JP4015096B2 - 電動車両 - Google Patents
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Description
ハイブリッド型作業機には、エンジンで走行輪並びに発電機を駆動し、発電機でバッテリを充電し、これらの発電機並びにバッテリを作業用電動モータの電源とするものがある(例えば、特許文献1−2参照。)。
また、他のハイブリッド型作業機には、エンジンで作業部並びに発電機を駆動し、発電機でバッテリを充電し、これらの発電機並びにバッテリを走行用電動モータの電源とするものがある(例えば、特許文献3参照。)。
図13は従来の作業機(電動車両)の概要図である。従来の作業機200は、機体201にオーガ202及びブロア203からなる作業装置204、作業装置204を駆動するエンジン205、クローラからなる左右の走行装置206,206、これらの走行装置206,206を駆動する左右の電動モータ207,207、エンジン205に駆動されてバッテリ208や電動モータ207,207に電力を供給する発電機209、電動モータ207,207を制御する制御部211を備えたというものである。
しかし、振動等によってバッテリ208から導線(ハーネス)が外れると、電圧波形は電圧値が大きく振れる波形のままになる。電圧波形が大きい波形のままであることは、電動モータ207,207等の各種電気部品の作動特性や耐久性を確保する上で好ましくない。作業機200(電動車両)をより安定した作動状態に維持するためにも改良の余地がある。
すなわち、請求項1に係る発明では、電源の電圧が上限しきい値を越える度に電圧異常検出手段から電圧異常高信号を発し、これらの電圧異常高信号の発生周期の逆数が、エンジンの回転数に一定の値を加減して求められた基準の範囲に一致した(ほぼ一致を含む)ときに、バッテリからハーネスが外れることによって電圧波形が発電機で発生した波形のまま、すなわち、電源の電圧が異常になったことを速やかに判断して、電動モータを速やかに停止させることができる。
従って、バッテリからハーネスが外れたことによる不安定な電圧を有する電力を、電動モータを含む各種電気部品に供給することはない。電動モータを含む各種電気部品の作動特性や耐久性を確保することができる。従って、電動車両をより安定した作動状態に維持することができる。
電動車両としての除雪機10(作業機10)は、左右の走行装置20L,20Rを備えた走行フレーム31に、伝動ケース32を上下スイング可能に取付け、伝動ケース32の左右両側部に左右の電動モータ33L,33Rを取付け、伝動ケース32の上部にエンジン34(内燃機関34)を取付けるとともに、伝動ケース32の前部に除雪作業部40を取付け、さらに、伝動ケース32の上部から後上方へ左右の操作ハンドル51L,51Rを延し、これら左右の操作ハンドル51L,51R間に操作盤53を備え、作業者が操作盤53の後から連れ歩く、自力走行式の歩行型作業機である。
スイング駆動機構46により、伝動ケース32並びに除雪作業部40を上下にスイングさせることで、オーガハウジング44の姿勢を調節できる。
図2に示すように、機体11は前部に発電機54及びバッテリ55を備える。
クラッチ操作スイッチ73は、オーガ41並びにブロア42をオン・オフ操作する押し釦スイッチ、すなわち、除雪作業部40(作業部)のオン・オフ操作をする作業切換えスイッチである。以下、クラッチ操作スイッチ73のことを適宜「オーガスイッチ73」と言い換えることにする。
オーガハウジング姿勢調節レバー78は、スイング駆動機構46を操作してオーガハウジング44の姿勢を変更するときに操作するレバーである。
一方、右手の親指を前に延ばして右旋回操作スイッチ81Rの押ボタン82Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
このように、左右の操作ハンドル51L,51Rから手を放すことなく、小さい操作力で極めて容易に旋回操作をすることができる。
従って、除雪機10を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドル51L,51Rを握り替えたり、操作ハンドル51L,51Rから手HL,HRを放す必要がない。このため、除雪機10の操縦性が高まる。
メインスイッチ71にキーを差込み、回してスタート位置にすることにより、セルモータ(スタータ)93の回転によりエンジン34を始動させる。
エンジン用スロットルレバー76は、図示せぬスロットルワイヤでスロットルバルブ94に繋がっているので、エンジン用スロットルレバー76を操作することでスロットルバルブ94の開度を制御することができる。これにより、エンジン34の回転数を制御することができる。
なお、走行準備レバー77をフリーにするか、クラッチ操作スイッチ73を操作するか、の何れかにより電磁クラッチ91を断状態にすることができる。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ36L,36Rを備える。具体的には、左右の電動モータ33L,33Rの各モータ軸を左右の電磁ブレーキ36L,36Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ36L,36Rは、駐車中は制御部56の制御により、ブレーキ状態(オン状態)にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ36L,36Rを開放する。
