JP4353477B2 - 電動車両 - Google Patents

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Description

本発明は、左右の走行装置を左右の電動モータで各々駆動する電動車両に関する。
電動車両としては、左右の走行装置を左右の電動モータで各々駆動するようなものが知られている(例えば、特許文献1−3参照。)。
特開昭57−78855号公報(第1図、第4図) 特開昭57−85505号公報(第1図、第4図) 特開2001−271317公報(図1、図4)
電動車両の一例として特許文献3を次図に基づいて説明する。
図17は従来の電動車両の概要図である。従来の電動車両200は、機体201にオーガ202及びブロア203からなる作業装置204、作業装置204を駆動するエンジン205、クローラからなる左右の走行装置206,206、これらの走行装置206,206を駆動する左右の電動モータ207,207、エンジン205に駆動されてバッテリ208や電動モータ207,207に電力を供給する発電機209、電動モータ207,207を制御する制御部211を備えたというものである。
エンジン205の出力の一部で発電機209を回し、得た電力をバッテリ208に供給するとともに、左右の電動モータ207,207に供給することができる。また、エンジン205の出力の残部を、電磁クラッチ212を介して作業装置204の回転に充てることができる。このように作業機200は、エンジン205で作業装置204を駆動するとともに、電動モータ207,207で走行装置206,206を駆動する形式の除雪機である。
ところで、作業機のような一般的な電動車両200は、機体201から後方へ延ばした左右の操作ハンドルのグリップ周りに、ハンドルレバーを備える。これら左右のハンドルレバーの一方を握ることで、握った方の電動モータ(旋回内側のモータ)207を減速させることにより、電動車両200を旋回させることができる。
しかしながら、ハンドルレバーによる旋回操作であるから、レバーの握り具合によって旋回内側モータ207の減速の程度が変わる。旋回時の電動車両200の走破性を確保しつつ、操作者の旋回操作感覚に沿って電動車両200を旋回させるには、旋回操作に有る程度の熟練を要する。従って、電動車両200の旋回操作性をより高めるには、改良の余地がある。
さらには、ハンドルレバー式の旋回操作手段であるから、それぞれの旋回操作手段毎に、レバー操作量とこれに対応する操作信号量との関係に誤差を有する。このような誤差を調整する作業は面倒である。電動車両200の製造コストを抑制するには改良の余地がある。
本発明は、電動車両の旋回操作性をより高めることができるとともに、電動車両の旋回操作手段の調整を不要にできる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、機体に左右の走行装置、これらの走行装置を各々駆動する左右の電動モータ、及びこれらの電動モータを制御する制御部を備えた電動車両において、
この電動車両に、押し釦形式の左右一対の旋回スイッチを備え、
左右の電動モータのうち、操作している旋回スイッチに対応する方を旋回内側モータとし他方を旋回外側モータとしたときに、
制御部に、左又は右の旋回スイッチから操作信号を受けたときに、予め設定された互いに異なる複数の旋回内側モータ減速パターンの中から、左又は右の旋回スイッチを操作した時点の旋回内側モータの実速度に基づいて1つを選択する、旋回内側モータ減速パターン選択ステップと、選択した旋回内側モータ減速パターンに基づく減速制御信号出力によって、旋回スイッチの操作を続行中にのみ旋回内側モータの減速制御を実行する、旋回内側モータ減速制御ステップと、を備えたことを特徴とする。
さらに、請求項に係る発明は、左右の走行装置をクローラにて構成し、
制御部に、左又は右の旋回スイッチの操作を解除した時点の操作解除信号を受けたときから、予め設定されたモータ加速パターンに基づく加速制御信号出力によって旋回内側モータの加速制御を実行する、旋回内側モータ加速制御ステップを備え、
加速制御信号出力が、操作解除信号を受けた時点における加速制御信号出力の最低値に一定値を加えた値であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、電動車両が、除雪作業部等の作業装置とこの作業装置をオン・オフ操作する作業用スイッチとを備え、作業装置のオン・オフによって走行装置の走行抵抗が変化する車両であり、
複数の旋回内側モータ減速パターンが、作業用スイッチのオン・オフによっても異なるパターンであり、
制御部が、作業用スイッチのオン・オフ信号と、左又は右の旋回スイッチを操作した時点の旋回内側モータの実速度との、組合せに基づいて、複数の旋回内側モータ減速パターンの中から、1つを選択するように構成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、制御部が、左又は右の旋回スイッチから操作信号を受けたときに、予め設定された互いに異なる複数の旋回外側モータ減速パターンの中から、左又は右の旋回スイッチを操作した時点の旋回外側モータの実速度に基づいて1つを選択する、旋回外側モータ減速パターン選択ステップと、選択した旋回外側モータ減速パターンに基づく減速制御信号出力によって、旋回スイッチの操作を続行中にのみ旋回外側モータの減速制御を実行する、旋回外側モータ減速制御ステップと、を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、左又は右の押し釦形式の旋回スイッチを単に押し続けるだけで、これに対応する旋回内側の電動モータの減速具合を、旋回直前のモータ実速度に応じた減速パターンで減速させることができる。このため、従来からあったハンドルレバー式の旋回操作手段のように、レバーの握り具合によって旋回内側の電動モータの減速具合を調整する場合に比べて、極めて簡単に旋回操作をすることができる。操作者の熟練を要することなく、楽に旋回操作をすることができ、旋回操作性が高まる。しかも、電動車両を操作者の旋回操作感覚に沿って旋回させることができる。
さらには、押し釦形式の旋回スイッチで旋回内側の電動モータを減速制御することができる。操作者による操作力は操作スイッチを操作する力だけですむ。従って、旋回操作する操作力を軽減することができるので、操作者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
さらには、押し釦形式の旋回スイッチであるから、従来のハンドルレバー式の旋回操作手段に比べて簡単な構成でよく、しかも、レバー操作量とこれに対応する操作信号量との調整も不要である。
さらにまた、旋回直前のモータ実速度については、操作者自身が走行路面等の走行状況を考慮し、電動車両の走破性を考えて最適速度に設定したものである。このような最適のモータ実速度に基づいて、旋回時のモータ減速パターンで減速させつつ旋回することができる。この結果、旋回時の電動車両の走破性をも高めることができる。
さらに、請求項に係る発明では、旋回スイッチの操作を解除したときから、加速制御信号出力にて旋回内側モータの加速制御を実行することにより、電動車両を直進走行に切換えることができる。
この場合、加速制御信号出力の最低値に一定値を加えた値を、旋回スイッチの操作を解除した時点の加速制御信号出力とする。すなわち、直進走行に切換えた時点で、旋回内側モータに対する加速制御信号出力を一気に高める。この結果、旋回内側モータを急激に加速することができる。旋回外側モータの速度に対する旋回内側モータの速度の速度差を急速に解消することができる。このため、電動車両を旋回走行から直進走行へ迅速に切換えることができる。電動車両を操作者の操作感覚に合うように、旋回走行から直進走行へ容易に且つ迅速に転換することができる。
特に、左右の走行装置をクローラとした場合には、クローラ特有の接地性の高さや駆動力の大きさがある。このため、旋回走行から直進走行へ切換え操作しても、速やかに切換り難い。これに対して請求項2では、旋回内側モータを一気に加速することにより、左右のクローラの速度差を急速に解消して、直進走行へ迅速に切換えることができる。
請求項2に係る発明では、除雪機のように、作業装置のオン・オフによって走行装置の走行抵抗が変化する電動車両の場合に、複数の旋回内側モータ減速パターンを、作業用スイッチのオン・オフによっても異なるパターンとすることで、よりきめ細かい旋回制御を行うことができる。
