JP2005042311A - 作業機 - Google Patents

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Tsutomu Wakitani
勉 脇谷
Norikazu Shimizu
則和 清水
Yoshihiko Yamagishi
善彦 山岸
Kenji Kuroiwa
堅治 黒岩
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Abstract

【課題】内燃機関及び電動モータを併用した作業機において、電動モータだけを運転して作業機を一時的に短距離だけ走行できるとともに、内燃機関を停止したときの作業機の走行可能な時間をより多く確保すること。
【解決手段】作業機10は、機体に除雪作業部等の作業装置40、作業装置を駆動する内燃機関34、クローラ等の走行装置20L,20R、走行装置を駆動する電動モータ33L,33R、内燃機関に駆動されてバッテリ55や電動モータに電力を供給する発電機54、電動モータを制御する制御部56を備える。制御部は、内燃機関を停止してバッテリから供給される電力だけで電動モータを回転させるときの、走行装置の目標加速度及び目標最高速度を、内燃機関を駆動して電動モータを回転させるときの、走行装置の目標加速度及び目標最高速度よりも小さい値に設定し、この小さい値に基づいて電動モータの回転を制御する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関及び電動モータを併用した作業機の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業機において、内燃機関によって作業装置を駆動するとともに電動モータによって走行装置を駆動するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−271317公報(第3−4頁、図1、図4)
【0004】
特許文献1による従来の作業機の概要を図9で説明する。
図9は従来の作業機の概要図であり、特開2001−271317公報の図4の要部を再掲する。なお、符号は振り直した。
【0005】
従来の作業機100は、機体101にオーガ102及びブロア103からなる作業装置104、作業装置104を駆動するエンジン105、クローラからなる左右の走行装置106,106、これらの走行装置106,106を駆動する左右の電動モータ107,107、エンジン105に駆動されてバッテリ108や電動モータ107,107に電力を供給する発電機109、電動モータ107,107を制御する制御部111を備えたというものである。
【0006】
エンジン105の出力の一部で発電機109を回し、得た電力をバッテリ108に供給するとともに、左右の電動モータ107,107に供給することができる。また、エンジン105の出力の残部を、電磁クラッチ112を介して作業装置104の回転に充てることができる。このように作業機100は、エンジン105で作業装置104を駆動するとともに、電動モータ107,107で走行装置106,106を駆動する形式の除雪機である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の作業機100は、エンジン105で作業装置104を駆動するとともに、電動モータ107,107で走行装置106,106を駆動する形式であるから、比較的小容量で小型のバッテリ108を搭載することが多い。エンジン105から発電機109を介して電動モータ107,107へ、常時電力を供給できるので、大容量のバッテリ108は不要である。発電機109による発電量が、電動モータ107,107で消費される消費電力量よりも若干上回るようにすればよいからである。
【0008】
ところで、このような作業機100においては、エンジン105を運転することなく、一時的に短距離だけ走行させたい場合がある。例えば、作業機100を保管場所に出し入れする場合や、保管場所から近くの作業場所へ移動させる場合である。このような場合にその都度、エンジン105を運転するのでは作業が面倒である。
また、小容量のバッテリ108からだけ電力を供給されて、電動モータ107,107を運転するので、バッテリ108の電力消費量は激しい。このため、作業機100の走行可能な時間を十分に確保するには限界があり、改良の余地がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、内燃機関及び電動モータを併用した作業機において、内燃機関を運転することなく電動モータだけを運転して、作業機を一時的に短距離だけ走行させることができるとともに、内燃機関を停止したときの、作業機の走行可能な時間を、より多く確保することができる技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、機体に除雪作業部等の作業装置、この作業装置を駆動する内燃機関、クローラや車輪等の走行装置、この走行装置を駆動する電動モータ、内燃機関に駆動されてバッテリや電動モータに電力を供給する発電機、電動モータを制御する制御部を備えた作業機において、
