JP2004218348A - コンクリートブロックの布設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】堤防等の法面上に形成するパラペットを含めたコンクリートブロックの効率的な布設を可能とするコンクリートブロックの布設方法を提供する。
【解決手段】基礎コンクリート11の上に固定された法面基礎ブロック12に形成された突出部16の近傍に、第1法面コンクリートブロック26がワイヤ30によって吊り下げられた状態で移動してくる。第1法面コンクリートブロック26の下方側側面には凹部27が形成されており、対向する側面には凹部27に合致する凸部28が形成されている。第1法面コンクリートブロック26の凹部27を突出部16上に当接させることによって、第1法面コンクリートブロック26の設置の基準位置とする。そして第1法面コンクリートブロック26の下面と均しコンクリート23の上面との間にレベル調整具32を配置してこれを調整することによって、第1法面コンクリートブロック26の迅速且つ正確な布設が容易となる。
【選択図】 図1
【解決手段】基礎コンクリート11の上に固定された法面基礎ブロック12に形成された突出部16の近傍に、第1法面コンクリートブロック26がワイヤ30によって吊り下げられた状態で移動してくる。第1法面コンクリートブロック26の下方側側面には凹部27が形成されており、対向する側面には凹部27に合致する凸部28が形成されている。第1法面コンクリートブロック26の凹部27を突出部16上に当接させることによって、第1法面コンクリートブロック26の設置の基準位置とする。そして第1法面コンクリートブロック26の下面と均しコンクリート23の上面との間にレベル調整具32を配置してこれを調整することによって、第1法面コンクリートブロック26の迅速且つ正確な布設が容易となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はコンクリートブロックの布設方法に関し、特に堤防等の法面に形成されるコンクリートブロックの布設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の堤防の概略構成断面図である。
【0003】
図を参照して、堤防61は断面台形形状の堤体21を中心として構成されている。堤体21の海側の部分と海底66との境界部に、その下方に止水版が形成された法面基礎ブロック12が設置されている。そして堤体21の法面62には、法面基礎ブロック12にその下方部が接続する法面被覆コンクリート63と、法面被覆コンクリート63の上方部に接続する波返コンクリート64とが形成されている。法面被覆コンクリート63の海側の部分の下方には、根固部68が形成されている。
【0004】
従来の堤防にあっては、法面被覆コンクリート63及び波返コンクリート64が現場にて打設されていたため、広範囲な堤防を設置する際には、工期が長くかかっていた。特に、堤防のパラペットとなる波返コンクリート64の部分の現場打設は、その特異断面形状から木枠等の準備に多大な時間がかかってしまい、全体的な工程をより遅延させていた。
【0005】
そこで、このような工程の遅延を解消するために、法面被覆コンクリートをプレキャストブロックで順次布設する方法が提案されている。
【0006】
図7は、このようなコンクリートブロックの布設方法を説明するための特許第2618800号公報にて示されたコンクリートブロックの概略布設工程図である。
【0007】
図を参照して、まず図7の(1)に示すように、基礎砕石71等の基礎工事を行なった後、下地72を造成する。次に現場付近に搬入された多数のコンクリートブロックのうち1つのコンクリートブロック73aを図示しないクレーン等を用いてワイヤ30で吊り上げ、下地72の表面に沿った所定の位置に仮配置する。
【0008】
次に図7の(2)に示されているように、コンクリートブロック73aの四隅において、下地72とコンクリートブロック73aとの間に手動式の油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bを配置する。次に、コンクリートブロック73aをこれらの油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bにより支持した後、ワイヤ30を取外す。そして4つの油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bで高さを調整することによって、コンクリートブロック73aの表面の高さ位置及び傾き等の微調整を行なう。
【0009】
次に、各油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bの近辺においてコンクリートブロック73aと下地72の表面との間に高さ調整の可能なスペーサ76a,スペーサ76bを配置し、これらを高くすることによってコンクリートブロック73aの重量の一部をスペーサ76a,スペーサ76bで仮受けする。そして油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bを緩め、仮受けされたコンクリートブロック73aから油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bを取除く。これによって、コンクリートブロック73aが最終的な位置に配置される。
【0010】
次に、上述のように配置されたコンクリートブロック73aに対して隣接するコンクリートブロック73bについても、先に示した工程を同様に実施することにより、図7の(3)に示すように配置する。
【0011】
そして、図7の(4)に示すように、コンクリートブロック73a,コンクリートブロック73bと下地72との間の空間75a,空間75bに生コンクリート77を流し込む。その後、適当数のコンクリートブロック73を上述と同様に施工して配置し、その空間75に生コンクリート77を流し込む。これらを繰返すことにより、工事領域の全部にコンクリートブロック73を配置し、各々の空間75に生コンクリート77を流し込んで養生する。生コンクリート77が硬化することによってコンクリートブロックの布設工事が終了する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のコンクリートブロックの布設方法では、コンクリートブロック各々に対してその全体のレベルを調整しなければならないため、設置に時間が掛かってしまう。又、下地72との所定間隔を確保した上で、隣接するコンクリートブロック同志の上面を整列させることは容易ではない。
