JP2004225673A - 蓄圧式燃料噴射システム - Google Patents
蓄圧式燃料噴射システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004225673A JP2004225673A JP2003017787A JP2003017787A JP2004225673A JP 2004225673 A JP2004225673 A JP 2004225673A JP 2003017787 A JP2003017787 A JP 2003017787A JP 2003017787 A JP2003017787 A JP 2003017787A JP 2004225673 A JP2004225673 A JP 2004225673A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- pressure
- common rail
- engine
- injection system
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/38—Controlling fuel injection of the high pressure type
- F02D41/3809—Common rail control systems
- F02D41/3836—Controlling the fuel pressure
- F02D41/3845—Controlling the fuel pressure by controlling the flow into the common rail, e.g. the amount of fuel pumped
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D31/00—Use of speed-sensing governors to control combustion engines, not otherwise provided for
- F02D31/001—Electric control of rotation speed
- F02D31/007—Electric control of rotation speed controlling fuel supply
- F02D31/009—Electric control of rotation speed controlling fuel supply for maximum speed control
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/04—Introducing corrections for particular operating conditions
- F02D41/08—Introducing corrections for particular operating conditions for idling
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/22—Safety or indicating devices for abnormal conditions
- F02D41/221—Safety or indicating devices for abnormal conditions relating to the failure of actuators or electrically driven elements
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/22—Safety or indicating devices for abnormal conditions
- F02D2041/224—Diagnosis of the fuel system
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/22—Safety or indicating devices for abnormal conditions
- F02D2041/227—Limping Home, i.e. taking specific engine control measures at abnormal conditions
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/22—Safety or indicating devices for abnormal conditions
- F02D2041/228—Warning displays
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D2200/00—Input parameters for engine control
- F02D2200/02—Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
- F02D2200/06—Fuel or fuel supply system parameters
- F02D2200/0602—Fuel pressure
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D2250/00—Engine control related to specific problems or objectives
- F02D2250/18—Control of the engine output torque
- F02D2250/26—Control of the engine output torque by applying a torque limit
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/38—Controlling fuel injection of the high pressure type
- F02D41/3809—Common rail control systems
- F02D41/3836—Controlling the fuel pressure
- F02D41/3863—Controlling the fuel pressure by controlling the flow out of the common rail, e.g. using pressure relief valves
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【解決手段】コモンレール圧力(PC)が、第1のスレッシュ(PCTH1)または第2のスレッシュ(PCTH2)を超過している異常高圧状態が長時間継続している場合には、燃料供給ポンプ4の異常故障であると判断して、その程度に応じて即時エンジン停止したり、所定時間経過後にエンジン停止したりすることで、コモンレール2内の異常高圧状態を速やかに回避すると共に、燃料供給ポンプ4の焼き付き等を防止することができる。これにより、コモンレール式燃料噴射システムの信頼性および安全性を確保する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプによって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、そのコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を燃料噴射弁を介してエンジンの各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射システムに関するもので、特にコモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁して、前記コモンレール内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるためのプレッシャリミッタを備えた蓄圧式燃料噴射システムに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプによって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、そのコモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、エンジンの各気筒毎に搭載された複数の燃料噴射弁を介してエンジンの各気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射システムが公知である(例えば、特許文献1参照)。ここで、燃料供給ポンプの加圧室に至る燃料供給路には、燃料タンクからフィードポンプを経て加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整することで、燃料供給ポンプの加圧室からコモンレール内への高圧燃料の吐出量を変更する吸入調量弁(SCV)が設けられている。なお、吸入調量弁としては、通電停止時に弁開度が全開となるノーマリオープンタイプ(常開型)の電磁弁が一般的に採用されている。
【0003】
また、吸入調量弁を駆動するポンプ駆動信号送信用のワイヤハーネスの断線故障等によって吸入調量弁が全開異常故障になると、エンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプが高圧燃料をコモンレール内に過剰圧送することになる。この場合には、燃料供給ポンプの加圧室からコモンレールを経て各気筒毎のインジェクタの高圧シール部までの高圧配管経路(システム)内の燃料圧力、特にコモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力(システムが想定しない異常高圧)を超える可能性がある。このように、システムが想定しない異常高圧が発生した場合の配慮として、コモンレールの端部にプレッシャリミッタを設置して、システムに異常高圧が発生した場合には、速やかにプレッシャリミッタが機械的に開弁し、コモンレール内の異常高圧状態を回避できるように構成することで、蓄圧式燃料噴射システムの信頼性を保証していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−295685号公報(第1−7頁、図1−図6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、蓄圧式燃料噴射システムにおいては、上述したような吸入調量型の燃料供給ポンプであって、吸入調量弁がノーマリオープンのタイプを採用しているような場合、吸入調量弁を駆動するポンプ駆動信号送信用のワイヤハーネスの断線によって、吸入調量弁が全開異常故障となると、燃料供給ポンプが全量吐出状態となる。
【0006】
この場合の断線に起因したコモンレール内の異常高圧状態は、吸入調量弁が回路導通性を失い、もはやECUにより制御不可能な状態になっている以上、機械的に開弁するプレッシャリミッタを設置しなければ、コモンレール内の異常高圧状態を回避し、蓄圧式燃料噴射システムの安全性および信頼性を確保することはできない。なお、プレッシャリミッタに代えて、ECUの指令に基づいて、電気的に動作可能な圧力制御弁や圧力リリーフ弁を設置しても、プレッシャリミッタと同様に、コモンレール内の異常高圧状態を回避しシステムの安全を確保することが可能となるが、システムコストが増大を招くという問題が生じる。
