JP2004220147A - 視野妨害監視機構を備えた監視カメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】照明用赤外線源を備えた監視カメラに、反射型赤外線センサーを装備させたものであり、その反射型赤外線センサーにより、監視カメラに近づく人間や物体を検出しようとするものである。反射型赤外線センサー用の投光素子は装備せずに、照明用赤外線源から発せられる赤外線を利用して物体を検出するようにした。照明用赤外線源に、照明としての機能と、物体検出用の赤外線源としての機能を兼用させるようにした。そのため、監視カメラのシャッター速度制御信号に同期するタイミングで照明用赤外線源を点滅させている。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明用赤外線源を備えた監視カメラ、特にその監視用視野に対する妨害物又は妨害行為を監視する機構を備えた監視カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
監視カメラに対する妨害行為は、カメラの向きを変更してしまう、カメラのレンズを黒布で覆ってしまう、レンズ表面に半透明のフィルムを貼ってしまうといった様々な形態が想定され、これらを検出するために、各種の発明が成されている。例えば、特開2001−238102には、傾斜センサーを用いて、監視カメラの向き変更を検出する方法が、特開2001−238204には、映像信号の中から高周波輪郭信号の状態変化を検出し、半透明のフィルム等が貼られた際のピンぼけ状態を検出する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術は、特定の妨害行為に対する、限定的な対応であり、妨害行為を目的として近づく人間や、妨害物体そのものを検出するといった、根本的な対応策を具体化するものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、照明用赤外線源を備えた監視カメラに、近赤外線の投光素子と受光素子を用いた反射型赤外線センサーを装備させたものであり、その反射型赤外線センサーにより、監視カメラに近づく人間や物体を検出しようとするものである。その際、反射型赤外線センサー用の投光素子は装備せずに、照明用赤外線源から発せられる赤外線を利用して物体を検出するようにした。赤外線源に、照明としての機能と、物体検出用の赤外線源としての機能を兼用させるようにしたものであり、そのための変調方法に、工夫を凝らしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の視野妨害監視機構を備えた監視カメラの断面図であり、その内部機構の概要を現したものである。1は監視カメラユニットであり、2は照明用赤外線源、3はホトトランジスタ等の近赤外線を受光する受光素子である。監視カメラユニット1は、CCD等の固体体撮像素子、レンズ、制御部等を含んでおり、外部へ映像信号を出力するための基本機能を備えている。照明用赤外線源2は、複数の近赤外線発光ダイオードで構成されており、監視カメラユニット1の撮像範囲をくまなく照らすように設定されている。受光素子3は、照明用赤外線源2の照射範囲とオーバーラップするように受光視野が向けられており、照明用赤外線源2から発せられた光が、この監視カメラに近づく物体で反射し、その反射光が入射するような配置となっている。
【0006】
図2は、本発明の視野妨害監視機構を備えた監視カメラのブロック図である。照明制御部4には、監視カメラユニット1からシャッター速度制御信号が入力され、この信号に同期するタイミングで照明用赤外線源2を点滅させる。照明用赤外線源2から発射された赤外線は、監視カメラに近づく物体に当たり、その表面で反射することになる。その反射光を受光素子3が受けて、この信号を受光信号処理部5へ送る。受光信号処理部5では、照明用赤外線源2の発光タイミングと一致する信号かどうかを、照明制御部4から入力される同期信号に基づき、同期検波等の処理をして判定する。そして、検波後の信号の変化量が、所定値をうわまわったときに、警報回路6へ信号を送る。警報回路6は、受光信号処理部5から信号が入力されたのを受けて、リレーの接点信号や、ブザーによる音声信号等の形で外部へ出力する。
【0007】
以上の構成によれば、監視カメラユニット1のシャッター速度制御信号に同期するタイミングで照明用赤外線源2を点滅させているので、監視カメラユニットの撮像信号中に、ちらつき等の悪影響が出ることがない。また、受光素子3で受けた信号は、照明用赤外線源2の発光タイミングと一致する信号かどうかが、照明制御部4から入力される同期信号に基づき検波され、処理されているので、太陽の光や、白熱電灯の光のような直流光との判別が可能となり、これらの光により誤動作することがない。また、蛍光灯などの点滅信号光を発する照明に対しても、照明用赤外線源2の発光タイミングが、監視カメラユニットのシャッター速度制御信号に基づき制御されており、シャッター速度制御信号は、基本的にこのような照明光の周波数とは一致していないので、誤動作の心配はない。
【0008】
照明用赤外線源2は、複数の近赤外線発光ダイオードで構成されており、消費電力は従来の白熱電灯と比べると、格段に少なくなっている。従来の、照明用赤外線源を備えた監視カメラでは、この近赤外線発光ダイオードを、直流点灯させていたが、本発明では、反射型赤外線センサーの投光素子の働きを兼用させたので、通常の光と区別させるための変調を加えた。その変調周波数は、監視カメラユニットの撮像信号に影響を与えないように、シャッター速度制御信号に同期させるようにした。照明用赤外線源の点滅周期は、監視カメラの画面上に影響を与えない周期であれば、シャッター速度制御信号に同期させておく必要性はない。照明用赤外線源2の消費電力が少なく、その寿命も長いので、昼夜を問わずこれを連続して点灯させ、視野妨害監視機構を24時間稼働させるようにした。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、照明用赤外線源を備えた監視カメラに、近赤外線の投光素子と受光素子を用いた反射型赤外線センサーを装備させたので、その反射型赤外線センサーにより、監視カメラに近づく人間や物体を検出することができ、妨害行為を目的として近づく人間や、妨害物体そのものを検出するといった、根本的な対応策が実現される。受光信号処理部では、検波後の信号の変化量が、所定値をうわまわったときに、警報回路へ信号を送るようにしており、監視カメラの背後から近づき、カメラの方向を変更したとしても、撮影対象の背景である壁や、床面からの反射光の量が変化することになり、そのような行為も、妨害行為のひとつとして確実に検出することができる。
また、反射型赤外線センサーの投光素子は装備せずに、照明用赤外線源から発せられる赤外線を利用して物体を検出するようにしたので、赤外線源を省くことができ、コストを低減することができる。さらに、監視カメラのシャッター速度制御信号等に同期するタイミングで照明用赤外線源を点滅させているので、撮像信号へ悪影響を与えることのない形で、反射型赤外線センサーの性能向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の視野妨害監視機構を備えた監視カメラの断面図である。
【図2】本発明の視野妨害監視機構を備えた監視カメラのブロック図である。
【符号の説明】
1・・・監視カメラユニット
2・・・照明用赤外線源
3・・・受光素子
4・・・照明制御部
5・・・受光信号処理部
6・・・警報回路
Claims (3)
- 照明用赤外線源を備えた監視カメラにおいて、監視カメラ本体に接近する人間または物体を、監視カメラの撮像手段とは独立して検出するための検知手段を装備し、これによって監視カメラに対する視野妨害を監視する監視カメラであって、前記検知手段の検知信号に応答して、前記撮像手段から得られる映像信号とは独立に警報を発するための警報回路手段を装備し、前記検知手段が、前記監視カメラの監視用視野に向けて赤外線を照射する照明用赤外線源と、前記赤外線源から発せられた赤外線を検出するための赤外線検出器と、前記赤外線検出器から得られる信号に基づき監視カメラ本体に接近する物体を判別し検知信号を発する信号処理手段とで構成されていることを特徴とする視野妨害監視機構を備えた監視カメラ。
- 前記照明用赤外線源が、監視カメラの撮像画面に影響を与えない周期で点滅発光する近赤外線発光ダイオードであり、前記検知手段が、前記監視カメラの監視用視野に向けて赤外線を照射する前記近赤外線発光ダイオードと、前記近赤外線発光ダイオードから発せられた赤外線を検出するための赤外線検出器と、前記赤外線検出器から得られる信号を、前記近赤外線発光ダイオードの発光タイミングに合わせて検波し、その信号に基づき監視カメラ本体に接近する物体を判別し検知信号を発する信号処理手段とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の視野妨害監視機構を備えた監視カメラ。
- 前記照明用赤外線源が、監視カメラの撮像手段のシャッター速度制御信号のタイミングに合わせて発光する近赤外線発光ダイオードであり、前記検知手段が、前記監視カメラの監視用視野に向けて赤外線を照射する前記近赤外線発光ダイオードと、前記近赤外線発光ダイオードから発せられた赤外線を検出するための赤外線検出器と、前記赤外線検出器から得られる信号を、前記近赤外線発光ダイオードの発光タイミングに合わせて検波し、その信号に基づき監視カメラ本体に接近する物体を判別し検知信号を発する信号処理手段とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の視野妨害監視機構を備えた監視カメラ。
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