しかしながら、画策検出専用センサーを付加する技術の場合または特許文献1に係る技術の場合には、余分な検出センサーを必要とする。したがって、これらの技術の場合には、監視カメラ本体の体積が大きなり、監視カメラが目立つため、侵入者に容易に当該監視カメラを発見される可能性が高かった。また、余分なセンサーを有するので、これらの技術の場合では、監視カメラの製造コストが高くなるという問題も生じている。
また、画策検出専用センサーを付加する技術の場合には、スプレー等による画策の検出精度が低下するという問題も生じる。
また、所定の期間連続して照明を消灯する技術の場合には、照明を消灯している間は、監視能力が失われてしまう。つまり、当該所定の期間(画策検索期間の間)、監視カメラは、監視としての機能を発揮することができない。
そこで、本発明は、別途センサー等を必要とせず、監視能力の維持を図りながら、画策検出精度の向上を図ることができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のデジタルカメラは、画像の撮像を行う撮像部と、ライトの点灯・消滅を行う照明部と、前記撮像部で撮像されたデジタル画像の輝度値を求める輝度検出部と、前記撮像部に対する画策の有無を判定する画策判定部とを、備えており、前記照明部の点灯時の前記輝度値である第一の点灯時輝度値が、高輝度閾値より大きいときに、前記照明部は、前記ライトの明滅を行い、前記画策判定部は、前記照明部の前記明滅時において前記撮像部で撮像された前記デジタル画像の前記輝度値に基づいて、前記画策の有無を判定する。
また、請求項2に記載のデジタルカメラは、画像の撮像を行う撮像部と、ライトの点灯・消滅を行う照明部と、前記撮像部で撮像されたデジタル画像の輝度値を求める輝度検出部と、前記撮像部に対する画策の有無を判定する画策判定部とを、備えており、前記照明部の消灯時の前記輝度値である第一の消灯時輝度値が、低輝度閾値より小さいときに、前記照明部は、前記ライトの明滅を行い、前記画策判定部は、前記照明部の前記明滅時において前記撮像部で撮像された前記デジタル画像の前記輝度値に基づいて、前記画策の有無を判定する。
また、請求項3に記載のデジタルカメラは、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラであって、前記画策判定部が、前記画策が有ると判定したときには、前記デジタルカメラは、外部に対して前記画策が有る旨を通知する。
また、請求項4に記載のデジタルカメラは、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラであって、前記画策判定部が、前記画策が無いと判定したときには、前記デジタルカメラは、前記照明部の前記ライトの明るさを調整する。
また、請求項5に記載のデジタルカメラは、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラであって、前記輝度検出部は、前記明滅時の前記ライト消灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、前記明滅時の前記ライト点灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、前記画策判定部は、前記第二の消灯時輝度値が前記低輝度閾値より小さく、かつ、前記第二の点灯時輝度値が前記高輝度閾値より大きい、輝度条件を満たすときに、前記画策が有ると判定する。
また、請求項6に記載のデジタルカメラは、請求項5に記載のデジタルカメラであって、前記照明部は、前記明滅を繰り返し実施し、前記輝度検出部は、前記明滅毎に、前記第二の消灯時輝度値および前記第二の点灯時輝度値を求め、前記画策判定部は、前記明滅毎に前記輝度条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して前記輝度条件が満たされたときに、前記画策が有ると判定する。
また、請求項7に記載のデジタルカメラは、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラであって、前記輝度検出部は、前記明滅時の前記ライト消灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、前記明滅時の前記ライト点灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、前記第二の消灯時輝度値が前記低輝度閾値以上、および/または、前記第二の点灯時輝度値が前記高輝度閾値以下である、輝度条件を満たすとき、前記輝度検出部は、複数のブロックで分割されている前記デジタル画像において、前記明滅時の前記ライト消灯時における前記ブロックの輝度値を第三の消灯時輝度値として求める共に、前記明滅時の前記ライト点灯時における前記ブロックの輝度値を、第三の点灯時輝度値として、いくつかの所定の前記ブロック毎に各々求め、前記画策判定部は、前記第三の消灯時輝度値および前記第三の点灯時輝度値が共に、前記低輝度閾値よりも小さい、前記所定のブロックの数が、閾値数より多いブロック数条件を満たすとき、前記画策が有ると判定する。
また、請求項8に記載のデジタルカメラは、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラであって、前記輝度検出部は、前記明滅時の前記ライト消灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、前記明滅時の前記ライト点灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、前記第二の消灯時輝度値が前記低輝度閾値以上、および/または、前記第二の点灯時輝度値が前記高輝度閾値以下である、輝度条件を満たすとき、前記輝度検出部は、複数のブロックで分割されている前記デジタル画像において、前記明滅時の前記ライト消灯時における前記ブロックの輝度値を第三の消灯時輝度値として求める共に、前記明滅時の前記ライト点灯時における前記ブロックの輝度値を、第三の点灯時輝度値として、いくつかの所定の前記ブロック毎に各々求め、前記画策判定部は、前記第三の消灯時輝度値および前記第三の点灯時輝度値が共に、前記高輝度閾値よりも大きい、前記所定のブロックの数が、閾値数より多いブロック数条件を満たすとき、前記画策が有ると判定する。
また、請求項9に記載のデジタルカメラは、請求項7または請求項8に記載のデジタルカメラであって、前記照明部は、前記明滅を繰り返し実施し、前記輝度検出部は、前記明滅毎に、前記第三の消灯時輝度値および前記第三の点灯時輝度値を求め、前記画策判定部は、前記明滅毎に前記ブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して前記ブロック数条件が満たされたときに、前記画策が有ると判定する。
