JP4308110B2 - 電動車両 - Google Patents

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Description

本発明は、左右の走行装置を左右の電動モータで各々駆動する電動車両に関する。
電動車両としては、左右の走行装置を左右の電動モータで各々駆動するようなものが知られている(例えば、特許文献1−2参照。)。
特公昭48−4260号公報(第1図、第4図) 特開2001−271317公報(図1、図4)
電動車両の一例として特許文献2を次図に基づいて説明する。
図11は従来の電動車両の概要図である。従来の電動車両200は、機体201にオーガ202及びブロア203からなる作業装置204、作業装置204を駆動するエンジン205、クローラからなる左右の走行装置206,206、これらの走行装置206,206を駆動する左右の電動モータ207,207、エンジン205に駆動されてバッテリ208や電動モータ207,207に電力を供給する発電機209、電動モータ207,207を制御する制御部211を備えたというものである。
エンジン205の出力の一部で発電機209を回し、得た電力をバッテリ208に供給するとともに、左右の電動モータ207,207に供給することができる。また、エンジン205の出力の残部を、電磁クラッチ212を介して作業装置204の回転に充てることができる。このように作業機200は、エンジン205で作業装置204を駆動するとともに、電動モータ207,207で走行装置206,206を駆動する形式の除雪機である。
ここで、左右の走行装置206,206のうち、電動車両200を旋回させるときの旋回内側の方を旋回内側の走行装置と言う。また、左右の電動モータ207,207のうち、電動車両200を旋回させるときの旋回内側の方を旋回内側モータと言う。
一般に、電動車両200を旋回走行させるときには、旋回内側モータ207及び旋回内側走行装置206を減速させる。その後、電動車両200を直進走行に切換えるには、旋回内側モータ207及び旋回内側の走行装置206を徐々に加速させる。
しかしながら、特に、旋回内側の走行装置206の速度が停止状態に近い低速である場合には、旋回外側の走行装置206との速度差が大きいので、慣性の影響等もあって、速度差を急速に解消し難い。
特に、左右の走行装置206,206はクローラであるから、クローラ特有の接地性の高さや駆動力の大きさがある。このため、旋回走行から直進走行へ切換え操作したときに、電動車両200を旋回走行から直進走行へ迅速に且つ円滑に切換えるようにするには、改良の余地がある。
本発明は、左右のクローラを各電動モータで駆動する電動車両において、電動車両を旋回走行から直進走行へ迅速に且つ円滑に切換えることができる技術を、提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、機体の左右に配置したクローラベルトの各駆動輪を左右の電動モータで各々駆動するようにし、これらの電動モータを制御する制御部を備えた電動車両において、左右の電動モータのうち、車両を旋回させるときの旋回内側の方を旋回内側モータとしたときに、
制御部は、旋回走行時に減速制御信号出力によって旋回内側モータの減速制御を実行する旋回内側モータ減速ステップと、旋回走行を終了して直進走行に切換えた時点から徐々に高まる加速制御信号出力によって旋回内側モータの加速制御を実行する旋回内側モータ加速ステップとを備え、
この旋回内側モータ加速ステップは、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、旋回内側モータの速度が一定の最低基準速度を上回らない低速度域にあるという条件を満たしたときには、直進走行に切換わった時点だけ一時的に高めた加速制御信号出力によって旋回内側モータの加速制御を実行する構成である。
ここで、「最低基準速度」とは、旋回内側モータが停止又は停止に近い速度である。また、「直進走行に切換わった時点だけ一時的に高めた加速制御信号出力」とは、例えば高レベルのワンショットパルス(ただ1つのパルス)の出力である。
請求項1に係る発明では、旋回走行を終了して直進走行に切換えた時点から、徐々に高まる加速制御信号出力によって旋回内側モータの加速制御を実行するすることにより、電動車両を直進走行に切換えることができる。
この場合、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、旋回内側モータの速度が一定の最低基準速度(停止又は停止に近い速度)を上回らないという低速度域にあるときには、制御部は直進走行に切換わった時点だけ一時的に高い加速制御信号出力を発して、旋回内側モータの加速を一気に促進するように、制御を実行する。すなわち、直進走行に切換えた時点で、旋回内側モータに対する加速制御信号出力を一時的に一気に高める。
この結果、旋回内側モータを停止又は停止に近い速度から急激に加速することができる。旋回外側モータの速度に対する旋回内側モータの速度の速度差を急速に解消することができる。このため、電動車両を操作者の操作感覚に合うように、旋回走行から直進走行へ迅速に且つ円滑に転換することができる。
特に、請求項1の電動車両の走行装置は、機体の左右に配置したクローラベルトを各駆動輪で駆動する方式のクローラであるから、クローラ特有の接地性の高さや駆動力の大きさがある。このため、旋回走行から直進走行へ切換え操作しても、速やかに切換り難い。
