路を選択的に切替可能とする図示しない流路切替ソレノイド107(図3参照)が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド107は励磁されており、この状態において流下するメダルは投入メダルセンサ106(図3参照)により検出された後、ホッパータンク57a内に貯留されるようになっている。メダル投入が不可能な場合には、流路切替ソレノイド107の励磁が解除されて流路が切替わってメダル払出穴9から返却される。
【0034】
図2に示すように、筐体2a内略中央部には、複数種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたリール51L、51C、51Rを有する可変表示装置としてのリールユニット50が設けられている。それぞれのリール51L、51C、51Rは、各々に対応して設けられたリールモータ54L、54C、54Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各リール51L、51C、51Rが回転することにより、透視窓14には前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
【0035】
透視窓14から視認できる各リールの領域を、各リールに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部(領域)と呼ぶ。この各可変表示部からは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
【0036】
各リール51L、51C、51Rに対応して各リールの基準位置を検出するリールセンサ56が設けられており、このリールセンサ56により所定の図柄の停止位置を導出できるようになっているとともに、各リール51L、51C、51Rにおける特定の表示領域(上、中、下段の表示領域)を裏面から個別に照射可能な複数のリールランプ55がそれぞれ上、中、下段に設けられており、これら各リールランプ55は、透視窓14に表示される各図柄を後方から点灯するバックライトとして機能するようになっている。
【0037】
リールユニット50の下方には、メダル投入部34から投入されたメダルを貯留するホッパータンク57aを有するホッパーユニット57が設けられている。また、ホッパーユニット57の右側にはホッパータンク57aからオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク59が設けられている。このオーバーフロータンク59内にはメダルを検出可能な満タンセンサ60が設けられており、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったことを検出できるようになっている。
【0038】
ホッパーユニット57の下方部分にはホッパーモータ62が設けられており、このホッパーモータ62が回転することによりホッパータンク57a内のメダルがメダル排出口63から排出される。排出されたメダルは、メダル排出口63の近傍に設けられる払出メダルセンサ61により検出された後、メダル払出穴9から払い出される。
【0039】
ホッパーユニット57の側部には、メイン電源をon/offするメインスイッチ部65と、エラーが生じた場合等において再びゲームを続行可能な状態にリセットするための第2リセットボタン66と、入賞確率を変更可能とする設定ボタン67と、自動精算機能をon/offする自動精算選択スイッチ部68と、自動打止め機能をon/offする打止め選択スイッチ部69と、遊技場の管理者等が所持する特定のキーを挿入可能な設定キー挿入部70と、が前面に設けられた電源ユニット64が配設されている。
【0040】
本実施例では、設定キー挿入部70に特定のキーを挿入して時計回りに90度回転した状態、すなわちonの状態で電源投入を行う操作により、後述する設定キースイッチ82のonが検出され、遊技状態の初期化、すなわち後述するRAM212の記憶内容の初期化が実行されるとともに、設定ボタン67の操作が有効となり、この設定ボタン67の操作により入賞確率、すなわち出玉率の変更が実行可能となる。
【0041】
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、該操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
【0042】
ゲームを開始する場合は、メダルやクレジットを使用して所望の大きさの有価価値を賭けて所望の大きさの賭数を設定する。賭数は、メダルをメダル投入部34から投入するか、あるいはクレジットを使用することにより設定できるようになっている。クレジットを使用するにはMAXBETボタン36b、または1枚BETボタン36aを押圧すれば良い。
【0043】
遊技者により賭数が設定されると、その賭数に応じて、各リール51L、51C、51Rの表示領域に表示された図柄の組合せを判定するための入賞ラインが有効となる。
【0044】
そして少なくとも「1」の賭数が設定された時点でスタートレバー38の操作が有効に受付けられる状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
【0045】
尚、このような賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数、及び形状等は任意に変更可能であり、本実施例の形態に限定されるものではない。また、賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数も任意に設定変更可能である。
