JP2008094638A - ガラスの製造方法または結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスに含有される希土類成分を還元するに際し、希ガスと水素の混合気体雰囲気、窒素と水素の混合気体雰囲気等の還元ガス雰囲気中での還元処理を必要とせず、従って、処理作業中に爆発する危険性が無く、内部まで還元処理できるガラスの製造方法または結晶化ガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】ガラスを熱処理する過程、またはガラスを熱処理して結晶化する過程において、該ガラスに0.1mA〜10mAの電流を通電する。該ガラスは希土類成分、Cr、Mn、Feの成分を少なくとも1種以上含有したガラスであり、該ガラスに電場を印加して通電しながら熱処理する、または熱処理して結晶化することで、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分が還元されたガラスまたは結晶化ガラスが製造される。
【選択図】なし
【解決手段】ガラスを熱処理する過程、またはガラスを熱処理して結晶化する過程において、該ガラスに0.1mA〜10mAの電流を通電する。該ガラスは希土類成分、Cr、Mn、Feの成分を少なくとも1種以上含有したガラスであり、該ガラスに電場を印加して通電しながら熱処理する、または熱処理して結晶化することで、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分が還元されたガラスまたは結晶化ガラスが製造される。
【選択図】なし
Description
本発明は、ディスプレイ、照明、レーザ等に利用可能な蛍光性ガラスを製造するガラスの製造方法または結晶化ガラスの製造方法に関し、より詳しくは、ガラス中に含有される希土類イオンを還元し価数の異なるイオンとするガラスの製造方法または結晶化ガラスの製造方法に関する。
希土類元素を使用した蛍光体は従来から幅広く実用化されている。主なものとしては、ランプ用蛍光体、ブラウン管用蛍光体、長残光性蓄光材等がある。また近年、赤外光を可視光に波長変換する材料が盛んに研究されており、レーザ材料等への応用が検討されている。
3価のユウロピウム(Eu)イオンは、赤色領域にスペクトル幅の狭い蛍光を示すことから、これを含むカラーブラウン管用、高演色蛍光ランプ用材料として実用化されている。また、Euイオンを還元して2価のEuイオンとしたものを含む蛍光体は、材料により様々な蛍光を示すことから、X線増感紙用、高演色蛍光ランプ用材料として実用化されている。また、同じく3価のネオジム(Nd)蛍光体は、赤色領域にスペクトル幅の狭い蛍光を示すことから、固体レーザYAG用材料として実用化されている。また、Ndイオンを還元して2価のNdイオンとした蛍光体は、材料により青色の蛍光を示すことから、高演色蛍光ランプ用材料として実用化されている。Tb蛍光体は青色の蛍光を示すことからブラウン管用、高演色蛍光ランプ用材料として実用化されている。
このように、Eu、Nd、Tb等を使用した蛍光体はすでに実用化されているが、これらは一般的に透明な母体材料にEu、Nd、Tbの蛍光性化合物を塗布したもの、または、ガラス等の適当な担体上に粉末状の蛍光性化合物を塗布したものであり、表面的な発光しか得られない蛍光体である。
透明体を母体とした、すなわち透明ガラスを用いたものとしては、特許文献1〜4等に開示され、これらは母体ガラスとして熔融ガラスが用いられている。その作製方法としては熔融温度が比較的低いホウ珪酸ガラスやフツ燐酸塩ガラスやアルミン酸ガラス等が母体ガラスとして用いられているのが現状である。その具体的な作製方法としては、珪素(SiO2)、5〜50mol%、硼酸(B2O3)10〜55mol%を主組成物として所定の重量割合で原料を調合し、調合した原料を1200〜1500℃の温度で2〜3時間熔融し、金型に流し出して成形することによって安定したガラスを得ている。また、フツ燐酸塩ガラスの場合も燐酸アルミ3〜5%、燐酸バリウム3〜5%、フッ化アルミ20〜35%、フッ化カルシウム22〜28%を主成分とした原料として所定の重量割合に調合した原料を900〜1300℃で熔融し、黒鉛金型に流し出して成形したり、場合によっては下記に記述する還元雰囲気や不活性雰囲気での熔融が必要になる等工業製品としては量産性に乏しい手法でもあった。
また、さらにガラス熔融温度を低下させる手段として、フツ燐酸塩ガラスにマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)等の酸化物を数%添加することによってガラスの熔融性を向上させたり、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等の元素を添加することによって熔融温度を低下させる等、工業上安価な製品が得られるよう工夫されている。
さらには、Euを添加した熔融ガラスでは、Euイオンは通常は安定な3価のイオン(Eu3+)となり、主に赤色発光を起こし、これをさらに還元雰囲気中で熱処理することによって3価から2価のEuイオン(Eu2+)に変えることによって青色発光が得られることが知られている。
Eu、Nd、Ce、Tb等の希土類成分を含有させたガラスは、通常安定な3価、または4価のイオン(例えば、Eu3+、Nd3+、Tb3+、Ce4+等)として存在している。そして、いずれのイオンもマトリックスとの相互作用の小さい4f軌道電子の輻射遷移を用いているために、発光ガラスは、紫外光励起により、主に赤色発光を呈するか、あるいはそれほど強い発光を示さない。また、本質的にレーザ発振あるいは増幅可能な波長範囲が狭いことになる。一方、上記希土類成分を含有したガラスを還元雰囲気中で還元処理することにより、例えば、EuイオンやNdイオンは3価から2価のイオン(Eu3+→Eu2+、Nd3+→Nd2+)に変化し、Ceイオンは4価から3価のイオン(Ce4+→Ce3+)に変化する。このため、発光ガラスは、発光強度の強い青色発光を呈することになると考えられる。すなわち、Eu3+やNd3+はf−f遷移に基づく赤色発光を示し、Eu2+やNd2+はd−f遷移に基づく青色発光を示す。また、Ce4+は非発光であるが、Ce3+は、d−f遷移に基づく青色発光を示す。