制御部は、内燃機関を停止してバッテリから供給される電力だけで電動モータを回転させるときの、走行装置の目標加速度及び目標最高速度を、内燃機関を駆動して電動モータを回転させるときの、走行装置の目標加速度及び目標最高速度よりも小さい値に設定し、さらに、内燃機関を停止しバッテリから供給される電力だけで電動モータを回転させるように制御するとともに、内燃機関を停止したときの小さい値に基づいて電動モータの回転を制御するように構成したことを特徴とする。
【0011】
内燃機関を停止させた状態で、バッテリから供給される電力によってのみ、電動モータを回転させることができる。このため、内燃機関を運転することなく電動モータだけを運転して、作業機を一時的に短距離だけ走行させることができる。内燃機関を運転する作業は不要である。電動モータだけを運転すればよいので、運転作業を簡単にすることができ、作業機の取り扱い性をより高めることができる。さらには、必要以上に内燃機関を運転する必要がないので、内燃機関の耐久性をより高めることができるとともに、内燃機関を運転するための燃料等の消費量をより節減することができる。
【0012】
さらにまた、内燃機関を停止したときの走行装置の目標加速度及び目標最高速度を、内燃機関を駆動ときの走行装置の目標加速度及び目標最高速度よりも小さい値に設定し、この小さい値に基づいて電動モータの回転を制御するようにしたので、バッテリの電力消費速度を抑制することができる。従って、内燃機関を停止したときの、作業機の走行可能な時間を、より多く確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
図1は本発明に係る除雪機の左側面図、図2は本発明に係る除雪機の平面図でである。
図1及び図2に示すように、作業機としての除雪機10は、左右の走行装置20L,20Rを備えた走行フレーム31に、伝動ケース32を上下スイング可能に取付け、伝動ケース32の左右両側部に左右の電動モータ33L,33Rを取付け、伝動ケース32の上部にエンジン34(すなわち、内燃機関34)を取付けるとともに、伝動ケース32の前部に除雪作業部40を取付け、さらに、伝動ケース32の上部から後上方へ左右の操作ハンドル51L,51Rを延し、これら左右の操作ハンドル51L,51R間に操作盤53を備え、作業者が操作盤53の後から連れ歩く、自力走行式の歩行型作業機である。
【0015】
走行フレーム31と伝動ケース32の組合せ構造体は機体11をなす。左右の操作ハンドル51L,51Rは、先端に手で握るグリップ52L,52Rを備える。以下、要部を詳細に説明する。
【0016】
本発明は、内燃機関としてのエンジン34で除雪作業部40を駆動し、電動モータ33L,33Rで走行装置20L,20Rだけを駆動するようにしたことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのある内燃機関が適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。
【0017】
左右の電動モータ33L,33Rは、動力を左右の走行用伝動機構35L,35R(図1参照)を介して左右の走行装置20L,20Rに伝達して、駆動する走行用駆動源である。
【0018】
左の走行装置20Lは、前部の駆動輪21Lと後部の遊動輪22Lとにクローラベルト23Lを巻き掛け、駆動輪21Lを左の電動モータ21Lで正逆転させるクローラである。右の走行装置20Rは、前部の駆動輪21Rと後部の遊動輪22Rとにクローラベルト23Rを巻き掛け、駆動輪21Rを右の電動モータ21Rで正逆転させるクローラである。
【0019】
走行フレーム31は、左右の駆動輪用車軸24L,24Rを回転可能に支承するとともに、後部で遊動輪用車軸25を支承するフレームである。左右の駆動輪用車軸24L,24Rは、左右の駆動輪21L,21Rを固定した回転軸である。遊動輪用車軸25は、左右の遊動輪22L,22Rを回転可能に取付けた固定軸である。
【0020】
エンジン34は、クランク軸34aを下方へ延ばしたバーチカルエンジンであって、動力を伝動ケース32に収納された作業用伝動機構を介して除雪作業部40に伝達して、駆動する作業用駆動源である。
【0021】
除雪作業部40は、前部のオーガ41、後部のブロア42、上部のシュータ43、オーガ41を囲うオーガハウジング44、及びブロア42を囲うブロアハウジング45からなる。オーガ41は、地面に積もった雪を中央に集める作用をなす。この雪を受け取ったブロア42は、シュータ43を介して雪を除雪機10の周囲の所望の位置へ投射する作用をなす。
スイング駆動機構46により、伝動ケース32並びに除雪作業部40を上下にスイングさせることで、オーガハウジング44の姿勢を調節できる。
図2に示すように、機体11は前部に発電機54及びバッテリ55を備える。
【0022】
以上の説明から明らかなように、作業機としての除雪機10は、機体11に除雪作業部等の作業装置40、この作業装置40を駆動する内燃機関34、クローラや車輪等の走行装置20L,20R、この走行装置20L,20Rを駆動する電動モータ33L,33R、内燃機関34に駆動されてバッテリ55や電動モータ33L,33Rに電力を供給する発電機54、電動モータ33L,33Rを制御する制御部56を備える。制御部56は、例えば操作盤53の下方に配置又は操作盤53に内蔵する。
【0023】
図中、61はエンジン34周りを覆うカバー、62はランプ、63はエアクリーナ、64はキャブレータ、65はエンジン排気用マフラ、66は燃料タンクである。
【0024】
