JP2004224686A - 発光ガラス生産方法および発光ガラス、並びに該発光ガラスの利用法 - Google Patents

発光ガラス生産方法および発光ガラス、並びに該発光ガラスの利用法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、紫外線等の照射により強い発光を呈する発光ガラスを生産する方法および該発光ガラス、並びに該発光ガラスの利用法を提供する
【解決手段】多孔質ガラスに希土類原子を吸着させる第1工程と、上記第1工程により得られた希土類原子含有吸着多孔質ガラスを大気中あるいは還元雰囲気中にて焼成させる第2工程とを有する発光ガラス生産方法により、生産された発光ガラスは、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、紫外線等の照射により強い発光を呈することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学的、機械的安定性に優れているとともに、強い発光を示す酸化物ガラス、およびその利用法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Eu(ユウロピウム)、Tb(テルビウム)等の希土類を用いた蛍光体材料は、すでにランプ、ブラウン管等に実用化されている。上記蛍光体材料は、担体上に、希土類原子を含む粉末状の蛍光体を塗布する方法、またはゾルゲル法により蛍光体を担体上にコートする方法等により生産されている(特許文献1、非特許文献1および非特許文献2参照)。すなわち、上記蛍光体材料は、蛍光体により表面をコートする方法により生産されているため、表面的な蛍光しか得られない。
【0003】
しかし、高輝度のランプ、ディスプレイ、または短波長レーザーの調整等に用いるために、透過性があり、なおかつバルク成形できる蛍光体材料が求められている。このような蛍光体材料には、安定な酸化物ガラスを用いることが好ましい。しかし、従来の酸化物ガラス中では、発光中心である希土類原子等と酸化物ガラス母体との結合が強いため、非輻射遷移を起こしやすく、強い発光を呈する発光ガラスは得られなかった。
【0004】
この問題を解決するため、フッ化物ガラス、オキシフッ化物ガラスを利用した蛍光ガラス(特許文献2および特許文献3参照)が開発されている。また、希土類を多量に含ませた酸化物ガラスを生産する方法も開示されている(特許文献4参照)。
【0005】
また、その他の発光ガラスの生産方法として、多孔質酸化物ガラス(バイコールガラス)にイオン(非特許文献3および非特許文献4参照)、または半導体微粒子をドープする方法(特許文献5および非特許文献5〜7参照)が開示されている。
【0006】
また、上記発光ガラスを利用した照明器具や蛍光材料を利用した照明器具がいくつか知られている。蛍光材料と紫外線ランプ(例えば、ブラックライト等)とを利用した照明技術としては、蛍光塗料を塗布した板に紫外線を照射して、表示装置として利用する技術(特許文献6)、紫外線によって発光する蛍光体とブラックライトを用いたサイン装置(特許文献7)が開示されている。さらにフッ化物ガラスとブラックライトとを利用した、透明性の高い平面発光照明器具が知られている(特許文献8)。
【0007】
さらに、水槽等を内側から照らす水中照明器具が知られているが、従来の水中照明器具としては、給電(送電)コードを水中に通している器具、または電磁誘導を利用している防水照明器具や防水ランプを点灯させる照明器具が知られている(特許文献9)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−270733号公報(公開日 平成13年10月2日)
【0009】
【特許文献2】
特開平8−133780号公報(公開日 平成8年5月28日)
【0010】
【特許文献3】
特開平9−202642号公報(公開日 平成9年8月5日)
【0011】
【特許文献4】
特開平10−167755号公報(公開日 平成10年6月23日)
【0012】
【特許文献5】
米国特許第6,211,526号明細書
【0013】
【特許文献6】
特開2001−290447号公報(公開日 平成13年10月19日)
【0014】
【特許文献7】
特開平10−333619号公報(公開日 平成10年12月18日)
【0015】
【特許文献8】
特開平11−283415号公報(公開日 平成11年10月15日)
【0016】
【特許文献9】
特開2002−251901号公報(公開日 平成14年9月6日)
【0017】
【非特許文献1】
M. Nogami and Y. Abe著、「Enhanced emission from Eu2+ ions in sol−gel derived Al−SiO glasses.」、Appl. Phys. Lett., 69(25) 3776 (1996)、American Institute of Physics発行、(発行日1996年12月16日)
【0018】
【非特許文献2】
M. Nogami著、「Fluorescence properties of Eu−doped GeO−SiOglass heated under an H atmosphere.」、J. Luminescence, 92, 329 (2001)、Elsevier Science発行、(発行日2001年4月)
【0019】
【非特許文献3】
H. Mack, R. Reisfeld and D. Avnir著、「Fluorescence of rate earth ions adsorbed on porous vycor glass.」、Chem. Phys. Lett. Vol.99, No.3, 238 (1983)、Elsevier Science発行、(発行日1983年8月5日)
【0020】
【非特許文献4】
R. Reisfeld, N. Manor and D. Avnir著、「Transparent high surface area porous supports as new materials for luminescent solar concentrators.」、Solar Energy Materials, 8, 399 (1983)、North−Holland Publishing Company発行、(発行日1983年)
【0021】
【非特許文献5】
A.L. Huston, B.L. Justus and T.L. Johnson著、「Fiber−optic−coupled, laser heated thermoluminescence dosimeter for remote radiation sensing.」、Appl. Phys. Lett., 68(24), 3377 (1996)、American Institute of Physics発行、(発行日1996年6月10日)
【0022】
【非特許文献6】
B.L. Justus and A.L. Huston著、「Ultraviolet dosimetry using thermoluminescence of semiconductor−doped Vycor glass.」、Appl. Phys. Lett., 67(9), 1179 (1995)、American Institute of Physics発行、(発行日1995年8月28日)
