JP2004224136A - 歩行型作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行型作業機を旋回操作するときの、作業者の一層の労力軽減を図ること。
【解決手段】歩行型作業機10は、機体に設けた走行用の駆動輪を旋回機構を介して駆動源にて駆動するとともに、駆動輪を旋回機構によって左旋回又は右旋回に切換えるようにし、機体から後方へ左右の操作ハンドル80L,80Rを延し、これら左右の操作ハンドル間に操作盤100を備えたものである。操作盤は、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手HL,HRで操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチ110L,110Rを設けたものである。
【選択図】 図4
【解決手段】歩行型作業機10は、機体に設けた走行用の駆動輪を旋回機構を介して駆動源にて駆動するとともに、駆動輪を旋回機構によって左旋回又は右旋回に切換えるようにし、機体から後方へ左右の操作ハンドル80L,80Rを延し、これら左右の操作ハンドル間に操作盤100を備えたものである。操作盤は、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手HL,HRで操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチ110L,110Rを設けたものである。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自力走行する形式の除雪機等の歩行型作業機の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、除雪作業や農作業等の作業の労力軽減を図るために、動力で自力走行するとともに作業者が歩行しながら操作ハンドルを操縦する形式の歩行型作業機の技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−115652号公報(第2頁、第1図)
【0004】
特許文献1による従来の歩行型作業機の概要を次の図6で説明する。
図6は従来の歩行型作業機の概要図であり、特公平7−115652号公報の第1図の要部を再掲する。なお、符号は振り直した。
【0005】
従来の歩行型作業機300は、ミッションケース301に設けた左右の車軸302L,302Rを、左右のサイドクラッチ303L,303R並びに差動機構304を介して図示せぬ動力源にて駆動するようにしたというものである。左の操作ハンドル311Lは、グリップ312L近傍に左の走向レバー313Lを備える。同様に、右の操作ハンドル311Rは、グリップ312R近傍に右の走向レバー313Rを備える。
【0006】
左の走向レバー313Lを握ることで、左のワイヤケーブル314L並びにリンク315Lを介して左のサイドクラッチ303Lをオフに切換えることができる。右の走向レバー313Rを握ることで、右のワイヤケーブル314R並びにリンク315Rを介して右のサイドクラッチ303Rをオフに切換えることができる。
すなわち、左の走向レバー313Lを握れば左の車軸302Lが減速又は停止するので、歩行型作業機300は左旋回する。また、右の走向レバー313Rを握れば右の車軸302Rが減速又は停止するので、歩行型作業機300は右旋回する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術は、歩行型作業機300を左旋回又は右旋回させるときに、作業者はサイドクラッチ303L,303Rを戻すリターンスプリングや、走向レバー313L,313Rを戻すリターンスプリングに抗する、大きな操作力で走向レバー313L,313Rを握ることになる。
【0008】
しかも、サイドクラッチ303L,303Rは、一定量だけ移動したときに切換わる、噛合い式クラッチ(ジョークラッチ。通称ドッグクラッチとも言う。)である。移動量を確保するには、走向レバー313L,313Rの握り角度を確保する必要がある。
このようなことから、旋回操作を行う作業者の手に負担がかかる。作業者の一層の労力軽減を図るには、改良の余地がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、歩行型作業機を旋回操作するときの作業者の一層の労力軽減を図ることができる技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、機体に設けた走行用の駆動輪を旋回機構を介して駆動源にて駆動するとともに、駆動輪を旋回機構によって左旋回又は右旋回に切換えるようにし、機体から後方へ左右の操作ハンドルを延し、これら左右のハンドル間に操作盤を備えた歩行型作業機において、
操作盤のうち、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチを設けたことを特徴とする。
【0011】
作業者が両手で左右の操作ハンドルを握ったときに、各手の親指は左右の操作ハンドル間、すなわち、操作ハンドルの内側を向くことになる。
操作盤のうち、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドルを手で握って歩行型作業機を操縦しつつ、操作ハンドルを握ったままの親指で、操作スイッチをも操作することができる。従って、歩行型作業機を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドルを握り替えたり、操作ハンドルから手を放す必要がない。このため、歩行型作業機の操縦性が高まる。
【0012】
さらには、操作スイッチによって旋回機構を電機的に制御することができるので、旋回機構を切換えるのに、作業者による操作力は操作スイッチを操作する力だけですむ。従って、旋回機構を切換える操作力を軽減することができるので、作業者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側、CLは車幅中心(車体中心)を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
