JP2004229808A - 食器洗浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】食器洗浄機の洗浄工程後のすすぎ工程で漂白を行う場合に、洗浄水中やフィルターに残留した残飯や汚れが漂白成分と結合してしまい、十分な漂白効果が得られなかったり、不快な臭気を生じる場合があった。
【解決手段】洗浄水中の有機物濃度を検出する有機物検出手段16またはフィルターの汚れを検出するフィルター汚れ検出手段18の出力に応じて、洗浄水中に漂白成分を含有させる漂白手段19や洗浄手段の運転を制御する制御手段15を備えた。洗浄水中の有機物濃度が高いとき、またはフィルター上に汚れがあるときは、漂白成分を増やすように運転制御したり、漂白の実施の可否を判断して洗浄水の置換やフィルターの清掃を促す報知を行うようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】洗浄水中の有機物濃度を検出する有機物検出手段16またはフィルターの汚れを検出するフィルター汚れ検出手段18の出力に応じて、洗浄水中に漂白成分を含有させる漂白手段19や洗浄手段の運転を制御する制御手段15を備えた。洗浄水中の有機物濃度が高いとき、またはフィルター上に汚れがあるときは、漂白成分を増やすように運転制御したり、漂白の実施の可否を判断して洗浄水の置換やフィルターの清掃を促す報知を行うようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器の洗浄、漂白を行う食器洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の食器洗浄機は、家庭に常時ある食塩を用いて洗浄水と混合して電気分解することにより、漂白成分である遊離塩素を洗浄水中に生成して、本洗い後のすすぎ行程、又は予洗行程、単独の漂白行程で漂白することにより、漂白、脱臭、殺菌効果を発揮するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特許第3245958号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の食器洗浄機においては、洗浄水の循環経路にフィルターを備えて、食器に付着していた残飯や汚れはフィルターで捕捉され、残飯や汚れが食器に再付着するのを防止するものがあった。これらの残飯や汚れなどの有機物は、漂白成分である遊離塩素と結合しやすく、洗浄水中の遊離塩素の大部分が結合塩素として消費されてしまう。また、食器の洗浄のために添加した洗剤が洗浄水中に残留している場合にも、遊離塩素は洗剤と反応して結合塩素として消費されてしまう。
結合塩素は遊離塩素と比べて漂白効果が小さいため、漂白を行う際に、充分な漂白、脱臭、殺菌効果を発揮できなくなる問題があった。また遊離塩素よりも結合塩素の方が強い異臭を有するため、結合塩素の濃度が高くなる場合には、異臭によって使用者の不快感を生じさせてしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、使用者が不快感を感じることがなく、漂白成分の失活を防止して、漂白、脱臭、殺菌効果の高い食器洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明においては、食器等の被洗浄物を収納する洗浄槽と、洗浄槽に洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を洗浄槽内で噴射させて被洗浄物を洗浄する洗浄手段と、洗浄水中に漂白成分を含有させる漂白手段とを備え、少なくとも食器の洗浄工程と漂白工程とすすぎ工程とを含む複数の工程と、それぞれの工程内で給水動作と循環動作と排水動作とを順次実行する食器洗浄機において、前記洗浄工程と前記漂白工程の間に少なくとも1回以上のすすぎ工程を実行するようにしたので、洗浄工程で使用された洗剤や洗剤を使用しない洗浄を行った場合の食器からの汚れが、漂白時の洗浄水中に残留するのを小さくできる。このため、漂白工程において、漂白成分が洗剤や汚れによって失活するのを低減でき、漂白成分がこれらの洗剤や汚れと結合して不快な臭気が発生するのを抑制できる。
【0006】
また、洗浄水中の残飯を捕捉するフィルターを備え、前記漂白工程の開始前に前記フィルター上の残飯の捕捉状態の判断結果に基づいて前記フィルターの清掃時期を報知するようにしたので、報知によって使用者がフィルターを清掃するタイミングを容易に知ることができ、フィルターの清掃により、漂白成分が失活するのを低減でき、また、漂白成分がフィルター上の汚れと結合して不快な臭気が発生するのを抑制できる。フィルター上の残飯の捕捉状態の判断は、前記フィルターの荷重を検出する荷重検出手段を備えるようにして、検出結果に基づいて判断すれば汚れの溜まったときに報知し、汚れのないときは報知しないなど、必要に応じた清掃報知の実行が可能となり、簡単な構成でフィルターの汚れを検出することができる。
【0007】
また、漂白工程の前に実行された工程の有無に応じて、前記清掃時期報知の可否を判断すれば、漂白工程が最初に実行される場合には、漂白工程の実行前にはまだフィルターに残飯や汚れが捕捉されてないので清掃する必要がなく、不要な報知により使用者をわずらわせるのを防止できる。清掃時期報知の有無を選択可能としてもよく、フィルターに捕捉されるような食器の汚れがほとんどない場合などのフィルターの清掃が不要な場合に、不要な報知により使用者がわずらわされることがなくなる。
【0008】
さらに、前記フィルターの清掃手段を備えるようにして、フィルターの清掃が必要と判断される場合に、自動でフィルターの清掃を行うようにして、使用者の手をわずらわせない使い勝手のよい食器洗浄機を提供できる。
【0009】