また、請求項10に記載のデジタルカメラは、請求項7または請求項8に記載のデジタルカメラであって、前記第三の消灯時輝度値および前記第三の点灯時輝度値は、前記所定のブロックを構成する複数の画素の輝度値の平均値である。
また、請求項11に記載のデジタルカメラは、請求項7または請求項8に記載のデジタルカメラであって、前記第三の消灯時輝度値および前記第三の点灯時輝度値は、前記所定のブロックの中心に位置する画素の輝度値である。
また、請求項12に記載のデジタルカメラは、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラであって、前記輝度検出部は、前記明滅時の前記ライト消灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、前記明滅時の前記ライト点灯時に撮像された前記デジタル画像の前記輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、前記第二の消灯時輝度値が前記低輝度閾値より大きく、および/または、前記第二の点灯時輝度値が前記高輝度閾値より小さい、輝度条件を満たすとき、前記輝度検出部は、所定の前記デジタル画像全体の平均輝度値を求めると共に、複数のブロックで分割されている前記所定のデジタル画像において、いくつかの所定の前記ブロック毎にブロック輝度値を求め、前記画策判定部は、前記平均輝度値と前記ブロック輝度値の差の絶対値を前記所定数のブロック毎に求め、前記差の絶対値が輝度値閾値よりも小さい前記所定のブロックの数が、閾値数より多いブロック数条件を満たすとき、前記画策が有ると判定する。
また、請求項13に記載のデジタルカメラは、請求項12に記載のデジタルカメラであって、前記撮像部は、複数回、前記デジタル画像を撮像し、前記画策判定部は、各前記デジタル画像毎に前記ブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して前記ブロック数条件が満たされたときに、前記画策が有ると判定する。
また、請求項14に記載のデジタルカメラは、請求項12に記載のデジタルカメラであって、前記ブロック輝度値は、前記所定のブロックを構成する複数の画素の輝度値の平均値である。
また、請求項15に記載のデジタルカメラは、請求項12に記載のデジタルカメラであって、前記ブロック輝度値は、前記所定のブロックの中心に位置する画素の輝度値である。
また、請求項16に記載のデジタルカメラは、請求項7、請求項8および請求項12の何れかに記載のデジタルカメラであって、前記所定のブロックを、選択することができるブロック選択部を、さらに備えている。
また、請求項17に記載のデジタルカメラは、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラであって、前記照明部は、赤外照明である。
本発明の請求項1に記載のデジタルカメラは、画像の撮像を行う撮像部と、ライトの点灯・消滅を行う照明部と、撮像部で撮像されたデジタル画像の輝度値を求める輝度検出部と、撮像部に対する画策の有無を判定する画策判定部とを、備えており、照明部の点灯時の輝度値である第一の点灯時輝度値が、高輝度閾値より大きいときに、照明部は、ライトの明滅を行い、画策判定部は、照明部の明滅時において撮像部で撮像されたデジタル画像の輝度値に基づいて、画策の有無を判定する。
したがって、別途センサー等を必要とせず、画策の有無を判定するデジタルカメラを提供できる。また、照明部の明滅により、画策の検出に際して長時間照明部が消灯することを防止できる。よって、当該デジタルカメラは、監視能力の維持を図りながら、画策検出精度の向上を図ることができる。
また、請求項2に記載のデジタルカメラは、画像の撮像を行う撮像部と、ライトの点灯・消滅を行う照明部と、撮像部で撮像されたデジタル画像の輝度値を求める輝度検出部と、撮像部に対する画策の有無を判定する画策判定部とを、備えており、照明部の消灯時の輝度値である第一の消灯時輝度値が、低輝度閾値より小さいときに、照明部は、ライトの明滅を行い、画策判定部は、照明部の明滅時において撮像部で撮像されたデジタル画像の輝度値に基づいて、画策の有無を判定する。
したがって、別途センサー等を必要とせず、画策の有無を判定するデジタルカメラを提供できる。また、照明部の明滅により、画策の検出に際して長時間照明部が消灯することを防止できる。よって、当該デジタルカメラは、監視能力の維持を図りながら、画策検出精度の向上を図ることができる。
また、請求項3に記載のデジタルカメラは、画策判定部が、画策が有ると判定したときには、デジタルカメラは、外部に対して画策が有る旨を通知する。
したがって、当該デジタルカメラのユーザは、容易に画策があったことを認識することができる。
また、請求項4に記載のデジタルカメラは、画策判定部が、画策が無いと判定したときには、デジタルカメラは、照明部のライトの明るさを調整する。
したがって、明るすぎる若しくは暗すぎる照度を、自動的に調整することができる。
また、請求項5に記載のデジタルカメラは、輝度検出部は、明滅時のライト消灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、明滅時のライト点灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、画策判定部は、第二の消灯時輝度値が低輝度閾値より小さく、かつ、第二の点灯時輝度値が高輝度閾値より大きい、輝度条件を満たすときに、画策が有ると判定する。
したがって、センサー部等の余分な部材を設けずに、単に照明部を明滅させるだけで、簡単にかつ精度良く、撮像部に布を被せるなどの画策を検出することができる。
また、請求項6に記載のデジタルカメラは、照明部は、明滅を繰り返し実施し、輝度検出部は、明滅毎に、第二の消灯時輝度値および第二の点灯時輝度値を求め、画策判定部は、明滅毎に輝度条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して輝度条件が満たされたときに、画策が有ると判定する。
したがって、自然現象等で突発的に輝度条件を満たすような場合を除き、人為的な画策が確実にあると判定したときのみに、画策が有ると判定できる。
また、請求項7に記載のデジタルカメラは、輝度検出部は、明滅時のライト消灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、明滅時のライト点灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、第二の消灯時輝度値が低輝度閾値以上、および/または、第二の点灯時輝度値が高輝度閾値以下である、輝度条件を満たすとき、輝度検出部は、複数のブロックで分割されているデジタル画像において、明滅時のライト消灯時におけるブロックの輝度値を第三の消灯時輝度値として求める共に、明滅時のライト点灯時におけるブロックの輝度値を、第三の点灯時輝度値として、いくつかの所定のブロック毎に各々求め、画策判定部は、第三の消灯時輝度値および第三の点灯時輝度値が共に、低輝度閾値よりも小さい、所定のブロックの数が、閾値数より多いブロック数条件を満たすとき、画策が有ると判定する。
