JP4989498B2 - ウェーハ搬送装置および加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェーハを搬送先へ搬送する搬送装置に関する。
半導体ウェーハは、表面に格子状の分割予定ラインによって多数の矩形領域が区画され、これら矩形領域の表面にICやLSIなどの電子回路を形成し、次いで裏面を研削して所望の厚さに加工される。この後、ウェーハを、全ての分割予定ラインに沿って切断することで、携帯電話などの電子機器に利用されるデバイスが得られる。
一般に、この種のウェーハの研削は、ウェーハがカセットから搬出される着脱エリアと、ウェーハを研削する研削エリアとから構成される研削加工装置によって行われる。着脱エリアと研削エリアとの間を搬送させる装置としては、例えば特許文献1に記載の搬送装置がある。このような搬送装置では、ウェーハが、着脱エリアから研削エリアの真空吸引式のチャックテーブルに搬送されて保持され、チャックテーブルに対向配置させた研削手段の砥石を高速回転させながらウェーハの裏面に押し付けることにより、裏面が研削される。
また、ウェーハを個片化してデバイスを得る方法としては、例えば、デバイスの仕上がり厚さに相当する所定の深さの溝をウェーハに形成してからウェーハを研削してウェーハを個片化する先ダイシング法(DBG:Dicing Before Grinding)を用いた方法がある(特許文献2参照)。
特開2000−21952号公報 特開2006−19493号公報
上記特許文献1に記載されているようなウェーハの被加工面を吸着して搬送する搬送装置によってウェーハを搬送する場合、搬送装置の吸着面に、研削などによって生じた加工屑(コンタミ)が付着していると、このコンタミが、ウェーハの被加工面に付着するおそれがある。ウェーハの被加工面にコンタミが付着すると、後工程であるダイボンディング用の接着フィルムの装着や、プラズマダイシング用のレジスト膜塗布などを実施する際に悪影響を与えるという問題が生じる。
上記DBGにおいてウェーハに溝を形成する方法としては、例えば、レーザ光線を分割予定ラインに沿って照射し、アブレーションと呼ばれる熱蒸散現象によりウェーハに溝を形成する方法がある。このレーザ光線による方法では、ウェーハの被加工面にコンタミが付着することを防止するために、ウェーハの被加工面に保護部材が塗布される。保護部材には、粘着性が有るものが使用される場合があるが、この粘着性の保護部材がウェーハの被加工面に塗布されると、ウェーハが搬送装置に貼着してしまうため、前述のようなウェーハの被加工面を吸着して搬送する搬送装置を使用することが困難になる。
よって本発明は、ウェーハを搬送する際のウェーハへのコンタミの影響を抑えるとともに、被加工面に粘着性の保護部材が塗布されたウェーハであっても搬送先へ高い位置決め精度をもって確実に搬送させることのできる搬送装置を提供することを目的とする。
本発明は、ウェーハを保持する保持手段と、保持手段が積載される積載部と、保持手段を積載部へ搬送する搬送手段とを備えるウェーハ搬送装置であって、保持手段及び積載部は、積載部に積載される保持手段を所定の位置に定める自動位置決め手段を有し、搬送手段は、保持手段を下面側から支持する支持面を有する支持プレートと、支持プレートを下面側から保持する支持面を有するベースと、ベースに連結されたアーム部とから少なくとも構成され、支持プレートは支持面に開口する支持プレート側連通路を有し、支持プレート側連通路は、保持手段を吸引保持する支持プレート側吸引手段に接続されており、ベースは支持面に開口するベース側連通路を有し、ベース側連通路は、支持プレートを吸引保持するベース側吸引手段と、支持プレートを浮揚させる浮揚手段とに接続されており、保持手段を搬送する際には、支持プレート側吸引手段により保持手段を吸引保持し、かつ、ベース側吸引手段により支持プレートを吸引保持し、保持手段を積載部に積載する際には、浮揚手段により支持プレートを浮揚させて保持手段が積載部に積載される際に保持手段と積載部との間に生じる摩擦抵抗を軽減することを特徴としている。