【0007】
ここで、近年、搭載性向上を背景にした小型化の要求や、排出ガス規制強化を背景にしたより一層の高圧噴射化の要求が、年々強まっている。このため、近年の小型化および高圧噴射化の要求から、燃料供給ポンプの小型化に伴う、燃料供給ポンプの加圧室より吐出される燃料の吐出量の減少の傾向にあり、また、高圧噴射化に伴う、インジェクタリーク量の増大およびプレッシャリミッタの開弁設定圧の上昇の傾向にある。このため、従来では、コモンレール内の異常高圧状態を引き起こす故障が発生した場合には、燃料吐出量>インジェクタリーク量であったため、プレッシャリミッタが速やかに開弁し、コモンレール内の異常高圧状態を回避していたものが、プレッシャリミッタが開弁するまでに長時間を必要とする可能性を考慮する必要が出てきた。
【0008】
また、蓄圧式燃料噴射システムの燃料供給ポンプは、エンジン回転速度に同期して回転力を得て駆動されるため、特にエンジン回転速度が低速のような燃料吐出量が十分に確保されない運転領域においては、プレッシャリミッタの開弁設定圧に至る前の燃料圧力で、燃料吐出量≒インジェクタリーク量となり、プレッシャリミッタの開弁設定圧までコモンレール圧力を昇圧させられない可能性を考慮する必要が出てきた。すなわち、コモンレール内の異常高圧状態を回避する目的で、従来のプレッシャリミッタの設置に追加して、新しい異常診断装置が必要となってきている。
【0009】
【発明の目的】
本発明の目的は、圧力安全弁の開弁に長時間を必要としたり、圧力安全弁が開弁させられないような異常高圧状態が継続した場合に、これを精度良く検出することができ、且つシステムコストの増大を招くことなく、上記の異常高圧状態を速やかに回避することのできる蓄圧式燃料噴射システムの提供にある。また、燃料供給ポンプの信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下した燃料供給ポンプを正常な燃料供給ポンプに交換することを適切なタイミングでユーザに促すことのできる蓄圧式燃料噴射システムの提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、インジェクタや燃料供給ポンプの機能劣化による燃料リーク量の増加、あるいは近年の小型化および高圧噴射化の要求から、燃料供給ポンプの小型化に伴う燃料吐出量の減少、または高圧噴射化に伴う燃料リーク量の増大に起因して、蓄圧式燃料噴射システムの安全設計の要である圧力安全弁が開弁させられない結果、燃料圧力検出手段によって検出されるコモンレール内の燃料圧力が、燃料供給ポンプの信頼性の低下に影響を与えるポンプ使用許容域、あるいはインジェクタの信頼性の低下に影響を与えるインジェクタ使用許容域を超える異常高圧状態が所定時間継続して発生した場合に、これを精度良く検出し、上記の異常高圧状態を回避するように、エンジンを制御するようにしている。例えば低速高圧状態または高速高圧状態が継続することによる、燃料供給ポンプの性能劣化(機能劣化:例えば燃料供給ポンプの摺動部の燃料潤滑性の低下)を防止することを目的として、エマージェンシー処置(フェイルセーフ処置)を実施する。したがって、システムコストの増大を招くことなく、上記の異常高圧状態を速やかに回避することができ、且つ蓄圧式燃料噴射システムの安全性および信頼性を確保することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、コモンレール内の燃料圧力が、ポンプ使用許容域に対応した第1判定値、あるいは第1判定値よりも高く、燃料供給ポンプの性能劣化に影響を与える第2判定値を超える異常高圧状態が所定時間継続した際に、燃料供給ポンプの異常故障を検出する。そして、燃料供給ポンプの異常故障が検出された時点から所定時間経過後にエンジンの運転を停止する。例えば燃料供給ポンプの異常故障の発生によりコモンレール内の燃料圧力が異常高圧状態になるような状況においては、ユーザがスタータを回している限り、異常高圧状態が継続する恐れがある。このような場合、エマージェンシー処置(フェイルセーフ処置)によって、エンジンのクランキング中からエンジン停止処置を制御的に実施すると、ユーザがスタータを回してエンジンが完全に始動するまでクランキングを繰り返すことになるので、異常高圧状態が継続し、燃料供給ポンプの信頼性または機能性(性能)上不利になる恐れがある。このような場合には、一旦エンジン始動を許可してから、燃料供給ポンプの性能劣化(機能劣化:例えば燃料供給ポンプの摺動部の燃料潤滑性の低下や、燃料供給ポンプの摺動部の焼き付き)を防止することを目的として、所定時間経過後にエンジンの運転を停止するようにすることにより、不必要にエンジンのクランキングが繰り返されることによる燃料供給ポンプの信頼性または機能性(性能)上のダメージを小さくすることができる。また、何らかの異常発生により生じた異常高圧状態が、圧力安全弁の速やかな開弁により回避された場合、燃料供給ポンプの信頼性および性能劣化への影響を考慮する必要がないため、このような状況を除外する目的で、必要な積算開始のマスク時間を設け、第1判定値または第2判定値が所定時間継続しているか否かを判断することは非常に重要である。また、エア噛み始動による異常高圧状態をカウントしないように、積算開始のマスク時間を設けるようにしても良い。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、コモンレール内の燃料圧力が第1判定値または第2判定値を超え、且つエンジン回転速度が判定値を超える異常高圧状態が所定時間継続した時点で、直ちにエンジンの運転を停止する。例えば燃料供給ポンプの異常故障の発生によりコモンレール内の燃料圧力が異常高圧状態になるような状況においては、ユーザがスタータを回している限り、異常高圧状態が継続する恐れがある。このような場合、エマージェンシー処置(フェイルセーフ処置)によって、エンジンのクランキング中からエンジン停止処置を制御的に実施すると、ユーザがスタータを回してエンジンが完全に始動するまでクランキングを繰り返すことになるので、異常高圧状態が継続し、燃料供給ポンプの信頼性または機能性(性能)上不利になる恐れがある。このような場合には、一旦エンジン始動を許可して、その後も、コモンレール内の燃料圧力が第1判定値または第2判定値を超え、且つエンジン回転速度が判定値を超える異常高圧状態が所定時間継続していれば、燃料供給ポンプの性能劣化(機能劣化:例えば燃料供給ポンプの摺動部の燃料潤滑性の低下や、燃料供給ポンプの摺動部の焼き付き)を防止することを目的として、即時エンジン停止処置を実施することにより、不必要にエンジンのクランキングが繰り返されることによる燃料供給ポンプの信頼性または機能性(性能)上のダメージを小さくすることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、ポンプ使用許容域に対応した第1判定値、および燃料供給ポンプの性能劣化に影響を与える第2判定値を、コモンレール内の燃料圧力とエンジン回転速度とにより算出することにより、容易に第1判定値および第2判定値を設定できる。また、請求項5に記載の発明によれば、コモンレール内の燃料圧力が、インジェクタ使用許容域に対応した判定値を超える異常高圧状態が所定時間継続した際に、インジェクタの異常故障を精度良く検出できる。そして、インジェクタの異常故障が検出された際に、エンジンの出力制限を要求するか、あるいはアイドルアップを要求することにより、コモンレール内の異常高圧状態を回避できる。また、請求項6に記載の発明によれば、インジェクタ使用許容域に対応した判定値を、エンジン回転速度により算出することにより、容易に判定値を設定できる。
【0014】
請求項7に記載の発明によれば、異常診断装置によって燃料供給ポンプまたはインジェクタの異常故障が検出された際に、燃料供給ポンプまたはインジェクタの交換を促す視覚または聴覚表示手段を設けることにより、燃料供給ポンプまたはインジェクタの信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下した燃料供給ポンプまたはインジェクタを正常な燃料供給ポンプまたはインジェクタに交換することを適切なタイミングでユーザに促すことができる。
【0015】
また、請求項8に記載の発明によれば、第1異常診断装置によって燃料圧力検出手段の異常故障を検出した際に、第2異常診断装置による燃料供給ポンプまたはインジェクタの異常故障の検出を禁止することにより、コモンレール内の異常高圧状態の誤検出に基づく誤作動を防止することができる。また、請求項9に記載の発明によれば、燃料供給ポンプは、燃料吸入経路を経て流入した燃料を加圧する加圧室、および燃料吸入経路の開口面積または弁体リフト量に応じて加圧室より前記コモンレール内に吐出される燃料吐出量を変更してコモンレール内の燃料圧力を調整する吸入調量弁を有している。そして、その吸入調量弁は、通電を停止すると、全開する常開型の電磁弁であることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施形態の構成]
図1ないし図10は本発明の実施形態を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構造を示した図である。
【0017】
本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムは、多気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器としてのコモンレール2と、エンジン1の各気筒毎に搭載された複数個(本例では4個)のインジェクタ3と、後記する吸入調量弁5を経て加圧室内に吸入される燃料を加圧してコモンレール2に圧送する燃料供給ポンプ4と、複数個のインジェクタ3のアクチュエータおよび吸入調量弁5のアクチュエータを電子制御するエンジン制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0018】
コモンレール2には、連続的に燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料が蓄圧される必要があり、そのために燃料配管(高圧通路)11を介して高圧燃料を吐出する燃料供給ポンプ4の吐出口と接続されている。なお、インジェクタ3および燃料供給ポンプ4からのリーク燃料は、リーク配管(燃料還流路)12、13、14を経て燃料タンク6にリターンされる。また、コモンレール2から燃料タンク6へのリターン配管(燃料還流路)15には、プレッシャリミッタ16が取り付けられている。そのプレッシャリミッタ16は、コモンレール2内の燃料圧力が限界設定圧力(プレッシャリミッタ開弁圧設定値:以下P/L開弁圧と言う)を超えた際に開弁してコモンレール2内の燃料圧力をP/L開弁圧以下に抑えるための圧力安全弁である。
【0019】
エンジン1の各気筒毎に搭載された複数のインジェクタ3は、コモンレール2より分岐する複数の分岐管17の下流端に接続されて、コモンレール2に蓄圧された高圧燃料をエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ(図示せず)、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するニードル付勢手段(図示せず)等よりなる電磁式燃料噴射弁である。そして、各気筒のインジェクタ3からエンジン1の各気筒の燃焼室内への燃料の噴射は、各分岐管17の下流端に接続された電磁式アクチュエータとしての噴射制御用電磁弁への通電および通電停止(ON/OFF)により電子制御される。つまり、各気筒のインジェクタ3の噴射制御用電磁弁が開弁している間、コモンレール2に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給される。