1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー75と名付けた。
すなわち、左旋回操作スイッチ81Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右旋回操作スイッチ81Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
(1)メインスイッチ71をオフ位置に戻す。
(2)方向速度レバー75を中立位置に戻す。
(3)走行準備レバー77を離す。
左の短絡ブレーキ回路39Lは、文字通り左の電動モータ33Lの両極を短絡させる回路であり、この短絡により電動モータ33Lは急制動状態になる。右の短絡ブレーキ回路39Rも同様であるから説明を省略する。
上述のように除雪機10は、エンジン34により駆動する発電機54と、この発電機54により充電するバッテリ55と、これら発電機54並びにバッテリ55を電源とする電動モータ33L,33Rと、この電動モータ33L,33Rにより駆動する走行輪等の走行部(走行装置)20L,20R(図1参照)と、を備えたものである。
中央処理装置111は、所定の制御内容を判断・実行する制御手段であって、マイクロコンピュータ(「central processing unit」、略称「CPU」)とも言う。
A/D変換回路112は、回転センサ99で検出したエンジン回転数信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する変換器である。
図7は本発明に係る電動車両においてバッテリのハーネス外れを検出するタイムチャート(第1実施例)であり、横軸を時間として各部の作用を示す。
発電機54で発生した電圧波形はノイズを含むので、図7に示すように、一般に電圧値が大きく振れる波形であるが、これをバッテリ55で吸収することで、ノイズの少ない平滑な波形となる。この結果、電源の電圧が通常電圧(標準電圧)Vnでほぼ安定した電力を各種電気部品に供給することができる。
しかし、振動等によってバッテリ55の正極端子55aや負極端子55bからハーネス95,95が外れると、電圧波形は電圧値が大きく振れる波形のままになる。本発明は、この波形の電圧波形を速やかに検出するようにしたことを特徴とする。
図6に示すように、発電機54はエンジン34にて駆動されるものであるから、発電機54の回転数はエンジン34の回転数に対応する特性を有する。この結果、トリガパルスの発生周期T3の逆数は、エンジン34の回転数に一致(ほぼ一致を含む)する特性を有する。一致しない場合には、単なるノイズ信号であるとして無視することができる。第1実施例の発明は、このような特性を利用したものである。
ST01;初期設定をする。例えばフラグF1を「1」とし、制御部56に内蔵(例えば中央処理装置111に内蔵)されたタイマの実カウント時間Cuを0にリセットし、現カウント時間T1を0にリセットし、実エラー回数Erを0にリセットする。
ST02;エンジン34の回転数Noを計測する。回転数Noは、回転センサ99で現実のエンジン34の回転数を計測すればよい。
ST03;回転数Noに予め設定された一定の許容値αを加算した値を、上限しきい値Nuとする。
ST04;回転数Noから予め設定された一定の許容値αを減算した値を、下限しきい値Ndとする。
ST06;トリガパルスが有ったか否かを調べ、YESならST07に進み、NOならST02に戻る。
ST07;フラグF1が「1」であるか否かを調べ、YESなら最初のトリガパルスが有ったと判断してST08に進み、NOなら次のトリガパルスが有ったと判断して出結合子A1に進む。
ST08;タイマの実カウント時間Cuを0にリセットする。
ST09;タイマをスタートさせる。
ST10;フラグF1を「2」と設定した後に、ST02に戻る。
ST21;現カウント時間T1を新たな旧カウント時間T2と設定する。すなわち、旧カウント時間T2を現カウント時間T1に置換する。
ST22;タイマの実カウント時間Cuを現カウント時間T1と設定する。すなわち、現カウント時間T1を実カウント時間Cuに置換する。
ST23;タイマの実カウント時間Cuを0にリセットする。
ST24;現カウント時間T1から旧カウント時間T2を減算した値を、パルスの周期T3とする。
ST26;パルスの周期T3の逆数値Nhが、上限しきい値Nuと下限しきい値Ndとの範囲内(Nu>Nh>Nd)にあるか否かを調べ、NOならST27に進み、YESならST31に進む。すなわち、YESならトリガパルス(電圧異常高信号)の発生周期T3の逆数Nhがエンジン4の回転数Noに一致したと判定する。
ST28;現カウント時間T1を0にリセットする。
ST29;実エラー回数Erを0にリセットする。
ST30;フラグF1を「1」と設定した後に、本図の出結合子A2と図8の入結合子A2とを経てST02に戻る。
