JP2004217201A - 自転車用サドル - Google Patents

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Abstract

【課題】 サドル本体16と前記サドル本体16をフレーム本体3に取付けるための取付部材2とを有する自転車用サドルにおいて、サドル本体16の浸水による乗車時の不快感を解消すること。
【解決手段】 荷重の変化に応じて弾性変形し得るように多数の貫通孔10が形成されている合成樹脂製のベース部材1をサドル本体16とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自転車用サドルに関する。特に、自転車用サドルの乗車感の向上に関する技術である。
従来の自転車用サドルを図9に示している。
この例のものは、合成樹脂製のベース部材1と、その上面に積層されるウレタン製のクッションシート4と、前記クッションシート4の上面に積層されて前記ベース部材1全体を被覆する外装シート5とからなるサドル本体16と、前記ベース部材1の裏面に取付けられ前記サドル本体をフレームに取付けるための取付け部材である左右一対の金属製の船線2とから構成されている。
前記ベース部材1は、乗車する利用者の荷重を安定的に支持し得るように高い剛性を有する硬質性合成樹脂材から射出成形されており、柔軟性を有していないから、このベース部材1に直に着座すると接触する臀部や大腿部などが痛くなるなど乗車感がよくない。そのため、前記ベース部材1に柔軟性の高い前記クッションシート4を積層させて適度なクッション性を持たせることで、自転車用サドルの乗車感を向上させている。
特開平8−253180号公報 (第2頁、第9図)
しかしながら、上記自転車用サドルでは、前記クッションシート4はそのクッション性を活かせるように薄くて柔らかい外装シート5によって被覆されているため、自転車の転倒時などに破損されやすく、前記クッションシート4が露出してしまうという問題がある。
また、上述のように外装シート5が破損された自転車用サドルや、防水加工が十分でない外装シート5が用いられた自転車用サドルにおいては、雨天時にサドルの内部に雨水が侵入しやすく、侵入した雨水は空隙率の高いのクッションシート4に保持されることとなる。そのため、乗車前に自転車用サドルの表面の雨水を拭き取っても、乗車時に荷重が加えられると前記クッションシート4から雨水が染み出てきて衣服が濡れてしまい不快な思いをすることがある。
前記クッションシート4は、前記外装シート5によって被覆されているから水分を除去することが難しいと共に、通気性が悪いから自然乾燥するまでにはかなりの時間がかかってしまう。そのため、サドル本体16が湿っている状態がしばらく持続され乗車時の不快感も続くことになる。さらに、浸水状態が続くことによって自転車用サドルがカビや雑菌の温床になってしまうという衛生面での問題もある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、『サドル本体と前記サドル本体をフレーム本体に取付けるための取付部材とを有する自転車用サドル』において、サドル本体の浸水による乗車時の不快感を解消することを課題とする。
(1)請求項1に係る発明の自転車用サドルは、『前記サドル本体は、荷重の変化に応じて弾性変形し得るように多数の貫通孔が形成されている合成樹脂製のベース部材からなる』ことを特徴とするものである。
これによれば、ベース部材には弾性変形し得るように多数の貫通孔が形成されているから、利用者の荷重がかかると、前記ベース部材は緩やかに弾性変形しながら前記荷重を受け止めてこれを支持する。そのため、前記ベース部材のみによって前記サドル本体に適度なクッション性を持たせることができる。
また、前記貫通孔の形成位置や大きさ、形状、個数等の組み合わせによって前記ベース部材の各部のクッション性を自在に調節することができる。