【0046】
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー38を押圧操作すれば、各リール51L、51C、51Rが回転し、透視窓14には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。各リール51L、51C、51Rの回転が開始されてから所定時間が経過すれば各ストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効になり、この状態で遊技者がいずれかのストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作すれば、対応するリールの回転が停止され、透視窓14からは対応する可変表示部の上、中、下段に図柄が表示される。
【0047】
また、遊技者がストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作しない場合には、一定時間が経過した時点で自動的に各リール51L、51C、51Rの回転が順次停止する。
【0048】
そして全てのリール51L、51C、51Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せが表示された場合は入賞となり、入賞内容に対応して予め定められた所定枚数のメダルが遊技者に対してクレジットとして払出される。また、クレジットが上限数に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9から払い出される。
【0049】
また、特に予め定められた特別図柄の組合せが表示されて大当たり入賞した場合にあっては、メダルの払出しが行なわれるとともに、通常遊技状態とは異なるとともに、遊技者にとって有利な、すなわち大量のメダルを獲得できるビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)が遊技者に対して遊技価値として付与されるようになっている。
【0050】
尚、このように入賞することにより遊技者に対して付与される「遊技価値」は、メダル及びクレジット等の有価価値に限らず、上記のように大当たり入賞した場合において遊技者に対して付与されるBBやRB等、遊技に関連する特典全てを含む。
【0051】
図3は、スロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図4は、遊技制御基板200に設けられたメイン制御手段としての制御部210の構成と、演出制御基板201に設けられたサブ制御手段としての制御部230の構成と、を説明するためのブロック図である。
【0052】
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板200によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板201によって遊技状態に応じた演出制御等が実施される。また、電源基板202にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板202には、外部電源の供給を受けるための電源コード84と、メインスイッチ80とが接続されている。
【0053】
遊技制御基板200は、演出制御基板201、電源基板202、リール中継基板203と配線接続されているとともに、リール中継基板203を介して外部出力基板205と、また、演出制御基板201を介してリールランプ中継基板204と接続されている。
【0054】
遊技制御基板200の制御部210は、遊技状態がRBであることを示すRB中信号や、遊技状態がBBであることを示すBB中信号、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により払出されたメダルを示すメダルOUT信号、などをリール中継基板203を介して外部出力基板205からスロットマシン1の外部に出力する制御を行う。尚、外部出力基板205から外部に出力される信号のうち、ストップスイッチ103L、103C、103Rの操作がなされた旨を示すストップスイッチ信号は、ストップスイッチ103L、103C、103Rから直接出力された信号であり、リール制御信号は、各リール51L、51C、51Rに対応するリールモータ54L、54C、54Rを制御するための制御信号(モータ位相信号)である。
【0055】
これら外部出力基板205から出力される信号は、たとえば、第3者機関が型式試験を行う際に利用可能である。
【0056】
遊技制御基板200には、各種のスイッチ、センサ、LED、及び表示器等、各種部品からの配線が接続されている。
【0057】
電源基板202に配線接続された設定スイッチ83、設定キースイッチ82、第2リセットスイッチ81、払出しセンサ61、及びホッパーモータ62は、電源基板202によって中継されて遊技制御基板200と配線接続されており、それぞれのスイッチ及びセンサの検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。
【0058】
リール中継基板203に配線接続されたリールモータ54L、54C、54R、及びリールセンサ56は、リール中継基板203によって中継されて遊技制御基板200に配線接続されており、リールセンサ56の検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。