請求項3に係る発明では、電動車両を旋回させるときに、旋回スイッチを操作した時点の旋回外側モータの実速度に基づいて旋回外側モータ減速パターンを選択し、その旋回外側モータ減速パターンに基づいて旋回外側モータをも減速させるようにしたので、より円滑に電動車両を旋回させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る除雪機(電動車両)の左側面図、図2は本発明に係る除雪機の平面図である。
電動車両としての除雪機10(作業機10)は、左右の走行装置20L,20Rを備えた走行フレーム31に、伝動ケース32を上下スイング可能に取付け、伝動ケース32の左右両側部に左右の電動モータ33L,33Rを取付け、伝動ケース32の上部にエンジン34(内燃機関34)を取付けるとともに、伝動ケース32の前部に除雪作業部40を取付け、さらに、伝動ケース32の上部から後上方へ左右の操作ハンドル51L,51Rを延し、これら左右の操作ハンドル51L,51R間に操作盤53を備え、作業者が操作盤53の後から連れ歩く、自力走行式の歩行型作業機である。
走行フレーム31と伝動ケース32の組合せ構造体は機体11をなす。左右の操作ハンドル51L,51Rは、先端に手で握るグリップ52L,52Rを備える。以下、要部を詳細に説明する。
本発明は、エンジン34で除雪作業部40を駆動し、電動モータ33L,33Rで走行装置20L,20Rを駆動する駆動方式を採用したことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのある内燃機関が適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。
左右の電動モータ33L,33Rは、動力を左右の走行用伝動機構35L,35R(図1参照)を介して左右の走行装置20L,20Rに伝達して、駆動する走行用駆動源である。
左の走行装置20Lは、前部の駆動輪21Lと後部の遊動輪22Lとにクローラベルト23Lを巻き掛け、駆動輪21Lを左の電動モータ33Lで正逆転させるクローラである。右の走行装置20Rは、前部の駆動輪21Rと後部の遊動輪22Rとにクローラベルト23Rを巻き掛け、駆動輪21Rを右の電動モータ33Rで正逆転させるクローラである。
走行フレーム31は、左右の駆動輪用車軸24L,24Rを回転可能に支承するとともに、後部で遊動輪用車軸25を支承するフレームである。左右の駆動輪用車軸24L,24Rは、左右の駆動輪21L,21Rを固定した回転軸である。遊動輪用車軸25は、左右の遊動輪22L,22Rを回転可能に取付けた固定軸である。
エンジン34は、クランク軸34aを下方へ延ばしたバーチカルエンジンであって、動力を伝動ケース32に収納された作業用伝動機構を介して除雪作業部40に伝達して、駆動する作業用駆動源である。
除雪作業部40は、前部のオーガ41、後部のブロア42、上部のシュータ43、オーガ41を囲うオーガハウジング44、及びブロア42を囲うブロアハウジング45からなる。オーガ41は、地面に積もった雪を中央に集める作用をなす。この雪を受け取ったブロア42は、シュータ43を介して雪を除雪機10の周囲の所望の位置へ投射する作用をなす。
スイング駆動機構46により、伝動ケース32並びに除雪作業部40を上下にスイングさせることで、オーガハウジング44の姿勢を調節できる。
図2に示すように、機体11は前部に発電機54及びバッテリ55を備える。
以上の説明から明らかなように、作業機としての除雪機10は、機体11に除雪作業部等の作業装置40、この作業装置40を駆動する内燃機関34、クローラや車輪等の走行装置20L,20R、この走行装置20L,20Rを駆動する電動モータ33L,33R、内燃機関34に駆動されてバッテリ55や電動モータ33L,33Rに電力を供給する発電機54、電動モータ33L,33Rを制御する制御部56を備える。制御部56は、例えば操作盤53の下方に配置又は操作盤53に内蔵する。
図中、61はエンジン34周りを覆うカバー、62はランプ、63はエアクリーナ、64はキャブレータ、65はエンジン排気用マフラ、66は燃料タンクである。
図3は図1の3矢視図である。操作盤53は、背面53a(この図の手前側であり、作業者側の面)に、メインスイッチ71、エンジン用チョーク72、クラッチ操作スイッチ73などを備え、操作盤53の上面53bに右側から左側へ、投雪方向調節レバー74、走行装置に係る方向速度制御部材としての方向速度レバー75、エンジン用スロットルレバー76をこの順に備え、さらに、操作盤53の左にグリップ52Lを配置し、操作盤53の右にグリップ52Rを配置したものである。
左の操作ハンドル51Lは、グリップ52Lの近傍に走行準備レバー77を備える。右の操作ハンドル51Rは、グリップ52Rの近傍にオーガハウジング姿勢調節レバー78を備える。
図1及び図3を参照しつつ説明すると、メインスイッチ71は、キー挿入孔にメインキー(図示せず)を差込んで回すことでエンジン34を始動することのできる周知のイグニッションスイッチであり、例えば、キー挿入孔を中心として「オフ位置OFF」、「オン位置ON」及び「スタート位置ST」を、時計回りにこの順に配列したものである。
メインキーをオフ位置OFFに合せたときには、エンジン34を停止させるとともに、全ての電気系統を遮断させることができる。メインキーをオフ位置OFFからオン位置ONに切換えたときには、エンジン34を停止状態で維持させることができる。メインキーをスタート位置STに合せたときには、エンジン34を始動させることができる。メインキーをスタート位置STからオン位置ONに切換えたときには、始動したエンジン34をそのまま本運転に移行することができる。
エンジン用チョーク72は、引くことで混合気の濃度を高める操作部材である。
クラッチ操作スイッチ73は、オーガ41並びにブロア42をオン・オフ操作する押し釦スイッチ、すなわち、除雪作業部40(作業部)のオン・オフ操作をする作業切換えスイッチである。以下、クラッチ操作スイッチ73のことを適宜「オーガスイッチ73」と言い換えることにする。
投雪方向調節レバー74は、シュータ43の方向を変更するときに操作するレバーである。方向速度レバー75は、電動モータ33L,33Rの走行速度を操作するとともに、電動モータ33L,33Rを正逆転させることで前後進切換えをする前後進速度調節レバーである。エンジン用スロットルレバー76は、スロットルバルブ(図4の符号94参照)の開度を操作することでエンジン34の回転数を制御するレバーである。
走行準備レバー77は、スイッチ手段(図4の符号77a参照)に作用する走行準備部材であり、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になればスイッチ手段はオフになる。作業者の左手で走行準備レバー77を握ってグリップ52L側に下げれば、スイッチ手段はオンとなる。このように、走行準備レバー77が握られているか否かはスイッチ手段で検出することができる。
オーガハウジング姿勢調節レバー78は、スイング駆動機構46を操作してオーガハウジング44の姿勢を変更するときに操作するレバーである。
さらに操作盤53は、左右の操作ハンドル51L,51R間に且つこれら左右の操作ハンドル51L,51Rを握った手で操作可能な範囲に、左右の旋回操作スイッチ81L,81Rを設けたことを特徴とする。
左旋回操作スイッチ81Lは押し釦スイッチからなり、除雪機10の後方(図3の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン82Lを備える。このような左旋回操作スイッチ81Lは、押ボタン82Lを押し操作している間だけスイッチオンとなってスイッチ信号を発する、接点自動復帰式スイッチである。
右旋回操作スイッチ81Rは押し釦スイッチからなり、除雪機10の後方(図3の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン82Rを備える。このような右旋回操作スイッチ81Rは、押ボタン82Rを押し操作している間だけスイッチオンとなってスイッチ信号を発する、接点自動復帰式スイッチである。
