JP2004222504A - 粉粒体吐出機 - Google Patents
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Abstract
【課題】左右方向に複数設けられた粉粒体貯留タンクの下部に複数の漏斗部が形成され、各漏斗部の下端に接続して粉粒体繰出器がそれぞれ設けられた粉粒体吐出機において、粉粒体粉粒体の吐出に関連する各部の合理的な配置を提供する。
【解決手段】前記粉粒体貯留タンク60は機体の左右中心を基準に左右対称形で、かつ隣接する粉粒体繰出器61同士の間隔に広い箇所SAと狭い箇所SBとが存在するように前記漏斗部60aを形成する。そして、間隔の広い繰出器間の一つに各粉粒体繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構27を設けるとともに、これと左右対称位置にある繰出器間に所定個数づつの単位で粉粒体繰出器の作動を停止させる複数のクラッチレバーのうちの一部172(5・6)を配置し、上記繰出器間とは別の間隔の広い繰出器間に残りのクラッチレバー172(1・2),172(3・4),172(7・8),172(9・10)を分散して配置する。
【選択図】 図3
【解決手段】前記粉粒体貯留タンク60は機体の左右中心を基準に左右対称形で、かつ隣接する粉粒体繰出器61同士の間隔に広い箇所SAと狭い箇所SBとが存在するように前記漏斗部60aを形成する。そして、間隔の広い繰出器間の一つに各粉粒体繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構27を設けるとともに、これと左右対称位置にある繰出器間に所定個数づつの単位で粉粒体繰出器の作動を停止させる複数のクラッチレバーのうちの一部172(5・6)を配置し、上記繰出器間とは別の間隔の広い繰出器間に残りのクラッチレバー172(1・2),172(3・4),172(7・8),172(9・10)を分散して配置する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、粉粒体吐出機における粉粒体の吐出に関連する各部の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】
10条植えのような多数条植えの施肥田植機は、運搬時や格納時にかさばらないように、苗植付部及び走行車体の左右幅を縮小可能になっている。しかしながら、施肥装置に関しては、左右幅を縮小する構成とするのは構造的に難しく、施肥装置で最も左右幅が広い部分である肥料貯留タンクの左右幅をなるべく狭くすることで対処している。ところで、肥料貯留タンクの下側には、該タンク内の肥料を一定量づつ繰り出す植付条数分の肥料繰出器、各肥料繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構、所定条数ずつ(例えば2条ずつ)肥料繰出器の作動を停止させる複数のクラッチレバー等が設けられている。肥料貯留タンクの左右幅を狭くする場合、これら施肥装置各部を肥料貯留タンク下側の限られたスペースに合理的に配置することが要求される。
【0003】
また、肥料貯留タンクを前方又は後方に回動させて肥料繰出器の上部を露出させられるようになっている場合、無理なく回動させられるために肥料貯留タンクを左右2個に分割した構成とすることが多い(例えば特許文献1)。この種の施肥田植機では、左右の肥料貯留タンクを支持する支持部を当該肥料貯留タンクの下側に少なくとも左右2箇所ずつ計4箇所に設ける必要があり、前記施肥装置各部の配置にいっそう制約がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−166343公報(図6)
【0005】
なお、クラッチレバーを設ける位置としては、該レバーが他の施肥装置各部と干渉せず、しかもレバー自体の操作性がよいことから、肥料繰出部間にクラッチレバーを設けた構成が公知である(例えば特許文献2)。
【0006】
【特許文献2】
特開平10−295117号公報(「0019」、図11)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多数条植えの施肥田植機の場合、前述したように施肥装置各部の配置に関する制約が多いので、ただ単にクラッチレバーを肥料繰出器間に配置するだけでは、施肥装置各部を合理的に配置することへの解決策とはならない。そこで、多数条植え施肥田植機(粉粒体吐出機)における肥料繰出器(粉粒体繰出器)、繰出伝動機構及びクラッチレバーの合理的な配置を提供することが本発明の課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の構成とした。すなわち、本発明にかかる粉粒体吐出機は、左右方向に複数設けられた粉粒体貯留タンクの下部に粉粒体を案内する傾斜面を有する複数の漏斗部が形成され、各漏斗部の下端に接続して粉粒体繰出器がそれぞれ設けられた粉粒体吐出機であって、前記粉粒体貯留タンクは機体の左右中心を基準に左右対称形で、かつ隣接する粉粒体繰出器同士の間隔に広い箇所と狭い箇所とが存在するように前記漏斗部を形成し、間隔の広い繰出器間の一つに各粉粒体繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構を設けるとともに、これと左右対称位置にある繰出器間に所定個数ずつ粉粒体繰出器の作動を停止させる複数のクラッチレバーのうちの一部を配置し、上記繰出器間とは別の間隔の広い繰出器間に残りのクラッチレバーを分散して配置したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
この構成とすると、隣接する粉粒体繰出器同士の間隔に広い箇所と狭い箇所とが存在するように粉粒体貯留タンクの漏斗部を形成し、間隔の広い繰出器間に繰出伝動機構及びクラッチレバーを設けことにより、間隔の狭い繰出器間の分だけ粉粒体貯留タンクの左右幅を狭くすることができるので、機体の左右幅縮小化が可能となり、しかも、左右対称位置にある2箇所の繰出器間に、繰出伝動機構と複数のクラッチレバーのうちの一部を振り分けて配置することにより、左右バランスのよい配置とすることができる。また、粉粒体貯留タンクを前後対称形とすれば、左右の粉粒体貯留タンクを共用することができるという利点もある。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明による粉粒体吐出機の一例である施肥田植機を表している。この施肥田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して10条植の苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5が設けられている。
【0011】
四輪駆動車両である走行車体2は、機体の前部にミッションケース10を配し、該ミッションケースの左右側方に設けた前輪ファイナルケース11,11に前輪12,12を取り付けるとともに、ミッションケース10の背面部にメインフレーム13の前端部を固着し、該メインフレームの後端部にローリング自在に支持された後輪ギヤケース14,14に主後輪15,15及び補助後輪16,16,17,17を取り付けている。
【0012】
エンジン20はメインフレーム13の上に搭載されており、該エンジンの回転動力が、第一ベルト伝動装置21及び第二ベルト伝動装置22によりミッションケース10へ伝達される。ミッションケース10に伝達された回転動力は、該ケース内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と作業動力とに分離して取り出される。そして、走行動力は、前輪ファイナルケース11,11に伝達されて前輪12,12を駆動するとともに、後輪ギヤケース14,14に伝達されて後輪15,15を駆動する。また、作業動力は、作業伝動軸24を介して走行車体2の右側後部に設けた植付クラッチケース25に伝達し、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝達するとともに、施肥伝動機構27によって施肥装置5へ伝達する。