【0059】
遊技制御基板200に配線接続されたスイッチ、センサのうち、1枚BETスイッチ100は1枚BETボタン36aの操作を検出し、MAXBETスイッチ101はMAXBETボタン36bの操作を検知するスイッチであり、スタートスイッチ102はスタートレバー38の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ103L、103C、103Rは、左、中、右ストップボタン40L、40C、40Rの操作を検出するスイッチである。精算スイッチ104は、精算ボタン37の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ105は、施錠装置の鍵穴3に挿入したキーによるスロットマシン1のリセット操作を検出するスイッチである。また、投入メダルセンサ106a〜cは、メダル投入部34に投入され、ホッパータンク57aに貯留されるメダルを検出するセンサである。
【0060】
遊技制御基板200に配線接続された表示器のうち、ゲーム回数表示器108はゲーム回数表示部32を構成する表示器であり、クレジット表示器109はクレジット表示部31を構成する表示器であり、ペイアウト表示器110はペイアウト表示部33を構成する表示器である。
【0061】
また、遊技制御基板200には、前述した1枚賭けLED111、2枚賭けLED112、3枚賭けLED113、リプレイLED114、スタートLED115、ウェイトLED116、投入指示LED117、BETボタンLED121a、BETボタンLED121b、左操作有効LED122L、122C、122R、流路切替ソレノイド107等の各種電気部品が配線接続されている。
【0062】
電源基板202あるいはリール中継基板203を介して、あるいはこれらの基板を介することなく遊技制御基板200に配線接続された各種LED及び表示器、モータ、ソレノイド等の電気部品は、遊技制御基板200に搭載された制御部210によって制御される。また、制御部210は、遊技制御基板200に接続され、または、電源基板202あるいはリール中継基板203を介して遊技制御基板200に接続された各種スイッチ及びセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
【0063】
遊技制御基板200に設けられた制御部210は、図4に示すように、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU211と、CPU211の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM213と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM212と、CPU211と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート214とを含む。すなわち、制御部210は、これらCPU211、RAM212、ROM213、I/Oポート214が全て内蔵された1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0064】
また、遊技制御基板200には、電源投入時にCPU211にリセットパルスを与える初期リセット回路217と、CPU211にクロック信号を与えるクロック発生回路218と、クロック発生回路218からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU211に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)219と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路221と、乱数発生回路221から乱数をサンプリングするサンプリング回路222と、バッファ回路220とが設けられる。さらに、遊技制御基板200には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路215や、モータ回路216、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。
【0065】
遊技制御基板200の制御部210から演出制御基板201へは、バッファ回路220を介して制御部210が制御する制御状態を特定可能な制御情報としての各種コマンドが出力される。バッファ回路220は、遊技制御基板200の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板200の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、遊技制御基板200と演出制御基板201との間において、遊技制御基板200から演出制御基板201への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板200に信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
【0066】
演出制御基板201には、遊技効果LED130〜134と、演出用ランプ140〜149と、液晶表示器135と、放音部12a、12b、13に内蔵されるスピーカ136a、136b、137と、タイトルパネル8及び遊技パネル6を内側から照らす各蛍光灯138と、がそれぞれ接続され、さらに、リールランプ中継基板204を介してリール51L、51C、51Rに内蔵されているリールランプ55が接続されている。