【0020】
燃料供給ポンプ4は、エンジン1のクランク軸(クランクシャフト)21の回転に伴ってポンプ駆動軸22が回転することで燃料タンク6内の燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸22により駆動されるプランジャ(図示せず)と、このプランジャの往復運動により燃料を加圧する加圧室(プランジャ室:図示せず)とを有している。そして、燃料供給ポンプ4は、燃料配管19を経てフィードポンプにより吸い出された燃料を加圧して吐出口からコモンレール2へ高圧燃料を吐出するサプライポンプである。この燃料供給ポンプ4のフィードポンプから加圧室へ燃料を供給する燃料吸入経路の途中には、その燃料吸入経路の開口面積を変更する吸入調量弁(以下SCVと呼ぶ)5が取り付けられている。
【0021】
SCV5は、図示しないポンプ駆動回路を介してECU10からのポンプ駆動信号によって電子制御されることにより、燃料供給ポンプ4のフィードポンプから燃料吸入経路を経て加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整するポンプ流量制御弁(吸入量調整用電磁弁)で、各インジェクタ3からエンジン1へ噴射供給する燃料の噴射圧力、つまりコモンレール2内の燃料圧力(コモンレール圧力)を変更する。ここで、本実施例のSCV5は、燃料吸入経路の開口面積を変更するバルブ(弁体)と、ポンプ駆動信号に応じて弁開度(弁孔の開口面積またはバルブのリフト量)を調整するためのソレノイドコイルとを有し、このソレノイドコイルへの通電が停止されると弁開度が全開状態となるノーマリオープンタイプの電磁弁である。
【0022】
ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存するメモリ(ROM、RAM)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路(EDU)およびポンプ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECU10は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)すると、ECU電源の供給が成され、メモリ内に格納された制御プログラムに基づいて、例えばインジェクタ3や燃料供給ポンプ4等の各制御部品のアクチュエータを電子制御するように構成されている。また、ECU10は、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されてECU電源の供給が断たれると、メモリ内に格納された制御プログラムに基づく上記の制御が強制的に終了されるように構成されている。
【0023】
ここで、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後に、ECU10に内蔵されたマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、マイクロコンピュータには、エンジン1の運転状態または運転条件を検出する運転条件検出手段としての、エンジン回転速度(NE)を検出するための回転速度センサ31、アクセル開度(ACCP)を検出するためのアクセル開度センサ32、エンジン冷却水温(THW)を検出するための冷却水温センサ33、燃料供給ポンプ4内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(THF)を検出するための燃料温度センサ34等が接続されている。
【0024】
そして、ECU10は、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)と予め実験等により測定して作成した特性マップとによって最適な基本噴射量(QBASE)を演算する基本噴射量決定手段と、エンジン冷却水温(THW)やポンプ吸入側の燃料温度(THF)等の運転条件により基本噴射量(Q)に噴射量補正量を加味して指令噴射量(QFIN)を演算する指令噴射量決定手段と、エンジン回転速度(NE)と指令噴射量(QFIN)とによって指令噴射時期(T)を演算する噴射時期決定手段と、コモンレール圧力(PC)と指令噴射量(QFIN)と予め実験等により測定して作成した特性マップとによってインジェクタ3の噴射制御用電磁弁の通電時間(噴射パルス長さ、噴射パルス幅、指令噴射期間)を演算する噴射期間決定手段と、インジェクタ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ3の噴射制御用電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流(INJ駆動電流値、インジェクタ噴射パルス)を印加するインジェクタ駆動手段とを有している。
【0025】
また、ECU10は、エンジン1の運転条件に応じた最適なコモンレール圧力を演算し、ポンプ駆動回路を介して燃料供給ポンプ4のSCV5を駆動する吐出量制御手段を有している。すなわち、ECU10は、回転速度センサ31によって検出されたエンジン回転速度(NE)およびアクセル開度センサ32によって検出されたアクセル開度(ACCP)等のエンジン運転情報、更には冷却水温センサ33によって検出されたエンジン冷却水温(THW)や燃料温度センサ34によって検出さたポンプ吸入側の燃料温度(THF)の補正量を加味して目標コモンレール圧力(Pt)を演算し、この目標コモンレール圧力(Pt)を達成するために、燃料供給ポンプ4のSCV5へのポンプ駆動信号(SCV駆動電流値)を調整して、燃料供給ポンプ4より吐出される燃料の圧送量(ポンプ吐出量)を制御するように構成されている。
【0026】
さらに、より好ましくは、コモンレール圧力センサ35をコモンレール2に取り付けて、そのコモンレール圧力センサ35によって検出されるコモンレール圧力(PC)がエンジン1の運転条件または運転状態によって決定される目標コモンレール圧力(Pt)と略一致するように、燃料供給ポンプ4のSCV5のソレノイドコイルへのポンプ駆動信号(SCV駆動電流値)をフィードバック制御することが望ましい。なお、SCV5のソレノイドコイルへの駆動電流値の制御は、デューティ(DUTY)制御により行うことが望ましい。例えばコモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(Pt)との圧力偏差(ΔP)に応じて単位時間当たりのポンプ駆動信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、SCV5のバルブの弁開度を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能となる。
【0027】
また、コモンレール圧力センサ35は、本発明の燃料圧力センサに相当するもので、エンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料の噴射圧力に相当するコモンレール2内の燃料圧力(コモンレール圧力、実燃料圧力)に対応した電気信号を出力するように構成されている。
本実施形態では、コモンレール圧力センサ35として歪みゲージ式圧力センサが使用されている。このため、ECU10は、コモンレール圧力センサ35より出力される電気信号(電圧信号、圧力信号)からコモンレール圧力(実燃料圧力:PC)を算出する燃料圧力検出手段を有している。ここで、ECU10は、コモンレール圧力センサ35より出力される電気信号が上限値(例えば5V)以上の場合には、センサ異常と判断して、後述するポンプ・インジェクタ異常診断を実施せず、コモンレール圧力センサ35の出力を目標コモンレール圧力(Pt)に置き換える等の方法によりフィードバック制御を停止した上で、オープンループによるフェイルセーフ(リンプホーム走行)を実施する。あるいは即時エンジン停止要求を出力する。なお、コモンレール圧力センサ35より出力される電気信号の通常使用する電圧範囲は、例えば0.5V〜4.5Vである。
【0028】
[実施形態の制御方法]
次に、本実施形態の燃料供給ポンプ4およびインジェクタ3の異常診断方法を図1ないし図10に基づいて簡単に説明する。ここで、図2はポンプ・インジェクタ異常診断方法を示したフローチャートである。この図2のメインルーチンは、所定時間毎(例えば100ms毎)に実行される。
【0029】
なお、本実施形態のフローチャートは、メモリに格納された制御プログラムに相当するもので、イグニッションスイッチがOFF→ONへと切り換わってメインリレーがONされてバッテリからECU10へECU電源の供給が成された時点で起動されて所定時間毎に随時実行される。また、イグニッションスイッチがON→OFFへと切り換わってメインリレーがOFFされてECU10へのECU電源の供給が断たれた時には、強制的に終了されるものである。
【0030】
先ず、図2のメインルーチンが起動すると、コモンレール圧力センサ35より出力される電気信号に対応したコモンレール圧力(PC)を取り込む(ステップS1)。次に、コモンレール圧力センサ35が正常であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、コモンレール圧力センサ35の正常判断は、例えばコモンレール圧力センサ35より出力される電気信号(出力電圧)が所定範囲内(通常使用する電圧範囲内:例えば0.5V〜4.5V)にあるか否かといった公知の方法で行われる。
【0031】
そのステップS2の判定結果がNOの場合、つまりコモンレール圧力センサ35が異常と判断された場合には、燃料供給ポンプ4およびインジェクタ3の異常診断を実施することなく、図2のメインルーチンを終了する。また、ステップS2の判定結果がYESの場合、つまりコモンレール圧力センサ35が正常と判断された場合には、回転速度センサ31によって検出されたエンジン回転速度(NE)を算出する(ステップS3)。
【0032】
ここで、回転速度センサ31としては、クランク角度センサが用いられる。そのクランク角度センサは、エンジン1のクランクシャフト21に対応して回転するシグナルロータ(例えばクランクシャフト21が1回転する間に1回転する回転体)と、このシグナルロータの外周に多数形成されたクランク角度検出用の歯と、これらの歯の接近と離間によってNE信号パルスを発生する電磁ピックアップコイルよりなる。この電磁ピックアップコイルは、シグナルロータが1回転(クランクシャフト21が1回転)する間に複数のNE信号パルスを出力する。なお、ECU10は、NE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(NE)を検出できる。
【0033】
次に、図3の補足説明図、図4ないし図6のサブルーチンに示されたポンプ許容判定制御を行う(ステップS4)。次に、図7の補足説明図、図8のサブルーチンに示されたインジェクタ許容判定制御を行う(ステップS5)。次に、図9および図10のサブルーチンに示されたフェイルセーフ処置制御を行う(ステップS6)。これらの3つのステップS4〜S6は、本発明の重要な部分であり、以下の図2〜図10を用いて詳述する。
【0034】