従って、青色発光を得ようとする場合、希ガス、窒素等の不活性ガス雰囲気中または還元ガス雰囲気中で結晶化処理を行えばよい。この場合、還元ガス雰囲気としては、希ガスと水素の混合気体雰囲気、窒素と水素の混合気体雰囲気等を利用でき、混合気体中の水素の含有量は0.01〜50モル%程度とすればよい。
特公昭57−27047号公報
特公昭57−27048号公報
特開平8−133780号公報
特開平10−167755号公報
しかしながら、この還元処理を行うには、工業的に600℃を超えるような特殊な還元炉の設置が必要であり、また、水素等の危険性の高いガスを用いるが、水素ガスは大気下で5%前後で爆発の可能性があり、その温度、還元雰囲気の維持、管理等にかなりのコストを要する。
また、このガス雰囲気による還元処理はガラスの表面付近については有効であるが、内部についてはその効果が発揮され難いので、例えば、Eu、Nd、Tb等の3価のイオンの場合、表面付近は2価のイオンに還元されているが、内部は3価のイオンが多いために鮮明な青色の蛍光を発光するものが得られ難い等の問題点があった。
本発明は、ガラスに含有される希土類成分を還元するに際し、希ガスと水素の混合気体雰囲気、窒素と水素の混合気体雰囲気等の還元ガス雰囲気中での還元処理を必要としないで、処理作業中に爆発する危険性が無く、内部まで還元処理できるガラスまたは結晶化ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、希土類成分を含有したガラスを所定の電圧を印加して電流を通電しながら熱処理するか、または結晶化処理することで、希ガスと水素の混合気体雰囲気、窒素と水素の混合気体雰囲気等の還元ガス雰囲気中での還元処理を必要とせず、ガラスの内部まで希土類成分のイオン価が3価から2価に還元されたガラスまたは結晶化ガラスを製造することができることを見出し本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) ガラスを熱処理する過程において、該ガラスに0.1mA〜10mAを通電することを特徴とするガラスの製造方法。
(1)の態様によれば、極めて小さな電流を通電することで、ガラス中の希土類イオンが3価から2価、または4価から3価と還元されるので、消費電力が少なくできる。このため、エネルギーコストを抑えることができる。また、希ガスと水素の混合気体雰囲気、窒素と水素の混合気体雰囲気等の還元ガス雰囲気中での還元処理を必要としないため、水素等の危険性の高いガスを用いることがないので、爆発等の危険性がない。尚、本発明でいう還元とは、ガラスに通電させることで、ガラスに含有される希土類等の元素のイオン価が小さくなることをいう。
また、ガラス表面からガラスの内部全体に通電されるので、ガラスの表面付近だけでなく内部に含有されている希土類等の成分も還元される。このため、例えば、Eu、Nd等を含有したガラスでは、内部に含有される3価のイオンが少なくなり、3価のイオンによる赤色発光が抑制されて、2価のイオンによる青色発光がより鮮明となる。
また、ガラスを熱処理する過程において、最初の温度が低い状態から通電してもよいが、温度が400℃程度まで加熱される間は、あまり電流が通電されず、その結果、還元反応はあまり進まないため、該温度が所定の温度に到達した時点、例えば、400℃から通電を開始するのが効率的である。そして、この通電は所定温度、時間は、例えば、400℃以上で、熱処理を行った後、ガラスが60℃程度までに冷却されるまで行う等が好ましい。
(2) 前記ガラスは、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分から選ばれた少なくとも1種以上を含有することを特徴とする(1)に記載のガラスの製造方法。
(3) 前記希土類成分は、Nd、Eu、Er、Tr、Ce、Pr、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Tm、及びYb成分から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のガラスの製造方法。
(2)及び(3)の態様によれば、希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分による赤色や青色等の蛍光を発光することになる。また、この希土類成分は、上記のように、熱処理をする過程で通電されることによって、通常、安定な3価または4価のイオンとして取り込まれているものが還元されて2価または3価のイオンとなる。このため、熱処理前とは異なった色の蛍光を発することになる。
(4) 前記電流は、電圧が5kV/cm2以下で印加されることを特徴とする(1)から(3)いずれかに記載のガラスの製造方法。
(5) 前記電流は、直流、交流またはこれらを合わせたものである(1)から(4)に記載のガラスの製造方法。
(4)及び(5)の態様によれば、電流を印加するは比較的低い電圧であって、直流、または交流、またはこれらを合わせたもののいずれでもよいので、特別な装置を必要とせず、設備的にも大掛かりなものを要せず、経済的である。
(6) 前記熱処理の加熱開始時から前記電流を通電することを特徴とする(1)から(5)いずれかに記載のガラスの製造方法。
(7) 前記熱処理の温度が400℃以上で前記電流を通電することを特徴とする(1)から(6)いずれかに記載のガラスの製造方法。