これに対して請求項1では、旋回内側モータを停止又は停止に近い速度から一気に加速することにより、左右のクローラの速度差を急速に解消して、旋回走行から直進走行へ迅速に且つ円滑に切換えることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る除雪機(電動車両)の左側面図、図2は本発明に係る除雪機の平面図である。
電動車両としての除雪機10(作業機10)は、左右の走行装置20L,20Rを備えた走行フレーム31に、伝動ケース32を上下スイング可能に取付け、伝動ケース32の左右両側部に左右の電動モータ33L,33Rを取付け、伝動ケース32の上部にエンジン34(内燃機関34)を取付けるとともに、伝動ケース32の前部に除雪作業部40を取付け、さらに、伝動ケース32の上部から後上方へ左右の操作ハンドル51L,51Rを延し、これら左右の操作ハンドル51L,51R間に操作盤53を備え、作業者が操作盤53の後から連れ歩く、自力走行式の歩行型作業機である。
走行フレーム31と伝動ケース32の組合せ構造体は機体11をなす。左右の操作ハンドル51L,51Rは、先端に手で握るグリップ52L,52Rを備える。以下、要部を詳細に説明する。
本発明は、エンジン34で除雪作業部40を駆動し、電動モータ33L,33Rで走行装置20L,20Rを駆動する駆動方式を採用したことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのある内燃機関が適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。
左右の電動モータ33L,33Rは、動力を左右の走行用伝動機構35L,35R(図1参照)を介して左右の走行装置20L,20Rに伝達して、駆動する走行用駆動源である。
左の走行装置20Lは、前部の駆動輪21Lと後部の遊動輪22Lとにクローラベルト23Lを巻き掛け、駆動輪21Lを左の電動モータ33Lで正逆転させるクローラである。右の走行装置20Rは、前部の駆動輪21Rと後部の遊動輪22Rとにクローラベルト23Rを巻き掛け、駆動輪21Rを右の電動モータ33Rで正逆転させるクローラである。
走行フレーム31は、左右の駆動輪用車軸24L,24Rを回転可能に支承するとともに、後部で遊動輪用車軸25を支承するフレームである。左右の駆動輪用車軸24L,24Rは、左右の駆動輪21L,21Rを固定した回転軸である。遊動輪用車軸25は、左右の遊動輪22L,22Rを回転可能に取付けた固定軸である。
エンジン34は、クランク軸34aを下方へ延ばしたバーチカルエンジンであって、動力を伝動ケース32に収納された作業用伝動機構を介して除雪作業部40に伝達して、駆動する作業用駆動源である。
除雪作業部40は、前部のオーガ41、後部のブロア42、上部のシュータ43、オーガ41を囲うオーガハウジング44、及びブロア42を囲うブロアハウジング45からなる。オーガ41は、地面に積もった雪を中央に集める作用をなす。この雪を受け取ったブロア42は、シュータ43を介して雪を除雪機10の周囲の所望の位置へ投射する作用をなす。
スイング駆動機構46により、伝動ケース32並びに除雪作業部40を上下にスイングさせることで、オーガハウジング44の姿勢を調節できる。
図2に示すように、機体11は前部に発電機54及びバッテリ55を備える。
以上の説明から明らかなように、作業機としての除雪機10は、機体11に除雪作業部等の作業装置40、この作業装置40を駆動する内燃機関34、クローラや車輪等の走行装置20L,20R、この走行装置20L,20Rを駆動する電動モータ33L,33R、内燃機関34に駆動されてバッテリ55や電動モータ33L,33Rに電力を供給する発電機54、電動モータ33L,33Rを制御する制御部56を備える。制御部56は、例えば操作盤53の下方に配置又は操作盤53に内蔵する。
図中、61はエンジン34周りを覆うカバー、62はランプ、63はエアクリーナ、64はキャブレータ、65はエンジン排気用マフラ、66は燃料タンクである。
図3は図1の3矢視図である。操作盤53は、背面53a(この図の手前側であり、作業者側の面)に、メインスイッチ71、エンジン用チョーク72、クラッチ操作スイッチ73などを備え、操作盤53の上面53bに右側から左側へ、投雪方向調節レバー74、走行装置に係る方向速度制御部材としての方向速度レバー75、エンジン用スロットルレバー76をこの順に備え、さらに、操作盤53の左にグリップ52Lを配置し、操作盤53の右にグリップ52Rを配置したものである。
左の操作ハンドル51Lは、グリップ52Lの近傍に走行準備レバー77を備える。右の操作ハンドル51Rは、グリップ52Rの近傍にオーガハウジング姿勢調節レバー78を備える。
図1及び図3を参照しつつ説明すると、メインスイッチ71は、キー挿入孔にメインキー(図示せず)を差込んで回すことでエンジン34を始動することのできる周知のイグニッションスイッチであり、例えば、キー挿入孔を中心として「オフ位置OFF」、「オン位置ON」及び「スタート位置ST」を、時計回りにこの順に配列したものである。
メインキーをオフ位置OFFに合せたときには、エンジン34を停止させるとともに、全ての電気系統を遮断させることができる。メインキーをオフ位置OFFからオン位置ONに切換えたときには、エンジン34を停止状態で維持させることができる。メインキーをスタート位置STに合せたときには、エンジン34を始動させることができる。メインキーをスタート位置STからオン位置ONに切換えたときには、始動したエンジン34をそのまま本運転に移行することができる。
エンジン用チョーク72は、引くことで混合気の濃度を高める操作部材である。
クラッチ操作スイッチ73は、オーガ41並びにブロア42をオン・オフ操作する押し釦スイッチ、すなわち、除雪作業部40(作業部)のオン・オフ操作をする作業切換えスイッチである。以下、クラッチ操作スイッチ73のことを適宜「オーガスイッチ73」と言い換えることにする。
