JP2004208483A - 固定子及び固定子の製造方法 - Google Patents

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Hirobumi Shin
博文 新
Takeo Fukuda
武雄 福田
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Abstract

【課題】組立性が良く、コストを低減し製造工程を簡易化することができる固定子及び固定子の製造方法を提供する。
【解決手段】ティース部3は、外周側形状が一方のティース側面13から他方のティース側面12に傾斜した傾斜面6により先端部が鋭角に形成され、前記他方のティース側面12の先端部に凹部8または凸部が設けられ、前記ヨーク部4は、一端側形状が内周側側面15から外周側側面14の方向に傾斜した傾斜面7により先端部が鋭角に形成され、該傾斜面7とは反対側の端面16に係合用凸部9または係合用凹部が設けられ、前記ティース部3と前記ヨーク部4の傾斜面6,7同士を接触させ、前記凹部8または凸部と係合用凸部9または係合用凹部とを係合させて、固定子片同士を連結する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機や発電機等の回転電機に使用される固定子及び固定子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動機や発電機等の回転電機に使用される固定子として、例えば特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1には、固定子コアを形成するティース部と、バックヨーク部等を任意の形状のパーツに分解し、かつ、これらパーツの接合部に切り欠けを設けた形でプレス成形し、プレス後、固定子コアの形状に各パーツを配列して、各接合部の切り欠けを合わせて穴を形成し、穴にリベットを圧入することで形成された固定子についての技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−125518号公報(段落番号[0011]〜[0014]、第4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術においては、前記ティース部とヨーク部とを別々に加工し、組み付ける必要があるため、組立性が悪く、固定子の内外径の真円度の確保が困難であるという問題があった。また、ヨーク部とティース部との各々に別々の金型を制作する必要があり、その分コストがかかり製造工程が複雑化するという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、組立性が良く、コストを低減し製造工程を簡易化することができる固定子及び固定子の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載した発明は、ティース部(例えば、実施の形態におけるティース部3、22)と、ヨーク部(例えば、実施の形態におけるヨーク部4、23)と、両者の先端部同士を連結する連結部(例えば、実施の形態における連結部5、32、41)とを備える略短冊状の鉄心を積層してなる固定子片基材(例えば、実施の形態における固定子片基材1、20、30、40)を、前記連結部を基点にして略L字状に屈曲させて固定子片(例えば、実施の形態における固定子片2、21、31)を形成し、固定子片同士を連結して略円環状に形成される固定子であって、前記ティース部は、外周側形状が一方のティース側面(例えば、実施の形態における側面13)から他方のティース側面(例えば、実施の形態における側面12)に傾斜した傾斜面(例えば、実施の形態における傾斜面6)により先端部が鋭角に形成され、前記他方のティース側面の先端部に凹部(例えば、実施の形態における凹部8)または凸部が設けられ、前記ヨーク部は、一端側形状が内周側側面(例えば、実施の形態における内周側側面15)から外周側側面(例えば、実施の形態における外周側側面14)の方向に傾斜した傾斜面(例えば、実施の形態における傾斜面7)により先端部が鋭角に形成され、該傾斜面とは反対側の端面(例えば、実施の形態における側面16)に係合用凸部(例えば、実施の形態における係合用凸部9)または係合用凹部が設けられ、前記ティース部と前記ヨーク部の傾斜面同士を接触させ、前記凹部または凸部と係合用凸部または係合用凹部とを係合させて、固定子片同士を連結することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、前記固定子片基材を構成する鉄心を、略短冊状に形成するため、前記鉄心を打ち抜き加工により製造する鋼板を無駄なく利用することができ、固定子片基材の製造歩留まりを上げることができる。また、固定子片基材の一方の側縁に前記傾斜面を形成すれば、他方の側縁を略直線上に形成することができるため、製造に用いる金型の形状を簡易化することができる。また、ティース部とヨーク部とが連結部にて連結されているため、ティース部とヨーク部用の金型を共用化することができ、金型の数を減らすことができる。また、ティース部とヨーク部とを一体的に製造することができるため、特別にティース部とヨーク部の厚さを調整することなく、両者の厚さを略等しくすることができる。