【0067】
リール中継基板203を介して、あるいはこれらの基板を介することなく演出制御基板201に配線接続された各種ランプ及びスピーカ、液晶表示器等の電気部品は、演出制御基板201に搭載された制御部230によって制御される。
【0068】
演出制御基板201によって制御される各遊技効果LED130〜134、演出用ランプ140〜149、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、リールランプ55は、遊技制御基板200によって制御される各種表示器などに比較すると、それが機能しなくても遊技の進行自体には影響を与えるものでなく、演出効果を主眼においた演出手段である。このため、たとえ、演出制御基板201に故障が発生したとしても、遊技者に不利な状況が提供されてしまうことはないばかりか、制御部210の制御の負荷が軽減される。
【0069】
演出制御基板201に設けられた制御部230は、CPU231と、必要なデータの書き込み、及び読み出しができるRAM232と、CPU231の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM233と、I/Oポート234と、を含む。制御部230も、制御部210と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0070】
また、演出制御基板201には、各スピーカ136a、136b、137から音を出力させるためのスピーカ駆動回路235と、液晶表示器135を表示制御するための表示駆動回路236と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路237と、が搭載されている。
【0071】
また、演出制御基板201は、遊技制御基板200と接続されており、制御部230は、遊技制御基板200から送信された各種コマンドに基づいて遊技制御基板200の制御状態を特定し、この特定した制御状態に応じて予め定められた制御パターンを設定し、この制御パターンに応じて各遊技効果LED130〜134、演出用ランプ140〜149、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、リールランプ55等の電気部品を制御する。
【0072】
次に、本実施例における遊技制御基板200の制御部210がゲームの進行に伴い実行するメインルーチンの制御内容を、図5のフローチャートに基づいて以下に説明していく。
【0073】
まず、電源投入に伴いゲームスタートに備えるための初期処理を実行する。具体的には、各種装置の接続、及び作動状況、等の確認を行い、電源断前の遊技状態に復帰可能であれば復帰する処理を行う(Sa1)。
【0074】
次いで、BET処理(Sa2)、内部抽選処理(Sa3)、リール回転処理(Sa4)、リール停止処理(Sa5)、入賞判定処理(Sa6)、払出処理(Sa7)を繰返し実行するループ処理に以降する。
【0075】
Sa2のステップにおけるBET処理では、メダルやクレジットを受付け可能な状態で待機し、賭数が設定され、スタートレバー38が押圧操作された時点でメダルの賭数を確定する処理を実行する。また、前回のゲームでリプレイが入賞した場合には、前回のゲームと同じ賭数が設定される。
【0076】
Sa3のステップにおける内部抽選処理では、Sa2のステップにおけるスタートレバー38の押圧操作によるゲームスタートに伴い、該当する遊技状態において対象となる入賞の発生を許容するか否かを決定する処理を実行する。具体的には、スタートレバー38の操作に基づくスタートスイッチ102の検出に応じてサンプリングされた乱数値とROM213に格納された内部当選確率テーブルとの比較結果に基づいて当選の有無を判定し、当選した場合には該当する入賞を許容する旨を示す内部当選フラグを設定する。
【0077】
Sa4のステップにおけるリール回転処理では、Sa3のステップにおける内部抽選処理の終了に伴い各リール51L、51C、51Rを回転させる処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール51L、51C、51Rが回転した時点でストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作を有効とする。
【0078】
Sa5のステップにおけるリール停止処理では、遊技者による停止ボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされるか、各リール51L、51C、51Rの回転開始時から遊技者によるストップボタン40L、40C、40Rの押圧操作がなされることなく自動停止時間が経過したことにより図柄を停止表示するための条件が満たされた時点で各々のリール51L、51C、51Rの停止フラグの設定を行い、この停止フラグの設定に基づいて押圧操作のあった停止ボタン40L、40C、40Rに対応するリール51L、51C、51Rの回転を停止させる処理を実施する。
【0079】
Sa6のステップにおける入賞判定処理では、Sa5のステップにおいて全てのリール51L、51C、51Rの回転が停止されたと判定した時点で、各表示領域に表示された表示態様と、Sa3のステップにおいて当選した内部当選フラグ並びにROM213に格納された入賞判定テーブルと、を照合して入賞内容の判定を行う処理を実行するとともに、特にいずれかの入賞が発生したと判定した場合には、その入賞内容に対応した各種設定を行う。
【0080】