図3は図1の3矢視図である。操作盤53は、背面53a(この図の手前側であり、作業者側の面)に、メインスイッチ71、エンジン用チョーク72、クラッチ操作スイッチ73などを備え、操作盤53の上面53bに右側から左側へ、投雪方向調節レバー74、走行装置に係る方向速度制御部材としての方向速度レバー75、エンジン用スロットルレバー76をこの順に備え、さらに、操作盤53の左にグリップ52Lを配置し、操作盤53の右にグリップ52Rを配置したものである。
【0025】
左の操作ハンドル51Lは、グリップ52Lの近傍に走行準備レバー77を備える。右の操作ハンドル51Rは、グリップ52Rの近傍にオーガハウジング姿勢調節レバー78を備える。
【0026】
図1及び図3を参照しつつ説明すると、メインスイッチ71は、キー挿入孔にメインキー(図示せず)を差込んで回すことでエンジン34を始動することのできる周知のイグニッションスイッチであり、例えば、キー挿入孔を中心として「オフ位置OFF」、「オン位置ON」及び「スタート位置ST」を、時計回りにこの順に配列したものである。
【0027】
メインキーをオフ位置OFFに合せたときには、エンジン34を停止させるとともに、全ての電気系統を遮断させることができる。メインキーをオフ位置OFFからオン位置ONに切換えたときには、エンジン34を停止状態にさせることができる。メインキーをスタート位置STに合せたときには、エンジン34を始動させることができる。メインキーをスタート位置STからオン位置ONに切換えたときには、始動したエンジン34をそのまま本運転に移行することができる。
【0028】
エンジン用チョーク72は、引くことで混合気の濃度を高める操作部材である。 クラッチ操作スイッチ73は、オーガ41並びにブロア42をオン・オフ操作する押し釦スイッチである。
投雪方向調節レバー74は、シュータ43の方向を変更するときに操作するレバーである。
方向速度レバー75は、電動モータ33L,33Rの走行速度を操作するとともに、電動モータ33L,33Rを正逆転させることで前後進切換えをする前後進速度調節レバーである。
エンジン用スロットルレバー76は、スロットルバルブ(図4の符号94参照)の開度を操作することでエンジン34の回転数を制御するレバーである。
【0029】
走行準備レバー77は、スイッチ手段(図4の符号77a参照)に作用する走行準備部材であり、リターンスプリングの引き作用により、図に示すフリー状態になればスイッチ手段はオンになる。作業者の左手で走行準備レバー77を握ってグリップ52L側に下げれば、スイッチ手段はオフとなる。このように、走行準備レバー77が握られているか否かはスイッチ手段で検出することができる。
オーガハウジング姿勢調節レバー78は、スイング駆動機構46を操作してオーガハウジング44の姿勢を変更するときに操作するレバーである。
【0030】
さらに操作盤53は、左右の操作ハンドル51L,51R間に且つこれら左右の操作ハンドル51L,51Rを握った手で操作可能な範囲に、左右の旋回操作スイッチ81L,81Rを設けたことを特徴とする。
【0031】
左旋回操作スイッチ81Lは押し釦スイッチからなり、除雪機10の後方(この図の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン82Lを備える。このような左旋回操作スイッチ81Lは、押ボタン82Lを押し操作している間だけスイッチオンとなってスイッチ信号を発する、接点自動復帰式スイッチである。
【0032】
右旋回操作スイッチ81Rは押し釦スイッチからなり、除雪機10の後方(この図の手前側であり、作業者側)を向く押ボタン82Rを備える。このような右旋回操作スイッチ81Rは、押ボタン82Rを押し操作している間だけスイッチオンとなってスイッチ信号を発する、接点自動復帰式スイッチである。
【0033】
より具体的には、操作盤53の背面53aのうち、左にグリップ52Lの近傍で車幅中心CL寄りの位置に左旋回操作スイッチ81L及びそれの押ボタン82Lを配置した。また、操作盤53の背面53aのうち、右にグリップ52Rの近傍で車幅中心CL寄りの位置に右旋回操作スイッチ81R及びそれの押ボタン82Rを配置した。
【0034】
作業者が両手で左右の操作ハンドル51L,51Rを握ったときに、各手の親指は左右の操作ハンドル間、すなわち、操作ハンドル51L,51Rの内側(車幅中央側)を向くことになる。
【0035】
作業者は、左右の操作ハンドル51L,51Rを両手で握って除雪機10を操縦しつつ、操作ハンドル51L,51Rを握ったまま、左手の親指を前に延ばして左旋回操作スイッチ81Lの押ボタン82Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。
一方、右手の親指を前に延ばして右旋回操作スイッチ81Rの押ボタン82Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
このように、左右の操作ハンドル51L,51Rから手を放すことなく、小さい操作力で極めて容易に旋回操作をすることができる。
【0036】
操作盤53のうち、左右の操作ハンドル51L,51R間に且つこれら左右の操作ハンドル51L,51Rを握った手で操作可能な範囲に、旋回機構としての電磁ブレーキ(図4の符号37L,37R参照)を操作する左・右旋回操作スイッチ81L,81Rを設けたので、作業者は、左右の操作ハンドル51L,51Rを両手で握って除雪機10(図1参照)を操縦しつつ、操作ハンドル51L,51Rを握ったままの親指で、左・右旋回操作スイッチ81L,81Rをも操作することができる。