【0013】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するボンネット32があり、その上方に前輪12,12を操向操作するハンドル33が設けられている。エンジンカバー30及びボンネット32の下端左右両側は、その上を人が移動可能なメインステップ35になっている。また、メインステップ35の後部左右外側にはメインステップ35とほぼ同レベルの拡張ステップ36,36が設けられている。そして、この拡張ステップ36,36の外側下方に、昇降用の足掛け37,37が設けられている。さらに、メインステップ35及び拡張ステップ36,36の後側には、これらステップの後部高さとほぼ同レベルのリヤステップ38及び補助リヤステップ39,39が設けられている。なお、補助リヤステップ39,39は、収納のため内側に折りたたみ可能になっている。
【0014】
昇降リンク装置3は、メインフレーム13の後端部に固定のリンクベースフレーム40に上リンク41及び下リンク42,42を回動自在に取り付け、これらリンクの後端部に縦リンク43を連結している。そして、縦リンク43の下端部から後方に突出する軸受部に苗植付部側に設けたローリング軸44が回転自在に挿入連結され、苗植付部4がローリング軸44を中心にしてローリング自在に装着されている。メインフレーム13と上リンク41に一体のスイングアーム46との間に設けた昇降油圧シリンダ47を伸縮させると、各リンク41,42,42が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0015】
苗植付部4は、フレームを兼ねる伝動ケース50、苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ所定の苗取出口に供給する苗載台51、苗取出口に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置52,…、苗植付けに先行して泥面を整地するフロート53,…等を備えている。収納時の左右幅を縮小するために、苗載台51を含む苗植付部4の各部はその外側部分を内側に折りたためるようになっている。
【0016】
施肥装置5は、左側5条分及び右側5条分に分割された2個の肥料貯留タンク(粉粒体貯留タンク)60,60に貯留されている肥料(粉粒体)を肥料繰出器(粉粒体繰出器)61,…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を肥料移送管(粉粒体移送管)62,…によりフロート53,…の左右両側に取り付けた施肥ガイド63,…まで導き、施肥ガイド63,…の前側に一体形成された作溝体64,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に吐出するようになっている。モータ66で駆動する送風機67で発生させた圧力風を左右方向に長いエアチャンバ68を経由して肥料移送管62,…内に吹き込み、肥料移送管62,…内の肥料を施肥ガイド63,…まで強制的に移送する。
【0017】
以下、図3〜図12に示す施肥装置本体部の各部の構成について説明する。
肥料貯留タンク60の下部は各条ごとに粉粒体を案内する傾斜面を有する漏斗部60a,…になっており、その下端が肥料繰出器61,…の上端に接続されている。両肥料貯留タンク60,60は機体の左右中心を基準に左右対称形であり、かつ隣接する肥料繰出器同士の間隔に広い箇所と狭い箇所とが存在するように各漏斗部60a,…が形成されている。具体的には、左から数えて第2条と第3条の間、第4条と第5条の間、第6条と第7条の間、及び第8条と第9条の繰出部間が広く(SA)、第1条と第2条の間、第3条と第4条の間、第7条と第8条の間、及び第9条と第10条の繰出部間が狭く(SB)なっている。
【0018】
各肥料貯留タンク60の上面部には、後側を支点にして開閉可能な蓋60aが取り付けられている。各肥料貯留タンク60はその背面下部で、左右方向に長い施肥フレーム70に設けた2箇所のタンク支持部71,71によって回動自在に支持されており、図5で二点鎖線で示すように、肥料繰出器61,…から分離して後方に回動させられるようになっている。肥料貯留タンク60の下端を肥料繰出器61,…の上端に接続した通常位置では、係止具72により肥料貯留タンク60を固定する。
【0019】
なお、左側の肥料貯留タンク60のタンク支持部71は第1条と第2条の間、及び第4条と第5条の間に配置され、右側の肥料貯留タンク60のタンク支持部71は第6条と第7条の間、及び第9条と第10条の間に配置されている。第4条と第5条の間のタンク支持部71は外側に偏位した位置にあり、その内側に後述する畦クラッチレバー172(5・6)が設けられている。また、第6条と第7条の間のタンク支持部71は、後述する左右一対の支持部材150L,150Rを備え、その間に施肥伝動機構27が設けられている。この第6条と第7条の間のタンク支持部71は施肥伝動機構27の支持部でもある。
【0020】
肥料貯留タンク60の下部には、肥料貯留タンク60から肥料繰出器61への肥料供給を停止する場合や、肥料貯留タンク60を回動させたときに中の肥料が流出するのを防ぐ開閉シャッタ73が設けられている。この開閉シャッタ73はスライド自在に支持されていて、把手73aをつかんで図6で実線で示す閉じた位置と二点鎖線で示す開いた位置とにスライドさせるようになっている。開閉シャッタ73を閉じた状態にしないと係止具72を外せないので、誤ってシャッタ73を開けたまま肥料貯留タンク60を回動させて肥料を流出させることの防止になっている。
【0021】
開閉シャッタ73の下側には、肥料貯留タンク60を肥料繰出器61に接続したときに肥料繰出器61の上部に挿入される筒状部75が形成されている。筒状部75と肥料繰出器61の上部との間に隙間が形成されるようになっている。肥料貯留タンク60に肥料が入っている状態で開閉シャッタ73を閉じて肥料貯留タンク60を回動させるとき、肥料繰出器61の上端よりも上側かつ開閉シャッタ73よりも下側に位置していた肥料が前記隙間に流入することにより、肥料繰出器61から肥料が溢れ落ちるのを防いでいる。
【0022】
肥料繰出器61は、肥料貯留タンク60内の肥料を下方に繰り出す繰出ロール77を内蔵している。繰出ロール77は、外周部に肥料が入り込む複数本(図示例では6本)の溝77a,…が形成された回転体で、左右方向に設けた繰出軸78にそれぞれ一体回転するように嵌合している。繰出ロール77が図6の矢印方向に回転することにより、肥料貯留タンク60から落下供給される肥料が溝77aに収容されて下方に搬送され、下端の繰出口61aから繰り出される。
【0023】
繰出ロール77の前側には該繰出ロールの外周面に摺接するブラシ79が着脱自在に設けられており、このブラシ79が溝77aから溢れる肥料を受けて下方へ落下するのを規制することにより、溝77aに肥料が摺り切り状態で収容され、肥料繰出量を一定に保持するようになっている。
【0024】
肥料繰出器61の下端部には、上面が前記繰出口61aに開口し、若干後ろ下がりで略前後方向に連通する接続管80が連結されている。この接続管80の後端には前記肥料移送管62のホッパ側の端部が接続される。一方、接続管80の前端部はエアチャンバ68の背面部に挿入連結されている。エアチャンバ68の左端部は圧力風切替管82を介して送風機67に接続されており、該送風機からの圧力風がエアチャンバ68を経由し肥料移送管62に吹き込まれるようになっている。
【0025】
繰出ロール77の後側には、下端が繰出ロール77の上端よりも下位になる位置に肥料排出口83が形成されている。この肥料排出口83は後ろ下がりに傾斜しており、その途中部に上端側を支点にして開閉自在な肥料排出シャッタ84が取り付けられている。各肥料繰出器の肥料排出口83は、肥料繰出器61の後方に設けた左右方向に長い肥料回収管85と肥料排出管86でつながっている。肥料回収管85の左端部は前記圧力風切替管82を介して送風機67に接続され、また右端部は下向きに屈曲してその下端部にフレキシブルな回収シュート87が接続されている。肥料排出シャッタ84を開くと、肥料貯留タンク60内の肥料が自重で肥料排出管86を通り肥料回収管85まで移動し、さらに送風機67からの圧力風によって肥料回収管85内を右方向に移送されて回収シュート87から外部に排出される。