この態様によれば、温度が400℃を超えると電流が流れ易くなるので、効率的に還元処理を行うことができる。
(8) 前記電流を通電するための電極は、銀、白金、金から選ばれるいずれか1種、または2種以上の合金、または複合材を含むことを特徴とする(1)から(7)いずれかに記載のガラスの製造方法。
(9) 前記電流を導入するリード材は、Pt、Au、Cu、Pd、Ag、Niから選ばれるいずれか1種、または2種以上の合金、または複合材を含むことを特徴とする(1)から(8)いずれかに記載のガラスの製造方法。
(10) ガラスを熱処理して結晶化する過程において、該ガラスに0.1mA〜10mAの電流を通電することを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
この態様によれば、上記の(1)で説明したように、極めて小さな電流を通電することで、ガラス中の希土類イオンが3価から2価、または4価から3価というように還元されるので、消費電力が少なくできる。このため、エネルギーコストを抑えることができる。また、希ガスと水素の混合気体雰囲気、窒素と水素の混合気体雰囲気等の還元ガス雰囲気中での還元処理を必要とせず、水素等の危険性の高いガスを用いることがないので、爆発等の危険性がない。
また、電流はガラス表面からガラスの内部全体に通電されるので、ガラスの表面付近だけでなく内部に含有されている希土類成分が還元される。このため、例えば、Eu、Nd等が含有されたガラスでは、内部に含有される3価のイオンが少なくなり、3価のイオンによる赤色発光が抑えられて、2価のイオンによる青色発光がより鮮明となる。
電流は、ガラスを熱処理して結晶化する過程において、最初の温度が低い状態から通電してもよいが、温度が400℃程度まで加熱される間は、通電はあまり行われず、還元反応はあまり進まないため、該温度が所定の温度に到達した時点、例えば、400℃から通電するようにしてもよい。そして、この通電は熱処理を行って結晶化させた後、ガラスが60℃程度までに冷却されるまで行うのが好ましい。
(11) 前記ガラスは、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分から選ばれた少なくとも1種以上を含有することを特徴とする(10)に記載の結晶化ガラスの製造方法。
(12) 前記希土類成分は、Nd、Eu、Er、Tr、Ce、Pr、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Tm、及びYb成分から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする(10)または(11)に記載の結晶化ガラスの製造方法。
(11)及び(12)の態様によれば、上記の(2)及び(3)で説明したように、希土類成分またはCr、Mn及びFe成分による赤色や青色等の蛍光を発光することになる。また、この希土類成分は、上記のように、熱処理して結晶化する過程で通電されることによって、通常、安定な3価または4価のイオンとして取り込まれている希土類成分が還元されて2価または3価のイオンとなる。そのため、熱処理前とは異なった色の蛍光を発することになる。
(13) 前記電流は、電圧が5kV/cm2以下で印加されることを特徴とする(10)から(12)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(14) 前記電流は、直流、交流またはこれらを合わせたものである(10)から(13)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(13)及び(14)の態様によれば、上記の(4)及び(5)で説明したように、電流を印加するには比較的低い電圧であって、直流、または交流、またはこれらを合わせたものいずれでもよいので、特別な装置を必要とせず、設備的にも大掛かりなものを要せず、経済的である。
(15) 前記熱処理の加熱開始時から前記電流を通電することを特徴とする請求項10から14いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(16) 前記熱処理の温度が400℃以上で前記電流を通電することを特徴とする(10)から(15)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
この態様によれば、上記の(7)で説明したように、温度が400℃を超えると電流が流れ易くなるので、効率的に還元処理を行うことができる。
(17) 前記電流を通電するための電極は、銀、白金、金から選ばれるいずれか1種または2種以上の合金、または複合材を含むことを特徴とする(10)から(16)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(18) 前記電流を導入するリードは、Pt、Au、Cu、Pd、Ag、Niから選ばれるいずれか1種であることを特徴とする(10)から(17)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(19) 前記結晶化の温度は500℃以上であることを特徴とする(10)から(18)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(20) 前記結晶化の時間は1時間以上であることを特徴とする(10)から(19)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(19)及び(20)の態様よれば、希土類成分を含む結晶相を有する結晶化ガラスが生成される。得られた結晶化ガラスは、化学耐久性の優れる酸化物マトリックス中に、希土類成分を含有する蛍石型結晶を有する構造であるため、化学的耐久性と高効率な希土類成分による発光の両立とが可能である。