より具体的に述べると、操作盤53の背面53aのうち左には、グリップ52Lの近傍で車幅中心CL寄りの位置に左旋回操作スイッチ81L及びそれの押ボタン82Lを配置した。また、操作盤53の背面53aのうち右には、グリップ52Rの近傍で車幅中心CL寄りの位置に右旋回操作スイッチ81R及びそれの押ボタン82Rを配置した。
作業者が両手で左右の操作ハンドル51L,51Rを握ったときに、各手の親指は左右の操作ハンドル間、すなわち、操作ハンドル51L,51Rの内側(車幅中央側)を向くことになる。
作業者は、左右の操作ハンドル51L,51Rを両手で握って除雪機10を操縦しつつ、操作ハンドル51L,51Rを握ったまま、左手の親指を前に延ばして左旋回操作スイッチ81Lの押ボタン82Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。
一方、右手の親指を前に延ばして右旋回操作スイッチ81Rの押ボタン82Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
このように、左右の操作ハンドル51L,51Rから手を放すことなく、小さい操作力で極めて容易に旋回操作をすることができる。
操作盤53のうち、左右の操作ハンドル51L,51R間に且つこれら左右の操作ハンドル51L,51Rを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構としての回生ブレーキ回路(図4の符号38L,38R参照)を操作する左・右旋回操作スイッチ81L,81Rを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドル51L,51Rを両手で握って除雪機10(図1参照)を操縦しつつ、操作ハンドル51L,51Rを握ったままの親指で、左・右旋回操作スイッチ81L,81Rをも操作することができる。
従って、除雪機10を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドル51L,51Rを握り替えたり、操作ハンドル51L,51Rから手を放す必要がない。このため、除雪機10の操縦性が高まる。
さらにまた、操作盤53は背面53aに、報知器としての報知表示器84や報音器85を設けたことを特徴とする。報知表示器84は、制御部56の指令により表示する部材であり、例えば液晶表示器等の表示パネルや、表示灯からなる。報音器85は、制御部56の指令により音を発する部材であり、例えば報知音を発するブザーや、音声を発する音声発生器からなる。
図4は本発明に係る除雪機の制御系統図であり、制御部56内の機器及び情報伝達経路を示す。想像線枠で囲ったエンジン34、電磁クラッチ91、オーガ41及びブロア42が作業部系92であり、その他は走行系となる。なお、制御部56内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。
先ず、除雪作業部40の系統の作動を説明する。
メインスイッチ71にキーを差込み、回してスタート位置にすることにより、セルモータ(スタータ)93の回転によりエンジン34を始動させる。
エンジン用スロットルレバー76は、図示せぬスロットルワイヤでスロットルバルブ94に繋がっているので、エンジン用スロットルレバー76を操作することでスロットルバルブ94の開度を制御することができる。これにより、エンジン34の回転数を制御することができる。
さらにスロットルバルブ94については、制御部56の制御信号に応じて作動するバルブ駆動部94Aにより、バルブ開度が自動制御される構成にしたものである。なお、スロットルバルブ94に対しては、バルブ駆動部94Aでの開度制御の方が、エンジン用スロットルレバー76での開度制御よりも優先する。
エンジン34の出力の一部で発電機54を回し、得た電力をバッテリ55に供給するとともに、左右の電動モータ33L,33Rに供給する。エンジン34の出力の残部は、電磁クラッチ91を介して作業装置40としてのオーガ41及びブロア42の回転に充てる。なお、発電機54やバッテリ55からは、ハーネス95を介して左右の電動モータ33L,33Rや他の電装品へ電力を供給することになる。
98L,98Rは左右の電動モータ33L,33Rの回転数(モータ速度、回転速度)を計測する回転センサである。99はエンジン34の回転数(モータ速度、回転速度)を計測する回転センサである。
走行準備レバー77を握るとともに、クラッチ操作スイッチ73を操作することにより、作業者の意志で電磁クラッチ91を接続し、エンジン34の動力でオーガ41及びブロア42を回転させることができる。
なお、走行準備レバー77をフリーにするか、クラッチ操作スイッチ73を操作するか、の何れかにより電磁クラッチ91を断状態にすることができる。
次に走行装置20L,20R(走行部20L,20R)の系統の作動を、図4に基づき説明する。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ36L,36Rを備える。具体的には、左右の電動モータ33L,33Rの各モータ軸を左右の電磁ブレーキ36L,36Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ36L,36Rは、駐車中は制御部56の制御により、ブレーキ状態(オン状態)にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ36L,36Rを開放する。
メインスイッチ71がオン位置にあること、及び、走行準備レバー77が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー75を前進又は後進に切換えると、電磁ブレーキ36L,36Rは開放(非ブレーキ、オフ)状態になる。
図5は本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図であり、方向速度レバー75は、作業者の手で、矢印Ad,Baの如く往復させることができ、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば車両を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。同様に、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば車両を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。この例では、図の左端に付記した通りに、後進の最高速が0V(ボルト)、前進の最高速が5V、中立範囲が2.3V〜2.7Vになるようにポテンショメータでポジションに応じた電圧を発生させる。
1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー75と名付けた。
図4に戻って、方向速度レバー75の位置情報をポテンショメータ75aから得た制御部56は、左右のモータドライバー37L,37Rを介して左右の電動モータ33L,33Rを回転させ、電動モータ33L,33Rの回転速度を回転センサ98L,98Rで検出して、その信号に基づいて回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪21L,21Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。
走行中の制動は次の手順で行う。本発明ではモータドライバ37L,37Rに回生ブレーキ回路38L,38R及びブレーキ手段としての短絡ブレーキ回路39L,39Rを含む。
バッテリから電動モータへ電気エネルギーを供給することで、電動モータは回転する。一方、発電機は回転を電気エネルギーに変換する手段である。そこで、本発明では電気的切換えにより、電動モータ33L,33Rを発電機に変え、発電させるようにした。発電電圧がバッテリ電圧より高ければ、電気エネルギーはバッテリ55へ蓄えることができる。これが回生ブレーキ38L,38Rの作動原理である。
左旋回操作スイッチ81Lを押している間は、そのスイッチオンのスイッチ信号に基づいて制御部56は左の回生ブレーキ回路38Lを作動させ、左の電動モータ33Lの速度を下げる。右旋回操作スイッチ81Rを押している間は、そのスイッチオンのスイッチ信号に基づいて制御部56は右の回生ブレーキ回路38Rを作動させ、右の電動モータ33Rの速度を下げる。
