JP2004221175A - プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置 - Google Patents

プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウェーハのような板状物の面をプラズマエッチングする場合において、外周を浮き上がらせないようにして露出面のみをエッチングすると共に、露出面を均一にエッチングできるようにする。
【解決手段】板状物を吸引する吸引部63aが形成されたチャックテーブル55と、チャックテーブル55に保持された板状物の露出面にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段54とを少なくとも含むプラズマエッチング装置を用いて板状物の露出面をエッチングする場合において、チャックテーブル55に保持された板状物の外周領域が押し付け手段73によって押し付けられ状態で、露出面のプラズマエッチングを遂行する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハ等の板状物の面をプラズマエッチングする方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
IC、LSI等の回路が表面に複数形成された半導体ウェーハは、裏面が研磨されて所定の厚さに形成された後、ダイシング装置等によって個々の半導体チップに分割される。
【0003】
近年は、各種電子機器の小型化、軽量化のために、半導体チップの厚さを100μm以下、50μm以下と極めて薄くすることが求められているため、これに対応して半導体ウェーハをその厚さが100μm以下、50μm以下と極めて薄くなるまで裏面を研削することが必要とされてきている。
【0004】
研削された半導体ウェーハの裏面には、研削によって生じた歪み層が残存し、この歪み層が半導体チップの抗折強度を低下させるという問題があるため、半導体ウェーハの裏面を研削した後に、その裏面を化学的にエッチングして歪み層を除去することが行われている。
【0005】
この化学的なエッチングには、溶液の化学反応を利用してエッチングを行うウェットエッチングとプラズマ化したガスによってエッチングを行うプラズマエッチングとがあるが、エッチングレートの管理がしやすいこと、回路面に与えるエッチングの影響が少ないことから、プラズマエッチングが採用される傾向にあり、プラズマエッチングを行う装置及び方法も開示されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1においては、半導体ウェーハを下部電極に載置し、下部電極に形成された吸引孔から半導体ウェーハを吸引した状態でチャンバ内を真空排気し、チャンバ内にエッチングガスを供給すると共に上部電極と下部電極との間に高周波電圧を印加することによりプラズマ放電を発生させ、プラズマのエッチング効果により半導体ウェーハの裏面をエッチングすることとしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−257248号公報(第8、9、10図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体ウェーハが載置される下部電極に形成される保持部の外周は、プラズマによる電気的影響を受けるのを避けるために、半導体ウェーハの外周より僅かに内側に形成されている。従って、半導体ウェーハの回路面に保護テープを貼着して下部電極に保護テープ側を載置して裏面をプラズマエッチングすると、半導体ウェーハが薄い故に外周側の保持されていない部分が僅かに浮き上がり、そこにエッチングガスが入り込んで保護テープが溶融し、半導体ウェーハの回路面がエッチングガスにさらされて損傷するという問題がある。
【0008】
また、半導体ウェーハの外周側においてプラズマ密度が比較的高くなり、半導体ウェーハの裏面の外周側や外周側面が多くエッチングされてしまい、裏面が均一にエッチングされないという問題がある。
【0009】
上記のような問題は、半導体ウェーハの表面に半導体チップの仕上がり厚さに相当する切削溝を形成しておき、その後半導体ウェーハの表面に保護テープを貼着して裏面を研削することにより裏面側から切削溝を表出させて個々の半導体チップに分割するいわゆる先ダイシングの技術を利用した後に、個々の半導体チップの裏面をプラズマエッチングする場合にも同様に生じうる。
【0010】
更に、半導体ウェーハに限らず、他の板状物をプラズマエッチングする場合においても同様の問題が起こりうる。
【0011】
