JP2004223105A - 内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡自体で、内視鏡が曝された温度を確実に検出し得る内視鏡を提供すること。
【解決手段】電子内視鏡1は、術者が把持して電子内視鏡1全体を操作する操作部6を有し、この操作部6には、温度検出ユニット3と、表示部4と、電源部5とが設けられている。温度検出ユニット3は、操作部6(電子内視鏡1)の外部に突出して設けられた温度センサ31と、操作部6の内部に設けられた検出器32、変換器33とを備えている。温度検出ユニット3は、電子内視鏡1の周辺温度を検出し、温度データに変換して、これを表示部4に表示する。電子内視鏡1の場合、温度センサ31は、少なくとも45〜80℃程度の温度範囲を検出し得るものであるのが好ましい。また、温度センサ31は、白金抵抗温度計を用いるのが好ましい。
【選択図】図3
【解決手段】電子内視鏡1は、術者が把持して電子内視鏡1全体を操作する操作部6を有し、この操作部6には、温度検出ユニット3と、表示部4と、電源部5とが設けられている。温度検出ユニット3は、操作部6(電子内視鏡1)の外部に突出して設けられた温度センサ31と、操作部6の内部に設けられた検出器32、変換器33とを備えている。温度検出ユニット3は、電子内視鏡1の周辺温度を検出し、温度データに変換して、これを表示部4に表示する。電子内視鏡1の場合、温度センサ31は、少なくとも45〜80℃程度の温度範囲を検出し得るものであるのが好ましい。また、温度センサ31は、白金抵抗温度計を用いるのが好ましい。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、消化管等の検査や診断に、内視鏡が使用されている。このような医療用の内視鏡は、繰り返して使用されるため、検査の処理終了毎に洗浄および消毒・滅菌が行われる。
【0003】
この内視鏡の消毒・滅菌の際には、一般に、高温の薬液や、高温高圧水蒸気等を用いて行われる。このとき、何らかのトラブルにより、薬液を貯留した薬液槽やオートクレーブ槽等の内部温度が異常上昇し、許容範囲を超えた場合、内視鏡の熱に弱い部品(例えば、可撓管の外皮や光学部品等)の形状の変形、特性の劣化等が生じるおそれがある。
【0004】
このため、消毒・滅菌に際して、内視鏡が曝される温度管理を行い、内視鏡が異常な温度に曝された場合、これに対処できるようにしておくことが必要となる。この温度管理は、通常、処理装置(すなわち、薬液槽やオートクレーブ槽等)に装備された温度センサを用いて行われている。
【0005】
しかしながら、処理装置に装備された温度センサで検出される温度は、内視鏡が実際に曝された温度を正確に反映しているとは言えず、処理装置側で検出される温度が正常範囲であったとしても、内視鏡の周辺温度(内視鏡が曝された温度)が異常値にまで上昇している場合もある。したがって、処理装置に装備された温度センサのみでは、内視鏡が曝された温度を管理するのには不十分である。
【0006】
一方、内視鏡の周辺温度を直接検出するために、温度センサや示温シールが内視鏡に設けられることがある。
【0007】
しかしながら、一般に内視鏡に設けられる温度センサは、体腔内を観察する際の温度を検出することを主たる目的とするものであり、測定対象温度は、体温付近であり、この温度範囲に合わせて最適化されている。このため、消毒・滅菌の際の温度範囲を検出するには不適当である。
【0008】
また、オートクレーブ滅菌の終了後、使用可能な温度になったか否かを確認することを目的として、温度センサを設けた内視鏡も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしなから、この内視鏡では、内視鏡を周辺機器に接続した状態で、温度センサの作動に必要な電力が周辺機器から供給されるように設計されており、内視鏡が周辺機器から取り外された状態で行われる消毒・滅菌の際には、温度センサとして作動させることができないという問題がある。
【0009】
一方、示温シールは、所定の温度を超えた際に色の変化を生じる温度検知用のシールであり、内視鏡の外部に貼付した場合、薬液等に接触すると剥がれてしまうため、通常、内視鏡の内部に貼付される。このため、内視鏡の外部から直接視認することができない、また、内視鏡が曝された温度の実測値やその経時変化が判らない等の欠点がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−51979号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、内視鏡自体で、内視鏡が曝された温度を確実に検出し得る内視鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0013】
(1) 管腔内に挿入される挿入部可撓管と、該挿入部可撓管に接続された操作部と、該操作部に接続され、周辺機器に接続する接続部とを備える内視鏡であって、
温度センサを備える温度検出ユニットと、
前記内視鏡に内蔵され、前記温度検出ユニットの作動に必要な電力を供給する電源部とを備えることを特徴とする内視鏡。
これにより、内視鏡自体で、内視鏡が曝された温度を確実に検出し得る。
【0014】
(2) 前記温度センサは、白金抵抗温度計である上記(1)に記載の内視鏡。
白金抵抗温度計は、温度変化や薬液等に対する耐久性に優れている。
【0015】
(3) 前記温度センサは、前記内視鏡の外部に突出するよう設けられている上記(1)または(2)に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡の周辺温度をより確実に検出し得る。
【0016】
(4) 前記温度センサは、前記操作部の基端に設けられている上記(3)に記載の内視鏡。
【0017】
これにより、内視鏡を操作する際に、温度センサがその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0018】
(5) 前記温度センサは、前記接続部に設けられている上記(3)に記載の内視鏡。
【0019】
これにより、内視鏡を操作する際に、温度センサがその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0020】
(6) 前記温度検出ユニットにより検出された温度データを表示する表示部を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡。
【0021】
これにより、内視鏡の周辺温度(内視鏡が曝された温度)をリアルタイムで把握することができる。