すなわち、左旋回操作スイッチ81Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右旋回操作スイッチ81Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
そして、次の(1)〜(3)の何れかにより、走行を停止させることができる。
(1)メインスイッチ71をオフ位置に戻す。
(2)方向速度レバー75を中立位置に戻す。
(3)走行準備レバー77を離す。
この停止は所定の電気的減速制御を施したのちに、短絡ブレーキ回路39L,39Rを用いて実行する。
左の短絡ブレーキ回路39Lは、文字通り左の電動モータ33Lの両極を短絡させる回路であり、この短絡により電動モータ33Lは急制動状態になる。右の短絡ブレーキ回路39Rも同様であるから説明を省略する。
停止後にメインスイッチ71をオフ位置に戻せば、電磁ブレーキ36L,36Rがブレーキ状態となり、パーキングブレーキを掛けたことと同じになる。
次に、上記図4に示す制御部56をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図4を参照しつつ、図6〜図16に基づき説明する。この制御フローは、例えばメインスイッチ71をオンにしたときに開始する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。
図6は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その1)である。
ST01;初期設定をする。
ST02;メインスイッチ71、方向速度レバー75、走行準備レバー77のスイッチ手段77a、左・右旋回操作スイッチ81L,81R等の、各スイッチ信号(レバー位置信号を含む)を入力信号として読み込む。
ST03;左旋回操作スイッチ81Lがオンであるか否かを調べ、YESならST04に進み、NOならST07に進む。
ST04;オーガスイッチ(作業用スイッチ)73がオフであるか否かを調べ、YESならST05に進み、NOならオーガスイッチ73がオンであるとしてST06に進む。
ST05;非作業中(作業装置40がオフ状態)での、左旋回モードで電動モータ33L,33Rを制御する。なお、このST05を具体的に実行するためのサブルーチンについては、後述する図7及び図13にて示す。
ST06;作業中(作業装置40がオン状態)での、左旋回モードで電動モータ33L,33Rを制御する。なお、このST06の制御については、上記ST05の制御と実質的に同じ制御ステップであり、後述する「旋回内側モータ減速パターン」が異なる。このことについては後述する。
ST07;右旋回操作スイッチ81Rがオンであるか否かを調べ、YESならST08に進み、NOならST11に進む。
ST08;オーガスイッチ73がオフであるか否かを調べ、YESならST09に進み、NOならオーガスイッチ73がオンであるとしてST10に進む。
ST09;非作業中(作業装置40がオフ状態)での、右旋回モードで電動モータ33L,33Rを制御する。なお、このST09の制御については、上記ST05の制御と実質的に同じ制御ステップであり、左旋回制御の代わりに右旋回制御を実行するものである。
ST10;作業中(作業装置40がオン状態)での、右旋回モードで電動モータ33L,33Rを制御する。なお、このST10の制御については、上記ST06の制御と実質的に同じ制御ステップであり、左旋回制御の代わりに右旋回制御を実行するものである。
ST11;左・右操作スイッチ81L,81Rが共にオフなので、直進モードで電動モータ33L,33Rを制御する。すなわち、電動車両10を直進させる。
ST12;メインスイッチ71が「オン位置」にあるか否かを調べ、YESならこの制御を続行すると判断してST02に戻り、NOならこの制御を終了する。
次に、上記図6のステップST05に示す非作業中(作業装置40がオフ状態)での、左旋回モード制御を具体的に実行するためのサブルーチンを説明する。詳しくは、左旋回時において、左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの制御については、図7〜図12にて示す旋回内側制御サブルーチンで説明する。また、右の電動モータ(旋回外側モータ)33Rの制御については、図13〜図16にて示す旋回外側制御サブルーチンで説明する。なお、旋回内側制御サブルーチンと旋回外側制御サブルーチンとは、並列処理又は時間割り込み処理を実行することによって、実質的に両方が同時に実行されることになる。
図7は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その2)であり、非作業中での旋回内側モータの左旋回モード制御を具体的に実行するための、旋回内側制御サブルーチンを示す。
ST101;制御部56のメモリに記憶された、旧レバー操作量Op2(以前に操作された方向速度レバー75の操作方向並びに操作量)を0にリセットする。
ST102:制御部56に内蔵された第1タイマを、リセットした(カウント時間Tcを0)後にスタートさせる。
ST103;現時点における方向速度レバー75の操作方向並びに操作量Op1(現レバー操作量Op1)を読み込む。Op1は方向速度レバー75のポジションにより定まる。
ST104;現レバー操作量Op1と旧レバー操作量Op2とが不一致(Op1≠Op2)であるか否かを調べ、YESならST105に進み、NOならST114に進む。走行速度を変更するために方向速度レバー75の操作方向並びに操作量Op1を変更した場合、すなわち、方向速度レバー75の位置に変更が有った場合にYESとなる。
ST105;メモリに記憶された旧レバー操作量Op2を、現レバー操作量Op1の値に更新する。
ST106;上記図6のST03において左旋回操作スイッチ81Lがオンなので、左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの実速度Lsを計測する。実速度Lsは、例えば図4の回転センサ98Lで現実の電動モータ33Lの回転数を計測すればよい。
ST107;左の電動モータ33Lの実速度Lsを、予め設定された速度しきい値(高速しきい値SH、低速しきい値SL)と比較する。各速度しきい値については、「SH>NL」の関係にある。
実速度Lsが高速しきい値SHより大きければ、実速度Lsが高速域(高速走行域)にあると判断してST108に進む。実速度Lsが、低速しきい値SLより大きく且つ高速しきい値SHまでの範囲であれば、実速度Lsが中速域(中速走行域)にあると判断してST110に進む。実速度Lsが、0から低速しきい値SLまでの範囲であれば、実速度Lsが低速域(低速走行域)にあると判断してST112に進む。
ST108;予め設定され、減速補正係数の特性が互いに異なる複数の旋回内側モータ減速パターンの中から1つ、すなわち第1のパターンを選択する。具体的には図8に示す旋回内側モータの第1減速補正係数マップを選択する。
ST109;第1タイマのカウント時間Tcを0にリセットする。第1タイマのカウントは続行している。
ST110;予め設定され、減速補正係数の特性が互いに異なる複数の旋回内側モータ減速パターンの中から1つ、すなわち第2のパターンを選択する。具体的には図9に示す旋回内側モータの第2減速補正係数マップを選択する。
ST111;第1タイマのカウント時間Tcを0にリセットする。第1タイマのカウントは続行している。
ST112;予め設定され、減速補正係数の特性が互いに異なる複数の旋回内側モータ減速パターンの中から1つ、すなわち第3のパターンを選択する。具体的には図10に示す旋回内側モータの第3減速補正係数マップを選択する。
ST113;第1タイマのカウント時間Tcを0にリセットする。第1タイマのカウントは続行している。
ST114;選択された旋回内側モータ減速パターン、すなわち図8、図9又は図10から選択された旋回内側モータの減速補正係数マップにより、カウント時間Tcから減速補正係数α1を求めた後に、出結合子A1に進む。カウント時間Tcの変化に応じた減速補正係数α1を求めればよい。
ここで、図8〜図10に基づき旋回内側モータの各減速補正係数マップについて説明する。
図8は本発明に係る旋回内側モータの第1減速補正係数マップの説明図であり、条件が「Ls>SH」の場合において、横軸をカウント時間Tc、すなわち経過時間Tc(msec)とし、縦軸を旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1として、経過時間Tcに対応する減速補正係数α1を得る、旋回内側モータ33Lの第1減速補正係数マップを示す。