また、本発明は、ウェーハを保持する保持手段と、保持手段が積載される積載部と、保持手段を積載部へ搬送する搬送手段とを備えるウェーハ搬送装置であって、保持手段及び積載部は、積載部に積載される保持手段を所定の位置に定める自動位置決め手段を有し、搬送手段は、保持手段を下面側から支持する支持面を有する支持部と、支持部に連結されたアーム部とから少なくとも構成され、支持部は、支持面に開口する連通路を有し、連通路は、保持手段を吸引保持する吸引手段と、保持手段を浮揚させる浮揚手段とに接続されており、保持手段を搬送する際には、吸引手段により保持手段を吸引保持し、保持手段を積載部に積載する際には、浮揚手段により保持手段を浮揚させて摩擦抵抗を軽減することを特徴としている。
上記各本発明のウェーハ搬送装置は、ウェーハに所定の加工を施すウェーハの加工装置に備えられる形態が挙げられる。
本発明のウェーハ搬送装置は、保持手段を、ウェーハが保持されていない下面側から支持して搬送する。これにより、保持手段ごと搬送することができ、ウェーハの被加工面に何も接触させることなくウェーハを搬送することができる。よって、ウェーハの被加工面に粘着性の保護部材などが塗布されていても、ウェーハが搬送装置に貼着することなく、搬送先へ確実に搬送することができる。また、ウェーハを保持手段ごと搬送するため、搬送装置に付着したコンタミなどがウェーハの被加工面に付着することを防止することができる。
本発明のウェーハ搬送装置の保持部は、自動位置決め手段によって位置決めされ、積載部に積載される。これによって、保持手段を高精度に位置決めすることができる。この結果、搬送先でウェーハに加工を施す場合、ウェーハの位置ずれを防止することができる。また、積載されるときに摩擦抵抗が軽減可能であるため、保持手段を円滑に積載部に積載することができる。
上記各本発明のウェーハ搬送装置のうち、特に後者のものにおいては、支持部が、上記のように保持手段の支持面に開口する連通路を有し、連通路は、保持手段を吸引保持する吸引手段と、保持手段を浮揚させる浮揚手段とに接続されており、保持手段を搬送する際には、吸引手段により保持手段を吸引保持し、保持手段を積載部に積載する際には、浮揚手段により保持手段を浮揚させて摩擦抵抗を軽減する構成である。
このような構成により、一つの連通路で保持手段の吸引と浮揚を行うことができ、構成が簡素となる。
本発明のウェーハ搬送装置の自動位置決め手段は、テーパ形状である一対の凹部と凸部によって構成可能である。
このような構成にすることで、保持手段を確実かつ、高精度に位置決めすることができ、自動位置決め手段を簡素な構成にすることができる。
また、本発明では、ウェーハが空気の吸引作用によって前記保持手段に保持されることを特徴としている。
本発明によれば、ウェーハを搬送する際のウェーハへのコンタミの影響を抑えるとともに、被加工面に粘着性の保護部材が塗布されたウェーハであっても搬送先へ高い位置決め精度をもって確実に搬送することのできる搬送装置が提供される。
[1]半導体ウェーハ
図1の符号1は、円盤状の半導体ウェーハを示している。このウェーハ1はシリコンウェーハなどである。ウェーハ1の表面1aには、格子状の分割予定ライン2によって複数の矩形状の半導体チップ(デバイス)3が区画されている。これら半導体チップ3の表面には、ICやLSIなどの図示せぬ電子回路が形成されている。
複数の半導体チップ3は、ウェーハ1と同心の概ね円形状のデバイス形成領域4に形成されている。デバイス形成領域4はウェーハ1の大部分を占めており、このデバイス形成領域4の周囲であってウェーハ1の外周部は、半導体チップ3が形成されない環状の外周余剰領域5とされている。また、ウェーハ1の外周面の所定箇所には、半導体の結晶方位を示すV字状の切欠き(ノッチ)6が形成されている。このノッチ6は、外周余剰領域5内に形成されている。
ウェーハ1は、分割予定ライン2に沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する所定の深さの溝が形成される。このような加工をするにあたり、半導体チップ3が形成された表面1a全面に、保護膜7が塗布される。保護膜7は、溝の形成時に発生する加工屑がウェーハ1の表面1aに付着することを防止するために、スピンコートなどの方法により表面1aに塗布される。保護膜7は、例えば、水溶性レジストなどの水で容易に除去できるものが好適に用いられる。ウェーハ1は、溝の形成の際には、表面1aを露出させるために裏面1bを図2に示すダイシング装置10のチャックテーブル(保持手段)20に合わせて載置する。溝が形成されたウェーハ1は、ウェーハ1の裏面1bが研削されて、デバイスに個片化される。
[2]ダイシング装置
次に、図2を参照してレーザ式のダイシング装置10の構成ならびに動作を説明する。ダイシング装置10は、本発明のウェーハ搬送装置を備えるウェーハの加工装置の一例である。
ウェーハ1は、ダイシング装置10が備える水平なチャックテーブル20上に保持される。チャックテーブル20の上方には、レーザ光線を垂直下向きに照射するレーザヘッド50が配設されている。チャックテーブル20は、装置10の基台11上において水平なX軸方向およびY軸方向に移動自在に設けられたXY移動テーブル12に設置されており、このXY移動テーブル12がX軸方向やY軸方向に移動することにより、レーザヘッド50から分割予定ライン2にレーザ光線が照射される。
XY移動テーブル12は、基台11上にX軸方向に移動自在に設けられたX軸ベース30と、このX軸ベース30上にY軸方向に移動自在に設けられたY軸ベース40との組み合わせで構成されている。X軸ベース30は、基台11上に固定されたX軸方向に延びる一対の平行なガイドレール31に摺動自在に取り付けられており、モータ32でボールねじ33を作動させるX軸駆動機構34によってX軸方向に移動させられる。一方、Y軸ベース40は、X軸ベース30上に固定されたY軸方向に延びる一対の平行なガイドレール41に摺動自在に取り付けられており、モータ42でボールねじ43を作動させるY軸駆動機構44によってY軸方向に移動させられる。
チャックテーブル20は、多孔質のセラミックからなり、ウェーハ1の表面1aが露出する状態にウェーハ1を保持する円盤状のウェーハ保持部21と、ウェーハ保持部21の周囲に配設される基台部22とから構成されている。チャックテーブル20は、円筒状の支持台(積載部)45に着脱可能に支持されている。支持台45に積載されたチャックテーブル20は、支持台45を介してY軸ベース40上に回転自在に支持されており、図示せぬ回転駆動機構によって一方向または両方向に回転させられる。そしてチャックテーブル20は、X軸ベース30およびY軸ベース40の移動に伴って、X軸方向やY軸方向に移動させられる。ダイシング装置10のY軸方向手前側には、チャックテーブル20を搬送する搬送ユニット(搬送手段)61が備わっている。搬送ユニット61は、加工前のウェーハ1を保持したチャックテーブル20を支持台45まで搬送し、また、加工後のウェーハ1を保持したチャックテーブル20を支持台45から外して、所定の位置へ搬送させるものである。なお、チャックテーブル20、支持台45および搬送ユニット61は、本発明に係るものであり後に詳述する。
チャックテーブル20上に保持されたウェーハ1は、チャックテーブル20を回転させることにより、一方向に延びる各分割予定ライン2がX軸方向と平行とされ、これに直交する他方向に延びる各分割予定ライン2がY軸方向と平行とされ、その状態が、チャックテーブル20が停止することで固定される。そしてこの状態を保持して、XY移動テーブル12のX軸ベース30とY軸ベース40とを適宜に移動させながら、レーザ光線がレーザヘッド50からウェーハ1の分割予定ライン2に沿って照射される。一実施形態では、分割予定ライン2の直下にレーザ光線の焦点位置を設定し、その焦点位置に溝を形成する。
レーザヘッド50はチャックテーブル20上に向かってY軸方向に延びるケーシング51のチャックテーブル側の端面51aに設けられている。このケーシング51は、基台11の上面に立設されたコラム13に、鉛直方向(Z軸方向)に沿って上下動自在に設けられており、コラム13内に収容された図示せぬ上下駆動機構によって上下動させられる。
レーザヘッド50には、YAGレーザ発振器、あるいはYVO4レーザ発振器からなるパルスレーザ発振器が接続されており、このレーザ発振器で発振されたレーザが、レーザヘッド50から鉛直下向きにレーザ光線として照射されるようになっている。
レーザヘッド50からのレーザ光線の照射位置は、ケーシング51の端面51aにレーザヘッド50と並んで取り付けられた顕微鏡52の撮像に基づいて制御される。この顕微鏡52は、ケーシング51の上下動に伴いレーザヘッド50とともに上下動して焦点調整がなされる。チャックテーブル20に保持されたウェーハ1は、レーザ光線照射に先立ち、顕微鏡52の下方に移動させられて顕微鏡52により表面のパターン画像が撮像される。そして撮像されたウェーハ1の表面1aのパターン画像は、図示せぬ画像処理手段に取り込まれ、この画像処理手段によって切断すべき分割予定ライン2が検出されるとともに、前述のチャックテーブル20の回転を制御し、分割予定ライン2とXY軸を平行に調整する基準となる。さらに、この画像処理手段により検出された分割予定ライン2のデータに基づき、チャックテーブル20およびXY移動テーブル12の移動動作や、レーザヘッド50からのレーザ光線照射といった動作が制御される。
上記ダイシング装置10では、X軸ベース30をX軸方向に移動させながらレーザヘッド50から分割予定ライン2にレーザ光線を照射することにより、X軸方向と平行な分割予定ライン2に沿って溝が形成される。また、Y軸ベース40をY軸方向に移動させながらレーザヘッド50から分割予定ライン2にレーザ光線を照射することにより、Y軸方向と平行な分割予定ライン2に沿って溝が形成される。あるいは、X軸方向の分割予定ライン2を加工後にチャックテーブル20を90度回転させ、再度X軸方向の分割予定ライン2を加工してもよい。レーザ光線を照射する際には、ケーシング51を上下動させてレーザヘッド50の上下位置を調整し、レーザ光線の焦点位置が分割予定ライン2の直下に設定される。
全ての分割予定ラインに沿ってレーザ光線が照射され、溝が形成されたら、ウェーハ1は、チャックテーブル20から取り外される。この後、ウェーハ1は次工程である研削加工装置に運搬される。レーザ光線が照射されて溝が形成されたウェーハ1は、研削加工装置によって裏面1bが研削され、デバイスに個片化される。
[3]搬送装置
次に、図2〜4を参照して、本発明に係る一実施形態のウェーハ搬送装置(以下、搬送装置と略称)60を説明する。この一実施形態は、本発明の請求項1に係るものである。
図2に示すように、搬送装置60は、上記チャックテーブル20と、チャックテーブル20が積載される上記支持台45と、チャックテーブル20を搬送する搬送ユニット61とから構成されている。
搬送ユニット61は、上面が水平な直方体状の基台62を備えている。基台62上には、Y軸方向に延びる一対の平行なガイドレール63が固定されており、このガイドレール63上に搬送テーブル64が摺動自在に取り付けられている。この搬送テーブル64は、モータ65でボールねじ66を作動させる搬送テーブル移動機構67によってY軸方向に移動させられる。
搬送テーブル64上には、図示せぬ昇降機構によりZ方向に移動するリフタ(アーム部)68が配設されており、このリフタ68の上面にY字状のハンド部69が備わっている。ハンド部69は、リフタ68の動作に連動してZ方向に移動する。ハンド部69は、チャックテーブル20を支持する支持面70aを有する支持プレート70と、支持プレート70の外周に配設されるベース80とを備えている。ハンド部69は、図3に示すようにチャックテーブル20を支持することができる大きさに設定される。図4(a)は、チャックテーブル20と、支持台45およびハンド部69の断面図を示している。また、図4(b)は、図4(a)のB部の拡大図である。図4に示すように支持プレート70の外周面70bには、環状の凸部71が形成されており、この凸部71に対応する凹部81がベース80の内周面80aに形成されている。図4(b)に示すように、凸部71の突出高さは、凹部81に入り込む寸法に設定されている。
支持プレート70には、支持面70aに開口し、支持プレート側吸引手段73に接続されている支持プレート側連通路72が形成されている。この支持プレート側連通路72と支持プレート側吸引手段73との間には支持プレート側電磁開閉弁74が備わっている。この支持プレート側電磁開閉弁74は、支持プレート側吸引手段73によるウェーハ1の吸引動作と、ウェーハ1の吸引を停止する開放動作の切換えを行う。ベース80には、支持プレート70を保持する支持面80bに開口し、浮揚手段83およびベース側吸引手段84に接続されているベース側連通路82が形成されている。このベース側連通路82と、浮揚手段83およびベース側吸引手段84との間にはベース側電磁開閉弁85が備わっている。このベース側電磁開閉弁85は、浮揚手段83によって支持プレート70を浮揚させる浮揚動作と、ベース側吸引手段84によって支持プレート70を吸引、保持する吸引動作の切換えを行う。
チャックテーブル20の底面(下面)20aの中央付近には、下面23aに向かうしたがって縮径するテーパ状の位置決め凸部(自動位置決め手段)23が形成されている。支持台45の上面45aには、チャックテーブル20の位置決め凸部23に対応する位置決め凹部(自動位置決め手段)46が形成されている。位置決め凸部23と位置決め凹部46は、支持台45に積載されたチャックテーブル20の水平方向の移動を規制し、チャックテーブル20を所定の位置に位置付ける。
また、チャックテーブル20には、チャックテーブル20の底面20aからウェーハ保持部21の外周側21aに貫通する外周側吸引路24と、位置決め凸部23の下面23aからウェーハ保持部21に貫通する中央吸引路25が形成されている。チャックテーブル20が支持面70aに支持されると各吸引路24、72が連通し、支持プレート側吸引手段73によって支持面70a上のウェーハ1を吸引、保持する。支持台45には、位置決め凹部46の底面46aから支持台側吸引手段48に連通する支持台側吸引路47が形成されている。また、支持台側吸引路47には、支持台側電磁開閉弁49が備わっており、支持台側吸引手段48によるウェーハ1の吸引動作と、ウェーハ1の吸引を停止する開放動作の切換えを行う。チャックテーブル20が支持台45に積載されると各吸引路25、47が連通し、支持台側吸引手段48によってウェーハ保持部21上のウェーハ1を吸引、保持する。
[4]搬送方法
次に、図5および図6を参照してウェーハの搬送方法を説明する。
図5(a)に示すように、ベース側電磁開閉弁85によりベース側連通路82をベース側吸引手段84に接続し、支持面80bに支持プレート70を吸引、保持する。このとき、支持プレート側連通路72は、支持プレート側吸引手段73に接続されており、ウェーハ1がチャックテーブル20のウェーハ保持部21に吸着保持されている。次いで、チャックテーブル20が支持台45の上方に搬送されたら、ベース側電磁開閉弁85を切換えてベース側連通路82を浮揚手段83に接続し、支持プレート70を浮揚させる(図5(b)参照)。支持プレート70を浮揚させても、支持プレート70の凸部71がベース80の凹部81に引っ掛かるため、支持プレート70はベース80から脱落することはない。次いで、リフタ68を下降させ、チャックテーブル20を支持台45に近付ける。このとき、支持プレート70を浮揚させることで、チャックテーブル20が、凸部71が凹部81に引っ掛からない範囲で水平方向に動くことができる。これにより、チャックテーブル20の位置決めが円滑に行われる。
図6(a)に示すように、チャックテーブル20を支持台45に近付けて位置決め凸部23と位置決め凹部46が嵌合し、チャックテーブル20が支持台45に積載されたら、支持台側電磁開閉弁49を切換えて支持台側吸引路47を支持台側吸引手段48に接続し、ウェーハ1の吸引を開始する。次いで、支持プレート側電磁開閉弁74を開放動作に切換え、支持プレート70によるウェーハ1の吸引を終了する(図6(b)参照)。この後、上述のようにウェーハ1の分割予定ライン2に沿って溝が形成される。次いで、チャックテーブル20が支持台45に積載されたときと同様にして、ウェーハ1がチャックテーブル20と一体に搬送される。溝の形成が終了したウェーハ1は、次工程である研削加工装置に運搬される。レーザ光線が照射されて溝が形成されたウェーハ1は、研削加工装置によって裏面1bが研削され、デバイスに個片化される。
一実施形態の搬送装置60は、ウェーハ1が保持されたチャックテーブル20を、底面20a側から支持して搬送するため、ウェーハ1の表面1aに何も接触させることなくチャックテーブル20を支持台45へ搬送することができる。よって、ウェーハ1の表面1aに塗布された保護膜7に粘着性があってもウェーハ1を搬送先へ確実に搬送させることができる。
また、一実施形態の搬送装置10のチャックテーブル20は、凸部71と凹部81とによって支持台45に位置決めされるため、チャックテーブル20を高精度に位置決めし、支持台45に積載させることができる。この結果、ウェーハ1の位置ずれによる溝加工不良を抑えることができる。また、チャックテーブル20が積載されるときに、浮揚手段83によりチャックテーブル20と支持台45の間に生じる摩擦抵抗が軽減されるため、チャックテーブル20を円滑に支持台45に積載することができる。
[5]他の実施形態
次いで、本発明の他の実施形態を説明する。この他の実施形態は、本発明の請求項2に係るものである。
上記実施形態では、搬送時および積載時にウェーハ1が各吸引手段48、73によってチャックテーブル20に吸引保持されていたが、図7に示すような、クランプ27でウェーハ1を保持することも可能である。なお、上記実施形態の搬送装置60と同一構成要素には同一の符合を付しており、それらについては簡略的に説明する。
略水平な保持面26aを有する上記チャックテーブル20に相当する保持テーブル(保持手段)26の外周には、ウェーハ1を保持面26aに押さえるクランプ27が備えられている。このクランプ27は、ウェーハ1の外周余剰領域5を押さえ付ける。保持テーブル26の底面(下面)26bには、上記実施形態と同様に位置決め凸部23が形成されている。また、支持台45の上面45aには、位置決め凸部23に対応する位置決め凹部46が形成されている。
上記実施形態と同様に、支持台45には、位置決め凹部46の底面46aから支持台側吸引手段48に連通する支持台側吸引路47が形成されている。また、支持台側吸引路47には、支持台側電磁開閉弁49が備わっており、支持台側吸引手段48による保持テーブル26の吸引動作と、保持テーブル26の吸引を停止する開放動作の切換えを行う。
ベース(支持部)80には、上記実施形態と同様にベース側連通路(連通路)82が形成されている。このベース側連通路82と、浮揚手段83およびベース側吸引手段(吸引手段)84との間にはベース側電磁開閉弁85が備わっている。このベース側電磁開閉弁85は、浮揚手段83によって保持テーブル26を浮揚させる浮揚動作と、ベース側吸引手段84によって保持テーブル26を吸引、保持する吸引動作の切換えを行う。
この実施形態での搬送方法としては、まず最初に、ウェーハ1を保持した保持テーブル26が搬送テーブル移動機構67より支持台45の上方に搬送される。次いで、保持テーブル26が支持台45の上方に搬送されたら、ベース側電磁開閉弁85を切換えてベース側連通路82を浮揚手段83に接続し、保持テーブル26を浮揚させる。次いで、リフタ68を下降させ、チャックテーブル20を支持台45に近付ける。このとき、保持テーブル26を浮揚させることで、水平方向に動くことができる。これにより、保持テーブル26の位置決めが円滑に行われる。
保持テーブル26を支持台45に近付けて位置決め凸部23と位置決め凹部46が嵌合し、保持テーブル20が支持台45に積載されたら、支持台側電磁開閉弁49を切換えて支持台側吸引路47を支持台側吸引手段48に接続し、保持テーブル26の吸引を開始し、保持テーブル26の搬送が終了する。加工が終了すると保持テーブル26が支持台45に積載されたときと同様にして、ウェーハ1が保持テーブル26と一体に搬送される。
この実施形態では、支持プレート70や支持プレート側吸引手段73などの搬送時にウェーハ1を吸引する機構を使用しない。このため、搬送装置60を上記実施形態に比べ簡素な構成にすることができる。また、上記実施形態と同様に、位置決め凸部23と位置決め凹部46によって保持テーブル26を高精度に位置決めし、支持台45に積載させることができる。
なお、上記実施形態では、搬送装置60をダイシング装置10に用いたが、DAFやレジスト液などの被加工面を覆うような処理が施されたウェーハを高い位置決め精度をもって搬送する必要がある装置に適用しても有効である。さらに、本発明は、ウェーハを研削する研削加工装置などの薄いウェーハを高い位置決め精度をもって搬送する必要がある装置に適用しても有効である。
本発明の一実施形態の搬送装置により搬送されるウェーハの(a)斜視図、(b)側面図である。 一実施形態の搬送装置を備えたダイシング装置を示す斜視図である。 一実施形態のチャックテーブルが支持プレートに保持される様子を示す斜視図である。 (a)は、一実施形態の搬送装置を示す断面図、(b)は、図4(a)のB部を示す拡大図である。 一実施形態の搬送装置によりウェーハが搬送される様子を示す断面図である。 一実施形態の搬送装置によりウェーハが搬送される様子を示す断面図である。 他の実施形態の搬送装置を示す断面図である。
1…ウェーハ
20…チャックテーブル(保持手段)
20a…チャックテーブルの底面(下面)
23…位置決め凸部(自動位置決め手段)
26…保持テーブル(保持手段)
26b…保持テーブルの底面(下面)
45…支持台(積載部)
46…位置決め凹部(自動位置決め手段)
60…ウェーハ搬送装置
61…搬送ユニット(搬送手段)
68…リフタ(アーム部)
70…支持プレート
70a…支持面
72…支持プレート側連通路
73…支持プレート側吸引手段
80…ベース(支持部)
80b…支持面
82…ベース側連通路
83…浮揚手段
84…ベース側吸引手段(吸引手段)

Claims (5)

  1. ウェーハを保持する保持手段と、
    該保持手段が積載される積載部と、
    前記保持手段を前記積載部へ搬送する搬送手段とを備えるウェーハ搬送装置であって、
    前記保持手段及び前記積載部は、前記積載部に積載される前記保持手段を所定の位置に定める自動位置決め手段を有し、
    前記搬送手段は、前記保持手段を下面側から支持する支持面を有する支持プレートと、
    該支持プレートを下面側から保持する支持面を有するベースと、
    該ベースに連結されたアーム部とから少なくとも構成され、
    前記支持プレートは前記支持面に開口する支持プレート側連通路を有し、該支持プレート側連通路は、前記保持手段を吸引保持する支持プレート側吸引手段に接続されており、
    前記ベースは前記支持面に開口するベース側連通路を有し、該ベース側連通路は、前記支持プレートを吸引保持するベース側吸引手段と、前記支持プレートを浮揚させる浮揚手段とに接続されており、
    前記保持手段を搬送する際には、前記支持プレート側吸引手段により前記保持手段を吸引保持し、かつ、前記ベース側吸引手段により前記支持プレートを吸引保持し、
    前記保持手段を前記積載部に積載する際には、前記浮揚手段により前記支持プレートを浮揚させて前記保持手段が前記積載部に積載される際に前記保持手段と前記積載部との間に生じる摩擦抵抗を軽減することを特徴とするウェーハ搬送装置。
  2. ウェーハを保持する保持手段と、
    該保持手段が積載される積載部と、
    前記保持手段を前記積載部へ搬送する搬送手段とを備えるウェーハ搬送装置であって、
    前記保持手段及び前記積載部は、前記積載部に積載される前記保持手段を所定の位置に定める自動位置決め手段を有し、
    前記搬送手段は、前記保持手段を下面側から支持する支持面を有する支持部と、該支持部に連結されたアーム部とから少なくとも構成され、
    前記支持部は、前記支持面に開口する連通路を有し、
    該連通路は、前記保持手段を吸引保持する吸引手段と、前記保持手段を浮揚させる浮揚手段とに接続されており、
    前記保持手段を搬送する際には、前記吸引手段により前記保持手段を吸引保持し、前記保持手段を前記積載部に積載する際には、前記浮揚手段により前記保持手段を浮揚させて前記摩擦抵抗を軽減することを特徴とするウェーハ搬送装置。
  3. 前記自動位置決め手段は、テーパ形状である一対の凹部と凸部によって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のウェーハ搬送装置。
  4. 前記ウェーハは、空気の吸引作用によって前記保持手段に保持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウェーハ搬送装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のウェーハ搬送装置を備えることを特徴とするウェーハの加工装置。
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