【0022】
(7) 前記温度検出ユニットにより検出された温度データを記憶する記憶部を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡。
【0023】
これにより、温度検出ユニットにより検出された温度データを記憶することができ、内視鏡の管理に有用である。
【0024】
(8) 前記記憶部は、温度履歴を記憶する上記(7)に記載の内視鏡。
【0025】
これにより、内視鏡の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができ、内視鏡の管理に有用である。
【0026】
(9) 前記記憶部は、時間とともに温度を記憶する上記(7)または(8)に記載の内視鏡。
【0027】
これにより、内視鏡の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができ、内視鏡の管理に有用である。
【0028】
(10) 前記接続部を前記周辺機器に接続したとき、前記記憶部に記憶された前記温度データが読み出される上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡。
【0029】
これにより、内視鏡の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができ、内視鏡の管理に有用である。
【0030】
(11) 前記電源部は、前記温度検出ユニットに近接して設けられている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、内視鏡内部での配線が複雑となるのを防止することができる。
【0031】
(12) 前記内視鏡は、医療用内視鏡であり、
前記温度センサは、少なくとも45〜80℃の温度範囲を検出し得る上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡。
【0032】
医療用内視鏡は、検査の処理終了毎に洗浄および消毒・滅菌が行われるが、温度センサとして、このような温度範囲を検出し得るものを用いることにより、消毒・滅菌の際に内視鏡が異常な温度に曝された場合、この異常事態をより確実に把握することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、本発明の内視鏡を、医療用内視鏡、特に、電子内視鏡(電子スコープ)に適用した場合について説明する。
【0034】
<第1実施形態>
まず、電子内視鏡の第1実施形態について説明する。
【0035】
図1は、電子内視鏡の第1実施形態を示す全体図、図2は、図1に示す電子内視鏡が備える操作部を示す斜視図、図3は、図1に示す電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。以下、図1中、上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0036】
図1に示す電子内視鏡1は、可撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部可撓管2と、挿入部可撓管2の基端部に接続され、術者が把持して電子内視鏡1全体を操作する操作部6と、操作部6に接続された接続部可撓管7と、接続部可撓管7を介して操作部6に接続された光源差込部(接続部)8とを有している。
【0037】
挿入部可撓管2は、体腔内に挿入して使用される。図1に示すように、挿入部可撓管2は、手元(基端)側から可撓管部20と、可撓管部20の先端部に設けられ、湾曲可能な湾曲部21とを有している。
【0038】
湾曲部21の先端部内側には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられており、この撮像素子は、挿入部可撓管2内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して配設された画像信号ケーブル(図示せず)により、光源差込部8に設けられた画像信号用コネクタ82に接続されている。
【0039】
また、光源差込部8の先端部には、光源用コネクタ81が画像信号用コネクタ82と併設され、光源用コネクタ81および画像信号用コネクタ82を、図示しない光源プロセッサ装置(周辺機器)の接続部に挿入することにより、光源差込部8が光源プロセッサ装置に接続される。この光源プロセッサ装置には、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)が接続されている。
【0040】
光源プロセッサ装置から発せられた光は、光源用コネクタ81、および、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内および挿入部可撓管2内に連続して配設されたライトガイド(図示せず)を通り、湾曲部21(挿入部可撓管2)の先端部より観察部位に照射され、照明する。このようなライトガイドは、例えば、石英、多成分ガラス、プラスチック等により構成される光ファイバーが複数本束ねられて構成されている。
【0041】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力される。この画像信号は、画像信号ケーブルを介して光源差込部8に伝達される。
【0042】
そして、光源差込部8内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0043】
操作部6の図1中前面には、第1操作ノブ61、第2操作ノブ62、第1ロックレバー63および第2ロックレバー64が、それぞれ独立に回動自在に設けられている。
【0044】
各操作ノブ61、62を回転操作すると、挿入部可撓管2内に配設されたワイヤ(図示せず)が牽引されて、湾曲部21が4方向に湾曲し、湾曲部21の方向を変えることができる。
【0045】
各ロックレバー63、64を反時計回りに回転操作すると、それぞれ、湾曲部21の湾曲状態(上下方向および左右方向への湾曲状態)を固定(保持)することができ、一方、時計回りに回転操作すると、湾曲した状態で固定された湾曲部21の固定を解除することができる。
【0046】
また、操作部6の図1中側面(周面)には、3つの制御ボタン65、吸引ボタン66および送気・送液ボタン67が設けられている。
【0047】
電子内視鏡1を光源プロセッサ装置(外部装置)に接続した状態で、各制御ボタン65を押圧操作することにより、光源プロッセサ装置やモニタ装置等の周辺機器の諸動作(例えば、電子画像の動画と静止画との切り替え、電子画像のファイリングシステムや撮影装置の作動および/または停止、電子画像の記録装置の作動および/または停止等)を遠隔操作することができる。