従って、除雪機10を左旋回操作又は右旋回操作する度に、操作ハンドル51L,51Rを握り替えたり、操作ハンドル51L,51Rから手HL,HRを放す必要がない。このため、除雪機10の操縦性が高まる。
【0037】
さらにまた、操作盤53は背面53aに、バッテリモードスイッチ83、バッテリモード報知器としての報知表示器84や報音器85を設けたことを特徴とする。
【0038】
バッテリモードスイッチ83は、例えば、作業者が押ボタンを押し操作している間だけスイッチオンとなってスイッチ信号を発する、接点自動復帰式の押し釦スイッチである。
報知表示器84は、制御部56がバッテリモードであることを判断したときに表示する部材であり、例えば液晶表示器等の表示パネルや、表示灯からなる。報音器85は、制御部56がバッテリモードであることを判断したときに音を発する部材であり、例えば報知音を発するブザーや、音声を発する音声発生器からなる。
【0039】
図4は本発明に係る除雪機の制御系統図であり、制御部56内の機器及び情報伝達経路を示す。想像線枠で囲ったエンジン34、電磁クラッチ91、オーガ41及びブロア42が作業部系92であり、その他は走行系となる。なお、制御部56内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。
【0040】
先ず、除雪作業部40の系統の作動を説明する。
メインスイッチ71にキーを差込み、回してスタート位置にすることにより、セルモータ(スタータ)93の回転によりエンジン34を始動させる。
エンジン用スロットルレバー76は、図示せぬスロットルワイヤでスロットルバルブ94に繋がっているので、エンジン用スロットルレバー76を操作することでスロットルバルブ94の開度を制御することができる。これにより、エンジン34の回転数を制御することができる。
【0041】
エンジン34の出力の一部で発電機54を回し、得た電力をバッテリ55に供給するとともに、左右の電動モータ33L,33Rに供給する。96はバッテリ55の端子電圧(開放取得電圧)を計測する電圧センサである。97L,97Rは左右の電動モータ33L,33Rの回転数(モータ速度、回転速度)を計測する回転センサである。
エンジン34の出力の残部は、電磁クラッチ91を介して作業装置40としてのオーガ41及びブロア42の回転に充てる。
【0042】
走行準備レバー77を握るとともに、クラッチ操作スイッチ73を操作することにより、作業者の意志で電磁クラッチ91を接続し、エンジン34の動力でオーガ41及びブロア42を回転させることができる。
なお、走行準備レバー77をフリーにするか、クラッチ操作スイッチ73を操作するか、の何れかにより電磁クラッチ91を断状態にすることができる。
【0043】
次に走行装置20L,20Rの系統の作動を、図4に基づき説明をする。
本発明の除雪機10は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ37L,37Rを備える。具体的には、左右の電動モータ33L,33Rの各モータ軸を左右の電磁ブレーキ37L,37Rによって制動するようにした。これらの電磁ブレーキ37L,37Rは、駐車中は制御部56の制御により、ブレーキ状態にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ37L,37Rを開放する。
【0044】
メインスイッチ71がスタート位置又はオン位置にあること、及び、走行準備レバー77が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー75を前進又は後進に切換えると、電磁ブレーキ37L,37Rは開放(非ブレーキ)状態になる。左の電磁ブレーキ37Lは左旋回機構の役割をも果たす。右の電磁ブレーキ37Rは右旋回機構の役割をも果たす。
【0045】
図5は本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図である。方向速度レバー75は、作業者の手で、矢印▲1▼,▲2▼の如く往復させることができる。
方向速度レバー75を、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば除雪機を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。
同様に、方向速度レバー75を、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば除雪機を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。
このように、「前進」領域や「後進」領域において、走行装置20L,20R(図4参照)の目標加速度、目標減速度及び目標最高速度を設定することができる。
【0046】
この例では、図5の左端に付記した通りに、後進の目標最高速度が0V(ボルト)、後進の目標低速が2.2V、中立範囲が2.3V〜2.7V、前進の目標低速が2.8V、前進の目標最高速度が5Vになるように、ポテンショメータ75a(図4参照)でポジションに応じた電圧を発生させる。