【0008】
さらに、前記ティース部とヨーク部の傾斜面同士を接触させるように一度屈曲させるだけで、固定子片を形成できるため、ティース部とヨーク部とを締結させるための締結金具等の締結用部品を用いたり、溶接などの締結用の処理を行う必要がなく、コストを低減でき、製造工程を簡略化することができる。
また、ティース部とヨーク部に形成した傾斜面同士を接触させることで、ティース部とヨーク部間に隙間が生じることを防止でき、これにより、継鉄磁路の断絶を抑制し、磁気抵抗低減によってトルクや出力、運転効率を向上させることができる。
また、固定子片同士を連結する際に、前記ティース部に設けられた凹部または凸部と、前記ヨーク部に設けられた係合用凸部または係合用凹部とを係合させることにより、各固定子片の位置決めを精度よく行うことができ、固定子の真円度を確保することが可能となるとともに、締結力を高めることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明は、ティース部(例えば、実施の形態におけるティース部52)と、ヨーク部(例えば、実施の形態におけるヨーク部53)と、両者の先端部同士を連結する連結部とを備える略短冊状の鉄心を積層してなる固定子片基材(例えば、実施の形態における固定子片基材50)を、前記連結部を基点にして略L字状に屈曲させて固定子片を形成し、固定子片同士を連結して略円環状に形成される固定子であって、前記ティース部は、外周側形状が一方のティース側面(例えば、実施の形態における側面13)から他方のティース側面(例えば、実施の形態における側面12)に傾斜した傾斜面(例えば、実施の形態における傾斜面6)により先端部が鋭角に形成され、前記他方のティース側面にヨーク部位置決め用凸部(例えば、実施の形態における位置決め用凸部54)が設けられ、前記ヨーク部は、一端側形状が内周側側面(例えば、実施の形態における内周側側面15)から外周側側面(例えば、実施の形態における外周側側面14)の方向に傾斜した傾斜面(例えば、実施の形態における傾斜面7)により先端部が鋭角に形成され、前記ティース部と前記ヨーク部の傾斜面同士を接触させて形成される固定子片のヨーク部が、前記固定子片に隣接する固定子片の位置決め用凸部により位置決めされることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に、固定子片基材の製造歩留まりを上げることができ、製造に用いる金型の形状を簡易化することができ、金型の数を減らすことができ、ティース部とヨーク部の厚さを略等しくすることができ、コストを低減でき、製造工程を簡略化することができ、継鉄磁路の断絶を抑制し、磁気抵抗低減によってトルクや出力、運転効率を向上させることができる。また、固定子片同士を連結する際に、固定子のヨーク部を、隣接する固定子片の位置決め用凸部により位置決めすることで、各固定子片の位置決めを精度よく行うことができ、固定子の真円度を確保することが可能となるとともに、締結力を高めることができる。
【0011】
請求項3に記載した発明は、一方の側面に切り欠き(例えば、実施の形態における切り欠き17)が設けられ該切り欠きに対応して他方の側面に連結部(例えば、実施の形態における連結部5)が設けられ該連結部を基点とした一方がティース部(例えば、実施の形態におけるティース部3)とされ他方がヨーク部(例えば、実施の形態におけるヨーク部4)とされた略短冊状の鉄心を積層してなる固定子片基材(例えば、実施の形態における固定子片基材70)を、前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲させて固定子片(例えば、実施の形態における固定子片73)を形成し、固定子片同士を連結して略円環状に形成される固定子であって、前記ティース部は、外周側形状が一方のティース側面(例えば、実施の形態における側面13)から他方のティース側面(例えば、実施の形態における側面12)に傾斜した傾斜面(例えば、実施の形態における傾斜面6)により先端部が鋭角に形成され、前記他方のティース側面の先端部に凹部(例えば、実施の形態における凹部8)または凸部が設けられており、前記ヨーク部は、一端側形状が内周側側面(例えば、実施の形態における内周側側面15)から外周側側面(例えば、実施の形態における外周側側面14)の方向に傾