したがって、本発明によれば、簡単な構成で、異臭によって使用者の不快感を生じさせることがなく、漂白成分を有効に利用できる、使い勝手のよい食器洗浄機を提供することができる。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態の食器洗浄機の内部構造図である。食器洗浄機1は内部に洗浄水を溜める洗浄槽2を備え、洗浄槽2に食器を出し入れするための扉50と、洗浄槽2の内部に食器を収納する食器かご3と、食器に向けて洗浄水を噴射するノズル4を備える。洗浄槽2の下方にはポンプ5を備え、ポンプ5はノズル4から食器に向けて洗浄水を噴射するべく、洗浄水を圧送する。洗浄槽2内へ洗浄水の供給を行う給水手段としては給水経路6と給水経路6の開閉を行う電磁弁7を備え、洗浄槽2内に溜めた洗浄水の水位を検出する水位検出手段8を備えて、所定の水位まで洗浄水を溜めるように電磁弁7の開閉を行うことができる。また洗浄槽2には洗浄水を加熱する温水ヒーター9および洗浄水の温度を検出する温水温度検出手段10を備えて、温水温度検出手段10の出力に基づいて温水ヒーター9を運転して、洗浄水の温度を所定の温度に維持することができる。
ポンプ5は、洗浄水を食器に向けて噴射する洗浄手段としての機能と、洗浄水を食器洗浄機1の外部へと排出する排水手段としての機能とを合わせもつようにしてもよく、その場合はポンプ5は排水経路11に連通する。ポンプ5、電磁弁7、温水ヒーター9を適宜運転することにより、所定温度で所定の水量の洗浄水によって食器の洗浄を行うことができる。
【0011】
また、食器洗浄機1には、洗浄槽2に風を送り込む送風ファン12と、送風ファン12によって送り込まれる風を加熱する温風ヒーター13と、送風ファン12によって送り込まれた風を機外に排出する排気口14を備えて、食器の乾燥も行えるようにしてもよい。食器洗浄機1の内部には制御装置15を備え、食器洗浄機1の前面には操作パネル39を備えている。
【0012】
洗浄槽2の内部には洗浄水中の残飯や汚れを捕捉するフィルター17を備え、フィルター17は、洗浄水中の残飯や汚れが洗浄水中に浮遊して洗浄手段であるノズル4やポンプ5を詰まらせるのを防止し、またこれらの残飯や汚れが食器に再度付着するのを防止する。
【0013】
洗浄槽2には、洗浄水中の有機物濃度を検出する有機物検出手段16を備える。有機物検出手段16には、洗浄水の光透過度から洗浄水中の懸濁物質の濃度を検出する濁度センサーを用いたり、洗浄水中の電極の電圧と電流の関係から有機物濃度を推定するセンサーを用いたりしてもよい。さらには、フィルター17に捕捉された汚れの度合いを検出するフィルター汚れ検出手段18を備える。フィルター汚れ検出手段18には、汚れを捕捉した際のフィルター17の表面の光の反射率の変化から汚れ度合いを検出する光センサーを用いてもよいし、フィルター17を下方から受けた面がフィルター17から受ける力を検出する荷重検出器を用いてもよい。またフィルター汚れ検出手段18は、フィルター17の下方に圧力センサーを設けてフィルター17の目詰まり状況を圧力損失値として検出したり、ポンプ5を駆動するモーターの電流および電圧の負荷状況からフィルター17の目詰まり状況を推定したりするものであってもよい。
【0014】
また食器洗浄機1には、洗浄水に漂白成分を含有させる漂白手段19を備える。漂白手段19としては、洗浄水に漂白剤を自動添加する装置であってもよいし、図1に示すように、洗浄水の電気分解手段20を備え、食塩を含有した洗浄水を電気分解することで、洗浄水中に遊離塩素を生成するようにしてもよい。
【0015】
図2は本発明の一実施形態の食器洗浄機の制御ブロック図である。制御装置15はマイクロコンピュータ21を備え、マイクロコンピュータ21は、その内部にあらかじめプログラミングされたプログラムが記憶されており、入力回路22からの信号を演算しながら、記憶されたプログラムに基づき外部の出力回路23、駆動回路24に信号を出力することによって、食器の洗浄および乾燥の一連の動作を行ったり、運転状態やエラーなどの表示や報知を行うものである。
【0016】
食器洗浄機1による食器の洗浄は、洗い工程、すすぎ工程、最終すすぎ工程を逐次実行することによって行われ、各工程の実施回数ならびに各工程における実施時間および洗浄水の加熱到達温度があらかじめマイクロコンピュータ21内部のプログラムとして設定された洗浄コースを使用者が選択して実行するもので、食器の汚れや量に応じて洗浄コースを選択できるように、設定の異なる複数の洗浄コースを備える。同様に食器の乾燥については、乾燥時間および乾燥温度の異なる複数の乾燥コースから選択できる。
【0017】
洗い工程、すすぎ工程、最終すすぎ工程のそれぞれの工程内においては、給水動作、循環動作、排水動作が逐次実行される。すなわち給水動作では、電磁弁7を開成し洗浄槽2内に洗浄水を供給し、水位検出手段8からの信号によって所定の水位まで到達したことをマイクロコンピュータ21が認識すると電磁弁7を閉止する。循環動作では洗浄槽2内の洗浄水をポンプ5がノズル4に圧送し、食器に向かって噴射し、洗浄槽2内の洗浄水を循環する。排水動作では洗浄槽2内の洗浄水をポンプ5によって食器洗浄機1の外部に排出する。
【0018】
洗い工程と最終すすぎ工程においては、洗浄槽2に貯水される洗浄水を、循環動作において温水ヒーター9によって加熱しながらポンプ5による噴射および循環を行う。すすぎ工程においては温水ヒーター9による洗浄水の加熱は行なわずに、ポンプ5による洗浄水の噴射および循環を行なう。すすぎ工程において食器の漂白が実行される場合には、循環動作において漂白手段19が運転されて洗浄水中に漂白成分を含有させながら、ポンプ5による洗浄水の噴射および循環を行なう。この場合も温水ヒーター9による洗浄水の加熱は行なわない。
【0019】
乾燥工程においては、送風ファン12によって洗浄槽2内に風が送り込まれ、排気口14から食器洗浄機1の外部に排出される。さらに温風による乾燥コースが選択された場合には、送風ファン12を運転するとともに温風ヒータ13に通電して、洗浄槽2に送り込む風を加熱する。
【0020】
図3は本発明の一実施形態の食器洗浄機の操作パネルの概略図である。操作パネル39には、電源の入/切を行う電源スイッチ25、運転の開始および一時停止を行うスタート/一時停止スイッチ26、洗浄コースを選択する洗浄コーススイッチ27、漂白の実施可否を選択する漂白スイッチ28、乾燥コースを選択する乾燥選択スイッチ29を備える。洗浄コーススイッチ27は、たとえば、軽い汚れの食器を洗剤を使用して短時間で洗浄する『8分コース』、軽い汚れの食器を洗剤を使用せずに洗浄する『洗剤なしコース』、標準的な汚れの食器を洗剤を使用して洗浄する『標準コース』、といったあらかじめ設定されている複数の洗浄コースの中から運転する洗浄コースを選択するスイッチである。
【0021】
