JPH1046774A - 階段用コンクリートブロック - Google Patents

階段用コンクリートブロック

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JPH1046774A
JPH1046774A JP8219451A JP21945196A JPH1046774A JP H1046774 A JPH1046774 A JP H1046774A JP 8219451 A JP8219451 A JP 8219451A JP 21945196 A JP21945196 A JP 21945196A JP H1046774 A JPH1046774 A JP H1046774A
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JP
Japan
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stairs
gradient
step surface
concrete block
design
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JP8219451A
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English (en)
Inventor
Haku Nagata
泊 永田
Hirotoshi Masuda
広利 増田
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SHOWA CEMENT KOGYO KK
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SHOWA CEMENT KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜地の勾配に応じた任意の設置勾配の階段
の敷設を可能とする、段面に雨水が溜まらない既製の階
段用コンクリートブロックを提供する。 【解決手段】 ある設計勾配を持つ基盤と該設計勾配で
段面が水平な1組以上の段部を備え、各段面には縦横の
溝を碁盤目状に設けるとともに、各縦溝の少なくとも手
前側の底面が、設置勾配を設計勾配よりも緩くした場合
の奥側の段面表面よりも低位置になるように構成した階
段用コンクリートブロックを、適宜の勾配間隔ごとに複
数種類製造する。そして、設置勾配と設計勾配の差は、
設計勾配の間隔の半分以内で施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜地に設けるコ
ンクリート製の階段を敷設するための階段用コンクリー
トブロックの改良に係わり、設置勾配にある範囲で自由
度があり容易且つ安全に施工できるとともに、施工後は
段面の水はけが良くて滑らず安全な階段用コンクリート
ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】河川の堤防や丘陵地帯或いは山中などの
傾斜地に歩行者用通路を設ける場合、傾斜が大きい部分
には安全のために階段を設けることが多い。従来、この
種の階段は、石やコンクリートブロックを積んだり現場
打ちコンクリートで敷設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この内前者は、比較的
簡単に敷設できるが基礎がしっかりしていないこともあ
り歩行し辛かったり、頻繁な使用で石やブロックが地肌
からずれて崩壊するなどの難点がある。後者でも、単に
段々状の地面にモルタルやコンクリートを流しこんだ程
度のものは前者と同じである。鉄筋を入れたり型枠を組
んで作る本格的な現場打ちコンクリート製品の場合はこ
のような問題はないが、工数が多くかかって極めてコス
ト高なものとなる。例えば、河川の堤防をある範囲にわ
たってコンクリートブロックで被覆するような場合、そ
の一部に階段を作ることが多いが、石やブロックを単に
積み上げるようなものは許されず、鉄筋を使用した型枠
組みのものが要求される。ところが、この階段を製作す
るに要する費用と手間は他の部分に比べて数倍にもな
り、建設業者泣かせになっているのが現状である。
【0004】この型枠組に要する費用や手間は、予め工
場で作った既製品を使用すれば大幅に軽減される。しか
し、傾斜の角度(勾配)や施工長さは現場ごとに異な
り、一品製作になるので型代が莫大なものになる。無理
に標準品を使用すると、段面が傾斜して歩行しづらくな
るとか段面に雨水が溜まって滑り易くなるなどの難点が
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、高
い品質を保ちながら、容易且つ安全に階段が敷設できる
ように、階段を構成する主要部分をブロック化して上記
問題の解決を図ったものである。以下、本発明の階段用
コンクリートブロックについて詳細に説明する。
【0006】本発明の階段用コンクリートブロックは、
ある設計勾配を持つ基盤と該設計勾配で段面が水平で蹴
込み面が逆テーパを成す1組以上の段部からなり、各段
面には縦横の溝が碁盤目状に設けられている。蹴込み面
の逆テーパは、各段面が踏み面よりも奥行きを深くする
ことにより形成される。また各縦溝の深さは、従来この
種の既製品に比べてかなり深くなっている。即ち、各縦
溝の深さは少なくとも手前側の底面が、設置勾配を設計
勾配よりも緩くした場合の奥側の段面表面よりも低位置
にくるように設定される。勿論、縦溝の深さは手前側か
ら奥側まで同一にしてもよい。これは、少ない種類の既
製品ブロックであらゆる勾配の傾斜地に対応するように
するためである。尚、ここに設計勾配とは、その勾配で
設置されれば段面が水平になる基準となる勾配のことを
言い、この設計勾配に基づいて階段用コンクリートブロ
ックが製造される。設置勾配とは、傾斜面に沿って実際
に設置する場合の勾配を言う。段面と蹴込み面から構成
される段部の数は、多すぎると全体の重量が増えて搬送
等の取扱や施工がしにくくなり、逆に少なすぎると施工
に手間がかかるので、3〜4組にすることが好ましい。
ただ、端数の問題があるので1組や2組のものも必要で
あるが、これらは現場打ちで対処することもできる。
【0007】各段面に設ける縦横の溝は、滑り止め兼排
水用のもので、適宜寸法例えば10〜20cm間隔で設
ける。溝の巾は、ハイヒールの踵や杖の先端が嵌まらな
いように数mm〜十数mm程度にするが、深さ特に縦溝
の深さは、設計勾配によって必要深さが異なる。即ち、
設置勾配を設計勾配よりもある範囲で緩くした場合で
も、溝に溜まった雨水が排水できるような深さ、少なく
とも段面の溝以外の部分に溢れないような深さにする必
要がある。本発明では、或る間隔例えば5分間隔で1割
勾配、1割5分勾配、2割勾配、2割5分勾配、3割勾
配の5種類のブロックを作り、それぞれ間隔(設計勾配
の差)の半分(この場合は2分5厘)以内の傾きは現場
に合わせて調整可能にすることにより、1割〜3割2分
5厘勾配の範囲内であらゆる傾きの傾斜地に対応できる
ようにした。尚、1割勾配より急な場合は危険なため、
階段を斜めに設けることで解決するとよい。従って、こ
の例では設置勾配を設計勾配から2分5厘緩くした場合
に、縦溝の少なくとも手前側の底面が奥側の段面表面よ
りも低くなるようにしておけばよい。具体的には、2分
5厘緩くした場合でも縦溝の底部が水平乃至は手前側が
低く傾斜するようにしておくとか、縦溝全体を手前側と
同じ深さにしておく。
【0008】例えば、蹴上げ寸法170mm、踏面寸法
340mmの段部を有する設計勾配2割の階段用コンク
リートブロックを2割2分5厘の勾配で設置すると、段
面の奥側は手前側よりも約16mm低くなる。従って、
段面手前側の縦溝の深さが16mm以上あれば、奥側の
段面表面よりも低くなる。尚、この場合段面の傾斜角は
約2°42′となる。この傾斜角や16mmと言う数値
は、蹴上げ寸法や踏面寸法が変わっても設計勾配や設置
勾配が同じであれば殆ど変化しない。同様に、1割の設
計勾配(蹴上げ寸法170mm、踏面寸法170mm)
のものを1割2分5厘の勾配で設置すると、段面の奥側
は手前側よりも約19mm低くなる(傾斜角は約6°2
3′)し、3割の設計勾配(蹴上げ寸法170mm、踏
面寸法510mm)のものを3割2分5厘の勾配で設置
すると、段面の奥側は手前側よりも約12mm低くなる
((傾斜角は約1°21′)。このように、手前側の縦
溝の深さを少なくとも設計勾配に応じた必要寸法以上の
深さにすると、設置勾配を最も緩くした場合でも段面表
面の雨水は縦溝の中に収まり、段面表面のに溢れること
はない。ただ、後者(同一深さ)の場合は雨水が溝の奥
側に溜まることがあるが、歩行には差し支え無い。尚、
溝以外の段面部分に完全に水が溜まらないようにするに
は、ここを中高にするとよい。
【0009】但し、同じ2部5厘の差と言っても、1割
勾配(45度勾配)と3割勾配(約26度勾配)では変
化の割合が異なり、前者が急である。そこで、1割5部
の代わりに1割3分勾配と1割6分勾配の設計勾配のも
のを作っておけば、この部分では1分5厘又は2分の範
囲での勾配調整により、急な変化を少なくして同様にあ
らゆる傾きの傾斜地に対応可能となる。例えば、前記1
割の設計勾配のものを1割1分5厘の勾配で設置する
と、段面の奥側は手前側よりも約13mm低くなる(傾
斜角は約4°07′)。尚、以上は設置勾配を設計勾配
よりも緩くする場合について説明したが、逆に急にする
場合には雨水の排水の問題は生じない。但し、この場合
は段面の手前側が低くなるので、滑りやすくなるし心理
的不安を与える。従って、同様に1割5部の代わりに1
割3分勾配と1割6分勾配の設計勾配のものを作ること
が望ましい。尚、実際の傾斜地の勾配は、2割前後のも
のが多い。従って、1割5分勾配(又は1割3分勾配と
1割6分勾配)、2割勾配及び2割5分勾配の3〜4種
の階段用コンクリートブロックを準備すれば、多くの傾
斜地に対応し得る。
【0010】縦溝の内最外側の2つの縦溝は、段面の両
側端部に設け且つ幅を他の縦溝の約半分とすると、階段
用コンクリートブロックを横へ連結した場合に継ぎ目を
目立たなくする効果がある。これは、1種類の巾のブロ
ックで、種々な巾の階段を作る場合に便利である。一
方、横溝は主として滑り止めに重要な働きもするが、段
面の速やかな排水をする役目もする。ただし、その深さ
は縦溝よりも浅くするかせいぜい同じにした方が排水し
やすい。縦溝と縦溝の間の横溝の底部を中高にしておく
と、横溝から縦溝に水がスムースに流れる。また、最奥
側の横溝は蹴込み面に接して設けると排水の面で好まし
い。
【0011】次に、蹴込み面が段面と成す逆テーパの角
度は、大きいほど階段の昇降がしやすい。特に、階段用
コンクリートブロックを設計勾配よりも緩い勾配で設置
する場合はこの逆テーパの角度が小さくなるので、これ
をカバーする程度以上に大きな逆テーパにする必要があ
る。但し、この角度を大きくし過ぎると脱型に支障がで
るので、10度以下、好ましくは3〜7度程度にすると
よい。1割の設計勾配のものを1割2分5厘の勾配で設
置すると傾斜角は約6°23′になるので、逆テーパ角
度が7度以上であれば、逆テーパ状態が維持される。
尚、蹴込み面にも段面と同様に縦横の溝を設けてもよ
い。これは外観を良くするためでもあるが、縦溝の場合
は、段面の縦溝から流れてくる雨水をスムースに落下さ
せる効果も有する。
【0012】尚、本発明の階段用コンクリートブロック
において、基盤の底部を平面状に仕上げ、且つ複数のセ
パレータを突出しておくと、傾斜地のコンクリート基礎
上に載置した場合に一定の間隙が確保でき、足を挟むな
どの危険性が無くなる。そして、この間隙をジャッキ等
で調整した後にコンクリートを流し込めば、階段用コン
クリートブロックの組み込みを極めて簡単に且つ安全に
行なうことができる。セパレータは、I状やU状の金具
や調節金具などを差し込みや埋め込みにより取り付けた
り、鉄筋の一部を裸出させるなどしてブロック本体を支
えるものであれば、その種類や形状は問わない。また、
それ自体で高さ調節ができるものであってもよい。もっ
とも、セパレータがあれば施工が容易になるが、必ずし
も必要ではない。セパレータが無い場合は、敷モルタル
の上に直接階段用コンクリートブロックを設置して固定
する。更に、階段用コンクリートブロックの上下端面に
は組み込みのための凹部と凸部を設けておくと、上下ブ
ロックの接合が容易確実に行なわれる。尚、上下に接合
する階段用コンクリートブロックは、傾斜地の傾きが途
中で変化しているような場合には、それに応じて傾きの
異なるものを組み合わせて使用することもできる。ま
た、通路が途中で屈曲している場合には、段面の不足部
分を現場打ちコンクリートで補充することで対応でき
る。
【0013】次に、この階段用コンクリートブロックを
用いて傾斜地に階段を敷設する場合の施工手順を説明す
る。まず、階段を設ける傾斜地の部分に、両側の側げた
を現場打ち或いはプレキャストコンクリート品で作り、
次にその間に基礎コンクリートを打設する。傾斜地が既
にコンクリートブロックや石積みで覆われている場合に
は、これらを除去せずに直接階段用コンクリートブロッ
クを設置してもよい。側げたは必ずしも必要ではない
が、収まりがよくなるし歩行も安全になるので、有る方
が望ましい。続いて、本発明の階段用コンクリートブロ
ックを下段側から基礎上に載置し、ジャッキで勾配を調
整した状態でセパレータにより形成される間隙にコンク
リートを流し込んで固定する。この作業を必要な段数に
なるまで上下方向に及び必要な幅になるまで横方向に繰
り返す。各接合部分に隙間があれば、樹脂やモルタルを
充填して固定する。
【0014】この際、階段用コンクリートブロックは傾
斜地に打設した基礎コンクリート面の勾配が、設計勾配
から±2分5厘以内に入るものを用いるが、途中で傾斜
地の傾きが大きく変化しておれば、その変化に合わせて
数種類の勾配の階段用コンクリートブロックを組み合わ
せて使用する。或いは、途中に小段(平場、踊り場)を
設け、全て同じ設計勾配のものを使用するようにしても
よい。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面に示す具体例
に基づいてより詳細に説明する。図1〜図3は、本発明
の階段用コンクリートブロックの一例で設計勾配が2割
のものを示し、図1は平面図、図2は側面図、図3は図
1におけるX−X線で切断した部分拡大断面図である。
また、図4は設置勾配を2割2分5厘にした場合の段面
の傾きの状態を示す側面視した模式図、図5(a)及び
(b)は、縦溝の断面図である。
【0016】この階段用コンクリートブロック1(以
下、単にブロックと言うこともある)は、3組の段部2
を基盤3と一体化したもので、その設計勾配は長さ(奥
行き)をA、高さをBとすると、B/Aとなる。例え
ば、Aを1020mm、Bを510mmとすると、2割
勾配となる。Hは、ブロック1の巾である。段部2は、
段面4と蹴込み面5を備え、段面4には縦溝6と横溝7
が碁盤目状に刻設されている。本例では、同様に蹴込み
面5にも縦溝8と横溝9が段面4と同じ間隔で刻設され
ている。また、蹴込み面5は逆テーパをなし、段面4の
出っ張り寸法Cを20mm、上下段面間の寸法(蹴上げ
寸法)Dを170mmとすると、この逆テーパ角度はタ
ンジェントC/Dで求まる。本例では、約6.7度とな
る。この角度は大きい方が昇降はし易いが、大きくする
と脱型に支障がでるので、10度以下にする。また、本
例では踏み面の寸法Eを340mm、段面4の奥行き寸
法Fを360mmにしている。
【0017】段面4の縦溝6の深さは、手前側が奥側よ
りも深くなっており、その差をGとする。このGは、図
4に示すように、設計勾配を2割、設置勾配を2割2分
5厘とした場合の段面4の手前側と奥側の差であり、本
例の場合、約16mmである。従って、図3において、
縦溝6の奥側の深さを3mm、手前側の深さを19mm
とすると、段面4が基準の水平状態から傾斜を2分5厘
緩くした場合に、この縦溝6の底面は図5(a)に示す
ように水平となる。手前側の深さを19mm以上にする
と、2分5厘緩くした場合でも縦溝6の手前側が低くな
り、雨水はスムースに流下する。図5(b)は、縦溝6
を手前から奥まで全て同じ19mmの深さにして傾斜を
2分5厘緩くした場合を示す。この場合、雨水Wは縦溝
6に溜まるが、段面4表面には残らない。
【0018】尚、本例では段面4の横溝7は手前側のも
のも奥側のものも同じ深さにしてある。蹴込み面5の縦
溝8(図3ではその底面に番号を付す)は、段面4の排
水を流れ易くする効果はあるが、横溝9は一種の飾りで
ある。尚、縦溝6の内最外側の2つの縦溝6A、6B
(図1)は、段面の両側端部に設けられており、その巾
は他の縦溝6の約半分にしてある。これは、ブロック1
を横へ連結した場合に継ぎ目を目立たなくするためであ
る。一方、横溝7は滑り止めの効果を奏するが、この効
果をより確実にするためには、横溝7以外に細かな横方
向の凹凸条を段面4の表面に設けるとよい。
【0019】次に、図6、図7に基づいて、この階段用
コンクリートブロック1を用いて、傾斜地に階段を敷設
する手順を説明する。まず、図6、図7に示すように、
傾斜地10の階段11を敷設する箇所に、両側の側げた
12を現場打ち或いはプレキャストコンクリート品で作
り、次にその間に基礎コンクリート13を打設する。続
いて、階段用コンクリートブロック1を下段側から基礎
13上に載置し、ジャッキ14で勾配を調整した状態
で、ブロック1の基盤3から突出したセパレータ15に
より形成される間隙にコンクリートを流し込んで固定す
る。この作業を必要な段数になるまで上下方向に及び必
要な幅になるまで横方向に繰り返して、図7に示すよう
な階段11が得られる。符号16は基盤3に設けたブロ
ック1の接合用凸部、符号17は同じく凹部である。接
合用の凸部や凹部は、ブロックの側面にも設けてもよ
い。尚、図7の部分拡大箇所は、階段用コンクリートブ
ロック1を横に連結した箇所を示すもので、最外側の2
つの縦溝6A、6Bが組合わさって1本の縦溝を形成し
た状態を示す。尚、各接合部分に隙間があれば、樹脂や
モルタルを充填して固定する。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の階段用コ
ンクリートブロックは、ある設計勾配を持つ基盤と該設
計勾配で段面が水平で蹴込み面が逆テーパを成す1組以
上の段部からなり、各段面には縦横の溝を碁盤目状に設
けるとともに、各縦溝の少なくとも手前側の底面が、設
置勾配を設計勾配よりも緩くした場合の奥側の段面表面
よりも低位置になるように構成したものである。そのた
め、ある設計勾配の階段用コンクリートブロックを、許
容される範囲内で緩い勾配で設置した場合でも、段面上
に雨水が溜まらず、滑ったり水が跳ね返って服を汚すこ
とが完全に避けられる。また、許容される範囲内で急な
勾配で設置した場合も、段面は昇降に差し支えるほどは
傾斜しない。また、設置勾配と設計勾配の差は、適宜間
隔ごとの設計勾配を持つ複数種の階段用コンクリートブ
ロックの設計勾配の差の半分以内とするものである。
【0021】従って、従来困難であった傾斜地階段用ブ
ロックの規格化、既製品化が可能になり、施工コストの
大幅な逓減が実現できる。また、3〜6種類の設計勾配
のものを準備すれば、ほぼ全ての勾配の傾斜地に対応可
能となる。また蹴込み面の逆テーパは常に確保され、昇
降し易さを確保するなどの効果がある。
【0022】更に、複数のスペーサを階段用コンクリー
トブロックの基盤に突設したものにあっては、ブロック
を傾斜地のコンクリート基礎上に載置した場合に一定の
間隙が確保でき、足を挟むなどの危険性が無くなる。そ
して、この間隙をジャッキ等で調整した後にコンクリー
トやモルタルを流し込めば、階段用コンクリートブロッ
クの組み込みを極めて簡単に且つ安全に行なうことがで
きる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の階段用コンクリートブロックの一例を
示す平面図である。
【図2】本発明の階段用コンクリートブロックの一例を
示す側面図である。
【図3】図1におけるX−X線で切断した部分拡大断面
図である。
【図4】本発明の階段用コンクリートブロックを2分5
厘緩い勾配で設置した場合の段面の傾きの状態を示す側
面視した模式図である。
【図5】(a)及び(b)は、深さがそれぞれ異なる縦
溝を示す断面図である。
【図6】階段用コンクリートブロックを設置する状態を
示す側面図である。
【図7】部分的に完成した階段を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 階段用コンクリートブロック 2 段部 3 基盤 4 段面 5 蹴込み面 6 段面の縦溝 6A・6B 最外側の縦溝 7 段面の横溝 8 蹴込み面の縦溝 9 蹴込み面の横溝 A ブロックの長さ B ブロックの高さ H ブロックの巾 C 段面の出っ張り寸法 D 上下段面間の寸法(蹴上げ寸法) E 踏み面の寸法 F 段面の奥行き寸法 G 段面の縦溝の手前側と奥側の深さの差 W 雨水 10 傾斜地 11 階段 12 側げた 13 基礎コンクリート 14 ジャッキ 15 セパレータ 16 ブロックの接合用凸部 17 ブロックの接合用凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜地に敷設される階段を構成する階段
    用コンクリートブロックであって、ある設計勾配を持つ
    基盤と該設計勾配で段面が水平で蹴込み面が逆テーパを
    成す1組以上の段部からなり、各段面には縦横の溝を碁
    盤目状に設けるとともに、各縦溝の少なくとも手前側の
    底面が、設置勾配を設計勾配よりも緩くした場合の奥側
    の段面表面よりも低位置になるように構成したことを特
    徴とする階段用コンクリートブロック。
  2. 【請求項2】 設置勾配と設計勾配の差は、適宜間隔ご
    との設計勾配を持つ複数種の階段用コンクリートブロッ
    クの設計勾配の差の半分以内とするものである請求項1
    記載の階段用コンクリートブロック。
  3. 【請求項3】 縦溝の深さは手前側から奥側まで同一で
    あり、且つ横溝の深さは縦溝の深さと等しいか或いは浅
    くしたものである請求項1記載の階段用コンクリートブ
    ロック。
  4. 【請求項4】 最も奥側の横溝は蹴込み面に接して設け
    られ、最外側の縦溝は段面の両側端部に設けられ、且つ
    最外側の2つの縦溝は、幅が他の縦溝の約半分である請
    求項1記載の階段用コンクリートブロック。
  5. 【請求項5】 基盤の底部は平面状に仕上げられ、且つ
    傾斜地の基礎面から一定の間隙をおいて設置されるよう
    に複数のスペーサを突設するとともに、上下端面には組
    み込みのための凹部と凸部を設けたものである請求項1
    記載の階段用コンクリートブロック。
JP8219451A 1996-07-31 1996-07-31 階段用コンクリートブロック Pending JPH1046774A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010007384A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Hirotoshi Masuda 階段状構築物の施工方法およびその施工方法で構築された階段状構築物
JP2010047899A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Nihon Kogyo Co Ltd 階段ブロック、階段および施工方法
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JP2019085704A (ja) * 2017-11-01 2019-06-06 株式会社ニュー・メソッド 雨水誘導階段、プレキャスト型コンクリートブロック及び雨水誘導階段用ブロック

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