(2)請求項2に係る発明の自転車用サドルは、『前記ベース部材の総面積の33%以上に前記貫通孔が形成されている』ことを特徴とするものでは、多数の貫通孔を形成させることで前記ベース部材により自然でしなやかなクッション性を持たせることできるから、自転車用サドルの乗車感が優れている。また、前記貫通孔の形成により前記ベース部材の総重量が減少されるから、自転車用サドルの軽量化を図ることができる。
前記貫通孔の形成域の割合は、前記ベース部材に用いられる合成樹脂材の剛性と前記ベース部材の形状や必要とされるクッション性などを考慮して決定されるものであるが、前記ベース部材の総面積の40%〜67%程度に設定するのが最適な範囲と考えられる。
(3)請求項3に係る発明の自転車用サドルは、『前記多数の貫通孔のうち一部の貫通孔には、前記ベース部材とは異なる剛性を有する合成樹脂材が充填されている』ことを特徴とするものでは、前記貫通孔に合成樹脂材を適宜充填することで、前記ベース部材の各部分の弾性変形量や強度を調節して、利用者や用途に適したクッション性や耐久性を有する自転車用サドルを作製することができる。
また、前記ベース部材の後方全域の前記貫通孔に合成樹脂材を充填することにより、走行時に地面から跳ね上げられた泥が前記貫通孔を通って前記ベース部材1に着座した利用者の衣類に付着することを防止することができる。
ここで、前記貫通孔に充填される合成樹脂材は、前記ベース部材よりも剛性の低いものであっても、前記ベース部材よりも剛性の高いものであってもよい。
(4)請求項4に係る発明の自転車用サドルは、『前記多数の貫通孔のうち一部の貫通孔は、前記ベース部材と一体形成される薄肉のシート材によって被覆されている』ことを特徴とする。前記シート材は薄肉であり前記ベース部材と共に容易に弾性変形することができるから、前記シート材が被覆された部分も、前記シート材が被覆されない部分とほぼ同じ剛性及びクッション性を有している。
前記利用者の臀部や大腿部と接触する部分を前記シート材で被覆したものでは、前記貫通孔による凸凹がなく滑らかであるから乗車感が優れている。また、前記ベース部材の後方全域を被覆したものでは、前述の請求項3と同様に、利用者の衣類に地面から跳ね上げられた泥が付着することを防止することができる。
(5)請求項5に係る発明の自転車用サドルは、『前記貫通孔は、前記ベース部材が網目状となるように形成されている』ことを特徴とするものでは、前記ベース部材が網目構造を有することによって前記ベース部材全体の柔軟性が向上されるから、より自然且つしなやかに前記ベース部材が弾性変形される。そのため、不規則に貫通孔が形成されるものに比べて自転車用サドルのクッション性が優れていると共に、転倒時などの衝撃によって前記ベース部材が破損されにくく、自転車用サドルの耐久性が高い。
(6)請求項6係る発明の自転車用サドルは、『前記ベース部材は、後方座部と前記後方座部から前方に突出する細長い前方端部とからなり、前記貫通孔は、前記後方座部の略中心部から同心状であり且つ放射状であるように配列されていると共に、外周側に向かって徐々に大きくなるように形成されている』ことを特徴とするものでは、大きな荷重がかかる前記後方座部の中心部の弾性変形を小さく抑えて利用者の荷重を安定的に支持できると共に、運転時に大きく動作する大腿部やその付け根部分が接触される外周部の弾性変形量が大きく、運転時の抵抗が小さくなるから利用者にかかる負荷を軽減することができる。
このように、前記ベース部材の各部が利用者の動作を考慮した剛性とクッション性とを有しているから、自転車用サドルの乗車感が優れている。また、利用者にかかる負荷が小さいから長時間にわたり運転する場合も疲れにくい。
(7)請求項7係る発明の自転車用サドルは、『前記貫通孔は、前記ベース部材を左右に二等分する軸線近傍には形成されない』ことを特徴とするものでは、前記軸線に沿って前記貫通孔の形成されない帯状の平面領域(背骨部)が形成されるから、前記ベース部材の座面が前後方向に弾性変形しにくい構成となっている。そのため、利用者の運転姿勢の変化によって荷重のかかる位置が前後に移動する場合においても、前記背骨部により前記ベース部材が前後に反ることなく形状が維持されるから、前記利用者の荷重を安定的に支持することができる。