図1は本発明に係る除雪機の左側面図である。除雪機10は、左右の走行部30L,30R(この図では左のみを示す。以下同じ。)を備えた走行フレーム40に、機体を兼ねる伝動ケース50を上下スイング可能に取付け、伝動ケース50の左右両側部に左右の電動モータ21L,21Rを取付け、伝動ケース50の上部にエンジン60を取付けるとともに、伝動ケース50の前部に除雪作業部70を取付け、さらに、伝動ケース50の上部から後方(より具体的には後上方)へ左右の操作ハンドル80L,80Rを延し、これら左右の操作ハンドル80L,80R間に操作盤100を備え、作業者が操作盤100の後から連れ歩く、自力走行式の歩行型作業機である。以下、要部を詳細に説明する。
【0015】
従来の除雪機では1個のエンジンで除雪作業部70と走行部30L,30Rとを賄っていたが、本発明ではエンジン60で除雪作業部70を駆動し、電動モータ21L,21Rで走行部30L,30Rを駆動するようにしたことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのあるエンジンが適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。
【0016】
左右の電動モータ21L,21Rは、動力を左右の走行用伝動機構22L,22Rを介して左右の走行部30L,30Rに伝達して、駆動する走行用駆動源である。
【0017】
左の走行部30Lは、前部の駆動輪31Lと後部の遊動輪32Lとにクローラベルト33Lを巻き掛け、駆動輪31Lを左の電動モータ21Lで正逆転させるクローラである。右の走行部30Rは、前部の駆動輪31Rと後部の遊動輪32Rとにクローラベルト33Rを巻き掛け、駆動輪31Rを右の電動モータ21Rで正逆転させるクローラである。
【0018】
走行フレーム40は、左右の駆動輪用車軸34L,34Rを回転可能に支承するとともに、後部で遊動輪用車軸35を支承するフレームである。左右の駆動輪用車軸34L,34Rは、左右の駆動輪31L,31Rを固定した回転軸である。遊動輪用車軸35は、左右の遊動輪32L,32Rを回転可能に取付けた固定軸である。
【0019】
エンジン60は、クランク軸61を下方へ延ばしたバーチカルエンジンであって、動力を伝動ケース50に収納された作業用伝動機構51を介して除雪作業部70に伝達して、駆動する作業用駆動源である。
【0020】
除雪作業部70は、前部のオーガ71、後部のブロア72、上部のシュータ73、オーガ71を囲うオーガハウジング74、及びブロア72を囲うブロアハウジング75からなる。オーガハウジング74は、後部のブロアハウジング75を一体的に組合わせたものである。
オーガ71は、地面に積もった雪を中央に集める作用をなす。この雪を受け取ったブロア72は、シュータ73を介して雪を除雪機10の周囲の所望の位置へ投射する作用をなす。
【0021】
左右の操作ハンドル80L,80Rは、先端に手で握るグリップ81L,81Rを備える。
スイング駆動機構83により、操作ハンドル80L,80Rを介して伝動ケース50を上下にスイングさせることができる。上述のように、伝動ケース50には除雪作業部70を取付けてある。従って、伝動ケース50と共に除雪作業部70を上下にスイングさせることで除雪作業部70の高さ、すなわちオーガハウジング74の姿勢を調節することができる。
【0022】
図中、91はエンジン60周りを覆うカバー、93はランプ、94はエアクリーナ、95はキャブレータ、96はエンジン排気用マフラ、97はバッテリ、98は燃料タンク、99は制御部である。
【0023】
図2は図1の2矢視図であり、操作盤100の背面100a(この図の手前側であり、作業者側の面)に、メインスイッチ101、エンジンチョーク102、クラッチ操作ボタン103などを備え、操作盤100の上面100bに右側から左側へ、投雪方向調節レバー104、走行部に係る方向速度制御部材としての方向速度レバー105、エンジンスロットルレバー106をこの順に備え、さらに操作盤100の左にグリップ81Lを配置し、操作盤100の右にグリップ81Rを配置したことを示す。
【0024】
左の操作ハンドル80Lは、グリップ81L近傍に走行準備レバー108を備える。右の操作ハンドル80Rは、グリップ81R近傍にオーガハウジング姿勢調節レバー109を備える。
【0025】
メインスイッチ101は、メインキーを差込んで回すことでエンジンを始動することのできる周知のスイッチである。エンジンチョーク102は、引くことで混合気の濃度を高める操作部材である。クラッチ操作ボタン103は、図示せぬ押し釦スイッチに作用する押しボタンであって、オーガ71並びにブロア72(図1参照)をオン・オフ操作するものである。投雪方向調節レバー104は、シュータ73(図1参照)方向を変更するときに操作するレバーである。方向速度レバー105は、電動モータ21L,21R(図1参照)の走行速度を操作するとともに、電動モータ21L,21Rを正逆転させることで前後進切換えをする前後進速度調節レバーである。エンジンスロットルレバー106は、スロットルバルブの開度を操作することでエンジンの回転数を制御するレバーである。
【0026】
走行準備レバー108は、図示せぬスイッチ手段に作用する走行準備部材であり、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になればスイッチ手段はオンになる。作業者の左手で走行準備レバー108を握ってグリップ81L側に下げれば、スイッチ手段はオフとなる。このように、走行準備レバー108が握られているか否かはスイッチ手段で検出することができる。
【0027】
オーガハウジング姿勢調節レバー109は、スイング駆動機構83(図1参照)を操作してオーガハウジング74(図1参照)の姿勢を変更するときに操作するレバーである。