【0023】
【非特許文献7】
B.L. Justus, A.L. Huston and T.L. Johnson著、「Laser−heated radiation dosimetry using transparent thermoluminescent glass.」、Appl. Phys. Lett., 68(1), 1 (1996)、American Institute of Physics発行、(発行日1996年1月1日)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のフッ化物ガラスまたはオキシフッ化物ガラスを利用した蛍光ガラスは、耐熱性および化学的耐久性が悪いだけでなく、機械的強度も低いという問題がある。このため、上記従来の蛍光ガラスでは、大型のガラス板等の作製が困難であり、大気中、特に屋外で長期にわたって使用することが難しかった。また、フッ化物等は環境に対しても悪影響を及ぼす等問題が多い。
【0025】
また、希土類を多量に含む酸化物ガラスは、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度は優れているが、希土類を多く含むため価格が非常に高くなるという問題がある。
【0026】
さらに、従来の多孔質酸化物ガラスにイオンや半導体微粒子をドープする方法で得られた発光ガラスでは、発光強度の大きい蛍光が得られないという問題点がある。例えば、上記従来の発光ガラスに対して、数ワット程度の紫外線ランプを用いて紫外線を照射した場合、目視で発光が十分に確認できる程度の強い蛍光は得られない。
【0027】
また、従来の照明装置に使用している有機蛍光塗料は、化学的耐久性に欠けるため、屋外での長期使用に適さないという問題があり、上記有機蛍光塗料を用いた照明装置は、短期的利用の看板や屋内での利用に限られているという問題がある。
【0028】
さらに、フッ化物ガラスを利用した照明装置は、上述のとおり、環境に対して問題が多く、屋外での長期間使用する場合、安定性に欠けるという問題がある。
【0029】
また、従来の水中照明器具では、見栄えが悪いだけでなく、さらに、送電コードが破損した場合には漏電の危険性が存在するという問題がある。
【0030】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、紫外線等の照射により強い発光を呈する発光ガラスを生産する方法および該発光ガラス、並びに該発光ガラスの利用法を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、後述するように、廃ガラス等を利用し作製した多孔質ガラス(多孔質シリカガラス)に希土類化合物等を含浸させ、その後、大気中または還元雰囲気中にて焼成を行うことにより酸化物ガラスを得た。そして、上記酸化物ガラスについて詳細な検討を行った結果、上記酸化物ガラスは、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、希土類原子を多量に含まないにも関わらず、強い発光を呈することを独自に見出し、これらの知見に基づき本発明を完成させるに至った。
【0032】
すなわち、本発明に係る発光ガラス生産方法は、上記の課題を解決するために、多孔質ガラスに希土類原子を吸着させる第1工程と、上記第1工程により得られた希土類原子含有吸着多孔質ガラスを大気中あるいは還元雰囲気中にて焼成させる第2工程とを有することを特徴としている。
【0033】
上記方法にて生産された発光ガラスは、紫外領域の光の照射により励起され、強い蛍光を発するものである。すなわち、上記発光ガラスは、紫外線を可視域の光へ高効率に変換することができるものである。さらに、上記発光ガラスは、ガラス母体が酸化物ガラスであるため、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度も優れている。したがって、上記の構成によれば、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、強い発光を呈する酸化物ガラスを容易に生産することができる。
【0034】
また、上記発光ガラスは、ガラス母体が多量のシリカを含むため、母ガラスの紫外線透過率が高く、より短波長の光で励起できるだけでなく、紫外線照射による欠陥も発生し難いという利点を有する。また、上記発光ガラスは、希土類を多量に含ませなくても強力に発光するため、コストを低減することも可能である。
【0035】
また、上記希土類原子が、ランタノイドの少なくとも1種の原子であることが好ましく、さらには、Eu、Ce、Tbであることがより好ましい。これらの原子であれば、強力に発光する発光ガラスを生産することができる。
【0036】
また、本発明に係る発光ガラス生産方法は、上記第1工程は、上記希土類原子を有する化合物を含む溶液に多孔質ガラスを含浸させる工程であることが好ましい。
【0037】
上記の構成によれば、上記希土類原子を有する化合物(以下、単に希土類化合物と称する場合もある)を容易に多孔質ガラスにしみ込ませることができる。したがって、容易に耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、強い発光を呈する酸化物ガラスを生産することができる。
【0038】
また、本発明に係る発光ガラス生産方法は、上記第2工程における焼成温度は、900℃以上であることが好ましい。
【0039】
上記の構成によれば、希土類原子を吸着させた多孔質ガラスを十分に焼結することができる。このため、確実に耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、強い発光を呈する酸化物ガラスを生産することができる。
【0040】
また、本発明に係る発光ガラス生産方法は、上記第1工程は、さらに、多孔質ガラスに増感剤を吸着させる工程を有することが好ましい。
【0041】
上記の構成によれば、焼成とともに希土類イオンの価数制御を行うことができる。このため、より強く蛍光を発する発光ガラスを生産することができる。
【0042】
また、本発明に係る発光ガラス生産方法は、さらに、上記第2工程において焼成した後、急速に冷却させる工程を有することが好ましい。
【0043】
上記の構成によれば、マトリックス(酸化物ガラス母体)と希土類原子とが反応することを防ぐことができる。このため、より強い蛍光を発する発光ガラスを生産することができる。
【0044】
また、本発明に係る発光ガラスは、上記の課題を解決するために、上記のいずれかの発光ガラス生産方法により生産されることを特徴としている。
【0045】
本発明に係る発光ガラスは、紫外領域の光の照射により励起され、強い蛍光を発するものである。すなわち、上記発光ガラスは、紫外線を可視域の光へ高効率に変換することができるものである。さらに、上記発光ガラスは、ガラス母体が酸化物ガラスであるため、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度も優れている。また、上記発光ガラスは、ガラス母体が多量のシリカを含むため、母ガラスの紫外線透過率が高く、より短波長の光で励起できるだけでなく、紫外線照射による欠陥も発生し難いという利点を有する。また、上記発光ガラスは低価格で生産可能である。
【0046】