Sa7のステップにおける払出処理では、Sa7のステップにおいてメダルの払出を伴う入賞の発生が判定された場合に、その入賞内容に対応して設定された払出枚数に基づくクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。具体的には、払出メダル枚数をクレジットに加算するとともに、クレジットが上限値に到達した場合には、ホッパーモータ62の駆動により残りの枚数分のメダルを直接メダル払出口9より払い出す処理を行う。
【0081】
次に、本実施例における遊技制御基板200の制御部210が一定周期(本実施例では0.56ms毎)でパルス分周回路219から出力される割込パルスの検出に伴いサブルーチンとして実行するタイマ割込処理の制御内容を、図6のフローチャートに基づいて以下に説明していく。
【0082】
まず、割込パルスの検出に基づき、4種類のタイマ割込処理1〜4から実行すべきタイマ割込処理を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sb1)。Sb1のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
【0083】
次いで、分岐用カウンタ値を参照し、今回のタイマ割込処理として実行する処理がタイマ割込処理1であるか、タイマ割込処理2であるか、タイマ割込処理3であるか、タイマ割込処理4であるか、を判定する(Sb2〜4)。具体的には、分岐用カウンタ値が0であればタイマ割込処理1であると判定し、1であればタイマ割込処理2であると判定し、2であればタイマ割込処理3であると判定し、3であればタイマ割込処理4であると判定する。
【0084】
次いで、Sb2〜4のステップにおける判定に該当するタイマ割込処理1〜4のいずれかを実行し(Sb5〜8)、メインルーチンの元の位置に戻る。
【0085】
本実施例では、上述のようなタイマ割込処理が0.56msの間隔で行われることにより、図7に示すように、タイマ割込処理1〜4からなる4種類のタイマ割込処理が2.24msの間隔で順次繰り返し行われるようになっている。
【0086】
図8は、遊技制御基板200に搭載された制御部210から演出制御基板201の制御部230に対して送信されるコマンドの一例を示す図である。
【0087】
演出制御基板201の制御部230に対して送信されるコマンドのうち、BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETボタン36aまたはMAXBETボタン36bが操作されて賭数が設定されたときに送信される。
【0088】
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始されたとき、すなわちスタートレバー38が操作されたときに送信される。
【0089】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、各リールの回転が開始されたときに送信される。
【0090】
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールに停止する図柄、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作が検出される毎に送信される。
【0091】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時の払出枚数、を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
【0092】
払出開始コマンドは、入賞等によるメダルの払出開始を通知するコマンドであり、払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、払出が終了したときに送信される。
【0093】
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常ゲームであるか、BB中であるか等)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
【0094】
これら各コマンドは、前述したメインルーチンにおいてゲームの進行に応じて生成された後、RAM212に設けられたコマンドキューに一時的に格納され、前述したタイマ割込処理4内で実行するコマンド送信処理において演出制御基板201に対して送信される。
【0095】
図9は、前述したコマンドキューの構成を示す図である。コマンドキューには、複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。また、各コマンドを格納する領域には、各々格納したコマンドの生成された順番を示す送信値が対応付けて設定される。尚、本実施例では、コマンドを格納していない領域に対応する送信値として「0」が設定されるため、各領域に対応する送信値の合計値を算出することにより、コマンドキュー内にコマンドが格納されているか否か、すなわちコマンド送信処理において送信すべきコマンドがあるか否か、を検知することができる。
【0096】
図10は、制御部210のメインルーチンにおいてコマンドを生成する際に実行するコマンド生成処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0097】
コマンド生成処理では、まず、送信すべきコマンドを構成する値のうち制御状態に応じて変動しない定型値を設定する(Sc1)。次いで、送信すべきコマンドを構成する値が、制御状態に応じて変動する可変値を含むか否かを判定し(Sc2)、可変値を含む場合には、制御状態に応じた可変値を設定する(Sc3)。
