JP2004220052A - 内部的にドープされたハロゲン化銀乳剤およびそれの調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属ヘキサ配位錯体の存在下で分散媒体中の銀およびハロゲン化物イオンを反応させることを含んでなる放射線感受性ハロゲン化銀乳剤の調製方法であって、
ヘキサ配位錯体が、アゾール配位子から選ばれる少なくとも一つの有機配位子、並びにハロゲン化物もしくは疑似ハロゲン化物配位子によって占められている少なくとも半分の金属配位位置を含み、前記錯体を生成する金属が、元素周期表に含まれる周期4、5および6でかつ3〜14族から選択されること、を特徴とする調製方法。
【選択図】 なし
Description
元素に言及する場合の「金属」の語は、次ぎの原子番号:2、5〜10、14〜18、33〜36、52〜54、85および86のもの以外の全ての元素を包含する。
「VIII族貴金属」の語は、周期5もしくは6かつ8族〜10族のいずれか一つの族に由来する元素を包括して呼ぶ。
「パラジウム三つ組金属」の語は、周期5かつ8族〜10族のいずれか一つの族に由来する元素を包括して呼ぶ。
「ハロゲン化物」の語を、ハロゲン化銀写真のその通常の使用において、塩化物、臭化物もしくは沃化物を示すために用いる。
「疑似ハロゲン化物」の語は、ハロゲン化物の性質に近い(即ち、十分に電気的に陰性な一価の陰イオン基で、少なくともハロゲン化物と同じ正のハメットシグマ値を表わす、例えば、CN- 、OCN- 、SCN- 、SeCN- 、TeCN- 、N3 - 、C(CN)3 - 、およびCH- )として知られているグループをいう。
「C−C、H−CもしくはC−N−H有機性」の語は、少なくとも一つの炭素−炭素結合、少なくとも一つの炭素−水素結合もしくは少なくとも一つの炭素−窒素−水素結合連鎖を持つ基をいう。
リサーチディスクロージャーは、Kenneth Mason Publication Ltd., Dudley House, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England によって出版されている。
次ぎの引例によって引用される部分は、沈澱時にドーパントとしてハロゲン化銀粒子に組み込まれた金属が、粒子感度を改良するようにはたらくことができる技術の一般的知識を説明する。
リサーチディスクロージャー308118、I〜Dは、更に:粒子核形成時および/もしくは粒子成長時に導入された金属が、ドーパントとして粒子に入り、それらのレベルおよび粒子内の位置に依存して写真性を変えることができる。金属が、ヘキサ配位錯体もしくはテトラ配位錯体のような配位錯体の一部を形成する場合、この配位子もまた、粒子内に吸蔵されることができる。ハロ、アクオ、シアノ、シアネート、チオシナネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、およびカルボニルのような配位子が考えられ、乳剤性能を更に変えることができる、と述べている。
これらの偶然の技法のなかで、粒子沈澱時の鉄ヘキサシアニドの組み込みが最も著名であり、Shiba 等の米国特許第3,790,390号明細書;Ohkubo等の米国特許第3,890,154号明細書;Iwaosa等の米国特許第3,901,711号明細書およびHabu等の米国特許第4,173,483号明細書によって説明されている。
従来の技術は、粒子沈澱時にドーパント金属塩および配位錯体を添加することによって有用な写真性能の改良を達成しているが、従来達成されている写真的効果は、ドーパント金属単独で寄与するか、もしくはいくつかの限られたカテゴリーから選ばれる配位錯体配位子(ハロ、疑似ハロ、アクオ、ニトロシル、チオニトロシル、カルボニルおよびオキソ配位子)と共同して金属ドーパントが寄与するかであった。
そして配位錯体の金属配位位置の少なくとも半分が、ハロゲン化物もしくは疑似ハロゲン化物配位子によって与えられていることを特徴する写真乳剤に向けられている。
ヘキサ配位錯体が、少なくとも一つの炭素−炭素結合、炭素−水素結合もしくは炭素−窒素−水素結合連鎖を持つ少なくとも一つの有機配位子およびハロゲンもしくは疑似ハロゲン配位子によって占められている少なくとも半分の金属配位位置を含有し、前記錯体を形成する金属が、元素の周期表の4、5および6周期でかつ3〜14族から選ばれることを特徴とする方法に向けられている。
この錯体は、ヘキサ配位錯体の中から選ばれ、ハロゲン化銀粒子の面心立方結晶構造との立体的適合性を容易にする。元素周期表の周期4、5および6で、かつ3〜14族に由来する金属が、ヘキサ配位錯体を形成するとして知られており、従って特にこれらを企図する。配位錯体に含まれる好ましい金属は、VIII族金属である。第VIII族非貴金属(即ち、第4周期VIII族金属)が粒子組み込みに企図され、特に鉄が好ましいドーパント金属である。第VIII族貴金属(パラジウムおよびプラチナ三組元素に由来するもの)が企図され、特にルテニウムおよびロジウムが好ましい周期5金属ドーパントであり、イリジウムは特に好ましい周期6ドーパントである。
pyは、ピリジンである。
トリス(ピリジン)トリス(チオシアナート)スカンジウム(III)
Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon 1987 で、編者G. Wilkinson, R.D.GillおよびJ.A.McClevertyによって報告。
Mは、La、Ce、Pr、Nd、Saである。
アクロトリクロロ(1,10−フェナントロリン)
J.Inorg. Nucl. Chem., 26, 579(1964) で、F.A.HartおよびF.P.Lming によって報告。
Etは、エチル、Meは、メチルである。
テトラエチルアンモニウムビス(アセトニトリル)テトラクロロチタン(III)
Chem. Comm.,1, 19(1966) で、B.T.RussおよびG.W.A.Fowlesによって報告。
MC−4 (R4 N)[TiCl4 (Eto)(MeCN)]
Etoは、CH3 CH2 Oである。
テトラメチルアンモニウム(アセトニトリル)エトキシテトラクロロチタネート(IV)
MC−4b RがEtである。
テトラエチルアンモニウム(アセトニトリル)エトキシテトラクロロチタネート(IV)
a〜bは、Z.Anorg. Allgem. Chem., 338, 147(1965)で、F.A.HartおよびF.P.Lming によって報告。
テトラエチルアンモニウム(アセトニトリル)ペンタクロロチタネート(IV)
J.Electrochem. Soc.,111, 1065(1964) で、J.M.KolthoffおよびF.G.Thomasによって報告。
ピリジウムビス(ピリジン)テトラ(チオシアナート)バナデート(III)
Comprehensive Inorganic Chemistry, Vol.3,pp.544-545,編者A.F.Trotman-Dickerson, Pergoman Press, Oxford, 1973,で、J.H.Clark によって報告。
テトラエチルアンモニウムビス(アセトニトリル)テトラクロロバナデート(III)ピリジウム
Comprehensive Inorganic Chemistry, Vol.3,pp.544-545,編者A.F.Trotman-Dickerson, Pergoman Press, Oxford, 1973,で、J.H.Clark によって報告。
(エチレンジアミン)テトラクロロタングステン(IV)
J.Chem. Soc., 3392(1963) で、C.D.Kennedy およびR.D.Peacock によって報告。
MC−9 (Bu4 N)[Cr(NCO)4 (en)]
Buは、ブチルである。
Z.Anorg. Allgem. Chem., 428, 254(1977)で、E.Blasius およびG.Klemm によって報告。
MC−10 (Bu4 N)[Cr(NCO)4 (1,2−プロパンジアミン)]
テトラブチルアンモニウムテトラ(シアナート)(1,2−プロパンジアミン)クロメート(III)
Z.Anorg. Allgem. Chem., 443, 265(1978)で、E.Blasius およびG.Klemm によって報告。
テトラブチルアンモニウムテトラ(シアナート)(1,2−シクロヘキサンジアミン)クロメート(III)
Z.Anorg. Allgem. Chem., 443, 265(1978)で、E.Blasius およびG.Klemm によって報告。
トリクロロ(エチレンジアミン)オキソレニウム(V)
J. Chem.Soc.(A), 1224(1966) で、D.E.Grove およびG.Wilkinson によって報告。
MC−13 [ReI4 (py)2 ]
テトラヨードビス(ピリジン)レニウム(IV)
J. Chem.Soc., 4121(1960)で、R.Levitus およびG.Wilkinson によって報告。
MC−14a Lは、(py)である。
ペンタシアノ(ピリジン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14b Lは、ピラジン(pyz)である。