また、本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、上記の発光ガラスと紫外線光源を備えていることを特徴としている。
【0047】
本発明に係る発光ガラスは、上述のように、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度に優れており、さらに透明性が高いため、短波長の光で励起できるだけでなく、紫外線照射による欠陥も発生し難いという利点を有する。また、上記発光ガラスは低価格で生産可能であるという利点を有する。
【0048】
このため、本発明に係る照明装置は、環境に対して悪影響の少なく、屋外においても長期間安定な照明器具として利用可能である。さらに、本照明装置は、昼間は環境を損ねない透明なガラスとして、夜間は、例えば、ブラックライト等の光源を利用した照明器具として利用することができ、夜間の危険箇所表示や、人に快適な印象を与える看板等に利用可能である。また、上記照明装置は、高価な希土類原子を多量に使用しないため、低価格で生産可能である。
【0049】
また、本発明に係る水中照明装置は、上記の発光ガラスと紫外線光源を備えていることを特徴としている。
【0050】
上記発光ガラスは、後述する実施例に示すように、水中でも紫外線を照射されることにより発光する。このため、本発明の照明装置によれば、例えば、水の外から、または水中において紫外線を発光ガラスに照射するだけで、発光強度の強い水中照明装置として使用することができる。かかる水中照明装置は、送電コード等を必要としないため、水中においても漏電の危険性も無く、美感を損ねることも無いという利点がある。なお、照明装置としての利点は、上述のとおりである。
【0051】
また、本発明に係る照明装置において、上記照明装置は、さらに光ファイバーを備えており、上記光ファイバーの一方の端部は上記紫外線光源と接続されており、上記光ファイバーのもう一方の端部は上記発光ガラスの近傍に設けられていることが好ましい。
【0052】
上記の構成によれば、上記紫外線光源から照射される紫外線は、上記光ファイバーを介して、上記発光ガラス近傍から上記発光ガラスに対して照射される。すなわち、光ファイバーによって、照明部分(発光ガラス)の近傍まで、紫外線を導入することができる。このため、本発明に係る照明装置は、例えば、水槽の外部のような、照明部分(発光ガラス)と離れた位置から、照明部分(発光ガラス)に対して紫外線を照射する場合よりも、より一層発光強度の強い照明装置として利用することができる。さらに、光ファイバーを介して紫外線を導入しており、送電コードが必要ないため、漏電の危険性もなく、美感の優れた水中照明装置としても利用可能である。
【0053】
また、本発明に係る照明方法は、上記の課題を解決するために、上記の発光ガラスと紫外線光源とを利用することを特徴としている。
【0054】
上記の方法は、環境に対して悪影響が少なく、屋外においても長期間安定な照明方法として利用可能であり、夜間の危険箇所表示方法や、人に快適な印象を与える照明方法等としてだけでなく、水中照明方法としても利用可能である。
【0055】
また、本発明に係るディスプレイ装置は、上記発光ガラスを備えていることを特徴としている。
【0056】
上記の構成により、発光ガラスの発光および透明性を利用することができるため、透過配置での利用や、3次元立体(3D)的な表示能を有するディスプレイ装置を得ることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明に係る発光ガラス生産方法および発光ガラスに関する実施の一形態について以下に説明する。なお、本発明はこれに限られるものではない。
【0058】
(1)発光ガラス生産方法
本発明に係る発光ガラス生産方法は、多孔質ガラスに希土類原子を吸着させる第1工程と、上記第1工程により得られた希土類原子吸着多孔質ガラスを、大気中または還元雰囲気中にて焼成させる第2工程とを有するものであればよい。以下に、本発明の発光ガラス生産方法における各工程、材料、生成物等について詳細に説明する。
【0059】
(1−1)第1工程
本発明の発光ガラス生産方法における第1工程にて用いられる多孔質ガラスは、比較的孔径の小さいものであることが好ましい。これは、孔径がマトリックスに閉じ込められる程度に、焼成によって小さくなっている必要があると考えられるためである。
【0060】
また、上記多孔質ガラスは、シリカを主成分とするガラスであればよく、含まれる各原子の化学組成等は特に限定されるものではない。また、この多孔質ガラスの作製方法は従来公知の方法が利用できる。例えば、後述の実施例に示すように、市販の廃ガラスに所定の割合のSi、O、B、Na、およびAlを含む化合物をそれぞれ加えて高温溶融させた後、冷却成形し、高温の酸で処理を行うことにより作製することができるが、この方法に限定されるものではない。
【0061】
上記多孔質ガラスに希土類原子を吸着させる工程は、上記多孔質ガラスの表面および孔中に希土類原子(希土類イオンを含む。本発明について同じ)または希土類化合物を吸着させる工程であればよい。具体的には、例えば、希土類原子または希土類化合物を含む溶液に上記多孔質ガラスを含浸させる方法、または希土類原子または希土類化合物を含む溶液を上記多孔質ガラスに塗布する方法等を挙げることができる。なお、上記溶液の溶媒は、水であってもよいし、水以外の有機溶媒であってもよく特に限定されるものではない。また、多孔質ガラスに吸着させる希土類原子または希土類化合物の量は適宜設定できる。
【0062】
また、上記多孔質ガラスに希土類原子または希土類化合物を吸着させる際の条件、例えば、上記多孔質ガラスを上記溶液に含浸させる時間、温度、回数、溶液の量、溶液のpH等、および、上記多孔質ガラスに上記溶液を塗布する回数等は適宜設定することができ、特に限定されるものではない。
【0063】
また、上記多孔質ガラスに希土類原子または希土類化合物を吸着させた後、一旦これを乾燥させて、再び希土類原子または希土類化合物を吸着させることもできる。すなわち、第1工程の途中に乾燥工程をいれてもよいし、上記希土類原子等を吸着させる工程と乾燥工程とを複数回繰り返すことも可能である。これにより、多孔質ガラスに希土類原子または希土類化合物を確実に吸着させることができ、濃度消光を防ぎ、より発光強度の強い発光ガラスを生産することができる。
【0064】
また、上記希土類原子としては、長周期型の周期表3A族に属するSc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、およびランタノイド(La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム))が挙げられる。なお、本発明でいう希土類原子には、希土類イオンを含むものとする。
【0065】
これらの原子のなかでも、ランタノイドの少なくとも1種の原子であることが好ましく、さらには、Eu、Ce、Tbが特に好ましい。上記の原子であれば、発光強度の強い発光ガラスを容易に生産できるためである。なお、上記の希土類原子を単独で用いてもよいし、複数の希土類原子を組み合わせて使用してもよいことは、いうまでもない。
【0066】
また、上記希土類化合物としては、Sc化合物、Y化合物、およびランタノイド化合物が挙げられる。具体的には、例えば、希土類原子を含む硝酸塩、酸化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、有機金属塩等の化合物およびこれら化合物の水和物等の従来公知の化合物を挙げることができ、特に限定されるものではない。