次に、図2のステップS4のポンプ許容判定制御を図3ないし図6に基づいて説明する。ここで、図3はステップS4のポンプ許容判定制御を補足説明するための図である。通常、燃料供給ポンプ4は、「ポンプ使用許可域」で使用されることを前提に設計されているが、何らかの故障により、コモンレール圧力(PC)が上昇(例えば燃料吐出量が大となり、且つECU10によりSCV6が制御不能となるような異常故障)した場合、第1のスレッシュ(PCTH1)を超過することが考えられる。このような場合、燃料供給ポンプ4の信頼性上の理由から、例えばエンジン1を停止するなどの方法により、速やかにコモンレール圧力(PC)を降下させることが望まれる。
【0035】
また、通常、コモンレール式燃料噴射システムの燃料供給ポンプ4は、燃料である軽油を用いて、圧送機構部分の潤滑を確保する構成を採用する場合が多く、そのため、エンジン回転速度(NE)が非常に低い領域(図3中の図示左側の▲2▼)か、あるいは非常に高い領域(図3中の図示右側の▲2▼)においては、より信頼性への影響度が大きくなる。これらの図3中の▲2▼の領域では、燃料温度が過上昇することによって、インジェクタ温度またはインジェクタリーク温度が高温となり、インジェクタ3内のゴムシールやソレノイドコイルの絶縁皮膜等の耐熱信頼性の劣化が懸念される。
【0036】
また、エンジン回転速度(NE)が所定値(例えば1000rpm)以下で、且つコモンレール圧力(PC)が低速高圧状態(図3中の図示左側の▲2▼)が長時間継続すると、あるいはエンジン回転速度(NE)が所定値(例えば5000rpm)以上で、且つコモンレール圧力(PC)が高速高圧状態(図3中の図示右側の▲2▼)が長時間継続すると、燃料供給ポンプ4の性能が劣化する可能性がある。この理由は、燃料供給ポンプ4のカム軸の摺接部とプランジャの摺接部との間に、通常はオイル潤滑膜が形成されているものが、低速高圧状態の時にはそのオイル潤滑膜を作り難くなるからである。
【0037】
また、高速高圧状態の時には、そのオイル潤滑膜が切れ易いので、上記の摺動部の磨耗や発熱による焼き付き等が生じ易くなり、燃料供給ポンプ4の性能劣化が進行し易くなる。このような燃料潤滑の確保が困難になると予想される領域を示すため、第2のスレッシュ(PCTH2)を与える。また、図3中に250MPaとして示したのは、コモンレール式燃料噴射システムの限界設定圧力(P/L開弁圧)である。本実施形態のプレッシャリミッタ16は、コモンレール2内の燃料圧力がP/L開弁圧を超えた際に機械的に開弁するように構成されている。
【0038】
ここで、図4ないし図6は、図3を例として与えられるポンプ使用許容域を超過する圧力領域での滞在を誤診断無く検出するためのサブルーチンを示したフローチャートで、図2のステップS4のポンプ許容判定制御の詳細に相当する。
【0039】
先ず、ポンプ使用許可域に相当する第1のスレッシュ(PCTH1)を算出する(ステップS11)。次に、コモンレール圧力センサ35によって検出されたコモンレール圧力(PC)が第1のスレッシュ(PCTH1)を超過しているか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果がYESの場合、つまりコモンレール圧力(PC)が第1のスレッシュ(PCTH1)を超過している場合には、カウンタ(CPMP1B)が加算される(ステップS13)。
また、ステップS12の判定結果がNOの場合、つまりコモンレール圧力(PC)が第1のスレッシュ(PCTH1)を超過していない場合には、カウンタ(CPMP1B)がゼロにリセットされる(ステップS14)。
【0040】
次に、コモンレール圧力(PC)が第1のスレッシュ(PCTH1)を超過してから所定時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、コモンレール圧力(PC)が第1のスレッシュ(PCTH1)を超過した場合に加算されるカウンタ(CPMP1B)が判定値[KCPMP1B]を超過したか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果がYESの場合には、コモンレール式燃料噴射システム内の異常高圧状態(具体的にはコモンレール2内の異常高圧状態)が連続的に印加されている際にセットされるフラグを立てる。すなわち、フラグをセット(XCPMP1B=1)する(ステップS16)。
また、ステップS15の判定結果がNOの場合には、コモンレール2内の異常高圧状態が連続的に印加されている際にセットされるフラグを倒す。すなわち、フラグをリセット(XCPMP1B=0)する(ステップS17)。
【0041】
ここで、コモンレール圧力(PC)が第1のスレッシュ(PCTH1)を超過した場合に加算されるカウンタ(CPMP1B)の役割は、ステップS20におけるカウンタ(CPMP1)の加算を未然防止するためのマスクであるが、次のような誤診断要因を排除する上で非常に重要である。
【0042】
イ)コモンレール圧力センサ35より出力される電気信号(コモンレール2内の燃料圧力に対応した圧力信号)に瞬時に重畳するノイズ等の誤診断要因を排除する上で、カウンタ(CPMP1)の加算を未然防止するために、CPMP1B>[KCPMP1B]の判断が必要である。
【0043】
ロ)何らかの異常発生により生じたコモンレール2内の異常高圧状態が、プレッシャリミッタ16の速やかな開弁により回避された場合、燃料供給ポンプ4の信頼性への影響を考慮する必要が無いため、この状況を除外するために必要なマスク時間としてCPMP1B>[KCPMP1B]の判断が必要である。
【0044】
ハ)例えばガス欠状態でのエンジン始動時には、コモンレール式燃料噴射システムのコモンレール圧力制御として一般的に用いられるPI制御(比例・積分制御)またはPID制御(比例・積分・微分制御)における積分項の過更新により、燃料供給再開からの所定時間、コモンレール圧力制御の制御性が悪化するが、この状況は非常に短時間で解消することが分かっている。このような状況下での、カウンタ(CPMP1)の加算を未然に防止するために、CPMP1B>[KCPMP1B]の判断が必要である。
【0045】
次に、上記のフラグがセット(XCPMP1B=1)されているか否かを判定する(ステップS18)。この判定結果がNOの場合には、直接ステップS22の制御処理に進む。
また、ステップS18の判定結果がYESの場合には、上記のフラグ(XCPMP1B)の前回値が0か否かを判定する。すなわち、XCPMP1B=0→1に変化したか否かを判定する(ステップS19)。この判定結果がYESの場合には、カウンタ(CPMP1)が加算マスク時間[KCPMP1B]だけ加算される(ステップS20)。
また、ステップS19の判定結果がNOの場合、すなわち、XCPMP1B=0→1の変化ではなく、XCPMP1B=1→1である場合には、カウンタ(CPMP1)が「1」だけ加算される(ステップS21)。
【0046】
次に、ステップS22からステップS31およびステップS32までのステップは、基本的にステップS11からステップS20およびステップS21までのステップと同様であるが、コモンレール圧力(PC)が第2のスレッシュ(PCTH2)を超過したかどうかを評価するものである。
すなわち、第2のスレッシュ(PCTH2)を算出する(ステップS22)。次に、コモンレール圧力センサ35によって検出されたコモンレール圧力(PC)が第2のスレッシュ(PCTH2)を超過しているか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果がYESの場合、つまりコモンレール圧力(PC)が第2のスレッシュ(PCTH2)を超過している場合には、カウンタ(CPMP2B)が加算される(ステップS24)。
また、ステップS23の判定結果がNOの場合、つまりコモンレール圧力(PC)が第2のスレッシュ(PCTH2)を超過していない場合には、カウンタ(CPMP2B)がゼロにリセットされる(ステップS25)。
【0047】
次に、コモンレール圧力(PC)が第2のスレッシュ(PCTH2)を超過してから所定時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、コモンレール圧力(PC)が第2のスレッシュ(PCTH2)を超過した場合に加算されるカウンタ(CPMP2B)が判定値[KCPMP2B]を超過したか否かを判定する(ステップS26)。この判定結果がYESの場合には、コモンレール2内の異常高圧が連続的に印加されている際にセットされるフラグを立てる。すなわち、フラグをセット(XCPMP2B=1)する(ステップS27)。
また、ステップS26の判定結果がNOの場合には、コモンレール2内の異常高圧が連続的に印加されている際にセットされるフラグを倒す。すなわち、フラグをリセット(XCPMP2B=0)する(ステップS28)。
【0048】
次に、上記のフラグがセット(XCPMP2B=1)されているか否かを判定する(ステップS29)。この判定結果がNOの場合には、直接ステップS33の制御処理に進む。
また、ステップS29の判定結果がYESの場合には、上記のフラグ(XCPMP2B)の前回値が0か否かを判定する。すなわち、XCPMP2B=0→1に変化したか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果がYESの場合には、カウンタ(CPMP2)が加算マスク時間[KCPMP2B]×[KWEIGHT]だけ加算される(ステップS31)。
【0049】
また、ステップS30の判定結果がNOの場合、すなわち、XCPMP2B=0→1の変化ではなく、XCPMP2B=1→1である場合には、カウンタ(CPMP2)が[KWEIGHT]だけ加算される(ステップS32)。ここで、第1のスレッシュ(PCTH1)超過と第2のスレッシュ(PCTH2)超過とでは、燃料供給ポンプ4の信頼性への影響が異なるため、ステップS31およびステップS32に示すように、カウンタ(CPMP2)を[KWEIGHT]で重み付けして加算するようにしている。ここで、[KWEIGHT]は1よりも大きい値(例えば5)等の値となる。
【0050】
次に、ステップS20、S21およびステップS31、S32までに算出したカウンタ(CPMP1)およびカウンタ(CPMP2)の最大値がカウンタ(CPMP)として算出される(ステップS33)。次に、カウンタ(CPMP)が判定値[KCPMP]よりも大きいか否かを判定する(ステップS34)。この判定結果がYESの場合、つまりCPMP>[KCPMP]の場合には、プレッシャリミッタ16が開弁しないか開弁に長時間を必要としている状況(異常高圧状態)のため、燃料供給ポンプ4の信頼性上、コモンレール圧力(PC)を降下させるフェイルセーフ処置が必要と判断される。このため、ダイアグフラグ(XDGCPMP1)がセット(XDGCPMP1=1)される(ステップS35)。
また、ステップS34の判定結果がNOの場合には、ダイアグフラグ(XDGCPMP1)がリセット(XDGCPMP1=0)される(ステップS36)。
【0051】
次に、ステップS37からステップS43は、特にエンジン始動時に、PC>PCTH2を検出した場合の処置を行うため、ダイアグフラグ(XDGCPMP3)の算出方法について述べている。先ず、コモンレール圧力センサ35によって検出されたコモンレール圧力(PC)が第2のスレッシュ(PCTH2)を超過しているか否かを判定する(ステップS37)。この判定結果がYESの場合には、回転速度センサ31によって検出されるエンジン回転速度(NE)が判定値[KNECPMP3]よりも大きいか否かを判定する(ステップS38)。
【0052】