ペンタシアノ(ピラジン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14c Lは、4,4’−ビピリジンである。
MC−14d Lは、3,3’−ジメチル−4,4’−ビピリジンである。
ペンタシアノ(3,3’−ジメチル−4,4’−ビピリジン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14e Lは、3,8−フェナントロリンである。
MC−14f Lは、2,7−ジアザピレンである。
ペンタシアノ(2,7−ジアザピレン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14g Lは、1,4−ビス(4−ピリジル)ブタジインである。
a〜gは、J.Am. Chem.Soc.,111, 1235-41(1989)で、G-H.Lee, L.D.CianaおよびA.Haimによって報告。
MC−14h Lは、(4−py)ピリジニウムである。
MC−14i Lは、1−メチル−4−(4−py)ピリジニウムである。
ペンタシアノ[1−メチル−4−(4−ピリジル)ピリジニウム]鉄(II)酸ナトリウム
MC−14j Lは、N−Me−ピラジニウムである。
MC−14k Lは、4−Cl(py)である。
ペンタシアノ(4−クロロピリジノ)鉄(II)酸ナトリウム
h〜kは、Inorg Chem. 12, 1039(1973)で、H.E.TomaおよびJ.M.Malin によって報告。
Phは、フェニールである。
ペンタシアノ(トリフェニルホスフィン)鉄(II)酸ナトリウム
Polyhedron, 9, 2433(1990) で、M.M.MonzykおよびR.A.Holwerdaによって報告。
ペンタシアノ(チオウレア)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14n Lは、ピラゾールである。
ペンタシアノ(ピラゾール)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14o Lは、イミダゾールである。
m〜oは、Inorg Chem. 23, 2754(1984)で、C.R.Johnson 、W.W.Henderson およびR.E.Shepherdによって報告。
MC−14p Lは、MeNH2 である。
ペンタシアノ(メチルアミン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14q Lは、Me2 NHである。
MC−14r Lは、Me3 NHである。
ペンタシアノ(トリメチルアミン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14s Lは、EtNH2 である。
ペンタシアノ(エチルアミン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14t Lは、BuNH2 である。
MC−14u Lは、シクロヘキシルアミンである。
ペンタシアノ(シクロヘキシルアミン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14v Lは、ピペリジンである。
ペンタシアノ(ピペリジン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14x Lは、アニリンである。
MC−14y Lは、モルホリンである。
ペンタシアノ(モルホリン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14y Lは、エタノールアミンである。
ペンタシアノ(エタノールアミン)鉄(II)酸ナトリウム
p〜yは、Inorg Chem. 17, 556(1978) で、N.E.Klatz 、P.J.Aymoneno、M.A.Blesa およびJ.A.Olabe によって報告。
ペンタシア(トリブチルホスファイト)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14aa Lは、P(Bu)3 である。
ペンタシアノ[(トリブチル)ホスフィン]鉄(II)酸ナトリウム
z〜aaは、Z.Anorg Allgem. Chem. 483, 75-85(1981)で、V.H.Inouye、E.Fluck 、H.BinderおよびS.Yanagisawaによって報告。
ペンタシアノ(p−ニトロソ−N,N−ジメチルアニリン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14cc Lは、ニトロソベンゼンである。
MC−14dd Lは、4−CN−(py)である。
ペンタシアノ(4−シアノピリジン)鉄(II)酸ナトリウム
bb〜ddは、J. Chem. Soc. 353(1975) で、Z.Bradic、M.Pridanic、およびS.Aspergerによって報告。
ペンタシア(ニコチンアミド)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14ff Lは、4−[NH2 NHC(O)](py)である。
MC−14gg Lは、3−CHO−(py)である。
ペンタシアノ(ニコチンアルデヒド)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14hh Lは、3−[NH2 C(O)](py)である。
MC−14ii Lは、4−[NH2 C(O)](py)である。
ペンタシアノ(イソニコチンアミド)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14jj Lは、3−[- 0C(O)](py)である。
ペンタシアノ(ニコチネート)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14kk Lは、3−[- 0C(O)](py)である。
MC−14ll Lは、3−[- 0C(O)CH2 NHC(O)](py)である。
ペンタシアノ(ニコチノイルグリシナート)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14mm Lは、[H2 NC(O)](pyz)である。
MC−14nn Lは、(pyz)−モノ−N−オキシドである。
ペンタシアノ(ピラジンモノ−N−オキシド)鉄(II)酸ナトリウム
ee〜nnは、Transition Metal Chem., 8 99(1983)で、P.J.Morando 、U.I.E.Bruyere 、およびM.A.Blesa によって報告。
ペンタシアノ(4−フェニルピリジン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14pp Lは、ピリダジンである。
ペンタシアノ(ピリダジン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−14qq Lは、ピリミジンである。
oo〜qqは、J.Am. Chem.Soc. 94(8), 2583(1972) で、D.K.LaValleeおよびE.B.Fleischer によって報告。
MC−14rr Lは、Me2 SOである。
ペンタシアノ(ジメチルスルホキシド)鉄(II)酸ナトリウム
Inorg Chem.,12, 2884(1973)で、H.E.Toma、J.M.Malin およびE.Biesbrechtによって報告。
ペンタシアノ(2−クロロピラジン)鉄(II)酸ナトリウム
MC−15 K 3[Ru(CN)5 L]
MC−15a Lは、(pyz)である。
ペンタシアノ(ピラジン)ルテネート(II)カリウム
Inorg Chem.,22, 2439(1983)で、C.R.Johnson およびR.E.Shepherdによって報告。
ペンタシアノ(メチルピラジニウム)ルテネート(II)カリウム
MC−15c Lは、イミダゾールである。
ペンタシアノ(イミダゾール)ルテネート(II)カリウム
MC−15d Lは、4−ピリジルピリジニウムである。
MC−15e Lは、4,4’−ビピリジンである。
ペンタシアノ(4,4’−ビピリジン)ルテネート(II)カリウム
MC−15f Lは、Me2 SOである。
MC−15g Lは、(py)である。
ペンタシアノ(ピリジン)ルテネート(II)カリウム
MC−15h Lは、4−[- 0C(O)](py)である。
b〜hは、Inorg Chem.,25, 2099(1986)で、M.A.HoddenbaghおよびD.A.McCartney によって報告。
MC−16 K2 [Co(CN)5 L]
MC−16a Lは、Meである。
MC−16b Lは、Etである。
ペンタシアノ(エチル)コバルテート(III)カリウム
MC−16c Lは、トリルである。
ペンタシアノ(トリル)コバルテート(III)カリウム
MC−16d Lは、アセトアミドである。
MC−16e Lは、−CH2 C(O)O−である。
ペンタシアノ(アセテート)コバルテート(III)カリウム
MC−16f Lは、−CH2 C(O)OCH3 である。
ペンタシアノ(メチルアセテート)コバルテート(III)カリウム