従って、板状物をプラズマエッチングする場合においては、外周を浮き上がらせないようにして露出面をエッチングすると共に、露出面を均一にエッチングできるようにすることに課題を有している。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、板状物の搬出入口となる開口部と、開口部を開閉するシャッターと、板状物を保持する保持部が形成されたチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された板状物の露出面にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段とを少なくとも含むプラズマエッチング装置を用いて該板状物の露出面をエッチングするプラズマエッチング方法であって、チャックテーブルに保持された板状物の外周領域が押し付けられた状態で、プラズマエッチングを遂行するプラズマエッチング方法を提供する。
【0013】
そしてこのプラズマエッチング方法は、板状物が表面に複数の回路が形成された半導体ウェーハであり、半導体ウェーハの表面に保護部材が貼着され、半導体ウェーハの裏面が露出するように半導体ウェーハの表面側がチャックテーブルに保持され、半導体ウェーハの裏面の外周領域が押し付けられること、半導体ウェーハの表面に形成された複数の回路に対応する裏面を押し付けないように、半導体ウェーハの裏面の外周領域を押し付けること、半導体ウェーハの裏面の外周領域の押し付けには、リング状に形成された押し付け手段が用いられること、半導体ウェーハの裏面は予め研削されていて、研削によって半導体ウェーハの裏面に生じた研削歪み層が、プラズマエッチングによって除去されること、半導体ウェーハの表面には複数の回路を区画する切削溝が形成されており、切削溝が裏面側から表出して回路ごとに個々の半導体チップに分割されるまで半導体ウェーハの裏面が研削され、研削によって個々の半導体チップの裏面に生じた研削歪み層がプラズマエッチングによって除去されることを付加的要件とする。
【0014】
また本発明は、板状物の搬出入口となる開口部と、開口部を開閉するシャッターと、板状物を保持する保持部が形成されたチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された板状物の露出面にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段とを少なくとも含むプラズマエッチング装置であって、チャックテーブルに保持された板状物の外周領域を押し付ける押し付け手段が配設されたプラズマエッチング装置を提供する。
【0015】
そしてこのプラズマエッチング装置は、押し付け手段がリング状に形成されていること、押し付け手段がポーラス部材により形成されていること、押し付け手段の下部には開口部が形成されていることを付加的要件とする。
【0016】
このように構成されるプラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置によれば、チャックテーブルの吸引部によって保持されない板状物の外周領域を押し付け手段によって押し付けた状態でプラズマエッチングが行われるため、外周領域が浮き上がることなくエッチングが行われる。従って、表面側にエッチングガスが供給されることがない。特に、板状物が、表面に複数の回路が形成された半導体ウェーハである場合は、半導体ウェーハの表面に貼着された保護テープが溶融しないため、表面の回路がエッチングされることがない。
【0017】
また、押し付け手段をリング状に形成することで、半導体ウェーハにおける回路が形成されている部分の裏面には押し付け手段が接触しないため、押圧力によって回路を傷付けることがないと共に、エッチングガスが満遍なく行き渡る。
【0018】
更に、押し付け手段がポーラス部材により形成されていること、または、押し付け手段の下部に開口部が形成されていることにより、エッチングガスが外周側に流れるため、内側にエッチングガスが滞留するのを防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例として、半導体ウェーハの裏面を研削した後に、その裏面をプラズマエッチングする方法及び装置について説明する。
【0020】
本発明によりプラズマエッチングされる半導体ウェーハは、例えば図1に示す半導体ウェーハWのように、ストリートSによって区画されて表面に複数の回路が形成されており、ストリートSにおいて分離させることにより個々の半導体チップCとなる。図2に示すように、この半導体ウェーハWの表面W1には、裏面の研削に先立って回路保護のための保護部材1が貼着される。