【0026】
圧力風切替管82は圧力風吹出し側が二股に分岐した管であり、吹出し側の一方にエアチャンバ68が接続され、他方に肥料回収管85が接続されている。圧力風切替管82の内部には、送風機67から吹き出される圧力風をエアチャンバ側に供給する状態と肥料回収管側に供給する状態とに切り替える圧力風切替シャッタ89が設けられている。この圧力風切替シャッタ89は、下記の開閉・切替機構により駆動される。
【0027】
図7及び図8は排出シャッタ及びエア切替シャッタの開閉・切替機構を示す図である。回収シュート87の近傍に肥料回収レバー90が回動自在に設けられている。この肥料回収レバー90のレバー支点軸91と同軸上に設けられた左右方向のシャッタ開閉伝達軸92には扇形プレート93が取り付けられており、この扇形プレート93に形成された円弧状の長穴93aに、レバー支点軸91と一体のアーム94に固着されたピン95が遊嵌している。シャッタ開閉伝達軸92には各肥料繰出部ごとに開閉ギヤ96が取り付けられ、該ギヤが肥料排出シャッタ84の回動軸84aに取り付けた半円形ギヤ97と噛み合っている(図6参照)。
【0028】
また、レバー支点軸91の下側に設けたアーム支点軸99にエア切替アーム100が取り付けられている。肥料回収レバー90を実線で示す施肥位置から上方に回動操作すると、前記ピン95がエア切替アーム100の作用部100aに係合し、当該アームを回動させるようになっている。エア切替アーム100の回動は上下ロッド101を介してカウンタアーム102へ伝えられ、さらにカウンタアーム102から左右ロッド103を介して圧力風切替シャッタ89の回動軸89aに取り付けた切替操作アーム104へ伝えられる。
【0029】
したがって、肥料回収レバー90を上方に回動操作することにより、圧力風切替シャッタ89が切り替わり、ブロア67から吹き出される圧力風が肥料回収管85に供給されるようになる。肥料回収レバー90を操作範囲いっぱいまで回動させてもピン96との係合が外れないようにエア切替アーム100の作用部100aが延ばされているので、振動等により圧力風切替シャッタ89が通常位置に戻ることがない。
【0030】
一方、肥料排出シャッタは次のように作動する。すなわち、肥料回収レバー90の回動操作量が少ないうちは、ピン95が長穴93aの中を移動するだけにすぎないので、シャッタ開閉伝達軸92は回動せず、肥料排出シャッタ84は開かない。肥料回収レバー90を一定量以上回動操作すると、ピン95が扇形プレート93に係合し、シャッタ開閉伝達軸92が回動する。これにより、肥料排出シャッタ84,…が開き、肥料貯留タンク60内の肥料が肥料回収管85に排出される。このように、圧力風切替シャッタ89と肥料排出シャッタ84,…とが時間差をおいて開くようになっているので、肥料回収管85にエアが供給されてから肥料回収管85に肥料が排出され、肥料回収管85内を肥料が円滑に移送される。
【0031】
肥料回収レバー90は前後方向の軸106を支点に回動自在で、トルクバネ107により肥料回収レバー90の外側に配置されたレバーガイド108の側に付勢されている。レバーガイド108のレバー案内面は、肥料回収レバー90を施肥位置に操作したとき該レバーが内側に入り込むように形成されている。このため、通常の施肥植付作業時には、肥料回収レバー90が肥料貯留タンク60よりも必要以上に外に出ず、肥料補給等の作業の邪魔にならない。肥料回収レバー90のグリップは外側に張り出しす張出部90aが形成されているので、施肥位置にあるときでも容易に肥料回収レバー90を操作できる。
【0032】
次に、施肥装置の駆動機構について説明する。
図9、図10は施肥伝動機構の側面図、展開断面図である。前記植付クラッチケース25から施肥駆動用の動力が施肥出力軸117に取り出される。この施肥出力軸117に取り付けたクランクアーム131の回転が第一揺動ロッド132を介してカウンタアーム133へ伝動され、さらにそのカウンタアーム133の揺動が第二揺動ロッド134を介して繰出入力アーム135へ伝動される。繰出入力アーム135は左右に配置した一対の一方向クラッチ136L,136Rに伝動連結されている。
【0033】
一方向クラッチ136L,136Rは共通の一方向クラッチ軸137と外環部138L,138Rとの間に複数の伝動用ローラ139を設けたローラクラッチであり、外環部138L,138Rの所定方向の回動だけを一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。前記繰出入力アーム135は左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lに一体に取り付けられており、植付クラッチケース25からの動力が左側の一方向クラッチ136Lに直接伝達される。これに対し、右側の一方向クラッチ136Rへは下記の逆転伝達機構を介して動力が伝達される。
【0034】
逆転伝達機構は次の構成となっている。すなわち、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lと一体に第一アーム140を設け、この第一アーム140と第二アーム141とを第一リンク142で連結する。第二アーム141は中継軸143に一体に取り付けられている。また、中継軸143には第三アーム144が一体に取り付けられている。この第三アーム144は、第二リンク145を介して、右側一方向クラッチ136Rの外環部138Rに一体に設けた第四アーム146と連結している。この逆転伝達機構により、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの揺動が右側の一方向クラッチ136Rの外環部138Rへ逆方向の揺動として伝達される。
【0035】
したがって、左右の一方向クラッチ136L,136Rの外環部138L,138Rが互いに逆向きに回動する。このため、繰出入力アーム135の往復作動により、左右の一方向クラッチ136L,136Rの何れか一方が一方向クラッチ軸137を所定方向に回転させることとなり、一方向クラッチ軸137が連続的に駆動される。
【0036】
左右の一方向クラッチ136L,136Rの間にはキー147aにより一方向クラッチ軸137と一体回転する駆動ギヤ147が設けられ、この駆動ギヤ147と従動ギヤ148とが噛み合っている。従動ギヤ148は繰出駆動軸149に取り付けられている。駆動ギヤ147の歯数は従動ギヤ148の歯数の約2倍であって、一方向クラッチ軸137から繰出駆動軸149へ回転速度を増速して伝動するようになっている。
【0037】
なお、一方向クラッチ軸137、繰出駆動軸149、及び中継軸143は、施肥フレーム70に固着の支持部材150L,150Rに設けたボールベアリング153,154,155によって軸受支持されている。支持部材150L,150Rは、第6条と第7条の間のタンク支持部71の一部を構成している。
【0038】
左側の支持部材150Lと調節軸支持フレーム156とによって、保持部材157がこれと一体の左右方向の回動支点軸157a,157bを支点にして回動自在に支持されている。そして、この保持部材157に繰出量調節軸158の中途部が回動自在に嵌合している。繰出量調節軸158の前部には繰出量調節用雄ねじ部158aが形成されており、この雄ねじ部158aが位置調節部材160に形成された雌ねじ部に螺合している。位置調節部材160は、カウンタアーム133の回動支点133aを支持するカウンタ支持部材161の上部に左右方向の軸回りに回動可能に設けられている。また、カウンタ支持部材161は、カウンタ支持軸161a回りに施肥フレーム70に対して回動可能に設けられている。
【0039】
繰出量調節ハンドル163を操作して繰出量調節軸158を回転させると、位置調節部材160が前後に移動して、カウンタアーム133がカウンタ支持軸161aを支点にして回動することにより、カウンタアーム133の回動支点133aも変位する。これにより、繰出入力アーム135の揺動ストロークが変わり、肥料繰出器61の肥料繰出量が変更される。
【0040】