実線は、非作業中(作業装置40がオフ状態)における減速補正係数α1の特性曲線を示す。破線は、作業中(作業装置40がオン状態)における減速補正係数α1の特性曲線を示す。
この第1減速補正係数マップによれば、旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1は、経過時間Tcが0のときに最大の1.0であり、時間Tcが経過するほど0に近い値であることが判る。より具体的には減速補正係数α1は、上限値を1.0に設定するとともに下限値を0.1に設定したものである。
実線にて示す減速補正係数α1は、非作業中における係数であって、上限値の1.0は経過時間Tcが0(msec)のときに対応する。下限値の0.1は経過時間Tcが2000(msec)のときに対応する。
破線にて示す減速補正係数α1は、作業中における係数であって、上限値の1.0は経過時間Tcが0(msec)のときに対応する。下限値の0.1は経過時間Tcが1500(msec)のときに対応する。
電動車両10は除雪機であるから、オーガ等の作業装置40のオン・オフによって走行装置20L,20Rの走行抵抗が変化する車両である。作業中は走行抵抗が大きいので、非作業中よりも走行装置20L,20Rの走行速度が低下する。このため、破線にて示す作業中の減速補正係数α1は、実線にて示す非作業中の減速補正係数α1よりも小さい特性に設定した。
図9は本発明に係る旋回内側モータの第2減速補正係数マップの説明図であり、条件が「SH≧Ls>SL」の場合において、横軸をカウント時間Tc、すなわち経過時間Tc(msec)とし、縦軸を旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1として、経過時間Tcに対応する減速補正係数α1を得る、旋回内側モータ33Lの第2減速補正係数マップを示す。
実線は、非作業中(作業装置40がオフ状態)における減速補正係数α1の特性曲線を示す。破線は、作業中(作業装置40がオン状態)における減速補正係数α1の特性曲線を示す。
この第2減速補正係数マップによれば、旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1は、経過時間Tcが0のときに最大の1.0であり、時間Tcが経過するほど0に近い値であることが判る。より具体的には減速補正係数α1は、上限値を1.0に設定するとともに下限値を0.0に設定したものである。
実線にて示す減速補正係数α1は、非作業中における係数であって、上限値の1.0は経過時間Tcが0(msec)のときに対応する。下限値の0.0は経過時間Tcが500(msec)のときに対応する。
破線にて示す減速補正係数α1は、作業中における係数であって、上限値の1.0は経過時間Tcが0(msec)のときに対応する。下限値の0.0は経過時間Tcが400(msec)のときに対応する。このように、破線にて示す作業中の減速補正係数α1は、実線にて示す非作業中の減速補正係数α1よりも小さい特性に設定した。
図10は本発明に係る旋回内側モータの第3減速補正係数マップの説明図であり、条件が「SL≧Ls」の場合において、横軸をカウント時間Tc、すなわち経過時間Tc(msec)とし、縦軸を旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1として、経過時間Tcに対応する減速補正係数α1を得る、旋回内側モータ33Lの第3減速補正係数マップを示す。
実線は、非作業中(作業装置40がオフ状態)における減速補正係数α1の特性曲線を示す。破線は、作業中(作業装置40がオン状態)における減速補正係数α1の特性曲線を示す。
この第3減速補正係数マップによれば、旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1は、経過時間Tcが0のときに最大の1.0であり、時間Tcが経過するほど0に近い値であることが判る。より具体的には減速補正係数α1は、上限値を1.0に設定するとともに下限値を0.0に設定したものである。
第3減速補正係数マップによる減速補正係数α1の特性曲線は、上記図9に示す減速補正係数α1の特性曲線よりも下方へ湾曲したものである。すなわち、実速度Lsがより小さいので、減速補正係数α1が急激に小さくなるように設定した。
実線にて示す減速補正係数α1は、非作業中における係数であって、上限値の1.0は経過時間Tcが0(msec)のときに対応する。下限値の0.0は経過時間Tcが500(msec)のときに対応する。
破線にて示す減速補正係数α1は、作業中における係数であって、上限値の1.0は経過時間Tcが0(msec)のときに対応する。下限値の0.0は経過時間Tcが400(msec)のときに対応する。このように、破線にて示す作業中の減速補正係数α1は、実線にて示す非作業中の減速補正係数α1よりも小さい特性に設定した。
上記図7に示すST114においては、選択された旋回内側モータの減速補正係数マップにより、カウント時間Tcの変化に応じた減速補正係数α1を求めればよい。
図11は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その3)であり、上記図7の出結合子A1と本図の入結合子A1とを経てST121に進んだことを示す。
ST121;左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの実速度Lsに旋回内側モータの減速補正係数α1を乗じて、旋回内側モータ33Lの減速目標速度Ltを得る。この場合の実速度Lsは、ST106(図7参照)で求めた計測値である。
ST122:減速目標速度Ltに基づく減速制御信号出力Qdi(図示せず)によって、旋回内側モータ33Lの減速制御を実行する。すなわち、実速度Lsを減速目標速度Ltまで減速させるように制御する。
ST123;左旋回操作スイッチ81Lのスイッチ信号を入力信号として読み込む。
ST124;左旋回操作スイッチ81Lがオンであるか否かを調べる。YESなら旋回操作を続行中であると判断して、この図の出結合子A2及び図7の入結合子A2を介してST103に戻る。NOなら旋回操作を終了したと判断してST125に進む。
ST125;第1タイマのカウント時間Tcを0にリセットする。第1タイマのカウントは続行している。
ST126;予め設定された旋回内側モータ加速パターン、すなわち、図12に示す旋回内側モータの加速補正係数マップにより、カウント時間Tcから加速補正係数β1を求める。カウント時間Tcの変化に応じた加速補正係数β1を求めればよい。
ST127;左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの実速度Lsを計測する。
ST128;旋回内側モータ33Lの実速度Lsに旋回内側モータの加速補正係数β1を乗じて、旋回内側モータ33Lの加速目標速度Ht1を得る。なお、実速度Lsが0であるときには、加速目標速度Ht1を0よりも若干大きい値に補正すればよい。
ST129:加速目標速度Ht1に基づく加速制御信号出力Qui(図示せず)によって、旋回内側モータ33Lの加速制御を実行する。すなわち、実速度Lsを加速目標速度Ht1分だけ加速させるように制御する(「Ls+Ht1」に制御する)。
ST130;第1タイマのカウント時間(経過時間)Tcが、予め設定された一定の第1基準時間Ts1に達したか否かを調べる。YESなら直進に切換えたときの、旋回内側モータ33Lの加速制御が終了したと判断してST131に進む。NOならST126に戻る。
ST131;第1タイマを停止させた後に、図6のST05にリターンする。
ここで、図12に基づき旋回内側モータの加速補正係数マップについて説明する。
図12は本発明に係る旋回内側モータの加速補正係数マップの説明図であり、横軸をカウント時間Tc、すなわち経過時間Tc(msec)とし、縦軸を旋回内側モータ33Lの加速補正係数β1として、経過時間Tcに対応する加速補正係数β1を得る、旋回内側モータ33Lの加速補正係数マップを示す。
この加速補正係数マップによれば、旋回内側モータ33Lの加速補正係数β1は、経過時間Tcが0のときに0に近く時間Tcが経過するほど1に近い値であることが判る。より具体的には加速補正係数β1は、上限値を1.0に設定するとともに下限値を0.0〜0.1に設定したものである。