(8)請求項8係る発明の自転車用サドルは、『前記取付部材は、前記ベース部材の前端及び後端に連設される脚片に保持されている』ことを特徴とする。前記脚片とベース部材との連設部分は十分な強度が必要であるから、通常、前記貫通孔を形成することができない。本発明によれば、前記脚片が前記ベース部材の前端及び後端に連設されるから、利用者の臀部や大腿部が接触する部分に弾性変形し得ない前記脚片との連設部が位置することがない。そのため、自転車用サドルの乗車感が優れている。
また、前記取付部材を保持する脚片相互の間隔が大きくなることにより、前記ベース部材の前後方向の弾性が大きくなるから、自転車用サドルの衝撃吸収性が高い。
上記のような構成であるから本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1に係る発明によれば、多数の貫通孔を形成することで前記ベース部材に適度なクッション性を持たせているから、従来例のように前記ベース部材の上面にクッションシートを積層する必要がなく、前記ベース部材をサドル本体として利用することができる。
そのため、雨天時などに濡れてしまっても、前記ベース部材の雨水を拭き取るだけで簡単に水分を除去できるため、従来例のようにクッションシートからの雨水の染み出しによる乗車時の不快感や、通気不良によるカビや雑菌の繁殖といった問題に悩まされることがない。また、従来のものに比べて、サドル本体の蓄熱量が小さいから、晴天時に屋外に放置してもサドル本体が熱くなりにくいと共に、前記貫通孔によって乗車時の通気性も確保されるからムレにくく乗車感がよい。
前記貫通孔の形成位置や大きさ、形状、個数等の組み合わせによって前記ベース部材の各部のクッション性を自在に調節できるから、利用者や自転車の使用目的に適した剛性とクッション性とを有する乗車感の優れた自転車用サドルを容易に設計することができる。
さらに、前記サドル本体の構成部材及び製造工程が少ないから、前記自転車用サドルの製造時間及び製造費用が低減されると共に自転車用サドルの軽量化も図ることができる。また、前記ベース部材は、従来の外装シートのように転倒や経年劣化によって容易に破損されることがないため、自転車用サドルの耐久性が高い。
請求項2に係る発明によれば、ベース部材の総面積の33%以上に貫通孔を形成することにより、前記ベース部材により自然なクッション性を持たせることできるから、自転車用サドルの乗車感が優れている。また、自転車用サドルの軽量化を図ることができる。
請求項3に係る発明によれば、貫通孔の一部を異なる剛性を有する合成樹脂材で充填することにより、利用者や用途に適したクッション性や耐久性を有する自転車用サドルを作製することができる。また、地面から跳ね上げられた泥が利用者の衣類に付着することを防止することもできる。
請求項4に係る発明によれば、貫通孔の一部を薄肉のシート材によって被覆することにより、前記貫通孔の形成によるベース部材表面の凸凹がなく滑らかであるから乗車感が優れている。また、後方全域を被覆したものでは、前述の請求項3と同様に、利用者の衣類に地面から跳ね上げられた泥が付着することを防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、ベース部材が網目状となるように貫通孔が形成させていることにより、不規則に貫通孔が形成されるものに比べて、自転車用サドルのクッション性が優れていると共に転倒時などの衝撃によって破損されにくく耐久性が高い。
請求項6に係る発明によれば、ベース部材の後方座部の略中心部から同心状であり且つ放射状であると共に、外周側に向かって徐々に大きくなるように貫通孔が形成されていることにより、前記ベース部材が利用者の動作を考慮したクッション性を有しているから、自転車用サドルの乗車感が優れていると共に、利用者にかかる負荷が小さいから長時間にわたり運転する場合も疲れにくい。また、前記ベース部材の後方座部が蜘蛛の巣状となるから自転車用サドルの外観も優れている。
請求項7に係る発明によれば、ベース部材の軸線近傍には貫通孔を形成しないことにより、利用者の運転姿勢の変化によって荷重のかかる位置が前後に移動する場合においても、前記ベース部材が前後に傾斜することなく前記利用者の荷重を安定的に受け止めて支持することができる。