繰出量調節軸158の後部には繰出量表示用雄ねじ部158bが形成され、この雄ねじ部158bに繰出量表示具164が螺着されている。繰出量表示具164は、繰出量表示用雄ねじ部158bを覆うカバー165に形成された繰出量調節軸158の軸方向を向く長穴166に係合しており、繰出量調節軸158を回動させた場合に長穴166に沿って移動するようになっている。長穴166の上下縁部に目盛167が付けるとともに、繰出量表示具164の上下にマーク168を付け、マーク168が指し示す目盛167を読みながら肥料繰出量の調節を行えるようにしている。
【0041】
図11、図12は施肥伝動機構から肥料繰出器への伝動部の正面図、平面図である。前記繰出駆動軸149の左右両端部には延長軸149aL,149aRが一体回転するように連結され、全条分の長さを有する左右方向に長い繰出駆動軸が構成されている。左右の延長軸149aL,149aRの外周部には、隣接する2条ずつの肥料繰出器に対応する筒軸170,…が回転自在に嵌合している。そして、繰出駆動軸149,149aL,149aRの回転を、畦クラッチ171(1・2),171(3・4),171(5・6),171(7・8),171(9・10)を介して筒軸170,…へ伝達するようになっている。各畦クラッチ171は畦クラッチレバー172によりそれぞれ個別に操作する。
【0042】
さらに、各筒軸170から各条の繰出軸78へ、一対の繰出伝動ギヤ173a,173bを介して伝動する。駆動側の繰出伝動ギヤ173aは筒軸170に摺動自在に嵌合しており、該ギヤをずらして一対の繰出伝動ギヤ173a,173bの噛み合いを解除することができる。つまり、条ごとに施肥作動を入・切する単条クラッチ173として構成されているのである。単条クラッチ173は回転式の単条クラッチシフタ174で操作する。
【0043】
前記施肥駆動機構27は、左から数えて第6条と第7条の間の繰出器間に配置されている。したがって、左側の延長繰出駆動軸149aLで第1条から第6条までの肥料繰出器61を駆動し、右側の延長繰出駆動軸149aRで第7条から第10条までの肥料繰出器61を駆動する。左側の延長繰出駆動軸149aLには、第1条・第2条用の畦クラッチ171(1・2)と第3条・第4条用の畦クラッチ171(3・4)と第5条・第6条用の畦クラッチ171(5・6)とが設けられる。畦クラッチ171(1・2),171(3・4)は第2条と第3条の間の繰出器間に位置し、畦クラッチ171(5・6)は第4条と第5条の間の繰出器間に位置している。また、右側の延長繰出駆動軸149aRには、第7条・第8条用の畦クラッチ171(7・8)と第9条・第10条用の畦クラッチ171(9・10)とが設けられる。両畦クラッチ171(7・8),171(9,10)は第8条と第9条の間の繰出器間に位置している。畦クラッチレバー172(1・2)〜172(9・10)は、畦クラッチ171(1・2)〜171(9・10)と同じ繰出器間に配置されている。これらの施肥駆動機構27及び畦クラッチ171,…(畦クラッチレバー172,…を含む)が設けられている繰出器間は全て間隔の広い繰出器間SAである。
【0044】
つまり、間隔の広い繰出器間SAの一つに各粉粒体繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構27を設けるとともに、これと左右対称位置にある繰出器間SAに計5本ある畦クラッチレバーのうちの1本172(5・6)を配置し、上記繰出器間とは別の間隔の広い繰出器間SA,SAに残りの畦クラッチレバー172(1・2),172(3・4),172(7・8),172(9・10)を2本ずつ分散して配置している。
【0045】
上記配置とすることにより、繰出伝動機構27や畦クラッチレバー172,…が設けられない繰出部間SBの左右に狭くして、肥料貯留タンク60,60の左右幅を縮小させることができる。また、本実施形態のように、畦クラッチレバーの総数が奇数本である場合、繰出伝動機構27と1本の畦クラッチレバー172(5・6)とを左右対称位置に振り分けて配置すれば、左右の配置バランスが良好となる。なお、本実施形態では、1本の畦クラッチレバー172(5・6)を配置した繰出部間に肥料貯留タンクのタンク支持部71も配置している。
【0046】
施肥装置の駆動機構は以上のように構成されており、下記のように作動する。施肥作業時には、繰出ロール77を正転(図6の矢印方向)させ、肥料貯留タンク60の肥料を繰出口61aから下方に繰り出す。繰出口61aから繰り出された肥料は、送風機67から吹き出される圧力風によって肥料移送管72内を運ばれ、肥料移送管72の先端吐出口から施肥ガイド63に吐出され圃場に供給される。
【0047】
肥料回収時には、繰出ロール77を逆転させ、肥料貯留タンク60の肥料を肥料排出口83から排出する。排出された肥料は、送風機67から吹き出される圧力風によって肥料回収管85内を運ばれ、回収シュート87先端の回収口から吐出されて回収容器等に回収される。繰出ロール77によってホッパ内の肥料を強制的に肥料排出口側に送り出すので、回収効率が良好であるとともに、繰出ロール83の上に肥料が残ることなく最後の一粒まで回収することができる。
【0048】
次に、図13及び図14に基づき、施肥装置支持部について説明する。
リンクベースフレーム40,40の上端部に背面視U字形の施肥装置支持プレート180,180をそれぞれ設け、これら一対の施肥装置支持プレートで前記施肥フレーム70を下から支えるようにしている。施肥装置支持プレート180は、その底面部から垂下する脚部180aとリンクベースフレーム40の上部とをボルト181,181で連結するとともに、その前部とリヤステップ38を支持するリヤステップフレーム182の水平部182aに固着した連結片183とをボルト184,184で連結している。これにより、メインフレーム13とリンクベースフレーム40と施肥装置支持プレート180とリヤステップフレーム182とで側面視長方形の強度の高いフレーム構造を構成するので、10条用の大重量の施肥装置を安定して支持することができる。
【0049】
施肥装置支持プレート180は、強度向上のため前後幅を広くしている。このため、シャッタ開閉・切替機構の左右ロッド103と干渉しないように、施肥装置支持プレート180の中央部に上記ロッドが通る穴180bが形成してある。また、リンクベースフレーム40,40は中央2条の肥料移送管62,62とほぼ左右同じ位置にあるので、リンクベースで施肥フレーム70を直接支える構成とすると、肥料移送管とリンクベースとが干渉してしまう。そこで、背面視U字形をした施肥装置支持プレート180,180を介して施肥フレーム70を支え、施肥装置支持プレート180,180の中に肥料移送管62,62を通す構成とすることにより、肥料移送管62,62の配索を可能にしている。
【0050】
植付クラッチケース25と施肥伝動機構27との前後の位置関係上、施肥出力軸117は植付クラッチケース25から後方に長めに突出させなければならない。このため、施肥駆動時、施肥出力軸117に大きな曲げ力がかかる。そこで、前記施肥出力軸117の延長軸部分117aにボス185を回転自在に嵌合させ、このボス185と前記施肥伝動機構27のカウンタ支持軸161aとを補強ロッド186で連結することにより、施肥出力軸117の補強を図っている。なお、カウンタ支持軸161aは、施肥装置支持プレート180から後方に突出する支持板187に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用施肥田植機の側面図である。
【図2】乗用施肥田植機の平面図である。
【図3】施肥装置の背面図である。
【図4】施肥装置の一部を省略した平面図である。
【図5】施肥装置の一断面の側面断面図である。
【図6】肥料繰出器の側面断面図である。
【図7】肥料排出シャッタ及びエア切替シャッタの開閉・切替機構の正面図である。
【図8】肥料排出シャッタ及びエア切替シャッタの開閉・切替機構の側面図である。
【図9】施肥伝動機構の側面図である。
【図10】施肥伝動機構の展開断面図である。
【図11】施肥伝動機構から肥料繰出器への伝動部の一部を断面で表した正面図である。
【図12】施肥伝動機構から肥料繰出器への伝動部の平面図である。
【図13】施肥装置支持部の側面図である。
【図14】施肥装置支持部の背面図である。
【符号の説明】
1 施肥田植機(粉粒体吐出機)
5 施肥装置
27 繰出伝動機構
60 肥料貯留タンク(粉粒体貯留タンク)
60a 漏斗部