一般に、電動車両10を旋回走行から直進走行へ切換えるときには、図12の破線で示すように加速補正係数β1を徐々に増大させていく。すなわち、旋回内側モータ33Lを最低速度から徐々に加速する。
しかし、徐々に加速したのでは、左右の走行装置20L,20Rのそれぞれの慣性の影響や、左右の走行装置20L,20Rの速度差が大きい場合などには、直進走行状態に速やかに切換り難い。特に、左右の走行装置20L,20Rをクローラとした場合には、クローラ特有の接地性の高さや駆動力の大きさがある。このため、電動車両10を旋回走行から直進走行へ切換え操作しても、速やかに切換り難い。
これを解消するために本発明においては、実線で示す加速補正係数β1のようにした。すなわち、実線で示す加速補正係数β1の特性は、左旋回操作スイッチ81Lがオフに切り替わった時点(直進走行操作に切換えた時点)、すなわち経過時間Tcが0のときに、最低値0(零)よりも大幅に大きい0.5程度の初期補正値β1Aとなるように設定したことを特徴とする。
経過時間Tcが0のときの加速補正係数β1は、最低値0(零)又はほぼ0に一定値を加えた値β1Aである。例えば、最低値が0であれば一定値は0.5であり、また、最低値が0.1であれば一定値は0.4である。従って、最低値に一定値を加えた値β1Aは0.5である。
その後、時間Tcが経過するにつれて、加速補正係数β1は徐々に増大する。
上記図11のST128及びST129で述べたように、旋回内側モータ33Lの加速制御信号出力Qui(図示せず)は、旋回内側モータの加速補正係数β1に対応する値である。加速補正係数β1が大幅に増大すれば加速制御信号出力Quiも大幅に増大する。
言い換えると、旋回内側モータ33Lの加速制御信号出力Quiは、左旋回操作スイッチ81Lがオフに切り替わった時点、すなわち操作解除信号を受けた時点における加速制御信号出力の最低値Quimに一定値Quicを加えた値である(Qui=Quim+Quic)。なお、Quim及びQuicについては図示しない。
左旋回操作スイッチ81Lがオフに切り替わった時点(経過時間Tcが0の時点)で旋回内側モータ33Lの加速補正係数β1、すなわち加速制御信号出力Quiが極めて大きいので、旋回内側モータ33Lを一気に加速することにより、左右の電動モータ33L,33Rの速度差を急速に解消するようにした。
図13は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その4)であり、非作業中での旋回外側モータの左旋回モード制御を具体的に実行するための、旋回外側制御サブルーチンを示す。
ST201:制御部56に内蔵された第2タイマを、リセットした(カウント時間Tdを0)後にスタートさせる。
ST202;右の電動モータ(旋回外側モータ)33Rの実速度Rsを計測する。実速度Rsは、例えば図4の回転センサ98Rで現実の電動モータ33Rの回転数を計測すればよい。
ST203;予め設定された旋回外側モータ減速パターン、すなわち、図14に示す旋回外側モータの減速補正係数マップにより、カウント時間Tdから減速補正係数α2を求める。カウント時間Tdの変化に応じた減速補正係数α2を求めればよい。
ST204;旋回外側モータ33Rの実速度Rsに旋回外側モータの減速補正係数α2を乗じて、旋回外側モータ33Rの減速目標速度Rtを得る。
ST205:減速目標速度Rtに基づく減速制御信号出力Qdo(図示せず)によって、旋回外側モータ33Rの減速制御を実行する。すなわち、実速度Rsを減速目標速度Rtまで減速させるように制御する。
ST206;左旋回操作スイッチ81Lのスイッチ信号を入力信号として読み込む。
ST207;左旋回操作スイッチ81Lがオンであるか否かを調べる。YESなら旋回操作を続行中であると判断してST202に戻る。NOなら旋回操作を終了したと判断して、出結合子A3に進む。
ここで、図14に基づき旋回外側モータの減速補正係数マップについて説明する。
図14は本発明に係る旋回外側モータの減速補正係数マップの説明図であり、横軸をカウント時間Td、すなわち経過時間Td(msec)とし、縦軸を旋回外側モータ33Rの減速補正係数α2として、経過時間Tdに対応する減速補正係数α2を得る、旋回外側モータ33Rの減速補正係数マップを示す。
これらの減速補正係数α2の特性曲線については、旋回外側モータ33Rの実速度Rsと、上記図7のST107で説明した速度しきい値(高速しきい値SH、低速しきい値SL)とを、比較した結果に基づく曲線である。
すなわち、実速度Rsが高速しきい値SHより大きければ(Rs>SH)、実速度Rsが高速域(高速走行域)にあるので、一点鎖線で示す減速補正係数α2の特性曲線となる。
実速度Rsが、低速しきい値SLより大きく且つ高速しきい値SHまでの範囲(SH≧Rs>SL)であれば、実速度Rsが中速域(中速走行域)にあるので、実線で示す減速補正係数α2の特性曲線となる。
実速度Rsが、0から低速しきい値SLまでの範囲(SL≧Rs)であれば、実速度Rsが低速域(低速走行域)にあるので、破線で示す減速補正係数α2の特性曲線となる。
この減速補正係数マップによれば、旋回外側モータ33Rの減速補正係数α2は、経過時間Tdが0のときに最大の1.0であり、時間Tdが経過するほど0に近い値であることが判る。より具体的には減速補正係数α2は、上限値を1.0に設定する。上限値の1.0は経過時間Tdが0(msec)のときに対応する。
高速走行域では、旋回外側モータ33Rの減速度合いを大きくするために、一点鎖線で示すように、時間Tdが0から200(msec)を経過するまでに下限値の0.7まで低減させる。
中速走行域では、旋回外側モータ33Rの減速度合いを中程度にするために、実線で示すように、時間Tdが0から200(msec)を経過するまでに下限値の0.8まで低減させる。
低速走行域では、旋回外側モータ33Rの減速度合いを小さくするために、破線で示すように、時間Tdが0から200(msec)を経過するまでに下限値の0.9まで低減させる。
上記図13のST203においては、経過時間Tdが0(msec)時点の旋回外側モータ33Rの速度Rs(すなわち、ST201からST202へ進んだ時点に計測された実速度Rs)に基づいて、互いに特性が異なる3つの特性曲線から選択した1つによって、減速補正係数α2を求めることになる。なお、図14に示す3つの特性曲線は、別々の減速補正係数マップとしてもよい。
図15は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その5)であり、上記図13の出結合子A3と本図の入結合子A3とを経てST211に進んだことを示す。
ST211;第2タイマのカウント時間Tdを0にリセットする。第2タイマのカウントは続行している。
ST212;予め設定された旋回外側モータ加速パターン、すなわち、図16に示す旋回外側モータの加速補正係数マップにより、カウント時間Tdから加速補正係数β2を求める。カウント時間Tdの変化に応じた加速補正係数β2を求めればよい。
ST213;右の電動モータ(旋回外側モータ)33Rの実速度Rsを計測する。
ST214;旋回外側モータ33Rの実速度Rsに旋回外側モータの加速補正係数β2を乗じて、旋回外側モータ33Rの加速目標速度Ht2を得る。
ST215:加速目標速度Ht2に基づく加速制御信号出力Quo(図示せず)によって、旋回外側モータ33Rの加速制御を実行する。すなわち、実速度Rsを加速目標速度Ht2分だけ加速させるように制御する(「Rs+Ht2」に制御する)。
ST216;第2タイマのカウント時間(経過時間)Tdが、予め設定された一定の第2基準時間Ts2に達したか否かを調べる。YESなら直進に切換えたときの、旋回外側モータ33Rの加速制御が終了したと判断してST217に進む。NOならST212に戻る。
ST217;第2タイマを停止させた後に、図6のST05にリターンする。
ここで、図16に基づき旋回外側モータの加速補正係数マップについて説明する。
図16は本発明に係る旋回外側モータの加速補正係数マップの説明図であり、横軸をカウント時間Td、すなわち経過時間Td(msec)とし、縦軸を旋回外側モータ33Rの加速補正係数β2として、経過時間Tdに対応する加速補正係数β2を得る、旋回外側モータ33Rの加速補正係数マップを示す。
これらの加速補正係数β2の特性曲線については、旋回外側モータ33Rの実速度Rsと、上記図7のST107で説明した速度しきい値(高速しきい値SH、低速しきい値SL)とを、比較した結果に基づく曲線である。