【0021】
半導体ウェーハWの裏面の研削には、例えば図3に示す研削装置10を用いる。この研削装置10は、表面に保護部材1が貼着された半導体ウェーハWを収容するカセット11、12と、カセット11からの半導体ウェーハWの搬出またはカセット12への半導体ウェーハWの搬入を行う搬出入手段13と、半導体ウェーハWの中心の位置合わせを行う中心合わせテーブル14と、半導体ウェーハWを搬送する第一の搬送手段15及び第二の搬送手段16と、半導体ウェーハWを吸引保持する4つの保持テーブル17、18、19、20と、保持テーブル17、18、19、20を回転可能に支持するターンテーブル21と、半導体ウェーハWを研削する第一の研削手段22及び第二の研削手段23と、研削後の半導体ウェーハWを洗浄する洗浄手段24とを備えている。
【0022】
カセット11には、研削前の半導体ウェーハWが複数段に重ねて収納されており、搬出入手段13によって1枚ずつピックアップされ、裏面が上を向いて露出した状態で中心合わせテーブル14に載置される。
【0023】
そして中心合わせテーブル14において半導体ウェーハWの中心位置の位置合わせが行われた後に、第一の搬送手段15に吸着されその旋回動によって保持テーブル17に搬送され、半導体ウェーハWが載置される。このとき、半導体ウェーハWはその裏面が上を向いて露出した状態となっており、保護部材1が保持テーブル17に保持され、表面側が保持された状態となる。
【0024】
次に、ターンテーブル21が所要角度(図示の例のように保持テーブルが4つの場合は90度)回転して半導体ウェーハWが第一の研削手段22の直下に位置付けられる。なおこのとき、ターンテーブル21の回転前に保持テーブル17が位置していた位置には保持テーブル18が自動的に位置付けられ、カセット11から次に研削する半導体ウェーハWが搬出されて中心合わせテーブル14に載置され、中心位置の位置合わせがなされた後、第一の搬送手段15によって保持テーブル18に搬送されて載置される。
【0025】
第一の研削手段22は、起立した壁部25に対して上下動可能となっており、壁部25の内側の面には一対のレール26が垂直方向に併設され、駆動源27に駆動されてレール26に沿って支持板28が上下動するのに伴い、支持板28に固定された第一の研削手段22が上下動するように構成されている。
【0026】
第一の研削手段22においては、回転可能に支持されたスピンドル29の先端にマウンタ30を介して研削ホイール31が装着されており、研削ホイール31の下部には粗研削用の研削砥石32が固着されている。
【0027】
表面に保護部材1が貼着され保持テーブル17に保持された半導体ウェーハWが第一の研削手段22の直下に位置付けられると、保持テーブル17の回転により半導体ウェーハWが回転すると共に、スピンドル29の回転により研削砥石32が回転しながら第一の研削手段22が下降することによって、回転する研削砥石32が半導体ウェーハWの裏面に接触し、半導体ウェーハWの裏面が粗研削される。ここで、半導体ウェーハWの表面に複数の回路を区画する切削溝が形成されており、その切削溝が裏面側から表出して回路ごとに個々の半導体チップに分割されるまで半導体ウェーハの裏面が研削されるいわゆる先ダイシングの場合は、切削溝が裏面に表出する直前で研削を終了する。
【0028】
粗研削された半導体ウェーハWは、更にターンテーブル21が所要角度回転することにより、第二の研削手段23の直下に位置付けられる。
【0029】
第二の研削手段23は、起立した壁部25に対して上下動可能となっており、壁部25の内側の面には一対のレール33が垂直方向に併設され、駆動源34に駆動されてレール33に沿って支持板35が上下動するのに伴い、支持板35に固定された第二の研削手段23が上下動するように構成されている。
【0030】
第二の研削手段23においては、回転可能に支持されたスピンドル36の先端にマウンタ37を介して研削ホイール38が装着されており、研削ホイール38の下部には仕上げ研削用の研削砥石39が固着されている。
【0031】
表面に保護部材1が貼着され粗研削された半導体ウェーハWが第二の研削手段23の直下に位置付けられると、保持テーブル17の回転により半導体ウェーハWが回転すると共に、スピンドル36の回転により研削砥石39が回転しながら第二の研削手段23が下降して回転する研削砥石39が半導体ウェーハWの裏面に接触し、半導体ウェーハWの裏面が仕上げ研削される。ここで、いわゆる先ダイシングの場合は、切削溝が表出して個々の半導体チップに分離される。
【0032】