【0028】
さらに操作盤100は、左右の操作ハンドル80L,80R間に且つこれら左右の操作ハンドル80L,80Rを握った手で操作可能な範囲に、左右の操作スイッチ110L,110Rを設けたことを特徴とする。
【0029】
左の操作スイッチ110Lは、押し釦スイッチからなる左旋回操作スイッチであり、除雪機10の後方(この図の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン111Lを備え、この押ボタン111Lを押し操作することでスイッチオンとなり、そのスイッチ信号を発する。
【0030】
右の操作スイッチ110Rは、押し釦スイッチからなる右旋回操作スイッチであり、除雪機10の後方(この図の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン111Rを備え、この押ボタン111Rを押し操作することでスイッチオンとなり、そのスイッチ信号を発する。
【0031】
より具体的には、操作盤100の背面100aのうち、左にグリップ81Lの近傍で車幅中心CL寄りの位置に左の操作スイッチ110L及びそれの押ボタン111Lを配置した。また、操作盤100の背面100aのうち、右にグリップ81Rの近傍で車幅中心CL寄りの位置に右の操作スイッチ110RL及びそれの押ボタン111Rを配置した。
【0032】
図3は本発明に係る除雪機の制御系統図であり、制御部99内の機器及び情報伝達経路を示す。なお、制御部99内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。
【0033】
先ず、除雪作業部70の系統の作動を説明する。
走行準備レバー108を握ると共に、クラッチ操作ボタン103を操作することにより、作業者の意志で電磁クラッチ65を接続し、エンジン60の動力でオーガ71及びブロア72を回転させることができる。
なお、走行準備レバー108をフリーにするか、クラッチ操作ボタン103を操作するか、の何れかにより電磁クラッチ65を断状態にすることができる。
【0034】
次に走行部30L,30Rの系統の作動を説明をする。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ24L,24Rを備えている。具体的には、左右の電動モータ21L,21Rの各モータ軸23L,23Rを左右の電磁ブレーキ24L,24Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ24L,24Rは、駐車中は制御部99の制御により、ブレーキ状態にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ24L,24Rを開放する。
【0035】
メインスイッチ101がスタートポジションにあること及び走行準備レバー108が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー105を前進又は後進に切換えると、電磁ブレーキ24L,24Rは開放(非ブレーキ)状態になる。左の電磁ブレーキ24Lは左旋回機構の役割をも果たす。右の電磁ブレーキ24Rは右旋回機構の役割をも果たす。
【0036】
方向速度レバー105の位置情報をポテンショメータ121から得た制御部99は、左右の電動モータ21L,21Rを回転させ、回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪31L,31Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。
【0037】
左の操作スイッチ110Lを押している間は、スイッチオンのスイッチ信号に基づいて左の電磁ブレーキ24Lはブレーキ状態になる。右の操作スイッチ110Rを押している間は、スイッチオンのスイッチ信号に基づいて右の電磁ブレーキ24Rはブレーキ状態になる。操作スイッチ110L,110Rから手を放すと、電磁ブレーキ24L,24Rは開放(非ブレーキ)状態に戻る。
【0038】
すなわち、左の操作スイッチ110Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右の操作スイッチ110Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
【0039】
そして、次の▲1▼〜▲3▼の何れかにより、走行を停止させることができる。
▲1▼方向速度レバー105を中立位置に戻す。
▲2▼走行準備レバー108を離す。
▲3▼メインスイッチ101をオフ位置に戻す。
【0040】
この停止は、電動モータ21L,21Rの両極を短絡させる短絡ブレーキ回路(回生ブレーキ)122L,122Rを用いて実行する。短絡ブレーキ回路122L,122Rは、文字通り電動モータ21L,21Rの両極を短絡させる回路であり、この短絡により電動モータ21L,21Rは急制動状態になる。
【0041】
停止後にメインスイッチ101をオフ位置に戻せば、電磁ブレーキ24L,24Rがブレーキ状態となり、パーキングブレーキを掛けたことと同じになる。
【0042】
図4は本発明に係る除雪機の作用図であり、操作盤100周りを示す。
作業者が両手HL,HRで左右の操作ハンドル80L,80Rを握ったときに、各手HL,HRの親指Fi,Fiは左右の操作ハンドル間、すなわち、操作ハンドル80L,80Rの内側(車幅中央側)を向くことになる。
【0043】
作業者は、左右の操作ハンドル80L,80Rを手HL,HRで握って歩行型作業機10を操縦しつつ、操作ハンドル80L,80Rを握ったまま、左手HLの親指Fiを前に延ばして左の操作スイッチ110Lの押ボタン111Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。
一方、右手HRの親指Fiを前に延ばして右の操作スイッチ110Rの押ボタン111Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