すなわち、実速度Rsが高速しきい値SHより大きければ(Rs>SH)、実速度Rsが高速域(高速走行域)にあるので、一点鎖線で示す加速補正係数β2の特性曲線となる。
実速度Rsが、低速しきい値SLより大きく且つ高速しきい値SHまでの範囲(SH≧Rs>SL)であれば、実速度Rsが中速域(中速走行域)にあるので、実線で示す加速補正係数β2の特性曲線となる。
実速度Rsが、0から低速しきい値SLまでの範囲(SL≧Rs)であれば、実速度Rsが低速域(低速走行域)にあるので、破線で示す加速補正係数β2の特性曲線となる。
この加速補正係数マップによれば、旋回外側モータ33Rの加速補正係数β2は、経過時間Tdが0のときに0に近く時間Tdが経過するほど1に近い値であることが判る。より具体的には加速補正係数β2は、上限値を1.0に設定したものである。
高速走行域では、旋回外側モータ33Rの加速度合いを大きくするために、一点鎖線で示すように、時間Tdが0から500(msec)を経過するまでに下限値の0.7から1.0まで増加させる。
中速走行域では、旋回外側モータ33Rの加速度合いを中程度にするために、実線で示すように、時間Tdが0から500(msec)を経過するまでに下限値の0.8から1.0まで増加させる。
低速走行域では、旋回外側モータ33Rの加速度合いを小さくするために、破線で示すように、時間Tdが0から500(msec)を経過するまでに下限値の0.9から1.0まで増加させる。
上記図15のST212においては、経過時間Tdが0(msec)時点の旋回外側モータ33Rの速度Rs(すなわち、上記図13のST201からST202へ進んだ時点に計測された実速度Rs)に基づいて、互いに特性が異なる3つの特性曲線から選択した1つによって、加速補正係数β2を求めることになる。なお、図16に示す3つの特性曲線は、別々の加速補正係数マップとしてもよい。
ところで、上記図6のST06は、上述のように作業中(作業装置40がオン状態)での、左旋回モードで電動モータ33L,33Rを制御するステップであり、上記ST05の制御と実質的に同じ制御ステップである。従って、上記図8〜図10に示す各減速補正係数マップのうち、破線にて示す作業中の減速補正係数α1を選択すればよい。
また、上記制御フローにおいて、減速制御信号出力Qdi,Qdo及び加速制御信号出力Qui,Quoは、PI制御ならPI出力、PID制御ならPID出力に相当する。
さらには、左右の電動モータ33L,33Rの駆動制御方式は、例えば、モータ端子にパルス電圧を供給するパルス幅変調方式(PWM方式)である。減速制御信号出力Qdi,Qdo又は加速制御信号出力Qui,Quoに応じて、モータドライバ37L,37Rはパルス幅が制御されたパルス信号を発して、電動モータ33L,33Rの回転を制御することができる。
以上の説明をまとめると、電動車両10は、機体11に左右の走行装置20L,20R、これらの走行装置20L,20Rを各々駆動する左右の電動モータ33L,33R、及びこれらの電動モータ33L,33Rを制御する制御部56を備えるとともに、押し釦形式の左右一対の旋回スイッチ81L,81Rを備える。左右の走行装置20L,20Rはクローラにて構成したものである。
左右の電動モータ33L,33Rのうち、操作している旋回スイッチ81L(又は81R)に対応する方を旋回内側モータ33L(又は33R)と言い、他方を旋回外側モータ33R(又は33L)と言う。
制御部56は、左又は右の旋回スイッチ81L(又は81R)から操作信号を受けたときに、予め設定された互いに異なる複数の旋回内側モータ減速パターン(図8〜図10参照)の中から、左又は右の旋回スイッチ81L(又は81R)を操作した時点の旋回内側モータ33L(又は33R)の実速度Ls(又はRs)に基づいて1つを選択する、旋回内側モータ減速パターン選択ステップ(図6のST02,ST03,ST07及び図7のST106〜108,ST110,ST112)と、選択した旋回内側モータ減速パターンに基づく減速制御信号出力Qdiによって、旋回スイッチ81L(又は81R)の操作を続行中にのみ旋回内側モータ33L(又は33R)の減速制御を実行する、旋回内側モータ減速制御ステップ(図11のST121〜124)と、を備えたことを特徴とする。
従って、左又は右の押し釦形式の旋回スイッチ81L(又は81R)を単に押し続けるだけで、これに対応する旋回内側の電動モータ33L(又は33R)の減速具合を、旋回直前のモータ実速度Ls(又はRs)に応じた減速パターンで減速させることができる。このため、従来からあったハンドルレバー式の旋回操作手段のように、レバーの握り具合によって旋回内側の電動モータ33L(又は33R)の減速具合を調整する場合に比べて、極めて簡単に旋回操作をすることができる。操作者の熟練を要することなく、楽に旋回操作をすることができ、旋回操作性が高まる。しかも、電動車両10を操作者の旋回操作感覚に沿って旋回させることができる。
さらには、押し釦形式の旋回スイッチ81L(又は81R)で旋回内側の電動モータ33L(又は33R)を減速制御することができる。操作者による操作力は操作スイッチ81L(又は81R)を操作する力だけですむ。従って、旋回操作する操作力を軽減することができるので、操作者の一層の労力軽減になるとともに、操作性が高まる。
さらには、押し釦形式の旋回スイッチ81L,81Rであるから、従来のハンドルレバー式の旋回操作手段に比べて簡単な構成でよく、しかも、レバー操作量とこれに対応する操作信号量との調整も不要である。
さらにまた、旋回直前のモータ実速度Ls(又はRs)については、操作者自身が走行路面等の走行状況を考慮し、電動車両10の走破性を考えて最適速度に設定したものである。このような最適のモータ実速度Ls(又はRs)に基づいて、旋回時のモータ減速パターンで減速させつつ旋回することができる。この結果、旋回時の電動車両10の走破性をも高めることができる。
さらに制御部56は、左又は右の旋回スイッチ81L(又は81R)の操作を解除した時点の操作解除信号を受けたときから、予め設定されたモータ加速パターン(図12参照)に基づく加速制御信号出力Quiによって旋回内側モータ33L(又は33R)の加速制御を実行する、旋回内側モータ加速制御ステップ(図11のST124〜ST131)を備えたことを特徴とする。
加速制御信号出力Quiは、操作解除信号を受けた時点における加速制御信号出力の最低値Quimに一定値Quicを加えた値である(Qui=Quim+Quic)ことを特徴とする(図12参照)。
従って、旋回スイッチ81L(又は81R)の操作を解除したときから、加速制御信号出力にて旋回内側モータ33L(又は33R)の加速制御を実行することにより、電動車両10を直進走行に切換えることができる。
この場合、加速制御信号出力の最低値Quimに一定値Quicを加えた値を、旋回スイッチ81L(又は81R)の操作を解除した時点の加速制御信号出力Quiとする。すなわち、直進走行に切換えた時点で、旋回内側モータ33L(又は33R)に対する加速制御信号出力Quiを一気に高める。この結果、旋回内側モータ33L(又は33R)を急激に加速することができる。旋回外側モータ33R(又は33L)の速度Rs(又はLs)に対する旋回内側モータ33L(又は33R)の速度Ls(又はRs)の速度差を急速に解消することができる。このため、電動車両10を旋回走行から直進走行へ迅速に切換えることができる。電動車両10を操作者の操作感覚に合うように、旋回走行から直進走行へ容易に且つ迅速に転換することができる。
特に、左右の走行装置20L,20Rをクローラとした場合には、クローラ特有の接地性の高さや駆動力の大きさがある。このため、旋回走行から直進走行へ切換え操作しても、速やかに切換り難い。これに対して本発明では、旋回内側モータ33L(又は33R)を一気に加速することにより、左右のクローラの速度差を急速に解消して、直進走行へ迅速に切換えることができる。
さらに電動車両10は、除雪作業部等の作業装置40とこの作業装置40をオン・オフ操作する作業用スイッチ73(クラッチ操作スイッチ73)とを備え、作業装置40のオン・オフによって走行装置20L,20Rの走行抵抗が変化する車両である。
複数の旋回内側モータ減速パターン(図8〜図10参照)は、作業用スイッチ73のオン・オフによっても異なるパターンであることを特徴とする。