ステップS37の判定結果がYESで、且つステップS38の判定結果がYESの場合、つまりPC>(PCTH2)と判断され、且つNE>[KNECPMP3]と判断された場合には、カウンタ(CPMP3)が加算される(ステップS39)。また、ステップS37またはステップS38のいずれかがNOの場合には、カウンタ(CPMP3)がリセット(CPMP3=0)される(ステップS40)。
【0053】
ここで、故障発生によりシステム内の圧力(コモンレール圧力)が異常高圧になるような状況においては、ユーザがエンジン1を始動するためのスタータを回している限り、異常高圧の状況が長時間継続する可能性がある。このような場合、後述するフェイルセーフ処置によって、エンジン1のクランキング中からエンジン停止処置を制御的に実施すると、ユーザがエンジン始動するまでクランキングを繰り返すことになるから、異常高圧の状況が長時間継続し、燃料供給ポンプ4の信頼性上不利になる。このような場合には、一旦エンジン始動を許可して、その後も、PC>PCTH2になっているかを判断してエンジン停止処置するようにすれば、不必要にエンジン1のクランキングが繰り返されることによる、燃料供給ポンプ4の信頼性上のダメージを小さくすることができる。すなわち、ステップS37からステップS43は、PC>PCTH2検出時のダイアグフラグ(XDGCPMP1=1、XDGCPMP3=1)を分けることで、後述するフェイルセーフ処置を分ける仕組みを提供することが目的のステップである。
【0054】
次に、カウンタ(CPMP3)が判定値[KCPMP3]を超過しているか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果がYESの場合には、ダイアグフラグ(XDGCPMP3)がセット(XDGCPMP3=1)される(ステップS42)。また、ステップS41の判定結果がNOの場合には、ダイアグフラグ(XDGCPMP3)がリセット(XDGCPMP3=0)される(ステップS43)。その後に、図2のステップS4を抜ける。
【0055】
次に、図2のステップS5のインジェクタ許容判定制御を図7および図8に基づいて説明する。ここで、図7は図2のステップS5のインジェクタ許容判定制御を補足説明する図である。インジェクタ3に関しては、インジェクタ3の信頼性への影響は、エンジン回転速度(NE)によらず、コモンレール圧力(PC)で与えることができるため、図7に示すように、インジェクタ許容判定スレッシュは固定値[KINJ](MPa)としている。また、図7中に250MPaとして示したのは、コモンレール式燃料噴射システムの限界設定圧力(P/L開弁圧)である。
【0056】
ここで、図8は、図7を例として与えられるインジェクタ使用許容域を超過する圧力領域での滞在を誤診断無く検出するためのサブルーチンを示したフローチャートで、図2のステップS5のインジェクタ許容判定制御の詳細に相当する。先ず、コモンレール圧力センサ35によって検出されたコモンレール圧力(PC)がインジェクタ許容判定スレッシュ[KINJ]を超過しているか否かを判定する(ステップS51)。この判定結果がYESの場合、つまりPC>[KINJ]の場合には、カウンタ(CINJ)が加算される(ステップS52)。また、ステップS51の判定結果がNOの場合には、カウンタ(CINJ)がリセット(CINJ=0)される(ステップS53)。
【0057】
次に、カウンタ(CINJ)が予め定めた許容値[KCINJ]を超過したか否かを判定する(ステップS54)。この判定結果がYESの場合には、ダイアグフラグ(XDGINJ)がセット(XDGINJ=1)される(ステップS55)。また、ステップS54の判定結果がNOの場合には、ダイアグフラグ(XDGINJ)がリセット(XDGINJ=0)される(ステップS56)。
ここで、許容値[KCINJ]をインジェクタ3が許容できる異常高圧の連続印加時間として設定することにより、例えばインジェクタ3の信頼性に影響しない短時間でのプレッシャリミッタ16の開弁をダイアグフラグ(XDGINJ=1)とする要因から除外することが可能となる。同様に、コモンレール圧力センサ35より出力される電気信号(コモンレール2内の燃料圧力に対応した圧力信号)に重畳した瞬時ノイズを排除する効果も有する。
【0058】
次に、図2のステップS6のフェイルセーフ処置制御を表1、図9および図10に基づいて説明する。
【表1】
【0059】
ここで、上記の表1は、今回の実施形態で演算する3つのダイアグフラグ(XDGCPMP1、XDGCPMP3、XDGINJ)と、要求するフェイルセーフレベルの関係を示すものである。先ず、XDGCPMP3の場合は、燃料供給ポンプ4の信頼性への影響が大きいため、即時にエンジン停止を要求する(XFSENG1)。また、XDGCPMP1の場合は、所定時間の間は、出力制限によるリンプホーム(退避走行)を許可し、所定時間経過後にエンジン停止を要求する(XFSENG2)。また、XDGINJの場合は、エンジン停止処置は行わず、エンジン出力制限を要求する(XFSQ)。なお、XDGCPMP1の場合に、アイドルアップ(アイドルアップON:例えば850rpm→100rpmに変更する)を要求しても良い。XDGCPMP1にて、即時エンジン停止処置を行わない有利さについては、上述のステップS37からステップS43までの説明部分で既に述べた通りである。
【0060】
図9および図10は、表1で示した要求フェイルセーフレベルを実現するためのサブルーチンであり、図2のステップS6のフェイルセーフ処置制御の詳細に相当する。先ず、ダイアグフラグ(XDGCPMP3)がセット(XDGCPMP3=1)されているか否かを判定する(ステップS61)。この判定結果がYESの場合、つまりXDGCPMP3=1の場合には、即時エンジン停止要求フラグ(XFSENG1)がセット(XFSENG1=1)される(ステップS62)。
また、ステップS61の判定結果がNOの場合には、即時エンジン停止要求フラグ(XFSENG1)の取り下げ(XFSENG1=0)が行われる(ステップS63)。
【0061】
次に、ダイアグフラグ(XDGCPMP1)がセット(XDGCPMP1=1)されているか否かを判定する(ステップS64)。この判定結果がYESの場合、つまりXDGCPMP1=1の場合には、所定時間後エンジン停止要求フラグ(XFSENG2)と、エンジン停止までの所定時間中のエンジン出力制限を実現するためのエンジン出力制限要求フラグ(XFSQ)がセット(XFSENG2=1)、(XFSQ=1)される。なお、XFSQ=1の代わりに、アイドルアップONフラグをセットしても良い(ステップS65)。
【0062】
また、ステップS64の判定結果がNOの場合には、所定時間後エンジン停止要求フラグ(XFSENG2)の取り下げ(XFSENG2=0)、エンジン停止までの所定時間中のエンジン出力制限を実現するためのエンジン出力制限要求フラグ(XFSQ)の取り下げ(XFSQ=0)が行われる。なお、XFSQ=0の代わりに、アイドルアップOFFフラグをセットしても良い(ステップS66)。
【0063】
次に、ダイアグフラグ(XDGINJ)がセット(XDGINJ=1)されているか否かを判定する(ステップS67)。この判定結果がYESの場合、つまりXDGINJ=1の場合には、エンジン停止までの所定時間中のエンジン出力制限を実現するためのエンジン出力制限要求フラグ(XFSQ)がセット(XFSQ=1)される(ステップS68)。
【0064】
また、ステップS67の判定結果がNOの場合には、先に行われたステップS64にてダイアグフラグ(XDGCPMP)のセット(XDGCPMP=1)により既にエンジン出力制限要求(XFSQ=1)が成されているか否かを判定する(ステップS69)。この判定結果がYESの場合には、既にダイアグフラグ(XDGCPMP)がセット(XDGCPMP=1)されているので、直接ステップS71の判定処理に進む。
【0065】
また、ステップS69の判定結果がNOの場合には、いずれのダイアグフラグも、エンジン停止までの所定時間中のエンジン出力制限を実現するためのエンジン出力制限要求フラグ(XFSQ)のセットを要求していないことになるため、エンジン出力制限要求フラグ(XFSQ)の取り下げ(XFSQ=0)が行われる(ステップS70)。
【0066】
次に、即時エンジン停止要求フラグ(XFSENG1)がセット(XFSENG1=1)されているか否かを判定する(ステップS71)。この判定結果がYESの場合には、即時エンジンを停止するため、エンジン停止カウンタ(CFSENG)に所定値[KCFSENG]がセットされる(ステップS72)。
また、ステップS71の判定結果がNOの場合には、所定時間後エンジン停止要求フラグ(XFSENG2)がセット(XFSENG2=1)されているか否かを判定する(ステップS73)。この判定結果がYESの場合には、エンジン停止カウンタ(CFSENG)が加算される(ステップS74)。
また、ステップS73の判定結果がNOの場合には、エンジン停止要求が無いため、エンジン停止カウンタ(CFSENG)のリセット(CFSENG=0)を行う(ステップS75)。
【0067】
次に、エンジン停止カウンタ(CFSENG)が所定値[KCFSENG]以上であるか否かを判定する(ステップS76)。この判定結果がYESの場合には、エンジン1を停止するため、噴射量指令値を噴射量制限値(QLIMIT=0:噴射量ゼロ)にセットする(ステップS77)。
また、ステップS76の判定結果がNOの場合には、エンジン停止までの所定時間中のエンジン出力制限を実現するためのエンジン出力制限要求フラグ(XFSQ)がセット(XFSQ=1)されているか否かを判定する(ステップS78)。この判定結果がYESの場合には、エンジン回転速度(NE)の1次元マップで与えられえる噴射量制限値をQLIMITにセットする(ステップS79)。
また、ステップS78の判定結果がNOの場合には、噴射量指令値を噴射量制限値(QLIMIT=100mm3 /st)にセットする。ここで、100mm3 /stは例であり、実際はエンジン1の最大噴射量よりも大きい値で、噴射量が制限されない十分に大きい値として与える(ステップS80)。
【0068】
次に、最終噴射量、つまり指令噴射量(QFIN)が、噴射量制限値(QLIMIT)と基本噴射量(QBASE)との最小値として決定される(ステップS81)。その後に、本ルーチンを終了する。ここで、基本噴射量(QBASE)は、エンジン回転速度(NE)とアクセル開度(ACCP)と予め実験等により測定して作成した特性マップとに基づく公知の方法で算出される。
【0069】
そして、ECU10は、コモンレール圧力(PC)と指令噴射量(QFIN)と予め実験等により測定して作成した特性マップとに基づいてインジェクタ3の噴射制御用電磁弁の通電時間(指令噴射期間)を決定し、指令噴射時期となったら、インジェクタ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ3の噴射制御用電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流を指令噴射期間が経過するまで印加する。これにより、インジェクタ3のノズルニードルが開弁して、指令噴射量(QFIN)に対応した燃料噴射量がエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給されて、エンジン1の回転速度が制御される。
【0070】
[実施形態の特徴]
近年、搭載性向上を背景にした小型化の要求や、排出ガス規制強化を背景にしたより一層の高圧噴射化の要求が、年々強まっている。このため、近年の小型化および高圧噴射化の要求から、燃料供給ポンプ4の小型化に伴う燃料吐出量の減少、また、高圧噴射化に伴う燃料リーク量の増大またはプレッシャリミッタ16の開弁設定圧の上昇の傾向にある。このため、コモンレール2内の異常高圧状態を引き起こす異常故障が発生した場合には、燃料吐出量>燃料リーク量であったため、プレッシャリミッタ16が速やかに開弁し、コモンレール2内の異常高圧状態を回避していたものが、プレッシャリミッタ16が開弁するまでに長時間を必要とする恐れがある。