【0048】
吸引ボタン66および送気・送液ボタン67は、それぞれ、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内および挿入部可撓管2内に連続して形成され、一端が挿入部可撓管2の先端で開放し、他端が光源差込部8で開放する吸引チャンネルおよび送気・送液チャンネル(いずれも図示せず)を開閉する機能を有している。
【0049】
すなわち、吸引ボタン66および送気・送液ボタン67を押圧操作する前には、吸引チャンネルおよび送気・送液チャンネルは閉塞されており(流体が通過不能な状態とされており)、一方、吸引ボタン66および送気・送液ボタン67を押圧操作すると、吸引チャンネルおよび送気・送液チャンネルが連通する(流体が通過可能な状態となる)。
【0050】
このような電子内視鏡1には、図2および図3に示すように、操作部6に温度検出ユニット3と、表示部4と、電源部5とが設けられている。すなわち、温度検出ユニット3、表示部4および電源部5は、互いに近接して(操作部6に集約して)設けられている。これにより、電子内視鏡1内部での配線が複雑となるのを防止することができる。
【0051】
温度検出ユニット3は、操作部6(電子内視鏡1)の外部に突出して設けられた温度センサ31と、操作部6の内部に設けられた検出器32、変換器33とを備えている。温度センサ31を電子内視鏡1の外部に突出して設けることにより、電子内視鏡1の周辺温度(電子内視鏡1が曝された温度)をより確実に検出することができる。
【0052】
温度センサ31を操作部6(電子内視鏡1)の外部に突出して設ける場合には、図示の構成のように、操作部6の基端に設けるのが好ましい。これにより、電子内視鏡1を操作する際に、温度センサ31がその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0053】
温度センサ31としては、少なくとも45〜80℃程度(特に、45〜60℃程度)の温度範囲を検出し得るものであるのが好ましい。医療用内視鏡である電子内視鏡1は、検査の処理終了毎に洗浄および消毒・滅菌が行われるが、温度センサ31として、前記温度範囲を検出し得るものを用いることにより、消毒・滅菌の際に電子内視鏡1が異常な温度に曝された場合、この異常事態をより確実に把握することができる。
【0054】
なお、温度センサ31は、このような温度範囲を検出し得るものであればよく、かかる温度範囲を上回る温度や下回る温度をも検出し得るものであってもよい。
【0055】
このような温度センサ31としては、白金抵抗体やサーミスタ等を感温部に用いる電気抵抗型温度センサ、バイメタル等を感温部に用いる熱膨張型温度センサ、熱電対等を感温部に用いる熱起電力型温度センサ、感温ダイオード等を感温部に用いる半導体接合型温度センサ等が挙げられるが、これらの中でも、特に、白金抵抗体を感温部に用いる電気抵抗型温度センサ(すなわち、白金抵抗温度計)が好ましい。白金抵抗温度計は、温度変化や薬液等に対する耐久性に優れているという点で好ましい。
【0056】
この白金抵抗温度計は、白金の電気抵抗が温度によって変化することを利用するものであり、白金抵抗体と接触する物質(本実施形態では、消毒・滅菌に際して電子内視鏡1の周辺に存在する薬液や水蒸気等)の温度変化を、白金抵抗体の電気抵抗の変化として送出する。
【0057】
検出器32は、温度センサ31の温度変化による物性変化を検出するものである。温度センサ31として電気抵抗型温度センサを用いた場合には、この検出器32により温度センサ31の電気抵抗の変化が検出される。
【0058】
変換器33は、検出器32で検出された検出値を、温度データに変換する。例えば、電気抵抗型温度センサの電気抵抗値が、所定の関係式に基づいて温度値(電子内視鏡1が曝された温度)に換算(変換)される。
【0059】
なお、検出器32および変換器33には、それぞれ、検出値および温度データを一時的に記憶するメモリ(記憶部)が設けられている。
【0060】
変換器33には、例えば液晶表示素子(LCD)等で構成される表示部4が接続されている。この表示部4には、変換器33から送信された温度データが表示される。
【0061】
また、操作部6の側部には、表示部4に対応する位置に表示窓68が設けられており、表示部4の表示内容を電子内視鏡1の外部から視認することができる。
【0062】
操作部6(電子内視鏡1)に内蔵された電源部5は、温度検出ユニット3の各部および表示部4に、それぞれ、これらの作動に必要な電力を供給する。この電源部5としては、例えば、一次電池、二次電池、太陽電池(光電変換素子)等が使用可能である。
【0063】
一次電池としては、例えば、マンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、水銀電気、リチウム電池等が挙げられ、二次電池としては、例えば、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、リチウム電池、リチウムイオン電池等が挙げられる。
【0064】
これらの中でも、充電を行うことで繰り返し使用でき、実用性に優れることから二次電池が好ましく、特に、高容量および高起電力が得られるリチウムイオン電池が好ましい。二次電池を電源部5として用いる場合、この二次電池に充電を行うための充電用電極を光源差込部8に設けておき、例えば、電子内視鏡1が光源プロセッサ装置に接続すると、前記充電用電極が光源プロセッサ装置側に設けられた電力供給用電極に接続され、これにより、充電が行われる構成とすることができる。
【0065】
以上のように、本実施形態の電子内視鏡1では、前述したような温度範囲を検出し得る温度センサ31を備える温度検出ユニット3と、温度データを表示する表示部4と、これらの作動に必要な電力を供給する電源部5とが設けられている。これにより、電子内視鏡1は、光源プロセッサ装置等の周辺機器に接続しない状態で、すなわち、電子内視鏡1自体で、電子内視鏡1の周辺温度(電子内視鏡1が曝された温度)をリアルタイムで検出し、その温度データを表示することができる。
【0066】
したがって、例えば電子内視鏡1の消毒・滅菌に際して、電子内視鏡1が異常な温度に曝された場合、即時に、この異常事態を把握することができる。この場合、消毒・滅菌等の各処理を途中で中断することにより、電子内視鏡1の各部の劣化を未然に防いだり、劣化を最小限に止めることができる。
【0067】
<第2実施形態>
次に、電子内視鏡の第2実施形態について説明する。
【0068】