1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー75と名付けた。
【0047】
図4に戻って、方向速度レバー75の位置情報をポテンショメータ75aから得た制御部56は、左右の電動モータ33L,33Rを回転させ、回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪21L,21Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。
【0048】
左旋回操作スイッチ81Lを押している間は、スイッチオンのスイッチ信号に基づいて左の電磁ブレーキ37Lはブレーキ状態になる。右旋回操作スイッチ81Rを押している間は、スイッチオンのスイッチ信号に基づいて右の電磁ブレーキ37Rはブレーキ状態になる。左・右旋回操作スイッチ81L,81Rから手を放すと、電磁ブレーキ37L,37Rは開放(非ブレーキ)状態に戻る。
【0049】
すなわち、左旋回操作スイッチ81Lを押している間だけ、除雪機10を左旋回させることができる。また、右旋回操作スイッチ81Rを押している間だけ、除雪機10を右旋回させることができる。
【0050】
そして、次の(1)〜(3)の何れかにより、走行を停止させることができる。
(1)メインスイッチ71をオフ位置に戻す。
(2)方向速度レバー75を中立位置に戻す。
(3)走行準備レバー77を離す。
【0051】
この停止は、電動モータ33L,33Rの両極を短絡させる短絡ブレーキ回路(回生ブレーキ)38L,38Rを用いて実行する。短絡ブレーキ回路38L,38Rは、文字通り電動モータ33L,33Rの両極を短絡させる回路であり、この短絡により電動モータ33L,33Rは急制動状態になる。
【0052】
停止後にメインスイッチ71をオフ位置に戻せば、電磁ブレーキ37L,37Rがブレーキ状態となり、パーキングブレーキを掛けたことと同じになる。
【0053】
次に、除雪機10をバッテリ55の電力だけで走行させるときの制御方法を説明する。すなわち、上記図4に示す制御部56をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図3及び図4を参照しつつ、図6〜図8に基づき説明する。
この制御フローは、例えば図3に示すメインスイッチ71を「オフ位置」から「オン位置」へ切換えたときに開始する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。
【0054】
図6は本発明に係るバッテリモード制御フロー図である。
ST01;初期設定をする。
ST02;メインスイッチ71、方向速度レバー75、走行準備レバー77のスイッチ手段77a、左・右旋回操作スイッチ81L,81R、バッテリモードスイッチ83等の、各スイッチ信号(レバー位置信号を含む)を入力信号として読み込む。
【0055】
ST03;バッテリモードであるか否かを調べ、NOならST04に進み、YESならST05に進む。バッテリモードであることを判断するには、次の2つの方法がある。
第1の方法は、バッテリモードスイッチ83がオンであるときに、バッテリモードであると判断する。
【0056】
第2の方法は、左・右旋回操作スイッチ81L,81Rが、同時に連続してオンである時間が一定時間、例えば3秒を経過したという条件が満たされたときに、バッテリモードであると判断する。左・右旋回操作スイッチ81L,81Rは、除雪機10を左旋回又は右旋回させるときに、どちらか一方だけを操作するものであるから、両方を同時に操作することはない。このように通常では行わない、特殊な操作をすることによって、バッテリモードであると判断することができる。
【0057】
第2の方法を採用することで、バッテリモードに操作するときに、操作ハンドル51L,51Rを握り替えたり、操作ハンドル51L,51Rから手を放す必要がない。このため、除雪機10の操縦性が高まる。しかも、新たなバッテリモードスイッチを設ける必要がなく、部品数を削減できる。
【0058】
ST04;メインスイッチ71が「オン位置」にあるか否かを調べ、YESならST02に戻り、NOならリターンしてこの制御を終了する。バッテリモードに切換えることなく、メインスイッチ71を「オフ位置OFF」又は「スタート位置ST」に切換えることで、NOの判断となる。
【0059】
ST05;バッテリモードに移行したので、バッテリモード用目標加速度パターン及びバッテリモード用目標減速度パターンを求める。
バッテリモード用目標加速度パターンはバッテリモード用目標加速度Abを設定するものであり、バッテリモード用目標減速度パターンはバッテリモード用目標減速度Rbを設定するものである。ここで、「バッテリモード用目標加速度Ab」及び「バッテリモード用目標減速度Rb」とは、エンジン34を停止してバッテリ55から供給される電力だけで電動モータ33L,33Rを回転させるときの、走行装置20L,20Rの目標加速度Ab及び目標減速度Rbのことである。
【0060】
バッテリモード用目標加速度Abについては、エンジン34を駆動して電動モータ33L,33Rを回転させるとき、すなわち「通常モード」のときの、走行装置20L,20Rの目標加速度Au(通常モード用目標加速度Au)よりも小さい値に設定する(Ab<Au)。例えば、通常モード用目標加速度Auに対して、バッテリモード用目標加速度Abを1/2〜3/4程度の値に設定する。