したがって、スプレーなどによる発生し得る部分的な低輝度画策を、センサー部等の余分な部材を設けずに、簡単にかつ精度良く、検出することができる。
また、請求項8に記載のデジタルカメラは、輝度検出部は、明滅時のライト消灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、明滅時のライト点灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、第二の消灯時輝度値が低輝度閾値以上、および/または、第二の点灯時輝度値が高輝度閾値以下である、輝度条件を満たすとき、輝度検出部は、複数のブロックで分割されているデジタル画像において、明滅時のライト消灯時におけるブロックの輝度値を第三の消灯時輝度値として求める共に、明滅時のライト点灯時におけるブロックの輝度値を、第三の点灯時輝度値として、いくつかの所定のブロック毎に各々求め、画策判定部は、第三の消灯時輝度値および第三の点灯時輝度値が共に、高輝度閾値よりも大きい、所定のブロックの数が、閾値数より多いブロック数条件を満たすとき、画策が有ると判定する。
したがって、スプレーなどによる発生し得る部分的な高輝度画策を、センサー部等の余分な部材を設けずに、簡単にかつ精度良く、検出することができる。
また、請求項9に記載のデジタルカメラは、照明部は、明滅を繰り返し実施し、輝度検出部は、明滅毎に、第三の消灯時輝度値および第三の点灯時輝度値を求め、画策判定部は、明滅毎にブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続してブロック数条件が満たされたときに、画策が有ると判定する。
したがって、自然現象等で突発的に輝度条件を満たすような場合を除き、人為的な画策が確実にあると判定したときのみに、画策が有ると判定できる。
また、請求項10に記載のデジタルカメラは、第三の消灯時輝度値および第三の点灯時輝度値は、所定のブロックを構成する複数の画素の輝度値の平均値である。
したがって、所定のブロックの平均的な輝度値を用いた画策判定ができる。つまり、より高精度な画策判定が可能となる。
また、請求項11に記載のデジタルカメラは、第三の消灯時輝度値および第三の点灯時輝度値は、所定のブロックの中心に位置する画素の輝度値である。
したがって、所定のブロックの代表輝度値を簡単に求めることができる。つまり、より簡易な回路構成およびより高速に画策判定を行うことができる。
また、請求項12に記載のデジタルカメラは、輝度検出部は、明滅時のライト消灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の消灯時輝度値として求めると共に、明滅時のライト点灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の点灯時輝度値として求め、第二の消灯時輝度値が低輝度閾値より大きく、および/または、第二の点灯時輝度値が高輝度閾値より小さい、輝度条件を満たすとき、輝度検出部は、所定のデジタル画像全体の平均輝度値を求めると共に、複数のブロックで分割されている所定のデジタル画像において、いくつかの所定のブロック毎にブロック輝度値を求め、画策判定部は、平均輝度値とブロック輝度値の差の絶対値を所定数のブロック毎に求め、差の絶対値が輝度値閾値よりも小さい所定のブロックの数が、閾値数より多いブロック数条件を満たすとき、画策が有ると判定する。
したがって、スプレーなどによる発生し得る撮像部に対する部分的な画策を、センサー部等の余分な部材を設けずに、簡単にかつ精度良く、検出することができる。
また、請求項13に記載のデジタルカメラは、撮像部は、複数回、デジタル画像を撮像し、画策判定部は、各デジタル画像毎にブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続してブロック数条件が満たされたときに、画策が有ると判定する。
したがって、自然現象等で突発的に輝度条件を満たすような場合を除き、人為的な画策が確実にあると判定したときのみに、画策が有ると判定できる。
また、請求項14に記載のデジタルカメラは、ブロック輝度値は、所定のブロックを構成する複数の画素の輝度値の平均値である。
したがって、所定のブロックの平均的な輝度値を用いた画策判定ができる。つまり、より高精度な画策判定が可能となる。
また、請求項15に記載のデジタルカメラは、ブロック輝度値は、所定のブロックの中心に位置する画素の輝度値である。
したがって、所定のブロックの代表輝度値を簡単に求めることができる。つまり、より簡易な回路構成およびより高速に画策判定を行うことができる。
また、請求項16に記載のデジタルカメラは、所定のブロックを、選択することができるブロック選択部を、さらに備えている。
したがって、デジタルカメラのユーザは、たとえば画策が施されやすい領域に存在するブロックを、画策判定対象ブロックとして選択できる。したがって、より高精度な画策検出が可能となる。
また、請求項17に記載のデジタルカメラは、照明部は、赤外照明である。
したがって、照明部の明滅処理を施したとしても、外部において当該明滅処理が目立つことを防止できる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態>
図1に、本発明に係るデジタルカメラ100の概略構成を示すブロック図を示す。デジタルカメラ100は、当該デジタルカメラ100設置環境を照らす照明機能を有している。また、デジタルカメラ100は、不審者等の侵入を監視する監視カメラとして使用でき、当該不審者等による画策を検知することができる。また、デジタルカメラ100は、撮像されたデジタル画像の輝度を検出する輝度検出機能を有する。
ここで、監視用途のデジタルカメラでは、上記照明機能は一般的に設けられている。また、デジタルカメラでは、アイリスなどの補正を行うために輝度検出機能を一般的に設けられている。
デジタルカメラ100は、図1に示すように、照明部1、撮像部2、輝度検出部3、画策判定部4、およびブロック選択部5を備えている。
照明部1は、ライトの点灯・消滅を行うことができ、ライト(照明部1)点灯時には、デジタルカメラ100設置環境(特に、撮像領域)を照らす。また、撮像部2は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子から成り、画像の撮像を行うことができる。