図4は、第2実施形態の電子内視鏡が備える光源差込部を示す側面図、図5は、第2実施形態の電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。
【0069】
以下、この第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0070】
第2実施形態の電子内視鏡1は、操作部6に代わり、光源差込部8に温度検出ユニット3と、電源部5とが集約して設けられている。また、温度検出ユニット3が備える変換器33には、光源差込部8の内部に設けられた記憶部9が接続されている。また、温度検出ユニット3の各部および記憶部9には、それぞれ、電源部5から、これらの作動に必要な電力が供給される。
【0071】
温度センサ31は、光源差込部8の側部において、光源差込部8(電子内視鏡1)の外部に突出して設けられている。このような構成により、電子内視鏡1を操作する際に、温度センサ31がその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0072】
記憶部9は、例えば半導体メモリ等で構成され、温度検出ユニット3により検出された温度データを記憶する。この記憶部9は、書き換え、消去等を行わない限り温度データを記憶しておくことができる。
【0073】
この温度データとしては、例えば、電子内視鏡1が曝された温度、その測定日時(時間)等が挙げられる。記憶部9は、時間とともに、電子内視鏡1が曝された温度を記憶することにより、電子内視鏡1が曝された温度の履歴(温度履歴)を温度データとして記憶することができる。その他、記憶部9は、電子内視鏡1が曝された温度の累積値等を記憶するような構成であってもよい。
【0074】
そして、本実施形態では、光源差込部8を光源プロセッサ装置100に接続すると、記憶部9に記憶された温度データは、光源プロセッサ装置100を介してモニタ装置200に出力される(読み出される)。そして、モニタ装置200には、前述したような温度データが表示される。
【0075】
以上のように、本実施形態の電子内視鏡1では、前述したような温度範囲を検出し得る温度センサ31を備える温度検出ユニット3と、温度データを記憶する記憶部9と、これらの作動に必要な電力を供給する電源部5とが設けられている。これにより、電子内視鏡1は、光源プロセッサ装置等の周辺機器に接続しない状態で、すなわち、電子内視鏡1自体で、電子内視鏡1の周辺温度(電子内視鏡1が曝された温度)をリアルタイムで検出し、その温度データを記憶することができる。
【0076】
したがって、例えば消毒・滅菌に際して、電子内視鏡1が曝された温度、その測定日時、電子内視鏡1が曝された温度の累積値等の記憶された温度データを、消毒・滅菌後に確認することができる。
【0077】
これにより、薬液槽やオートクレーブ槽の異常の発見、消毒・滅菌の際の温度管理に必要な情報の取得等を行うことができる。また、電子内視鏡1が曝された温度の累積値を確認することにより、電子内視鏡1の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができる。
【0078】
以上、本発明の内視鏡を図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、同様の機能を発揮する任意の構成のものと置換することができる。
【0079】
また、本発明の内視鏡では、各前記実施形態の任意の2以上の構成を組み合わせることもできる。
【0080】
また、本発明では、温度検出ユニット(温度センサ、検出器、変換器)、表示部、記憶部および電源部の設置箇所は、図示の箇所に限定されるものではなく、内視鏡の他の箇所であってもよく、また、複数の箇所に分割して設けられていてもよい。例えば、温度センサは、内視鏡から外部に突出するように設けられるものに限られず、内視鏡の内部に設けてもよく、内部および外部の双方に設けるようにしてもよい。温度センサを内視鏡の内部および外部の双方に設けることにより、内視鏡が曝されたより厳密な温度を検出することが可能となる。
【0081】
また、本発明では、他の構成が付加されていてもよい。例えば、内視鏡が異常温度に曝された場合、この異常事態を警告するブザー等の報知手段を設けたり、内視鏡の製造元に異常事態を連絡する連絡手段を設けるようにしてもよい。この連絡手段としては、例えば、電話回線によるインターネット等が挙げられる。
【0082】
また、本発明の内視鏡は、電子内視鏡への適用に限定されず、光学内視鏡(ファイバースコープ)に適用することもでき、さらに、医療用内視鏡への適用に限定されず、工業用途に用いられる内視鏡に適用することもできる。
【0083】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、内視鏡自体で、例えば内視鏡の消毒・滅菌の際に、内視鏡の周辺温度(内視鏡が曝された温度)を確実に検出し得る。
【0084】
また、検出された温度データを表示する表示部を設けることにより、内視鏡の周辺温度をリアルタイムで検出することができる。
【0085】
また、検出された温度データを記憶する記憶部を設けることにより、内視鏡が曝された温度、その測定日時、内視鏡が曝された温度の累積値等を確認することができ、内視鏡の管理に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子内視鏡の第1実施形態を示す全体図である。
【図2】図1に示す電子内視鏡が備える操作部を示す斜視図である。
【図3】図1に示す電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態の電子内視鏡が備える光源差込部を示す側面図である。
【図5】第2実施形態の電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電子内視鏡
2 挿入部可撓管
20 可撓管部
21 湾曲部
3 温度検出ユニット
31 温度センサ
32 検出器
33 変換器
4 表示部
5 電源部
6 操作部
61 第1操作ノブ
62 第2操作ノブ
63 第1ロックレバー
64 第2ロックレバー
65 制御ボタン
66 吸引ボタン
67 送気・送液ボタン
68 表示窓
7 接続部可撓管
8 光源差込部
81 光源用コネクタ
82 画像信号用コネクタ
9 記憶部
100 光源プロセッサ装置
200 モニタ装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、消化管等の検査や診断に、内視鏡が使用されている。このような医療用の内視鏡は、繰り返して使用されるため、検査の処理終了毎に洗浄および消毒・滅菌が行われる。