(21) 結晶相は、空間群Fm3mに属する空間対称性をもつ結晶相であることを特徴とする(10)から(20)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
(22) 前記結晶相は、蛍石型結晶構造から構成されることを特徴とする(21)に記載の結晶化ガラスの製造方法。
(23) 前記結晶相は、化学式AX2で表されることを特徴とする(21)または(22)に記載の結晶化ガラスの製造方法。(ただし、上記化学式AX2で、AはCa、Sr、Ba、Cu、Cd、Pbから選ばれる少なくとも1種であり、XはF、Cから選ばれる少なくとも1種である。)
(21)、(22)及び(23)の態様によれば、結晶相が空間群Fm3mに属する空間対称性をもつ蛍石型結晶であるが、微結晶が無方位にガラスにより取り囲まれているため、潮解性及び光学的異方性は認められず、優れた紫外線透過性を有している。さらにこの結晶は、希土類イオンのホストの役割を果たし、希土類イオンによる発光を効率的に高める効果がある。ここで、蛍石型結晶とは、化学式AX2(AはCa、Sr、Ba、Cu、Cd、Pbのから選ばれる少なくとも1種であり、XはF、Cから選ばれる少なくとも1種である)で表される結晶であって、紫外から赤外までの広範囲な領域での極めて優れた透過性と屈折率変化を有し、耐水性、耐薬品性、耐熱性で、化学的、物理的に安定な結晶であり、適当な稀土類成分をドープすることによりレーザ用結晶や、放射線検出結晶として用いられる。
(24) 前記結晶相は、化学式CaF2であることを特徴とする(23)に記載の結晶化ガラスの製造方法。
(25) (1)から(9)いずれかに記載のガラスの製造方法で製造される蛍光材料。
(1)から(9)いずれかに記載のガラスの製造方法で製造されるガラスは、ガラス中に含有されている希土類成分が3価または4価のイオンが還元されて2価または3価のイオンとなっているので、熱処理前とは異なった色に発光されることになる。例えば、EuやNdは3価のイオンが2価のイオンに還元されることで、赤色の発光から青色の発光となり、発光も鮮明で発光性に優れる。このため、ディスプレイ、照明、レーザ等の蛍光材料として使用することができる。
(26) (10)から(24)いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法で製造される蛍光材料。
(10)から(24)いずれかに記載のガラスの製造方法で製造される結晶化ガラスは、ガラス中に含有されている希土類成分が3価から2価、または4価から3価に還元され、熱処理前とは異なった色が発光されることになる。例えば、EuやNdは3価のイオンが2価のイオンに還元されることで、赤色の発光から青色の発光となり、発光も鮮明で発光性に優れる。また、結晶相が空間群Fm3mである蛍石型結晶構造から構成されるので、この結晶相が希土類成分のホストの役割を果たし、希土類成分による発光を効率的に高めるので、例えば、2価のEuやNdイオンが発光する青色蛍光がより鮮明であって、発光性に優れる。このため、ディスプレイ、照明、レーザ等の蛍光材料として使用することができる。
本発明によれば、極めて小さな電流を通すことで、ガラス中の希土類成分が還元されるので、消費電力が少なくてすみ、エネルギーコストを抑えることができる。また、希ガスと水素の混合気体雰囲気、窒素と水素の混合気体雰囲気等の還元ガス雰囲気中での還元処理を必要としないので、爆発等の危険性がなく、作業、管理が容易である。
また、ガラス表面からガラス内部に通電するので、ガラスの表面付近だけでなく内部に含有されている希土類イオンが還元されるため、より鮮明な発光性を有するガラスまたは結晶化ガラスを製造できる。
次に、本発明のガラスの製造方法または結晶化ガラスの製造方法の実施態様について説明する。尚、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。また、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
本発明は、希土類成分を含有するガラスを所定温度、時間で熱処理または結晶化させる際に、通電しながらガラス内に含有されている希土類成分を還元するものである。すなわち、希土類成分を含有するガラスの表面に電極を形成し、該電極にリード材を接続して所定の電圧を印加して通電しながら、ガラスまたは結晶化ガラスを製造するものである。
<希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分を含有するガラス>
先ず、本発明のガラスまたは結晶化ガラスの製造方法に用いられる母ガラスである希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分から選ばれた少なくとも1種以上を含有するガラス(以下、母ガラスと称する)について説明する。
先ず、本発明のガラスまたは結晶化ガラスの製造方法に用いられる母ガラスである希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分から選ばれた少なくとも1種以上を含有するガラス(以下、母ガラスと称する)について説明する。