【0013】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、堤防等の法面上に形成するパラペットを含めたコンクリートブロックの効率的な布設を可能とするコンクリートブロックの布設方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、堤防等の法面におけるコンクリートブロックの布設方法であって、法面基礎ブロックを布設する工程と、法面基礎ブロックから法面にかけて均しコンクリートを設置する工程と、上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状の第1法面コンクリートブロックを、その1つの側面の一部が法面基礎ブロックの一部に当接するように載置する工程と、載置された第1法面コンクリートブロックの位置を調整し、第1法面コンクリートブロックの下面と均しコンクリートの上面との間に第1の所定の空間を保持した状態で第1法面コンクリートブロックを均しコンクリートブロック上に支持する工程と、第1の所定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、第1法面コンクリートブロックは、法面基礎ブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状の第2法面コンクリートブロックを、その1つの側面の一部が第1法面コンクリートブロックの側面に対向する側面の一部に当接するように載置する工程と、載置された第2法面コンクリートブロックの位置を調整し、第2法面コンクリートブロックの下面と均しコンクリートブロックの上面との間に第2の所定空間を保持した状態で第2法面コンクリートブロックを均しコンクリート上に支持する工程と、第2の所定空間に生コンクリートを流し込む工程とを更に備えたものである。
【0017】
このように構成すると、第2法面コンクリートブロックは、第1法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の工程が更に繰返されたものである。
【0019】
このように構成すると、法面に応じて配置される法面コンクリートブロックのいずれも載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、法面コンクリートブロックを支持する工程において、法面コンクリートブロックと均しコンクリートブロックとの間に配置された高さ調整可能なレベル調整具によって、法面コンクリートブロックは調整且つ支持されるものである。
【0021】
このように構成すると、法面コンクリートブロックの高さ調整と支持とがレベル調整具によって行なわれる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、最終的に布設された第n法面コンクリートブロックの側面に対応する側面の一部にプレキャストされたパラペットの下方側端部の一部を載置する工程と、載置されたパラペットの位置を調整し、パラペットの下面と均しコンクリートの上面との間に一定の空間を保持した状態でパラペットを均しコンクリート上に支持する工程と、一定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを更に備えたものである。
【0023】
このように構成すると、パラペットは第n法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0024】
請求項6記載の発明は、堤防等の法面におけるコンクリートブロックの布設方法であって、法面に沿った法面コンクリートを布設する工程と、布設された法面コンクリートの上方端部の一部に、プレキャストされたパラペットの下方側の端部の一部を載置する工程と、載置されたパラペットの位置を調整し、パラペットの下面と法面との間に所定の空間を保持した状態でパラペットを均しコンクリート上に支持する工程と、所定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを備えたものである。
【0025】
このように構成すると、パラペットは法面コンクリートブロックの上方端部に載置された一部を基準に位置調整が行われる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1法面コンクリートブロックは法面基礎ブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、第1法面コンクリートブロックの布設が容易となり、迅速且つ正確な布設工事が可能となる。
【0027】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第2法面コンクリートブロックは第1法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、第2法面コンクリートブロックの布設が容易となる。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、法面コンクリートブロックのいずれもその一部を基準に位置調整が行なわれるため、法面の広さ等に関わらず、効率的な法面コンクリートブロックの布設が容易となる。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、法面コンクリートブロックの高さ調整と支持とがレベル調整具によって行なわれるため、生コンクリートの流し込みまでクレーンによるワイヤ等で吊り下げておく必要がないため、クレーンを効率的に活用することができる。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、パラペットは第n法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、プレキャストされたパラペットの布設が容易となり、全体的な堤防工事の工期を短縮化する。
【0031】