このように、左右の操作ハンドル80L,80Rから手HL,HRを放すことなく、小さい操作力で極めて容易に旋回操作をすることができる。
【0044】
すなわち、上記図1、図3及び図4を参照しつつ説明すると、歩行型作業機としての除雪機10は、機体としての伝動ケース50に設けた走行用の左右の駆動輪31L,31Rを、旋回機構としての電磁ブレーキ24L,24Rを介して左右の電動モータ(駆動源)21L,21Rにて駆動するとともに、駆動輪31L,31Rを左右の旋回機構24L,24Rによって左旋回又は右旋回に切換えるようにし、伝動ケース50から後方へ左右の操作ハンドル80L,80Rを延し、これら左右の操作ハンドル80L,80R間に操作盤100を備える。
【0045】
操作盤100のうち、左右の操作ハンドル80L,80R間に且つこれら左右の操作ハンドル80L,80Rを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構としての電磁ブレーキ24L,24Rを操作する操作スイッチ110L,110Rを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドル80L,80Rを手HL,HRで握って歩行型作業機10を操縦しつつ、操作ハンドル80L,80Rを握ったままの親指Fi,Fiで、操作スイッチ110L,110Rをも操作することができる。従って、歩行型作業機10を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドル80L,80Rを握り替えたり、操作ハンドル80L,80Rから手HL,HRを放す必要がない。このため、歩行型作業機10の操縦性が高まる。
【0046】
さらには、操作スイッチ110L,110Rによって旋回機構24L,24Rを電機的に制御することができるので、旋回機構24L,24Rを切換えるのに、作業者による操作力は操作スイッチ110L,110Rを操作する力だけですむ。従って、旋回機構24L,24Rを切換える操作力を軽減することができるので、作業者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
【0047】
図5は本発明に係る除雪機(変形例)の制御系統図であり、制御部99内の機器及び情報伝達経路を示す。なお、上記図1〜図4に示す除雪機10と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
変形例の除雪機は200は、1個のエンジン60で除雪作業部70と走行部30L,30Rとを賄うようにしたものである。具体的には、エンジン60のクランク軸(出力軸)61に走行用伝動機構210を介して左右の走行部30L,30Rを連結したものである。
【0049】
走行用伝動機構210は、クランク軸61にベルト式伝動機構211を介して第1中間軸212を連結し、第1中間軸212にベベル式伝動機構213を介して第2中間軸214を連結し、第2中間軸214に左右の平ギヤ式伝動機構215L,215R並びに左右の電磁ブレーキ24L,24Rを介して、左右の駆動輪用車軸34L,34Rに連結した構成である。なお、走行用伝動機構210の構成については任意である。
【0050】
なお、上記本発明の実施の形態において、歩行型作業機は除雪機10,200に限定されるものではなく、例えば農作業機や運搬車であってもよい。
また、旋回機構は、除雪機10,200等の歩行型作業機を左旋回又は右旋回させるものであればよく、電磁ブレーキ24L,24Rの他に例えば電磁クラッチの構成であってもよい。電磁クラッチとした場合には、電磁ブレーキ24L,24Rに対して左旋回又は右旋回の作用が逆になる。
さらにまた、旋回機構を操作する左右の操作スイッチ110L,110Rは、操作ハンドル80L,80Rを握った手で操作可能なスイッチであればよく、押し釦スイッチに限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、左右のハンドル間に備えた操作盤のうち、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドルを手で握って歩行型作業機を操縦しつつ、操作ハンドルを握ったままの親指で、操作スイッチをも操作することができる。従って、歩行型作業機を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドルを握り替えたり、操作ハンドルから手を放す必要がない。このため、歩行型作業機の操縦性が高まる。
【0052】
さらには、操作スイッチによって旋回機構を電機的に制御することができるので、旋回機構を切換えるのに、作業者による操作力は操作スイッチを操作する力だけですむ。従って、旋回機構を切換える操作力を軽減することができるので、作業者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除雪機の左側面図
【図2】図1の2矢視図
【図3】本発明に係る除雪機の制御系統図
【図4】本発明に係る除雪機の作用図
【図5】本発明に係る除雪機(変形例)の制御系統図
【図6】従来の歩行型作業機の概要図
【符号の説明】
10…歩行型作業機としての除雪機、21L,21R,60…駆動源、24L,24R…旋回機構(電磁ブレーキ)、31L,31R…駆動輪、50…機体としての伝動ケース、80L,80R…左右の操作ハンドル、81L,81R…グリップ、100…操作盤、110L,110R…操作スイッチ、111L,111R…押ボタン、HL,HR…作業者の手、Fi…親指。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自力走行する形式の除雪機等の歩行型作業機の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、除雪作業や農作業等の作業の労力軽減を図るために、動力で自力走行するとともに作業者が歩行しながら操作ハンドルを操縦する形式の歩行型作業機の技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−115652号公報(第2頁、第1図)