61 肥料繰出器(粉粒体繰出器)
62 肥料移送管
67 送風機
171 畦クラッチ
172 畦クラッチレバー
【発明の属する技術分野】
この発明は、粉粒体吐出機における粉粒体の吐出に関連する各部の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】
10条植えのような多数条植えの施肥田植機は、運搬時や格納時にかさばらないように、苗植付部及び走行車体の左右幅を縮小可能になっている。しかしながら、施肥装置に関しては、左右幅を縮小する構成とするのは構造的に難しく、施肥装置で最も左右幅が広い部分である肥料貯留タンクの左右幅をなるべく狭くすることで対処している。ところで、肥料貯留タンクの下側には、該タンク内の肥料を一定量づつ繰り出す植付条数分の肥料繰出器、各肥料繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構、所定条数ずつ(例えば2条ずつ)肥料繰出器の作動を停止させる複数のクラッチレバー等が設けられている。肥料貯留タンクの左右幅を狭くする場合、これら施肥装置各部を肥料貯留タンク下側の限られたスペースに合理的に配置することが要求される。
【0003】
また、肥料貯留タンクを前方又は後方に回動させて肥料繰出器の上部を露出させられるようになっている場合、無理なく回動させられるために肥料貯留タンクを左右2個に分割した構成とすることが多い(例えば特許文献1)。この種の施肥田植機では、左右の肥料貯留タンクを支持する支持部を当該肥料貯留タンクの下側に少なくとも左右2箇所ずつ計4箇所に設ける必要があり、前記施肥装置各部の配置にいっそう制約がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−166343公報(図6)
【0005】
なお、クラッチレバーを設ける位置としては、該レバーが他の施肥装置各部と干渉せず、しかもレバー自体の操作性がよいことから、肥料繰出部間にクラッチレバーを設けた構成が公知である(例えば特許文献2)。
【0006】
【特許文献2】
特開平10−295117号公報(「0019」、図11)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多数条植えの施肥田植機の場合、前述したように施肥装置各部の配置に関する制約が多いので、ただ単にクラッチレバーを肥料繰出器間に配置するだけでは、施肥装置各部を合理的に配置することへの解決策とはならない。そこで、多数条植え施肥田植機(粉粒体吐出機)における肥料繰出器(粉粒体繰出器)、繰出伝動機構及びクラッチレバーの合理的な配置を提供することが本発明の課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の構成とした。すなわち、本発明にかかる粉粒体吐出機は、左右方向に複数設けられた粉粒体貯留タンクの下部に粉粒体を案内する傾斜面を有する複数の漏斗部が形成され、各漏斗部の下端に接続して粉粒体繰出器がそれぞれ設けられた粉粒体吐出機であって、前記粉粒体貯留タンクは機体の左右中心を基準に左右対称形で、かつ隣接する粉粒体繰出器同士の間隔に広い箇所と狭い箇所とが存在するように前記漏斗部を形成し、間隔の広い繰出器間の一つに各粉粒体繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構を設けるとともに、これと左右対称位置にある繰出器間に所定個数ずつ粉粒体繰出器の作動を停止させる複数のクラッチレバーのうちの一部を配置し、上記繰出器間とは別の間隔の広い繰出器間に残りのクラッチレバーを分散して配置したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
この構成とすると、隣接する粉粒体繰出器同士の間隔に広い箇所と狭い箇所とが存在するように粉粒体貯留タンクの漏斗部を形成し、間隔の広い繰出器間に繰出伝動機構及びクラッチレバーを設けことにより、間隔の狭い繰出器間の分だけ粉粒体貯留タンクの左右幅を狭くすることができるので、機体の左右幅縮小化が可能となり、しかも、左右対称位置にある2箇所の繰出器間に、繰出伝動機構と複数のクラッチレバーのうちの一部を振り分けて配置することにより、左右バランスのよい配置とすることができる。また、粉粒体貯留タンクを前後対称形とすれば、左右の粉粒体貯留タンクを共用することができるという利点もある。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明による粉粒体吐出機の一例である施肥田植機を表している。この施肥田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して10条植の苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5が設けられている。
【0011】
四輪駆動車両である走行車体2は、機体の前部にミッションケース10を配し、該ミッションケースの左右側方に設けた前輪ファイナルケース11,11に前輪12,12を取り付けるとともに、ミッションケース10の背面部にメインフレーム13の前端部を固着し、該メインフレームの後端部にローリング自在に支持された後輪ギヤケース14,14に主後輪15,15及び補助後輪16,16,17,17を取り付けている。
【0012】
エンジン20はメインフレーム13の上に搭載されており、該エンジンの回転動力が、第一ベルト伝動装置21及び第二ベルト伝動装置22によりミッションケース10へ伝達される。ミッションケース10に伝達された回転動力は、該ケース内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と作業動力とに分離して取り出される。そして、走行動力は、前輪ファイナルケース11,11に伝達されて前輪12,12を駆動するとともに、後輪ギヤケース14,14に伝達されて後輪15,15を駆動する。また、作業動力は、作業伝動軸24を介して走行車体2の右側後部に設けた植付クラッチケース25に伝達し、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝達するとともに、施肥伝動機構27によって施肥装置5へ伝達する。
【0013】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するボンネット32があり、その上方に前輪12,12を操向操作するハンドル33が設けられている。エンジンカバー30及びボンネット32の下端左右両側は、その上を人が移動可能なメインステップ35になっている。また、メインステップ35の後部左右外側にはメインステップ35とほぼ同レベルの拡張ステップ36,36が設けられている。そして、この拡張ステップ36,36の外側下方に、昇降用の足掛け37,37が設けられている。さらに、メインステップ35及び拡張ステップ36,36の後側には、これらステップの後部高さとほぼ同レベルのリヤステップ38及び補助リヤステップ39,39が設けられている。なお、補助リヤステップ39,39は、収納のため内側に折りたたみ可能になっている。
【0014】
昇降リンク装置3は、メインフレーム13の後端部に固定のリンクベースフレーム40に上リンク41及び下リンク42,42を回動自在に取り付け、これらリンクの後端部に縦リンク43を連結している。そして、縦リンク43の下端部から後方に突出する軸受部に苗植付部側に設けたローリング軸44が回転自在に挿入連結され、苗植付部4がローリング軸44を中心にしてローリング自在に装着されている。メインフレーム13と上リンク41に一体のスイングアーム46との間に設けた昇降油圧シリンダ47を伸縮させると、各リンク41,42,42が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0015】
苗植付部4は、フレームを兼ねる伝動ケース50、苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ所定の苗取出口に供給する苗載台51、苗取出口に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置52,…、苗植付けに先行して泥面を整地するフロート53,…等を備えている。収納時の左右幅を縮小するために、苗載台51を含む苗植付部4の各部はその外側部分を内側に折りたためるようになっている。