請求項8に係る発明によれば、前記取付部材が前記ベース部材の前端及び後端に連設される脚片に保持されていることにより、利用者の臀部や大腿部が接触する部分に弾性変形し得ない連設部が位置しないから乗車感が優れている。また、前記ベース部材の弾性が大きくなるから衝撃吸収性が高い。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら詳述する。
<実施の形態1>
本発明実施の形態の一例である自転車用サドルを図1に示している。
この例の自転車用サドルは、主として競技用自転車に用いられるものであり、競技走行中の利用者の重心移動や運転姿勢の変化に対応できるように前後方向に細長いサドル本体16を有している。
この例のものは、図1及び図3に示されるように、合成樹脂材から一体成形されたベース部材1からなるサドル本体16と、前記ベース部材1を自転車のフレーム本体3に取付けるための取付部材である一対の船線2とから構成されている。前記ベース部材1には、略全域にわたって多数の貫通孔10が左右対称に形成されている。
前記ベース部材1は、図2に示されるように、細長い前方端部11と略円形状の後方座部12とからなり、図4に示されるように、全体として外周側に向かって緩やかな曲線を描くアーチ状となっている。また、前記後方座部12の後端部の中央は、弾性変形が容易であるように前方に凹んだ形状となっている。
前記前方端部11には、大小様々な形状の貫通孔10が不規則に形成されている。一方、前記後方座部12には、大きさの異なる矩形状の貫通孔10が同心状であり且つ放射状であるように配列されており、これにより前記後方座部12は蜘蛛の巣状の網目構造となっている。
また、前記前方端部11の先端部及び前記後方座部12の左右後端部には、前記貫通孔10が形成されない平面部Sがそれぞれ形成されている。前記平面部Sの裏面側には、図3に示されるように、前記船線2を挿入保持するための脚片14,15が下方に向かって突設されている。
前記船線2は、金属棒を屈曲させて形成されており、図3に示されるように、前記脚片14,15に挿入する先端屈曲部21及び後端屈曲部22と、フレーム本体3に取付けられた固定部材30によって保持される水平部23とを有している。前記船線2は、前方に位置する前記脚片14に前記先端屈曲部21を挿入した後に、前記船線2及び後方座部12を弾性変形させながら前記後端屈曲部22を前記脚片15にそれぞれ挿入させることで前記ベース部材1に取付けられる。
次に、実際に自転車を運転する際の自転車用サドルの弾性変形について説明する。
利用者が乗車することで前記ベース部材1に荷重がかかるとき、前記貫通孔10が形成されない前記背骨部Pはほとんど変形されることなく前記利用者の荷重をしっかりと受け止めてこれを安定的に支持する。一方、前記背骨部Pの左右両側の前記貫通孔10が形成された領域は、図4に示されるように、図4中の破線で示される自然状態から、利用者の荷重に応じて前記貫通孔10が小さい中心部は小さく、前記貫通孔10が大きい外周部は大きく弾性変形しながら前記利用者を支持する。また、変形された前記ベース部材1は、利用者が下車したり腰を浮かせたりすることで前記荷重が消滅又は減少すると、自身の弾性力により元の形状へと復帰される。
上記のような構成であるから、この例の自転車用サドルにおいては、合成樹脂製のベース部材1に多数の貫通孔10を形成させることにより、ベース部材1に利用者の荷重を安定的に支持し得る剛性と、乗車時の衝撃を吸収し利用者を柔らかく受け止め得るクッション性とを兼備させているため、従来例のように前記ベース部材1にクッション性を有する別部材を積層させる必要がなく、前記ベース部材1を単独でサドル本体として利用することができる。
そのため、前記サドル本体16の構成部材及び製造工程が少なくなるため、従来例のものと比べて前記自転車用サドルの製造時間及び製造費用が大幅に削減される。また、自転車用サドルの重量も軽量化することができる。