【0067】
また、本発明の発光ガラス生産方法における第1工程は、さらに、多孔質ガラスに増感剤を吸着させる工程を有していてもよい。
【0068】
上記多孔質ガラスに増感剤を吸着させる工程は、例えば、多孔質ガラスの表面および孔中に増感剤を吸着させる工程であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、後述する実施例に示すように、増感剤を含む溶液に多孔質ガラスを含浸させる方法や、その他に増感剤を含む溶液を多孔質ガラスに塗布する方法等を挙げることができる。上記溶液の溶媒も水、または有機溶媒等といった従来公知のものが使用できる。また、多孔質ガラスに増感剤を吸着させる工程は複数回行われてもよい。これにより、容易に増感剤を多孔質ガラスにしみ込ませることができ、より強く発光する発光ガラスを生産することができる。
【0069】
また、上記増感剤は、酸化物ガラス(シリカ)と組成の異なる化合物(例えば、酸化物等)であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)、Sn(スズ)、およびMg(マグネシウム)等の原子のうち、少なくとも1種が含まれる化合物が挙げられる。これらの化合物としては、上記原子を含む硝酸塩、酸化物、塩化物、硫酸塩、または炭酸塩等の化合物等およびこれら化合物の水和物等の従来公知の化合物を挙げることができる。
【0070】
また、多孔質ガラスに吸着させる増感剤の量は適宜設定でき、特に限定されるものではない。
【0071】
また、多孔質ガラスに増感剤を吸着させる工程は、多孔質ガラスに希土類原子を吸着させる工程の前後どの段階で行ってもよく、さらに、希土類原子と増感剤とを多孔質ガラスに吸着させる工程を同時に行ってもよい。また、多孔質ガラスに希土類原子を吸着させる工程と多孔質ガラスに増感剤を吸着させる工程との間に乾燥工程がはっていてもよいし、これら2つの吸着工程と乾燥工程とを複数回繰り返すこともできる。
【0072】
すなわち、上記増感剤を多孔質ガラスに吸着させる工程は、以下に述べる第2工程における焼成の前であれば、どの段階で行われてもよく、回数等の条件も適宜設定可能である。
【0073】
(1−2)第2工程
本発明の発光ガラス生産方法における第2工程は、上記第1工程で得られた希土類原子吸着多孔質ガラスを、大気中または還元雰囲気中にて焼成させる工程であればよく、具体的な焼成方法等については特に限定されるものではない。例えば、還元雰囲気中にて焼成させる方法としては、後述する実施例に示すように、カーボンを入れたアルミナるつぼ中で焼成する方法等が挙げられる。
【0074】
また、焼成温度は、900℃以上で行うことが好ましい。後述する実施例に示すように、900℃より低い温度で焼成した場合は、十分な発光を呈する酸化物ガラスを得られないためである。これは、900℃以上で焼成を行うことにより、希土類原子が吸着している多孔質ガラスの孔径および表面状態をコントロールすることができるからである。
【0075】
なお、焼成温度の上限としては、1600℃であることが好ましい。これ以上の温度で焼成した場合、基質のガラスが軟化してしまうためである。
【0076】
また、焼成を行う時間、温度を上昇させる速度等は適宜設定することができ、特に限定されるものではない。
【0077】
また、上記焼成後に得られた酸化物ガラスを急速に冷却する工程を含むことが好ましい。焼成を長時間行った場合、または焼成後に急冷を行わなかった場合は、マトリックス(酸化物ガラス母体)と希土類原子とが反応してしまい、蛍光が弱くなってしまうことがわかっているためである。なお、急冷する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、一定温度の恒温槽内で冷却する方法、大気中に放置する方法等が挙げられる。また、冷却時間、冷却速度等は、適宜設定可能である。
【0078】
(2)発光ガラス
本発明に係る発光ガラスは、上記の方法により生産される発光ガラスであればよく、化学組成も、少なくとも、Si(ケイ素)、O(酸素)、および希土類原子を含んでいればよく、特に限定されるものではない。
【0079】
また、本発明に係る発光ガラスは、後述する実施例に示すように、紫外領域の光の照射により励起され、強い蛍光を発するものである。すなわち、本発明に係る発光ガラスは、紫外線またはX線を可視域の光へ高効率に変換することができるものであると換言できる。さらに、本発明に係る発光ガラスは、ガラス母体が安定な酸化物ガラスであるため、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度も優れている。
【0080】
また、本発明に係る発光ガラスは、ガラス母体が多量のシリカを含むため、母ガラスの紫外線透過率が高く、より短波長の光で励起できるという利点がある。さらに、紫外線照射による欠陥も発生し難いという利点を有する。さらに、希土類を多量に含ませなくても強力に発光するため、コストを低減することも可能である。
【0081】
具体的には、後述する実施例に示すように、例えば、希土類原子としてEuを用いて、還元雰囲気中で1100℃にて焼成を行うことにより得られた発光ガラスは、紫外光励起によって発光強度の大きい青色発光を呈した。一方、大気中で焼成を行った場合に得られた発光ガラスは、十分な発光を示さなかった(図2、3参照)。
【0082】
また、希土類原子としてCeを用いて、還元雰囲気中で1100℃にて焼成を行うことにより得られた発光ガラスは、紫外光励起によって発光強度の大きい発光を呈した(図4、5参照)。また、Ceを吸着させた多孔質ガラスに、さらに増感剤としてAl(NOを吸着させた後に焼成し得られた発光ガラスは、より強い発光を示した(図4、5参照)。
【0083】
また、希土類原子としてTbを用いて、大気中で1100℃にて焼成を行った場合、得られた発光ガラスは、紫外光励起により、発光強度の大きい赤色発光を呈した(図6、7参照)。
【0084】
上記のように、Eu、Ce、Tb等の希土類原子を吸着させた多孔質ガラスを大気中で焼成した場合、希土類原子は通常安定な3価、または4価のイオン(例えば、Eu3+、Tb3+、Ce4+等)として存在している。このため、発光ガラスは、紫外光励起により、主に赤色発光を呈するか、あるいはそれほど強い発光を示さないことになる。一方、上記希土類原子吸着多孔質ガラスを還元雰囲気中で焼成することにより、例えば、Euイオンは3価から2価のイオン(Eu3+→Eu2+)に変化する。このため、発光ガラスは、発光強度の大きい青色発光を呈することになると考えられる。
【0085】
また、増感剤が希土類原子とともに存在している場合、高温焼成することにより増感剤は、酸化物となり、希土類原子からの蛍光を強くする効果を有する。このため、希土類原子と増感剤とを吸着させた多孔質ガラスを焼成させて得られた発光ガラスは、紫外光励起によって、より強い発光を呈すると考えられる。
【0086】
これらの結果から、本発明に係る発光ガラス生産方法によれば、増感剤の存在下または非存在下にて、希土類原子が吸着した多孔質ガラスを十分に焼成することによって、希土類イオンとガラス界面との制御を適切に行うことができるといえる。
【0087】