投雪方向調節レバー74は、シュータ43の方向を変更するときに操作するレバーである。方向速度レバー75は、電動モータ33L,33Rの走行速度を操作するとともに、電動モータ33L,33Rを正逆転させることで前後進切換えをする前後進速度調節レバーである。エンジン用スロットルレバー76は、スロットルバルブ(図4の符号94参照)の開度を操作することでエンジン34の回転数を制御するレバーである。
走行準備レバー77は、スイッチ手段(図4の符号77a参照)に作用する走行準備部材であり、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になればスイッチ手段はオフになる。作業者の左手で走行準備レバー77を握ってグリップ52L側に下げれば、スイッチ手段はオンとなる。このように、走行準備レバー77が握られているか否かはスイッチ手段で検出することができる。
オーガハウジング姿勢調節レバー78は、スイング駆動機構46を操作してオーガハウジング44の姿勢を変更するときに操作するレバーである。
さらに操作盤53は、左右の操作ハンドル51L,51R間に且つこれら左右の操作ハンドル51L,51Rを握った手で操作可能な範囲に、左右の旋回操作スイッチ81L,81Rを設けたことを特徴とする。
左旋回操作スイッチ81Lは押し釦スイッチからなり、除雪機10の後方(図3の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン82Lを備える。このような左旋回操作スイッチ81Lは、押ボタン82Lを押し操作している間だけスイッチオンとなってスイッチ信号を発する、接点自動復帰式スイッチである。
右旋回操作スイッチ81Rは押し釦スイッチからなり、除雪機10の後方(図3の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン82Rを備える。このような右旋回操作スイッチ81Rは、押ボタン82Rを押し操作している間だけスイッチオンとなってスイッチ信号を発する、接点自動復帰式スイッチである。
より具体的に述べると、操作盤53の背面53aのうち左には、グリップ52Lの近傍で車幅中心CL寄りの位置に左旋回操作スイッチ81L及びそれの押ボタン82Lを配置した。また、操作盤53の背面53aのうち右には、グリップ52Rの近傍で車幅中心CL寄りの位置に右旋回操作スイッチ81R及びそれの押ボタン82Rを配置した。
作業者が両手で左右の操作ハンドル51L,51Rを握ったときに、各手の親指は左右の操作ハンドル間、すなわち、操作ハンドル51L,51Rの内側(車幅中央側)を向くことになる。
作業者は、左右の操作ハンドル51L,51Rを両手で握って除雪機10を操縦しつつ、操作ハンドル51L,51Rを握ったまま、左手の親指を前に延ばして左旋回操作スイッチ81Lの押ボタン82Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。
一方、右手の親指を前に延ばして右旋回操作スイッチ81Rの押ボタン82Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
このように、左右の操作ハンドル51L,51Rから手を放すことなく、小さい操作力で極めて容易に旋回操作をすることができる。
操作盤53のうち、左右の操作ハンドル51L,51R間に且つこれら左右の操作ハンドル51L,51Rを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構としての回生ブレーキ回路(図4の符号38L,38R参照)を操作する左・右旋回操作スイッチ81L,81Rを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドル51L,51Rを両手で握って除雪機10(図1参照)を操縦しつつ、操作ハンドル51L,51Rを握ったままの親指で、左・右旋回操作スイッチ81L,81Rをも操作することができる。
従って、除雪機10を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドル51L,51Rを握り替えたり、操作ハンドル51L,51Rから手を放す必要がない。このため、除雪機10の操縦性が高まる。
さらにまた、操作盤53は背面53aに、報知器としての報知表示器84や報音器85を設けたことを特徴とする。報知表示器84は、制御部56の指令により表示する部材であり、例えば液晶表示器等の表示パネルや、表示灯からなる。報音器85は、制御部56の指令により音を発する部材であり、例えば報知音を発するブザーや、音声を発する音声発生器からなる。
図4は本発明に係る除雪機の制御系統図であり、制御部56内の機器及び情報伝達経路を示す。想像線枠で囲ったエンジン34、電磁クラッチ91、オーガ41及びブロア42が作業部系92であり、その他は走行系となる。なお、制御部56内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。
先ず、除雪作業部40の系統の作動を説明する。
メインスイッチ71にキーを差込み、回してスタート位置にすることにより、セルモータ(スタータ)93の回転によりエンジン34を始動させる。
エンジン用スロットルレバー76は、図示せぬスロットルワイヤでスロットルバルブ94に繋がっているので、エンジン用スロットルレバー76を操作することでスロットルバルブ94の開度を制御することができる。これにより、エンジン34の回転数を制御することができる。