この例のものでは、合成樹脂製のベース部材1をサドル本体16として利用しているから、雨天時などに前記自転車用サドルが濡れても、前記サドル本体16内部まで雨水が浸水することがないから表面の水分を拭き取るだけで衣服を濡らすことなく自転車に乗車することができる。そのため、従来例のように、乗車時に雨水が染み出して衣服が濡れるといった不都合や不快感がない。
さらに、前記ベース部材1は合成樹脂材からの一体成形品であるから、従来の多層構造のものと比べて通気性が高く、通気不良によるカビや雑菌の繁殖といった問題も起こらない。また、前記サドル本体16に熱が蓄熱されにくいから、晴天時に屋外に放置してもサドル本体16が熱くなりにくい。
この例のものでは、前記ベース部材1の後方座部12全域に前記貫通孔10が形成されているから、乗車時に前記ベース部材1と接触する臀部や大腿部の通気性が確保されるから、温度の高い夏季や長時間にわたって乗車する場合にもムレにくく乗車感がよい。
この例のものでは、前記貫通孔10は、前記ベース部材1の総面積の45%程度を占めるように形成されおり、前記後方座部12が外周側ほど前記貫通孔が大きくなる蜘蛛の巣状の網目構造となっているから、利用者の荷重や利用者の動作に応じて前記ベース部材1が自然に且つしなやかに弾性変形される。そのため、乗車感が優れていると共に、長時間にわたって乗車する際に利用者にかかる負担が小さい。また、外観も優れている。
前記貫通孔10の形成域の割合は、前記ベース部材1の総面積の33%〜80%の範囲が採用可能であるが、前記サドル本体の強度やクッション性などを考慮すれば、前記総面積の40%〜67%の範囲内に設定するのが最適であると考えられる。
この例のものでは、前記ベース部材1の軸線上に帯状の背骨部Pが形成されているから、乗車時の荷重により前記ベース部材1が前後方向に大きく反ることがない。そのため、利用者が前後方向にその重心を移動させるときも安定的に支持することができる。
また、従来例の外装シート5のような被覆部材が装着されていないから、転倒や経年劣化によって被覆部材が破損されて自転車用サドルの外観や乗車感が損なわれることがなく耐久性が高い。
<実施の形態2>
図5には、小さな貫通孔10と大きな貫通孔100とを合わせて形成したベース部材1を示している。
この例のものも主に競技用自転車に用いられるものであり、前記ベース部材1は、細長い前方座部11と多角形状の後方座部12とから構成されている。前記貫通孔10,100は、前述の実施の形態1と同様に、前記ベース部材1の軸線上に形成された背骨部Pの両側に左右対称となるように形成されている。
前記ベース部材1には、図5に示されるように、前記後方座部12の前方側を中心として、同心状であり且つ放射状に配置される小さな多数の貫通孔10と、前記前方座部11の後方に形成される楕円状の大きな貫通孔100と、前記後方座部の中心部に形成される左右一対の矩形状の大きな貫通孔100とが形成されている。
この例のものでは、前記小さな貫通孔10は、前述の実施の形態1よりも疎らとなるように前記ベース部材1の全域にわたって形成されている。前記大きな貫通孔100は、乗車時の荷重や運転時の動作によって速やかに弾性変形し得るように、運転時の大腿部の動作によって押圧される前記前方座部11の後方部と、乗車時に利用者の荷重が重点的にかかる前記後方座部12の中心部とにそれぞれ形成されている。
このような構成であるから、前記ベース部材1は、乗車時に前記後方座部12にかかる利用者の荷重を受け止めて安定的に支持することができるから乗車感が優れている。また、運転時の動作に対する抵抗が小さく利用者にかかる負担が軽減されるから、長時間にわたって自転車を運転する場合の疲労が少ない。
<実施の形態3>
図6には、前記後方座部12の貫通孔10を前記ベース部材1とは剛性の異なる合成樹脂材によって充填させた構成のベース部材1を示している。
この例のベース部材1も、前述の実施の形態1と同様に、細長い前方座部11と多角形状の後方座部12とから構成されており、前記後方座部12の前方側を中心として、同心状であり且つ放射状に配置される小さな多数の貫通孔10が前記背骨部Pを挟んで対称に形成されている。また、図6に示されるように、前記後方座部12に形成された貫通孔10は、前記ベース部材1よりも柔らかい合成樹脂材からなる充填材6によって閉塞されている。