保持テーブル17に保持され仕上げ研削された半導体ウェーハWは、ターンテーブル21の回転によって第二の搬送手段16の近傍に位置付けられる。そして、第二の搬送手段16によって洗浄手段24に搬送されて洗浄された後、保護部材1が貼着されたままの状態で搬送装置40によって搬出される。
【0033】
搬出入手段13の近傍には、半導体ウェーハを吸着する吸着部41と、吸着部41を水平方向及び垂直方向に移動させるアーム部42と、アーム部42を駆動する駆動部43とから構成される搬送装置40が配設されており、吸着部41によって洗浄後の半導体ウェーハWが吸着され、吸着部41が移動することにより半導体ウェーハWがプラズマエッチング装置50に搬送される。
【0034】
図3に示すように、このプラズマエッチング装置50は、ガス供給部51とプラズマ処理部52とが接続されて構成される。ガス供給部51には、エッチングガスを蓄えるタンクやプラズマ処理部52にエッチングガスを送り込むポンプ等を備えている。タンクには、CF等のフッ素系ガスと酸素とを主体とするプラズマ発生用の混合ガスが蓄えられる。
【0035】
図4に示すように、プラズマ処理部52は、プラズマエッチングが行われるチャンバ53の上部側からエッチングガス供給手段54を収容すると共に、エッチングしようとする板状物を保持するチャックテーブル55を下部側から収容した構成となっている。
【0036】
エッチングガス供給手段54は、チャックテーブル55に保持された板状物の露出面にエッチングガスを供給するもので、軸部54aがチャンバ53に対して軸受け56を介して昇降自在に挿通しており、内部にはガス供給部51に連通すると共にポーラス部材で形成された噴出部57aに連通するガス流通孔57が形成されている。エッチングガス供給手段54は、モータ58に駆動されてボールネジ59が回動し、ボールネジ59に螺合したナットを有する昇降部60が昇降するのに伴い昇降する構成となっている。
【0037】
一方、チャックテーブル55は、軸部55aが軸受け61を介して回動可能に挿通しており、内部には吸引源62に連通する吸引路63及び冷却部64に連通する冷却路65が形成されており、吸引路63は上面の吸引部63aに連通している。
【0038】
チャンバ53の側部にはエッチングする板状物の搬出入口となる開口部66が形成されており、開口部66の外側には昇降により開口部66を開閉するシャッター67が配設されている。このシャッター67は、シリンダ68に駆動されて昇降するピストン69によって昇降する。
【0039】
チャンバ53の下部にはガス排気部70に連通する排気口71が形成されており、排気口71から使用済みのガスを排気することができる。また、エッチングガス供給手段54及びチャックテーブル55には高周波電源72が接続され、高周波電圧を供給し、エッチングガスをプラズマ化することができる。
【0040】
エッチングガス供給手段54の下面には、押し付け手段73が配設されている。この押し付け手段73は、チャックテーブル55に保持された板状物の吸引部63aに保持されない外周領域を上方から押し付ける機能を有している。押し付け手段73は、例えば図5において上下を反転させて示すように、リング状に形成されており、エッチングガス供給手段54に対して着脱自在とすることが望ましい。この場合、押し付け手段73は、内径、外径が異なる複数のものを準備しておき、板状物の大きさにあわせて適宜選択することができる。
【0041】
図1及び図2に示した半導体ウェーハWの裏面研削後にその裏面をプラズマエッチングする場合は、シャッター67を下降させて開口部66を開口させ、開口部66から図3に示した吸着部41をチャンバ53の内部に進入させ、半導体ウェーハWを裏面を上に向けて露出させた状態で吸着を解除してチャックテーブル55の吸引部63aに載置し、保護部材1をチャックテーブル55において保持する。そして、吸着部41をチャンバ53の外部に退避させた後にシャッター67を元の位置に戻して開口部63を閉め、内部を減圧排気する。
【0042】
そして、エッチングガス供給手段54を下降させ、図6に示すように、半導体ウェーハWの外周領域74を押し付け手段73によって下方に押し付ける。ここで、外周領域74は、チャックテーブル55における吸引部63aの外側、即ち半導体ウェーハWが吸引保持されていない領域であり、外周領域74のみを押し付けるようにしてもよいし、外周領域74及びその若干内側の領域を押し付けるようにしてもよい。
【0043】