斜した傾斜面(例えば、実施の形態における傾斜面7)により先端部が鋭角に形成され、該傾斜面とは反対側の端面(例えば、実施の形態における側面16)に係合用凸部(例えば、実施の形態における係合用凸部9)または係合用凹部が設けられており、前記固定子片基材は、積層方向の一方側の鉄心群(例えば、実施の形態における第1の鉄心群71)と他方側の鉄心群(例えば、実施の形態における第2の鉄心群72)では前記連結部が互いに反対側の側面に配置されており、この固定子片基材を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲させて固定子片とした状態では、前記各鉄心群毎に前記ティース部と前記ヨーク部の傾斜面同士を接触させ、前記一方側の鉄心群のヨーク部と前記他方側の鉄心群のヨーク部がその先端を互いに離間させる方向に延ばしており、この固定子片同士を連結した状態では、隣り合う固定子片の同一鉄心群同士で前記凹部または凸部と係合用凸部または係合用凹部とを係合させて、前記一方側の鉄心群のヨーク部同士が円環状に連結され前記他方側の鉄心群のヨーク部同士が円環状に連結されて一体化されていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に、固定子片基材の製造歩留まりを上げることができ、製造に用いる金型の形状を簡易化することができ、金型の数を減らすことができ、ティース部とヨーク部の厚さを略等しくすることができ、コストを低減でき、製造工程を簡略化することができる。
また、ティース部とヨーク部に形成した傾斜面同士を接触させることで、継鉄磁路の断絶を抑制し、磁気抵抗を低減することができるだけでなく、隣り合う二つの固定子片においては、隣接する二つの一方側の鉄心群のヨーク部に亘って他方側の鉄心群のヨーク部が積層され、隣接する二つの他方側の鉄心群のヨーク部に亘って一方側の鉄心群のヨーク部が積層されるので、隣り合う固定子片の一方側の鉄心群同士における前記凹部または凸部と係合用凸部または係合用凹部との係合部の周方向両側において鉄心群の積層方向に磁気抵抗の低い磁路が形成され、これによっても磁気抵抗を低減することができる。したがって、磁気抵抗がさらに低減されることによってトルクや出力、運転効率をさらに向上させることができる。また、前記係合部を迂回する磁気抵抗の低い磁路を実現できることから、ヨーク部における径方向の幅寸法を小さくすることができ、固定子の小型・軽量化を図ることができる。
【0013】
請求項4に記載した発明は、前記ティース部(例えば、実施の形態におけるティース部22)またはヨーク部(例えば、実施の形態におけるヨーク部23)の一方の傾斜面に楔用の突起部(例えば、実施の形態における楔部24)を設け、これに係合する他方の傾斜面に、前記楔用の突起部と係合する凹部(例えば、実施の形態における楔部収容凹部25)を設けたことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、固定子片基材を屈曲させて固定子片を形成する際に、前記突起部と凹部とにより、ティース部とヨーク部の締結力を高めることができ、ティース部とヨーク部の密着度合いを高めることにより、磁気抵抗をさらに低減することができ、これによりトルクや出力、運転効率をさらに向上させることができる。また、突起部と前記凹部とを係合させることにより、係合時の応力を分散させることができ、これにより、係合時における固定子片の変形を防止することができる。
【0015】
請求項5に記載した発明は、前記連結部の屈曲方向と反対側側面に凹部(例えば、実施の形態における凹部33、42)を設けることを特徴とする。
この発明によれば、前記連結部を屈曲させた時に、前記連結部が固定子の形成する外周ラインからはみ出すことを防止でき、外周面の均一化を図ることができ、屈曲による磁気抵抗の増加を抑制することができる。
【0016】
請求項6に記載した発明は、前記連結部の屈曲方向側面に凹部(例えば、実施の形態における凹部43)を設けることを特徴とする。
この発明によれば、前記凹部を設けることにより、前記連結部を屈曲させた時に発生する応力を分散することができるため、屈曲時の連結部の外周側の変形を低減することができ、連結部の耐久性を向上させることができる。
【0017】
請求項7に記載した発明は、前記固定子片基材(例えば、実施の形態における固定子片基材1、20、30、40、50)は、前記ティース側面と前記ヨーク部の外周側側面とが略直線状になるように一体的に打ち抜き加工された方向性電磁鋼板を積層した積層鉄心からなることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記固定子片基材の長手方向が一方向性電磁鋼板(一方向のみに磁気抵抗の低い電磁鋼板)の磁気抵抗の低い方向(磁化容易方向)と一致するように前記固定子基材を製造することで、前記固定子基材を屈曲させて形成する固定子片のティース部はその径方向が磁化容易方向となるとともに、ヨーク部はその周方向が磁化容易方向となる。このように、前記固定子片の製造に、一方向性電磁鋼板を用いることができるため、コストの高い二方向性電磁鋼板(90度に直交した二方向に磁気抵抗の低い電磁鋼板)を使用する必要がなくなり、コスト低減を図ることができる。