希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分から選ばれた少なくとも1種以上を含有する母ガラスとしては、ケイ酸塩、硼酸塩、アルミン酸塩、リン酸塩、アルミノケイ酸塩、アルミノ硼酸塩、硼ケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩系等のガラスに希土類成分、Cr、Mn、Feの成分が少なくとも1種以上含有されたものであればよく、特に限定されるものではない。また、熱処理により結晶化において、結晶相に空間群Fm3mに属する空間対称性をもつ蛍石型結晶構造から構成されるものであって、化学式AX2(ただし、上記化学式AX2で、AはCa、Sr、Ba、Cu、Cd、Pbのから選ばれる少なくとも1種であり、XはF、Cから選ばれる少なくとも1種である)で表されるフッ化物結晶または炭化物結晶を含有する結晶化ガラスが製造されるものであるのが好ましい。さらには、フッ化カルシウム(CaF2)結晶を含有するものであるのが特に好ましい。
また、母ガラスの製造は、前記のそれぞれのガラスを製造する際に、それぞれのガラスに応じた所定の出発原料(ガラス成分)を所定量秤量し、これを調合する際に、適宜所定の希土類成分を含有する化合物を添加して混合し、これを坩堝等に入れて熔融し、その後、金型に流し込んで成形すればよい。
上記の希土類成分としては、長周期型の周期表3A族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、及びランタノイド(ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu))が挙げられる。
これらの成分のなかでも、ランタノイドの少なくとも1種の成分であることが好ましく、さらには、Eu、Ndが特に好ましい。これらの成分であれば、発光強度の強い発光ガラスを容易に製造できるためである。尚、上記の希土類成分を単独で用いてもよいし、複数の希土類成分を組み合わせて使用してもよいことはいうまでもない。
また、希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分は、希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分を含有する化合物を用いることによって添加される。該希土類化合物またはCr、Mn及びFeの成分としては、Sc化合物、Y化合物、及びランタノイド化合物が挙げられる。具体的には、例えば、希土類成分またはCr、Mn及びFeの成分を含む硝酸塩、酸化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、有機金属塩等の化合物及びこれら化合物の水和物等の従来公知の化合物を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
<ガラスまたは結晶化ガラスの製造方法>
次に、上記の母ガラスを熱処理して、または熱処理して結晶化させて(以下、熱処理して結晶化させることを結晶化処理と称する)ガラスまたは結晶化ガラスの製造方法について、図を参照して説明する。
次に、上記の母ガラスを熱処理して、または熱処理して結晶化させて(以下、熱処理して結晶化させることを結晶化処理と称する)ガラスまたは結晶化ガラスの製造方法について、図を参照して説明する。
図1は、本発明のガラスまたは結晶化ガラスの製造方法を模式的に表す構成図であり、図2はガラス中に含有される希土類成分の2価イオンと3価イオンの推移を説明する図であり、(a)は初期段階の2価イオンと3価イオンの状態、(b)は過渡期の2価イオンと3価イオンの状態、(c)は定常期の2価イオンと3価イオンの状態を模式的に示す図である。
図1は、母ガラスに所定の電圧を印加して通電するための構成を模式的に表したものであり、母ガラス1の両表面には電極2が形成されていて、該電極2には、リード材3がそれぞれ接続されており、該リード材3を介して電源4から母ガラス1内を通過して通電される構成となっている。
そして、母ガラス1に通電しながら熱処理または結晶化処理すると、母ガラス1に含有されている希土類成分が3価のイオン(図2において、丸囲み3)から2価のイオン(図2において、丸囲み2)に還元されて、2価のイオンの希土類成分へと還元される。すなわち、図2(a)に示すように、通電して還元を開始する前は、母ガラス1に含有される希土類成分はすべて3価であるが、通電することで、電子が母ガラス内を流れて、ホッピング電導の導電率が上昇し、先ず、母ガラス1の表面側から内部に向かって(図2において、母ガラス1の下表面側から上表面側)順次3価のイオンが電子(e−)を受け取って2価のイオンとなり、図2(b)に示すように、3価のイオンと2価のイオンとが混在した状態になる。さらに、通電が行われると、3価のイオンが電子(e−)を受け取って2価のイオンとなるイオンの還元がさらに進行する。また、この進行と同時に、一方では、還元された一部の2価のイオンが電子(e−)を放出して3価のイオンに戻るという還元とは逆の挙動が起こり、図2(c)に示すように、通電する電流量や温度により決定される一定の比率で2価と3価のイオンの希土類成分が混在する定常状態となる。尚、この定常状態における2価のイオンと3価のイオンの希土類成分が混在する割合は、通電する電流量、温度等に依存されるので、所望する発光度合い等により適宜設定すればよい。尚、4価のイオンの場合は、3価のイオンに還元されるが、その原理は上記したのと同様である。また、Cr、Mn及びFeの成分についても同様であるので、説明は省略する。ここで、ホッピング電導とは、電荷がサイトからサイトへ電場に沿って移動する現象をいい、例えば、Euイオンの場合、下記の式1で表されるように2価と3価のEuイオンの挙動が起こる。
(通電条件)
通電される電流としては、交流、または直流、またはこれらをあわせたもののいずれであってもよく、通電は、好ましくは5kV以下、より好ましくは1kV以下、最も好ましくは100V以下の電圧で、下限が好ましくは0.1mA以上、より好ましくは0.5mA以上、最も好ましくは1mA以上で、上限が10mA以下、より好ましくは8mA以下、最も好ましくは5mA以下で印加するのがよい。また、この通電はガラスの熱処理または結晶化処理の開始時、すなわち加熱を開始する時から行ってもよいが、温度が低い状態では殆ど通電されないので、通電が活発に行われる400℃程度から通電を開始するのが好ましい。そして、この通電は熱処理または結晶化処理が行われている間中は継続して行い、さらには熱処理または結晶化処理が終了した後も、得られたガラスまたは結晶化ガラスが60℃程度に冷却されるまで行うのが好ましい。