次に、その状態でガス供給部51からガス流通孔57にエッチングガスを供給し、エッチングガス供給手段54の下面の噴出部57aからエッチングガスを噴出させると共に、高周波電源72からエッチングガス供給手段54とチャックテーブル55との間に高周波電圧を印加してエッチングガスをプラズマ化させると、プラズマのエッチング効果により半導体ウェーハWの裏面がエッチングされ、研削により形成された研削歪み層が除去される。また、先ダイシングの場合は、個々の半導体チップの裏面の研削歪み層が除去される。更に、切削溝の側面もエッチングされ、切削歪み層が除去される。
【0044】
上記のようにして行うプラズマエッチングの際には、半導体ウェーハWの外周領域74が浮き上がることなくエッチングが行われるため、半導体ウェーハWの表面に貼着された保護テープ1が溶融しない。従って、表面の回路がエッチングされて損傷することがない。また、プラズマ密度が均一になり、裏面が均一にエッチングされる。
【0045】
更に、押し付け手段73による裏面側からの押圧によって半導体ウェーハWの外周領域74がエッチングされないにしても、図7に示すように、半導体ウェーハWの外周領域74には回路が形成されておらず、個々の半導体チップに分割された後は不要となる領域であるため、半導体チップの品質には影響しない。なお、外周領域74の幅は、通常2mm〜4mm程度である。
【0046】
また、押し付け手段73をリング状に形成することで、複数の回路が形成されている部分に対応する裏面は押し付け手段73によって押し付けられないため、押圧力によって回路を傷付けることがないと共に、エッチングガスが行き渡り、エッチングを満遍なく行うことができる。
【0047】
押し付け手段73は、ポーラス部材によって形成することもできる。この場合は、エッチングガスが押し付け手段73に形成された細孔を通って外周側に流れるため、リングの内側にエッチングガスが滞留することがない。
【0048】
また、図8に示す押し付け手段73aのように、適宜の開口部75を下部に設けた構成とすることができる。この場合もエッチングガスが開口部75を通って外周側に流れるため、リングの内側にエッチングガスが滞留するのを防止することができると共に、複数の回路が形成されている部分に対応する裏面は押し付け手段73によって押し付けられないため、押圧力によって回路を傷付けることがなく、エッチングガスが行き渡り、エッチングを満遍なく行うことができる。この場合、押し付け手段73aをポーラス部材で形成してもよい。
【0049】
このようにして裏面がプラズマエッチングされた半導体ウェーハWは、図4に示したシャッター67を下降させて開口部66を開け、図3に示した吸着部41によって半導体ウェーハWを吸着すると共に、吸着部41を移動させてチャンバ53の外部に搬出する。そして、図3に示した研削装置10の洗浄手段24に半導体ウェーハWを移し替え、エッチング後の半導体ウェーハWを洗浄した後、搬出入手段13によってカセット12に収容する。以上のような研削及びプラズマエッチングをカセット11に収容されたすべての半導体ウェーハについて行い、カセット12にすべての半導体ウェーハを収容する。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置によれば、チャックテーブルの吸引部によって保持されない板状物の外周領域を押し付け手段によって押し付けた状態でプラズマエッチングが行われるため、外周領域が浮き上がることなくエッチングが行われる。従って、表面側にエッチングガスが供給されることがなく、表面がエッチングされることがないと共に、プラズマ密度が均一になり、裏面が均一にエッチングされる。特に、板状物が、表面に複数の回路が形成された半導体ウェーハである場合は、半導体ウェーハの表面に貼着された保護テープが溶融しないため、表面の回路がエッチングされて損傷することがない。
【0051】
また、押し付け手段をリング状に形成することで、半導体ウェーハにおける回路が形成されている部分の裏面には押し付け手段が接触しないため、押圧力によって回路を傷付けることがないと共に、エッチングガスが満遍なく行き渡り、エッチングを均一に行うことができる。
【0052】
更に、押し付け手段がポーラス部材により形成されていること、または、押し付け手段の下部に開口部が形成されていることにより、エッチングガスが外周側に流れるため、内側にエッチングガスが滞留するのを防止することができ、エッチングを均一に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体ウェーハの一例を示す斜視図である。
【図2】表面に保護部材が貼着された半導体ウェーハを示す正面図である。
【図3】研削装置、搬送装置及びプラズマエッチング装置の一例を示す斜視図である。
【図4】同プラズマエッチング装置を構成するプラズマ処理部の構造の一例を示す断面図である。