【0003】
この内視鏡の消毒・滅菌の際には、一般に、高温の薬液や、高温高圧水蒸気等を用いて行われる。このとき、何らかのトラブルにより、薬液を貯留した薬液槽やオートクレーブ槽等の内部温度が異常上昇し、許容範囲を超えた場合、内視鏡の熱に弱い部品(例えば、可撓管の外皮や光学部品等)の形状の変形、特性の劣化等が生じるおそれがある。
【0004】
このため、消毒・滅菌に際して、内視鏡が曝される温度管理を行い、内視鏡が異常な温度に曝された場合、これに対処できるようにしておくことが必要となる。この温度管理は、通常、処理装置(すなわち、薬液槽やオートクレーブ槽等)に装備された温度センサを用いて行われている。
【0005】
しかしながら、処理装置に装備された温度センサで検出される温度は、内視鏡が実際に曝された温度を正確に反映しているとは言えず、処理装置側で検出される温度が正常範囲であったとしても、内視鏡の周辺温度(内視鏡が曝された温度)が異常値にまで上昇している場合もある。したがって、処理装置に装備された温度センサのみでは、内視鏡が曝された温度を管理するのには不十分である。
【0006】
一方、内視鏡の周辺温度を直接検出するために、温度センサや示温シールが内視鏡に設けられることがある。
【0007】
しかしながら、一般に内視鏡に設けられる温度センサは、体腔内を観察する際の温度を検出することを主たる目的とするものであり、測定対象温度は、体温付近であり、この温度範囲に合わせて最適化されている。このため、消毒・滅菌の際の温度範囲を検出するには不適当である。
【0008】
また、オートクレーブ滅菌の終了後、使用可能な温度になったか否かを確認することを目的として、温度センサを設けた内視鏡も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしなから、この内視鏡では、内視鏡を周辺機器に接続した状態で、温度センサの作動に必要な電力が周辺機器から供給されるように設計されており、内視鏡が周辺機器から取り外された状態で行われる消毒・滅菌の際には、温度センサとして作動させることができないという問題がある。
【0009】
一方、示温シールは、所定の温度を超えた際に色の変化を生じる温度検知用のシールであり、内視鏡の外部に貼付した場合、薬液等に接触すると剥がれてしまうため、通常、内視鏡の内部に貼付される。このため、内視鏡の外部から直接視認することができない、また、内視鏡が曝された温度の実測値やその経時変化が判らない等の欠点がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−51979号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、内視鏡自体で、内視鏡が曝された温度を確実に検出し得る内視鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0013】
(1) 管腔内に挿入される挿入部可撓管と、該挿入部可撓管に接続された操作部と、該操作部に接続され、周辺機器に接続する接続部とを備える内視鏡であって、
温度センサを備える温度検出ユニットと、
前記内視鏡に内蔵され、前記温度検出ユニットの作動に必要な電力を供給する電源部とを備えることを特徴とする内視鏡。
これにより、内視鏡自体で、内視鏡が曝された温度を確実に検出し得る。
【0014】
(2) 前記温度センサは、白金抵抗温度計である上記(1)に記載の内視鏡。
白金抵抗温度計は、温度変化や薬液等に対する耐久性に優れている。
【0015】
(3) 前記温度センサは、前記内視鏡の外部に突出するよう設けられている上記(1)または(2)に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡の周辺温度をより確実に検出し得る。
【0016】
(4) 前記温度センサは、前記操作部の基端に設けられている上記(3)に記載の内視鏡。
【0017】
これにより、内視鏡を操作する際に、温度センサがその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0018】
(5) 前記温度センサは、前記接続部に設けられている上記(3)に記載の内視鏡。
【0019】
これにより、内視鏡を操作する際に、温度センサがその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0020】
(6) 前記温度検出ユニットにより検出された温度データを表示する表示部を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡。
【0021】
これにより、内視鏡の周辺温度(内視鏡が曝された温度)をリアルタイムで把握することができる。
【0022】
(7) 前記温度検出ユニットにより検出された温度データを記憶する記憶部を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡。
【0023】
これにより、温度検出ユニットにより検出された温度データを記憶することができ、内視鏡の管理に有用である。
【0024】
(8) 前記記憶部は、温度履歴を記憶する上記(7)に記載の内視鏡。
【0025】
これにより、内視鏡の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができ、内視鏡の管理に有用である。
【0026】
(9) 前記記憶部は、時間とともに温度を記憶する上記(7)または(8)に記載の内視鏡。
【0027】
これにより、内視鏡の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができ、内視鏡の管理に有用である。
【0028】
(10) 前記接続部を前記周辺機器に接続したとき、前記記憶部に記憶された前記温度データが読み出される上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡。
【0029】
これにより、内視鏡の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができ、内視鏡の管理に有用である。
【0030】
(11) 前記電源部は、前記温度検出ユニットに近接して設けられている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、内視鏡内部での配線が複雑となるのを防止することができる。
【0031】
(12) 前記内視鏡は、医療用内視鏡であり、