MC−16g Lは、−CH2 CH2 C(O)OCH3 Meである。
a〜gは、J.Am. Chem.Soc.,87, 5361(1965)で、J.Halpern およびJ.P.Maher によって報告。
MC−17 K[Co(CN)4 (en)]
テトラシアノ(エチレンジアミン)コバルテート(III)カリウム
Bulletin of the Chemical Society of Japan,42, 3184-9(1969)で、K.Ohkawa、J.FujitaおよびY.Shimura によって報告。
MC−18 Ba[Co(CN)4 (tn)]
(tn)は、トリメチレンジアミンである。
Bulletin of the Chemical Society of Japan,42, 3184-9(1969)で、K.Ohkawa、J.FujitaおよびY.Shimura によって報告。
MC−19 [RhL3 Cl3 ]
MC−19a Lは、MeCNである。
MC−19b Lは、PhCNである。
トリス(ベンゾニトリル)トリクロロロジウム(III)
a〜bは、J.Chem.Soc.(A), 2904(1970)で、G.Beech およびG.Marrによって報告。
MC−20 Na2 [RhCl5 (SMe2 )]
ペンタクロロ(ジメチルスルフィド)ローデート(III)
J.Chem.Res.(M), 3601(1978)で、S.J.Anderson、J.R.Barnes、P.L.GogginおよびR.S.Goodfellowによって報告。
MC−21 シス,トランス−[RhX4 (SMe2 )2 ]
Xは、ハロである。
J.Chem.Res.(M), 3601(1978)で、S.J.Anderson、J.R.Barnes、P.L.GogginおよびR.S.Goodfellowによって報告。
MC−22 mer ,fac −[RhX3 (SMe2 )3 ]
mer もしくはfac −トリハロトリス(ジメチルスルフィド)ローデート(III)
J.Chem.Res.(M), 3601(1978)で、S.J.Anderson、J.R.Barnes、P.L.GogginおよびR.S.Goodfellowによって報告。
テトラプロピルアンモニウムテトラクロロビス(ジメチルスルホキシド)ロジウム(III)
Russ. J.Inorg. Chem.( 訳),15 1032(1970) で、Y.N.Kukushkin 、N.D.RubtsoraおよびN.Y.Irannikovaによって報告。
MC−24 [RhCl3 (Me2 SO)3 ]
トリクロロトリス(ジメチルスルホキシド)ロジウム(III)
Russ. J.Inorg. Chem.( 訳),15 1032(1970) で、Y.N.Kukushkin 、N.D.RubtsoraおよびN.Y.Irannikovaによって報告。
MC−25 K[RhCl4 L]
MC−25a Lは、1,10−フェナントロリンである。
MC−25b Lは、5−メチル(1,10−フェナントロリン)である。
テトラクロロ[5−メチル(1,10−フェナントロリン)ローデート(III)カリウム
MC−25c Lは、5,6−ジメチル(1,10−フェナントロリン)である。
MC−25d Lは、5−ブロモ(1,10−フェナントロリン)である。
テトラクロロ[5−ブロモ(1,10−フェナントロリン)]ローデート(III)カリウム
MC−25e Lは、5−クロロ(1,10−フェナントロリン)である。
MC−25f Lは、5−ニトロ(1,10−フェナントロリンである。
テトラクロロ[5−ニトロ(1,10−フェナントロリン)]ローデート(III)カリウム
MC−25g Lは、4,7−ジフェニル(1,10−フェナントロリンである。
a〜gは、J.Am. Chem.Soc.,96, 4334(1974)で、R.J.Watts およびJ.Van Houtenによって報告。
MC−26 K[IrX4 (en)]
MC−26a Xは、Clである。
MC−26b Xは、Brである。
テトラブロモ(エチレンジアミン)イリデート(III)カリウム
Russ. J.of Inorg. Chem.(訳),19 1974 で、I.B.Barnovskii、R.E.Sevast'ynova, G.Y.MazoおよびV.I.Nefadov によって報告。
MC−27 K[IrClx (MeCN)v ]
MC−27a xは4、yは2である。
MC−27b xは5、yは1である。
ペンタクロロ(アセトニトリル)イリデート(III)カリウム
a〜bは、Inorg. Nucl.Chem. Lett.,9 1129-30(1973) で、B.D.CatsikisおよびM.L.Goodによって報告。
MC−28 [N(Me)4 ][IrCl4 (MeSCH2 CH2 SMe)]
テトラメチルアンモニウムテトラクロロビス(2,5−ジチアヘキサン)イリデート(III)
J..Chem. Soc. Dalton訳、1872-8(1980)で、D.J.Gulliver, W.Levason, K.G.SmithおよびM.J.Selwood によって報告。
MC−29 Km [IrXx (pyz)y Ln ]
MC−29a XはCl、mは2、nは0、xは5、yは1である。
MC−29b XはCl、mは1、nは0、xは4、yは1、シス異性体である。
テトラクロロビスシス(ピラジン)イリデート(III)カリウム
MC−29c XはCl、mは1、nは0、xは4、yは2、トランス異性体である。
MC−29d XはCl、mは1、nは0、xは3、yは3である。
トリクロロトリス(ピラジン)イリデート(III)カリウム
a〜dは、C.R.Acad.Sc.Paris, 261,3420(1965) で、F.Larezeによって報告。
MC−30 Km [IK2 [IrCl5 (ピリミジン)]
沃化ジカリウムペンタクロロ(ピリミジン)イリデート(III)カリウム
C.R.Acad.Sc.Paris,277, 459(1973)で、F.LarezeおよびL.Bokobza-Sebaghによって報告。
MC−31 K4 [Ir2 Cl10(μ−pyz)]
デカクロロ(μ−ピラジン)ビス[ペンタクロロイリデート(III)]カリウム
C.R.Acad.Sc.Paris,282, 737(1976)で、F.Larezeによって報告。
MC−32 Km [IrClx (py)y Ln ]
MC−32a mは2、nは0、xは5、yは1である。
MC−32b mは1、nは0、xは4、yは2である。
テトラクロロビス(ピリジン)イリデート(III)カリウム
MC−32c mは0、nは0、xは3、yは3である。
MC−32d Lはピリダジン、mは0、nは1、xは5、yは0である。
ペンタクロロ(ピリダジン)イリデート(III)カリウム
a〜dは、Bull. Soc. Chemi. France,2393(1975) で、G.Rio およびF.Larezoによって報告。
トリクロロ(オキサレート)(ピリジン)イリデート(III)カリウム
Bull. Soc. China, 7 750(1940) で、Y.Inamura によって報告。
トリクロロモノアクオ(ピリジン)イリデート(III)カリウム
Comptes Rendus, 200 1373(1935)で、M.Delpine によって報告。
MC−33 K3 [IrCl4 (C2 O4 )]
テトラクロロオキサラートイリデート(III)カリウム
Comptes Rendus, 152 1393(1911)で、A.Duffour によって報告。
MC−34 [In(チオウレア)3 (NCS)3 ]
トリス(イソチオシアナート)トリチオウレアインジウム(III)
J. Chem. Soc.(A), 1188(1967)で、S.J.Patel, D.B.SowerbyおよびD.G.Tuckによって報告。
MC−35 [In(dimac)3 (NCS)3 ]
dimacは、N,N−ジメチルアセトアミドである。
J. Chem. Soc.(A), 1188(1967)で、S.J.Patel, D.B.SowerbyおよびD.G.Tuckによって報告。
MC−36 [Et4 N]2 [Mem Sn(NCS)n ]
MC−36a mは2、nは4である。
MC−36b mは1、nは5である。
テトラエチルアンモニウムメチルペンタ(イソチオシアナート)スタネート
a〜bは、J.Inorg.Nucl.Chem., 27, 2275(1965)、A.Cassal, R.Portanova およびBarbieriによって報告。
MC−37 Na6 [Fe2 (CN)10(pyz)]
デカシアノ(μ−ピラジン)二鉄酸(II)ナトリウム
Inorg.Chem.,14, 2924(1975)、J.M.Malin, C.F.Schmitt, およびH.E.Tomaによって報告。
MC−38 Na6 [Fe2 (CN)10(μ−4,4’−ビピリジン)]
デカシアノ(μ−4,4’−ビピリジン)二鉄酸(II)ナトリウム
J.Am.Chem.Soc., 99, 8417(1977)、J.E.Figard, J.V.Paukstelis, E.F.Byrne およびJ.D.Petersonによって報告。
MC−39 Na6 [Fe2 (CN)10L]
Lは、トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン
デカシアノ[μ−トランス−1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン]二鉄酸(II)ナトリウム
An.Quim.Ser.B,77(2), 154-6、N.E.Katzによって報告。
MC−40 Na5 [(CN)5 FeLCO(CN)5 ]
MC−40a Lは、(pzy)である。
MC−40b Lは、4,4’−ビピリジンである。
デカシアノ(μ−4,4’−ビピリジン)鉄(II)酸コバルテート(III)ナトリウム
MC−40c Lは、4−シアノピリジンである。
Inorg.Chem.,21, 2477(1982)、K.J.Pfenning, L.Lee, H.D.WohlersおよびJ.D.Perterson によって報告。
具体的な公知の化合物に加えて、文献で探せない化合物も本発明の実施において合成し使用した。これらの化合物は、次ぎのものを包含する:
MC−41 K2 [IrCl5 (チアゾール)]
ペンタクロロ(チアゾール)イリデート(III)カリウム
MC−42 Na3 K2 [IrCl5 (pyz)Fe(CN)5 ]
ペンタクロロイリデート(III)(μ−ピラジン)ペンタシアノ鉄(II)酸カリウムナトリウム
MC−43 K5 [IrCl5 (pyz)Ru(CN)5 ]
ペンタクロロイリデート(III)(μ−ピラジン)ペンタシアノルテネート(II)カリウム
MC−44 Na3 K3 [Fe(CN)5 (pyz)Ru(CN)5 ]
デカシアノ(μ−ピラジン)鉄(II)酸ルテネート(III)カリウムナトリウム
MC−45 K2 [RhCN5 (チアゾール)]
ペンタクロロ(チアゾール)ローデート(III)カリウム
MC−46 Na4 [Rh2 Cl10(pyz)]
デカクロロ(ピラジン)ローデート(III)ナトリウム
MC−47 Rh[Cl3 (オキサゾール)3 ]
トリクロロトリス(オキサゾール)ロジウム(III)ナトリウム
MC−48 Na3 [Fe(CN)5 TQ]
TQは、(5−トリアゾーロ[4,3−a]キノリン)
ペンタシアノ(5−トリアゾーロ[4,3−a]キノリン)鉄(II)酸ナトリウム
これらの化合物の調製を以下に表わす。
最大10まで(最も好ましくは最大6まで)の非金属(例えば、炭素)原子を有する脂肪族炭化水素配位子であって、直鎖、分枝鎖および環状のアルキル、アルケニル、ジアルケニル、アルキニル並びにジアルキニル配位子を包含するもの。
最大14の非金属(例えば、炭素および窒素)原子を有する脂肪族アザヒドロカーボン配位子。「アザヒドロカーボン」の語は、炭素原子の少なくとも一つ(但し、全部でない)の窒素原子置換を示す。最も安定で、従って好ましいアザヒドロカーボンは、僅かに一つの窒素−窒素結合を有する。環式および非環式の両方のアザヒドロカーボン類が、特に企図される。
脂肪族エーテルおよびチオエーテル配位子、後者はまた、ある意味でアザヒドロカーボンに類似する、チアヒドロカーボンとして、一般的に名付けられている。環式エーテルおよび非環式の両方のエーテル並びにチオエーテルが考えられる。
アミド類、最も好ましくは、最大12(最適には、最大6)の非金属(例えば、炭素)原子を含むもの。
脂肪族成分当たり、最大12(最適には、最大6)の非金属(例えば、炭素)原子を含む脂肪族スルホキシド類。
II. 乳剤洗浄、
III. 化学増感、
IV. 分光増感および減感、
V. 蛍光増白剤、
VI. カブリ防止剤および安定剤、
VII. 着色材料、
VIII. 吸収および散乱材料
IX. ベヒクルおよびベヒクル増量剤、
X. 硬膜剤、
XI. 塗布助剤、
XII. 可塑剤および潤滑剤、
XIII. 帯電防止剤、
XIV. 添加方法、
XV. 塗布および乾燥手順、
XVI. マット剤、
XVII. 支持体、
XVIII.露光、
XIX. 処理、
XX. 現像剤、
XXI. 現像改質剤、
XXII. 物理現像システム、
XXIII.画像転写システム、
XXIV. 乾燥現像システム、
本発明は、写真性能を改良するために金属ドーパントイオンを用いるとして知られている写真乳剤の改良に対して、一般的に適用性を有するが、特定の用途では、特別の利点が観察される。
分光増感色素は、ハロゲン化銀粒子に、より長い波長の範囲に感度を与えるが、この色素はまた減感剤として作用することも、通常述べられいる。分光増感色素を吸収したハロゲン化銀粒子の固有の感度と、吸収しないものの固有の感度を比較することにより、吸収した色素の存在に起因する固有の分光領域感度の減少を同定することが可能である。この観察並びに他の間接的観察から、分光増感色素もまた、固有の感度のスペクトル領域の外側に、その全体の理論的増感能力より少なく生成することが通常認められている。
本発明の更に別の特定の用途では、C−C、H−CもしくはC−N−H有機配位子として脂肪族スルホキシド類を含有する本発明の要件を満足する8族金属配位錯体が、高塩化物(>50%)乳剤の感度を増加することができ、高臭化物(>50%)乳剤のコントラストを高めることができることが観察されている。好ましい、脂肪族スルホキシド類は、脂肪族成分当たり最大12(最も好ましくは、最大6)の非金属(例えば、炭素)原子を持つものである。配位錯体は、粒子構造内で、いずれの都合の良い位置を占めることができ、均一もしくは非均一に分布することができる。8族金属の好ましい濃度は、10-6〜10-9グラム原子/モルAgの範囲である。
調製
前記金属配位錯体の調製は、上記の、錯体が報告されている論文に記載する方法によって行うことができるので、元になる引例が挙げられていない金属配位錯体のみ調製法を提供する。
[Fe(CN)5 (2−クロロピラジン)]3-:10gのクロロピラジンを10mlの水に加え、氷温まで冷却する。3gのNa3 Fe(CN)5 (NH3 ).3H2 Oを、20mlの脱泡かつ冷却した水に溶解し、そして15分かけてクロロピラジン溶液に、冷却した滴下じょうごから滴下した。この反応物を1時間攪拌し、その後この混合物を750mlの冷却したアセトンに注いだ。赤茶けた物質が沈澱し、デカントして、冷却したアセトンで2回洗浄した。この物質を窒素流で乾燥した。反応および乾燥の全体を暗がりで行った。2.88gの量の赤紫の生成物を得た。純度を核磁気共鳴分光測定によって測定した。
[IrCl5 (チアゾール)]2-:12gのK2 IrCl5 (H2 O)を20mlの水中で2mlチアゾール(Ardrich)と反応させ、3日間攪拌した。その後、この溶液を蒸発させて容量を小さくし、エタノールを50ml加えて沈澱させた。沈澱物を濾過してエタノールで洗浄した。この化合物の同定を、赤外(IR)、紫外および可視(UV/Vis)並びに核磁気共鳴(NMR)分光分析、並びに炭素、水素および窒素(CHN)化学分析によって確認した。
[IrCl5 (pyz)Fe(CN)5 ]5-:少量のH2 O中で、等モル量のK2 [IrCl5 (ピラジン)]およびNa3 [Fe(CN)5 (NH3 )].3H2 Oを、室温で24時間反応させることによって、Na3 K2 [IrCl5 (ピラジン)Fe(CN)5 ]を調製した。窒素を流すことによりこの容量を減少させ、そしてエチルアルコールを加えて最終生成物を沈澱させた。この生成物は、IR、UV/VISおよびNMR分光分析並びにCHN化学分析により、Na3 K2 [IrCl5 (ピラジン)Fe(CN)5 ]を与えた。
[IrCl5 (pyz)Ru(CN)5 ]5-:少量のH2 O中で、等モル量のK3 [Ru(CN)5 (ピラジン)]およびK2 [IrCl5 (H2 O)]を、80℃の熱水浴で2時間反応させることによって、混合した金属ダイマーK5 [IrCl5 (ピラジン)Ru(CN)5 ]を調製した。窒素を流すことによりこの容量を減少させ、そしてエチルアルコールを加えて最終生成物を沈澱させた。このダイマーを最小限の量の水に溶解して再結晶させ、エチルアルコールを用いて沈澱させた。この生成物は、IR、UV/VISおよびNMR分光分析並びにCHN化学分析により、K5 [IrCl5 (ピラジン)Ru(CN)5 ]を与えた。
[Ru(CN)5 (pyz)Fe(CN)5]6-:少量のH2 O中で、等モル量のK3 [Ru(CN)5 (ピラジン)]およびNa3 [Fe(CN)5 (NH3 )].3H2 Oを、室温で24時間反応させることによって、Na3 K3 [Ru(CN)5 (ピラジン)Fe(CN)5 ]を同様に調製した。窒素を流すことによりこの容量を減少させ、そしてエチルアルコールを加えて最終生成物を沈澱させた。このダイマーを最小限の量の水に溶解して再結晶させ、エチルアルコールを用いて沈澱させた。この生成物は、IR、UV/VISおよびNMR分光分析並びにCHN化学分析により、Na3 K3 [Ru(CN)5 (ピラジン)Fe(CN)5 ]を与えた。
MC−45の調製
[Rh(CN)5 (チアゾール)]2-:この化合物の合成は、Inorg. Chemi.13(2), 430-434においてG.L.Geoffroy, M.S.Wrighton, G.S.Hammond およびH.B.Gray等によって記載されている文献的方法と、ほとんど変らない、同様のものであった。1.5gのK3 [Rh(CN)6 ]を、100mlのH2 Oに溶解して、HClO4 でpHを2に調節した。この溶液を水晶管の中で水銀ランプを用いて、24時間照射した。この溶液をその後5mlまで蒸発させて冷蔵した。KClO4 を濾過して1mlのエタノール中の1mlのチアゾールを加えた。この溶液に再び水銀ランプを、今度は1時間照射した。容量を減少させ、エタノールを加えると最終生成物を生成した。生成したこの沈澱を、濾過してエタノールで洗浄した。この化合物の同定を、IR、UV/Vis並びにNMR分光分析よって確認した。
MC−46の調製
[Rh2 Cl10(pyz)]4-:100℃で最少限の水中で2:1.05(5%ピラジン過剰)でNa3 RhCl6 .12H2 Oとピラジンを1時間反応させることによって、Na4 [Rh2 Cl10(ピラジン)]を調製した。この冷却した溶液にアセトンを加えると、オイル状かつオレンジ色の液体を与え、そして浮遊物質をデカントした。このオイルをアセトンで数回洗浄しデカントした。アセトンをN2 流で除去すると、粘着質の赤い物質が得られ、その後100℃のオーブン内で1時間空気乾燥して、暗赤色の物質を得た。これを、最少量の水に2回溶解して再結晶させ、エチルアルコールで沈澱させた。最終物質を濾過して、エチルアルコールで洗浄し、空気乾燥した。この生成物は、IR、UV/VISおよびNMR分光分析並びにCHN化学分析により、Na4 [Rh2 Cl10(ピラジン)]を与えた。
[RhCl3 (オキサゾール)3 ]:0.5gの(NH4 )2 [RhCl5 (H2 0)]を、0.5mlのオキサゾールと15mlの水中で3日間反応させた。その後、この溶液を大量のアセトンに加えると、白色沈澱が出現した。この沈澱物(NH4 Cl)を濾過して除いた。濾液から溶剤を蒸発させた後、黄色固形分を得た。この黄色固形分を冷却アセトンを用いて洗浄したが、ほとんど溶解しなかった。アセトン溶液をゆっくりと気化させると、明黄色の結晶を与えた。この黄色生成物は、IR、UV/VISおよびNMR分光分析並びにCHN化学分析により、RhCl3 (オキサゾール)3 を与えた。
[Fe(CN)3 TQ]3-:この化合物の合成は、種々のNax Fe(CN)5 L化合物[H.E.TomaおよびJ.M.Marin, Inorg.Chem.12(5), 1039-1045,(1973) ]の報告されている方法に類似している。1.5gのNa3 [Fe(CN)5 (NH3 )].3H2 Oを、5mlのH2 Oに溶解し、エタノール5ml中の0.26gのs−トリアゾーロ[4,3−a]キノリンに加えた。この溶液を1週間攪拌し、そして蒸発させて2mlにし、エタノールを加えて沈澱させた。これにより、オイルでかつ明るい茶色の沈澱物を生成した。この沈澱物を濾過して、溶液をオイルからデカントした。このオイルを少量のみずに溶解し、大量の過剰のエタノールに加えた。これによりより褐色の沈澱物を生成した。この沈澱物をエタノールで洗浄し、IR、UV/VISおよびNMR分光分析並びにCHN化学分析により分析した。
比較ドーパント
比較ドーパント錯体CD−7およびCD−8以外は、表Iに掲げられている比較ドーパント(CD)錯体を市販されているものから入手した。CD−7およびCD−8は、Ann. Chim., 19, 145(1923) において、M.Delephine により報告されているように調製した。
EDTAは、エチレンジアミン四酢酸である。
CD−1 EDTA
CD−2 [Fe(EDTA)]-1
CD−3 [IrCl6 ]-2
CD−4 K2 C2 O4 .H2 O
CD−5 [Fe(CN)6 ]-4
CD−6 [Fe(C2 O4 )3 ]-3
CD−7 [シス−IrCl2 (C2 O4 )2 ]-3
CD−8 [IrCl 2 (C 2 O 4 ) 3 ] - 3
例1
本例の目的は、ハロゲン化銀粒子構造内のC−C、H−CもしくはC−N−H有機配位子の組み込みを説明することである。
電子常磁性共鳴分光分析測定を、標準X−バンドホモダインEPR分光器並びに標準極低温および補助装置であって、例えば、Electoron Spin Resonance, 第2版、A Comprehensive Treatise on Experimental Techniques, C.P.Poole,Jr., John Wiley & Sons, New York, 1983,に記載されるものを用いて、5〜300゜Kの温度で、乳剤F19について行った。これらの測定は、ドーパントイオンの顕微鏡環境の詳細な構造データを提供し、本例において、沈澱中に加えられた全てのもしくは大部分の鉄が、Fe(II)原子価状態でハロゲン化銀粒子結晶構造中に組み込まれており、そして、組み込まれている全てのFe(II)イオンが、[Fe(CN)5ビピラジン)]3-が[AgCl6 ]5-成分と置き換わるように、完全にその配位子を有していたことを示した。
これらの例は、本発明の要件を満足する金属配位錯体を沈澱時に組み入れる結果として、八面体(即ち、正{111})臭化銀乳剤の色素減感の減少および高照度相反則不軌の減少を説明することを目的とする。これらの例は、金属配位錯体無しに調製された乳剤および鉄ヘキサシアニド(CD−5)の存在下で調製された乳剤の有利な比較を説明する。
溶液A:
ゼラチン(骨) 40g
蒸留水 1500g
溶液B:
2.5N臭化ナトリウム
溶液C:
2.5N硝酸銀
溶液D:
ゼラチン(フタル化) 50g
蒸留水 300g
溶液E:
ゼラチン(骨) 119g
蒸留水 1000g
乳剤A1を、次ぎのように調製した:溶液Aを、2NのHNO3 を用いて40℃でpH3に調節し、そしてその温度を70℃に調節した。溶液AのpAgを、溶液Bを用いて8.19に調節した。溶液BおよびCを、攪拌しながら溶液Aに1.25ml/分の定速で4分かけて、流し込んだ。添加速度を次ぎの40秒間で40ml/分に加速した。生じた乳剤を40℃まで冷却した。その後、攪拌しながら溶液Dを添加し、攪拌を5分間保持した。そしてpHを3.35に調節し、ゲルを固まらせた。この温度を15分間かけて15℃まで落し、液層をデカントした。そして、失った液体容量を蒸留水で補い、pHを4.5に再調節した。この混合物を攪拌しながら40℃で再分散し、pHを5に調節した。そしてpHを3.75に再調節して、もう一度ゲルを固まらせ、混合物を冷却し、液層をデカントした。温度を40℃に再調節して、溶液Eを加えた。最終pHおよびpAgは、それぞれおおよそ5.6および8.6であった。この様に調節した対照乳剤は、狭い分布のサイズおよび形態を有した(即ち、乳剤粒子は、八面体形状で、エッジ長0.5+/−0.05μm)。
ドーパント陰イオン 乳剤A1aのドーパント溶液
CD−5 K4 Fe(CN)6 12.04mg
溶液B 181cc
このように調製したドープした乳剤をサイズおよび形状において単分散し、八面エッジ長0.5μ+/−0.05μを得た。生じたドープした乳剤A1aは、公称で、粒子体積の外側72%〜93.5%において、合計で11モル部/ミリオン(mppm)のドーパントを含有した。即ち、乳剤は、おおよそ40〜100オングストローム厚のドープされていない殻を有した。
ドープした乳剤A2を、ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側72%〜93.5%において、合計で5.2モル部/ミリオン(mppm)のドーパント MC−14bおよび2.6mppmのMC−37を導入した以外は、乳剤A1に記載したように調製した。粒子体積の最初の0〜72%そして粒子体積の最終の93.5%〜100%はドープされていない。
ドープした乳剤A4を、ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側72%〜93.5%の中に、2.6mppmのドーパントMC−14cおよび3.9mppmのMC−38を導入した以外は、乳剤A2に記載したように調製した。
ドープした乳剤A6を、ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側72%〜93.5%の中に、6.6mppmのMC−38を導入した以外は、乳剤A2に記載したように調製した。
ドープした乳剤A9を、ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側72%〜93.5%の中に、10.3mppmのMC−15aを導入した以外は、乳剤A2に記載したように調製した。
ドープした乳剤A11を、ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側50%〜93.5%の中に、55.3mppmのMC−14lを導入した以外は、乳剤A2に記載したように調製した。
ドープした乳剤A13を、ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側72%〜93.5%の中に、55mppmのMC−14nを導入した以外は、乳剤A2に記載したように調製した。