請求項6記載の発明は、パラペットは法面コンクリートブロックの上方端部に載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、プレキャストされたパラペットの布設が可能となり、全体的な堤防工事の工期を短縮化する。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1から図3はこの発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法による概略工程断面図である。
【0033】
これらの図を参照して、図1の(1)に示されているように、法面基礎ブロック12が配置される部分に基礎コンクリート11を形成した後、その上に法面基礎ブロック12を設置する。法面基礎ブロック12はプレキャストされており、その上面には上部開口14が形成され、その下方は下部開口18として開放されている。又、法面基礎ブロック12の右側上方部には突出部16が形成されているとともに、突出部16に隣接する部分は側部開口15が形成されている。すなわち、法面基礎ブロック12は、上部開口14と下部開口18と側部開口15とによって外方と内方とが連通した状態となっている。
【0034】
法面基礎ブロック12を設置した後、法面基礎ブロック12の上部開口14等を通して所定量の生コンクリート19を法面基礎ブロック12内部に投入する。投入された生コンクリート19は下部開口18を介して基礎コンクリート11上に充填され、硬化とともに法面基礎ブロック12を基礎コンクリート11に対して一体化させる。これによって法面基礎ブロック12は、後述する法面の形成工事において基礎コンクリート11に対して移動する虞がなく安定した工事が可能となる。
【0035】
次に法面基礎ブロック12を基準として堤体21が形成され、その法面に基礎砕石22が配置される。そして、基礎砕石22の上面には現場にて均しコンクリート23が打設され、基礎砕石22による表面の凹凸を平坦化する。これによって堤体21の法面表面には、平坦化された均しコンクリート23が全面に形成されることになる。
【0036】
次に図1の(2)に示されているように、法面を被覆する第1法面コンクリートブロック26がワイヤ30を介して吊り下げられ移動されてくる。第1法面コンクリートブロック26はプレキャストされたものであり、上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状を有している。そして1つの側面の一部には凹部27が形成されており、これに対向する側面には凹部27の断面形状に合致する凸部28が形成されている。
【0037】
ワイヤ30を介して吊り下げられてきた第1法面コンクリートブロック26は、その凹部27の部分が側部開口15の上面に当接するように配置される。従ってこの状態で第1法面コンクリートブロック26の凹部27が基準となってその位置調整をすることができるため、従来のような四隅をすべて調整するものに比べてその位置合わせが迅速且つ正確となる。すなわち、この実施の形態においては、第1法面コンクリートブロック26は凸部28側の部分のレベル調整のみをすることによって、所望の位置に第1法面コンクリートブロック26を均しコンクリート23に対して配置することが容易となる。
【0038】
そして図1の(3)に示されているように、第1法面コンクリートブロック26の上方側の下面において、均しコンクリート23との間にレベル調整具32を設置する。
【0039】
図4はこのレベル調整具32の概略構造を示した拡大図である。
【0040】
図を参照して、レベル調整具32はターンバックル式ナット48を中心として構成され、ターンバックル式ナット48の上方には平頭ボルト49がねじ込まれ、ターンバックル式ナット48の下部には平頭ボルト49とは反対方向のねじ山が切られた平頭ボルト50がねじ込まれている。このようにレベル調整具32は構成されており、ターンバックル式ナット48をいずれか一方方向に回転させることによって平頭ボルト49の上面と平頭ボルト50の下面との距離が増減して、高さレベルの調整が可能となる。
【0041】
従って、図1の(2)の状態で第1法面コンクリートブロック26の下面の所定箇所にレベル調整具32を配置しておき、その上に第1法面コンクリートブロック26を降下させた後、レベル調整具32を調整することによって第1法面コンクリートブロック26を所定の高さに調整しつつ、その状態で保持することが可能となる。尚、このようにレベル調整具32を配置して第1法面コンクリートブロック26のレベル調整等を行なうと、ワイヤ30のみでその高さを調整するものに比べて、不用意に第1法面コンクリートブロック26が均しコンクリート23上に落下する虞がないため、安全性も向上する。
【0042】
次に図2の(1)に示されているように、レベル調整具32の調整によって所定の位置に第1法面コンクリートブロック26が配置されると、第1法面コンクリートブロック26の下面と均しコンクリート23の上面との間に形成された空間29に向かって所定量の生コンクリート35を流し込む。又、この時法面基礎ブロック12の上部開口14からも、法面基礎ブロック12の内部が完全に充填されるように併せて生コンクリート35を流し込む。尚、生コンクリート35の流し込みにはレベル調整具32を取付けた状態で行なうため、第1法面コンクリートブロック26の均しコンクリート23に対する位置関係がずれる虞はない。
【0043】
図2の(2)に示されるように、法面基礎ブロック12の内部及び第1法面コンクリートブロック26の下面と均しコンクリート23の上面との間に充填された生コンクリート35が養生されて硬化することによって、これらは均しコンクリート23に一体化されたコンクリートブロックを形成する。次に、第1法面コンクリートブロック26とほぼ同一形状の第2法面コンクリートブロック37が、ワイヤ30によって吊り下げられて第1法面コンクリートブロック26の近傍に移動する。
【0044】
そして第2法面コンクリートブロック37の下方側の凹部38を第1法面コンクリートブロック26の凸部28上に当接するように位置調整を行う。これによって第2法面コンクリートブロック37の凹部38が設置の基準となるため、第2法面コンクリートブロック37は第1法面コンクリートブロック26と同様にその上方側の部分のみのレベル調整を行なえばよい。このようにして、第1法面コンクリートブロック26の上面と第2法面コンクリートブロック37の上面との整列もスムーズに調整される。そして第2法面コンクリートブロック37の下面と均しコンクリート23の上面との間に、第1法面コンクリートブロック26と同様にレベル調整具32を配置することによって、第2法面コンクリートブロック37のレベル調整が迅速且つ正確に行われることになる。