【0071】
そこで、図3のグラフに示したように、燃料供給ポンプ4の信頼性を確保する上で重要なポンプ使用許容域の圧力上限値に対応した第1のスレッシュ(PCTH1)、燃料供給ポンプ4の性能劣化(例えば摺動部の燃料潤滑性の低下による焼き付き等)のダメージを受けないようにするための第2のスレッシュ(PCTH2)、図7のグラフに示したように、インジェクタ3の信頼性を確保する上で重要なインジェクタ使用許容域の圧力上限値に対応したインジェクタ許容判定スレッシュ(KINJ)を、エンジン回転速度(NE)の1次元マップ、およびコモンレール圧力(PC)とエンジン回転速度(NE)との2次元マップにより与えるようにしている。
【0072】
そして、コモンレール圧力(PC)が、第1のスレッシュ(PCTH1)または第2のスレッシュ(PCTH2)を超過している異常高圧状態が長時間継続している場合には、燃料供給ポンプ4の異常故障に基づく異常高圧状態であると検出する。すなわち、プレッシャリミッタ16の開弁に長時間を必要としたり、プレッシャリミッタ16が開弁させられないようなコモンレール2内の異常高圧状態が長時間継続する状況を精度良く検出することができる。そして、燃料供給ポンプ4の焼き付き等を防止することを目的として、エマージェンシー処置(フェイルセーフ処置)を実施し、その程度に応じて即時エンジン停止したり、所定時間経過後にエンジン停止したりすることで、システムコストの増大を招くことなく、コモンレール2内の異常高圧状態を速やかに回避すると共に、燃料供給ポンプ4の焼き付き等を防止することができる。これにより、コモンレール式燃料噴射システムの信頼性および安全性を確保する。
【0073】
また、コモンレール圧力(PC)が、インジェクタ許容判定スレッシュ(KINJ)を超過している異常高圧状態が長時間継続している場合には、インジェクタ3の異常故障であると判断して、異常故障に基づく異常高圧状態であると検出する。すなわち、プレッシャリミッタ16の開弁に長時間を必要としたり、プレッシャリミッタ16が開弁させられないようなコモンレール2内の異常高圧状態が長時間継続する状況を精度良く検出することができる。そして、コモンレール2内の異常高圧状態を回避することを目的として、エンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する燃料噴射量を制限してエンジン回転速度を所定値以下に低速化したり、あるいはアイドルアップするためにアイドル運転時噴射量を所定値以上に増速化したりすることで、コモンレール2内の異常高圧状態を速やかに回避する。これにより、コモンレール式燃料噴射システムの信頼性および安全性を確保する。
【0074】
なお、上記の表1に示されているようなダイアグフラグ(XDGCPMP1,XDGCPMP3)が検出されている時には、燃料供給ポンプ4の異常故障(例えばSCV5の弁孔への異物の噛み込み等、経年変化によるSCV5の機能劣化(性能低下)または特性異常、ポンプ駆動信号送信用ワイヤハーネスの断線、ECU10の制御異常等によるSCV5の全開異常)が発生していると判断できるので、ダイアグフラグ(XDGCPMP1,XDGCPMP3)が検出されている時に、異常警告ランプ(インジケータランプ)等の視覚表示手段や音声等の聴覚表示手段を用いてドライバーに燃料供給ポンプ4の交換を促すようにしても良い。これにより、燃料供給ポンプ4およびSCV5の信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下した燃料供給ポンプ4およびSCV5を正常な燃料供給ポンプ4およびSCV5に交換することを適切なタイミングでユーザに促すことができる。
【0075】
上記の表1に示されているようなダイアグフラグ(XDGINJ)が検出されている時には、インジェクタ3の異常故障(例えばインジェクタ3の高圧シール部への異物の噛み込み等、経年変化によるインジェクタ3の機能劣化(性能低下や信頼性の低下)または特性異常、インジェクタ駆動信号送信用ワイヤハーネスの断線、ECU10の制御異常等によるインジェクタ3の全開異常または全閉異常または無噴射)が発生していると判断できるので、ダイアグフラグ(XDGINJ)が検出されている時に、異常警告ランプ(インジケータランプ)等の視覚表示手段や音声等の聴覚表示手段を用いてドライバーにインジェクタ3の交換を促すようにしても良い。これにより、インジェクタ3の信頼性の低下を精度良く検出することができ、且つ信頼性の低下したインジェクタ3を正常なインジェクタ3に交換することを適切なタイミングでユーザに促すことができる。
【0076】
[他の実施形態]
本実施形態では、コモンレール圧力センサ35をコモンレール2に直接取り付けて、コモンレール2内の燃料圧力(コモンレール圧力、実燃料圧力)を検出するようにしているが、コモンレール圧力センサを燃料供給ポンプ4のプランジャ室(加圧室)からインジェクタ3内の燃料通路までの間の燃料配管等に取り付けて、燃料供給ポンプ4の加圧室より吐出された燃料の吐出圧力、あるいはエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給される燃料の噴射圧力を検出するようにしても良い。
【0077】
本実施形態では、燃料供給ポンプ4のプランジャ室(加圧室)内に吸入される燃料の吸入量を変更(調整)するSCV(吸入量調整用電磁弁)5を設けた例を説明したが、燃料供給ポンプ4のプランジャ室(加圧室)からコモンレール2への燃料の吐出量を変更(調整)する吐出量調整用電磁弁を設けても良い。また、本実施形態では、弁開度がその電磁弁への通電を停止した時に全開となるノーマリオープンタイプ(常開型)のSCV(吸入調量弁)5を用いたが、弁開度がその電磁弁への通電を停止した時に全開となるノーマリオープンタイプ(常開型)の吐出量調整用電磁弁を用いても良い。また、吐出量調整用電磁弁または吸入量調整用電磁弁の弁開度がその電磁弁を通電した時に全開となるノーマリクローズタイプ(常閉型)の電磁弁を用いても良い。
【0078】
ここで、本実施形態では、エンジン1の運転条件を検出する運転条件検出手段として回転速度センサ31、アクセル開度センサ32、冷却水温センサ33および燃料温度センサ34を用いて指令噴射量(QFIN)、指令噴射時期(T)、目標コモンレール圧力(Pt)を演算するようにしているが、運転条件検出手段としてのその他のセンサ類(例えば吸気温センサ、吸気圧センサ、気筒判別センサ、噴射時期センサ等)からの検出信号(エンジン運転情報)を加味して指令噴射量(QFIN)、指令噴射時期(T)、目標コモンレール圧力(Pt)を補正するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(実施形態)。
【図2】ポンプ・インジェクタ異常診断方法を示したフローチャートである(実施形態)。
【図3】P/L開弁圧、ポンプ使用許容域、第1のスレッシュおよび第2のスレッシュを示した説明図である(実施形態)。
【図4】ポンプ許容判定制御を示したフローチャートである(実施形態)。
【図5】ポンプ許容判定制御を示したフローチャートである(実施形態)。
【図6】ポンプ許容判定制御を示したフローチャートである(実施形態)。
【図7】P/L開弁圧、インジェクタ使用許容域、インジェクタ許容判定スレッシュを示した説明図である(実施形態)。
【図8】インジェクタ許容判定制御を示したフローチャートである(実施形態)。
【図9】フェイルセーフ処置制御を示したフローチャートである(実施形態)。
【図10】フェイルセーフ処置制御を示したフローチャートである(実施形態)。
【符号の説明】
1 エンジン
2 コモンレール
3 インジェクタ(燃料噴射弁)
4 燃料供給ポンプ(サプライポンプ)
5 SCV(吸入調量弁)
10 ECU(エンジン制御装置、ポンプ・インジェクタ異常診断装置)
16 プレッシャリミッタ(圧力安全弁)
31 回転速度センサ(回転速度検出手段)
35 コモンレール圧力センサ(燃料圧力検出手段)
Claims (9)
- エンジンにより回転駆動される燃料供給ポンプによって加圧圧送された高圧燃料をコモンレール内に蓄圧すると共に、
前記コモンレール内に蓄圧された高圧燃料を、インジェクタを介して前記エンジンの気筒内に噴射供給する蓄圧式燃料噴射システムであって、
前記コモンレール内の燃料圧力が限界設定圧力を超えた際に開弁して、前記コモンレール内の燃料圧力を限界設定圧力以下に抑えるための圧力安全弁を備えた蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
(a)前記コモンレール内の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と、
(b)前記燃料圧力検出手段によって検出される前記コモンレール内の燃料圧力が、前記燃料供給ポンプの信頼性の低下に影響を与えるポンプ使用許容域、あるいは前記インジェクタの信頼性の低下に影響を与えるインジェクタ使用許容域を超える異常高圧状態が所定時間継続して発生した際に、前記異常高圧状態を回避するように、前記エンジンを制御するエンジン制御装置と
を備えたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記エンジン制御装置は、前記燃料圧力検出手段によって検出される前記コモンレール内の燃料圧力が、前記ポンプ使用許容域に対応した第1判定値、あるいは前記第1判定値よりも高く、前記燃料供給ポンプの性能劣化に影響を与える第2判定値を超える異常高圧状態が所定時間継続した際に、前記燃料供給ポンプの異常故障を検出する異常診断装置を有し、
前記異常診断装置によって前記燃料供給ポンプの異常故障が検出された時点から所定時間経過後に前記エンジンの運転を停止することを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項2に記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記エンジン制御装置は、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段を有し、
前記燃料圧力検出手段によって検出される前記コモンレール内の燃料圧力が前記第1判定値または前記第2判定値を超え、且つ前記回転速度検出手段によって検出された前記エンジン回転速度が判定値を超える異常高圧状態が所定時間継続した時点で、直ちに前記エンジンの運転を停止することを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項2または請求項3に記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記エンジン制御装置は、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段を有し、
前記ポンプ使用許容域に対応した第1判定値、および前記燃料供給ポンプの性能劣化に影響を与える第2判定値は、前記燃料圧力検出手段によって検出される前記コモンレール内の燃料圧力と前記回転速度検出手段によって検出される前記エンジン回転速度とにより算出されることを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記エンジン制御装置は、前記燃料圧力検出手段によって検出される前記コモンレール内の燃料圧力が、前記インジェクタ使用許容域に対応した判定値を超える異常高圧状態が所定時間継続した際に、前記インジェクタの異常故障を検出する異常診断装置を有し、