また、還元環境下にて焼成を行うことにより、本発明に係る発光ガラスでは、希土類イオンとガラスの界面との状態が通常の酸化物ガラスとは異なる状態になっていると考えられる。
【0088】
さらに、後述する実施例に示すように、本発明に係る発光ガラスは、バーナーで加温しながらでも強く発光する。また、加温した湯中でも強く発光する。このことから、上記発光ガラスは、高温環境下の空気中、水中のいずれの環境でもでも強く発光し、優れた耐熱性と発光性を併せ持つといえる。勿論、上記発光ガラスは、高温環境下でなくとも強く発光することはいうまでもない。
【0089】
本発明に係る発光ガラスは、上述したような優れた機能を有している。このため、例えば、エキシマレーザー等の光軸調整等に使用可能である。さらに、ランプ用蛍光管、蛍光ファイバー、ディスプレイ、LCDのバックライト、または表示装置等に利用可能である。
【0090】
さらに、本発明に係る発光ガラスは、製造条件を適宜変更することにより、例えば、チューブ、板、ファイバー等といった種々の形状に成形することが可能である。具体的には、例えば、多孔質ガラスを製造する際、後述する実施例に示すように、一旦高温溶融させる工程がある。この高温溶融させた後、種々の形状の金型に流し込み冷却させて成形することにより、所望の形状の多孔質ガラスを製造できる。したがって、上記種々の形状の多孔質ガラスを用いることによって、チューブ、板、ファイバー等といった種々の形状の発光ガラスを生産することができる。
【0091】
(3)本発明に係る発光ガラスの利用法
本発明に係る発光ガラスは、紫外線またはX線等により励起され、可視域の光を発光するものであり、さらに耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度も優れている。また、本発明に係る発光ガラスは、短波長の光により励起され、紫外線照射による欠陥も発生し難いという利点を有する。さらに、生産コストも低くすむ。
【0092】
このため、上記発光ガラスを利用して、優れた照明装置を作製することができる。すなわち、本発明に係る照明装置は、上記発光ガラスと紫外線光源とを備えていればよく、その他の構成としては、従来公知の照明装置の種々の構成を有していてもよく、特に限定されるものではない。また、本発明に係る照明装置は、上記発光ガラスを利用していればよいとも換言できる。
【0093】
また、本発明でいう「紫外線光源」としては、いわゆるX(エックス)線または紫外線と呼ばれる波長範囲の電磁波を上記発光ガラスに対して照射し、上記発光ガラスを発光させることができるものであればよく、紫外線の強度、ワット(W)数等は適宜設定でき、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、従来公知の市販のブラックライトや紫外線ランプ等が挙げられる。
【0094】
また、本発明に係る照明装置は、水中でも使用可能である。これは、後述する実施例に示すように、上記発光ガラスが水中でも紫外線を受けることにより、発光するためである。
【0095】
また、本発明に係る照明装置は、さらに光ファイバーを備えており、上記光ファイバーの一方の端部は上記紫外線光源と接続されており、上記光ファイバーのもう一方の端部は上記発光ガラスの近傍に設けられていることが好ましい。上記の構成によれば、例えば、水中に発光ガラスが配置され、水の外に紫外線光源が配置される場合でも、光ファイバーを介することにより、水中の発光ガラスの近傍から紫外線を発光ガラスに対して照射することができる。光ファイバーは、送電コードと異なり通電していないため、漏電の危険性も無く、また発光ガラス、光ファイバー、紫外線光源といった必要最小限の部材によって照明装置が構成されているため、照明装置の美感を損なうことも無いという利点がある。なお、ここでいう「近傍」とは、例えば、発光ガラスと光ファイバーの端部とが接する距離〜発光ガラスと光ファイバーの端部との距離が30cm離れている距離の範囲内であることが好ましい。発光ガラスと光ファイバーの端部との距離が上記範囲以上離れてしまうと、光ファイバーを用いて発光ガラスの近くまで紫外線を導入する意義が薄れてしまうためである。
【0096】
以下に、本実施の形態に係る照明装置1の具体的な構成について、図10に基づき説明するが、本発明に係る照明装置はこの構成に限られるものではない。
【0097】
図10に示すように、本実施の形態に係る照明装置1は、基材2と、上記発光ガラス3と、ブラックライト4とを備えている。発光ガラス3とブラックライト4とは、基材2上に設けられている。発光ガラス3は、照明部材として機能し、ブラックライト4は、紫外線光源として機能する。
【0098】
基材2は、発光ガラス3の発光を阻害しないものであればよく、例えば、金属、ガラス、塀、岩、木材、コンクリート、プラスチック等の従来公知の基材が利用可能であり、特に限定されるものではない。また、発光ガラス3は、本発明に係る発光ガラスをそのまま用いてもよいし、上記本発明に係る発光ガラスと基材(例えば、ガラス、金属、岩等)とを接続させて用いてもよい。
【0099】
また、発光ガラス3およびブラックライト4を基材2に設ける手段も、留め具等により物理的に固定する方法や接着剤により接着させる方法等のように、従来公知の物理的、化学的な接続方法、接着方法等を利用することができ、特に限定されるものではない。また、ブラックライト4を、基材2に設けず、基材2から適宜離れた位置に設けて、発光ガラス3に紫外線を照射する構成であってもよい。
【0100】
上記の照明装置1によれば、昼間は周囲の環境を損ねない透明なガラスとして、夜間はブラックライト4を利用した照明器具として、屋外でも長期間安定して利用することができる。したがって、上記照明装置1は、例えば、夜間の危険箇所の表示、人に快適な印象を与えるような看板等への利用が可能である。
【0101】
また、上記発光ガラスは、後述する実施例に示すように、水中においても発光するため、水中照明装置としても使用可能である。
【0102】
水中でも利用可能な、本実施の形態に係る照明装置10、および照明装置20の具体的な構成について、図11および図12に基づき説明するが、本発明に係る照明装置はこの構成に限られるものではない。
【0103】
図11に示すように、照明装置10は、発光ガラス13と、紫外線ランプ14とを備えている。発光ガラス13は水中に配置され、紫外線ランプ14は、水の外部に設けられる。発光ガラス13は、上記と同様に、本発明に係る発光ガラスをそのまま用いてもよいし、上記本発明に係る発光ガラスと基材(例えば、ガラス、金属、岩等)とを接続させて用いてもよい。紫外線ランプ14と発光ガラス13との距離は、紫外線ランプ14から照射された紫外線によって、発光ガラス13が発光できる程度の距離であればよく、紫外線ランプ14の照射強度等に応じて適宜設定可能である。
【0104】
上記照明装置10によれば、水の外部から紫外線ランプ14を発光ガラス13に対して照射することにより、発光ガラス13が水中で発光する。このため、上記照明装置10は、従来の水中照明装置のように送電の必要性が無いため、漏電の危険性が無く、さらに少ない部材から構成されるため、美感を損なうこともないという利点がある。
【0105】