前記温度センサは、少なくとも45〜80℃の温度範囲を検出し得る上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡。
【0032】
医療用内視鏡は、検査の処理終了毎に洗浄および消毒・滅菌が行われるが、温度センサとして、このような温度範囲を検出し得るものを用いることにより、消毒・滅菌の際に内視鏡が異常な温度に曝された場合、この異常事態をより確実に把握することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、本発明の内視鏡を、医療用内視鏡、特に、電子内視鏡(電子スコープ)に適用した場合について説明する。
【0034】
<第1実施形態>
まず、電子内視鏡の第1実施形態について説明する。
【0035】
図1は、電子内視鏡の第1実施形態を示す全体図、図2は、図1に示す電子内視鏡が備える操作部を示す斜視図、図3は、図1に示す電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。以下、図1中、上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0036】
図1に示す電子内視鏡1は、可撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部可撓管2と、挿入部可撓管2の基端部に接続され、術者が把持して電子内視鏡1全体を操作する操作部6と、操作部6に接続された接続部可撓管7と、接続部可撓管7を介して操作部6に接続された光源差込部(接続部)8とを有している。
【0037】
挿入部可撓管2は、体腔内に挿入して使用される。図1に示すように、挿入部可撓管2は、手元(基端)側から可撓管部20と、可撓管部20の先端部に設けられ、湾曲可能な湾曲部21とを有している。
【0038】
湾曲部21の先端部内側には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられており、この撮像素子は、挿入部可撓管2内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して配設された画像信号ケーブル(図示せず)により、光源差込部8に設けられた画像信号用コネクタ82に接続されている。
【0039】
また、光源差込部8の先端部には、光源用コネクタ81が画像信号用コネクタ82と併設され、光源用コネクタ81および画像信号用コネクタ82を、図示しない光源プロセッサ装置(周辺機器)の接続部に挿入することにより、光源差込部8が光源プロセッサ装置に接続される。この光源プロセッサ装置には、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)が接続されている。
【0040】
光源プロセッサ装置から発せられた光は、光源用コネクタ81、および、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内および挿入部可撓管2内に連続して配設されたライトガイド(図示せず)を通り、湾曲部21(挿入部可撓管2)の先端部より観察部位に照射され、照明する。このようなライトガイドは、例えば、石英、多成分ガラス、プラスチック等により構成される光ファイバーが複数本束ねられて構成されている。
【0041】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力される。この画像信号は、画像信号ケーブルを介して光源差込部8に伝達される。
【0042】
そして、光源差込部8内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0043】
操作部6の図1中前面には、第1操作ノブ61、第2操作ノブ62、第1ロックレバー63および第2ロックレバー64が、それぞれ独立に回動自在に設けられている。
【0044】
各操作ノブ61、62を回転操作すると、挿入部可撓管2内に配設されたワイヤ(図示せず)が牽引されて、湾曲部21が4方向に湾曲し、湾曲部21の方向を変えることができる。
【0045】
各ロックレバー63、64を反時計回りに回転操作すると、それぞれ、湾曲部21の湾曲状態(上下方向および左右方向への湾曲状態)を固定(保持)することができ、一方、時計回りに回転操作すると、湾曲した状態で固定された湾曲部21の固定を解除することができる。
【0046】
また、操作部6の図1中側面(周面)には、3つの制御ボタン65、吸引ボタン66および送気・送液ボタン67が設けられている。
【0047】
電子内視鏡1を光源プロセッサ装置(外部装置)に接続した状態で、各制御ボタン65を押圧操作することにより、光源プロッセサ装置やモニタ装置等の周辺機器の諸動作(例えば、電子画像の動画と静止画との切り替え、電子画像のファイリングシステムや撮影装置の作動および/または停止、電子画像の記録装置の作動および/または停止等)を遠隔操作することができる。
【0048】
吸引ボタン66および送気・送液ボタン67は、それぞれ、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内および挿入部可撓管2内に連続して形成され、一端が挿入部可撓管2の先端で開放し、他端が光源差込部8で開放する吸引チャンネルおよび送気・送液チャンネル(いずれも図示せず)を開閉する機能を有している。
【0049】
すなわち、吸引ボタン66および送気・送液ボタン67を押圧操作する前には、吸引チャンネルおよび送気・送液チャンネルは閉塞されており(流体が通過不能な状態とされており)、一方、吸引ボタン66および送気・送液ボタン67を押圧操作すると、吸引チャンネルおよび送気・送液チャンネルが連通する(流体が通過可能な状態となる)。
【0050】
このような電子内視鏡1には、図2および図3に示すように、操作部6に温度検出ユニット3と、表示部4と、電源部5とが設けられている。すなわち、温度検出ユニット3、表示部4および電源部5は、互いに近接して(操作部6に集約して)設けられている。これにより、電子内視鏡1内部での配線が複雑となるのを防止することができる。
【0051】
温度検出ユニット3は、操作部6(電子内視鏡1)の外部に突出して設けられた温度センサ31と、操作部6の内部に設けられた検出器32、変換器33とを備えている。温度センサ31を電子内視鏡1の外部に突出して設けることにより、電子内視鏡1の周辺温度(電子内視鏡1が曝された温度)をより確実に検出することができる。
【0052】
温度センサ31を操作部6(電子内視鏡1)の外部に突出して設ける場合には、図示の構成のように、操作部6の基端に設けるのが好ましい。これにより、電子内視鏡1を操作する際に、温度センサ31がその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0053】