また、輝度検出部3は、撮像部2で撮像されたデジタル画像の輝度値を求めることができる。たとえば、輝度検出部3は、デジタル画像を構成する各画素全体から、当該デジタル画像の平均輝度値を求めることができる。また、輝度検出部3は、デジタル画像が複数のブロックで分割されている場合には、各ブロック毎に輝度値を求めることもできる。たとえば、輝度検出部3は、一のブロックにおいて、当該一のブロックを構成する各画素の輝度値から当該一のブロックの平均輝度値を、前記一のブロックの輝度値として求めることができる。また、輝度検出部3は、一のブロックにおいて、当該一のブロックの中心に位置する画素の輝度値を、前記一のブロックの輝度値として求めることができる。
画策判定部4は、撮像部2に対する画策の有無を判定する。
夜間等により照明部1が点灯しており、当該点灯時のデジタル画像の輝度値(たとえば、一のデジタル画像を構成する複数の画素から求められる平均輝度値)を第一の点灯時輝度値L1と称する。当該第一の点灯時輝度値L1が高輝度閾値TH1より大きいときに、照明部1は、ライトの明滅を行う。そして、画策判定部4は、照明部1の明滅時において撮像部2で撮像されたデジタル画像の輝度値に基づいて、画策の有無を判定する。
また、昼間等により照明部1が消灯しており、当該消灯時のデジタル画像の輝度値(たとえば、一のデジタル画像を構成する複数の画素から求められる平均輝度値)を第一の消灯時輝度値L2と称する。当該第一の消灯時輝度値L2が低輝度閾値TH1より小さいときに、照明部1は、ライトの明滅を行う。そして、画策判定部4は、照明部1の明滅時において撮像部2で撮像されたデジタル画像の輝度値に基づいて、画策の有無を判定する。
なお、画策判定部4におけるより具体的な画策判定処理は、図3,4,5等のフローチャートを用いて後述する。
また、画策判定部4が、画策が有ると判定したときには、当該画策判定部4は、画策検出信号を出力する。当該画策検出信号の出力により、デジタルカメラ100は、外部に対して画策が有る旨を通知する。たとえば、デジタルカメラ100と離れた場所に監視端末(図示せず)が設置されており、画策検出信号を受信した当該監視端末の表示部・音声出力部等に、画策有りの旨の出力(通知)がされる。また、デジタルカメラ100自身に警告部(図示せず)を備えており、画策検出信号を受信した警告部が警告ライトや警告音を出力しても良い。
また、画策判定部4が、画策が無いと判定したときには、デジタルカメラ100は、照明部1のライトの明るさを調整する。
ブロック選択部5は、デジタルカメラ100外部の操作手段(図示せず)等から制御可能である。デジタル画像が複数のブロックに分割されている場合において、当該操作手段をユーザが操作したとする。これにより、ブロック選択部5は、複数のブロックの内、輝度値を求める対象とする、所定数のブロックを選択することができる。
次に、図2,3,4,5のフローチャートを用いて、本発明に係るデジタルカメラ100の動作(画策判定処理)について説明する。
まず、図2のフローチャートを説明する。
デジタルカメラ100(具体的に、画策判定部4)は、照明部1が点灯しているか、消灯しているかを判断する(ステップS1)。ここで、夜間など撮像環境が暗いときには、当該暗い間、照明部1は点灯している。これに対して、昼間など撮像環境が明るいときには、当該明るい間、照明部1は消灯している。
ステップS1で、照明部1が点灯していると判断したとする。この場合には、画策判定部4は、上述した第一の点灯時輝度値L1が高輝度閾値TH1以下であるか否かを判断する(ステップS2)。
なお、輝度検出部3が、照明部1点灯の間撮像部2で撮像されたデジタル画像から、第一の点灯時輝度値L1を求める。そして、当該求めた第一の点灯時輝度値L1は画策判定部4に送信され、上記ステップS2が実施される。ここで、一のデジタル画像は複数の画素で構成されており、輝度検出部3は、各画素の輝度値から、当該一のデジタル画像の平均的な輝度値(第一の点灯時輝度値L1)を求める。また、高輝度閾値TH1は、デジタルカメラ100の使用環境や撮像部2等の仕様に応じて決定され、予めデジタルカメラ100内に記憶(設定)されている。たとえば、デジタルカメラ100に対して画策されていない通常の状態で、照明部1点灯中において輝度検出部3が、高輝度閾値TH1以下の輝度を検出できるように、当該高輝度閾値TH1を設定する。
ステップS2の判断の結果、第一の点灯時輝度値L1が高輝度閾値TH1以下(L1≦TH1)であったとする(ステップS2で「Yes」)。この場合には、照明部1の点灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値(第一の点灯時輝度値L1)は、適正な輝度値である。したがって、画策判定部4は画策が無いと判断し、画策判定処理を終了する。
これに対して、ステップS2の判断の結果、第一の点灯時輝度値L1が高輝度閾値TH1より大きかった(L1>TH1)とする(ステップS2で「No」)。この場合には、照明部1の点灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値(第一の点灯時輝度値L1)は、異常に高い輝度値である。したがって、画策判定部4は画策有りの可能性があると判断する。たとえば、撮像部2等が布で覆われた場合には、照明部1からの光の当該布における反射等に起因して、輝度値が異常に高くなる。したがって次のステップとして、たとえば画策判定部4の制御の下、照明部1がライトの明滅を行う(照明明滅処理を実施する)(ステップS3)。
そして、画策判定部4は、照明部1の明滅時において撮像部2で撮像されたデジタル画像の輝度値に基づいて、画策の有無を判定する(ステップS4)。当該ステップS4の詳細な動作は、図3を用いて後述する。
ステップS4の結果、画策有りと判断したとする(ステップS4で「Yes」)。この場合には、画策判定部4は上記画策検出信号を出力する(ステップS5)。つまり、当該場合には、デジタルカメラ100は、画策検出信号に基づいて、外部に対して画策が有る旨を通知する(ステップS5)。
他方、ステップS4の結果、画策無しと判断したとする(ステップS4で「No」)。この場合は、単に照明部1の照度が明るすぎることを意味する。たとえば、日照変化や外部照明の変化等によるものと考えられる。したがって、当該場合には、デジタルカメラ100(より具体的に画策判定部4)は、照明部1のライトの明るさを暗くする方向に調整する(ステップS6)。
さて、ステップS1に話を戻す。
ステップS1で、照明部1が消灯していると判断したとする。この場合には、画策判定部4は、上述した第一の消灯時輝度値L2が低輝度閾値TH2以上であるか否かを判断する(ステップS7)。