【0004】
特許文献1による従来の歩行型作業機の概要を次の図6で説明する。
図6は従来の歩行型作業機の概要図であり、特公平7−115652号公報の第1図の要部を再掲する。なお、符号は振り直した。
【0005】
従来の歩行型作業機300は、ミッションケース301に設けた左右の車軸302L,302Rを、左右のサイドクラッチ303L,303R並びに差動機構304を介して図示せぬ動力源にて駆動するようにしたというものである。左の操作ハンドル311Lは、グリップ312L近傍に左の走向レバー313Lを備える。同様に、右の操作ハンドル311Rは、グリップ312R近傍に右の走向レバー313Rを備える。
【0006】
左の走向レバー313Lを握ることで、左のワイヤケーブル314L並びにリンク315Lを介して左のサイドクラッチ303Lをオフに切換えることができる。右の走向レバー313Rを握ることで、右のワイヤケーブル314R並びにリンク315Rを介して右のサイドクラッチ303Rをオフに切換えることができる。
すなわち、左の走向レバー313Lを握れば左の車軸302Lが減速又は停止するので、歩行型作業機300は左旋回する。また、右の走向レバー313Rを握れば右の車軸302Rが減速又は停止するので、歩行型作業機300は右旋回する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術は、歩行型作業機300を左旋回又は右旋回させるときに、作業者はサイドクラッチ303L,303Rを戻すリターンスプリングや、走向レバー313L,313Rを戻すリターンスプリングに抗する、大きな操作力で走向レバー313L,313Rを握ることになる。
【0008】
しかも、サイドクラッチ303L,303Rは、一定量だけ移動したときに切換わる、噛合い式クラッチ(ジョークラッチ。通称ドッグクラッチとも言う。)である。移動量を確保するには、走向レバー313L,313Rの握り角度を確保する必要がある。
このようなことから、旋回操作を行う作業者の手に負担がかかる。作業者の一層の労力軽減を図るには、改良の余地がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、歩行型作業機を旋回操作するときの作業者の一層の労力軽減を図ることができる技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、機体に設けた走行用の駆動輪を旋回機構を介して駆動源にて駆動するとともに、駆動輪を旋回機構によって左旋回又は右旋回に切換えるようにし、機体から後方へ左右の操作ハンドルを延し、これら左右のハンドル間に操作盤を備えた歩行型作業機において、
操作盤のうち、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチを設けたことを特徴とする。
【0011】
作業者が両手で左右の操作ハンドルを握ったときに、各手の親指は左右の操作ハンドル間、すなわち、操作ハンドルの内側を向くことになる。
操作盤のうち、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドルを手で握って歩行型作業機を操縦しつつ、操作ハンドルを握ったままの親指で、操作スイッチをも操作することができる。従って、歩行型作業機を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドルを握り替えたり、操作ハンドルから手を放す必要がない。このため、歩行型作業機の操縦性が高まる。
【0012】
さらには、操作スイッチによって旋回機構を電機的に制御することができるので、旋回機構を切換えるのに、作業者による操作力は操作スイッチを操作する力だけですむ。従って、旋回機構を切換える操作力を軽減することができるので、作業者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側、CLは車幅中心(車体中心)を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
図1は本発明に係る除雪機の左側面図である。除雪機10は、左右の走行部30L,30R(この図では左のみを示す。以下同じ。)を備えた走行フレーム40に、機体を兼ねる伝動ケース50を上下スイング可能に取付け、伝動ケース50の左右両側部に左右の電動モータ21L,21Rを取付け、伝動ケース50の上部にエンジン60を取付けるとともに、伝動ケース50の前部に除雪作業部70を取付け、さらに、伝動ケース50の上部から後方(より具体的には後上方)へ左右の操作ハンドル80L,80Rを延し、これら左右の操作ハンドル80L,80R間に操作盤100を備え、作業者が操作盤100の後から連れ歩く、自力走行式の歩行型作業機である。以下、要部を詳細に説明する。
【0015】
従来の除雪機では1個のエンジンで除雪作業部70と走行部30L,30Rとを賄っていたが、本発明ではエンジン60で除雪作業部70を駆動し、電動モータ21L,21Rで走行部30L,30Rを駆動するようにしたことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのあるエンジンが適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。
【0016】
左右の電動モータ21L,21Rは、動力を左右の走行用伝動機構22L,22Rを介して左右の走行部30L,30Rに伝達して、駆動する走行用駆動源である。
【0017】
左の走行部30Lは、前部の駆動輪31Lと後部の遊動輪32Lとにクローラベルト33Lを巻き掛け、駆動輪31Lを左の電動モータ21Lで正逆転させるクローラである。右の走行部30Rは、前部の駆動輪31Rと後部の遊動輪32Rとにクローラベルト33Rを巻き掛け、駆動輪31Rを右の電動モータ21Rで正逆転させるクローラである。