前記異常診断装置によって前記インジェクタの異常故障が検出された際に、前記エンジンの出力制限を要求するか、あるいはアイドルアップを要求することを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項5に記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記エンジン制御装置は、エンジン回転速度を検出する回転速度検出手段を有し、
前記インジェクタ使用許容域に対応した判定値は、前記回転速度検出手段によって検出される前記エンジン回転速度により算出されることを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記エンジン制御装置は、前記燃料供給ポンプまたは前記インジェクタの異常故障を検出する異常診断装置、およびこの異常診断装置によって前記燃料供給ポンプまたは前記インジェクタの異常故障が検出された際に、前記燃料供給ポンプまたは前記インジェクタの交換を促す視覚または聴覚表示手段を有していることを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記エンジン制御装置は、前記燃料圧力検出手段の異常故障を検出する第1異常診断装置、および前記燃料供給ポンプまたは前記インジェクタの異常故障を検出する第2異常診断装置を有し、
前記第1異常診断装置によって前記燃料圧力検出手段の異常故障を検出した際に、前記第2異常診断装置による前記燃料供給ポンプまたは前記インジェクタの異常故障の検出を禁止することを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。 - 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の蓄圧式燃料噴射システムにおいて、
前記燃料供給ポンプは、燃料吸入経路を経て流入した燃料を加圧する加圧室、および前記燃料吸入経路の開口面積または弁体リフト量に応じて前記加圧室より前記コモンレール内に吐出される燃料吐出量を変更して前記コモンレール内の燃料圧力を調整する吸入調量弁を有し、
前記吸入調量弁は、通電を停止すると、全開する常開型の電磁弁であることを特徴とする蓄圧式燃料噴射システム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003017787A JP3972823B2 (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 蓄圧式燃料噴射システム |
EP04001588.5A EP1441120B1 (en) | 2003-01-27 | 2004-01-26 | Pressure accumulation type fuel injection system |
EP14164422.9A EP2799700B1 (en) | 2003-01-27 | 2004-01-26 | Pressure accumulation type fuel injection system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003017787A JP3972823B2 (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 蓄圧式燃料噴射システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004225673A true JP2004225673A (ja) | 2004-08-12 |
JP3972823B2 JP3972823B2 (ja) | 2007-09-05 |
Family
ID=32588714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003017787A Expired - Fee Related JP3972823B2 (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | 蓄圧式燃料噴射システム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
EP (2) | EP2799700B1 (ja) |
JP (1) | JP3972823B2 (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007092660A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Denso Corp | 燃料噴射制御装置 |
JP2007327463A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Denso Corp | 燃料噴射装置 |
JP2007327404A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Denso Corp | コモンレール式燃料噴射装置 |
JP2009138686A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-06-25 | Hitachi Ltd | 内燃機関の高圧燃料供給装置および制御装置 |
JP2012087652A (ja) * | 2010-10-18 | 2012-05-10 | Denso Corp | 筒内噴射式内燃機関のフェールセーフ制御装置 |
JP2012246762A (ja) * | 2011-05-25 | 2012-12-13 | Hitachi Automotive Systems Ltd | エンジンの制御装置 |
JP2013189874A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-26 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2014051893A (ja) * | 2012-09-05 | 2014-03-20 | Denso Corp | インジェクタ駆動装置 |
JP2017505400A (ja) * | 2014-01-27 | 2017-02-16 | ヴァルツィラ・スウィッツァランド・リミテッド | ヂーゼルエンジンの噴射制御装置及び噴射装置の故障を検知する方法 |
JP2019124124A (ja) * | 2018-01-11 | 2019-07-25 | 本田技研工業株式会社 | 燃料噴射制御装置 |
KR20200143652A (ko) * | 2019-06-14 | 2020-12-24 | 만 에너지 솔루션즈, 필리알 아프 만 에너지 솔루션즈 에스이, 티스크란드 | 내연 엔진 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004037963A1 (de) * | 2004-08-05 | 2006-03-16 | Robert Bosch Gmbh | Prüfverfahren |
JP4746510B2 (ja) * | 2006-02-21 | 2011-08-10 | 愛三工業株式会社 | 負荷駆動系の異常診断システムおよび燃料ポンプ制御システム |
JP4842882B2 (ja) * | 2007-04-26 | 2011-12-21 | ボッシュ株式会社 | インジェクタ保護制御方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
JP4909973B2 (ja) | 2008-11-14 | 2012-04-04 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
DE102009050469B4 (de) * | 2009-10-23 | 2015-11-05 | Mtu Friedrichshafen Gmbh | Verfahren zur Steuerung und Regelung einer Brennkraftmaschine |
US9657653B2 (en) | 2014-06-09 | 2017-05-23 | Caterpillar Inc. | Gas pressure high and low detection |
DE102017216989B4 (de) * | 2017-09-25 | 2019-07-18 | Mtu Friedrichshafen Gmbh | Verfahren zum Betreiben einer Brennkraftmaschine mit einem Einspritzsystem und Einspritzsystem zur Durchführung eines solchen Verfahrens |
CN109488473B (zh) * | 2018-12-17 | 2021-08-13 | 中国船舶重工集团公司第七一一研究所 | 发动机的在线预判系统和在线预判方法 |
CN115126637B (zh) * | 2022-07-20 | 2024-02-20 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种高压共轨燃油系统及汽车 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0861133A (ja) * | 1994-08-19 | 1996-03-05 | Isuzu Motors Ltd | 蓄圧式燃料噴射装置及びその制御方法 |
JPH09119335A (ja) * | 1995-10-27 | 1997-05-06 | Isuzu Motors Ltd | エンジンの燃料供給制御装置 |
JPH1068328A (ja) * | 1996-07-03 | 1998-03-10 | Robert Bosch Gmbh | 噴射システムの監視方法及び装置 |
JPH10238391A (ja) * | 1997-02-26 | 1998-09-08 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射装置 |
JP2000303886A (ja) * | 1999-04-20 | 2000-10-31 | Denso Corp | 高圧燃料系異常検出装置 |
JP2001295685A (ja) * | 2000-04-17 | 2001-10-26 | Denso Corp | 蓄圧式燃料噴射装置 |
JP2002070632A (ja) * | 2000-08-25 | 2002-03-08 | Hitachi Ltd | 故障診断装置を備えたエンジン制御装置 |
JP2003184616A (ja) * | 2001-12-17 | 2003-07-03 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料噴射システムのフェールセーフ制御装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08338335A (ja) * | 1995-06-09 | 1996-12-24 | Nippondenso Co Ltd | 内燃機関の燃料供給装置 |