なお、輝度検出部3が、照明部1消灯の間撮像部2で撮像されたデジタル画像から、第一の消灯時輝度値L2を求める。そして、当該求めた第一の消灯時輝度値L2は画策判定部4に送信され、上記ステップS7が実施される。ここで、一のデジタル画像は複数の画素で構成されており、輝度検出部3は、各画素の輝度値から、当該一のデジタル画像の平均的な輝度値(第一の消灯時輝度値L2)を求める。また、低輝度閾値TH2は、デジタルカメラ100の使用環境や撮像部2等の仕様に応じて決定され、予めデジタルカメラ100内に記憶(設定)されている。たとえば、デジタルカメラ100に対して画策されていない通常の状態で、照明部1消灯中において輝度検出部3が、低輝度閾値TH2以上の輝度を検出できるように、当該低輝度閾値TH2を設定する。
ステップS7の判断の結果、第一の消灯時輝度値L2が低輝度閾値TH2以上(L2≧TH2)であったとする(ステップS7で「Yes」)。この場合には、照明部1の消灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値(第一の消灯時輝度値L2)は、適正な輝度値である。したがって、画策判定部4は画策が無いと判断し、画策判定処理を終了する。
これに対して、ステップS7の判断の結果、第一の消灯時輝度値L2が低輝度閾値TH2より小さかった(L2<TH2)とする(ステップS7で「No」)。この場合には、照明部1の消灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値(第一の消灯時輝度値L2)は、異常に低い輝度値である。したがって、画策判定部4は画策有りの可能性があると判断する。たとえば、撮像部2等が布で覆われた場合には、当該布の影響により、輝度値が異常に低くなる。したがって次のステップとして、たとえば画策判定部4の制御の下、照明部1がライトの明滅を行う(照明明滅処理を実施する)(ステップS3)。
そして、画策判定部4は、照明部1の明滅時において撮像部2で撮像されたデジタル画像の輝度値に基づいて、画策の有無を判定する(ステップS4)。当該ステップS4の詳細な動作は、図3を用いて後述する。
ステップS4の結果、画策有りと判断したとする(ステップS4で「Yes」)。この場合には、画策判定部4は上記画策検出信号を出力する(ステップS5)。つまり、当該場合には、デジタルカメラ100は、画策検出信号に基づいて、外部に対して画策が有る旨を通知する(ステップS5)。
他方、ステップS4の結果、画策無しと判断したとする(ステップS4で「No」)。この場合は、単にデジタルカメラ100の使用環境の明るさが低すぎることを意味する。たとえば、日照変化や外部照明の変化等によるものと考えられる。したがって、当該場合には、デジタルカメラ100(より具体的に画策判定部4)は、照明部1のライトを点灯し、照明部1の明るさを明るくする方向に調整する(ステップS6)。
次に、図3を用いて、図2の照明明滅処理(ステップS3)および画策の有無判定処理(ステップS4)の動作について、詳細に説明する。
ステップS3では、照明部1のライトの点灯・消滅(照明明滅処理)を繰り返し実施する。当該照明明滅処理は、比較的短い周期で行う。そして、ステップS3の照明明滅処理を行いながら、図3のステップS41以降の処理を実施する。
画策判定部4は、カウンター値Nをリセット(「0」に)する(ステップS41)。
次に、輝度値検出部3は、照明明滅処理(ステップS3)中において、ライト(照明部1)消灯時に撮像されたデジタル画像を取り込む(ステップS42)。そして、輝度値検出部3は、当該取り込んだデジタル画像の輝度値を、第二の消灯時輝度値L2’として求める(ステップS43)。ここで、当該取り込んだデジタル画像は複数の画素で構成されており、輝度検出部3は、各画素の輝度値から、当該取り込んだデジタル画像の平均的な輝度値(第二の消灯時輝度値L2’)を求める。
なお、照明部1の消灯と同時に、上記デジタル画像の取り込みを行うと、消灯時のデジタル画像の正確な輝度値が取得できない場合も想定される。したがって、照明部1が消灯してから、少し時間が経過してから、上記デジタル画像の取り込みを行う方が望ましい。当該少しの時間は、照明部1のライトの種類によって変わる。
次に、照明明滅処理(ステップS3)により、照明部1を消灯から点灯に切り替える。そして、輝度値検出部3は、ライト(照明部1)点灯時に撮像されたデジタル画像を取り込む(ステップS44)。そして、輝度値検出部3は、当該取り込んだデジタル画像の輝度値を、第二の点灯時輝度値L1’として求める(ステップS45)。ここで、当該取り込んだデジタル画像は複数の画素で構成されており、輝度検出部3は、各画素の輝度値から、当該取り込んだデジタル画像の平均的な輝度値(第二の点灯時輝度値L1’)を求める。
なお、照明部1の点灯と同時に、上記デジタル画像の取り込みを行うと、点灯時のデジタル画像の正確な輝度値が取得できない場合も想定される。したがって、照明部1が点灯してから、少し時間が経過してから、上記デジタル画像の取り込みを行う方が望ましい。当該少しの時間は、照明部1のライトの種類によって変わる。たとえば、水銀ランプでは、完全に点灯するまでの比較的時間を要するので、当該少しの時間は長くするべきである。
次に、画策判定部4は、第二の消灯時輝度値L2’が低輝度閾値TH2より小さく、かつ、第二の点灯時輝度値L1’が高輝度閾値TH1より大きい、第一の輝度条件を満たすか否をを判断する(ステップS46)。
ステップS46の判断の結果、上記第一の輝度条件を満たしている(L2’<TH2、かつ、L1’>TH1)とする(ステップS46で「Yes」)。たとえば、撮像部2が布なので覆われている場合には、ステップS46で「Yes」の判断を行われる。この場合には、画策判定部4は、画策が有ると判定し、上記カウンター値Nに「1」を加える(ステップS47)。
次に、画策判定部4は、現在の上記カウント値Nが、デジタルカメラ100に予め設定されている画策判定閾値数Nthと同じであるか否かを判断する(ステップS48)。当該画策判定閾値数Nthは「1」でも良い。しかし、突発的な自然現象等でなく、より確実に画策であることを判定するためには、画策判定閾値数Nthは、「2」以上の正数であることが望ましい。
ステップS48の結果、現在の上記カウント値Nが画策判定閾値数Nthに未だ達していない(N<Nth)と判断したとする(ステップS48で「No」)。この場合、ステップS42へと戻る。
つまり、照明部1の点灯を消灯に切り替え(ステップS3)、輝度値検出部3は、ライト(照明部1)消灯時に撮像されたデジタル画像を取り込む(ステップS42)。そして、輝度値検出部3は、当該取り込んだデジタル画像の輝度値を、第二の消灯時輝度値L2’として求める(ステップS43)。
次に、次に、照明明滅処理(ステップS3)により、照明部1を消灯から点灯に切り替える。そして、輝度値検出部3は、ライト(照明部1)点灯時に撮像されたデジタル画像を取り込む(ステップS44)。そして、輝度値検出部3は、当該取り込んだデジタル画像の輝度値を、第二の点灯時輝度値L1’として求める(ステップS45)。
次に、画策判定部4は、上記第一の輝度条件を満たすか否を判断する(ステップS46)。ステップS46の判断の結果、上記第一の輝度条件を満たしている(L2’<TH2、かつ、L1’>TH1)とする(ステップS46で「Yes」)。この場合には、画策判定部4は、画策が有ると判定し、上記カウンター値Nに「1」を加える(ステップS47)。
次に、画策判定部4は、現在の上記カウント値Nが、デジタルカメラ100に予め設定されている画策判定閾値数Nthと同じであるか否かを判断する(ステップS48)。
ステップS48の結果、現在の上記カウント値Nが画策判定閾値数Nthに未だ達していない(N<Nth)と判断したとする(ステップS48で「No」)。この場合、ステップS42へと戻る。
上記から分かるように、上記カウント値Nが画策判定閾値数Nthに達するまで、ステップS3を実施しつつ、ステップS42からステップS48までの処理を繰り返し実施する。つまり、輝度検出部3は、照明部1の明滅毎に、第二の消灯時輝度値L2’および第二の点灯時輝度値L1’を求め、上記第一の輝度条件(L2’<TH2、かつ、L1’>TH1)を満たしているか否を判断し、照明部1の明滅毎に、カウンター値に「1」を加算した上で、カウント値Nが画策判定閾値数Nthに達しているか否かを判断する。
なお、上記説明では、ステップS42およびステップS43の処理の後に、ステップS44およびステップS45の処理を実施した。しかしながら、ステップS44およびステップS45の処理の後に、ステップS42およびステップS43の処理を実施しても良い。
さて、ステップS48の結果、現在のカウント値Nが画策判定閾値数Nthに達した(N=Nth)と判断したとする(ステップS48で「Yes」)。つまり、画策判定閾値数Nthが「2」以上であれば、画策判定部4は、照明部1の明滅(ステップS3)毎に上記輝度条件を満たすか否かを判断し(ステップ46)、所定の回数連続して当該輝度条件が満たされたとする。この場合、画策判定部4は、画策が有ると判定する(図2のステップS4で「Yes」)。そして、画策判定部4は、画策検出信号を出力する(図2のステップS5)。
ステップS46に話を戻す。
ステップS46の判断の結果、上記第一の輝度条件を満たしていないとする(ステップS46で「No」)。上記第一の輝度条件を満たしていないときとは、第二の消灯時輝度値L2’が低輝度閾値TH2以上(L2’≧TH2)、および/または、第二の点灯時輝度値L1’が高輝度閾値TH1以下(L1’≦TH1)である、第二の輝度条件を満たすときである。たとえば、照明部1の点消灯いずれの場合でも、輝度値が高輝度閾値TH1より高い場合には、撮像部2に対して光を照射するなどによる画策の可能性がある。また、照明部1の点消灯いずれの場合でも、輝度値が低輝度閾値TH2よりも低い場合には、撮像部2に対してスプレーなどを吹き付ける、撮像部2が布やテープ等で覆われるなどの画策の可能性がある。
当該ステップS46で「No」の場合には、画策判定部4は、他の条件を用いた画策判定処理を実施し(ステップS49)、画策の有無を判定する(ステップS50)。
当該ステップS49,S50の動作について、図4,5のフローチャートを用いて後述する。ここで、図4,5のフローチャートでは、図6に示すように、一のデジタル画像DIを複数のブロックBで分割することを要する。図6では、デジタル画像DIが、複数(7×8)のブロックBによりマトリックス状に分割されている。
まず、図4のフローチャートについて各ステップを詳細に説明する。
輝度検出部3は、上記照明部1の明滅時(ステップS3)のライト(照明部1)消灯時における図6のデジタル画像DIから、いくつかの所定のブロックBに対しての輝度値を第三の消灯時輝度値L2’’として求める(ステップS491)。さらに、輝度検出部3は、上記照明部1の明滅時(ステップS3)のライト(照明部1)点灯時における図6のデジタル画像DIから、上記所定のブロックBに対しての輝度値を第三の点灯時輝度値L1’’として求める(ステップS491)。
ここで、当該所定のブロックBとして、デジタル画像DIが有する全てのブロックBであっても良い。しかしながら、撮像部2に対する光、スプレー、テープなどにより画策が行われた場合には、必ずしも撮像部2の視界を全て覆っているとは限らない。たとえば、これらの画策は、図7の画策領域(斜線領域)Gaに示すように、撮像部2のレンズ部の中心領域に対して集中して行われることが考えられる。
そこで、ブロック選択部5は、複数のブロックBの中から、いくつかの所定のブロックBを選択することができる。たとえば、図7に示すように、ブロック選択部5は、デジタル画像DIにおいて、判定対称ブロック領域BSaに含まれるブロックBを所定のブロックBとして選択することができる。ここで、判定対象ブロック領域BSaは、画策領域Gaが施される領域を予め想定し、当該想定した画策領域Gaが全て含まれる最小限の領域であることが望ましい。
さて次に、画策判定部4は、上記所定のブロックBの中から、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’が共に低輝度閾値TH2よりも小さい、低輝度ブロックの数XLを算出する(ステップS492)。
次に、画策判定部4は、上記所定のブロックBの中から、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’が共に高輝度閾値TH1よりも大きい、高輝度ブロックの数XHを算出する(ステップS493)。
次に、画策判定部4は、低輝度ブロックの数XLが閾値数TH3以下(XL≦TH3)であるか否かを判断する(ステップS501)。
ステップS501の判断の結果、低輝度ブロックの数XLが閾値数TH3以下(XL≦TH3)であったとする(ステップS501で「Yes」)。この場合には、ステップS502に進む。これに対して、低輝度ブロックの数XLが閾値数TH3より大きかった(XL>TH3;第一のブロック数条件と称する)とする(ステップS501で「No」)。当該第一のブロック数条件を満たすとき、画策判定部4は、低輝度の画策が有ると判定する。そして、画策判定部4は、画策検出信号を送出するか、または、図3のステップS47へと移行する。
次に、画策判定部4は、高輝度ブロックの数XHが閾値数TH3以下(XH≦TH3)であるか否かを判断する(ステップS502)。
ステップS502の判断の結果、高輝度ブロックの数XHが閾値数TH3以下(XH≦TH3)であったとする(ステップS502で「Yes」)。この場合には、画策判定部4は画策が無いと判断し、画策判定処理を終了する。これに対して、高輝度ブロックの数XHが閾値数TH3より大きかった(XH>TH3;第二のブロック数条件と称する)とする(ステップS502で「No」)。当該第二のブロック数条件を満たすとき、画策判定部4は、高輝度の画策が有ると判定する。そして、画策判定部4は、画策検出信号を送出するか、または、図3のステップS47へと移行する。
ここで、閾値数TH3は、予め任意の数がデジタルカメラ100に設定されている。なお、上記と異なり、ここで、ステップS492とステップS493の順序が逆であっても良く、ここで、ステップS501とステップS502の順序が逆であっても良い。
なお、上記のように、ステップS47に移行する場合とは、次のような場合である。つまり、照明部1は、上記明滅を繰り返し実施し(ステップS3)、輝度検出部3が、当該明滅毎に、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’を求め、さらに、画策判定部4が、明滅毎に第一または第二のブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して当該第一または第二のブロック数条件が満たされたときに、当該画策判定部4が画策が有ると判定する場合である。つまり、図3において、ステップS46で「No」→ステップS49→ステップS50、ステップS47の経路において、図3のフローを複数回繰り返される場合である。
また、ステップS491において、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’として、所定のブロックBを構成する複数の画素の輝度値の平均値を採用しても良い。また、ステップS491において、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’として、所定のブロックBの中心に位置する画素の輝度値を採用しても良い。
次に、図5のフローチャートについて各ステップを詳細に説明する。
輝度検出部3は、ステップS3中において、上記照明部1の点灯時または消灯時のいずれかの場合に撮像された所定のデジタル画像DIの平均輝度値を求める(ステップS496)。
さらに、輝度検出部3は、図6のように複数のブロックBで分割された上記所定のデジタル画像DIにおいて、所定のブロックBに対して各々ブロック輝度値を求める(ステップS497)。
ここで、当該所定のブロックBとして、デジタル画像DIが有する全てのブロックBであっても良い。しかしながら、撮像部2に対する光、スプレー、テープなどにより画策が行われた場合には、必ずしも撮像部2の視界を全て覆っているとは限らない。たとえば、これらの画策は、図7の画策領域(斜線領域)Gaに示すように、撮像部2のレンズ部の中心領域に対して集中して行われることが考えられる。
そこで、ブロック選択部5は、複数のブロックBの中から、いくつかの所定のブロックBを選択することができる。たとえば、図7に示すように、ブロック選択部5は、デジタル画像DIにおいて、判定対称ブロック領域BSaに含まれるブロックBを所定のブロックBとして選択することができる。ここで、判定対象ブロック領域BSaは、画策領域Gaが施される領域を予め想定し、当該想定した画策領域Gaが全て含まれる最小限の領域であることが望ましい。
さて次に、画策判定部4は、平均輝度値とブロック輝度値の差の絶対値を、上記所定数のブロックB毎に求める(ステップS498)。そして、画策判定部4は、上記所定のブロックBの中から、平均輝度値とブロック輝度値の差の絶対値が輝度差閾値TH4より小さい(|平均輝度値−ブロック輝度値|<TH4)、ブロック数XDを算出する(ステップS498)。
次に、画策判定部4は、ブロックの数XDが閾値数TH3以下(XD≦TH3)であるか否かを判断する(ステップS506)。
ステップS506の判断の結果、ブロックの数XDが閾値数TH3以下(XD≦TH3)であったとする(ステップS506で「Yes」)。この場合には、画策判定部4は画策が無いと判断し、画策判定処理を終了する。これに対して、ブロックの数XDが閾値数TH3より大きかった(XD>TH3;第三のブロック数条件と称する)とする(ステップS506で「No」)。当該第三のブロック数条件を満たすとき、画策判定部4は、画策が有ると判定する。そして、画策判定部4は、画策検出信号を送出するか、または、図3のステップS47へと移行する。
ここで、輝度差閾値TH4および閾値数TH3は、予め任意の数がデジタルカメラ100に設定されている。なお、上記と異なり、ここで、ステップS496とステップS497の順序が逆であっても良い。
なお、上記のように、ステップS47に移行する場合とは、次のような場合である。つまり、撮像部2は、ステップS3中において複数回、デジタル画像DIを撮像し、各デジタル画像DI毎に、平均輝度値、ブロック輝度値および上記絶対値の差を算出し、さらに、画策判定部4が、各前記デジタル画像DI毎に第三のブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して第三のブロック数条件が満たされたときに、当該画策判定部4が画策が有ると判定する場合である。つまり、図3において、ステップS46で「No」→ステップS49→ステップS50、ステップS47の経路において、図3のフローを複数回繰り返される場合である。
また、ステップS497において、ブロック輝度値として、所定のブロックBを構成する複数の画素の輝度値の平均値を採用しても良い。また、ステップS497において、ブロック輝度値として、所定のブロックBの中心に位置する画素の輝度値を採用しても良い。
以上が、本発明に係るデジタルカメラ100の動作(画策判定処理)の説明である。
以上のように、本発明に係るデジタルカメラ100では、照明部1の点灯時の輝度値である第一の点灯時輝度値L1が、高輝度閾値TH1より大きいときに、照明部1は、ライトの明滅を行う。または、照明部1の消灯時の輝度値である第一の消灯時輝度値L2が、低輝度閾値TH2より小さいときに、照明部1は、ライトの明滅を行う。そして、画策判定部4は、照明部1の明滅時において撮像部2で撮像されたデジタル画像の輝度値に基づいて、画策の有無を判定する。
したがって、別途センサー等を必要とせず、画策の有無を判定するデジタルカメラ100を提供できる。また、照明部1の明滅により、画策の検出に際して長時間照明部が消灯することを防止できる。よって、当該デジタルカメラ100は、監視能力の維持を図りながら、画策検出精度の向上を図ることができる。
また、デジタルカメラ100は、画策判定部4が画策が有ると判定したときには、外部に対して画策が有る旨を通知する。具体的に、画策判定部4は、画策検出信号を出力する。
したがって、当該デジタルカメラ100のユーザは、容易に画策があったことを認識することができる。
また、デジタルカメラ100は、画策判定部4が、画策が無いと判定したときには、照明部1のライトの明るさを調整する。したがって、明るすぎる若しくは暗すぎる照度を、自動的に調整することができる。