【0018】
走行フレーム40は、左右の駆動輪用車軸34L,34Rを回転可能に支承するとともに、後部で遊動輪用車軸35を支承するフレームである。左右の駆動輪用車軸34L,34Rは、左右の駆動輪31L,31Rを固定した回転軸である。遊動輪用車軸35は、左右の遊動輪32L,32Rを回転可能に取付けた固定軸である。
【0019】
エンジン60は、クランク軸61を下方へ延ばしたバーチカルエンジンであって、動力を伝動ケース50に収納された作業用伝動機構51を介して除雪作業部70に伝達して、駆動する作業用駆動源である。
【0020】
除雪作業部70は、前部のオーガ71、後部のブロア72、上部のシュータ73、オーガ71を囲うオーガハウジング74、及びブロア72を囲うブロアハウジング75からなる。オーガハウジング74は、後部のブロアハウジング75を一体的に組合わせたものである。
オーガ71は、地面に積もった雪を中央に集める作用をなす。この雪を受け取ったブロア72は、シュータ73を介して雪を除雪機10の周囲の所望の位置へ投射する作用をなす。
【0021】
左右の操作ハンドル80L,80Rは、先端に手で握るグリップ81L,81Rを備える。
スイング駆動機構83により、操作ハンドル80L,80Rを介して伝動ケース50を上下にスイングさせることができる。上述のように、伝動ケース50には除雪作業部70を取付けてある。従って、伝動ケース50と共に除雪作業部70を上下にスイングさせることで除雪作業部70の高さ、すなわちオーガハウジング74の姿勢を調節することができる。
【0022】
図中、91はエンジン60周りを覆うカバー、93はランプ、94はエアクリーナ、95はキャブレータ、96はエンジン排気用マフラ、97はバッテリ、98は燃料タンク、99は制御部である。
【0023】
図2は図1の2矢視図であり、操作盤100の背面100a(この図の手前側であり、作業者側の面)に、メインスイッチ101、エンジンチョーク102、クラッチ操作ボタン103などを備え、操作盤100の上面100bに右側から左側へ、投雪方向調節レバー104、走行部に係る方向速度制御部材としての方向速度レバー105、エンジンスロットルレバー106をこの順に備え、さらに操作盤100の左にグリップ81Lを配置し、操作盤100の右にグリップ81Rを配置したことを示す。
【0024】
左の操作ハンドル80Lは、グリップ81L近傍に走行準備レバー108を備える。右の操作ハンドル80Rは、グリップ81R近傍にオーガハウジング姿勢調節レバー109を備える。
【0025】
メインスイッチ101は、メインキーを差込んで回すことでエンジンを始動することのできる周知のスイッチである。エンジンチョーク102は、引くことで混合気の濃度を高める操作部材である。クラッチ操作ボタン103は、図示せぬ押し釦スイッチに作用する押しボタンであって、オーガ71並びにブロア72(図1参照)をオン・オフ操作するものである。投雪方向調節レバー104は、シュータ73(図1参照)方向を変更するときに操作するレバーである。方向速度レバー105は、電動モータ21L,21R(図1参照)の走行速度を操作するとともに、電動モータ21L,21Rを正逆転させることで前後進切換えをする前後進速度調節レバーである。エンジンスロットルレバー106は、スロットルバルブの開度を操作することでエンジンの回転数を制御するレバーである。
【0026】
走行準備レバー108は、図示せぬスイッチ手段に作用する走行準備部材であり、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になればスイッチ手段はオンになる。作業者の左手で走行準備レバー108を握ってグリップ81L側に下げれば、スイッチ手段はオフとなる。このように、走行準備レバー108が握られているか否かはスイッチ手段で検出することができる。
【0027】
オーガハウジング姿勢調節レバー109は、スイング駆動機構83(図1参照)を操作してオーガハウジング74(図1参照)の姿勢を変更するときに操作するレバーである。
【0028】
さらに操作盤100は、左右の操作ハンドル80L,80R間に且つこれら左右の操作ハンドル80L,80Rを握った手で操作可能な範囲に、左右の操作スイッチ110L,110Rを設けたことを特徴とする。
【0029】
左の操作スイッチ110Lは、押し釦スイッチからなる左旋回操作スイッチであり、除雪機10の後方(この図の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン111Lを備え、この押ボタン111Lを押し操作することでスイッチオンとなり、そのスイッチ信号を発する。
【0030】
右の操作スイッチ110Rは、押し釦スイッチからなる右旋回操作スイッチであり、除雪機10の後方(この図の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン111Rを備え、この押ボタン111Rを押し操作することでスイッチオンとなり、そのスイッチ信号を発する。
【0031】
より具体的には、操作盤100の背面100aのうち、左にグリップ81Lの近傍で車幅中心CL寄りの位置に左の操作スイッチ110L及びそれの押ボタン111Lを配置した。また、操作盤100の背面100aのうち、右にグリップ81Rの近傍で車幅中心CL寄りの位置に右の操作スイッチ110RL及びそれの押ボタン111Rを配置した。
【0032】
図3は本発明に係る除雪機の制御系統図であり、制御部99内の機器及び情報伝達経路を示す。なお、制御部99内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。
【0033】
先ず、除雪作業部70の系統の作動を説明する。
走行準備レバー108を握ると共に、クラッチ操作ボタン103を操作することにより、作業者の意志で電磁クラッチ65を接続し、エンジン60の動力でオーガ71及びブロア72を回転させることができる。