【0045】
第2法面コンクリートブロック37のレベル調整が終了すると、その状態で第2法面コンクリートブロック37の下面と均しコンクリート23の上面との間に新たな生コンクリートを流し込むことによって、第2法面コンクリートブロック37は均しコンクリート23と一体化する。
【0046】
このようにして均しコンクリート23の範囲に応じて、上記の方法と同様に法面コンクリートブロックを順次布設して均しコンクリート23に一体化させることが容易となる。法面コンクリートブロックの布設が終了すると、図3の(1)に示されているように、パラペット42の設置を行なう。パラペット42も法面コンクリートブロックと同様にプレキャストされたものが現場に搬入されているため、その特異な断面形状であっても現場打設が不要となり、工期の遅延をもたらす虞はない。そして、パラペット42の下方側の端部には第n法面コンクリートブロック40の上方側の凸部28に合致する形状の凹部43が形成されている。
【0047】
ワイヤ44によって吊り下げられて移動してきたパラペット42を、その凹部43が法面の最上部に取付けられた第n法面コンクリートブロック40の凸部28上に当接するように降下させる。これによってパラペット42も同様に凹部43の部分が高さ調整の基準となる。そして図3の(2)に示されているように、パラペット42の下面の上方部と均しコンクリート23の上面との間に、レベル調整具32と同様のレベル調整具46を配置して、パラペット42の高さ調整を行なう。そしてパラペット42の下面と均しコンクリート23の上面との間に生コンクリート35を流し込み、これを養生することによってパラペット42は均しコンクリート23と一体化する。このようにして、この実施の形態において、法面を構成する法面コンクリートブロック及びパラペットを迅速且つ正確に布設することが可能となる。
【0048】
尚、上記の実施の形態では、図4に示したレベル調整具を用いてコンクリートブロックの支持及び高さ調整を行っているが、これに代えて図5に示したレベル調整具を用いても良い。
【0049】
図5を参照して、レベル調整具52はターンバックル式ナット48を中心として構成され、ターンバックル式ナット48の上方には全ネジボルト53がねじ込まれ、ターンバックル式ナット48の下部には全ネジボルト53とは反対方向のねじ山が切られた平頭ボルト50がねじ込まれている。そして、使用時には全ネジボルト53は、第1法面コンクリートブロック26等の下面に埋め込まれたインサート54にその一部がねじ込まれた状態でセットされる。このようにレベル調整具52は構成されており、ターンバックル式ナット48をいずれか一方方向に回転させることによって全ネジボルト53の上端部と平頭ボルト50の下面との距離が増減して、コンクリートブロックの高さレベルの調整が可能となる。全ネジボルト53はインサート54にねじ込まれた状態で使用されるため、水平方向の力が加わっても第1法面コンクリートブロック26等から不用意に脱落する虞がなく、布設工事の信頼性をより向上する。
【0050】
尚、上記の実施の形態では、法面コンクリートブロックやパラペットの側面に特定形状の凹部及び凸部を形成しているが、同様の効果を奏するものであれば他の形状であっても良い。
【0051】
又、上記の実施の形態では、高さ調整可能なレベル調整具を用いて法面コンクリートブロック等の高さ調整および支持をおこなっているが、従来例で示した油圧ジャッキやクレーンを用いても良い。
【0052】
更に、上記の実施の形態では、法面基礎ブロック及び法面コンクリートブロックはいずれもプレキャストされたものを使用しているが、これらはいずれも現場打設によって形成した後、プレキャストされたパラペットを同様の設置方法で布設しても良い。
【0053】
更に、上記の実施の形態では、堤防工事を前提としているが、パラペットの布設を除くと堤防のみならず河川等の法面の護岸工事にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0054】
更に、上記の実施の形態では、法面コンクリートブロック及びパラペットの下面には何も形成していないが、鉄筋をこれらに取り付けたりメタルラス等を配置して、生コンクリートとの一体化を向上させると共に、硬化した生コンクリートのひび割れ等を防止するように構成しても良い。
【0055】
更に、上記の実施の形態では、法面基礎ブロックは基礎コンクリート上に設置されているが、基礎コンクリートを形成せずに地盤面に直接設置するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法を説明するための概略工程図の一部である。
【図2】図1で示した工程図に続くコンクリートブロックの布設方法を説明するための概略工程図の他の一部である。
【図3】図2で示した工程図に続くコンクリートブロックの布設方法を説明するための概略工程図の更に他の一部である。
【図4】この発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法に用いるレベル調整具の概略構成を示した拡大図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法に用いるレベル調整具の他の例による概略構成を示した拡大図である。
【図6】従来の堤防の概略構成を示す断面図である。
【図7】従来のコンクリートブロックの布設方法の概略工程を示した図である。
【符号の説明】
12…法面基礎ブロック
16…突出部
23…均しコンクリート
26…第1法面コンクリートブロック
27,38,43…凹部
28…凸部
29…空間
32,33,46,52…レベル調整具
35…生コンクリート
37…第2法面コンクリートブロック
40…第n法面コンクリートブロック
42…パラペット
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【発明の属する技術分野】
この発明はコンクリートブロックの布設方法に関し、特に堤防等の法面に形成されるコンクリートブロックの布設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の堤防の概略構成断面図である。
【0003】
図を参照して、堤防61は断面台形形状の堤体21を中心として構成されている。堤体21の海側の部分と海底66との境界部に、その下方に止水版が形成された法面基礎ブロック12が設置されている。そして堤体21の法面62には、法面基礎ブロック12にその下方部が接続する法面被覆コンクリート63と、法面被覆コンクリート63の上方部に接続する波返コンクリート64とが形成されている。法面被覆コンクリート63の海側の部分の下方には、根固部68が形成されている。