前記充填材6は、前記ベース部材1と共に弾性変形し得る柔軟性を有する合成樹脂材からなり、前記後方座部12の表面が平らになるように前記貫通孔10に充填されている。
このような構成であるから、前記充填材6の充填によって蜘蛛の巣状の後方座部12の構造強度が向上されるから前記ベース部材1が破損されにくい。そのため、前記充填材6が充填されない構成のベース部材1に比べて、転倒時や荷重に対する耐久性が高い。また、前記後方座部12が凸凹のない滑らかな表面となるから、乗車感も優れている。
この例のものでは、前記後方座部12の貫通孔10を充填材6により閉塞しているから、走行時に地面から跳ね上げられた泥が前記後方座部12の貫通孔10を通って着座した利用者の衣類に付着することも防止できる。
<実施の形態4>
図7及び図8には、前記ベース部材1の貫通孔10を薄肉のシート材17によって被覆させた構成のベース部材1を示している。
この例のベース部材1は、細長い前方座部11と、多角形状の後方座部12と、前記前方座部11の後側から前記後方座部12にわたって被せられたシート材17と、前記船線2を保持するための脚片14,15とから構成されている。
前記ベース部材1には、図7に示されるように、前記後方座部12の前方側を中心として、同心状であり且つ放射状に配置される多数の小さな貫通孔10が前記背骨部Pを挟んで対称に形成されている。
前記シート材17は、前記ベース部材1と同じ合成樹脂材から一体形成された平滑なシートであり、図8(b)に示されるように、表面側の開口部を被覆することで前記貫通孔10を閉塞している。また、前記脚片14,15は、図7及び図8(b)に示されるように、前記ベース部材1の前端及び後端の縁部に一体形成されている。
このような構成であるから、前記シート材17は前記ベース部材1と共に弾性変形されるから、この例の自転車用サドルは、前記シート材17が被覆されない構成のものと同じの剛性及びクッション性を有している。
前記シート材17により乗車時又は運転時に利用者が接触する部分が被覆されているから、前記貫通孔10による凸凹がなく乗車感が優れている。また、前記後方座部12が被覆されているから、前述の実施の形態3と同様に、地面から跳ね上げられた泥が付着して利用者の衣類が汚れることを防止することができる。
この例のものでは、前記脚片14,15を前記ベース部材1の前端及び後端の縁部に連設しているから、実施の形態1のように、前記脚片14,15の連設部が利用者の臀部や大腿部に接触する位置に存在しないから、自転車用サドルの乗車感が優れている。また、前記船線2を保持する前方の脚片14と後方の脚片15との間隔が離れていることにより、前記ベース部材1前後方向の弾性が大きくなるから衝撃吸収性が高い。
*その他
本発明の自転車用サドルは上記の実施の形態に限られるものではない。
前述の実施の形態において、前記後方座部12の貫通孔10は、蜘蛛の巣状の網目構造となるように配列されているが、前記貫通孔10は不規則に形成されるものであっても、クッション性や弾性変形が必要な部分には密に前記貫通孔10を形成させ、他の部分には疎らに前記貫通孔10を形成させるものであってもよい。
前述の実施の形態2においては、乗車時や運転時に重点的に荷重や押圧力がかかる部分に大きな貫通孔100を形成させて容易に弾性変形し得るようにしているが、前記荷重や押圧力が重点的かかる部分の貫通孔10を小さく又は疎らに形成することにより、弾性変形されにくくするものであってもよい。このような構成としたものは、乗車感のよさは多少損なわれるが、利用者の乗車姿勢を安定支持することができるから自転車の運転スピードを上昇させ易い。