漂白スイッチ28は、先に洗浄コーススイッチ27で洗浄コースが選択されたあとで漂白スイッチ28が選択されたときには、洗い工程の後に実行されるすすぎ工程での漂白を実行し、漂白スイッチ28のみが選択されたときには、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行するスイッチである。また、洗浄コーススイッチ27で洗浄コースが選択されたあとでも、漂白スイッチ28が例えば連続して3秒以上押されたときには、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行するようにしてもよいし、漂白スイッチ28が押されたときは、洗浄コーススイッチ27での洗浄コースの選択に関わらず、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行するようにしてもよい。
【0022】
乾燥選択スイッチ29は、温風15分、温風30分、温風60分、送風60分といったあらかじめ設定されている複数の乾燥コースの中から運転する乾燥コースを選択するスイッチである。また、洗浄を行わずに乾燥のみを行いたい場合に選択する乾燥のみスイッチ30を備える。乾燥選択スイッチ29は、洗浄コーススイッチ27にて洗浄コースのいずれかが選択された場合も、乾燥のみスイッチ30で乾燥のみ運転が選択された場合にも設定可能である。
【0023】
操作パネル39には、運転状況として実行中の工程を表示する工程表示LED31、選択された洗浄コースおよび乾燥コースを表示する選択コース表示LED32、漂白の実行の有無を表示する漂白LED33を備える。さらに操作パネル39に、漂白における食塩の投入タイミングを表示する食塩投入LED34、洗浄水の汚れ度合いやフィルター汚れ度合いを表示する汚れ表示LED35を備える。また操作パネル39もしくは制御装置15にブザー38を備えて、操作パネル39のLED31乃至35の点灯や点滅に合わせてブザー38を鳴らすようにしてもよい。
【0024】
かかる構成によって、食器洗浄機1において食器を漂白する場合、洗浄コーススイッチ27で洗浄コースが選択されたあとで漂白スイッチ28が選択され漂白の実行が選択されたときは、まず通常の洗浄工程による食器の洗浄が実行され、次にすすぎ工程による食器のすすぎが行われ、その次に食器の漂白を行う漂白工程が実行される。漂白工程においてはまず、フィルター汚れ検出手段18の出力がマイクロコンピュータ21によって確認される。フィルター汚れ検出手段18の出力に基づいてフィルター17上の残飯汚れがないか所定量よりも少ないと判断されると、漂白工程の実行を継続して、給水動作と循環動作と排水動作とを順次実行する。循環動作においては、漂白手段19を動作させて洗浄水に漂白成分を含有させながら、ポンプ5によって漂白成分を含有した洗浄水が食器に向かって噴射される。
【0025】
一方、フィルター17上の残飯汚れが所定量よりも多いと判断した場合には、汚れ表示LED35を点灯させ、ブザー38を鳴らしてフィルター17の清掃報知を行う。この場合、汚れ表示LED35の点灯およびブザー38による報知は、単にフィルター17の汚れ詰まりを報知するだけでなく、漂白を実行してもフィルター17上の汚れにより漂白成分の失活や不快臭発生のおそれがあることを意味するものであって、その後の漂白が実行されないことを示す。
【0026】
使用者はブザー38の音を聞いて、汚れ表示LED35が点灯していることを確認して、フィルター17に捕捉された残飯や汚れを清掃すればよい。扉50の開閉を検出する扉検出手段51により、使用者がフィルター17を掃除するために扉50が開かれたことをマイクロコンピュータ21が認知した場合には、ブザー38を停止する。扉50が閉じられた後で、スタート/一時停止スイッチ26またはその他のいずれかのスイッチを押すと、漂白工程が再開される。このときフィルター17には漂白成分と結合しやすい残飯や汚れが捕捉されていない状態であり、漂白が開始されても、洗浄水中の漂白成分が失活したりすることがなく、有機物と結合した漂白成分による不快臭発生もない。
【0027】
循環動作での漂白の実行中においても、フィルター17上の汚れが多いと判断される場合には汚れ表示LED35を点灯させるとともにブザーを鳴らすようにしてフィルター17の清掃を促してもよい。また、循環動作での漂白が実行されるすすぎ工程における給水動作が実行される前に、フィルター汚れ検出手段18の出力を確認するようにしてもよく、フィルター17上の汚れが溶け出すなどして給水動作で給水される洗浄水の有機物濃度が高くなるのを防止できる。
【0028】
なお、フィルター汚れ検出手段18の出力にかかわらず、循環動作での漂白の実行前に必ず汚れ表示LED35およびブザーによる報知を行ってもよく、その場合はフィルター汚れ検出手段18を備えなくてもよいため、食器洗浄機の構成が簡単になる。また、食器洗浄機の運転を漂白工程から開始する場合には、フィルター17上の残飯汚れはないと判断して、フィルター17の清掃報知は行わないようにしてもよく、使用者が不要な報知にわずらわされることがない。
【0029】
また、フィルター17の汚れの自動排出機構を備えて、フィルター汚れ検出手段18の出力に応じて、フィルター17の汚れを自動排出するように動作させてもよい。洗浄水の排水を行う際にフィルター17の汚れが排出されるような構成としてもよく、図4に示すような構成とすることも可能である。図4は本発明の他の実施形態の食器洗浄機の要部概略図である。フィルター40は略円筒状とし、略円形状の端面の一方は洗浄槽2に開放され、他方の端面は排水ポンプ41に連通する。フィルター40の筒状側面には多数の小穴を有して、筒状側面の外側は循環ポンプ42に連通する。洗浄水を循環する際は循環ポンプ42を動作させると、洗浄水がフィルター40の筒状側面を通過して、洗浄水中の残飯や汚れはフィルター40の円筒内部に捕捉される。また、洗浄水を排水する際に排水ポンプ41を動作させると、フィルター40の円筒内部に捕捉された残飯や汚れは洗浄水と一緒に排出されることになる。
【0030】