さらにスロットルバルブ94については、制御部56の制御信号に応じて作動するバルブ駆動部94Aにより、バルブ開度が自動制御される構成にしたものである。なお、スロットルバルブ94に対しては、バルブ駆動部94Aでの開度制御の方が、エンジン用スロットルレバー76での開度制御よりも優先する。
エンジン34の出力の一部で発電機54を回し、得た電力をバッテリ55に供給するとともに、左右の電動モータ33L,33Rに供給する。エンジン34の出力の残部は、電磁クラッチ91を介して作業装置40としてのオーガ41及びブロア42の回転に充てる。なお、発電機54やバッテリ55からは、ハーネス95を介して左右の電動モータ33L,33Rや他の電装品へ電力を供給することになる。
98L,98Rは左右の電動モータ33L,33Rの回転数(モータ速度、回転速度)を計測する回転センサである。99はエンジン34の回転数(モータ速度、回転速度)を計測する回転センサである。
走行準備レバー77を握るとともに、クラッチ操作スイッチ73を操作することにより、作業者の意志で電磁クラッチ91を接続し、エンジン34の動力でオーガ41及びブロア42を回転させることができる。
なお、走行準備レバー77をフリーにするか、クラッチ操作スイッチ73を操作するか、の何れかにより電磁クラッチ91を断状態にすることができる。
次に走行装置20L,20R(走行部20L,20R)の系統の作動を、図4に基づき説明する。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ36L,36Rを備える。具体的には、左右の電動モータ33L,33Rの各モータ軸を左右の電磁ブレーキ36L,36Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ36L,36Rは、駐車中は制御部56の制御により、ブレーキ状態(オン状態)にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ36L,36Rを開放する。
メインスイッチ71がオン位置にあること、及び、走行準備レバー77が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー75を前進又は後進に切換えると、電磁ブレーキ36L,36Rは開放(非ブレーキ、オフ)状態になる。
図5は本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図であり、方向速度レバー75は、作業者の手で、矢印Ad,Baの如く往復させることができ、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば車両を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。同様に、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば車両を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。この例では、図の左端に付記した通りに、後進の最高速が0V(ボルト)、前進の最高速が5V、中立範囲が2.3V〜2.7Vになるようにポテンショメータでポジションに応じた電圧を発生させる。
1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー75と名付けた。
図4に戻って、方向速度レバー75の位置情報をポテンショメータ75aから得た制御部56は、左右のモータドライバー37L,37Rを介して左右の電動モータ33L,33Rを回転させ、電動モータ33L,33Rの回転速度を回転センサ98L,98Rで検出して、その信号に基づいて回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪21L,21Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。
走行中の制動は次の手順で行う。本発明ではモータドライバ37L,37Rに回生ブレーキ回路38L,38R及びブレーキ手段としての短絡ブレーキ回路39L,39Rを含む。
バッテリから電動モータへ電気エネルギーを供給することで、電動モータは回転する。一方、発電機は回転を電気エネルギーに変換する手段である。そこで、本発明では電気的切換えにより、電動モータ33L,33Rを発電機に変え、発電させるようにした。発電電圧がバッテリ電圧より高ければ、電気エネルギーはバッテリ55へ蓄えることができる。これが回生ブレーキ38L,38Rの作動原理である。
左旋回操作スイッチ81Lを押している間は、そのスイッチオンのスイッチ信号に基づいて制御部56は左の回生ブレーキ回路38Lを作動させ、左の電動モータ33Lの速度を下げる。右旋回操作スイッチ81Rを押している間は、そのスイッチオンのスイッチ信号に基づいて制御部56は右の回生ブレーキ回路38Rを作動させ、右の電動モータ33Rの速度を下げる。
すなわち、左旋回操作スイッチ81Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右旋回操作スイッチ81Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
そして、次の(1)〜(3)の何れかにより、走行を停止させることができる。
(1)メインスイッチ71をオフ位置に戻す。
(2)方向速度レバー75を中立位置に戻す。
(3)走行準備レバー77を離す。
この停止は所定の電気的減速制御を施したのちに、短絡ブレーキ回路39L,39Rを用いて実行する。