また、後述する実施例に示すように、本発明にかかる発光ガラスは、波長365nm近傍の紫外線により強く発光する。ここで、波長365nm近傍の紫外線は、水中でも効率よく透過する性質を有する。このため、かかる波長の紫外線の照射により強い発光を呈する発光ガラスを利用した水中照明装置によれば、水の外部から当該水中照明装置に対して紫外線を照射する場合でも、紫外線を発光ガラスからなる照明部分に十分に照射することができるため、十分な強度で発光させることができるという利点がある。
【0106】
また、照明装置20は、図12に示すように、発光ガラス23と紫外線ファイバー26とを備えている。紫外線ファイバー26は、光ファイバー25の一方の端部と紫外線ランプ24とが接続されている構成である。また、発光ガラス23は水中に配置され、紫外線ランプ24は水の外に配置されており、光ファイバー25は水の外部から水中まで延在しており、光ファイバー25のもう一方の端部は、発光ガラス23の近傍に設けられている。
【0107】
上記発光ガラス23は、本発明に係る発光ガラスをそのまま用いてもよいし、上記本発明に係る発光ガラスと基材(例えば、ガラス、金属、岩等)とを接続させて用いてもよい。また、上記紫外線ファイバー26としては、例えば、照明部分である発光ガラス23と紫外線ランプ24とが離れた位置に存在する場合、上記紫外線ランプ24と光ファイバー25とを接続させることにより、光ファイバー25を介して紫外線を発光ガラス23近傍に導入することができるものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、図12に示すように、ライトガイドとして機能する従来公知の光ファイバー25の一方の端部と紫外線光源として機能する紫外線ランプ24とが接続して設けられており、紫外線ランプ24から照射された紫外線が光ファイバー25中を通過し、光ファイバー25のもう一方の端部より、発光ガラス23に対して近傍から照射されるものを挙げることができる。上記の紫外線ファイバー26は、送電(通電)の必要性が無いため水中にも設置でき、事実上、紫外線光源を発光ガラス23の近傍に設けることが可能となる。
【0108】
したがって、上記照明装置20によれば、紫外線ファイバー26によって、発光ガラス23に対して近傍から紫外線を照射することができる。このため、上記照明装置20は、発光強度が強くなる。また、水中には、発光ガラス23および光ファイバー25のみ存在すれば、照明装置として機能でき、多くの部材が必要ないため、美感の優れた水中照明器具として利用することができる。さらに、送電の必要性が無いため、漏電の危険性も無い。
【0109】
なお、上述した各種照明装置の構成、配置、意匠等は、上述のものに限定されるものではなく、従来公知の照明装置の構成、配置、意匠等を利用することができることはいうまでもない。例えば、上記紫外線ファイバー26の先端部に発光ガラス23が取り付けられており、紫外線ファイバー26と発光ガラス23とが一体となって構成されていてもよい。さらに、上記照明装置は、そのままでも水中で使用することが可能であるが、防水可能を施して使用することも勿論可能である。
【0110】
また、本発明に係る発光ガラスは、照明方法にも利用することができる。すなわち、本発明に係る照明方法は、上記発光ガラスと紫外線光源とを利用していればよく、その他の構成は特に限定されるものではない。
【0111】
また、上記発光ガラスは、後述する実施例に示すように、加熱した状態でも強く発光し、耐熱性と発光性とを併せ持つ、優れた素材である。このため、上記発光ガラスを利用することにより、高温環境下(水中、空気中を問わず)でも強く発光する、耐熱性の照明装置を作製できる。
【0112】
また、上記発光ガラスを用いてディスプレイ装置を作製することができる。すなわち、本発明に係るディスプレイ装置は、上記発光ガラスを備えていればよく、その他の具体的な構成は、特に限定されるものではない。例えば、通常のLCDのバックライトとして配置・利用することも可能であるし、また、通常のディスプレイ装置のディスプレイ画面前部に設けて透過配置として利用することも可能である。
【0113】
以上のように、本発明に係る発光ガラスを利用した照明装置または照明方法を利用することにより、例えば、透明な板材に上記発光ガラスを設けて、夜間にブラックライトを照射し発光させて人に快適な印象を与える空間を作製することも可能であるし、また、道路標識のマーカーに利用することも可能である。
【0114】
以下添付した図面に沿って実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。
【0115】
【実施例】
〔実施例1〕
市販の廃ガラスを溶融させた後、溶融後の廃ガラス100重量部に対して、溶融後の添加剤の組成が、8.8NaO−95B−75SiO−6Alとなるように、NaCO、HBO、SiO、Al(OH)をそれぞれ添加し、1400℃で溶融させた。次いで、所定の形状の金型に流し出して冷却成形した後、90℃にて1規定の硝酸による処理を行い、多孔質シリカガラスを得た。
【0116】
この多孔質シリカガラスを、0.5gのEu(NO・xHOを10mlの蒸留水に溶解させた水溶液に含浸させた。多孔質シリカガラスを1度上記水溶液に含浸させた後、350℃で1時間乾燥させて、硝酸塩を分解させた後、さらにもう1度上記水溶液に含浸させた。
【0117】
その後、2℃/分の速度でゆっくりと温度を上昇させて1100℃にて2時間焼成を行った。この焼成を大気中で行った場合、強い発光を呈する発光ガラスは得られなかった。一方、カーボンを入れたアルミナるつぼ中で還元雰囲気として焼成を行った場合、強い発光を呈する発光ガラスを得ることができた。得られた発光ガラスはいずれも外観上透明なものであった。
【0118】
上記還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスの透過スペクトルを測定した結果を図1に示す。図1に示すように、得られた発光ガラスは、300nm付近から透過率が高くなり、400nmより長波長側では透過率が80%以上になることがわかった。
【0119】
また、上記大気中で焼成して得られた発光ガラスおよび還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスに対して、波長254nmの紫外光を照射し、励起させた際に発生した蛍光スペクトルを測定した結果を図2に示す。図2に示す実線は大気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示し、破線は還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示す。この図2に示すように、還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスは波長430nm付近の青色蛍光を強く発することがわかった。一方、大気中で焼成して得られた発光ガラスはそれほど強い発光を示さなかった。
【0120】
また、図3に還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスにおける波長430nmの青色蛍光の励起波長依存性を測定した結果を示す。図3に示す実線は大気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示し、破線は還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示す。この図3に示すように、還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスは波長230nm〜350nm程度までの紫外線の照射により励起され、強く発光することがわかった。