温度センサ31としては、少なくとも45〜80℃程度(特に、45〜60℃程度)の温度範囲を検出し得るものであるのが好ましい。医療用内視鏡である電子内視鏡1は、検査の処理終了毎に洗浄および消毒・滅菌が行われるが、温度センサ31として、前記温度範囲を検出し得るものを用いることにより、消毒・滅菌の際に電子内視鏡1が異常な温度に曝された場合、この異常事態をより確実に把握することができる。
【0054】
なお、温度センサ31は、このような温度範囲を検出し得るものであればよく、かかる温度範囲を上回る温度や下回る温度をも検出し得るものであってもよい。
【0055】
このような温度センサ31としては、白金抵抗体やサーミスタ等を感温部に用いる電気抵抗型温度センサ、バイメタル等を感温部に用いる熱膨張型温度センサ、熱電対等を感温部に用いる熱起電力型温度センサ、感温ダイオード等を感温部に用いる半導体接合型温度センサ等が挙げられるが、これらの中でも、特に、白金抵抗体を感温部に用いる電気抵抗型温度センサ(すなわち、白金抵抗温度計)が好ましい。白金抵抗温度計は、温度変化や薬液等に対する耐久性に優れているという点で好ましい。
【0056】
この白金抵抗温度計は、白金の電気抵抗が温度によって変化することを利用するものであり、白金抵抗体と接触する物質(本実施形態では、消毒・滅菌に際して電子内視鏡1の周辺に存在する薬液や水蒸気等)の温度変化を、白金抵抗体の電気抵抗の変化として送出する。
【0057】
検出器32は、温度センサ31の温度変化による物性変化を検出するものである。温度センサ31として電気抵抗型温度センサを用いた場合には、この検出器32により温度センサ31の電気抵抗の変化が検出される。
【0058】
変換器33は、検出器32で検出された検出値を、温度データに変換する。例えば、電気抵抗型温度センサの電気抵抗値が、所定の関係式に基づいて温度値(電子内視鏡1が曝された温度)に換算(変換)される。
【0059】
なお、検出器32および変換器33には、それぞれ、検出値および温度データを一時的に記憶するメモリ(記憶部)が設けられている。
【0060】
変換器33には、例えば液晶表示素子(LCD)等で構成される表示部4が接続されている。この表示部4には、変換器33から送信された温度データが表示される。
【0061】
また、操作部6の側部には、表示部4に対応する位置に表示窓68が設けられており、表示部4の表示内容を電子内視鏡1の外部から視認することができる。
【0062】
操作部6(電子内視鏡1)に内蔵された電源部5は、温度検出ユニット3の各部および表示部4に、それぞれ、これらの作動に必要な電力を供給する。この電源部5としては、例えば、一次電池、二次電池、太陽電池(光電変換素子)等が使用可能である。
【0063】
一次電池としては、例えば、マンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、水銀電気、リチウム電池等が挙げられ、二次電池としては、例えば、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、リチウム電池、リチウムイオン電池等が挙げられる。
【0064】
これらの中でも、充電を行うことで繰り返し使用でき、実用性に優れることから二次電池が好ましく、特に、高容量および高起電力が得られるリチウムイオン電池が好ましい。二次電池を電源部5として用いる場合、この二次電池に充電を行うための充電用電極を光源差込部8に設けておき、例えば、電子内視鏡1が光源プロセッサ装置に接続すると、前記充電用電極が光源プロセッサ装置側に設けられた電力供給用電極に接続され、これにより、充電が行われる構成とすることができる。
【0065】
以上のように、本実施形態の電子内視鏡1では、前述したような温度範囲を検出し得る温度センサ31を備える温度検出ユニット3と、温度データを表示する表示部4と、これらの作動に必要な電力を供給する電源部5とが設けられている。これにより、電子内視鏡1は、光源プロセッサ装置等の周辺機器に接続しない状態で、すなわち、電子内視鏡1自体で、電子内視鏡1の周辺温度(電子内視鏡1が曝された温度)をリアルタイムで検出し、その温度データを表示することができる。
【0066】
したがって、例えば電子内視鏡1の消毒・滅菌に際して、電子内視鏡1が異常な温度に曝された場合、即時に、この異常事態を把握することができる。この場合、消毒・滅菌等の各処理を途中で中断することにより、電子内視鏡1の各部の劣化を未然に防いだり、劣化を最小限に止めることができる。
【0067】
<第2実施形態>
次に、電子内視鏡の第2実施形態について説明する。
【0068】
図4は、第2実施形態の電子内視鏡が備える光源差込部を示す側面図、図5は、第2実施形態の電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。
【0069】
以下、この第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0070】
第2実施形態の電子内視鏡1は、操作部6に代わり、光源差込部8に温度検出ユニット3と、電源部5とが集約して設けられている。また、温度検出ユニット3が備える変換器33には、光源差込部8の内部に設けられた記憶部9が接続されている。また、温度検出ユニット3の各部および記憶部9には、それぞれ、電源部5から、これらの作動に必要な電力が供給される。
【0071】
温度センサ31は、光源差込部8の側部において、光源差込部8(電子内視鏡1)の外部に突出して設けられている。このような構成により、電子内視鏡1を操作する際に、温度センサ31がその操作の邪魔になるのを防止することができる。
【0072】
記憶部9は、例えば半導体メモリ等で構成され、温度検出ユニット3により検出された温度データを記憶する。この記憶部9は、書き換え、消去等を行わない限り温度データを記憶しておくことができる。
【0073】
この温度データとしては、例えば、電子内視鏡1が曝された温度、その測定日時(時間)等が挙げられる。記憶部9は、時間とともに、電子内視鏡1が曝された温度を記憶することにより、電子内視鏡1が曝された温度の履歴(温度履歴)を温度データとして記憶することができる。その他、記憶部9は、電子内視鏡1が曝された温度の累積値等を記憶するような構成であってもよい。
【0074】
そして、本実施形態では、光源差込部8を光源プロセッサ装置100に接続すると、記憶部9に記憶された温度データは、光源プロセッサ装置100を介してモニタ装置200に出力される(読み出される)。そして、モニタ装置200には、前述したような温度データが表示される。