通電される電流としては、交流、または直流、またはこれらをあわせたもののいずれであってもよく、通電は、好ましくは5kV以下、より好ましくは1kV以下、最も好ましくは100V以下の電圧で、下限が好ましくは0.1mA以上、より好ましくは0.5mA以上、最も好ましくは1mA以上で、上限が10mA以下、より好ましくは8mA以下、最も好ましくは5mA以下で印加するのがよい。また、この通電はガラスの熱処理または結晶化処理の開始時、すなわち加熱を開始する時から行ってもよいが、温度が低い状態では殆ど通電されないので、通電が活発に行われる400℃程度から通電を開始するのが好ましい。そして、この通電は熱処理または結晶化処理が行われている間中は継続して行い、さらには熱処理または結晶化処理が終了した後も、得られたガラスまたは結晶化ガラスが60℃程度に冷却されるまで行うのが好ましい。
(熱処理条件または結晶化処理条件)
熱処理の処理としては、下限が好ましくは600℃以上、より好ましくは620℃以上で、上限が好ましくは750℃以下、より好ましくは720℃以下、最も好ましくは700℃以下の温度で、下限が好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上で、上限が100時間以下、より好ましくは50時間以下の条件下で行うのがよい。
熱処理の処理としては、下限が好ましくは600℃以上、より好ましくは620℃以上で、上限が好ましくは750℃以下、より好ましくは720℃以下、最も好ましくは700℃以下の温度で、下限が好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上で、上限が100時間以下、より好ましくは50時間以下の条件下で行うのがよい。
また、熱処理して結晶化する結晶化処理としては、下限が好ましくは750℃以上、より好ましくは780℃以上、最も好ましくは800℃以上で、上限が1100℃以下、より好ましくは1000℃以下、最も好ましくは900℃以下の温度で、下限が好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上で、上限が100時間以下、より好ましくは50時間以下の条件で核成長工程を行うのがよい。これによって、空間群Fm3mに属する空間対称性をもつ蛍石型結晶と希土類成分との固熔体である結晶相を有する結晶化ガラスが生成される。
(電極、リード材)
母ガラス1の両表面に形成される電極2としては、例えば、Ag、Pd、Ag−Pd、Pt、Au、Ni、Cu等導電体の粉末からなるペースト状の電極用導電塗料を母ガラス1の両表面にロールコート、カーテンコート、ダイコータ等で塗布して塗膜層を形成し、その後、乾燥等により塗料中に含有される熔剤等を除去した後、さらに焼成炉中で焼成して塗料中の樹脂成分を除去し、ガラス粉末を熔融・軟化させて、ガラス化した導電体の導電膜を形成する等により得られる。尚、電極2を形成する方法は、これに限定されるものではなく、ガラスの熱処理または結晶化処理における温度条件下においても、母ガラス1の表面に形成された電極2が、熱等で剥離することなく密着された状態が維持できるように形成されたものであればよい。
母ガラス1の両表面に形成される電極2としては、例えば、Ag、Pd、Ag−Pd、Pt、Au、Ni、Cu等導電体の粉末からなるペースト状の電極用導電塗料を母ガラス1の両表面にロールコート、カーテンコート、ダイコータ等で塗布して塗膜層を形成し、その後、乾燥等により塗料中に含有される熔剤等を除去した後、さらに焼成炉中で焼成して塗料中の樹脂成分を除去し、ガラス粉末を熔融・軟化させて、ガラス化した導電体の導電膜を形成する等により得られる。尚、電極2を形成する方法は、これに限定されるものではなく、ガラスの熱処理または結晶化処理における温度条件下においても、母ガラス1の表面に形成された電極2が、熱等で剥離することなく密着された状態が維持できるように形成されたものであればよい。
また、電源4から電極2に電流を通電するリード材3は、特に限定されないが、一般的に電流を通電するのに使用されているPt、Au、Cu、Pd、Ag、Niの導電体からなる金属線が挙げられる。該リード材3は、上記のペースト状の塗膜層が乾燥、焼付けされる前に塗膜層に取り付けることで電極2と接続される。
以上のようにして、希土類成分が含有された母ガラス1に電流を通電しながら熱処理または結晶化処理することで、上述のように、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分が還元されたガラスまたは結晶化ガラスが製造される。そして、得られたガラスまたは結晶化ガラスは、鮮明な青色を発光する。
特に、電流を通電しながら熱処理して結晶化して得られた結晶化ガラスは、空間群Fm3mに属する空間対称性を有する結晶相からなり、さらには、この結晶相は蛍石型結晶構造から構成されている。そして、この蛍石型結晶構造は、化学式AX2(AはCa、Sr、Ba、Cu、Cd、Pbのから選ばれる少なくとも1種であり、XはF、Cから選ばれる少なくとも1種である)で表される結晶相である。そして、フッ化物系と炭化物系は、酸化物系に比べフォノンエネルギーが低いため、希土類成分(イオン状態と推測される)の4f電子の励起エネルギーの熱による損失を抑え、より強い発光を得ることができる。そして、このような結晶相を有しているので、紫外から赤外までの広範囲な領域での極めて優れた透過性と波長による適当な屈折率変化を有し、耐水性、耐薬品性、耐熱性等で、化学的、物理的に安定であり、希土類成分のホストの役割を果たし、希土類元素による発光を高効率にすることができる。このため、本発明で製造された結晶化ガラスは、より鮮明で強く発光する。例えば、EuやNd等の希土類成分を含有した結晶化ガラスは、非常に鮮明な青色を発光する。