ST31;トリガパルス(電圧異常高信号)を検出したので、実エラー回数Erを1回加算する。
ST33;バッテリ55からハーネス95が外れたとして、作業部40(除雪作業部40)を停止させる。
ST34;電動モータ33L,33Rを停止させる
ST35;報知器としての報知表示器84や報音器85を作動させて、ハーネス95が外れたことを報知した後に、この制御を終了する。
これに対して、第1実施例の除雪機10は、電源の電圧が上限しきい値Vhを越える度に電圧異常検出手段113からトリガパルス(電圧異常高信号)を発し、これらのトリガパルスの発生周期T3の逆数Nhがエンジン34の回転数Noに一致した(ほぼ一致を含む)ときに、ハーネス95,95が外れることによって電圧波形が発電機54で発生した波形のまま、すなわち、電源の電圧が異常になったことを速やかに判断して、電動モータ33L,33R及び作業部40を速やかに停止させることができる。
図10は本発明に係る電動車両においてバッテリのハーネス外れを検出するタイムチャート(第2実施例)であり、横軸を時間として各部の作用を示す。
先ず、電源の電圧波形について説明する。発電機54で発生した電圧波形は、上記図7に示す電圧波形と同一であり、詳細な説明を省略する。
一方、図10に示す方形波のトリガパルスは、電圧異常検出手段113によって整形され出力されたデジタル波形である。
このように、第2実施例の電圧異常検出手段113は、上記第1実施例の電圧異常検出手段113に比べて、2倍の個数のトリガパルスを発する構成であることを特徴とする。
制御部56は、トリガパルスの発生回数Er(実エラー回数Er)をカウントし、
一定の時間Ts内で発生回数Erが一定の基準回数(基準エラー回数)を超えたと判断したときに、バッテリ55からハーネス95が外れたと判定する。
ST101;初期設定をする。例えばフラグF1を「1」とし、実エラー回数Erを0にリセットする。
ST102;トリガパルス(電圧異常高信号)を読込む。トリガパルスは電圧異常検出手段113で発したトリガパルスを調べればよい。
ST103;トリガパルスが有ったか否かを調べ、YESならST104に進み、NOならST102に戻る。
ST104;フラグF1が「1」であるか否かを調べ、YESなら最初のトリガパルスが有ったと判断してST105に進み、NOなら次のトリガパルスが有ったと判断してST109に進む。
ST106;タイマをスタートさせる。
ST107;フラグF1を「2」と設定する。
ST108;実エラー回数Erを1とした後に、ST02に戻る。
ST109;カウント時間T11が一定の基準時間Tsに達したか否かを調べ、YESならST110に進み、NOなら本図の出結合子A11に進む。
ST110;タイマをストップさせる。
ST111;フラグF1を「1」と設定する。
ST112;実エラー回数Erを0にリセットした後に、ST02に戻る。
ST122;実エラー回数Erが予め設定された一定の基準エラー回数Esを越えたか否かを調べ、YESであればハーネス95が外れた判定してST123に進み、NOであれば本図の出結合子A12と図11の入結合子A12とを経てST102に戻る。
ST123;バッテリ55からハーネス95が外れたとして、作業部40(除雪作業部40)を停止させる。
ST124;電動モータ33L,33Rを停止させる
ST125;報知器としての報知表示器84や報音器85を作動させて、ハーネス95が外れたことを報知した後に、この制御を終了する。
これに対して、第2実施例の除雪機10は、電源の電圧が上限しきい値Vhを越える度に電圧異常検出手段113からトリガパルス(電圧異常高信号)を発し、一定の時間Ts内でトリガパルスの発生回数Erが一定の基準回数Esを超えたときに、ハーネス95,95が外れることによって電圧波形が発電機54で発生した波形のまま、すなわち、電源の電圧が異常になったことを速やかに判断して、電動モータ33L,33R及び作業部40を速やかに停止させることができる。
その後に、電動モータ33L,33Rを回転させる等によってエンジン34の負荷が増大すると、発電機54で発生した電圧波形の全体が高電圧側に偏る。すなわち、波形のピーク値が高電圧側に移動する。このような電圧波形が上限しきい値Vhを越えたときだけ、トリガパルスを発するのでは、一定の時間Ts内で発生するトリガパルスの発生回数Erが少ない。
Claims (1)
- エンジンにより駆動する発電機と、この発電機により充電するバッテリと、これら発電機並びにバッテリを電源とする電動モータと、この電動モータにより駆動する走行輪等の走行部と、を備える電動車両において、
この電動車両は、
前記エンジンの回転数を計測する回転センサと、
前記電源の電圧が通常電圧に一定の値を加えた上限しきい値を越えたことを検出して電圧異常高信号を発する電圧異常検出手段と、
前記電圧異常高信号の発生周期の逆数が、前記エンジンの回転数に一定の値を加減して求められた基準の範囲に一致したときに前記電動モータを停止させる制御部と、
を備えていることを特徴とする電動車両。
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