また、循環動作での漂白の運転においては、洗浄水の有機物検出手段16の出力がマイクロコンピュータ21によって確認される。有機物検出手段16の出力に基づいて洗浄水中の有機物が多いとマイクロコンピュータ21が判断すると、漂白成分の濃度を高くするように漂白手段19の動作条件を変更する。例えば漂白手段19として備える洗浄水の電気分解手段20への通電条件を変更し、電流を多く流して電気分解を促進させるように運転を変更する。このようにすることで、漂白成分が洗浄水中の有機物と結合する分を考慮して漂白成分を増やしておくことができるので、漂白効果を低下させずに運転することが可能となる。
【0031】
また、漂白の運転中に、有機物検出手段16の出力に基づいて洗浄水中の有機物が多いとマイクロコンピュータ21が判断した場合に、マイクロコンピュータ21は漂白の実行を継続しないように判断して、実行中の運転を停止して、洗浄水の排水と新たな洗浄水の給水を行って洗浄水を置換するように、ポンプ5および電磁弁7を動作させてもよい。このとき、汚れ表示LED35を点灯させたり、さらにブザー38を鳴らして報知するようにしてもよい。洗浄水の置換を行う際に、漂白手段19を動作させずに食器に向かって噴射するようにポンプ5を動作させてから洗浄水の置換操作を行うようにしてもよく、すなわちすすぎ工程を1回追加するのと同様の動作を行ったことになる。
【0032】
上述の洗浄水の汚れやフィルターの汚れへの対応は、漂白が洗い工程の後に実行されるすすぎ工程で実行される場合と、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行される場合とで、同様に対応してもよい。
【0033】
漂白手段19として洗浄水の電気分解手段20を備える場合には、食塩を含有した洗浄水を電気分解することで、洗浄水中に遊離塩素を生成させるが、このときの食塩は、使用者に洗浄槽2内への食塩の投入を促して、洗浄水に添加されるようにしてもよく、漂白の実行前に、図3に示した操作パネル39において、食塩投入LED34を点灯もしくは点滅させるとともにブザー38を鳴らして報知することができる。扉50の開閉を検出する扉検出手段51により、使用者が所定量の食塩を投入するために扉50が開かれたことをマイクロコンピュータ21が認知した場合には、ブザー38を停止する。食塩が投入されて扉50が閉じられた後で、スタート/一時停止スイッチ26またはその他のいずれかのスイッチを押すと、漂白が再開される。
【0034】
また食塩の自動添加手段44を給水経路6に備えるようにしてもよい。図5は本発明の別の実施形態の食器洗浄機の要部概略図である。食塩添加手段44は、食塩45を内包する容器46が食塩供給経路48で給水経路6と連結されたもので、食塩供給経路48を開閉する電磁弁49を有する。洗浄槽2への給水中に電磁弁49を開成すると、給水の一部もしくは全部が、食塩供給経路48を通じて容器46に導かれ、容器46内の食塩45と混合して食塩水となり、再度食塩供給経路48を通じて洗浄槽2に食塩水が供給される。容器46に半透膜47を備えておくと、通常半透膜47は食塩45を通過させないが、電磁弁49が開成して半透膜47に給水経路6の水圧がかかると、容器46の内部から食塩45の一部が染み出す。容器46の容量と半透膜47の寸法と給水の流れによって半透膜47に生じる水圧を適切に設定すると、適当な量の食塩成分を長期間にわたって供給する食塩添加手段44とすることができる。
【0035】
また、漂白の運転においては、漂白成分の濃度を検出する手段(図示しない)の出力に基づいて漂白手段19の運転を制御してもよい。漂白中の漂白成分の濃度が所定の値に満たないときに、漂白手段19の運転条件を変更して漂白成分の濃度を増やすように運転してもよいし、電気分解手段20の電流や電圧を制御したり、使用者に食塩の追加投入を促すように報知してもよい。また、漂白中の漂白成分の濃度と漂白手段19の動作状況から、洗浄水の有機物濃度を演算により推定して、洗浄水の置換を行ったり、漂白手段19の動作を制御するようにしてもよい。
【0036】
なお、本発明の内容を逸脱しない範囲でいかなる実施の形態も取ることができるのは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上記構成により、洗浄水の置換や、フィルターの清掃により、洗浄水中の汚れやフィルターに捕捉される汚れに起因する有機物を低減できるので、漂白成分の失活を抑制して、十分な漂白効果が得られるようになる。また、漂白成分が有機物と結合して異臭を発生することが抑制でき、使用者の不快感を小さくできる。また、洗浄水中の汚れやフィルターに捕捉される汚れがある場合でも、漂白成分が失活する分を考慮して、洗浄水に含有させる漂白成分の濃度を変更することができるので、漂白効果の高い食器洗浄機を提供できる。
【0038】
また本発明では、フィルターの清掃時期の報知によって使用者がフィルターを清掃するタイミングを容易に知ることができ、簡単な構成で適切なタイミングでのフィルター清掃を実施できる。なお、使用者の判断や、食器の汚れの多寡や、運転のコースに応じて、フィルターの清掃が不要なときには、フィルターの清掃時期が報知されないように運転できるので、不要な報知により使用者がわずらわされることがなく、使い勝手のよい食器洗浄機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の食器洗浄機の内部構造図。
【図2】本発明の一実施形態の食器洗浄機の制御ブロック図。
【図3】本発明の一実施形態の食器洗浄機の操作パネルの概略図。
【図4】本発明の別の実施形態の食器洗浄機の要部概略図。
【図5】本発明の別の実施形態の食器洗浄機の要部概略図。
【符号の説明】
1:食器洗浄機、2:洗浄槽、3:食器かご、4:ノズル、5:ポンプ、6:給水経路、7:電磁弁、8:水位検出手段、9:温水ヒーター、10:温水温度検出手段、11:排水経路、12:送風ファン、13:温風ヒーター、14:排気口、15:制御装置、16:有機物検出手段、17:フィルター、18:フィルター汚れ検出手段、19:漂白手段、20:電気分解手段、21:マイクロコンピュータ、22:入力回路、23:出力回路、24:駆動回路、25:電源スイッチ、26:スタート/一時停止スイッチ、27:洗浄コーススイッチ、28:漂白スイッチ、29:乾燥選択スイッチ、30:乾燥のみスイッチ、31:工程表示LED、32:選択コース表示LED、33:漂白LED、34:食塩投入LED、35:汚れ表示LED、38:ブザー、39:操作パネル、40:フィルター、41:排水ポンプ、42:循環ポンプ、44:食塩添加手段、45:食塩、46:容器、47:半透膜、48;給水経路、49:電磁弁、50:扉、51:扉検出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器の洗浄、漂白を行う食器洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の食器洗浄機は、家庭に常時ある食塩を用いて洗浄水と混合して電気分解することにより、漂白成分である遊離塩素を洗浄水中に生成して、本洗い後のすすぎ行程、又は予洗行程、単独の漂白行程で漂白することにより、漂白、脱臭、殺菌効果を発揮するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特許第3245958号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の食器洗浄機においては、洗浄水の循環経路にフィルターを備えて、食器に付着していた残飯や汚れはフィルターで捕捉され、残飯や汚れが食器に再付着するのを防止するものがあった。これらの残飯や汚れなどの有機物は、漂白成分である遊離塩素と結合しやすく、洗浄水中の遊離塩素の大部分が結合塩素として消費されてしまう。また、食器の洗浄のために添加した洗剤が洗浄水中に残留している場合にも、遊離塩素は洗剤と反応して結合塩素として消費されてしまう。
結合塩素は遊離塩素と比べて漂白効果が小さいため、漂白を行う際に、充分な漂白、脱臭、殺菌効果を発揮できなくなる問題があった。また遊離塩素よりも結合塩素の方が強い異臭を有するため、結合塩素の濃度が高くなる場合には、異臭によって使用者の不快感を生じさせてしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、使用者が不快感を感じることがなく、漂白成分の失活を防止して、漂白、脱臭、殺菌効果の高い食器洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明においては、食器等の被洗浄物を収納する洗浄槽と、洗浄槽に洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を洗浄槽内で噴射させて被洗浄物を洗浄する洗浄手段と、洗浄水中に漂白成分を含有させる漂白手段とを備え、少なくとも食器の洗浄工程と漂白工程とすすぎ工程とを含む複数の工程と、それぞれの工程内で給水動作と循環動作と排水動作とを順次実行する食器洗浄機において、前記洗浄工程と前記漂白工程の間に少なくとも1回以上のすすぎ工程を実行するようにしたので、洗浄工程で使用された洗剤や洗剤を使用しない洗浄を行った場合の食器からの汚れが、漂白時の洗浄水中に残留するのを小さくできる。このため、漂白工程において、漂白成分が洗剤や汚れによって失活するのを低減でき、漂白成分がこれらの洗剤や汚れと結合して不快な臭気が発生するのを抑制できる。
【0006】
また、洗浄水中の残飯を捕捉するフィルターを備え、前記漂白工程の開始前に前記フィルター上の残飯の捕捉状態の判断結果に基づいて前記フィルターの清掃時期を報知するようにしたので、報知によって使用者がフィルターを清掃するタイミングを容易に知ることができ、フィルターの清掃により、漂白成分が失活するのを低減でき、また、漂白成分がフィルター上の汚れと結合して不快な臭気が発生するのを抑制できる。フィルター上の残飯の捕捉状態の判断は、前記フィルターの荷重を検出する荷重検出手段を備えるようにして、検出結果に基づいて判断すれば汚れの溜まったときに報知し、汚れのないときは報知しないなど、必要に応じた清掃報知の実行が可能となり、簡単な構成でフィルターの汚れを検出することができる。
【0007】
また、漂白工程の前に実行された工程の有無に応じて、前記清掃時期報知の可否を判断すれば、漂白工程が最初に実行される場合には、漂白工程の実行前にはまだフィルターに残飯や汚れが捕捉されてないので清掃する必要がなく、不要な報知により使用者をわずらわせるのを防止できる。清掃時期報知の有無を選択可能としてもよく、フィルターに捕捉されるような食器の汚れがほとんどない場合などのフィルターの清掃が不要な場合に、不要な報知により使用者がわずらわされることがなくなる。
【0008】
さらに、前記フィルターの清掃手段を備えるようにして、フィルターの清掃が必要と判断される場合に、自動でフィルターの清掃を行うようにして、使用者の手をわずらわせない使い勝手のよい食器洗浄機を提供できる。
【0009】
したがって、本発明によれば、簡単な構成で、異臭によって使用者の不快感を生じさせることがなく、漂白成分を有効に利用できる、使い勝手のよい食器洗浄機を提供することができる。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態の食器洗浄機の内部構造図である。食器洗浄機1は内部に洗浄水を溜める洗浄槽2を備え、洗浄槽2に食器を出し入れするための扉50と、洗浄槽2の内部に食器を収納する食器かご3と、食器に向けて洗浄水を噴射するノズル4を備える。洗浄槽2の下方にはポンプ5を備え、ポンプ5はノズル4から食器に向けて洗浄水を噴射するべく、洗浄水を圧送する。洗浄槽2内へ洗浄水の供給を行う給水手段としては給水経路6と給水経路6の開閉を行う電磁弁7を備え、洗浄槽2内に溜めた洗浄水の水位を検出する水位検出手段8を備えて、所定の水位まで洗浄水を溜めるように電磁弁7の開閉を行うことができる。また洗浄槽2には洗浄水を加熱する温水ヒーター9および洗浄水の温度を検出する温水温度検出手段10を備えて、温水温度検出手段10の出力に基づいて温水ヒーター9を運転して、洗浄水の温度を所定の温度に維持することができる。
ポンプ5は、洗浄水を食器に向けて噴射する洗浄手段としての機能と、洗浄水を食器洗浄機1の外部へと排出する排水手段としての機能とを合わせもつようにしてもよく、その場合はポンプ5は排水経路11に連通する。ポンプ5、電磁弁7、温水ヒーター9を適宜運転することにより、所定温度で所定の水量の洗浄水によって食器の洗浄を行うことができる。
【0011】
また、食器洗浄機1には、洗浄槽2に風を送り込む送風ファン12と、送風ファン12によって送り込まれる風を加熱する温風ヒーター13と、送風ファン12によって送り込まれた風を機外に排出する排気口14を備えて、食器の乾燥も行えるようにしてもよい。食器洗浄機1の内部には制御装置15を備え、食器洗浄機1の前面には操作パネル39を備えている。