【0016】
施肥装置5は、左側5条分及び右側5条分に分割された2個の肥料貯留タンク(粉粒体貯留タンク)60,60に貯留されている肥料(粉粒体)を肥料繰出器(粉粒体繰出器)61,…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を肥料移送管(粉粒体移送管)62,…によりフロート53,…の左右両側に取り付けた施肥ガイド63,…まで導き、施肥ガイド63,…の前側に一体形成された作溝体64,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に吐出するようになっている。モータ66で駆動する送風機67で発生させた圧力風を左右方向に長いエアチャンバ68を経由して肥料移送管62,…内に吹き込み、肥料移送管62,…内の肥料を施肥ガイド63,…まで強制的に移送する。
【0017】
以下、図3〜図12に示す施肥装置本体部の各部の構成について説明する。
肥料貯留タンク60の下部は各条ごとに粉粒体を案内する傾斜面を有する漏斗部60a,…になっており、その下端が肥料繰出器61,…の上端に接続されている。両肥料貯留タンク60,60は機体の左右中心を基準に左右対称形であり、かつ隣接する肥料繰出器同士の間隔に広い箇所と狭い箇所とが存在するように各漏斗部60a,…が形成されている。具体的には、左から数えて第2条と第3条の間、第4条と第5条の間、第6条と第7条の間、及び第8条と第9条の繰出部間が広く(SA)、第1条と第2条の間、第3条と第4条の間、第7条と第8条の間、及び第9条と第10条の繰出部間が狭く(SB)なっている。
【0018】
各肥料貯留タンク60の上面部には、後側を支点にして開閉可能な蓋60aが取り付けられている。各肥料貯留タンク60はその背面下部で、左右方向に長い施肥フレーム70に設けた2箇所のタンク支持部71,71によって回動自在に支持されており、図5で二点鎖線で示すように、肥料繰出器61,…から分離して後方に回動させられるようになっている。肥料貯留タンク60の下端を肥料繰出器61,…の上端に接続した通常位置では、係止具72により肥料貯留タンク60を固定する。
【0019】
なお、左側の肥料貯留タンク60のタンク支持部71は第1条と第2条の間、及び第4条と第5条の間に配置され、右側の肥料貯留タンク60のタンク支持部71は第6条と第7条の間、及び第9条と第10条の間に配置されている。第4条と第5条の間のタンク支持部71は外側に偏位した位置にあり、その内側に後述する畦クラッチレバー172(5・6)が設けられている。また、第6条と第7条の間のタンク支持部71は、後述する左右一対の支持部材150L,150Rを備え、その間に施肥伝動機構27が設けられている。この第6条と第7条の間のタンク支持部71は施肥伝動機構27の支持部でもある。
【0020】
肥料貯留タンク60の下部には、肥料貯留タンク60から肥料繰出器61への肥料供給を停止する場合や、肥料貯留タンク60を回動させたときに中の肥料が流出するのを防ぐ開閉シャッタ73が設けられている。この開閉シャッタ73はスライド自在に支持されていて、把手73aをつかんで図6で実線で示す閉じた位置と二点鎖線で示す開いた位置とにスライドさせるようになっている。開閉シャッタ73を閉じた状態にしないと係止具72を外せないので、誤ってシャッタ73を開けたまま肥料貯留タンク60を回動させて肥料を流出させることの防止になっている。
【0021】
開閉シャッタ73の下側には、肥料貯留タンク60を肥料繰出器61に接続したときに肥料繰出器61の上部に挿入される筒状部75が形成されている。筒状部75と肥料繰出器61の上部との間に隙間が形成されるようになっている。肥料貯留タンク60に肥料が入っている状態で開閉シャッタ73を閉じて肥料貯留タンク60を回動させるとき、肥料繰出器61の上端よりも上側かつ開閉シャッタ73よりも下側に位置していた肥料が前記隙間に流入することにより、肥料繰出器61から肥料が溢れ落ちるのを防いでいる。
【0022】
肥料繰出器61は、肥料貯留タンク60内の肥料を下方に繰り出す繰出ロール77を内蔵している。繰出ロール77は、外周部に肥料が入り込む複数本(図示例では6本)の溝77a,…が形成された回転体で、左右方向に設けた繰出軸78にそれぞれ一体回転するように嵌合している。繰出ロール77が図6の矢印方向に回転することにより、肥料貯留タンク60から落下供給される肥料が溝77aに収容されて下方に搬送され、下端の繰出口61aから繰り出される。
【0023】
繰出ロール77の前側には該繰出ロールの外周面に摺接するブラシ79が着脱自在に設けられており、このブラシ79が溝77aから溢れる肥料を受けて下方へ落下するのを規制することにより、溝77aに肥料が摺り切り状態で収容され、肥料繰出量を一定に保持するようになっている。
【0024】
肥料繰出器61の下端部には、上面が前記繰出口61aに開口し、若干後ろ下がりで略前後方向に連通する接続管80が連結されている。この接続管80の後端には前記肥料移送管62のホッパ側の端部が接続される。一方、接続管80の前端部はエアチャンバ68の背面部に挿入連結されている。エアチャンバ68の左端部は圧力風切替管82を介して送風機67に接続されており、該送風機からの圧力風がエアチャンバ68を経由し肥料移送管62に吹き込まれるようになっている。
【0025】
繰出ロール77の後側には、下端が繰出ロール77の上端よりも下位になる位置に肥料排出口83が形成されている。この肥料排出口83は後ろ下がりに傾斜しており、その途中部に上端側を支点にして開閉自在な肥料排出シャッタ84が取り付けられている。各肥料繰出器の肥料排出口83は、肥料繰出器61の後方に設けた左右方向に長い肥料回収管85と肥料排出管86でつながっている。肥料回収管85の左端部は前記圧力風切替管82を介して送風機67に接続され、また右端部は下向きに屈曲してその下端部にフレキシブルな回収シュート87が接続されている。肥料排出シャッタ84を開くと、肥料貯留タンク60内の肥料が自重で肥料排出管86を通り肥料回収管85まで移動し、さらに送風機67からの圧力風によって肥料回収管85内を右方向に移送されて回収シュート87から外部に排出される。
【0026】
圧力風切替管82は圧力風吹出し側が二股に分岐した管であり、吹出し側の一方にエアチャンバ68が接続され、他方に肥料回収管85が接続されている。圧力風切替管82の内部には、送風機67から吹き出される圧力風をエアチャンバ側に供給する状態と肥料回収管側に供給する状態とに切り替える圧力風切替シャッタ89が設けられている。この圧力風切替シャッタ89は、下記の開閉・切替機構により駆動される。
【0027】
図7及び図8は排出シャッタ及びエア切替シャッタの開閉・切替機構を示す図である。回収シュート87の近傍に肥料回収レバー90が回動自在に設けられている。この肥料回収レバー90のレバー支点軸91と同軸上に設けられた左右方向のシャッタ開閉伝達軸92には扇形プレート93が取り付けられており、この扇形プレート93に形成された円弧状の長穴93aに、レバー支点軸91と一体のアーム94に固着されたピン95が遊嵌している。シャッタ開閉伝達軸92には各肥料繰出部ごとに開閉ギヤ96が取り付けられ、該ギヤが肥料排出シャッタ84の回動軸84aに取り付けた半円形ギヤ97と噛み合っている(図6参照)。
【0028】
また、レバー支点軸91の下側に設けたアーム支点軸99にエア切替アーム100が取り付けられている。肥料回収レバー90を実線で示す施肥位置から上方に回動操作すると、前記ピン95がエア切替アーム100の作用部100aに係合し、当該アームを回動させるようになっている。エア切替アーム100の回動は上下ロッド101を介してカウンタアーム102へ伝えられ、さらにカウンタアーム102から左右ロッド103を介して圧力風切替シャッタ89の回動軸89aに取り付けた切替操作アーム104へ伝えられる。
【0029】
したがって、肥料回収レバー90を上方に回動操作することにより、圧力風切替シャッタ89が切り替わり、ブロア67から吹き出される圧力風が肥料回収管85に供給されるようになる。肥料回収レバー90を操作範囲いっぱいまで回動させてもピン96との係合が外れないようにエア切替アーム100の作用部100aが延ばされているので、振動等により圧力風切替シャッタ89が通常位置に戻ることがない。