左の短絡ブレーキ回路39Lは、文字通り左の電動モータ33Lの両極を短絡させる回路であり、この短絡により電動モータ33Lは急制動状態になる。右の短絡ブレーキ回路39Rも同様であるから説明を省略する。
停止後にメインスイッチ71をオフ位置に戻せば、電磁ブレーキ36L,36Rがブレーキ状態となり、パーキングブレーキを掛けたことと同じになる。
次に、上記図4に示す制御部56をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図4を参照しつつ、図6〜図10に基づき説明する。この制御フローは、例えばメインスイッチ71をオンにしたときに開始する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。
図6は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その1)である。
ST01;初期設定をする。
ST02;メインスイッチ71、方向速度レバー75、走行準備レバー77のスイッチ手段77a、左・右旋回操作スイッチ81L,81R等の、各スイッチ信号(レバー位置信号を含む)を入力信号として読み込む。
ST03;左旋回操作スイッチ81L(以下、「左旋回スイッチ81L」と言う。)がオンであるか否かを調べ、YESならST04に進み、NOならST05に進む。
ST04;左旋回モードで電動モータ33L,33Rを制御する。なお、このST04を具体的に実行するためのサブルーチンについては、後述する図7〜図10にて示す。
ST05;右旋回操作スイッチ81R(以下、「右旋回スイッチ81R」と言う。)がオンであるか否かを調べ、YESならST06に進み、NOならST07に進む。
ST06;右旋回モードで電動モータ33L,33Rを制御する。なお、このST06の制御については、上記ST04の制御と実質的に同じ制御ステップであり、左旋回制御の代わりに右旋回制御を実行するものである。説明を省略する。
ST07;左・右操作スイッチ81L,81Rが共にオフなので、直進モードで電動モータ33L,33Rを制御する。すなわち、電動車両10を直進させる。
ST08;メインスイッチ71が「オン位置」にあるか否かを調べ、YESならこの制御を続行すると判断してST02に戻り、NOならこの制御を終了する。
図7は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その2)であり、左旋回モード制御のうち、左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの減速制御を具体的に実行するためのサブルーチンを示す。
ST101:制御部56に内蔵されたタイマを、リセットした(カウント時間Tcを0)後にスタートさせる。
ST102;上記図6のST03において左旋回操作スイッチ81Lがオンなので、左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの実速度Lsを計測する。実速度Lsは、例えば図4の回転センサ98Lで現実の電動モータ33Lの回転数を計測すればよい。
ST103;図8に示す旋回内側モータの減速補正マップにより、カウント時間Tcから減速補正係数α1を求める。
ここで、図8に基づき旋回内側モータの減速補正マップについて説明する。
図8は本発明に係る旋回内側モータの減速補正マップの説明図であり、横軸をカウント時間Tc、すなわち経過時間Tc(msec)とし、縦軸を旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1として、経過時間Tcに対応する減速補正係数α1を得る、旋回内側モータ33Lの減速補正マップを示す。
この減速補正マップによれば、旋回内側モータ33Lの減速補正係数α1は、経過時間Tcが0のときに最大の1.0であり、時間Tcが経過するほど0に近い値であることが判る。より具体的には減速補正係数α1は、上限値を1.0に設定するとともに下限値をα1a(例えば0.1)に設定したものである。
減速補正係数α1の特性曲線は、上限値の1.0は経過時間Tcが0(msec)のときに対応する。下限値のα1aは経過時間Tcが500(msec)のときに対応する。
上記図7に示すST103においては、旋回内側モータの減速補正係数マップにより、カウント時間Tcの変化に応じた減速補正係数α1を求めればよい。
図7に戻って説明を続ける。
ST104;左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの実速度Lsに旋回内側モータの減速補正係数α1を乗じて、旋回内側モータ33Lの減速目標速度Ltを得る。
ST105:減速目標速度Ltに基づく減速制御信号出力Qd(図示せず)によって、旋回内側モータ33Lの減速制御を実行する。すなわち、実速度Lsを減速目標速度Ltまで減速させるように制御する。
ST106;左旋回操作スイッチ81Lのスイッチ信号を入力信号として読み込む。
ST107;左旋回操作スイッチ81Lがオンであるか否かを調べる。YESなら旋回操作を続行中であると判断して、ST102に戻る。NOなら旋回操作を終了したと判断して、出結合子A1に進む。
図9は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その3)であり、上記図7の出結合子A1と本図の入結合子A1とを経てST111に進んだことを示す。この図9は、左旋回モード制御のうち、旋回終了後の左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの加速制御を具体的に実行するためのサブルーチンを示す。
ST111;旋回操作から直進操作に切り替わったので、左の電動モータ(旋回内側モータ)33Lの実速度Lsを計測する。