【0061】
一方、バッテリモード用目標減速度Rbについては、通常モードのときの走行装置20L,20Rの目標減速度Ru(通常モード用目標減速度Ru)と同一又はほぼ同一の値に設定する(Rb=Ru又はRb≒Ru)。また、通常モード用目標減速度Ruについては、通常モード用目標加速度Auと同等以上の値に設定する(Ru≧Au)。
このようにする理由は、上記図4に示すように、本発明は回生ブレーキ38L,38Rを用いており、走行を停止させるときには、できるだけ回生ブレーキ38L,38Rを用いることにより、ブレーキエネルギーを電力に変換してバッテリ55へ充電することを、より促進させることができるからである。
【0062】
このようなバッテリモード用目標加速度Ab及びバッテリモード用目標減速度Rbについては、より具体的には図7に示すマップにて求める。マップは、制御部56に内蔵したメモリに記憶させたデータである。
【0063】
図7は本発明に係る走行装置の加・減速度マップであり、横軸を到達時間(sec)とし縦軸を走行装置の走行速度(m/s)として、走行装置をある一定の走行速度まで加速又は減速させるのに要する時間、いわゆる到達時間を得る特性線図である。
破線の直線S11,S12,S13は通常モードのときの加・減速度を示す。実線の直線S21,S22,S23はバッテリモードのときの加・減速度を示す。
【0064】
直線S11は、通常モード用目標加速度Auを最小値に設定したときに、走行速度を0(零)から0.1m/sまで加速させるのに1.0secの時間を要することを示す。
直線S12は、通常モード用目標加速度Auを中間値に設定したときに、走行速度を0から0.5m/sまで加速させるのに2.0secの時間を要することを示す。
直線S13は、通常モード用目標加速度Auを最大値に設定したときに、走行速度を0から1.0m/sまで加速させるのに3.0secの時間を要することを示す。
【0065】
一方、直線S21は、バッテリモード用目標加速度Abを最小値に設定したときに、走行速度を0から0.1m/sまで加速させるのに2.0secの時間を要することを示す
直線S22は、バッテリモード用目標加速度Abを中間値に設定したときに、走行速度を0から0.5m/sまで加速させるのに3.0secの時間を要することを示す
直線S23は、バッテリモード用目標加速度Abを最大値に設定したときに、走行速度を0から1.0m/sまで加速させるのに4.0secの時間を要することを示す
【0066】
以上の説明から明らかなように、通常モード用目標加速度Auに対してバッテリモード用目標加速度Abを小さい値に設定したので、走行装置をある一定の走行速度まで加速させるのに要する時間は、通常モードのときよりもバッテリモードのときの方がかかることが判る。
【0067】
一方、上述のように、通常モード用目標減速度Ruについては通常モード用目標加速度Auと同等以上である。また、バッテリモード用目標減速度Rbについては通常モード用目標減速度Ruと同一又はほぼ同一である。従って、通常モードのとき及びバッテリモードのときにおいて、走行装置をある一定の走行速度まで減速させるのに要する時間については、通常モードのときに加速させるのに必要な時間と概ね同じであり、直線S11,S12,S13で表すことができる。
【0068】
このような図7のマップによって通常モード用目標加速度Au、通常モード用目標減速度Ru、バッテリモード用目標加速度Ab及びバッテリモード用目標減速度Rbを求めることができる。
なお、エンジンを駆動して電力の供給を受けながら電動モータを回転させる通常モードのときには、通常モード用目標加速度Au及び通常モード用目標減速度Ruに基づいて、電動モータの回転を制御することになる。
【0069】
図6に戻って説明を続ける。
ST06;バッテリモードに移行したので、バッテリモード用目標速度パターンを求める。
バッテリモード用目標速度パターンは、バッテリモード用目標速度を設定するものである。ここで、「バッテリモード用目標速度」とは、エンジン34を停止してバッテリ55から供給される電力だけで電動モータ33L,33Rを回転させるときの、走行装置20L,20Rの目標速度のことである。バッテリモード用目標速度のうち、最高速度のことをバッテリモード用目標最高速度Smbという。
【0070】
バッテリモード用目標最高速度Smbについては、通常モードのときの走行装置20L,20Rの目標最高速度Smu、すなわち、通常モード用目標最高速度Smuよりも小さい値に設定する(Smb<Smu)。
このようなバッテリモード用目標速度については、より具体的には図8に示すマップにて求める。マップは、制御部56に内蔵したメモリに記憶させたデータである。
【0071】
図8は本発明に係る走行装置の目標速度マップであり、横軸を時間(sec)とし縦軸を走行装置の目標速度(m/s)として、走行装置の目標速度を得る特性線図である。
【0072】
破線にて示す線S3は、通常モードにおいて、目標最低速度を0.1m/sとし、目標中間速度を0.5m/sとし、目標最大速度(通常モード用目標最高速度Smu)を1.0m/sとすることで、段階的に目標速度を設定できる特性を有していることを示す。
実線にて示す線S4は、バッテリモードにおいて、目標最低速度を0.05/sとし、目標中間速度を0.25m/sとし、目標最大速度(バッテリモード用目標最高速度Smb)を0.75m/sとすることで、段階的に目標速度を設定できる特性を有していることを示す。