【0098】
次いで、生成したコマンドをコマンドキューの空き領域に格納した後(Sc4)、コマンドキューに設定されている送信値に1を加算した値を算出し、その値をSc4のステップにおいて格納したコマンドの送信値として設定する(Sc5)。すなわちその時点での最大値が送信値として設定される。
【0099】
図11は、制御部210のタイマ割込処理3内においてコマンドを送信する際に実行するコマンド送信処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0100】
コマンド送信処理では、まず、コマンドキューに格納されたコマンドの送信待ちの状態であるか否かを判定する(Sd1)。送信待ちの状態であるか否かは、後述する送信待ちフラグの有無により判定する。
【0101】
Sd1のステップにおいて送信待ちの状態でない場合には、コマンドキューに設定された送信値の合計値を算出し、その合計値が0であるか否かを判定する(Sd2)。すなわちコマンドキューにコマンドが格納されているか否かを確認する。
【0102】
Sd2のステップにおいて送信値の合計値が0の場合には、送信すべきコマンドが格納されていないので、処理を終了する。
【0103】
また、Sd2のステップにおいて送信値の合計値が0ではない場合、すなわちコマンドキューにコマンドが格納されている場合には、乱数カウンタから0〜31の範囲でランダムに発生する乱数値を取得し(Sd3)、取得した乱数値を遅延カウンタに設定する(Sd4)。
【0104】
次いで、遅延カウンタの値が0であるか否か、すなわちコマンドキューに格納されているコマンドを遅延させずに送信するか否か、を判定し(Sd5)、遅延カウンタ値が0でない場合、すなわちコマンドキューに格納されているコマンドを遅延させて送信する場合には、送信待ちを示す送信待ちコマンドを設定して(Sd8)処理を終了する。
【0105】
また、Sd5のステップにおいて遅延カウンタ値が0の場合、すなわちコマンドキューに格納されているコマンドを遅延させずに送信する場合には、コマンドキューに格納されているコマンドのうち送信値が1のコマンドを演出制御基板201に対して送信し(Sd6)、送信したコマンドをクリアするとともに、各送信値の値を1減算して(Sd7)、処理を終了する。
【0106】
また、Sd1のステップにおいて送信待ちの状態であると判定した場合には、遅延カウンタを1減算し(Sd9)、遅延カウンタの値が0であるか否か、すなわち遅延時間が経過したか否かを判定し(Sd10)、遅延カウンタ値が0でない場合、すなわち遅延時間が経過していない場合には、処理を終了する。
【0107】
また、Sd10のステップにおいて遅延カウンタ値が0の場合、すなわち遅延時間が経過している場合には、送信待ちフラグをクリアした後(Sd11)、コマンドキューに格納されているコマンドのうち送信値が1のコマンドを演出制御基板201に対して送信し(Sd6)、送信したコマンドをクリアするとともに、各送信値の値を1減算して(Sd7)、処理を終了する。
【0108】
図12は、本実施例におけるコマンドの送信状況の一例を示すタイミングチャートである。
【0109】
本実施例では、図12に示すように、メインルーチンにおいて生成されたコマンドがコマンドキューに格納され、タイマ割込処理4内のコマンド送信処理においてコマンドキューに格納されたコマンドが検知されると、遅延時間が決定され、決定した遅延時間が経過した時点で、コマンドキューに格納されたコマンドが送信される。
【0110】
具体的には、コマンド送信処理においてコマンドキューに格納されたコマンドを検知すると、0〜31の範囲でランダムに発生する乱数値を取得し、その値(L)を遅延カウンタに設定する。
【0111】
この際、遅延カウンタの値(L)が0であれば、その時点でコマンドキューに格納されたコマンドを送信する。
【0112】
また、遅延カウンタの値(L)が1〜31の場合には、その後のコマンド送信処理において遅延カウンタの値を1ずつ減算していき、遅延カウンタの値が0となった時点で、コマンドキューに格納されているコマンドを送信する。
【0113】
すなわち、コマンド送信処理において検知されたコマンドは、その際取得した遅延カウンタの値(L)にコマンド送信処理の実行間隔(2.24ms)を乗算した時間が経過した後、送信されることとなる。
【0114】
このため、コマンド送信処理にて検知されたコマンドは、その際設定した遅延カウンタの値に応じて0〜69.44msの範囲でランダムに遅延して送信されることとなる。
【0115】
また、本実施例では、コマンドキューに複数のコマンドを格納可能なエリアが設けられており、コマンドキューに格納されたコマンドの送信を待たずに、新たにメインルーチンにおいて生成したコマンドをコマンドキューの空き領域に格納することが可能とされている。すなわち複数のコマンドを蓄積できるようになっている。このため、コマンドの送信が遅延されることに伴ってメインルーチンの処理が停止してしまうことを回避できる。
【0116】
また、コマンドキューには、格納されたコマンドに対応して、そのコマンドが生成された順番を示す送信値が設定されており、コマンド送信処理ではこの送信値の順番でコマンドが送信されることとなるため、コマンドキューに格納されたコマンドは、常に生成された順番で送信される。すなわちコマンド送信処理では、先に生成されたコマンドから順次送信されるようになっている。
【0117】