【0075】
以上のように、本実施形態の電子内視鏡1では、前述したような温度範囲を検出し得る温度センサ31を備える温度検出ユニット3と、温度データを記憶する記憶部9と、これらの作動に必要な電力を供給する電源部5とが設けられている。これにより、電子内視鏡1は、光源プロセッサ装置等の周辺機器に接続しない状態で、すなわち、電子内視鏡1自体で、電子内視鏡1の周辺温度(電子内視鏡1が曝された温度)をリアルタイムで検出し、その温度データを記憶することができる。
【0076】
したがって、例えば消毒・滅菌に際して、電子内視鏡1が曝された温度、その測定日時、電子内視鏡1が曝された温度の累積値等の記憶された温度データを、消毒・滅菌後に確認することができる。
【0077】
これにより、薬液槽やオートクレーブ槽の異常の発見、消毒・滅菌の際の温度管理に必要な情報の取得等を行うことができる。また、電子内視鏡1が曝された温度の累積値を確認することにより、電子内視鏡1の部品の交換時期やメンテナンスの時期等の目安とすることができる。
【0078】
以上、本発明の内視鏡を図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、同様の機能を発揮する任意の構成のものと置換することができる。
【0079】
また、本発明の内視鏡では、各前記実施形態の任意の2以上の構成を組み合わせることもできる。
【0080】
また、本発明では、温度検出ユニット(温度センサ、検出器、変換器)、表示部、記憶部および電源部の設置箇所は、図示の箇所に限定されるものではなく、内視鏡の他の箇所であってもよく、また、複数の箇所に分割して設けられていてもよい。例えば、温度センサは、内視鏡から外部に突出するように設けられるものに限られず、内視鏡の内部に設けてもよく、内部および外部の双方に設けるようにしてもよい。温度センサを内視鏡の内部および外部の双方に設けることにより、内視鏡が曝されたより厳密な温度を検出することが可能となる。
【0081】
また、本発明では、他の構成が付加されていてもよい。例えば、内視鏡が異常温度に曝された場合、この異常事態を警告するブザー等の報知手段を設けたり、内視鏡の製造元に異常事態を連絡する連絡手段を設けるようにしてもよい。この連絡手段としては、例えば、電話回線によるインターネット等が挙げられる。
【0082】
また、本発明の内視鏡は、電子内視鏡への適用に限定されず、光学内視鏡(ファイバースコープ)に適用することもでき、さらに、医療用内視鏡への適用に限定されず、工業用途に用いられる内視鏡に適用することもできる。
【0083】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、内視鏡自体で、例えば内視鏡の消毒・滅菌の際に、内視鏡の周辺温度(内視鏡が曝された温度)を確実に検出し得る。
【0084】
また、検出された温度データを表示する表示部を設けることにより、内視鏡の周辺温度をリアルタイムで検出することができる。
【0085】
また、検出された温度データを記憶する記憶部を設けることにより、内視鏡が曝された温度、その測定日時、内視鏡が曝された温度の累積値等を確認することができ、内視鏡の管理に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子内視鏡の第1実施形態を示す全体図である。
【図2】図1に示す電子内視鏡が備える操作部を示す斜視図である。
【図3】図1に示す電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態の電子内視鏡が備える光源差込部を示す側面図である。
【図5】第2実施形態の電子内視鏡の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電子内視鏡
2 挿入部可撓管
20 可撓管部
21 湾曲部
3 温度検出ユニット
31 温度センサ
32 検出器
33 変換器
4 表示部
5 電源部
6 操作部
61 第1操作ノブ
62 第2操作ノブ
63 第1ロックレバー
64 第2ロックレバー
65 制御ボタン
66 吸引ボタン
67 送気・送液ボタン
68 表示窓
7 接続部可撓管
8 光源差込部
81 光源用コネクタ
82 画像信号用コネクタ
9 記憶部
100 光源プロセッサ装置
200 モニタ装置
Claims (12)
- 管腔内に挿入される挿入部可撓管と、該挿入部可撓管に接続された操作部と、該操作部に接続され、周辺機器に接続する接続部とを備える内視鏡であって、
温度センサを備える温度検出ユニットと、
前記内視鏡に内蔵され、前記温度検出ユニットの作動に必要な電力を供給する電源部とを備えることを特徴とする内視鏡。 - 前記温度センサは、白金抵抗温度計である請求項1に記載の内視鏡。
- 前記温度センサは、前記内視鏡の外部に突出するよう設けられている請求項1または2に記載の内視鏡。
- 前記温度センサは、前記操作部の基端に設けられている請求項3に記載の内視鏡。
- 前記温度センサは、前記接続部に設けられている請求項3に記載の内視鏡。
- 前記温度検出ユニットにより検出された温度データを表示する表示部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記温度検出ユニットにより検出された温度データを記憶する記憶部を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記記憶部は、温度履歴を記憶する請求項7に記載の内視鏡。
- 前記記憶部は、時間とともに温度を記憶する請求項7または8に記載の内視鏡。
- 前記接続部を前記周辺機器に接続したとき、前記記憶部に記憶された前記温度データが読み出される請求項7ないし9のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記電源部は、前記温度検出ユニットに近接して設けられている請求項1ないし10のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記内視鏡は、医療用内視鏡であり、
前記温度センサは、少なくとも45〜80℃の温度範囲を検出し得る請求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡。
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Cited By (2)
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