【0121】
また、市販の6W(ワット)の殺菌用紫外線ランプ(波長250nm)を用いて、2cm離した場所から還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスに対して紫外線を照射した場合、顕著な青色発光を肉眼で観察することができた。
【0122】
なお、比較のため、上記方法と同様に多孔質ガラスを作製し、850℃で焼成した場合に得られた発光ガラスは蛍光を示さなかった。
【0123】
〔実施例2〕
市販の廃ガラスを溶融させた後、溶融後の廃ガラス100重量部に対して、溶融後の添加剤の組成が、7NaO−90B−75SiO−6Alとなるように、NaCO、HBO、SiO、Al(OH)をそれぞれ添加し、1400℃で溶融させた。次いで、所定の形状の金型に流し出して冷却成形した後、90℃にて1規定の硝酸による処理を行い、多孔質シリカガラスを得た。
【0124】
この多孔質シリカガラスを、0.5gのCe(NO・9HOを10mlの蒸留水に溶解させた水溶液に含浸させた。多孔質シリカガラスを1度上記水溶液に含浸させた後、350℃で1時間乾燥させて、硝酸塩を分解させた後、さらにもう1度上記水溶液に含浸させた。
【0125】
その後、2℃/分の速度でゆっくりと温度を上昇させて1100℃にて2時間焼成を行った。この焼成を大気中で行った場合、強い発光を呈する発光ガラスは得られなかった。一方、カーボンを入れたアルミナるつぼ中で還元雰囲気として焼成を行った場合、強い発光を呈する発光ガラスを得ることができた。また、Al(NOを溶解させた水溶液に多孔質ガラスを含浸させた後、還元雰囲気中で焼成を行った場合、さらに強い発光を呈する発光ガラスを得ることができた。なお、得られた発光ガラスはいずれも外観上透明なものであった。また、しみ込ませたAl(NOは、焼成により硝酸塩が分解され、Alになっていると思われる。
【0126】
上記得られた3種類の発光ガラスに対して、波長310nm〜345nmの領域の紫外線を照射し、励起させた際に発生した蛍光スペクトルを測定した結果を図4に示す。図4に示す破線は大気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示し、一点鎖線は還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示し、実線はAlを表面に付着させた後還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示す。
【0127】
この図4に示すように、還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスは、波長400nm付近の蛍光を強く発することがわかった。また、Alを表面に付着させた後還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスは、波長390nm付近の蛍光を強く発することがわかった。一方、大気中で焼成して得られた発光ガラスはそれほど強い発光を示さなかった。
【0128】
また、図5に上記得られた3種類の発光ガラスにおける波長380nmの蛍光の励起波長依存性を測定した結果を示す。図5に示す破線は大気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示し、一点鎖線は還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示し、実線はAlを表面に付着させた後還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスから発生した蛍光スペクトルを示す。
【0129】
図5に示すように、還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラス、およびAlを表面に付着させた後還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラスはともに、波長230nm〜350nm程度までの領域の紫外線の照射により励起され、強く発光することがわかった。
【0130】
なお、比較のため、上記方法と同様に多孔質ガラスを作製し、900℃で焼成した場合、得られた発光ガラスの呈する蛍光はいずれも非常に弱いものだった。
【0131】
〔実施例3〕
着色廃ガラス混合物を溶融させた後、溶融後の廃ガラス100重量部に対して、溶融後の添加剤の組成が、7NaO−90B−75SiO−6Alとなるように、NaCO、HBO、SiO、Al(OH)をそれぞれ添加し、1400℃で溶融させた。次いで、所定の形状の金型に流し出して冷却成形した後、1規定の硝酸による処理を90℃にて24時間行い、多孔質シリカガラスを得た。
【0132】
この多孔質シリカガラスを、0.14gのTb(NO・xHOを10mlの蒸留水に溶解させた水溶液に含浸させた。多孔質シリカガラスを1度上記水溶液に含浸させた後、350℃で1時間乾燥させて、硝酸塩を分解させた後、さらにもう1度上記水溶液に含浸させた。その後、2℃/分の速度でゆっくりと温度を上昇させ1100℃にて2時間、大気中で焼成を行った。
【0133】
上記得られた発光ガラスに対して、波長233nmの紫外線を照射し、励起させた際に発生した蛍光スペクトルを測定した結果を図6に示す。図6に示すように、上記得られた発光ガラスは、波長375nm〜550nmの領域で断続的に強い蛍光を発することがわかった。
【0134】
また、図7に得られた発光ガラスにおける波長542nmの赤色蛍光の励起波長依存性を測定した結果を示す。図7に示すように、上記得られた発光ガラスは、波長220nm〜250nm程度までの領域の紫外線の照射により励起され、強く発光することがわかった。
【0135】
〔実施例4〕
上記発光ガラスが水中でも発光するか否かを確認し、水中照明器具としての利用可能性を検討した。具体的には、以下のように行った。
【0136】
まず、図8(a)に示すように、上記実施例1の方法により、Euをドープして作製した発光ガラスをビーカー湯中に浸した後、ビーカー外から4W(ワット)のブラックライト(波長:365nm)を上記発光ガラスに照射した。そして、周囲を暗くして観察したところ、図8(b)に示すように、ビーカー内部の発光ガラスは明るく発光し、ビーカー外から目視でも発光がはっきりと確認できた。
【0137】
この結果より、上記発光ガラスは、加温した水中でも発光可能であることがわかり、耐熱性と発光性とを併せ持つことがわかった。これにより、上記発光ガラスを利用することにより、耐熱性が優れており、かつ発光強度の強い水中照明装置を作製できることがわかった。なお、上記実験では、湯中に発光ガラスを浸し、湯中での発光を調べているが、勿論、加温していない水中での発光も可能である。
【0138】
〔実施例5〕
次に、発光ガラスの空気中での発光を調べた。具体的には、以下のように行った。
【0139】
まず、図9(a)に示すように、上記実施例1の方法により、Euをドープして作製した発光ガラスをバーナー上にかざし、4Wのブラックライト(波長:365nm)を照射した。そして、周囲を暗くして観察したところ、図9(b)に示すように、上記発光ガラスは目視で確認できる程度に明るく発光した。