ドープした乳剤A15を、ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側50%〜93.5%の中に、55.3mppmのドーパント[Fe(C2 O4 )3 ]3-(CD−6)を導入した以外は、乳剤A2に記載したように調製した。
乳剤A1、A1a、A1b、A4、A5およびA6の一部を、28μモル/モルAgのチオ硫酸ナトリウムおよび22μモル/モルAgのビス(1,4,5−トリエチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート金(I)テトラフルオロボレートを添加し、次ぎに70℃で40分間熟成することにより増感した。化学増感した乳剤を3部に分割した。その内の二つに、メタノール溶液の赤分光増感色素(色素A)(5,5’−ジクロロ−3,3’,9−トリエチルチアカルボシアニン p−トルエンスルホネート)を、0.50および0.75ミリモル/モルAgのレベルで添加し、その後このサンプルを40℃で1時間保持した。
Δスピードは、ドープしていない対照とドープした乳剤との間のスピード(0.15光学濃度で測定)差×100である。値がより大きくなると、ドーピングに起因するスピード増加がより大きくなることを示す。
表A−IIIは、(CD−5)でドープされた乳剤と違って、本発明の化合物(MC−38)でドープされた乳剤が、高ドーパントレベルで、増加したDmin を示さないこと証明する。
これらの乳剤を塗布して、露光してそして上記のように評価した。結果を表A−IV〜A−VIIに表わす。
比較乳剤A14およびA15をドーパント陰イオン[Fe(EDTA)]-1(CD−2)および[Fe(C2 O4 )3 ]3-(CD−6)で、それぞれドープした。ドーパント陰イオン(CD−2)および(CD−6)は、本発明の要件を満足していない。解ゲルした乳剤A14のFe含量のICP−AES測定は、鉄の添加(比較ドーパント[Fe(EDTA)]-1を含有する)にもかかわらず、バックグランドレベルを超えるFeレベルの著しい増加を示さなかった。このFe組み込みの失敗は、(CD−2)を用いるドーピングの結果としての色素を加えないスピードの著しい変動に見られる失敗およびドープした乳剤A14の色素を加えたスピードの著しい減少の観察に反映されている。後者の変化は、粒子面上の組み込まれなかったドーパントの存在に起因している。乳剤A15の同様の影響を見ると、[Fe(C2 O4 )3 ]3-(CD−6)が臭化銀粒子中に有効に組み込まれなかったことを示している。
これらの例は、本発明の要件を満足する金属配位錯体を沈澱時に組み入れる結果として、八面体(即ち、正{111})臭沃化銀乳剤の色素減感の減少および高照度相反則不軌の減少を説明することを目的とする。
乳剤B1
例Aに記載するダブルジェット沈澱法を変えて、0.5μm+/−0.05μmのエッジ長および乳剤粒子全体に均一に分布する沃化物を持つAgBr0.97I0.03八面体乳剤を生成した。
これらの各乳剤の一部を、100mg/モルAgのチオシアン酸ナトリウム、16μモル/Agモルのチオ硫酸ナトリウムおよびビス(1,4,5−トリエチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート金(I)テトラフルオロボレートを40℃で添加し、次ぎに70℃で22分間熟成することにより、最適に化学増感した。化学増感した乳剤を3部に分割した。その内の二つに、メタノール溶液の赤分光増感色素(色素A)(5,5’−ジクロロ−3,3’,9−トリエチルチアカルボシアニン p−トルエンスルホネート)を、0.50および0.75ミリモル/モルAgのレベルで添加し、その後このサンプルを40℃で1時間保持した。
乳剤Bを、乳剤Aにおいて記載したように、塗布して露光した。
増感した対照乳剤において色素Aのレベルが増加すると、乳剤全体のスピードが減少した。色素を加えたドープした乳剤は、全てのクラスで、色素を加えたドープされていない対照乳剤よりもより高いスピードを示した。色素を加えたドープされていない対照に対して、色素を加えたドープした乳剤のスピードの増加を表B−Iに示す。同様に、表B−IIに見られるように、高照度相反則不軌が、対照乳剤に色素を加えると一般的に増加した。ドープした乳剤では、高照度相反則不軌が改良された。
これらの例は、写真スピードを減少させるが、その他の乳剤特性(例えば、Dmin およびコントラスト)を失わない有機配位子を持つコバルト配位錯体の効果を説明する。
乳剤C1
ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側72%〜93.5%の中に、合計で11mppmのドーパント陰イオンMC−17を導入した以外は、例A7に記載するダブルジェット沈澱法を用いて、八面体AgBr粒子を生成した。
乳剤C1を、乳剤Aにおいて記載したように、塗布して露光した。
乳剤C1の写真パラメータを対照乳剤Aのものと表C−Iにおいて比較する。このレベルおよびドーパントMC−17の置き換えが、特性曲線形状を変えること無しにスピードを減少させるのに有効であることが解る。
これらの例は、臭化銀乳剤のコントラストを高めるための脂肪族スルホキシド配位子を持つ配位錯体の効果を説明することを目的とする。
乳剤D1
ドーパント溶液を変えて、粒子体積の外側0.5%〜93.5%の中に、合計で46.7mppmのドーパント陰イオンMC−14rrを導入した以外は、例A2に記載するダブルジェット沈澱法を用いて、単分散の、0.5μmエッジ長、八面体乳剤を生成した。この乳剤を、最適に硫黄および金化学増感して、70℃で40分間熟成した。
最適化学増感の基準は、低最小濃度と共に、最大スピードおよびより高いコントラストであった。同様の化学増感を対照乳剤のサンプルにも行い、これらの乳剤を次ぎに記載する塗膜に用いた。
乳剤D1およびD2を、Aシリーズ乳剤において記載したように、塗布して露光した。
乳剤D1およびD2の写真パラメータを、表にD−Iで、対照乳剤A1と比較する。ドープされていない対照に比べてドープした乳剤のコントラストを高めるためにドーパントMC−14rrが、有効であることが解る。
これらの例は、正立方粒子臭塩化銀乳剤のコントラストを高めるためのロジウム配位錯体および少なくとも一つの有機配位子の効果を説明することを目的とする。
乳剤E1を次ぎのように調製した:
溶液A:
ゼラチン(骨) 180g
蒸留水 7200g
溶液B:
1.2N臭化ナトリウム
2.8N塩化ナトリウム
溶液C:
2.0N硝酸銀
溶液D:
ゼラチン(骨) 180g
蒸留水 1000g
溶液Aを温度35℃でpH3に調節し、pAgをNaCl溶液を用いて7.87に調節した。溶液BおよびCを攪拌しながら溶液Aに入れた。溶液BおよびCをそれぞれ約17.3および30ml/分の速度で、最初の3分間加えた。溶液Cの添加速度を、その後、30から155ml/分に増加して、溶液Bを17.3から89.3ml/分に、12.5分で増加した。そして、溶液CおよびBをそれぞれ155ml/分および89.3ml/分で21分間加えた。溶液BおよびCを添加する間、pAgを7.87にコントロールした。そしてこの温度を40℃に上げpAgを8.06に調節した。この乳剤を、pAgが7.20になるまで洗浄した。この乳剤を濃縮して、溶液Dを加えた。pAgを7.60に調節し、pHを5.5に調節した。
乳剤E1を、メタノール溶液の0.812mg/モルAgの4,4’−フェニル−ジスルフィドジアセトアニリド、13.35×10−6モル/モルAgの1,3−ジ(カルボキシメチル)−1,3−ジメチル−2−チオウレア二ナトリウムモノヒドレートおよび8.9×10−6モル/モルAgのテトラクロロアウレート(III)カリウムをを添加し、次ぎに65℃で10分間熟成することにより増感した。
写真比較
酢酸セルロース支持体上に、10.8mgゼラチン/dm2 、界面活性剤および硬膜剤から作られた上塗り層を伴って、21.5mgAg/dm2 および54mgゼラチン/dm2 で、上記の最適に増感した各乳剤の塗膜を作成した。各々増感した乳剤の塗膜を、標準センシトメーターで0.1秒間、365nmに対して露光し、そしてヒドロキノン−Elon(N−メチル−p−アミノフェノール ヘミスルフェート)表面現像剤で、21℃で6分間現像した。
これらの例は、正立方粒子塩化銀乳剤の感度を高め、相反則不軌を減少させるためのイリジウムおよび/もしくは鉄配位錯体並びに少なくとも一つの有機配位子の効果を説明することを目的とする。
対照乳剤F1を、ドーパント塩無しで調製した。5.7リットルの3.95重量%ゼラチン溶液を入れた反応容器に、46℃、pHを5.8およびNaClを加えてpAgを7.51に調製した。そして、水50ml中の1.2gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンを、反応容器に加えた。AgNO3 の2M溶液およびNaClの2M溶液を、急速に攪拌しながら同時に加えた。それぞれの流速は、249ml/分であり、pAgを7.51にコントロールしたダブルジェット沈澱を21.5分間継続し、その後この乳剤を38℃まで冷却し、pAg7.26まで洗浄し、そして濃縮した。追加のゼラチンを銀1モル当たり43.4gのゼラチンになるまで導入し、この乳剤をpH5.7およびpAg7.50に調節した。生じた塩化銀乳剤は、立方粒子形状および0.34μm平均エッジ長を有した。