なお、走行準備レバー108をフリーにするか、クラッチ操作ボタン103を操作するか、の何れかにより電磁クラッチ65を断状態にすることができる。
【0034】
次に走行部30L,30Rの系統の作動を説明をする。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ24L,24Rを備えている。具体的には、左右の電動モータ21L,21Rの各モータ軸23L,23Rを左右の電磁ブレーキ24L,24Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ24L,24Rは、駐車中は制御部99の制御により、ブレーキ状態にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ24L,24Rを開放する。
【0035】
メインスイッチ101がスタートポジションにあること及び走行準備レバー108が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー105を前進又は後進に切換えると、電磁ブレーキ24L,24Rは開放(非ブレーキ)状態になる。左の電磁ブレーキ24Lは左旋回機構の役割をも果たす。右の電磁ブレーキ24Rは右旋回機構の役割をも果たす。
【0036】
方向速度レバー105の位置情報をポテンショメータ121から得た制御部99は、左右の電動モータ21L,21Rを回転させ、回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪31L,31Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。
【0037】
左の操作スイッチ110Lを押している間は、スイッチオンのスイッチ信号に基づいて左の電磁ブレーキ24Lはブレーキ状態になる。右の操作スイッチ110Rを押している間は、スイッチオンのスイッチ信号に基づいて右の電磁ブレーキ24Rはブレーキ状態になる。操作スイッチ110L,110Rから手を放すと、電磁ブレーキ24L,24Rは開放(非ブレーキ)状態に戻る。
【0038】
すなわち、左の操作スイッチ110Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右の操作スイッチ110Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
【0039】
そして、次の▲1▼〜▲3▼の何れかにより、走行を停止させることができる。
▲1▼方向速度レバー105を中立位置に戻す。
▲2▼走行準備レバー108を離す。
▲3▼メインスイッチ101をオフ位置に戻す。
【0040】
この停止は、電動モータ21L,21Rの両極を短絡させる短絡ブレーキ回路(回生ブレーキ)122L,122Rを用いて実行する。短絡ブレーキ回路122L,122Rは、文字通り電動モータ21L,21Rの両極を短絡させる回路であり、この短絡により電動モータ21L,21Rは急制動状態になる。
【0041】
停止後にメインスイッチ101をオフ位置に戻せば、電磁ブレーキ24L,24Rがブレーキ状態となり、パーキングブレーキを掛けたことと同じになる。
【0042】
図4は本発明に係る除雪機の作用図であり、操作盤100周りを示す。
作業者が両手HL,HRで左右の操作ハンドル80L,80Rを握ったときに、各手HL,HRの親指Fi,Fiは左右の操作ハンドル間、すなわち、操作ハンドル80L,80Rの内側(車幅中央側)を向くことになる。
【0043】
作業者は、左右の操作ハンドル80L,80Rを手HL,HRで握って歩行型作業機10を操縦しつつ、操作ハンドル80L,80Rを握ったまま、左手HLの親指Fiを前に延ばして左の操作スイッチ110Lの押ボタン111Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。
一方、右手HRの親指Fiを前に延ばして右の操作スイッチ110Rの押ボタン111Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
このように、左右の操作ハンドル80L,80Rから手HL,HRを放すことなく、小さい操作力で極めて容易に旋回操作をすることができる。
【0044】
すなわち、上記図1、図3及び図4を参照しつつ説明すると、歩行型作業機としての除雪機10は、機体としての伝動ケース50に設けた走行用の左右の駆動輪31L,31Rを、旋回機構としての電磁ブレーキ24L,24Rを介して左右の電動モータ(駆動源)21L,21Rにて駆動するとともに、駆動輪31L,31Rを左右の旋回機構24L,24Rによって左旋回又は右旋回に切換えるようにし、伝動ケース50から後方へ左右の操作ハンドル80L,80Rを延し、これら左右の操作ハンドル80L,80R間に操作盤100を備える。
【0045】
操作盤100のうち、左右の操作ハンドル80L,80R間に且つこれら左右の操作ハンドル80L,80Rを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構としての電磁ブレーキ24L,24Rを操作する操作スイッチ110L,110Rを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドル80L,80Rを手HL,HRで握って歩行型作業機10を操縦しつつ、操作ハンドル80L,80Rを握ったままの親指Fi,Fiで、操作スイッチ110L,110Rをも操作することができる。従って、歩行型作業機10を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドル80L,80Rを握り替えたり、操作ハンドル80L,80Rから手HL,HRを放す必要がない。このため、歩行型作業機10の操縦性が高まる。
【0046】