【0012】
洗浄槽2の内部には洗浄水中の残飯や汚れを捕捉するフィルター17を備え、フィルター17は、洗浄水中の残飯や汚れが洗浄水中に浮遊して洗浄手段であるノズル4やポンプ5を詰まらせるのを防止し、またこれらの残飯や汚れが食器に再度付着するのを防止する。
【0013】
洗浄槽2には、洗浄水中の有機物濃度を検出する有機物検出手段16を備える。有機物検出手段16には、洗浄水の光透過度から洗浄水中の懸濁物質の濃度を検出する濁度センサーを用いたり、洗浄水中の電極の電圧と電流の関係から有機物濃度を推定するセンサーを用いたりしてもよい。さらには、フィルター17に捕捉された汚れの度合いを検出するフィルター汚れ検出手段18を備える。フィルター汚れ検出手段18には、汚れを捕捉した際のフィルター17の表面の光の反射率の変化から汚れ度合いを検出する光センサーを用いてもよいし、フィルター17を下方から受けた面がフィルター17から受ける力を検出する荷重検出器を用いてもよい。またフィルター汚れ検出手段18は、フィルター17の下方に圧力センサーを設けてフィルター17の目詰まり状況を圧力損失値として検出したり、ポンプ5を駆動するモーターの電流および電圧の負荷状況からフィルター17の目詰まり状況を推定したりするものであってもよい。
【0014】
また食器洗浄機1には、洗浄水に漂白成分を含有させる漂白手段19を備える。漂白手段19としては、洗浄水に漂白剤を自動添加する装置であってもよいし、図1に示すように、洗浄水の電気分解手段20を備え、食塩を含有した洗浄水を電気分解することで、洗浄水中に遊離塩素を生成するようにしてもよい。
【0015】
図2は本発明の一実施形態の食器洗浄機の制御ブロック図である。制御装置15はマイクロコンピュータ21を備え、マイクロコンピュータ21は、その内部にあらかじめプログラミングされたプログラムが記憶されており、入力回路22からの信号を演算しながら、記憶されたプログラムに基づき外部の出力回路23、駆動回路24に信号を出力することによって、食器の洗浄および乾燥の一連の動作を行ったり、運転状態やエラーなどの表示や報知を行うものである。
【0016】
食器洗浄機1による食器の洗浄は、洗い工程、すすぎ工程、最終すすぎ工程を逐次実行することによって行われ、各工程の実施回数ならびに各工程における実施時間および洗浄水の加熱到達温度があらかじめマイクロコンピュータ21内部のプログラムとして設定された洗浄コースを使用者が選択して実行するもので、食器の汚れや量に応じて洗浄コースを選択できるように、設定の異なる複数の洗浄コースを備える。同様に食器の乾燥については、乾燥時間および乾燥温度の異なる複数の乾燥コースから選択できる。
【0017】
洗い工程、すすぎ工程、最終すすぎ工程のそれぞれの工程内においては、給水動作、循環動作、排水動作が逐次実行される。すなわち給水動作では、電磁弁7を開成し洗浄槽2内に洗浄水を供給し、水位検出手段8からの信号によって所定の水位まで到達したことをマイクロコンピュータ21が認識すると電磁弁7を閉止する。循環動作では洗浄槽2内の洗浄水をポンプ5がノズル4に圧送し、食器に向かって噴射し、洗浄槽2内の洗浄水を循環する。排水動作では洗浄槽2内の洗浄水をポンプ5によって食器洗浄機1の外部に排出する。
【0018】
洗い工程と最終すすぎ工程においては、洗浄槽2に貯水される洗浄水を、循環動作において温水ヒーター9によって加熱しながらポンプ5による噴射および循環を行う。すすぎ工程においては温水ヒーター9による洗浄水の加熱は行なわずに、ポンプ5による洗浄水の噴射および循環を行なう。すすぎ工程において食器の漂白が実行される場合には、循環動作において漂白手段19が運転されて洗浄水中に漂白成分を含有させながら、ポンプ5による洗浄水の噴射および循環を行なう。この場合も温水ヒーター9による洗浄水の加熱は行なわない。
【0019】
乾燥工程においては、送風ファン12によって洗浄槽2内に風が送り込まれ、排気口14から食器洗浄機1の外部に排出される。さらに温風による乾燥コースが選択された場合には、送風ファン12を運転するとともに温風ヒータ13に通電して、洗浄槽2に送り込む風を加熱する。
【0020】
図3は本発明の一実施形態の食器洗浄機の操作パネルの概略図である。操作パネル39には、電源の入/切を行う電源スイッチ25、運転の開始および一時停止を行うスタート/一時停止スイッチ26、洗浄コースを選択する洗浄コーススイッチ27、漂白の実施可否を選択する漂白スイッチ28、乾燥コースを選択する乾燥選択スイッチ29を備える。洗浄コーススイッチ27は、たとえば、軽い汚れの食器を洗剤を使用して短時間で洗浄する『8分コース』、軽い汚れの食器を洗剤を使用せずに洗浄する『洗剤なしコース』、標準的な汚れの食器を洗剤を使用して洗浄する『標準コース』、といったあらかじめ設定されている複数の洗浄コースの中から運転する洗浄コースを選択するスイッチである。
【0021】
漂白スイッチ28は、先に洗浄コーススイッチ27で洗浄コースが選択されたあとで漂白スイッチ28が選択されたときには、洗い工程の後に実行されるすすぎ工程での漂白を実行し、漂白スイッチ28のみが選択されたときには、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行するスイッチである。また、洗浄コーススイッチ27で洗浄コースが選択されたあとでも、漂白スイッチ28が例えば連続して3秒以上押されたときには、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行するようにしてもよいし、漂白スイッチ28が押されたときは、洗浄コーススイッチ27での洗浄コースの選択に関わらず、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行するようにしてもよい。
【0022】
乾燥選択スイッチ29は、温風15分、温風30分、温風60分、送風60分といったあらかじめ設定されている複数の乾燥コースの中から運転する乾燥コースを選択するスイッチである。また、洗浄を行わずに乾燥のみを行いたい場合に選択する乾燥のみスイッチ30を備える。乾燥選択スイッチ29は、洗浄コーススイッチ27にて洗浄コースのいずれかが選択された場合も、乾燥のみスイッチ30で乾燥のみ運転が選択された場合にも設定可能である。