【0030】
一方、肥料排出シャッタは次のように作動する。すなわち、肥料回収レバー90の回動操作量が少ないうちは、ピン95が長穴93aの中を移動するだけにすぎないので、シャッタ開閉伝達軸92は回動せず、肥料排出シャッタ84は開かない。肥料回収レバー90を一定量以上回動操作すると、ピン95が扇形プレート93に係合し、シャッタ開閉伝達軸92が回動する。これにより、肥料排出シャッタ84,…が開き、肥料貯留タンク60内の肥料が肥料回収管85に排出される。このように、圧力風切替シャッタ89と肥料排出シャッタ84,…とが時間差をおいて開くようになっているので、肥料回収管85にエアが供給されてから肥料回収管85に肥料が排出され、肥料回収管85内を肥料が円滑に移送される。
【0031】
肥料回収レバー90は前後方向の軸106を支点に回動自在で、トルクバネ107により肥料回収レバー90の外側に配置されたレバーガイド108の側に付勢されている。レバーガイド108のレバー案内面は、肥料回収レバー90を施肥位置に操作したとき該レバーが内側に入り込むように形成されている。このため、通常の施肥植付作業時には、肥料回収レバー90が肥料貯留タンク60よりも必要以上に外に出ず、肥料補給等の作業の邪魔にならない。肥料回収レバー90のグリップは外側に張り出しす張出部90aが形成されているので、施肥位置にあるときでも容易に肥料回収レバー90を操作できる。
【0032】
次に、施肥装置の駆動機構について説明する。
図9、図10は施肥伝動機構の側面図、展開断面図である。前記植付クラッチケース25から施肥駆動用の動力が施肥出力軸117に取り出される。この施肥出力軸117に取り付けたクランクアーム131の回転が第一揺動ロッド132を介してカウンタアーム133へ伝動され、さらにそのカウンタアーム133の揺動が第二揺動ロッド134を介して繰出入力アーム135へ伝動される。繰出入力アーム135は左右に配置した一対の一方向クラッチ136L,136Rに伝動連結されている。
【0033】
一方向クラッチ136L,136Rは共通の一方向クラッチ軸137と外環部138L,138Rとの間に複数の伝動用ローラ139を設けたローラクラッチであり、外環部138L,138Rの所定方向の回動だけを一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。前記繰出入力アーム135は左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lに一体に取り付けられており、植付クラッチケース25からの動力が左側の一方向クラッチ136Lに直接伝達される。これに対し、右側の一方向クラッチ136Rへは下記の逆転伝達機構を介して動力が伝達される。
【0034】
逆転伝達機構は次の構成となっている。すなわち、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lと一体に第一アーム140を設け、この第一アーム140と第二アーム141とを第一リンク142で連結する。第二アーム141は中継軸143に一体に取り付けられている。また、中継軸143には第三アーム144が一体に取り付けられている。この第三アーム144は、第二リンク145を介して、右側一方向クラッチ136Rの外環部138Rに一体に設けた第四アーム146と連結している。この逆転伝達機構により、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの揺動が右側の一方向クラッチ136Rの外環部138Rへ逆方向の揺動として伝達される。
【0035】
したがって、左右の一方向クラッチ136L,136Rの外環部138L,138Rが互いに逆向きに回動する。このため、繰出入力アーム135の往復作動により、左右の一方向クラッチ136L,136Rの何れか一方が一方向クラッチ軸137を所定方向に回転させることとなり、一方向クラッチ軸137が連続的に駆動される。
【0036】
左右の一方向クラッチ136L,136Rの間にはキー147aにより一方向クラッチ軸137と一体回転する駆動ギヤ147が設けられ、この駆動ギヤ147と従動ギヤ148とが噛み合っている。従動ギヤ148は繰出駆動軸149に取り付けられている。駆動ギヤ147の歯数は従動ギヤ148の歯数の約2倍であって、一方向クラッチ軸137から繰出駆動軸149へ回転速度を増速して伝動するようになっている。
【0037】
なお、一方向クラッチ軸137、繰出駆動軸149、及び中継軸143は、施肥フレーム70に固着の支持部材150L,150Rに設けたボールベアリング153,154,155によって軸受支持されている。支持部材150L,150Rは、第6条と第7条の間のタンク支持部71の一部を構成している。
【0038】
左側の支持部材150Lと調節軸支持フレーム156とによって、保持部材157がこれと一体の左右方向の回動支点軸157a,157bを支点にして回動自在に支持されている。そして、この保持部材157に繰出量調節軸158の中途部が回動自在に嵌合している。繰出量調節軸158の前部には繰出量調節用雄ねじ部158aが形成されており、この雄ねじ部158aが位置調節部材160に形成された雌ねじ部に螺合している。位置調節部材160は、カウンタアーム133の回動支点133aを支持するカウンタ支持部材161の上部に左右方向の軸回りに回動可能に設けられている。また、カウンタ支持部材161は、カウンタ支持軸161a回りに施肥フレーム70に対して回動可能に設けられている。
【0039】
繰出量調節ハンドル163を操作して繰出量調節軸158を回転させると、位置調節部材160が前後に移動して、カウンタアーム133がカウンタ支持軸161aを支点にして回動することにより、カウンタアーム133の回動支点133aも変位する。これにより、繰出入力アーム135の揺動ストロークが変わり、肥料繰出器61の肥料繰出量が変更される。
【0040】
繰出量調節軸158の後部には繰出量表示用雄ねじ部158bが形成され、この雄ねじ部158bに繰出量表示具164が螺着されている。繰出量表示具164は、繰出量表示用雄ねじ部158bを覆うカバー165に形成された繰出量調節軸158の軸方向を向く長穴166に係合しており、繰出量調節軸158を回動させた場合に長穴166に沿って移動するようになっている。長穴166の上下縁部に目盛167が付けるとともに、繰出量表示具164の上下にマーク168を付け、マーク168が指し示す目盛167を読みながら肥料繰出量の調節を行えるようにしている。
【0041】
図11、図12は施肥伝動機構から肥料繰出器への伝動部の正面図、平面図である。前記繰出駆動軸149の左右両端部には延長軸149aL,149aRが一体回転するように連結され、全条分の長さを有する左右方向に長い繰出駆動軸が構成されている。左右の延長軸149aL,149aRの外周部には、隣接する2条ずつの肥料繰出器に対応する筒軸170,…が回転自在に嵌合している。そして、繰出駆動軸149,149aL,149aRの回転を、畦クラッチ171(1・2),171(3・4),171(5・6),171(7・8),171(9・10)を介して筒軸170,…へ伝達するようになっている。各畦クラッチ171は畦クラッチレバー172によりそれぞれ個別に操作する。
【0042】
さらに、各筒軸170から各条の繰出軸78へ、一対の繰出伝動ギヤ173a,173bを介して伝動する。駆動側の繰出伝動ギヤ173aは筒軸170に摺動自在に嵌合しており、該ギヤをずらして一対の繰出伝動ギヤ173a,173bの噛み合いを解除することができる。つまり、条ごとに施肥作動を入・切する単条クラッチ173として構成されているのである。単条クラッチ173は回転式の単条クラッチシフタ174で操作する。
【0043】