さらには、操作スイッチ110L,110Rによって旋回機構24L,24Rを電機的に制御することができるので、旋回機構24L,24Rを切換えるのに、作業者による操作力は操作スイッチ110L,110Rを操作する力だけですむ。従って、旋回機構24L,24Rを切換える操作力を軽減することができるので、作業者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
【0047】
図5は本発明に係る除雪機(変形例)の制御系統図であり、制御部99内の機器及び情報伝達経路を示す。なお、上記図1〜図4に示す除雪機10と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
変形例の除雪機は200は、1個のエンジン60で除雪作業部70と走行部30L,30Rとを賄うようにしたものである。具体的には、エンジン60のクランク軸(出力軸)61に走行用伝動機構210を介して左右の走行部30L,30Rを連結したものである。
【0049】
走行用伝動機構210は、クランク軸61にベルト式伝動機構211を介して第1中間軸212を連結し、第1中間軸212にベベル式伝動機構213を介して第2中間軸214を連結し、第2中間軸214に左右の平ギヤ式伝動機構215L,215R並びに左右の電磁ブレーキ24L,24Rを介して、左右の駆動輪用車軸34L,34Rに連結した構成である。なお、走行用伝動機構210の構成については任意である。
【0050】
なお、上記本発明の実施の形態において、歩行型作業機は除雪機10,200に限定されるものではなく、例えば農作業機や運搬車であってもよい。
また、旋回機構は、除雪機10,200等の歩行型作業機を左旋回又は右旋回させるものであればよく、電磁ブレーキ24L,24Rの他に例えば電磁クラッチの構成であってもよい。電磁クラッチとした場合には、電磁ブレーキ24L,24Rに対して左旋回又は右旋回の作用が逆になる。
さらにまた、旋回機構を操作する左右の操作スイッチ110L,110Rは、操作ハンドル80L,80Rを握った手で操作可能なスイッチであればよく、押し釦スイッチに限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、左右のハンドル間に備えた操作盤のうち、左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構を操作する操作スイッチを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドルを手で握って歩行型作業機を操縦しつつ、操作ハンドルを握ったままの親指で、操作スイッチをも操作することができる。従って、歩行型作業機を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドルを握り替えたり、操作ハンドルから手を放す必要がない。このため、歩行型作業機の操縦性が高まる。
【0052】
さらには、操作スイッチによって旋回機構を電機的に制御することができるので、旋回機構を切換えるのに、作業者による操作力は操作スイッチを操作する力だけですむ。従って、旋回機構を切換える操作力を軽減することができるので、作業者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除雪機の左側面図
【図2】図1の2矢視図
【図3】本発明に係る除雪機の制御系統図
【図4】本発明に係る除雪機の作用図
【図5】本発明に係る除雪機(変形例)の制御系統図
【図6】従来の歩行型作業機の概要図
【符号の説明】
10…歩行型作業機としての除雪機、21L,21R,60…駆動源、24L,24R…旋回機構(電磁ブレーキ)、31L,31R…駆動輪、50…機体としての伝動ケース、80L,80R…左右の操作ハンドル、81L,81R…グリップ、100…操作盤、110L,110R…操作スイッチ、111L,111R…押ボタン、HL,HR…作業者の手、Fi…親指。
Claims (1)
- 機体に設けた走行用の駆動輪を旋回機構を介して駆動源にて駆動するとともに、前記駆動輪を前記旋回機構によって左旋回又は右旋回に切換えるようにし、前記機体から後方へ左右の操作ハンドルを延し、これら左右の操作ハンドル間に操作盤を備えた歩行型作業機において、
前記操作盤は、前記左右の操作ハンドル間に且つこれら左右の操作ハンドルを握った手で操作可能な範囲に、前記旋回機構を操作する操作スイッチを設けたことを特徴とする歩行型作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003012855A JP2004224136A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 歩行型作業機 |
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JP2003012855A JP2004224136A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 歩行型作業機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010109665A1 (ja) * | 2009-03-27 | 2010-09-30 | ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社 | 歩行型作業機 |
-
2003
- 2003-01-21 JP JP2003012855A patent/JP2004224136A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010109665A1 (ja) * | 2009-03-27 | 2010-09-30 | ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社 | 歩行型作業機 |
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