【0140】
この結果より、上記発光ガラスは、加熱しながらでも発光可能であり、優れた耐熱性と発光性とを併せ持つことがわかった。これにより、上記発光ガラスを利用することにより、耐熱性が優れており、かつ発光強度の強い照明装置を作製できることがわかった。なお、上記実験では、バーナーに発光ガラスをかざして、空気中での発光を調べているが、勿論、加熱なしの発光も可能である。
【0141】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る発光ガラス生産方法によれば、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているとともに、強い発光を呈する発光ガラスを生産することができるという効果を奏する。
【0142】
また、本発明に係る発光ガラスは、紫外線を可視域の光へ高効率に変換することができるとともに、ガラス母体が安定な酸化物ガラスであるため、耐熱性、化学的耐久性、および機械的強度が優れているという効果を奏する。さらに、本発明に係る発光ガラスは、ガラス母体が多量のシリカを含むため、母ガラスの紫外線透過率が高く、より短波長の光で励起できるだけでなく、紫外線照射による欠陥も発生し難いという効果を奏する。また、本発明に係る発光ガラスは、希土類を多量に含ませなくても強力に発光するため、コストを低減することができるという効果を奏する。
【0143】
また、本発明に係る照明装置または照明方法は、上記発光ガラスを利用しているため、耐熱性、化学的耐久性、機械的強度が優れているだけでなく、環境に対して悪影響が無く、屋外でも長期間安定に使用できるという効果を奏する。また、高価な希土類原子を多量に使用しないため、低コストで生産可能であるという効果を奏する。さらに、紫外線を照射するのみで強く発光し、送電の必要性も無いため、水中で利用しても、漏電の危険性もなく、美感の優れた照明装置として利用できるという効果を奏する。
【0144】
また、本発明に係るディスプレイ装置は、透過配置や3D的な利用を行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラス(Eu含有)の透過スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
【図2】本実施の形態に係る大気中で焼成して得られた発光ガラス(Eu含有)および還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラス(Eu含有)に対して波長254nmの紫外光を照射し、励起させた際に発生した蛍光スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
【図3】本実施の形態に係る還元雰囲気中で焼成して得られた発光ガラス(Eu含有)における波長430nmの青色蛍光の励起波長依存性を測定した結果を示すグラフである。
【図4】本実施の形態に係る3種類の条件で焼成して得られた発光ガラス(Ce含有)に対して、波長310nm〜345nmの間の紫外線を照射し、励起させた際に発生した蛍光スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
【図5】本実施の形態に係る3種類の条件で焼成して得られた発光ガラス(Ce含有)における波長380nmの蛍光の励起波長依存性を測定した結果を示すグラフである。
【図6】本実施の形態に係る発光ガラス(Tb含有)に対して、波長233nmの紫外線を照射し、励起させた際に発生した蛍光スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
【図7】本実施の形態に係る発光ガラス(Tb含有)における波長542nmの赤色蛍光の励起波長依存性を測定した結果を示すグラフである。
【図8】本実施の形態に係る発光ガラス(Eu含有)が水中でも発光可能かを確認した実験の結果を示す図である。
【図9】本実施の形態に係る発光ガラス(Eu含有)が空気中でも発光可能かを確認した実験の結果を示す図である。
【図10】本実施の形態に係る照明装置の一例の構成を模式的に示す図である。
【図11】本実施の形態に係る照明装置のその他の例の構成を模式的に示す図である。
【図12】本実施の形態に係る照明装置のその他の例の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 照明装置
2 基材
3 発光ガラス
4 ブラックライト(紫外線光源)
10 照明装置
13 発光ガラス
14 紫外線ランプ(紫外線光源)
20 照明装置
23 発光ガラス
24 紫外線ランプ(紫外線光源)
25 光ファイバー
26 紫外線ファイバー

Claims (13)

  1. 多孔質ガラスに希土類原子を吸着させる第1工程と、上記第1工程により得られた希土類原子含有吸着多孔質ガラスを大気中あるいは還元雰囲気中にて焼成させる第2工程とを有することを特徴とする発光ガラス生産方法。
  2. 上記希土類原子が、ランタノイドの少なくとも1種の原子であることを特徴とする請求項1に記載の発光ガラス生産方法。
  3. 上記希土類原子が、Eu、CeおよびTbから選ばれる少なくとも1種の原子であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光ガラス生産方法。
  4. 上記第1工程は、上記希土類原子を有する化合物を含む溶液に多孔質ガラスを含浸させる工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光ガラス生産方法。
  5. 上記第2工程における焼成温度は、900℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光ガラス生産方法。
  6. 上記第1工程は、さらに、多孔質ガラスに増感剤を吸着させる工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光ガラス生産方法。
  7. 上記第2工程において焼成した後、急速に冷却させる工程を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光ガラス生産方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光ガラス生産方法により生産されることを特徴とする発光ガラス。
  9. 請求項8に記載の発光ガラスと紫外線光源とを備えていることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項8に記載の発光ガラスと紫外線光源とを備えていることを特徴とする水中照明装置。
  11. 上記照明装置は、さらに光ファイバーを備えており、上記光ファイバーの一方の端部は上記紫外線光源と接続されており、上記光ファイバーのもう一方の端部は上記発光ガラスの近傍に設けられていることを特徴とする請求項9または10に記載の照明装置。
  12. 請求項8に記載の発光ガラスと紫外線光源とを利用することを特徴とする照明方法。
  13. 請求項8に記載の発光ガラスを備えていることを特徴とするディスプレイ装置。
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