前記施肥駆動機構27は、左から数えて第6条と第7条の間の繰出器間に配置されている。したがって、左側の延長繰出駆動軸149aLで第1条から第6条までの肥料繰出器61を駆動し、右側の延長繰出駆動軸149aRで第7条から第10条までの肥料繰出器61を駆動する。左側の延長繰出駆動軸149aLには、第1条・第2条用の畦クラッチ171(1・2)と第3条・第4条用の畦クラッチ171(3・4)と第5条・第6条用の畦クラッチ171(5・6)とが設けられる。畦クラッチ171(1・2),171(3・4)は第2条と第3条の間の繰出器間に位置し、畦クラッチ171(5・6)は第4条と第5条の間の繰出器間に位置している。また、右側の延長繰出駆動軸149aRには、第7条・第8条用の畦クラッチ171(7・8)と第9条・第10条用の畦クラッチ171(9・10)とが設けられる。両畦クラッチ171(7・8),171(9,10)は第8条と第9条の間の繰出器間に位置している。畦クラッチレバー172(1・2)〜172(9・10)は、畦クラッチ171(1・2)〜171(9・10)と同じ繰出器間に配置されている。これらの施肥駆動機構27及び畦クラッチ171,…(畦クラッチレバー172,…を含む)が設けられている繰出器間は全て間隔の広い繰出器間SAである。
【0044】
つまり、間隔の広い繰出器間SAの一つに各粉粒体繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構27を設けるとともに、これと左右対称位置にある繰出器間SAに計5本ある畦クラッチレバーのうちの1本172(5・6)を配置し、上記繰出器間とは別の間隔の広い繰出器間SA,SAに残りの畦クラッチレバー172(1・2),172(3・4),172(7・8),172(9・10)を2本ずつ分散して配置している。
【0045】
上記配置とすることにより、繰出伝動機構27や畦クラッチレバー172,…が設けられない繰出部間SBの左右に狭くして、肥料貯留タンク60,60の左右幅を縮小させることができる。また、本実施形態のように、畦クラッチレバーの総数が奇数本である場合、繰出伝動機構27と1本の畦クラッチレバー172(5・6)とを左右対称位置に振り分けて配置すれば、左右の配置バランスが良好となる。なお、本実施形態では、1本の畦クラッチレバー172(5・6)を配置した繰出部間に肥料貯留タンクのタンク支持部71も配置している。
【0046】
施肥装置の駆動機構は以上のように構成されており、下記のように作動する。施肥作業時には、繰出ロール77を正転(図6の矢印方向)させ、肥料貯留タンク60の肥料を繰出口61aから下方に繰り出す。繰出口61aから繰り出された肥料は、送風機67から吹き出される圧力風によって肥料移送管72内を運ばれ、肥料移送管72の先端吐出口から施肥ガイド63に吐出され圃場に供給される。
【0047】
肥料回収時には、繰出ロール77を逆転させ、肥料貯留タンク60の肥料を肥料排出口83から排出する。排出された肥料は、送風機67から吹き出される圧力風によって肥料回収管85内を運ばれ、回収シュート87先端の回収口から吐出されて回収容器等に回収される。繰出ロール77によってホッパ内の肥料を強制的に肥料排出口側に送り出すので、回収効率が良好であるとともに、繰出ロール83の上に肥料が残ることなく最後の一粒まで回収することができる。
【0048】
次に、図13及び図14に基づき、施肥装置支持部について説明する。
リンクベースフレーム40,40の上端部に背面視U字形の施肥装置支持プレート180,180をそれぞれ設け、これら一対の施肥装置支持プレートで前記施肥フレーム70を下から支えるようにしている。施肥装置支持プレート180は、その底面部から垂下する脚部180aとリンクベースフレーム40の上部とをボルト181,181で連結するとともに、その前部とリヤステップ38を支持するリヤステップフレーム182の水平部182aに固着した連結片183とをボルト184,184で連結している。これにより、メインフレーム13とリンクベースフレーム40と施肥装置支持プレート180とリヤステップフレーム182とで側面視長方形の強度の高いフレーム構造を構成するので、10条用の大重量の施肥装置を安定して支持することができる。
【0049】
施肥装置支持プレート180は、強度向上のため前後幅を広くしている。このため、シャッタ開閉・切替機構の左右ロッド103と干渉しないように、施肥装置支持プレート180の中央部に上記ロッドが通る穴180bが形成してある。また、リンクベースフレーム40,40は中央2条の肥料移送管62,62とほぼ左右同じ位置にあるので、リンクベースで施肥フレーム70を直接支える構成とすると、肥料移送管とリンクベースとが干渉してしまう。そこで、背面視U字形をした施肥装置支持プレート180,180を介して施肥フレーム70を支え、施肥装置支持プレート180,180の中に肥料移送管62,62を通す構成とすることにより、肥料移送管62,62の配索を可能にしている。
【0050】
植付クラッチケース25と施肥伝動機構27との前後の位置関係上、施肥出力軸117は植付クラッチケース25から後方に長めに突出させなければならない。このため、施肥駆動時、施肥出力軸117に大きな曲げ力がかかる。そこで、前記施肥出力軸117の延長軸部分117aにボス185を回転自在に嵌合させ、このボス185と前記施肥伝動機構27のカウンタ支持軸161aとを補強ロッド186で連結することにより、施肥出力軸117の補強を図っている。なお、カウンタ支持軸161aは、施肥装置支持プレート180から後方に突出する支持板187に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用施肥田植機の側面図である。
【図2】乗用施肥田植機の平面図である。
【図3】施肥装置の背面図である。
【図4】施肥装置の一部を省略した平面図である。
【図5】施肥装置の一断面の側面断面図である。
【図6】肥料繰出器の側面断面図である。
【図7】肥料排出シャッタ及びエア切替シャッタの開閉・切替機構の正面図である。
【図8】肥料排出シャッタ及びエア切替シャッタの開閉・切替機構の側面図である。
【図9】施肥伝動機構の側面図である。
【図10】施肥伝動機構の展開断面図である。
【図11】施肥伝動機構から肥料繰出器への伝動部の一部を断面で表した正面図である。
【図12】施肥伝動機構から肥料繰出器への伝動部の平面図である。
【図13】施肥装置支持部の側面図である。
【図14】施肥装置支持部の背面図である。
【符号の説明】
1 施肥田植機(粉粒体吐出機)
5 施肥装置
27 繰出伝動機構
60 肥料貯留タンク(粉粒体貯留タンク)
60a 漏斗部
61 肥料繰出器(粉粒体繰出器)
62 肥料移送管
67 送風機
171 畦クラッチ
172 畦クラッチレバー
Claims (1)
- 左右方向に複数設けられた粉粒体貯留タンクの下部に粉粒体を案内する傾斜面を有する複数の漏斗部が形成され、各漏斗部の下端に接続して粉粒体繰出器がそれぞれ設けられた粉粒体吐出機であって、前記粉粒体貯留タンクは機体の左右中心を基準に左右対称形で、かつ隣接する粉粒体繰出器同士の間隔に広い箇所と狭い箇所とが存在するように前記漏斗部を形成し、間隔の広い繰出器間の一つに各粉粒体繰出器に動力を伝達する繰出伝動機構を設けるとともに、これと左右対称位置にある繰出器間に所定個数ずつ粉粒体繰出器の作動を停止させる複数のクラッチレバーのうちの一部を配置し、上記繰出器間とは別の間隔の広い繰出器間に残りのクラッチレバーを分散して配置したことを特徴とする粉粒体吐出機。
Priority Applications (1)
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JP2015084755A (ja) * | 2013-11-01 | 2015-05-07 | 株式会社クボタ | 水田作業機 |
JP2018099101A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | 井関農機株式会社 | 作業車両 |
CN110583185A (zh) * | 2019-09-03 | 2019-12-20 | 宿州市信德机械股份有限公司 | 一种便于调节的撒肥机及其使用方法 |
-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003010405A patent/JP2004222504A/ja active Pending
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