【図5】同プラズマ処理部を構成するエッチングガス供給手段及び押し付け手段の一例を示す斜視図である。
【図6】押し付け手段を用いて半導体ウェーハの外周領域を押し付けた状態を示す断面図である。
【図7】半導体ウェーハの外周領域を示す斜視図である。
【図8】押し付け手段の第二の例を示す正面図である。
【符号の説明】
W…半導体ウェーハ S…ストリート
C…半導体チップ 1…保護部材
10…研削装置 11、12…カセット
13…搬出入手段 14…中心合わせテーブル
15…第一の搬送手段 16…第二の搬送手段
17、18、19、20…保持テーブル
21…ターンテーブル 22…第一の研削手段
23…第二の研削手段 24…洗浄手段
25…壁部 26…レール 27…駆動源
28…支持板 29…スピンドル 30…マウンタ
31…研削ホイール 32…研削砥石 33…レール
34…駆動源 35…支持板 36…スピンドル
37…マウンタ 38…研削ホイール
39…研削砥石 40…搬送装置 41…吸着部
42…アーム部 43…駆動部
50…プラズマエッチング装置 51…ガス供給部
52…プラズマ処理部 53…チャンバ
54…エッチングガス供給手段
55…チャックテーブル 56…軸受け
57…ガス流通孔 57a…噴出部 58…モータ
59…ボールネジ 60 昇降部 61…軸受け
62…吸引源 63…吸引路 64…冷却部
65…冷却路 66…開口部 67…シャッター
68…シリンダ 69…ピストン 70…ガス排気部
71…排気口 72…高周波電源
73、73a…押し付け手段 74…外周領域

Claims (10)

  1. 板状物の搬出入口となる開口部と、該開口部を開閉するシャッターと、板状物を保持する保持部が形成されたチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された板状物の露出面にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段とを少なくとも含むプラズマエッチング装置を用いて該板状物の露出面をエッチングするプラズマエッチング方法であって、
    該チャックテーブルに保持された板状物の外周領域が押し付けられた状態で、プラズマエッチングを遂行するプラズマエッチング方法。
  2. 板状物は表面に複数の回路が形成された半導体ウェーハであり、該半導体ウェーハの表面に保護部材が貼着され、該半導体ウェーハの裏面が露出するように該半導体ウェーハの表面側がチャックテーブルに保持され、該半導体ウェーハの裏面の外周領域が押し付けられる請求項1に記載のプラズマエッチング方法。
  3. 半導体ウェーハの表面に形成された複数の回路に対応する裏面を押し付けないように、該半導体ウェーハの裏面の外周領域を押し付ける請求項2に記載のプラズマエッチング方法。
  4. 半導体ウェーハの裏面の外周領域の押し付けには、リング状に形成された押し付け手段が用いられる請求項2または3に記載のプラズマエッチング方法。
  5. 半導体ウェーハの裏面は予め研削されていて、研削によって半導体ウェーハの裏面に生じた研削歪み層が、プラズマエッチングによって除去される請求項2、3または4に記載のプラズマエッチング方法。
  6. 半導体ウェーハの表面には複数の回路を区画する切削溝が形成されており、該切削溝が裏面側から表出して該回路ごとに個々の半導体チップに分割されるまで該半導体ウェーハの裏面が研削され、研削によって個々の半導体チップの裏面に生じた研削歪み層がプラズマエッチングによって除去される請求項2、3または4に記載のプラズマエッチング方法。
  7. 板状物の搬出入口となる開口部と、該開口部を開閉するシャッターと、板状物を保持する保持部が形成されたチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された板状物の露出面にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段とを少なくとも含むプラズマエッチング装置であって、
    該チャックテーブルに保持された板状物の外周領域を押し付ける押し付け手段が配設されたプラズマエッチング装置。
  8. 押し付け手段はリング状に形成されている請求項7に記載のプラズマエッチング装置。
  9. 押し付け手段はポーラス部材により形成されている請求項8に記載のプラズマエッチング装置。
  10. 押し付け手段の下部には開口部が形成されている請求項8または9に記載のプラズマエッチング装置。
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