ST112;実速度Lsが予め設定された一定の最低基準速度Lmを超えているか否かを調べる。YESなら、実速度Lsが最低基準速度Lmを超えた「通常速度域」にあるという条件を満たしているのでST113に進む。NOなら、実速度Lsが最低基準速度Lmを上回らない「低速度域」にあるという条件を満たしているのでST114に進む。
ここで、「最低基準速度Lm」とは、旋回内側モータ33Lが停止又は停止に近い速度Ls、すなわち、電動モータ33Lの回転速度Lsがほぼ停止速度に近い(電動モータ速度が0rpm又はほぼ0rpm)値である。より具体的な例示を挙げれば、電動モータ33Lの回転速度Lsが 0〜30rpm程度、又は駆動輪21Lの回転数が0〜1rpm程度の速度である。
ST113;実速度Lsが通常速度域にあるので、予め設定され、加速補正係数の特性が互いに異なる複数の旋回内側モータ加速パターンの中から1つ、すなわち第1のパターンを選択する。具体的には図10に示す旋回内側モータの第1加速補正マップMaを選択する。
ST114;実速度Lsが低速度域にあるので、予め設定され、加速補正係数の特性が互いに異なる複数の旋回内側モータ加速パターンの中から1つ、すなわち第2のパターンを選択する。具体的には図10に示す旋回内側モータの第2加速補正マップMbを選択する。
ST115;タイマのカウント時間Tcを0にリセットする。タイマのカウントは続行している。
ST116;選択された旋回内側モータ加速パターン、すなわち図10から選択された旋回内側モータの加速補正マップMa,Mbにより、カウント時間Tcから加速補正係数β1を求める。カウント時間Tcの変化に応じた加速補正係数β1を求めればよい。
ST117;旋回内側モータ33Lの実速度Lsを計測する。
ST118;旋回内側モータ33Lの実速度Lsに旋回内側モータの加速補正係数β1を乗じて、旋回内側モータ33Lの加速目標速度Ht1を得る。
ST119:加速目標速度Ht1に基づく加速制御信号出力Qu(図示せず)によって、旋回内側モータ33Lの加速制御を実行する。すなわち、実速度Lsを加速目標速度Ht1分だけ加速させるように制御する(「Ls+Ht1」に制御する)。
ST120;タイマのカウント時間(経過時間)Tcが、予め設定された一定の基準時間Tsに達したか否かを調べる。YESなら直進に切換えたときの、旋回内側モータ33Lの加速制御が終了したと判断してST121に進む。NOならST116に戻る。
ST121;タイマを停止させた後に、図6のST04にリターンする。
ここで、図10に基づき旋回内側モータの加速補正マップについて説明する。
図10は本発明に係る旋回内側モータの加速補正マップの説明図であり、横軸をカウント時間Tc、すなわち経過時間Tc(msec)とし、縦軸を旋回内側モータ33Lの加速補正係数β1として、経過時間Tcに対応する加速補正係数β1を得る、旋回内側モータ33Lの第1・第2加速補正マップMa,Mbを示す。
図10において、破線の曲線は、第1加速補正マップMaの特性曲線を示し、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、実速度Lsが最低基準速度Lmを超えた「通常速度域」にあるという条件に対応する。
実線の曲線は、第2加速補正マップMbの特性曲線を示し、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、実速度Lsが最低基準速度Lmを上回らない「低速度域」にあるという条件に対応する。
第1・第2加速補正マップMa,Mbによれば、旋回内側モータ33Lの加速補正係数β1は、経過時間Tcが0のときに0に近く時間Tcが経過するほど1に近い値であることが判る。より具体的には加速補正係数β1は、上限値を1.0に設定した。
通常の旋回走行時には、電動車両10を旋回走行から直進走行へ切換えたときに、旋回内側モータ33Lの実速度Lsが最低基準速度Lmを超えた「通常速度域」にある。この場合には直進走行へ切換えたときに、第1加速補正マップMaの特性曲線によって、加速補正係数β1を求めればよい。第1加速補正マップMaによる加速補正係数β1は、直進走行に切換えた時点(経過時間Tc=0)で0.05程度のβ1aを最低値とし、この最低値β1aから時間Tcの経過とともに徐々に増大するように変化する特性を有する。
制御部56は、直進走行に切換えた時点から加速補正係数β1の変化に応じて、徐々に高まる加速制御信号出力Qu(図示せず)により、旋回内側モータ33Lの加速制御を実行することになる。この結果、旋回内側モータ33Lは最低速度から徐々に加速する。
しかしながら、電動車両10を旋回走行から直進走行へ切換えたときに、旋回内側モータ33Lの実速度Lsが最低基準速度Lmを上回らない「低速度域」にある場合には、旋回内側の走行装置20Lの速度が停止状態に近い低速であり、旋回外側の走行装置20Rとの速度差が大きい。従って、第1加速補正マップMaの特性曲線をそのまま採用したのでは、左右の走行装置20L,20Rのそれぞれの慣性の影響等もあって、速度差を急速に解消し難い。特に、左右の走行装置20L,20Rはクローラであるから、クローラ特有の接地性の高さや駆動力の大きさがある。従って、電動車両10を旋回走行から直進走行へ切換え操作しても、電動車両10は速やかに切換り難い。
これを解消するために本発明においては、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、旋回内側モータ33Lの速度Lsが低速度域にあるという条件を満たしたときには、図10の第2加速補正マップMbを選択することにした。