【0073】
以上の説明から明らかなように、バッテリモードにおける目標最低速度、目標中間速度及び目標最大速度Smbは、通常モードにおいて各々対応する目標最低速度、目標中間速度及び目標最大速度Smuよりも、それぞれ小さい値である。例えば、バッテリモードのときには、通常モードのときに比べて1/2〜3/4程度の値に設定する。
【0074】
マップによれば、方向速度レバー75(図5参照)のレバー位置を、「前進」領域や「後進」領域の最大位置(レンジ最大位置)にセットした場合に、同じレバー位置であっても、通常モード用目標最高速度Smuが1.0m/sであるのに対し、バッテリモード用目標最高速度Smbは0.75m/sに制限されることが判る。
このような図8のマップによって、バッテリモードにおける目標速度(バッテリモード用目標最低速度、バッテリモード用目標中間速度及びバッテリモード用目標最大速度Smb)を求めることができる。
【0075】
なお、エンジンを駆動して電力の供給を受けながら電動モータを回転させる通常モードのときには、通常モード用目標速度(通常モード用目標最低速度、通常モード用目標中間速度及び通常モード用目標最高速度Smu)に基づいて、電動モータの回転を制御することになる。
【0076】
図6に戻って説明を続ける。
ST07;バッテリモード報知器としての報知表示器84や報音器85をオンにする。バッテリモード報知器によって、作業者にバッテリモードに切り替わったことを知らせることができる。
ST08;再び、メインスイッチ71、方向速度レバー75、走行準備レバー77のスイッチ手段77a、左・右旋回操作スイッチ81L,81R、バッテリモードスイッチ83等の、各スイッチ信号(レバー位置信号を含む)を入力信号として読み込む。
【0077】
ST09;走行準備レバー77のスイッチ手段77a、すなわち走行準備スイッチ77aがオンであるか否かを調べ、YESならST10に進み、NOならST11に進む。走行準備レバー77を手で握ったときにYESであると判断する。
ST10;方向速度レバー75が前進位置又は後進位置にあるか否かを調べ、NOならST11に進み、YESならST14に進む。
ST11;走行準備レバー77を離したという条件、又は方向速度レバー75を中立位置(中立範囲)に戻したという条件が満たされたので、電動モータ33L,33Rを停止させる。
【0078】
ST12;メインスイッチ71が「オン位置」にあるか否かを調べ、YESならST08に戻り、NOならST13に進む。
ST13;バッテリモード報知器としての報知表示器84や報音器85をオフにした後に、リターンしてこの制御を終了する。
【0079】
ST14;除雪機10の走行条件、例えばエンジン34の運転状態等を読み込む。
ST15;左右の電動モータ33L,33Rの実速度を計測する。実速度は回転センサ97L,97Rで現実の電動モータ33L,33Rの回転数を計測すればよい。
【0080】
ST16;ST14で得た走行条件に基づいて、左右の電動モータ33L,33Rを制御信号で回転制御した後に、ST08に戻る。
具体的には、ステップST05とST06で求められたバッテリモード用目標加速度Ab、バッテリモード用目標減速度Rb、バッテリモードにおける目標速度(バッテリモード用目標最低速度、バッテリモード用目標中間速度及びバッテリモード用目標最大速度Smb)に、方向速度レバー75のレバー位置に基づく操作データを当てはめることで、最新のバッテリモード用目標加速度Ab、目標減速度Rb、目標速度を決定し、その決定値に基づいて電動モータ33L,33Rの回転を制御する
なお、制御信号出力はPI制御ならPI出力、PID制御ならPID出力に相当する。この制御信号出力はパルス幅変調信号(PWM信号)であってもよい。
【0081】
以上の説明から明らかなように、本発明の制御部56は、エンジン34を停止させた状態で、電動モータ33L,33Rをバッテリ55から供給される電力によって回転させるバッテリモード(制御モード)に切換えて実行するように構成したことを特徴とする。
【0082】
制御部56をバッテリモードに切換えることによって、エンジン34を停止させた状態で、電動モータ33L,33Rをバッテリ55から供給される電力によってのみ、回転させることができる。このため、エンジン34を運転することなく電動モータ33L,33Rだけを運転して、作業機10を一時的に短距離だけ走行させることができる。例えば、作業機10を保管場所に出し入れする、又は、保管場所から近くの作業場所へ移動させることができる。
【0083】
エンジン34を運転する作業は不要である。電動モータ33L,33Rだけを運転すればよいので、運転作業を簡単にすることができ、作業機10の取り扱い性をより高めることができる。また、電動モータ33L,33Rだけを運転して作業機10を移動できるので、騒音を抑制でき、早朝などの静かなときに特に有効である。
さらには、必要以上にエンジン34を運転する必要がないので、エンジン34の耐久性をより高めることができるとともに、エンジン34を運転するための燃料等の消費量をより節減することができる。
【0084】
さらにまた、バッテリモード用目標加速度Abを通常モード用目標加速度Auよりも小さい値に設定するとともに、バッテリモード用目標最高速度Smbを通常モード用目標最高速度Smuよりも小さい値に設定し、これらの小さい値に基づいて電動モータ33L,33Rの回転を制御するようにしたので、バッテリ55の電力消費速度を抑制することができる。従って、エンジン34を停止したときの、除雪機10の走行可能な時間を、より多く確保することができる。
【0085】
除雪機10をバッテリモードで走行させるのは、保管場所に出し入れする場合や、保管場所から近くの作業場所へ移動させる場合のような、一時的に短距離だけ走行させるときだけである。従って、バッテリモードにおいて、除雪機10の加速度や走行速度を制限しても、実質的に差支えない。
【0086】
なお、上記本発明の実施の形態において、作業機は除雪機10に限定されるものではなく、例えば耕耘機であってもよい。
また、走行装置20L,20Rはクローラに限定されるものではなく、例えば車輪であってもよい。
また、内燃機関34はガソリンエンジンやディーゼルエンジンを包含する。
また、作業装置40は除雪作業部に限定されるものではなく、例えば耕耘作業部であってもよい。
【0087】
また、バッテリモードに切換える手段としては、バッテリモードスイッチ83と左・右旋回操作スイッチ81L,81Rの、いずれか一方を備えればよい。
また、左・右旋回操作スイッチ81L,81Rは、押し釦スイッチに限定されるものではなく、例えば、左右の操作ハンドル51L,51Rに備えたレバーによって操作する、左右のレバースイッチであってもよい。その場合には、バッテリモードに切換える手段は、左右のレバースイッチが兼ねることになる。
【0088】
また、図7に示す走行装置の加・減速度マップ、及び、図8に示す走行装置の目標速度マップの具体的な数値については、任意に設定すればよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、内燃機関を停止させた状態で、バッテリから供給される電力によってのみ、電動モータを回転させることができるようにしたので、内燃機関を運転することなく電動モータだけを運転して、作業機を一時的に短距離だけ走行させることができる。内燃機関を運転する作業は不要である。電動モータだけを運転すればよいので、運転作業を簡単にすることができ、作業機の取り扱い性をより高めることができる。さらには、必要以上に内燃機関を運転する必要がないので、内燃機関の耐久性をより高めることができるとともに、内燃機関を運転するための燃料等の消費量をより節減することができる。
【0090】
さらにまた、内燃機関を停止したときの走行装置の目標加速度及び目標最高速度を、内燃機関を駆動ときの走行装置の目標加速度及び目標最高速度よりも小さい値に設定し、この小さい値に基づいて電動モータの回転を制御するようにしたので、バッテリの電力消費速度を抑制することができる。従って、内燃機関を停止したときの、作業機の走行可能な時間を、より多く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除雪機の左側面図
【図2】本発明に係る除雪機の平面図
【図3】図1の3矢視図
【図4】本発明に係る除雪機の制御系統図
【図5】本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図
【図6】本発明に係るバッテリモード制御フロー図
【図7】本発明に係る走行装置の加・減速度マップ
【図8】本発明に係る走行装置の目標速度マップ
【図9】従来の作業機の概要図
【符号の説明】
10…作業機、11…機体、20L,20R…走行装置、33L,33R…電動モータ、34…内燃機関、40…作業装置、54…発電機、55…バッテリ、56…制御部、Ab…バッテリモード用目標加速度、Au…通常モード用目標加速度、Smb…バッテリモード用目標最高速度、Smu…通常モード用目標最高速度、Rb…バッテリモード用目標減速度、Ru…通常モード用目標減速度。

Claims (1)

  1. 機体に除雪作業部等の作業装置、この作業装置を駆動する内燃機関、クローラや車輪等の走行装置、この走行装置を駆動する電動モータ、前記内燃機関に駆動されてバッテリや前記電動モータに電力を供給する発電機、前記電動モータを制御する制御部を備えた作業機において、
    前記制御部は、前記内燃機関を停止して前記バッテリから供給される電力だけで前記電動モータを回転させるときの、前記走行装置の目標加速度及び目標最高速度を、前記内燃機関を駆動して前記電動モータを回転させるときの、前記走行装置の目標加速度及び目標最高速度よりも小さい値に設定し、前記内燃機関を停止し前記バッテリから供給される電力だけで前記電動モータを回転させるように制御するとともに、内燃機関を停止したときの前記小さい値に基づいて前記電動モータの回転を制御するように構成したことを特徴とする作業機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007202261A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Nippon Yusoki Co Ltd 車両の制御装置
JP2019531953A (ja) * 2016-08-09 2019-11-07 ポラリス インダストリーズ インコーポレーテッド 無限軌道全地形対応車両

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