本発明のガラスまたは結晶化ガラスの製造方法で得られたガラス及び結晶化ガラスは、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分によって青色等に発光されるので、ディスプレイ、照明、レーザ等に利用可能な発光性ガラスといった蛍光材料に使用することができる。
以下に本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
原料としてSiO2、Al(OH)3、CaCO3、CaF2、Nd2O3を使用する。これらをmol%でSiO2=45%、Al2O3=20%、CaO=10%、CaF2=25%、Nd2O3=0.1%(外割)という組成になるように秤量し、均一に混合した後、白金坩堝に入れて電気炉で1400℃で3時間熔解した。その後、ガラス融液を予め温めた鉄板にキャストし、板状のガラスを作製する。そしてガラスの歪みを取り除くために580℃で4時間アニールして、CaF−CaO−SiO2−Al2O3系Nd添加の母ガラスを作製した。
原料としてSiO2、Al(OH)3、CaCO3、CaF2、Nd2O3を使用する。これらをmol%でSiO2=45%、Al2O3=20%、CaO=10%、CaF2=25%、Nd2O3=0.1%(外割)という組成になるように秤量し、均一に混合した後、白金坩堝に入れて電気炉で1400℃で3時間熔解した。その後、ガラス融液を予め温めた鉄板にキャストし、板状のガラスを作製する。そしてガラスの歪みを取り除くために580℃で4時間アニールして、CaF−CaO−SiO2−Al2O3系Nd添加の母ガラスを作製した。
上記で得られたCaF−CaO−SiO2−Al2O3系Nd添加の母ガラスをサイズ30mm×30mmに切断し、両面を鏡面研磨した後、市販の銀ペーストを両面に塗布し、600℃で乾燥して熔媒を除去した後、650℃で焼付けて処理をして、母ガラスの両面に電極を形成した。尚、リード材は焼付け処理する際に電極に接続して取り付けた。
次いで、電極が両面に形成された母ガラスを800℃で2時間の条件で熱処理して結晶化させた。この熱処理する際に、50Vの電圧で0.3mAの電流をリード材を介して通電し、熱処理を終了後、ガラスが60℃に冷却されるまで通電して印加した。
図3は、熱処理後の試料のX線回折パターンを示す。このX線回折パターンから明らかなように、熱処理前のガラスはガラス特有のハローピーク以外に回折ピークがない(図示せず)のに対して、熱処理後の試料は回折ピークを解析した結果、CaF2結晶による結晶相が示された。また、その回折ピークの半値幅から見積もった結晶サイズは約15nmと非常に小さいものであった。
ブラックライト(波長365nm)の光を照射し発光状態を観察のところ、熱処理前のガラスは赤色を発光したが、電場を印加して電流を通電しながら熱処理(結晶化処理)した実施例1は青色を帯びた光を発光した。
これらの発光状態をより精密に観察するため分光蛍光光度計FP750(日本分光株式会社製)で励起波長351nmの光を照射して、発光スペクトルを測定した。その結果を熱処理前のガラスのものと合わせて図4に示す。
図4は可視域の発光スペクトル測定結果であり、破線の発光曲線は熱処理前のガラス、実線の発光曲線は実施例1の蛍光スペクトルを示す。実施例1の発光曲線の420nmの発光は、2価のNd2+に、また、615nmの発光は3価のNd3+に起因する発光である。破線の熱処理前のガラスの発光曲線は、375nmが高く見えるが、これよりさらに短波長の351nmに励起光波長があり、その影響が出ているものであり、材料からの発光に起因するものではないと考える。すなわち、これは電場が印加され、ガラス中を流れる電子がNd3+からNd2+に還元したためと考えられる。
1 母ガラス
2 電極
3 リード材
4 電源
2 電極
3 リード材
4 電源
Claims (26)
- ガラスを熱処理する過程において、該ガラスに0.1mA〜10mAの電流を通電することを特徴とするガラスの製造方法。
- 前記ガラスは、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分から選ばれた少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のガラスの製造方法。
- 前記希土類成分は、Ce、Eu、Er、Tr、Nd、Pr、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Tm、及びYbの成分から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
- 前記電流は、電圧が5kV/cm2以下で印加されることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のガラスの製造方法。
- 前記電流は、直流、交流またはこれらを合わせたものである請求項1から4いずれかに記載のガラスの製造方法。
- 前記熱処理の加熱開始時から前記電流を通電することを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のガラスの製造方法。
- 前記熱処理の温度が400℃以上で前記電流を通電することを特徴とする請求項1から6いずれかに記載のガラスの製造方法。
- 前記電流を通電するための電極は、銀、白金、金から選ばれるいずれか1種または2種以上の合金、または複合材を含むことを特徴とする請求項1から7いずれかに記載のガラスの製造方法。