第2加速補正マップMbによる加速補正係数β1は、直進走行に切換えた時点(経過時間Tc=0)で0.1程度のβ1bを最低値とし、この最低値β1bから時間Tcの経過とともに徐々に増大するように変化する特性を有するとともに、さらに、直進走行に切換わった時点だけ、一時的に高い補正係数β1cとなる特性を有する。
すなわち、第2加速補正マップMbの特性曲線のように、加速補正係数β1を一時的に高めた。詳しくは、第2加速補正マップMbの特性は、左旋回操作スイッチ81Lがオフに切り替わった時点(直進走行操作に切換えた時点)に、最低値β1bよりも大幅に大きい0.35程度の初期補正値β1cとなるように設定したことを特徴とする。
より具体的には、直進走行に切換わった時点だけ、例えば高レベルのワンショットパルス(ただ1つのパルス)を発するように加速補正係数β1を高めた特性である。以下、この特性のことを「ワンショットパルス特性」と言う。
このワンショットパルス特性の波形は、直進走行に切換えた時点(経過時間Tc=0)を起点P1とし、若干の時間Tcaを経過(Tc=Tca)したときのピークを最高点P2とし、さらに若干の時間Tcbを経過(Tc=Tcb)したときを終点P3とした、三角波である。三角波のうち、起点P1から最高点P2までは加速補正係数β1が急激に高まる急加速補正範囲であり、最高点P2から終点P3までは加速補正係数β1が急激に戻る急戻し範囲である。
起点P1の加速補正係数β1は0.05程度の補正値β1aである。最高点P2の加速補正係数β1は0.35程度の補正値β1cである。終点P3の加速補正係数β1は0.1程度の補正値β1bである。ここで各値は、β1a<β1b<β1cの関係にある。
起点P1から最高点P2までの時間(Tca−0)は約50msecである。最高点P2から終点P3までの時間(Tcb−Tca)も約50msecである。
言い換えると、加速補正係数β1は、左旋回操作スイッチ81Lがオフに切り替わった時点、すなわち操作解除信号を受けた時点における最低値β1bに一定値(β1c−β1b)を加えた値である。
起点P1から終点P3までの時間(Tcb−0)及び最高点P2の補正値β1cの大きさについては、例えば電動車両10の実際の挙動には変化を与えない程度に設定すればよい。
なお、ワンショットパルス特性の波形は、三角波又は概ね三角波が最も好ましい。しかし、三角波に限定されるものではなく、例えば方形波であってもよい。
ところで、上記図9のST118及びST119で述べたように、旋回内側モータ33Lの加速制御信号出力Qu(図示せず)は、旋回内側モータの加速補正係数β1に対応する値である。加速補正係数β1が大幅に増大すれば、加速制御信号出力Quも大幅に増大する。
言い換えると、左旋回操作スイッチ81Lがオフに切り替わった時点、すなわち操作解除信号を受けた時点における、旋回内側モータ33Lの加速制御信号出力Quは、加速制御信号出力の最低値Qumiに一定値Qucoを加えた値である(Qu=Qumi+Quco)。なお、Qumi及びQucoについては図示しない。
左旋回操作スイッチ81Lがオフに切り替わった時点(経過時間Tcが0の時点)で旋回内側モータ33Lの加速補正係数β1、すなわち加速制御信号出力Quが極めて大きいので、旋回内側モータ33Lを一気に加速することにより、左右の電動モータ33L,33Rの速度差を急速に解消するようにした。
なお、上記制御フローにおいて、減速制御信号出力Qd及び加速制御信号出力Quは、PI制御ならPI出力、PID制御ならPID出力に相当する。
さらには、左右の電動モータ33L,33Rの駆動制御方式は、例えば、モータ端子にパルス電圧を供給するパルス幅変調方式(PWM方式)である。減速制御信号出力Qd又は加速制御信号出力Quに応じて、モータドライバ37L,37Rはパルス幅が制御されたパルス信号を発して、電動モータ33L,33Rの回転を制御することができる。
以上の説明をまとめると、電動車両10は、機体11の左右に配置したクローラベルト23L,23Rの各駆動輪21L,21Rを左右の電動モータ33L,33Rで各々駆動するようにし、これらの電動モータ33L,33Rを制御する制御部56を備える。
左右の電動モータ33L,33Rのうち、電動車両10を旋回させるときの旋回内側の方を旋回内側モータ33L(又は33R)と言い、他方を旋回外側モータ33R(又は33L)と言う。
制御部56は、旋回走行時に減速制御信号出力Qdによって旋回内側モータ33L(又は33R)の減速制御を実行する旋回内側モータ減速ステップ(図7のST101〜ST107)と、旋回走行を終了して直進走行に切換えた時点から徐々に高まる加速制御信号出力Quによって旋回内側モータ33L(又は33R)の加速制御を実行する旋回内側モータ加速ステップ(図7のST107及び図9のST111〜ST120)とを備える。
この旋回内側モータ加速ステップ(図7のST107及び図9のST111〜ST120)は、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、旋回内側モータ33L(又は33R)の実速度Ls(又はRs)が一定の最低基準速度Lmを上回らない低速度域にあるという条件を満たしたときには、直進走行に切換わった時点だけ一時的に高めた加速制御信号出力によって旋回内側モータ33L(又は33R)の加速制御を実行する構成であることを特徴とする。
従って、旋回走行を終了して直進走行に切換えた時点から、徐々に高まる加速制御信号出力Quによって旋回内側モータ33L(又は33R)の加速制御を実行するすることにより、電動車両10を直進走行に切換えることができる。