また、コマンドキューに複数のコマンドが格納されている場合には、最初に生成されたコマンドを送信した後、次に実行するコマンド送信処理において改めてコマンドキューにコマンドが格納されているかを判定し、コマンドが格納されている場合には、その時点でそのコマンドの遅延時間(遅延カウンタ値)を決定し、その遅延時間が経過した時点で送信する。このため、複数のコマンドがコマンドキューに格納されている場合には、例えば、図12に示すように、各々の送信間隔が最短(遅延時間として0が決定された場合)でも、コマンド送信処理(タイマ割込処理4)の実行間隔である2.24msの間隔をあけて送信されることとなる。言い換えれば、コマンドの送信後、2.24msが経過するまでは次のコマンドは送信されることがない。
【0118】
以上説明したように、遊技制御基板200の制御部210から演出制御基板201の制御部230に対して送信されるコマンドの送信タイミングが0〜69.44msの範囲でランダムに変化するため、制御部230により制御部210から送信されるコマンドの受信タイミングに基づいて目押しの補助となるような演出が行われてしまうことを防止できる。すなわちスロットマシンが有する本来の楽しみである目押しの楽しみを損なうような演出が行われてしまうことを防止できるため、興趣の高いスロットマシンを提供することができる。
【0119】
更に、複数のコマンドが連続して送信される場合でも、各々のコマンドがその生成順、すなわち本来コマンドが送信されるべき順番にて送信されるため、制御部230は演出制御基板の制御状態を正確な順番で把握して演出を行うことが可能であり、演出の順番に食い違いが生じることにより遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0120】
また、本実施例のスロットマシン1では、コマンド送信処理においてコマンドキューに格納されたコマンドを送信するときに、そのコマンドの遅延時間(遅延カウンタ値)を決定するようになっている。すなわち、各コマンドの遅延時間を対応するコマンドとともに、コマンドキューに格納する必要がなくなるため、コマンドキューの格納容量、しいてはRAM212の記憶容量を節約できる。
【0121】
また、本実施例のスロットマシン1では、コマンドキューに複数のコマンドが格納されている場合に、最初に生成されたコマンドが送信された後、次に実行されるコマンド送信処理が実行されるまで、次に生成されたコマンドが送信されることがない。すなわち最短でも2.24msが経過するまで次のコマンドが送信されないようになっており、制御部230が制御部210から送信されたコマンドの受信を確実に行うための時間を担保できる。
【0122】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0123】
例えば、前記実施例では、遊技の制御を行うメイン制御手段としての制御部210が遊技制御基板200に搭載され、演出の制御を行うサブ制御手段としての制御部230が演出制御基板201に搭載された構成とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともこれらメイン制御手段とサブ制御手段と、が各々別個に設けられていれば良く、これら各制御手段が同一の基板上に搭載された構成としても良い。
【0124】
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能な通常のスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、更には可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これらスロットマシンの種別が限定されるものではない。
【0125】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0126】
本発明の請求項1は、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1であって、遊技の制御を行うメイン制御手段(制御部210)と、該メイン制御手段(制御部210)から送信された制御情報(コマンド)の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段(制御部230)と、を備え、前記メイン制御手段(制御部210)は、制御状態に応じて前記制御情報(コマンド)を生成する制御情報生成手段(コマンド生成処理)と、該制御情報生成手段(コマンド生成処理)にて生成された前記制御情報(コマンド)を格納する制御情報格納手段(RAM212(コマンドキュー))と、該制御情報格納手段(RAM212(コマンドキュー))に格納された前記制御情報(コマンド)を前記サブ制御手段(制御部230)に対して送信する制御情報送信手段(コマンド送信処理)と、該制御情報送信手段(コマンド送信処理)による前記制御情報(コマンド)の送信タイミングを所定時間(0〜69.44ms)の範囲でランダムに遅延させることが可能な送信タイミング遅延手段(コマンド送信処理において遅延カウンタが0となるまでコマンドの送信を遅延させる処理)と、を備え、前記制御情報送信手段(コマンド送信処理)は、前記制御情報格納手段(RAM212(コマンドキュー))に前記制御情報(コマンド)が複数格納されている場合に、該格納された制御情報(コマンド)を生成された順番に送信する。
【0127】
本発明の請求項2は、前記送信タイミング遅延手段(コマンド送信処理において遅延カウンタが0となるまでコマンドの送信を遅延させる処理)は、前記制御情報送信手段(コマンド送信処理)が前記制御情報(コマンド)を送信するときに、該送信する制御情報(コマンド)の送信タイミングの遅延時間(遅延カウンタに設定される値)を決定する。