【0004】
従来の堤防にあっては、法面被覆コンクリート63及び波返コンクリート64が現場にて打設されていたため、広範囲な堤防を設置する際には、工期が長くかかっていた。特に、堤防のパラペットとなる波返コンクリート64の部分の現場打設は、その特異断面形状から木枠等の準備に多大な時間がかかってしまい、全体的な工程をより遅延させていた。
【0005】
そこで、このような工程の遅延を解消するために、法面被覆コンクリートをプレキャストブロックで順次布設する方法が提案されている。
【0006】
図7は、このようなコンクリートブロックの布設方法を説明するための特許第2618800号公報にて示されたコンクリートブロックの概略布設工程図である。
【0007】
図を参照して、まず図7の(1)に示すように、基礎砕石71等の基礎工事を行なった後、下地72を造成する。次に現場付近に搬入された多数のコンクリートブロックのうち1つのコンクリートブロック73aを図示しないクレーン等を用いてワイヤ30で吊り上げ、下地72の表面に沿った所定の位置に仮配置する。
【0008】
次に図7の(2)に示されているように、コンクリートブロック73aの四隅において、下地72とコンクリートブロック73aとの間に手動式の油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bを配置する。次に、コンクリートブロック73aをこれらの油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bにより支持した後、ワイヤ30を取外す。そして4つの油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bで高さを調整することによって、コンクリートブロック73aの表面の高さ位置及び傾き等の微調整を行なう。
【0009】
次に、各油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bの近辺においてコンクリートブロック73aと下地72の表面との間に高さ調整の可能なスペーサ76a,スペーサ76bを配置し、これらを高くすることによってコンクリートブロック73aの重量の一部をスペーサ76a,スペーサ76bで仮受けする。そして油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bを緩め、仮受けされたコンクリートブロック73aから油圧ジャッキ74a,油圧ジャッキ74bを取除く。これによって、コンクリートブロック73aが最終的な位置に配置される。
【0010】
次に、上述のように配置されたコンクリートブロック73aに対して隣接するコンクリートブロック73bについても、先に示した工程を同様に実施することにより、図7の(3)に示すように配置する。
【0011】
そして、図7の(4)に示すように、コンクリートブロック73a,コンクリートブロック73bと下地72との間の空間75a,空間75bに生コンクリート77を流し込む。その後、適当数のコンクリートブロック73を上述と同様に施工して配置し、その空間75に生コンクリート77を流し込む。これらを繰返すことにより、工事領域の全部にコンクリートブロック73を配置し、各々の空間75に生コンクリート77を流し込んで養生する。生コンクリート77が硬化することによってコンクリートブロックの布設工事が終了する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のコンクリートブロックの布設方法では、コンクリートブロック各々に対してその全体のレベルを調整しなければならないため、設置に時間が掛かってしまう。又、下地72との所定間隔を確保した上で、隣接するコンクリートブロック同志の上面を整列させることは容易ではない。
【0013】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、堤防等の法面上に形成するパラペットを含めたコンクリートブロックの効率的な布設を可能とするコンクリートブロックの布設方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、堤防等の法面におけるコンクリートブロックの布設方法であって、法面基礎ブロックを布設する工程と、法面基礎ブロックから法面にかけて均しコンクリートを設置する工程と、上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状の第1法面コンクリートブロックを、その1つの側面の一部が法面基礎ブロックの一部に当接するように載置する工程と、載置された第1法面コンクリートブロックの位置を調整し、第1法面コンクリートブロックの下面と均しコンクリートの上面との間に第1の所定の空間を保持した状態で第1法面コンクリートブロックを均しコンクリートブロック上に支持する工程と、第1の所定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、第1法面コンクリートブロックは、法面基礎ブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状の第2法面コンクリートブロックを、その1つの側面の一部が第1法面コンクリートブロックの側面に対向する側面の一部に当接するように載置する工程と、載置された第2法面コンクリートブロックの位置を調整し、第2法面コンクリートブロックの下面と均しコンクリートブロックの上面との間に第2の所定空間を保持した状態で第2法面コンクリートブロックを均しコンクリート上に支持する工程と、第2の所定空間に生コンクリートを流し込む工程とを更に備えたものである。
【0017】
このように構成すると、第2法面コンクリートブロックは、第1法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の工程が更に繰返されたものである。
【0019】
このように構成すると、法面に応じて配置される法面コンクリートブロックのいずれも載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、法面コンクリートブロックを支持する工程において、法面コンクリートブロックと均しコンクリートブロックとの間に配置された高さ調整可能なレベル調整具によって、法面コンクリートブロックは調整且つ支持されるものである。