この場合、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、旋回内側モータ33L(又は33R)の速度Ls(又はRs)が一定の最低基準速度Lm(停止又は停止に近い速度)を上回らないという低速度域にあるときには、制御部56は直進走行に切換わった時点だけ一時的に高い加速制御信号出力Quを発して、旋回内側モータ33L(又は33R)の加速を一気に促進するように、制御を実行する。すなわち、直進走行に切換えた時点で、旋回内側モータ33L(又は33R)に対する加速制御信号出力Quを一時的に一気に高める。
この結果、旋回内側モータ33L(又は33R)を停止又は停止に近い速度から急激に加速することができる。旋回外側モータ33R(又は33L)の速度に対する旋回内側モータ33L(又は33R)の速度の速度差を急速に解消することができる。このため、電動車両10を操作者の操作感覚に合うように、旋回走行から直進走行へ迅速に且つ円滑に転換することができる。
特に、電動車両10の走行装置20L,20Rは、機体11の左右に配置したクローラベルト23L,23Rの各駆動輪23L,23Rを左右の電動モータ33L,33Rを各駆動輪21L,21Rで駆動する方式のクローラであるから、クローラ特有の接地性の高さや駆動力の大きさがある。このため、旋回走行から直進走行へ切換え操作しても、速やかに切換り難い。
これに対して本発明では、旋回内側モータ33L(又は33R)を停止又は停止に近い速度から一気に加速することにより、左右のクローラ20L,20Rの速度差を急速に解消して、旋回走行から直進走行へ迅速に且つ円滑に切換えることができる。
なお、本発明は実施の形態では、電動車両は除雪機10等の作業機に限るものではなく、電動運搬車、電動ゴルフカートなどの電動車であれば種類は任意である。
また、制御部56は内蔵するメモリに、各マップを予め設定しておき、上記制御フローチャートのステップにおいて、マップを適宜読み出して補正係数を設定することができるようにしたものである。図8及び図10では理解を容易にするために各マップを模式的に表したものであり、各マップの形態はこれに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、各マップにて表された減速補正係数α1の特性曲線及び加速補正係数β1の特性曲線は、演算式等によって求めるものであってもよい。
さらにまた、減速補正係数α1の特性曲線及び加速補正係数β1の特性曲線を表したマップは、経過時間と補正係数との二次元マップに限定されるものではない。例えば、経過時間と補正係数と電動モータの実速度との三次元マップであってもよい。
また、左の旋回走行時において、制御部56は、左の旋回スイッチ81Lの旋回操作を開始した時点の実速度Lsにだけ、各補正係数α1,β1を乗じて目標速度Lt,Ht1を求め、これらの目標速度によって減速・加速制御をする構成でもよい。
例えば、ST104及びST118の実速度Lsは、ST101からST102へ進んだ時点に計測された値である。この場合の制御部56は、刻々と変化する現時点の実速度を、各目標速度Lt,Ht1まで加・減速させるように、ST106,ST119で加・減速制御を実行する。
右の旋回走行時においても左の旋回走行時と同様である。
本発明の電動車両は、左右の走行装置を左右の電動モータで各々駆動する除雪機、芝刈機、電動運搬車、電動ゴルフカート、電動車椅子等に好適である。
本発明に係る除雪機(電動車両)の左側面図である。 本発明に係る除雪機の平面図である。 図1の3矢視図である。 本発明に係る除雪機の制御系統図である。 本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その1)である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その2)である。 本発明に係る旋回内側モータの減速補正マップの説明図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャート(その3)である。 本発明に係る旋回内側モータの加速補正マップの説明図である。 従来の電動車両の概要図である。
符号の説明
10…電動車両(除雪機)、11…機体、20L,20R…走行装置(クローラ)、21L,21R…駆動輪、23L,23R…クローラベルト、33L,33R…電動モータ、56…制御部、81L,81R…押し釦形式の旋回スイッチ、ST101〜ST107…旋回内側モータ減速ステップ、ST107,ST111〜ST120…旋回内側モータ加速ステップ、Ls,Rs…旋回内側モータの速度、Lm…最低基準速度。

Claims (1)

  1. 機体の左右に配置したクローラベルトの各駆動輪を左右の電動モータで各々駆動するようにし、これらの電動モータを制御する制御部を備えた電動車両において、
    前記左右の電動モータのうち、車両を旋回させるときの旋回内側の方を旋回内側モータとしたときに、
    前記制御部は、旋回走行時に減速制御信号出力によって前記旋回内側モータの減速制御を実行する旋回内側モータ減速ステップと、旋回走行を終了して直進走行に切換えた時点から徐々に高まる加速制御信号出力によって前記旋回内側モータの加速制御を実行する旋回内側モータ加速ステップとを備え、
    この旋回内側モータ加速ステップは、旋回走行から直進走行へ切換わった時点で、前記旋回内側モータの速度が一定の最低基準速度を上回らない低速度域にあるという条件を満たしたときには、直進走行に切換わった時点だけ一時的に高めた前記加速制御信号出力によって前記旋回内側モータの加速制御を実行する構成であることを特徴とした電動車両。
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