【0019】
請求項8に記載した発明は、一方の側面に切り欠き(例えば、実施の形態における切り欠き17)が設けられ該切り欠きに対応して他方の側面に連結部(例えば、実施の形態における連結部5、32、41)が設けられ、該連結部を基点とした一方がティース部(例えば、実施の形態におけるティース部3、22)とされ他方がヨーク部(例えば、実施の形態における4、23)とされ、前記切り欠きにより形成される一方のティース側面に対する他方のティース側面の先端部に凹部(例えば、実施の形態における凹部8)または凸部が設けられ、前記ヨーク部の前記切り欠きとは反対側の端面に係合用凸部(例えば、実施の形態における係合用凸部9)または係合用凹部が設けられた略短冊状の鉄心を複数用意し、この鉄心を積層して固定子片基材(例えば、後述する実施の形態における固定子片基材1、20、30、40)とし、この固定子片基材をヨーク部を外側にして放射状に配列し、固定子片基材のティース部間に外側から巻線(例えば、実施の形態における巻線63)を供給して巻装した後、ヨーク部を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲し、前記凹部または凸部と係合用凸部または係合用凹部とを係合させてヨーク部を円環状に連結しティース部間の外周側を閉塞することを特徴とする固定子の製造方法である。
この発明によれば、ティース部とヨーク部とが屈曲前には直線形状であるために、ティース部間に巻線を外周部から巻装することができ、作業負担を低減することができる。
【0020】
請求項9に記載した発明は、一方の側面に切り欠き(例えば、実施の形態における切り欠き17)が設けられ該切り欠きに対応して他方の側面に連結部(例えば、実施の形態における連結部5)が設けられ該連結部を基点とした一方がティース部(例えば、実施の形態におけるティース部3)とされ他方がヨーク部(例えば、実施の形態におけるヨーク部4)とされた略短冊状の鉄心を複数用意し、この鉄心を積層して固定子片基材(例えば、実施の形態における固定子片基材70)とし、その際に、積層方向の一方側の鉄心群(例えば、実施の形態における第1の鉄心群71)と他方側の鉄心群(例えば、実施の形態における第2の鉄心群72)で前記連結部が互いに反対側の側面に位置するように積層し、この固定子片基材をヨーク部を外側にして放射状に配列し、固定子片基材のティース部間に外側から巻線(例えば、実施の形態における巻線63)を供給して巻装した後、前記一方側の鉄心群のヨーク部を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲して円環状に連結し、前記他方側の鉄心群のヨーク部を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲して円環状に連結して、両鉄心群のティース部間の外周側を閉塞することを特徴とする固定子の製造方法である。
この発明によれば、請求項7に記載の発明と同様に、ティース部とヨーク部とが屈曲前には直線形状であるために、ティース部間に巻線を外周部から巻装することができ、作業負担を低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における固定子及び固定子の製造方法を図面と共に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態における固定子片基材1を示す正面図である。同図に示したように、固定子片基材1は、ティース部3と、ヨーク部4と、両者の先端部同士を連結する連結部5と、連結部5の側部に形成された切り欠き17とを備える略短冊状の鉄心を積層してなる。つまり、前記鉄心は、一方の側面に切り欠き17が設けられ、この切り欠き17に対応して他方の側面に連結部5が設けられ、この連結部5を基点とした一方がティース部3とされ、他方がヨーク部4とされている。前記鉄心は、固定子片基材1の断面形状を有する金型を用いて、一方向性電磁鋼板から打ち抜き形成され、この鉄心を所定数積層させて(この場合は図1の紙面に直交する方向に積層させて)、かしめ、溶接等により固定されたものを固定子片基材1としている。
【0022】
また、前記固定子片基材1を構成する鉄心は、その長手方向が一方向性電磁鋼板(一方向のみに磁気抵抗の低い電磁鋼板)の磁気抵抗の低い方向(磁化容易方向)と一致するように打ち抜かれている。このため、固定子片基材1は、その長手方向が磁化容易方向10、11となっている。