【0021】
このように構成すると、法面コンクリートブロックの高さ調整と支持とがレベル調整具によって行なわれる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の構成において、最終的に布設された第n法面コンクリートブロックの側面に対応する側面の一部にプレキャストされたパラペットの下方側端部の一部を載置する工程と、載置されたパラペットの位置を調整し、パラペットの下面と均しコンクリートの上面との間に一定の空間を保持した状態でパラペットを均しコンクリート上に支持する工程と、一定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを更に備えたものである。
【0023】
このように構成すると、パラペットは第n法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれる。
【0024】
請求項6記載の発明は、堤防等の法面におけるコンクリートブロックの布設方法であって、法面に沿った法面コンクリートを布設する工程と、布設された法面コンクリートの上方端部の一部に、プレキャストされたパラペットの下方側の端部の一部を載置する工程と、載置されたパラペットの位置を調整し、パラペットの下面と法面との間に所定の空間を保持した状態でパラペットを均しコンクリート上に支持する工程と、所定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを備えたものである。
【0025】
このように構成すると、パラペットは法面コンクリートブロックの上方端部に載置された一部を基準に位置調整が行われる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1法面コンクリートブロックは法面基礎ブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、第1法面コンクリートブロックの布設が容易となり、迅速且つ正確な布設工事が可能となる。
【0027】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第2法面コンクリートブロックは第1法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、第2法面コンクリートブロックの布設が容易となる。
【0028】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、法面コンクリートブロックのいずれもその一部を基準に位置調整が行なわれるため、法面の広さ等に関わらず、効率的な法面コンクリートブロックの布設が容易となる。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、法面コンクリートブロックの高さ調整と支持とがレベル調整具によって行なわれるため、生コンクリートの流し込みまでクレーンによるワイヤ等で吊り下げておく必要がないため、クレーンを効率的に活用することができる。
【0030】
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4記載の発明の効果に加えて、パラペットは第n法面コンクリートブロックに載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、プレキャストされたパラペットの布設が容易となり、全体的な堤防工事の工期を短縮化する。
【0031】
請求項6記載の発明は、パラペットは法面コンクリートブロックの上方端部に載置された一部を基準に位置調整が行なわれるため、プレキャストされたパラペットの布設が可能となり、全体的な堤防工事の工期を短縮化する。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1から図3はこの発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法による概略工程断面図である。
【0033】
これらの図を参照して、図1の(1)に示されているように、法面基礎ブロック12が配置される部分に基礎コンクリート11を形成した後、その上に法面基礎ブロック12を設置する。法面基礎ブロック12はプレキャストされており、その上面には上部開口14が形成され、その下方は下部開口18として開放されている。又、法面基礎ブロック12の右側上方部には突出部16が形成されているとともに、突出部16に隣接する部分は側部開口15が形成されている。すなわち、法面基礎ブロック12は、上部開口14と下部開口18と側部開口15とによって外方と内方とが連通した状態となっている。
【0034】
法面基礎ブロック12を設置した後、法面基礎ブロック12の上部開口14等を通して所定量の生コンクリート19を法面基礎ブロック12内部に投入する。投入された生コンクリート19は下部開口18を介して基礎コンクリート11上に充填され、硬化とともに法面基礎ブロック12を基礎コンクリート11に対して一体化させる。これによって法面基礎ブロック12は、後述する法面の形成工事において基礎コンクリート11に対して移動する虞がなく安定した工事が可能となる。
【0035】
次に法面基礎ブロック12を基準として堤体21が形成され、その法面に基礎砕石22が配置される。そして、基礎砕石22の上面には現場にて均しコンクリート23が打設され、基礎砕石22による表面の凹凸を平坦化する。これによって堤体21の法面表面には、平坦化された均しコンクリート23が全面に形成されることになる。
【0036】
次に図1の(2)に示されているように、法面を被覆する第1法面コンクリートブロック26がワイヤ30を介して吊り下げられ移動されてくる。第1法面コンクリートブロック26はプレキャストされたものであり、上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状を有している。そして1つの側面の一部には凹部27が形成されており、これに対向する側面には凹部27の断面形状に合致する凸部28が形成されている。
【0037】
ワイヤ30を介して吊り下げられてきた第1法面コンクリートブロック26は、その凹部27の部分が側部開口15の上面に当接するように配置される。従ってこの状態で第1法面コンクリートブロック26の凹部27が基準となってその位置調整をすることができるため、従来のような四隅をすべて調整するものに比べてその位置合わせが迅速且つ正確となる。すなわち、この実施の形態においては、第1法面コンクリートブロック26は凸部28側の部分のレベル調整のみをすることによって、所望の位置に第1法面コンクリートブロック26を均しコンクリート23に対して配置することが容易となる。
【0038】
そして図1の(3)に示されているように、第1法面コンクリートブロック26の上方側の下面において、均しコンクリート23との間にレベル調整具32を設置する。
【0039】
図4はこのレベル調整具32の概略構造を示した拡大図である。
【0040】
図を参照して、レベル調整具32はターンバックル式ナット48を中心として構成され、ターンバックル式ナット48の上方には平頭ボルト49がねじ込まれ、ターンバックル式ナット48の下部には平頭ボルト49とは反対方向のねじ山が切られた平頭ボルト50がねじ込まれている。このようにレベル調整具32は構成されており、ターンバックル式ナット48をいずれか一方方向に回転させることによって平頭ボルト49の上面と平頭ボルト50の下面との距離が増減して、高さレベルの調整が可能となる。
【0041】
従って、図1の(2)の状態で第1法面コンクリートブロック26の下面の所定箇所にレベル調整具32を配置しておき、その上に第1法面コンクリートブロック26を降下させた後、レベル調整具32を調整することによって第1法面コンクリートブロック26を所定の高さに調整しつつ、その状態で保持することが可能となる。尚、このようにレベル調整具32を配置して第1法面コンクリートブロック26のレベル調整等を行なうと、ワイヤ30のみでその高さを調整するものに比べて、不用意に第1法面コンクリートブロック26が均しコンクリート23上に落下する虞がないため、安全性も向上する。
【0042】
次に図2の(1)に示されているように、レベル調整具32の調整によって所定の位置に第1法面コンクリートブロック26が配置されると、第1法面コンクリートブロック26の下面と均しコンクリート23の上面との間に形成された空間29に向かって所定量の生コンクリート35を流し込む。又、この時法面基礎ブロック12の上部開口14からも、法面基礎ブロック12の内部が完全に充填されるように併せて生コンクリート35を流し込む。尚、生コンクリート35の流し込みにはレベル調整具32を取付けた状態で行なうため、第1法面コンクリートブロック26の均しコンクリート23に対する位置関係がずれる虞はない。
【0043】
図2の(2)に示されるように、法面基礎ブロック12の内部及び第1法面コンクリートブロック26の下面と均しコンクリート23の上面との間に充填された生コンクリート35が養生されて硬化することによって、これらは均しコンクリート23に一体化されたコンクリートブロックを形成する。次に、第1法面コンクリートブロック26とほぼ同一形状の第2法面コンクリートブロック37が、ワイヤ30によって吊り下げられて第1法面コンクリートブロック26の近傍に移動する。
【0044】
そして第2法面コンクリートブロック37の下方側の凹部38を第1法面コンクリートブロック26の凸部28上に当接するように位置調整を行う。これによって第2法面コンクリートブロック37の凹部38が設置の基準となるため、第2法面コンクリートブロック37は第1法面コンクリートブロック26と同様にその上方側の部分のみのレベル調整を行なえばよい。このようにして、第1法面コンクリートブロック26の上面と第2法面コンクリートブロック37の上面との整列もスムーズに調整される。そして第2法面コンクリートブロック37の下面と均しコンクリート23の上面との間に、第1法面コンクリートブロック26と同様にレベル調整具32を配置することによって、第2法面コンクリートブロック37のレベル調整が迅速且つ正確に行われることになる。
【0045】
第2法面コンクリートブロック37のレベル調整が終了すると、その状態で第2法面コンクリートブロック37の下面と均しコンクリート23の上面との間に新たな生コンクリートを流し込むことによって、第2法面コンクリートブロック37は均しコンクリート23と一体化する。
【0046】
このようにして均しコンクリート23の範囲に応じて、上記の方法と同様に法面コンクリートブロックを順次布設して均しコンクリート23に一体化させることが容易となる。法面コンクリートブロックの布設が終了すると、図3の(1)に示されているように、パラペット42の設置を行なう。パラペット42も法面コンクリートブロックと同様にプレキャストされたものが現場に搬入されているため、その特異な断面形状であっても現場打設が不要となり、工期の遅延をもたらす虞はない。そして、パラペット42の下方側の端部には第n法面コンクリートブロック40の上方側の凸部28に合致する形状の凹部43が形成されている。
【0047】
ワイヤ44によって吊り下げられて移動してきたパラペット42を、その凹部43が法面の最上部に取付けられた第n法面コンクリートブロック40の凸部28上に当接するように降下させる。これによってパラペット42も同様に凹部43の部分が高さ調整の基準となる。そして図3の(2)に示されているように、パラペット42の下面の上方部と均しコンクリート23の上面との間に、レベル調整具32と同様のレベル調整具46を配置して、パラペット42の高さ調整を行なう。そしてパラペット42の下面と均しコンクリート23の上面との間に生コンクリート35を流し込み、これを養生することによってパラペット42は均しコンクリート23と一体化する。このようにして、この実施の形態において、法面を構成する法面コンクリートブロック及びパラペットを迅速且つ正確に布設することが可能となる。
【0048】
尚、上記の実施の形態では、図4に示したレベル調整具を用いてコンクリートブロックの支持及び高さ調整を行っているが、これに代えて図5に示したレベル調整具を用いても良い。
【0049】
図5を参照して、レベル調整具52はターンバックル式ナット48を中心として構成され、ターンバックル式ナット48の上方には全ネジボルト53がねじ込まれ、ターンバックル式ナット48の下部には全ネジボルト53とは反対方向のねじ山が切られた平頭ボルト50がねじ込まれている。そして、使用時には全ネジボルト53は、第1法面コンクリートブロック26等の下面に埋め込まれたインサート54にその一部がねじ込まれた状態でセットされる。このようにレベル調整具52は構成されており、ターンバックル式ナット48をいずれか一方方向に回転させることによって全ネジボルト53の上端部と平頭ボルト50の下面との距離が増減して、コンクリートブロックの高さレベルの調整が可能となる。全ネジボルト53はインサート54にねじ込まれた状態で使用されるため、水平方向の力が加わっても第1法面コンクリートブロック26等から不用意に脱落する虞がなく、布設工事の信頼性をより向上する。