制御部56は、作業用スイッチ73のオン・オフ信号と、左又は右の旋回スイッチ81L(又は81R)を操作した時点の旋回内側モータ33L(又は33R)の実速度Ls(又はRs)との、組合せに基づいて、複数の旋回内側モータ減速パターン(図8〜図10参照)の中から、1つを選択するように構成した(図6のST02〜ST04,ST07〜ST08及び図7のST106〜108,ST110,ST112)ことを特徴とする。
従って、除雪機のように、作業装置40のオン・オフによって走行装置20L,20Rの走行抵抗が変化する電動車両10の場合に、複数の旋回内側モータ減速パターンを、作業用スイッチ73のオン・オフによっても異なるパターンとすることで、よりきめ細かい旋回制御を行うことができる。
さらに制御部56は、左又は右の旋回スイッチ81L(又は81R)から操作信号を受けたときに、予め設定された互いに異なる複数の旋回外側モータ減速パターン(図14参照)の中から、左又は右の旋回スイッチ81L(又は81R)を操作した時点の旋回外側モータ33R(又は33L)の実速度Rs(又はLs)に基づいて1つを選択する、旋回外側モータ減速パターン選択ステップ(図13のST201〜ST203)と、選択した旋回外側モータ減速パターンに基づく減速制御信号出力Qdoによって、旋回スイッチ81L(又は81R)の操作を続行中にのみ旋回外側モータ33R(又は33L)の減速制御を実行する、旋回外側モータ減速制御ステップ(図13のST204〜ST207)と、を備えたことを特徴とする。
従って、電動車両10を旋回させるときに、旋回スイッチ81L(又は81R)を操作した時点の旋回外側モータ33R(又は33L)の実速度Rs(又はLs)に基づいて旋回外側モータ減速パターンを選択し、その旋回外側モータ減速パターンに基づいて旋回外側モータを33R(又は33L)も減速させるようにしたので、より円滑に電動車両10を旋回させることができる。
なお、本発明は実施の形態では、電動車両は除雪機10等の作業機に限るものではなく、電動運搬車、電動ゴルフカートなどの電動車であれば種類は任意である。
また、各マップにて表された減速補正係数α1,α2の特性曲線及び加速補正係数β1,β2の特性曲線は、演算式等によって求めるものであってもよい。
さらには、電動モータの実速度に応じて選択する減速補正係数のマップ及び加速補正係数のマップの種類(特性曲線の種類)は必要に応じて多くすることによって、より一層きめ細かく速度制御をすることができる。
さらにまた、減速補正係数α1,α2の特性曲線及び加速補正係数β1,β2の特性曲線を表したマップは、経過時間と補正係数との二次元マップに限定されるものではない。例えば、経過時間と補正係数と電動モータの実速度との三次元マップであってもよい。
また、制御部56は内蔵するメモリに、各マップを予め設定しておき、上記制御フローチャートのステップにおいて、マップを適宜読み出して補正係数を設定することができるようにしたものである。図8〜図10、図12、図14及び図16では理解を容易にするために各マップを模式的に表したものであり、各マップの形態はこれに限定されるものではなく、任意に設定することができる。
また、制御部56は、旋回スイッチ81L,81Rの旋回操作を開始した時点の実速度Ls,Rsにだけ、各補正係数α1,α2,β1,β2を乗じて目標速度Lt,Rt,Ht1,Ht2を求め、これらの目標速度によって減速・加速制御をする構成でもよい。
例えば、ST128の実速度Lsは、ST106で計測された値である。ST204及びST214の実速度Rsは、ST201からST202へ進んだ時点に計測された値である。
この場合の制御部56は、刻々と変化する現時点の実速度を、各目標速度Lt,Rt,Ht1,Ht2まで加・減速させるように、ST122,ST129,ST205,ST215で加・減速制御を実行する。
本発明の電動車両は、左右の走行装置を左右の電動モータで各々駆動する除雪機、芝刈機、電動運搬車、電動ゴルフカート、電動車椅子等に好適である。
本発明に係る除雪機(電動車両)の左側面図である。 本発明に係る除雪機の平面図である。 図1の3矢視図である。 本発明に係る除雪機の制御系統図である。 本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その1)である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その2)である。 本発明に係る旋回内側モータの第1減速補正係数マップの説明図である。 本発明に係る旋回内側モータの第2減速補正係数マップの説明図である。 本発明に係る旋回内側モータの第3減速補正係数マップの説明図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その3)である。 本発明に係る旋回内側モータの加速補正係数マップの説明図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その4)である。 本発明に係る旋回外側モータの減速補正係数マップの説明図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その5)である。 本発明に係る旋回外側モータの加速補正係数マップの説明図である。 従来の電動車両の概要図である。
符号の説明
10…電動車両(除雪機)、11…機体、20L,20R…走行装置(クローラ)、33L,33R…電動モータ、40…作業装置、56…制御部、73…作業用スイッチ(オーガスイッチ)、81L,81R…押し釦形式の旋回スイッチ。

Claims (3)

  1. 機体にクローラからなる左右の走行装置、これらの走行装置を各々駆動する左右の電動モータ、及びこれらの電動モータを制御する制御部を備えた電動車両において、
    この電動車両は、押し釦形式の左右一対の旋回スイッチを備え、
    前記左右の電動モータのうち、操作している旋回スイッチに対応する方を旋回内側モータとし他方を旋回外側モータとしたときに、前記制御部は、
    前記左又は右の旋回スイッチから操作信号を受けたときに、予め設定された互いに異なる複数の旋回内側モータ減速パターンの中から、前記左又は右の旋回スイッチを操作した時点の前記旋回内側モータの実速度に基づいて1つを選択する、旋回内側モータ減速パターン選択ステップと、
    前記選択した旋回内側モータ減速パターンに基づく減速制御信号出力によって、前記旋回スイッチの操作を続行中にのみ前記旋回内側モータの減速制御を実行する、旋回内側モータ減速制御ステップと、
    前記左又は右の旋回スイッチの操作を解除した時点の操作解除信号を受けたときから、予め設定されたモータ加速パターンに基づく加速制御信号出力によって前記旋回内側モータの加速制御を実行する、旋回内側モータ加速制御ステップとを備えており、
    前記加速制御信号出力は、前記操作解除信号を受けた時点における加速制御信号出力の最低値に一定値を加えた値であることを特徴とした電動車両。
  2. 請求項1記載の電動車両は、除雪作業部等の作業装置とこの作業装置をオン・オフ操作する作業用スイッチとを備え、前記作業装置のオン・オフによって前記走行装置の走行抵抗が変化する車両であり、
    前記複数の旋回内側モータ減速パターンは、前記作業用スイッチのオン・オフによっても異なるパターンであり、
    前記制御部は、前記作業用スイッチのオン・オフ信号と、前記左又は右の旋回スイッチを操作した時点の前記旋回内側モータの実速度との、組合せに基づいて、前記複数の旋回内側モータ減速パターンの中から、1つを選択するように構成したことを特徴とする電動車両。
  3. 前記制御部は、
    前記左又は右の旋回スイッチから操作信号を受けたときに、予め設定された互いに異なる複数の旋回外側モータ減速パターンの中から、前記左又は右の旋回スイッチを操作した時点の前記旋回外側モータの実速度に基づいて1つを選択する、旋回外側モータ減速パターン選択ステップと、
    前記選択した旋回外側モータ減速パターンに基づく減速制御信号出力によって、前記旋回スイッチの操作を続行中にのみ前記旋回外側モータの減速制御を実行する、旋回外側モータ減速制御ステップと、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動車両。
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