- 前記電流を導入するリード材は、Pt、Au、Cu、Pd、Ag、Niから選ばれるいずれか1種または2種以上の合金、または複合材を含むことを特徴とする請求項1から8いずれかに記載のガラスの製造方法。
- ガラスを熱処理して結晶化する過程において、該ガラスに0.1mA〜10mAの電流を通電することを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
- 前記ガラスは、希土類成分、Cr、Mn及びFeの成分から選ばれた少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項10に記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記希土類成分は、Ce、Eu、Er、Tr、Nd、Pr、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Tm、及びYbの成分から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項10または11に記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記電流は、電圧が5kV/cm2以下で印加されることを特徴とする請求項10から12いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記電流は、直流、交流またはこれらを合わせたものである請求項10から13いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記熱処理の加熱開始時から前記電流を通電することを特徴とする請求項10から14いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記熱処理の温度が400℃以上で前記電流を通電することを特徴とする請求項10から15いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記電流を通電するための電極は、銀、白金、金から選ばれるいずれか1種または2種以上の合金、または複合材を含むことを特徴とする請求項10から16いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記電流を導入するリード材は、Pt、Au、Cu、Pd、Ag、Niから選ばれるいずれか1種または2種以上の合金、または複合材を含むことを特徴とする請求項10から17いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記結晶化の温度は500℃以上であることを特徴とする請求項10から18いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記結晶化の時間は1時間以上であることを特徴とする請求項10から19いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 結晶相は、空間群Fm3mに属する空間対称性をもつ結晶相であることを特徴とする請求項10から20いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記結晶相は、蛍石型結晶構造から構成されることを特徴とする請求項21に記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 前記結晶相は、化学式AX2で表されることを特徴とする請求項21または22に記載の結晶化ガラスの製造方法。
(ただし、上記化学式AX2で、AはCa、Sr、Ba、Cu、Cd、Pbから選ばれる少なくとも1種であり、XはF、Cから選ばれる少なくとも1種である。) - 前記結晶相は、化学式CaF2であることを特徴とする請求項23に記載の結晶化ガラスの製造方法。
- 請求項1から9いずれかに記載のガラスの製造方法で製造される蛍光材料。
- 請求項10から24いずれかに記載の結晶化ガラスの製造方法で製造される蛍光材料。
Priority Applications (1)
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JP2006275117A JP2008094638A (ja) | 2006-10-06 | 2006-10-06 | ガラスの製造方法または結晶化ガラスの製造方法 |
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JP (1) | JP2008094638A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114380498A (zh) * | 2020-10-16 | 2022-04-22 | 天津工业大学 | 一种稀土元素Tb掺杂的氟硅酸盐发光玻璃及其制备方法 |
-
2006
- 2006-10-06 JP JP2006275117A patent/JP2008094638A/ja active Pending
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CN114380498A (zh) * | 2020-10-16 | 2022-04-22 | 天津工业大学 | 一种稀土元素Tb掺杂的氟硅酸盐发光玻璃及其制备方法 |
CN114380498B (zh) * | 2020-10-16 | 2023-12-01 | 天津工业大学 | 一种稀土元素Tb掺杂的氟硅酸盐发光玻璃及其制备方法 |
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