前述の実施の形態3においては、充填材6として前記ベース部材1よりも柔らかい合成樹脂材を用いているが、前記ベース部材1よりも硬い合成樹脂材を前記貫通孔10に充填させるものであっても、貫通孔10の位置によって剛性の異なる合成樹脂材を充填させるものであってもよい。また、前記貫通孔10の充填は、実施の形態3のように、構造強度の増加や泥よけを目的として行なわれるだけでなく、前記貫通孔10を適宜充填することにより、利用者の希望や用途に応じた剛性及びクッション性を有するオリジナルの自転車用サドルを作製することもできる。さらに、前記充填材6の色を変化させることにより、デザイン性に富んだ自転車用サドルとすることもできる。
前述の例においては、前記ベース部材1の軸線にそって前記貫通孔10が形成されない帯状の背骨部Pが形成されているが、利用者の荷重を支持し得る剛性を有しさえすれば、前記ベース部材1全域にわたって貫通孔10が均等に形成されるものであってもよい。
本発明実施の形態1における自転車用サドルの斜視図である。 図1の自転車用サドル用いられるベース部材の平面図である。 自転車用サドルの断面図である。 自転車用サドルの荷重による弾性変形を示す説明図である。 本発明実施の形態2の自転車用サドルに用いられるベース部材の平面図である。 本発明実施の形態3の自転車用サドルに用いられるベース部材の平面図である。 本発明実施の形態4の自転車用サドルに用いられるベース部材の裏面図である。 (a)図7のベース部材の側面図である。 (b)図7のA-A断面図である。 従来の自転車用サドルの断面図である。
符号の説明
(1)・・・ベース部材
(10)・・・貫通孔
(11)・・・前方端部
(12)・・・後方座部
(14)(15) ・・・脚片
(16)・・・サドル本体
(17) ・・・シート材
(2)・・・船線
(3)・・・フレーム本体
(4)・・・クッションシート
(5)・・・外装シート
(6) ・・・充填材
(P)・・・背骨部

Claims (8)

  1. サドル本体と前記サドル本体をフレーム本体に取付けるための取付部材とを有する自転車用サドルにおいて、
    前記サドル本体は、荷重の変化に応じて弾性変形し得るように多数の貫通孔が形成されている合成樹脂製のベース部材からなることを特徴とする自転車用サドル。
  2. 請求項1に記載の自転車用サドルにおいて、
    前記ベース部材の総面積の33%以上に前記貫通孔が形成されていることを特徴とする自転車用サドル。
  3. 請求項1又は2に記載の自転車用サドルにおいて、
    前記多数の貫通孔のうち一部の貫通孔には、前記ベース部材とは異なる剛性を有する合成樹脂材が充填されていることを特徴とする自転車用サドル。
  4. 請求項1又は2に記載の自転車用サドルにおいて、
    前記多数の貫通孔のうち一部の貫通孔は、前記ベース部材と一体形成される薄肉のシート材により被覆されていることを特徴とする自転車用サドル。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の自転車用サドルにおいて、
    前記貫通孔は、前記ベース部材が網目状となるように形成されていることを特徴とする自転車用サドル。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の自転車用サドルにおいて、
    前記ベース部材は、後方座部と前記後方座部から前方に突出する細長い前方端部とからなり、
    前記貫通孔は、前記後方座部の略中心部から同心状であり且つ放射状であるように配列され、外周側に向かって徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする自転車用サドル。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の自転車用サドルにおいて、
    前記貫通孔は、前記ベース部材を左右に二等分する軸線近傍には形成されないことを特徴とする自転車用サドル。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の自転車用サドルにおいて、
    前記取付部材は、前記ベース部材の前端及び後端に連設される脚片に保持されていることを特徴とする自転車用サドル。
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