【0050】
尚、上記の実施の形態では、法面コンクリートブロックやパラペットの側面に特定形状の凹部及び凸部を形成しているが、同様の効果を奏するものであれば他の形状であっても良い。
【0051】
又、上記の実施の形態では、高さ調整可能なレベル調整具を用いて法面コンクリートブロック等の高さ調整および支持をおこなっているが、従来例で示した油圧ジャッキやクレーンを用いても良い。
【0052】
更に、上記の実施の形態では、法面基礎ブロック及び法面コンクリートブロックはいずれもプレキャストされたものを使用しているが、これらはいずれも現場打設によって形成した後、プレキャストされたパラペットを同様の設置方法で布設しても良い。
【0053】
更に、上記の実施の形態では、堤防工事を前提としているが、パラペットの布設を除くと堤防のみならず河川等の法面の護岸工事にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0054】
更に、上記の実施の形態では、法面コンクリートブロック及びパラペットの下面には何も形成していないが、鉄筋をこれらに取り付けたりメタルラス等を配置して、生コンクリートとの一体化を向上させると共に、硬化した生コンクリートのひび割れ等を防止するように構成しても良い。
【0055】
更に、上記の実施の形態では、法面基礎ブロックは基礎コンクリート上に設置されているが、基礎コンクリートを形成せずに地盤面に直接設置するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法を説明するための概略工程図の一部である。
【図2】図1で示した工程図に続くコンクリートブロックの布設方法を説明するための概略工程図の他の一部である。
【図3】図2で示した工程図に続くコンクリートブロックの布設方法を説明するための概略工程図の更に他の一部である。
【図4】この発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法に用いるレベル調整具の概略構成を示した拡大図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロックの布設方法に用いるレベル調整具の他の例による概略構成を示した拡大図である。
【図6】従来の堤防の概略構成を示す断面図である。
【図7】従来のコンクリートブロックの布設方法の概略工程を示した図である。
【符号の説明】
12…法面基礎ブロック
16…突出部
23…均しコンクリート
26…第1法面コンクリートブロック
27,38,43…凹部
28…凸部
29…空間
32,33,46,52…レベル調整具
35…生コンクリート
37…第2法面コンクリートブロック
40…第n法面コンクリートブロック
42…パラペット
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (6)
- 堤防法面におけるコンクリートブロックの布設方法であって、
法面基礎ブロックを設置する工程と、
前記法面基礎ブロックから法面にかけて均しコンクリートを布設する工程と、
上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状の第1法面コンクリートブロックを、その1つの側面の一部が前記法面基礎ブロックの一部に当接するように載置する工程と、
前記載置された第1法面コンクリートブロックの位置を調整し、前記第1法面コンクリートブロックの下面と前記均しコンクリートの上面との間に第1の所定の空間を保持した状態で、第1法面コンクリートブロックを前記均しコンクリート上に支持する工程と、
前記第1の所定空間に生コンクリートを流し込む工程とを備えた、コンクリートブロックの布設方法。 - 上面、下面及び4つの側面よりなるほぼ長方形平板形状の第2法面コンクリートブロックを、その1つの側面の一部が前記第1法面コンクリートブロックの前記側面に対向する側面の一部に当接するように載置する工程と、
前記載置された第2法面コンクリートブロックの位置を調整し、前記第2法面コンクリートブロックの下面と前記均しコンクリートの上面との間に第2の所定空間を保持した状態で第2法面コンクリートブロックを前記均しコンクリート上に支持する工程と、
前記第2の所定空間に生コンクリートを流し込む工程とを更に備えた、請求項1記載のコンクリートブロックの布設方法。 - 請求項2記載の工程が更に繰返された、コンクリートブロックの布設方法。
- 前記法面コンクリートブロックを支持する工程において、前記法面コンクリートブロックと前記均しコンクリートブロックとの間に配置された高さ調整可能なレベル調整具によって、前記法面コンクリートブロックは調整且つ支持される、請求項3記載のコンクリートブロックの布設方法。
- 最終的に布設された第n法面コンクリートブロックの前記側面に対向する側面の一部に、プレキャストされたパラペットの下方側端部の一部を載置する工程と、
前記載置されたパラペットの位置を調整し、前記パラペットの下面と前記均しコンクリートの上面との間に一定の空間を保持した状態で前記パラペットを前記均しコンクリート上に支持する工程と、
前記一定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを更に備えた、請求項3又は請求項4記載のコンクリートブロックの布設方法。 - 堤防法面におけるコンクリートブロックの布設方法であって、
法面に沿った法面コンクリートを布設する工程と、
前記布設された法面コンクリートの上方端部の一部に、プレキャストされたパラペットの下方側の端部の一部を載置する工程と、
前記載置されたパラペットの位置を調整し、前記パラペットの下面と前記法面との間に所定の空間を保持した状態で前記パラペットを前記均しコンクリート上に支持する工程と、
前記所定の空間に生コンクリートを流し込む工程とを備えた、コンクリートブロックの布設方法。
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