【0023】
操作パネル39には、運転状況として実行中の工程を表示する工程表示LED31、選択された洗浄コースおよび乾燥コースを表示する選択コース表示LED32、漂白の実行の有無を表示する漂白LED33を備える。さらに操作パネル39に、漂白における食塩の投入タイミングを表示する食塩投入LED34、洗浄水の汚れ度合いやフィルター汚れ度合いを表示する汚れ表示LED35を備える。また操作パネル39もしくは制御装置15にブザー38を備えて、操作パネル39のLED31乃至35の点灯や点滅に合わせてブザー38を鳴らすようにしてもよい。
【0024】
かかる構成によって、食器洗浄機1において食器を漂白する場合、洗浄コーススイッチ27で洗浄コースが選択されたあとで漂白スイッチ28が選択され漂白の実行が選択されたときは、まず通常の洗浄工程による食器の洗浄が実行され、次にすすぎ工程による食器のすすぎが行われ、その次に食器の漂白を行う漂白工程が実行される。漂白工程においてはまず、フィルター汚れ検出手段18の出力がマイクロコンピュータ21によって確認される。フィルター汚れ検出手段18の出力に基づいてフィルター17上の残飯汚れがないか所定量よりも少ないと判断されると、漂白工程の実行を継続して、給水動作と循環動作と排水動作とを順次実行する。循環動作においては、漂白手段19を動作させて洗浄水に漂白成分を含有させながら、ポンプ5によって漂白成分を含有した洗浄水が食器に向かって噴射される。
【0025】
一方、フィルター17上の残飯汚れが所定量よりも多いと判断した場合には、汚れ表示LED35を点灯させ、ブザー38を鳴らしてフィルター17の清掃報知を行う。この場合、汚れ表示LED35の点灯およびブザー38による報知は、単にフィルター17の汚れ詰まりを報知するだけでなく、漂白を実行してもフィルター17上の汚れにより漂白成分の失活や不快臭発生のおそれがあることを意味するものであって、その後の漂白が実行されないことを示す。
【0026】
使用者はブザー38の音を聞いて、汚れ表示LED35が点灯していることを確認して、フィルター17に捕捉された残飯や汚れを清掃すればよい。扉50の開閉を検出する扉検出手段51により、使用者がフィルター17を掃除するために扉50が開かれたことをマイクロコンピュータ21が認知した場合には、ブザー38を停止する。扉50が閉じられた後で、スタート/一時停止スイッチ26またはその他のいずれかのスイッチを押すと、漂白工程が再開される。このときフィルター17には漂白成分と結合しやすい残飯や汚れが捕捉されていない状態であり、漂白が開始されても、洗浄水中の漂白成分が失活したりすることがなく、有機物と結合した漂白成分による不快臭発生もない。
【0027】
循環動作での漂白の実行中においても、フィルター17上の汚れが多いと判断される場合には汚れ表示LED35を点灯させるとともにブザーを鳴らすようにしてフィルター17の清掃を促してもよい。また、循環動作での漂白が実行されるすすぎ工程における給水動作が実行される前に、フィルター汚れ検出手段18の出力を確認するようにしてもよく、フィルター17上の汚れが溶け出すなどして給水動作で給水される洗浄水の有機物濃度が高くなるのを防止できる。
【0028】
なお、フィルター汚れ検出手段18の出力にかかわらず、循環動作での漂白の実行前に必ず汚れ表示LED35およびブザーによる報知を行ってもよく、その場合はフィルター汚れ検出手段18を備えなくてもよいため、食器洗浄機の構成が簡単になる。また、食器洗浄機の運転を漂白工程から開始する場合には、フィルター17上の残飯汚れはないと判断して、フィルター17の清掃報知は行わないようにしてもよく、使用者が不要な報知にわずらわされることがない。
【0029】
また、フィルター17の汚れの自動排出機構を備えて、フィルター汚れ検出手段18の出力に応じて、フィルター17の汚れを自動排出するように動作させてもよい。洗浄水の排水を行う際にフィルター17の汚れが排出されるような構成としてもよく、図4に示すような構成とすることも可能である。図4は本発明の他の実施形態の食器洗浄機の要部概略図である。フィルター40は略円筒状とし、略円形状の端面の一方は洗浄槽2に開放され、他方の端面は排水ポンプ41に連通する。フィルター40の筒状側面には多数の小穴を有して、筒状側面の外側は循環ポンプ42に連通する。洗浄水を循環する際は循環ポンプ42を動作させると、洗浄水がフィルター40の筒状側面を通過して、洗浄水中の残飯や汚れはフィルター40の円筒内部に捕捉される。また、洗浄水を排水する際に排水ポンプ41を動作させると、フィルター40の円筒内部に捕捉された残飯や汚れは洗浄水と一緒に排出されることになる。
【0030】
また、循環動作での漂白の運転においては、洗浄水の有機物検出手段16の出力がマイクロコンピュータ21によって確認される。有機物検出手段16の出力に基づいて洗浄水中の有機物が多いとマイクロコンピュータ21が判断すると、漂白成分の濃度を高くするように漂白手段19の動作条件を変更する。例えば漂白手段19として備える洗浄水の電気分解手段20への通電条件を変更し、電流を多く流して電気分解を促進させるように運転を変更する。このようにすることで、漂白成分が洗浄水中の有機物と結合する分を考慮して漂白成分を増やしておくことができるので、漂白効果を低下させずに運転することが可能となる。
【0031】
また、漂白の運転中に、有機物検出手段16の出力に基づいて洗浄水中の有機物が多いとマイクロコンピュータ21が判断した場合に、マイクロコンピュータ21は漂白の実行を継続しないように判断して、実行中の運転を停止して、洗浄水の排水と新たな洗浄水の給水を行って洗浄水を置換するように、ポンプ5および電磁弁7を動作させてもよい。このとき、汚れ表示LED35を点灯させたり、さらにブザー38を鳴らして報知するようにしてもよい。洗浄水の置換を行う際に、漂白手段19を動作させずに食器に向かって噴射するようにポンプ5を動作させてから洗浄水の置換操作を行うようにしてもよく、すなわちすすぎ工程を1回追加するのと同様の動作を行ったことになる。
【0032】
上述の洗浄水の汚れやフィルターの汚れへの対応は、漂白が洗い工程の後に実行されるすすぎ工程で実行される場合と、洗い工程を行わずにすすぎ工程での漂白から実行される場合とで、同様に対応してもよい。