乳剤F4を、ドーパントMC−32dを、合計0.32mppmのレベルで粒子体積の外側93%〜95%の中に導入した以外は、乳剤F2に記載したように調製した。ICP−MSによって、イリジウム組み込みの分析を行った。乳剤中のイリジウムレベルは、少なくとも最高で、通常のイリジウムドーパント陰イオン((IrCl6 )3-もしくは(IrCl6 )2-)でドープして比較乳剤において検出されるレベルであった。
乳剤F6を、MC−41を、合計0.32mppmのレベルで粒子体積の外側93%〜95%の中に導入した以外は、乳剤F2に記載したように調製した。ICP−MSによって、イリジウム組み込みの分析を行った。乳剤中のイリジウムレベルは、少なくとも最高で、通常のイリジウムドーパント陰イオン((IrCl6 )3-もしくは(IrCl6 )2-)でドープして比較乳剤において検出されるレベルであった。
乳剤F8を、ドーパントMC−31を、合計0.16mppmのレベルで粒子体積の外側93%〜95%の中に導入した以外は、乳剤F2に記載したように調製した。
乳剤F11を、ドーパントMC−29cを、合計0.32mppmのレベルで粒子体積の外側93%〜95%の中に導入した以外は、乳剤F2に記載したように調製した。
乳剤F13を、ドーパントMC−43を、合計0.32mppmのレベルで粒子体積の外側93%〜95%の中に導入した以外は、乳剤F2に記載したように調製した。
乳剤F15を、ドーパントMC−14rrを、合計43.7mppmのレベルで粒子体積の外側7.9%〜95%の中に導入した以外は、乳剤F2に記載したように調製した。ICP−AESによるこの乳剤の分析は、実験誤差の範囲内で、組み込まれたFeレベルが、通常のドーパント陰イオン[Fe(CN)6]4−を用いてドープした同様に調製された乳剤と同じであったことを示した。
乳剤F19を、ドーパントMC14−cを、0.1モル濃度のKClO4 水溶液の第三ジェットを介して、合計43.7mppmのレベルで粒子体積の外側7.9%〜95%の中に導入した以外は、乳剤F2に記載したように調製した。この乳剤をEPR分光分析によって調査し、結果は上記例1で記載したのと同じであった。
これらの一部(部分(II)と表わす)を、コロイド状金スルフィド分散物を30mg/モルAgよりもむしろ50mg/モルAgを、各乳剤に加えた以外は、部分(I)と同じように化学および分光増感した。
写真比較
上記Fシリーズ乳剤の増感した部分(I、Ia、IIおよびIII)を、酢酸セルロースフィルム支持体上に、塩化銀21.53mg/dm2 およびゼラチン53.92mg/dm2 で、塗布した。ゼラチン上塗り層は、10.76mgゼラチン/dm2 および硬膜剤(ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル、全ゼラチンに対して1.5重量%のレベル)を含んでなっていた。これら塗布した写真要素のサンプルを、0.1秒間、365nm放射線に対して露光し、そしてコダックDK−50(商標)現像液で12分間現像することによって評価した。更に、塗膜に1/10000〜10秒の範囲に渡って、一連の較正(全エネルギー)白色露光を与えることにより、相反則レスポンスについて塗膜サンプルを評価した。これらをまた、ヒドロキノン−Elon表面現像剤で、21℃で6分間現像した。
更に、塗膜に1/10000〜10秒の範囲に渡って、一連の較正(全エネルギー)白色露光を与え、次ぎに上記のように現像することにより、相反則レスポンスについて塗膜サンプルを評価した。表F−I、F−IIおよびF−IIIに、高照度相反則不軌(HIRF)および低照度相反則不軌(LIRF)を、HIRFにおいては10-4および10-1秒、LIRFにおいては10-1および10秒の露光で得られる、最小濃度+0.15光学濃度での相対対数スピード×100の差として報告する。全ての相反則不軌調査において、比較のために選定した正確な測定ポイントにかかわらず、理想的な特性は、スピード差が無い(例えば、HIRFもしくはLIRFが理想的には0もしくはできるだけ0に近い)ことである。
b:肩Δ濃度は、1.0光学濃度スピードポイントの0.3logEスロー(slow)ポイントでの、二つの等価露光(一番目は0.1秒間そして二番目は100秒間)における、濃度差である。ゼロが理想的な差である。
表F−I、F−IIおよびF−IIIは、粒子ドーパントとして、アセトニトリル、ピリダジン、チアゾールもしくはピラジン配位子を持つイリジウム錯体の組み込みによって生じたHIRFにおける著しい減少を示す。更に、これらの錯体は、LIRFを著しく減らすことができる。
これらの例は、塩化銀立方粒子乳剤上に、本発明の要件を満足する配位錯体をドープしたリップマン臭化銀乳剤を熟成すると、相反則不軌、熱安定性および潜像維持特性が改良された、ドープされた乳剤を生じることを説明する。
一連のG乳剤は、McBride の米国特許第3,271,157号明細書に記載するタイプのチオエーテルハロゲン化銀熟成剤を用いる通常の沈澱技法を使用した。
8.5リットルの2.8重量%ゼラチン水溶液および1.8gの1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタンを入れた反応容器を、68.3℃、pHを5.8およびNaClを加えてpAgを7.35に調製した。1658.0gのAgNO3 を水に含有する3.75M溶液および570.4gのNaClを水に含有する2.75M溶液を、急速に攪拌しながら同時に反応容器に加えた。それぞれの流速は、84ml/分であった。pAgを7.35にコントロールしてダブルジェット沈澱を31分間継続した。全部で9.76モルの塩化銀乳剤を沈澱し、この塩化銀は、0.6μm平均立方体長さの立方体形状を有した。
ドープされていないリップマン対照乳剤L1を、以下のように調製した:
4.0リットルの5.6重量%ゼラチン水溶液を入れた反応容器を、40℃、pHを5.8およびAgBrを加えてpAgを8.86に調製した。1698.7gのAgNO3 を水に含有する2.5M溶液および1028.9gのNaBrを水に含有する2.5M溶液を、急速に攪拌しながら同時に反応容器に加えた。それぞれの流速は、200ml/分の低速であった。pAgを8.86にコントロールしてダブルジェット沈澱を3分間継続した。そして、pAgを直線的に8.86から8.06に減少している間、ダブルジェット沈澱を17分間継続した。全部で10モルの臭化銀乳剤(リップマン臭化物)を沈澱し、この臭化銀は、0.06μmの平均粒子サイズを有した。
乳剤L3を、水25ml中の0.528gのMC−29aを、一定流速で、沈澱の開始50%および終了90%で加えた以外は、乳剤L1と正に同じように調製した。このトリプルジェット沈澱は、10モルの0.05μm粒子径の乳剤を生成した。
ドープ並びに化学および分光増感した乳剤を以下のように調製した:
対照乳剤G1を以下のように調製した:
乳剤S1のサンプル50ミリモルを40℃まで加熱し、14mgの青分光増感色素(色素D、アンヒドロ−5−クロロ−3,3’−ジ(3−スルホプロピル)ナフト[1,2−d]チアゾーロチアシアニンヒドロキシドトリエチルアンモニウム塩)を加えることにより増感した。
これらの塗膜を、種々の露光時間で階段タブレットを通して3000゜K光源に対して露光し、「Using KODAK EKTACOLOR RA Chemicals」(公開No.Z−130、イーストマン コダック カンパニーにより公開、1990)に提案されるように処理した。
b:インキュベーションΔスピードは、49℃および50%相対湿度条件で3週間貯蔵した塗膜と、−18℃および50%相対湿度条件で貯蔵した照合用塗膜との間のスピード差である。理想的には、この差がゼロであるのが良い。
b:0.1秒露光において測定したスピードおよび足。
c:足は、1.0光学濃度スピードポイントより小さい露光スケール値0.3logEでの、センシトメトリー曲線の濃度である。
表G−IIおよびG−IIIの結果は、イリジウムおよびピラジンを持つ配位錯体を用いてドープした乳剤が、改良された相反則特性、および比較ドーパント[IrCl6 ]2-(CD−3)と違って、良好な熱感受性および潜像位置特性を示すことを証明する。
これらの例は、沃臭化銀平板状粒子乳剤の高照度および低照度相反則不軌を減らすイリジウムおよびピラジン配位子の配位錯体の効果を説明する。
この一連の乳剤は、平均等価円直径約2.7μmおよび平均厚0.13μmを示すAgBr95.9I4.1 平板状粒子を含有した。
溶液A:
ゼラチン(骨) 10g
NaBr 30g
H2 O 5000g
溶液B:
0.393N、AgNO3 514ml
溶液C:
2N、NaBr 359ml
溶液D:
0.1286N、(NH4 )2 SO4 350ml
溶液E:
2.5N、NaOH 40ml
溶液F:
4N、HNO3 25ml
溶液G:
ゼラチン(骨) 140.14g
H2 O 加えて1820ml
溶液H:
2.709N、NaBr
0.0413N、KI
溶液I:
2.75N、AgNO3 4304ml
溶液J:
4.06N、NaBr 720ml
溶液K:
2.5N、AgI 0.3モル
H2 O 760ml
溶液Aを反応容器に加えた。反応容器のpHを40℃で6に調節した。温度を65℃まで上げ、溶液BおよびCを64ml/分および15.3ml/分の速度でそれぞれ1分間加えた。そして、溶液D、E、FおよびGを連続的に加えた。pAgを9.07にコントロールしながら、溶液BおよびHを、87ml/分および13.9ml/分で5分間加えた。
ドープした乳剤H2を、ドーパントMC−42を工程cの第1パートの水溶液から反応容器に導入した以外は、上記のように調製した。ドーパントMC−42を合計ドーパント濃度0.025mppmを与えるのに必要な量で加えた。
ドープした乳剤H4を、ドーパントMC−31を工程cの第1パートの水溶液から反応容器に導入した以外は、上記のように調製した。ドーパントMC−31を合計ドーパント濃度0.025mppmを与えるのに必要な量で加えた。
b:Dmin 上光学濃度0.15で測定した、0.1および10秒間等価露光で得られた相対対数スピード×100の差。理想値は、ゼロである。
相反則の結果は、ピラジンを含むイリジウム配位錯体が、相反則不軌、特に低照度相反則不軌を減らすのに有効で有ることを証明する。
塗膜に1/10000〜10秒の範囲に渡って、一連の較正(全エネルギー)白色露光を与え、次ぎに2分15秒間コダックFlexicolorC−41(商標)現像液で現像することにより、相反則レスポンスについて塗布した写真フィルムサンプルを評価した。
Iシリーズ例
これらの例は、写真スピードを高めるオキサレート配位子を持つイリジウム配位錯体の効果を説明する。比較は、金属配位位置の半分が、オキサレート配位子によって占められて入る場合、少しも感度増加が実現されなかったことを説明する。
乳剤I1:
単分散した1μmエッジ長八面体AgBr乳剤を、例シリーズAに記載したダブルジェット技法を用いて調製し、沈澱開始時に反応容器中に500mppmの熟成剤1,10−ジチア−4,7,13,16−テトラオキサシクロオクタデカンを置くことにより変更して、より大きい粒子サイズを生成した。
40℃で測定した乳剤のpAgを、1.5モル%NaBr(溶液)を加えて、8.2から9.8に増加した。ドーパント塩を、表I−Iに記載する量で、希釈水溶液から加えた。この乳剤を40℃で15分間保持した。AgNO3 水溶液を1.5モル%の量加えた。この乳剤を15分間保持し、その後冷蔵した。この手順を、AgBrの薄い殻の中にドーパント錯体を埋めるために計画した。上記手順から生じた乳剤を、酢酸セルロース写真フィルム支持体上に26.9mg/dm2 Agおよび75.35mg/dm2 ゼラチンで塗布した。得られた写真要素を、1/10秒間、目盛り付き濃度フィルターを通して5500゜K色温度光源に露光し、コダックラピッドX−Ray現像液、ヒドロキノン−Elon現像剤、で12分間現像した。
Jシリーズ例
以下の乳剤を選択して、カメラスピードのカラーネガフィルムに使用した場合の、本発明の乳剤の実用性を説明した。
この乳剤は、核形成時に沃化物、核形成後に沃化物および塩化物の組合せ、そして、可溶性沃化物塩を単独で急速に添加して、成長時に粒子構造に挿入するより高い沃化物バンドを用いて調製された、ドープされていない対照高塩化物{100}平板状粒子乳剤である。
この乳剤は、高塩化物{100}平板状粒子乳剤が、対照ドーパントCD3でドープされている以外は、対照乳剤J1に似た、対照を表わす。
0.2mg/モルAgでCD3を含有するドープした乳剤を、ドーパントを、沈澱時に銀の80.8%〜82.8%のバンド中に加えた以外は、対照乳剤と同様に調製した。ドーパントを含んだこと以外は、対照乳剤J2の粒子は、対照乳剤J1の粒子と同じであった。
この乳剤は、チアゾール配位子を持つ対照乳剤J2を調製するのに用いたイリジウムヘキサクロライド配位錯体の塩化物配位子の一つを置き換えた効果を説明するために調製した。
K3 IrCl6 を、MC−41と置き換えた以外は、対照乳剤J2と同様に調製した。ドーパントを含んだこと以外は、例乳剤J3の粒子は、対照乳剤J1の粒子と同じであった。
これらの乳剤を、緑分光増感色素の存在下で最適に硫黄および金増感した。その後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(APMT)70mg/モルを加え、この乳剤を冷蔵した。
写真比較
各増感した乳剤を、ハレーション防止層を有するフィルム支持体上に、銀10.76mg/dm2 、シアン色素生成カプラー9.68mg/dm2 、およびゼラチン32.28mg/dm2 で塗布した。この層を43.04mg/dm2 のゼラチンで上塗りし、塗膜全体をビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル(塗布したゼラチン総量の1.75重量%)で硬化した。
以下例は、カラーペーパー用途の本発明の乳剤の実用性を説明することを目的とする。
乳剤K1(対照)
これは、ドープされていない対照乳剤である。
そして、塩化ナトリウムを用いて、pAgを7.9にし、限外濾過洗浄するとpAgが、7.2となった。塩化ナトリウムを用いてpAgを7.55に調節した。
乳剤K1を次ぎの手順により青光に対して増感した:
若干量の乳剤を40℃で溶融し、580mg/モルAgの増感色素色素Dを前記平板状乳剤に加え、20分保持した。硫化金を、2.4mg/モルAgで加え、5分保持した。そして温度を60℃に上げ、40分保持し、その後温度を40℃まで下げ、120mg/モルAgのAPMTを加え、10分保持し、その後冷蔵した。
増感した乳剤を、樹脂コートペーパー支持体上に、11mg/dm2 のイエロー色素生成カプラーC2および8.2mg/dm2 のゼラチンと共に2.8mg/dm2 の銀を塗布した。
塗布したサンプルを3000゜Kタングステンランプを装備する階段ウェッジセンシトメータを用いて、0.1秒間露光をすることにより、白色光感度について評価した。この塗膜をコダックRA−4カラーペーパー処理で処理した。色素濃度を標準反射幾何およびステータスA濾過を用いて測定した。
この乳剤を、粒子体積がその最終体積の95〜100%に増加するときに、0.05mg/モルAgのMC−41を加えた以外は、対照乳剤K1と同じように調製し、塗布してテストした。ドーピングの変更は、得られた粒子の物理的形状になんら影響を及ぼさなかった。
乳剤K3(例)
乳剤K3を、粒子体積がその最終体積の93〜95%に成長するときに、MC−41濃度を0.2mg/モルAgに増加してを加えた以外は、例乳剤K2と同じように調製し、塗布してテストした。ドーピングの変更は、得られた粒子の物理的形状になんら影響を及ぼさなかった。
乳剤K4を、MC−41をK2 IrCl6 と置き換えた以外は、例乳剤K3と同じように調製し、塗布してテストした。ドーピングの変更は、得られた粒子の物理的形状になんら影響を及ぼさなかった。
結果を次ぎの表K−IIに表わす。
乳剤K5(例)
この乳剤を、粒子体積がその最終体積の4.3〜95%に増加するときに、5ppmのMC−14ssを加えた以外は、対照乳剤K1と同じように調製し、塗布してテストした。ドーピングの変更は、得られた粒子の物理的形状になんら影響を及ぼさなかった。
この乳剤を、粒子体積がその最終体積の4.3〜95%に増加するときに、5ppmのMC−14rrを加えた以外は、対照乳剤K1と同じように調製し、塗布してテストした。ドーピングの変更は、得られた粒子の物理的形状になんら影響を及ぼさなかった。
この乳剤を、粒子体積がその最終体積の4.3〜95%に増加するときに、5ppmのMC−14cを加えた以外は、対照乳剤K1と同じように調製し、塗布してテストした。ドーピングの変更は、得られた粒子の物理的形状になんら影響を及ぼさなかった。
乳剤K8(例)
この乳剤を、粒子体積がその最終体積の4.3〜90%に増加するときに、5ppmのMC−14jを加えた以外は、対照乳剤K1と同じように調製し、塗布してテストした。ドーピングの変更は、得られた粒子の物理的形状になんら影響を及ぼさなかった。
Claims (4)
- 金属ヘキサ配位錯体の存在下で分散媒体中の銀およびハロゲン化物イオンを反応させることを含んでなる放射線感受性ハロゲン化銀乳剤の調製方法であって、
ヘキサ配位錯体が、アゾール配位子から選ばれる少なくとも一つの有機配位子、並びにハロゲン化物もしくは疑似ハロゲン化物配位子によって占められている少なくとも半分の金属配位位置を含み、前記錯体を生成する金属が、元素周期表に含まれる周期4、5および6でかつ3〜14族から選択されること、を特徴とする調製方法。 - 前記アゾール配位子がさらにカルコゲン原子をふくむ請求項1に記載の調製方法。
- 前記アゾール配位子がチアゾール配位子である請求項1に記載の方法。
- 元素周期表の周期4、5および6でかつ3〜14族から選ばれる金属のヘキサ配位錯体を含む面心立方結晶格子構造を示す放射線感受性ハロゲン化銀粒子を含んでなるハロゲン化銀写真乳剤であって、
アゾール配位子から選ばれる少なくとも一つの有機配位子が、配位錯体の金属配位位置の最大半分を占め、そして配位錯体の金属配位位置の少なくとも半分が、ハロゲン化物もしくは疑似ハロゲン化物配位子によって提供されることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
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