DE19604552B4 (de) * | 1996-02-08 | 2007-10-31 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung einer Brennkraftmaschine |
-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003017787A patent/JP3972823B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-01-26 EP EP14164422.9A patent/EP2799700B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2004-01-26 EP EP04001588.5A patent/EP1441120B1/en not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0861133A (ja) * | 1994-08-19 | 1996-03-05 | Isuzu Motors Ltd | 蓄圧式燃料噴射装置及びその制御方法 |
JPH09119335A (ja) * | 1995-10-27 | 1997-05-06 | Isuzu Motors Ltd | エンジンの燃料供給制御装置 |
JPH1068328A (ja) * | 1996-07-03 | 1998-03-10 | Robert Bosch Gmbh | 噴射システムの監視方法及び装置 |
JPH10238391A (ja) * | 1997-02-26 | 1998-09-08 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射装置 |
JP2000303886A (ja) * | 1999-04-20 | 2000-10-31 | Denso Corp | 高圧燃料系異常検出装置 |
JP2001295685A (ja) * | 2000-04-17 | 2001-10-26 | Denso Corp | 蓄圧式燃料噴射装置 |
JP2002070632A (ja) * | 2000-08-25 | 2002-03-08 | Hitachi Ltd | 故障診断装置を備えたエンジン制御装置 |
JP2003184616A (ja) * | 2001-12-17 | 2003-07-03 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料噴射システムのフェールセーフ制御装置 |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007092660A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Denso Corp | 燃料噴射制御装置 |
JP4492508B2 (ja) * | 2005-09-29 | 2010-06-30 | 株式会社デンソー | 燃料噴射制御装置 |
JP2007327404A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Denso Corp | コモンレール式燃料噴射装置 |
JP2007327463A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Denso Corp | 燃料噴射装置 |
JP4573218B2 (ja) * | 2006-06-09 | 2010-11-04 | 株式会社デンソー | 燃料噴射装置 |
JP2009138686A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-06-25 | Hitachi Ltd | 内燃機関の高圧燃料供給装置および制御装置 |
JP2012087652A (ja) * | 2010-10-18 | 2012-05-10 | Denso Corp | 筒内噴射式内燃機関のフェールセーフ制御装置 |
JP2012246762A (ja) * | 2011-05-25 | 2012-12-13 | Hitachi Automotive Systems Ltd | エンジンの制御装置 |
JP2013189874A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-26 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
JP2014051893A (ja) * | 2012-09-05 | 2014-03-20 | Denso Corp | インジェクタ駆動装置 |
JP2017505400A (ja) * | 2014-01-27 | 2017-02-16 | ヴァルツィラ・スウィッツァランド・リミテッド | ヂーゼルエンジンの噴射制御装置及び噴射装置の故障を検知する方法 |
JP2019124124A (ja) * | 2018-01-11 | 2019-07-25 | 本田技研工業株式会社 | 燃料噴射制御装置 |
KR20200143652A (ko) * | 2019-06-14 | 2020-12-24 | 만 에너지 솔루션즈, 필리알 아프 만 에너지 솔루션즈 에스이, 티스크란드 | 내연 엔진 |
KR20210090135A (ko) * | 2019-06-14 | 2021-07-19 | 만 에너지 솔루션즈, 필리알 아프 만 에너지 솔루션즈 에스이, 티스크란드 | 내연 엔진 |
KR102285087B1 (ko) * | 2019-06-14 | 2021-08-04 | 만 에너지 솔루션즈, 필리알 아프 만 에너지 솔루션즈 에스이, 티스크란드 | 내연 엔진 |
KR102678958B1 (ko) * | 2019-06-14 | 2024-06-28 | 만 에너지 솔루션즈, 필리알 아프 만 에너지 솔루션즈 에스이, 티스크란드 | 내연 엔진 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2799700A1 (en) | 2014-11-05 |
EP2799700B1 (en) | 2015-07-22 |
JP3972823B2 (ja) | 2007-09-05 |
EP1441120A3 (en) | 2011-04-13 |
EP1441120A2 (en) | 2004-07-28 |
EP1441120B1 (en) | 2015-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3972823B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射システム | |
US6715468B2 (en) | Fuel injection system | |
JP4657140B2 (ja) | エンジンの燃料供給装置 | |
US6729297B2 (en) | Fuel injection control device | |
US6871633B1 (en) | Abnormality diagnosis apparatus for high pressure fuel system of cylinder injection type internal combustion engine | |
JP3966130B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
JP2010116881A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2007092607A (ja) | 蓄圧式噴射装置の異常判定装置 | |
JP4045594B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
JP4348805B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射制御装置 | |
JP2010169022A (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 | |
JP3941667B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
JP2011185158A (ja) | 内燃機関の高圧燃料供給システムの異常診断装置 | |
JP3876694B2 (ja) | コモンレール式燃料噴射システム | |
JP2004225630A (ja) | 蓄圧式燃料噴射システム | |
JP2005155561A (ja) | 内燃機関用燃料噴射装置 | |
JP2010053741A (ja) | 内燃機関の燃料供給系の診断装置 | |
JP3900903B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
JP4300582B2 (ja) | 燃料供給装置 | |
JP3846272B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
JP4193331B2 (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 | |
JP2005344573A (ja) | 内燃機関用燃料噴射装置 | |
JP5835117B2 (ja) | 内燃機関の燃料供給制御装置 | |
JP5370685B2 (ja) | 筒内噴射式内燃機関の燃料供給システムの故障診断装置 | |
JP2008050991A (ja) | コモンレール式燃料噴射システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060703 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061219 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070306 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070419 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070522 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070604 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3972823 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110622 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110622 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130622 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140622 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |