JP2012072651A - 階段状構築物の施工方法およびその施工方法で構築された階段状構築物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、下地上に高さ調整部材を介してブロック構造体を仮置きし、ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、下地上に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程とコンクリート打設工程を、勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていく。
【選択図】図10
Description
(1)階段に腰掛けて夕日を観賞する。
(2)海や湖などで行われる水上スポーツを階段に腰掛けて観戦する。
(3)階段状であるため水辺近くまで降りて水遊びや釣りをすることができる。
(4)水辺まで容易に近づけるため、水面に浮遊するゴミなどを容易に除去し得る。また、ゴミなどの浮遊物が目に付き易くなることから、近隣住民や遊びに来た者たちが積極的にゴミ除去をするようになり、海や湖などの清浄化にもつながる。
このようなことから、昨今、階段状の護岸が多く構築される状況にある。
図10(b)は従来工法の一例の概略工程を示すフロー図である。
(b)そして、この下地造成工程を終えた段階で、下地上の所定領域に型枠を組み立て設置する(型枠組立設置工程)。
(c)そして次に、型枠で形成した空間に生コンクリートを投入打設する(コンクリート投入打設工程)。
(d)そして、数日掛けてこの型枠内のコンクリートを養生する(コンクリート養生工程)。
(e)次に、このコンクリート養生工程を終えた段階で、型枠を撤去する(型枠撤去工程)。
(f)そして、その後、前記工程で成形したコンクリート製の階段に切石を貼り付ける(圧着する)(切石貼り付け工程)。
(g)そして数日掛けてこの切石の圧着を養生して施工全体の完成となる(切石圧着養生工程)。
階段幅1.5mの階段状構築物(階段状護岸)を完成させるには、約11日程度の日数を要していた。
内訳は、下地造成工程で1日、型枠組立設置工程で1日、コンクリート投入打設工程で1日、コンクリート養生工程で3日、型枠撤去工程で半日、切石貼り付け工程で1.5日、切石圧着養生工程で3日である。
(1)施工期間が長期にわたるという課題がある。すなわち、型枠の組み立て・据付の工程と、型枠内への生コンクリート投入打設工程と、コンクリート養生工程と、型枠の撤去工程などを要することが施工期間の長期化につながっている。また、このような現場施工の場合、天候にも左右され易いということが長期化の要因となっている。すなわち、降雨、降雪あるいは悪天候などの場合には、生コンクリートの投入打設工程・養生工程ができなかった。また、切石の圧着作業は、景観維持あるいは景観向上のため、コンクリート製の階段状護岸にあっては必要であったが、この作業も容易ではなく熟練を要するとともに、綺麗に張るのは熟練者であっても容易ではなかった。
(2)施工期間が長期化することにより、現場作業員などの給与・現場事務所などの経費(光熱費・食費等)などが嵩み、結果的にコスト高を招くという課題もある。
(3)施工期間中、現場周辺への立ち入り制限をするため、工期が長引くと、周辺住民や観光客など周辺に与える影響が大きいという課題がある。また、施工により生じる騒音・現場周辺の汚れ・安全性なども周辺に与える影響として大きいものである。
(4)型枠大工と言われる熟練した技能者を必要とするためコスト高を招くという課題がある。また、切石の圧着作業にも技能者を要し、かつ作業に手間を要するためコスト高の要因の一つであった。
(5)また、型枠大工と言われる熟練した技能者の高齢化、及び「きつい、汚い、危険」との土木現場の悪印象から、後継者不足、労働者減少という問題も発生している。
(6)この工法で使用される型枠の大部分は構築物完成後、廃棄処分されていたのが現状である。しかし、昨今の地球温暖化対策や環境保全の声が高まる中、このような合板や木材からなる型枠の使用が抑制されてきていることも課題の一つである。
(7)下地が施工基準面よりも高い場合、基準値内にブロックの据付ができないため、施工基準面よりも1cm〜2cm程度低めに下地を仕上げる必要があった。このような仕上げは、熟練した職人による手作業で行われるため、その労力が多大であり、特に真夏の炎天下での施工や、真冬の寒空の下での施工にあっては大変な作業を強いられることとなっていた。
(8)また、従来、この種の工法の場合、下地の仕上げによって工事の出来不出来が左右されるものであった。従って、現場作業では、下地が可能な限り平滑・平面となるように、木鏝、金鏝などで丁寧に仕上げる必要性があり、多くの時間と労力が強いられていた。さらに、このような作業はある程度の技術を有する者でなければできず、作業者が限定されてしまうという課題も抱えていた。
しかし、ブロックは現場での施工を考慮したものではなかったため、ブロックを持ち上げている作業中あるいは楔片を所定位置にかませている作業中に、誤ってブロックが落下してしまうことがあり、作業者の手や足などがブロックの下敷きになって大怪我をすることもあった。
所定の造成領域に所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、
前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、
前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、
前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、
前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程とコンクリート打設工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、
前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、
前記コンクリート打設工程は、
ブロック構造体の一段に対するブロック構造体据付工程を終えた毎に施工することを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
所定の造成領域に所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、
前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、
前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、
前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、
前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、
前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、
前記コンクリート打設工程は、
所定数のブロック構造体を下地上に据付ける全てのブロック構造体据付工程を終えた後に施工することを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
施工領域を整地してなる整地面と、該整地面上に砕石を敷設してなる砕石面と、該砕石面上に形成する押えコンクリート面で構成された下地を造成する、ことを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
高さ調整部材で、下地の上面に仮置きしたブロック構造体の施工基準面高さを調整するとともにその高さ位置を固定する、ことを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
下段に配したブロック構造体の平面部上に、上段に仮置きしたブロック構造体の底面部を載せて所定方向に移動させることで前記下段に配したブロック構造体の平面部の幅寸法を広狭調整する工程を含む、ことを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
自然石を切断加工してなる石製ブロックであることを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
浸透性と水質浄化作用を有する自然石からなることを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
縁部領域を面取り加工し、
左右方向及び上下方向で隣り合うブロックの接触領域に、水通路が形成されることを特徴とする階段状構築物の施工方法としたことである。
なお、上記(1)乃至(4)に示す現場の施工工程に入る以前に、所定数のブロック構造体8を準備するブロック構造体準備工程が必要であるが、この準備工程は、所定数のブロック構造体8を現場施工に入る以前に準備できていればよいため、その工程の時期は特に限定されない。まず、このブロック構造体準備工程について簡単に説明した後に、図10のフロー図及び図1乃至図9に基づいて上記(1)乃至(4)に示す現場の施工工程を説明する。本実施形態では、海岸や湖岸などに構築される階段状(階段型)護岸の施工方法を一例とする。
本実施例で用いられるブロック構造体8は、予め所定の場所で所定の形状に切断加工された石製ブロックが採用されている。
例えば、直方体形状の自然石の塊1を切り出した後、所定の縦辺長さL1を有する相対向するそれぞれの側面2(本図では側面2と相対向する反対側の側面は見えていない)を、側面視で台形状に二分する傾斜状の境界線5で上下に二等分した同一形状・同一体積の2つのブロックを形成する。
この側面2と相対向する反対側の側面(本図では見えていない相対向する反対側の側面)の相対向する位置にも同一の傾斜状の境界線を決定する。
すなわち、一方の縦辺3では、上隅点a1から切断基準点a3までの長さをL2、下隅点a2から切断基準点a3までの長さをL3とし、他方の縦辺4では、上隅点b1から切断基準点b3までの長さをL3、下隅点b2から切断基準点b3までの長さをL2としたとき、それぞれL2>L3の関係となるようにする。
そしてその後、上下に二等分したそれぞれのブロック7における側面2の長尺の縦辺3と、境界線5で切断したことで形成された傾斜辺との交点(前記切断基準点a3(他方の縦辺4ではb3)と同じ)から、縦辺3の長さ方向に所定長さ入った位置a4(他方の縦辺4ではb4)で、平面と平行に、かつ相対向する側面2(本図では見えていない相対向する反対側の側面)にわたって余剰分(図面上側面視三角形状に切り出した三角柱部分)6を除去する。二分した他方のブロック7も同様に余剰分6を除去する。
なお、本実施例で説明した石製ブロック部9の切断加工の方法は単なる一例であって限定解釈されるものではない。
また、この傾斜面領域12には、後端面部14との境界にあたる縁部15から所定距離はなれた位置で、かつ左右の側面部17間で所定間隔をあけて二つの孔部19,19が所定深さをもって形成されている。孔部19は、傾斜面領域12の面部から直交するように形成されている。
すなわち、このような階段状の護岸は、海岸や湖岸などの近くに構築されるため、階段の踏付け面部領域(平面部16領域)には雨水や海水などが溜まり易い。夏場などはこの溜まった海水などが腐敗し異臭を放つことがあり得る。また、この溜まった水に釣り餌などが混じったりすれば更に強い異臭を放つことが考えられる。従って、階段の踏付け面部領域(平面部16領域)には可能な限り水が溜まらないようにしたい。そこで、浸透性と水質浄化作用に優れた前記来待石などの凝灰質砂岩で形成された石製ブロック部を使用することが好ましい。
なお、この来待石を使用した場合、表面が粗面であるため(図6中の拡大図部分を参照。)、コンクリート打設工程において、ブロック構造体8と下地27との間に打設されるコンクリート28との接着性が良い。
これにより、左右方向及び上下方向で隣り合うブロックの接触領域に、それぞれ隣り合う面取り部18により略V字状あるいはU字状の水通路20が形成される(図9参照)。
このような構成を採用することで、さらに階段の踏付け面部領域(平面部16領域)にある水(海水や雨水など)を積極的に水通路20へと案内し、水通路20を介して下方へと流すか、あるいは隣り合うブロック間の隙間へと流すことが可能となる。また、その他、必要に応じて水の流れる通路や形態を石製ブロック部9の外表面や内部に施すことも可能で本発明の範囲内である。
本実施例では、二段目移行のブロック構造体8を構成する石製ブロック部9の後端面部14寄りの傾斜面領域12に二つの高さ調整部材21を設けているが、高さ調整部材21の配設数量などは特に限定解釈されず本発明の範囲内で設計変更可能である。本実施例では、下地27の最も最下段に配設されるブロック構造体8にあっては、前後に2本ずつ計4本配設している(図3及び図4参照。)。
なお、高さ調整部材の構造は、本実施例で説明した構造に特に限定されず本発明の範囲内で周知の調整部材が採用可能である。
また、ブロック構造体仮置き工程においてこのように所定の空間K1が形成されることにより、ブロック構造体8と下地27との間に手足を挟む事故がなく安全性も高い。
すなわち、側面視形状を細幅矩形状とした平板形状や、側面視形状がL字形状であってもよく、平面部16の水平度を高さ調整部材21の伸縮調整で確保できるものであればよい。
下地造成工程は、所定の造成領域に下地を造成する工程で、本実施例では、施工領域を整地してなる整地面造成工程と、該整地面造成工程によって整地された整地面24上に砕石を敷設する砕石面造成工程と、その砕石面造成工程によって造成された砕石面25上に、砕石押えコンクリート(均しコンクリート)を打ち込んで押えコンクリート面26を形成(養生)する押えコンクリート面造成工程によって下地27を構成するものとしている(図1及び図2)。
ブロック構造体仮置き工程は、前記造成した下地27の上面所定位置に、ブロック構造体8を仮置きする工程である(図3)。
具体的には、最下段の一段目のブロック構造体8は、法先方向に予め配したコンクリートの端面29に蹴込み面部13を突き当てるとともに、前記造成した下地27の上面所定位置に、4本の高さ調整部材21を当接させ、そして二段目以降のブロック構造体8は、下段のブロック構造体8の平面部16における所定幅の後方領域(被積載領域16a)に、仮置きするブロック構造体8の底面部10における載せ面領域11を載せるとともに、前記造成した下地27の上面所定位置に、2本の高さ調整部材21を当接させて仮置きする工程である。
本実施例では、全ての高さ調整部材21を伸縮調整し、仮置きした際には、すべての高さ調整部材21の他端(接地部)が下地27の上面に当接し、下地27とブロック構造体8の底面部10との間には、高さ調整部材21の突設高さHに対応した空間K1が形成されるものとしている(図7)。
ブロック構造体据付工程は、前記下地27の上面に仮置きしたブロック構造体8の高さを調整してブロック構造体8を所定高さに据付ける工程である(図3及び図7)。
本発明によれば、ブロック構造体据付工程Cは、ブロック構造体8の底面部10における傾斜面領域12に予め突設させてあった高さ調整部材21を伸縮作動させることで、下地27の上面に仮置きしたブロック構造体8の施工基準面高さを調整するとともにその高さ位置を固定する。
例えば本実施例によると、図7に示すように、所定のあるいは全ての高さ調整部材21を伸縮調整して、ブロック構造体8の天地方向(図5(b)及び図7中で符号Tで示す方向)の高さ位置を決定、かつ固定する。
具体的には、下段に配したブロック構造体8の平面部16における後方所定領域(被積載領域16a)上に、上段に仮置きしたブロック構造体8の底面部10(載せ面領域11)を載せて所定方向(図8にて矢印X1で示す前後方向)に移動させることで前記下段に配したブロック構造体8の平面部(踏付け面部)16の幅寸法を広狭調整する。このとき、先に高さ調整工程を済ませてあれば、ブロック構造体8は高さ調整部材21の他端22bが下地27に接し、底面部10の載せ面領域11が下段の平面部16上に接した状態で前後方向にスライド移動するだけであるため、ブロック構造体8の高さ位置を変えずに容易に施工できる。
すなわち、階段として施工完了した後のブロック構造体8の平面部(踏付け面部)16は、所定の幅寸法(17cm)とすることが最も歩き易い幅寸法であるとされているため、その幅寸法となるように上段に仮置きしたブロック構造体8を前後方向にスライドさせて調整をする。図面では、上段のブロック構造体8を仮置きした時の下段の幅寸法をW1としたときに、前方にスライドさせて減少させた状態の幅寸法をW2、後方にスライドさせて増加させた状態の幅寸法をW3として表す。
コンクリート打設工程は、前記下地27とブロック構造体8との間の空間K1に所定量の生コンクリートを流し込み・養生し、下地27とブロック構造体8との間に打設された後打ちコンクリート(胴込コンクリート)28によって下地27とブロック構造体8とを一体化する工程である(図3及び図4)。
このとき本実施例によれば、ブロック構造体8の底面部10における傾斜面領域12に一体に突設されている複数個の高さ調整部材21が、後打ちコンクリート28が固化したときに、後打ちコンクリート28と一体化され、差し筋としての効果を有する。
また、ブロック構造体据付工程によって下地27とブロック構造体8との間に空間K1が形成され、その空間に生コンクリートを流し込み・養生するため、後打ちコンクリート28の厚さ・密着及び一体化の確認が可能である。
そして、この二段目にあっても下地27の所定領域まで施工が完了すると三段目の施工に移る。このようにして次々に上段のブロック構造体8の施工を行っていき、所定の高さ方向(法肩方向)まで施工を終えて全ての施工が完了する。
そして、所定の施工領域にわたり、上述したブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程を所定回数繰り返し行い、施工領域の全域にわたって所定数のブロック構造体8を配設して階段状護岸の施工工程を終了する(図4参照。)。
これは、従来のコンクリート現場施工の場合が完成までに11日要していたことを考えると飛躍的に工期の短縮となる。
これは、ブロック構造体でJIS規格(控え長の許容誤差プラス・マイナス5mm)を満たさない製品であっても使用できることとなる。すなわち、ブロック構造体の不良発生率が大幅に減少する。従って、工場製造の負担も軽減され、かつコスト軽減も図れる。
従って、従来のように下地の仕上げに掛けていた多くの時間と労力は不要となる。
本発明の場合、据付工程を終えたブロック構造体8は下地27上に高さ調整部材21を介して高さ位置が固定されているため、その据付工程を終えたブロック構造体8と下地27との間の空間K1に流し込まれた生コンクリートが養生しない状態であっても、そのブロック構造体8上に載って上段のブロック構造体8の仮置き工程、据付工程を施工することが可能である。これにより、さらに工期の短縮化が図れる。
例えば、ブロック構造体一個毎に、ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程を行い、その後二段目、三段目と順に、ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程→コンクリート打設工程を行い、法先から法肩方向への高さ方向に一列ずつ施工し、その後順次横方向に一列ずつ施工する形態であってもよい。
また、ブロック構造体仮置き工程→ブロック構造体据付工程を施工領域全域にわたって全て完了させ、その後にブロック構造体8を据付けた全施工領域にわたってコンクリート打設工程を施工する形態とすることも本発明の範囲内であって何等これを妨げるものではない。
すなわち、石製ブロック部9の底面部10の前方にも同様に二つの高さ調整部材21を備えて構成する(本実施例の最下段のブロック構造体8と同様の構成)。そして、上段のブロック構造体8は下地27上にこれら四つの高さ調整部材21を当接させるとともに、蹴込み面部13下方の所定領域を、下段のブロック構造体8の後端面部14に当接させる。そして、所定の高さ調整部材21を伸縮調整して高さ調整及び平面部16の水平調整をして上段のブロック構造体8を据付けるものとすればよい。従って、このような形態を採用する場合には、下段のブロック構造体8の後端面部14に当接させる所定領域分を考慮して、予め蹴込み面部13の高さ方向幅寸法を設計するようにする。
また、本実施例では、最下段の一段目のブロック構造体8は、法先方向に予め配したコンクリートの端面29に蹴込み面部13を突き当てて据付ける形態としたが、ブロック構造体18の載せ面領域11を前記コンクリートの上面に載せる形態であってもよい。また、この法先方向に予め配したコンクリートは無くても良く、本発明の範囲内で設計変更可能である。
9 石製ブロック部
10 底面部
11 載せ面領域
12 傾斜面領域
13 蹴込み面部
14 後端面部
16 平面部(踏付け面部)
17 側面部
19 孔部
18 面取り部
21 高さ調整部材
22 棒状金具部
23 ナット状調整部
24 整地面
25 砕石面
26 押えコンクリート面
27 下地
28 コンクリート(後打ちコンクリート)
K1 空間
Claims (10)
- 底面部の所定箇所に、伸縮可能な高さ調整部材を突設したブロック構造体を所定数準備する工程と、
所定の造成領域に所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、
前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、
前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、
前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、
前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程とコンクリート打設工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、
前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、
前記コンクリート打設工程は、
ブロック構造体の一段に対するブロック構造体据付工程を終えた毎に施工することを特徴とする階段状構築物の施工方法。 - 底面部の所定箇所に、伸縮可能な高さ調整部材を突設したブロック構造体を準備する工程と、
所定の造成領域に所定勾配の下地を造成する下地造成工程と、
前記造成した下地の上面所定位置に、前記高さ調整部材を介して前記ブロック構造体を仮置きし、前記ブロック構造体の底面部と下地との間に所定の空間を形成するブロック構造体仮置き工程と、
前記下地の上面に仮置きしたブロック構造体の高さを調整し、該ブロック構造体の平面部を水平にして据付けるブロック構造体据付工程と、
前記下地とブロック構造体との間の空間に生コンクリートを流し込むコンクリート打設工程とを含み、
前記ブロック構造体仮置き工程とブロック構造体据付工程を、前記勾配を有する下地の下方領域から上方領域に向けて順次繰り返し施工して所定数のブロック構造体を階段状に据付けていき、
前記ブロック構造体は、下段のブロック構造体の平面部上に載る載せ面領域と、載せ面領域の後端から所定の傾斜をもって形成される傾斜面領域で構成された底面部を備えた側面視で略台形状に形成されており、
前記コンクリート打設工程は、
所定数のブロック構造体を下地上に据付ける全てのブロック構造体据付工程を終えた後に施工することを特徴とする階段状構築物の施工方法。 - 下地造成工程は、
施工領域を整地してなる整地面と、該整地面上に砕石を敷設してなる砕石面と、該砕石面上に形成する押えコンクリート面で構成された下地を造成する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の階段状構築物の施工方法。 - ブロック構造体据付工程は、
高さ調整部材で、下地の上面に仮置きしたブロック構造体の施工基準面高さを調整するとともにその高さ位置を固定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の階段状構築物の施工方法。 - ブロック構造体据付工程は、
下段に配したブロック構造体の平面部上に、上段に仮置きしたブロック構造体の底面部を載せて所定方向に移動させることで前記下段に配したブロック構造体の平面部の幅寸法を広狭調整する工程を含む
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の階段状構築物の施工方法。 - ブロック構造体は、
自然石を切断加工してなる石製ブロックであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の階段状構築物の施工方法。 - 石製ブロックは、
浸透性と水質浄化作用を有する自然石からなることを特徴とする請求項6に記載の階段状構築物の施工方法。 - 石製ブロックは、
縁部領域を面取り加工し、
左右方向及び上下方向で隣り合うブロックの接触領域に、水通路が形成されることを特徴とする請求項7に記載の階段状構築物の施工方法。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の施工方法によって構築されたことを特徴とする階段状構築物。
- 海、河川、湖若しくは池の周辺に構築される階段状の護岸であることを特徴とする請求項9に記載の階段状構築物。
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