また、デジタルカメラ100では、輝度検出部3は、明滅時のライト消灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の消灯時輝度値L2’として求めると共に、明滅時のライト点灯時に撮像されたデジタル画像の輝度値を、第二の点灯時輝度値L1’として求める。そして、画策判定部4は、第二の消灯時輝度値L2’が低輝度閾値TH2より小さく、かつ、第二の点灯時輝度値L1’が高輝度閾値TH1より大きい、第一の輝度条件を満たすときに、画策が有ると判定する。
したがって、センサー部等の余分な部材を設けずに、単に照明部1を明滅させるだけで、簡単にかつ精度良く、撮像部2に布を被せるなどの画策を検出することができる。
また、デジタルカメラ100では、照明部1は、明滅を繰り返し実施する。そして、輝度検出部3は、明滅毎に、第二の消灯時輝度値L2’および第二の点灯時輝度値L1’を求める。そして、画策判定部4は、明滅毎に上記第一の輝度条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して第一の輝度条件が満たされたときに、画策が有ると判定する。
したがって、自然現象等で突発的に第一の輝度条件を満たすような場合を除き、人為的な画策が確実にあると判定したときのみに、画策が有ると判定できる。
また、デジタルカメラ100では、輝度検出部3は、第二の消灯時輝度値L2’および第二の点灯時輝度値L1’を求める。そして、第二の消灯時輝度値L2’が低輝度閾値TH2以上、および/または、第二の点灯時輝度値L1’が高輝度閾値TH1以下である、第二の輝度条件を満たすとき、輝度検出部3は、複数のブロックBで分割されているデジタル画像DIにおいて、明滅時のライト消灯時におけるブロックBの輝度値を第三の消灯時輝度値L2’’として求める共に、明滅時のライト点灯時におけるブロックBの輝度値を、第三の点灯時輝度値L1’’として、いくつかの所定のブロックB毎に各々求める。そして、画策判定部4は、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’が共に、低輝度閾値TH2よりも小さい、所定のブロックの数XLが、閾値数TH3より多い第一のブロック数条件を満たすとき、画策が有ると判定する。
したがって、スプレーなどによる発生し得る部分的な低輝度画策を、センサー部等の余分な部材を設けずに、簡単にかつ精度良く、検出することができる。
また、デジタルカメラ100では、輝度検出部3は、第二の消灯時輝度値L2’および第二の点灯時輝度値L1’を求める。そして、第二の消灯時輝度値L2’が低輝度閾値TH2以上、および/または、第二の点灯時輝度値L1’が高輝度閾値TH1以下である、第二の輝度条件を満たすとき、輝度検出部3は、複数のブロックBで分割されているデジタル画像DIにおいて、明滅時のライト消灯時におけるブロックBの輝度値を第三の消灯時輝度値L2’’として求める共に、明滅時のライト点灯時におけるブロックBの輝度値を、第三の点灯時輝度値L1’’として、いくつかの所定のブロックB毎に各々求める。そして、画策判定部4は、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’が共に、高輝度閾値TH1よりも大きい、所定のブロックBの数XHが、閾値TH3数より多い第二のブロック数条件を満たすとき、画策が有ると判定する。
したがって、スプレーなどによる発生し得る部分的な高輝度画策を、センサー部等の余分な部材を設けずに、簡単にかつ精度良く、検出することができる。
また、デジタルカメラ100では、照明部1は、明滅を繰り返し実施し、輝度検出部3は、明滅毎に、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’を求める。そして、画策判定部4は、明滅毎に上記第一、二のブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して上記第一、二のブロック数条件が満たされたときに、画策が有ると判定する。
したがって、自然現象等で突発的に第一、二のブロック数条件を満たすような場合を除き、人為的な画策が確実にあると判定したときのみに、画策が有ると判定できる。
また、デジタルカメラ100では、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’およびブロック輝度値は、所定のブロックBを構成する複数の画素の輝度値の平均値である。
したがって、所定のブロックBの平均的な輝度値を用いた画策判定ができる。つまり、より高精度な画策判定が可能となる。
また、デジタルカメラ100は、第三の消灯時輝度値L2’’および第三の点灯時輝度値L1’’およびブロック輝度値は、所定のブロックBの中心に位置する画素の輝度値である。
したがって、所定のブロックBの代表輝度値を簡単に求めることができる。つまり、より簡易な回路構成およびより高速に画策判定を行うことができる。
また、デジタルカメラ100は、輝度検出部3は、第二の消灯時輝度値L2’および第二の点灯時輝度値L1’を求める。そして、第二の消灯時輝度値L2’が低輝度閾値TH2より大きく、および/または、第二の点灯時輝度値L1’が高輝度閾値TH1より小さい、第二の輝度条件を満たすとき、輝度検出部3は、所定のデジタル画像DI全体の平均輝度値を求めると共に、所定のデジタル画像DIにおいて、いくつかの所定のブロックB毎にブロック輝度値を求める。そして、画策判定部4は、平均輝度値とブロック輝度値の差の絶対値を所定数のブロックB毎に求め、差の絶対値が輝度値閾値TH4よりも小さい所定のブロックBの数XDが、閾値数TH3より多い第三のブロック数条件を満たすとき、画策が有ると判定する。
したがって、スプレーなどによる発生し得る撮像部に対する部分的な画策を、センサー部等の余分な部材を設けずに、簡単にかつ精度良く、検出することができる。
また、デジタルカメラ100は、撮像部は、複数回、デジタル画像DIを撮像する。そして、画策判定部4は、各デジタル画像DI毎に上記第三のブロック数条件を満たすか否かを判断し、所定の回数連続して第三のブロック数条件が満たされたときに、画策が有ると判定する。
したがって、自然現象等で突発的に第三のブロック数条件を満たすような場合を除き、人為的な画策が確実にあると判定したときのみに、画策が有ると判定できる。
また、デジタルカメラ100は、所定のブロックBを、選択することができるブロック選択部5を備えている。
したがって、デジタルカメラ100のユーザは、たとえば画策が施されやすい領域に存在するブロックBを、画策判定対象ブロックとして選択できる。したがって、より高精度な画策検出が可能となる。
なお、照明部1は、如何なる光源を採用可能である。たとえば、照明部1として、水銀ランプや赤外照明等を採用できる。照明部1として、赤外照明を採用した場合には、照明部1の明滅処理を施したとしても、外部において当該明滅処理が目立つことを防止できる。