【0033】
漂白手段19として洗浄水の電気分解手段20を備える場合には、食塩を含有した洗浄水を電気分解することで、洗浄水中に遊離塩素を生成させるが、このときの食塩は、使用者に洗浄槽2内への食塩の投入を促して、洗浄水に添加されるようにしてもよく、漂白の実行前に、図3に示した操作パネル39において、食塩投入LED34を点灯もしくは点滅させるとともにブザー38を鳴らして報知することができる。扉50の開閉を検出する扉検出手段51により、使用者が所定量の食塩を投入するために扉50が開かれたことをマイクロコンピュータ21が認知した場合には、ブザー38を停止する。食塩が投入されて扉50が閉じられた後で、スタート/一時停止スイッチ26またはその他のいずれかのスイッチを押すと、漂白が再開される。
【0034】
また食塩の自動添加手段44を給水経路6に備えるようにしてもよい。図5は本発明の別の実施形態の食器洗浄機の要部概略図である。食塩添加手段44は、食塩45を内包する容器46が食塩供給経路48で給水経路6と連結されたもので、食塩供給経路48を開閉する電磁弁49を有する。洗浄槽2への給水中に電磁弁49を開成すると、給水の一部もしくは全部が、食塩供給経路48を通じて容器46に導かれ、容器46内の食塩45と混合して食塩水となり、再度食塩供給経路48を通じて洗浄槽2に食塩水が供給される。容器46に半透膜47を備えておくと、通常半透膜47は食塩45を通過させないが、電磁弁49が開成して半透膜47に給水経路6の水圧がかかると、容器46の内部から食塩45の一部が染み出す。容器46の容量と半透膜47の寸法と給水の流れによって半透膜47に生じる水圧を適切に設定すると、適当な量の食塩成分を長期間にわたって供給する食塩添加手段44とすることができる。
【0035】
また、漂白の運転においては、漂白成分の濃度を検出する手段(図示しない)の出力に基づいて漂白手段19の運転を制御してもよい。漂白中の漂白成分の濃度が所定の値に満たないときに、漂白手段19の運転条件を変更して漂白成分の濃度を増やすように運転してもよいし、電気分解手段20の電流や電圧を制御したり、使用者に食塩の追加投入を促すように報知してもよい。また、漂白中の漂白成分の濃度と漂白手段19の動作状況から、洗浄水の有機物濃度を演算により推定して、洗浄水の置換を行ったり、漂白手段19の動作を制御するようにしてもよい。
【0036】
なお、本発明の内容を逸脱しない範囲でいかなる実施の形態も取ることができるのは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上記構成により、洗浄水の置換や、フィルターの清掃により、洗浄水中の汚れやフィルターに捕捉される汚れに起因する有機物を低減できるので、漂白成分の失活を抑制して、十分な漂白効果が得られるようになる。また、漂白成分が有機物と結合して異臭を発生することが抑制でき、使用者の不快感を小さくできる。また、洗浄水中の汚れやフィルターに捕捉される汚れがある場合でも、漂白成分が失活する分を考慮して、洗浄水に含有させる漂白成分の濃度を変更することができるので、漂白効果の高い食器洗浄機を提供できる。
【0038】
また本発明では、フィルターの清掃時期の報知によって使用者がフィルターを清掃するタイミングを容易に知ることができ、簡単な構成で適切なタイミングでのフィルター清掃を実施できる。なお、使用者の判断や、食器の汚れの多寡や、運転のコースに応じて、フィルターの清掃が不要なときには、フィルターの清掃時期が報知されないように運転できるので、不要な報知により使用者がわずらわされることがなく、使い勝手のよい食器洗浄機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の食器洗浄機の内部構造図。
【図2】本発明の一実施形態の食器洗浄機の制御ブロック図。
【図3】本発明の一実施形態の食器洗浄機の操作パネルの概略図。
【図4】本発明の別の実施形態の食器洗浄機の要部概略図。
【図5】本発明の別の実施形態の食器洗浄機の要部概略図。
【符号の説明】
1:食器洗浄機、2:洗浄槽、3:食器かご、4:ノズル、5:ポンプ、6:給水経路、7:電磁弁、8:水位検出手段、9:温水ヒーター、10:温水温度検出手段、11:排水経路、12:送風ファン、13:温風ヒーター、14:排気口、15:制御装置、16:有機物検出手段、17:フィルター、18:フィルター汚れ検出手段、19:漂白手段、20:電気分解手段、21:マイクロコンピュータ、22:入力回路、23:出力回路、24:駆動回路、25:電源スイッチ、26:スタート/一時停止スイッチ、27:洗浄コーススイッチ、28:漂白スイッチ、29:乾燥選択スイッチ、30:乾燥のみスイッチ、31:工程表示LED、32:選択コース表示LED、33:漂白LED、34:食塩投入LED、35:汚れ表示LED、38:ブザー、39:操作パネル、40:フィルター、41:排水ポンプ、42:循環ポンプ、44:食塩添加手段、45:食塩、46:容器、47:半透膜、48;給水経路、49:電磁弁、50:扉、51:扉検出手段
Claims (4)
- 食器等の被洗浄物を収納する洗浄槽と、洗浄槽に洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を洗浄槽内で噴射させて被洗浄物を洗浄する洗浄手段と、洗浄水中に漂白成分を含有させる漂白手段とを備え、少なくとも食器の洗浄工程と漂白工程とすすぎ工程とを含む複数の工程と、それぞれの工程内で給水動作と循環動作と排水動作とを順次実行する食器洗浄機において、前記洗浄工程と前記漂白工程の間に少なくとも1回以上のすすぎ工程を実行することを特徴とする食器洗浄機。
- 請求項1に記載の食器洗浄機において、洗浄水中の残飯を捕捉するフィルターを備え、前記漂白工程の開始前に前記フィルター上の残飯の捕捉状態の判断結果に基づいて前記フィルターの清掃時期を報知することを特徴とする食器洗浄機。
- 請求項2に記載の食器洗浄機において、前記フィルターの荷重を検出する荷重検出手段を備えることを特徴とする食器洗浄機。
- 請求項2乃至3に記載の食器洗浄機において、前記フィルターの清掃手段を備えることを特徴とする食器洗浄機。
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