【0128】
本発明の請求項3は、前記制御情報送信手段(コマンド送信処理)は、前記制御情報(コマンド)の送信後、所定の送信規制時間(2.24ms)が経過するまで前記制御情報(コマンド)の送信を行わない。
【0129】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0130】
(a)請求項1項の発明によれば、メイン制御手段からサブ制御手段に対して送信される制御情報の送信タイミングが所定時間の範囲でランダムに変化するため、サブ制御手段によりメイン制御手段から送信される制御情報の受信タイミングに基づいて目押しの補助となるような演出が行われてしまうことを防止できる。すなわちスロットマシンが有する本来の楽しみである目押しの楽しみを損なうような演出が行われてしまうことを防止できるため、興趣の高いスロットマシンを提供することができる。更に、複数の制御情報が連続して送信される場合でも、各々の制御情報がその生成順、すなわち本来制御情報が送信されるべき順番にて送信されるため、サブ制御手段はメイン制御手段の制御状態を正確な順番で把握して演出を行うことが可能であり、演出の順番に食い違いが生じることにより遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0131】
(b)請求項2項の発明によれば、各制御情報とともに、その送信タイミングの遅延時間を制御情報格納手段に格納する必要がなくなるため、制御情報格納手段の格納容量を節約できる。
【0132】
(c)請求項3項の発明によれば、制御情報を連続して送信することにより、サブ制御手段が制御情報の受信を確実に行うための時間を担保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンを示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの内部構造図である。
【図3】本実施例のスロットマシンの全体構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例の実施例のスロットマシンにおける回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例におけるスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例におけるスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部が定期的に実行するタイマ割込処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】図6に示すタイマ割込処理の実行状況を示すタイミングチャートである。
【図8】本実施例のスロットマシンにおいて遊技制御基板から演出制御基板に対して送信されるコマンドの一例を示す図である。
【図9】本発明の実施例におけるスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部のRAMに設けられたコマンドキューの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施例におけるスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部が行うコマンド生成処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
【図11】図6に示すタイマ割込処理4の中で実行するコマンド送信処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
【図12】遊技制御基板から演出制御基板に対して送信されるコマンドの送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン
51L、51C、51R リール
210 制御部
212 RAM
230 制御部
Claims (3)
- 1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技の制御を行うメイン制御手段と、
該メイン制御手段から送信された制御情報の受信に基づき演出の制御を行うサブ制御手段と、
を備え、
前記メイン制御手段は、制御状態に応じて前記制御情報を生成する制御情報生成手段と、該制御情報生成手段にて生成された前記制御情報を格納する制御情報格納手段と、該制御情報格納手段に格納された前記制御情報を前記サブ制御手段に対して送信する制御情報送信手段と、該制御情報送信手段による前記制御情報の送信タイミングを所定時間の範囲でランダムに遅延させることが可能な送信タイミング遅延手段と、を備え、
前記制御情報送信手段は、前記制御情報格納手段に前記制御情報が複数格納されている場合に、該格納された制御情報を生成された順番に送信することを特徴とするスロットマシン。 - 前記送信タイミング遅延手段は、前記制御情報送信手段が前記制御情報を送信するときに、該送信する制御情報の送信タイミングの遅延時間を決定する請求項1に記載のスロットマシン。
- 前記制御情報送信手段は、前記制御情報の送信後、所定の送信規制時間が経過するまで前記制御情報の送信を行わない請求項1または2に記載のスロットマシン。
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