【0023】
前記ティース部3は、外周側形状が一方のティース側面13から他方のティース側面12に傾斜した傾斜面6により先端部が鋭角に形成されている。そして、前記他方のティース側面12の先端部に凹部8が設けられている。また、前記ティース部3の基端部先端はその両幅が拡がっており、これにより後述する巻線の係止を行い易くしている。
【0024】
前記ヨーク部4は、その一端側形状が内周側側面15から外周側側面14の方向に傾斜した傾斜面7により先端部が鋭角に形成されている。また、前記内周側側面15と外周側側面14とは、同心円の略円弧状に形成されている。
ヨーク部4の傾斜面7とは反対側の端面16に、係合用凸部9が設けられている。前記係合用凸部9は、前記凹部8に対応する形状となっている。そして、前記連結部5から前記凹部8までの距離Pと、前記外周側側面終端14aから前記係合用凸部9までの距離Qとが等しくなるように設定されている。
そして、ティース部3の傾斜面6とヨーク部4の傾斜面7の間が切り欠き17となっている。
【0025】
図2は図1の固定子片基材1を用いて固定子片2を形成する工程を示す説明図である。同図(a)に示すように、固定子片基材1を、前記連結部5を基点として、傾斜面6、7同士を近づける方向に(この場合はR方向に)屈曲させる。換言すると、連結部5を基点としてヨーク部4を切り欠き17側に屈曲させる。そして、図2(b)に示すように、前記ティース部3と前記ヨーク部4の傾斜面6,7同士を接触させて、略L字状に屈曲させて固定子片2を形成する。同図に示したように、この状態では、ティース部3とヨーク部4の磁化容易方向が略直交している。
【0026】
このように形成した固定子片2同士を連結して、円環状の固定子を形成する。図3は図2の固定子片2を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図である。同図に示したように、固定子片2のヨーク部4の側面16を、隣接する固定子片2のティース部3のティース側面12先端側に当接または圧接していくことで、固定子を形成する。このように、ティース部3とヨーク部4に形成した傾斜面6,7同士を接触させることで、ティース部3とヨーク部4間に隙間が生じることを防止でき、これにより、継鉄磁路の断絶を抑制し、磁気抵抗低減によってトルクや出力、運転効率を向上させることができる。
【0027】
また、上述したように、前記連結部5から前記凹部8までの距離Pと、前記外周側側面終端14aから前記係合用凸部9までの距離Qとが等しくなるように設定されているので、前記係合用凸部9を前記凹部8と係合させることにより、各固定子片2の位置決めを精度よく行うことができ、固定子の真円度を確保することが可能となるとともに、締結力を高めることができる。
【0028】
図15、図16は本発明の第1の実施の形態における固定子片を用いた固定子の製造方法を示す全体説明図である。図15に示したように、ロータ61の外側に円柱状に形成された治具64に、固定子片基材1におけるティース部3の基端部先端を保持させて放射状に配列する。換言すると、固定子片基材1をヨーク部4を外側にして放射状に配列する。そして、巻線(巻装される線材)63を繰り出し可能なノズル62を固定子片基材1の外側から挿入して、ティース部3間に巻線63を巻装する。その後、図16に示したように、ティース部3と連結したヨーク部4を屈曲して円環状に連結し、ティース部3間の外周側を閉塞することで、固定子(この場合はステータ60)を製造することができる。
このようにすると、ティース部3とヨーク部4とが屈曲前には直線形状であるために、ティース部3間に巻線63を外周部から巻装することができ、作業負担を低減することができる。
また、前記巻線63を巻装するノズル62は複数であってもよい。さらに、巻装の仕方としては、ステータ60外周部から複数のノズル62を挿入して巻線63を供給し、複数のティース部3の側面にまたがるようにノズル62を周回させて巻線63を波巻きや重ね巻にしてもよいし、各ティース部3毎に集中的にノズル62を周回させて巻線63を集中巻にしてもよい。
また、第2ないし第5の実施の形態における固定子片基材を用いる場合であっても、図15、16に示したようにして、固定子を製造することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態における固定子は、前記固定子片基材1を構成する鉄心を、略短冊状に形成するため、前記鉄心を打ち抜き加工により製造する鋼板を無駄なく利用することができ、固定子片基材1の製造歩留まりを上げることができる。また、固定子片基材1を略短冊状に形成するため、固定子片基材1の製造に用いる金型の形状を簡易化することができ、ティース部3とヨーク部4用の金型を共用化することができ、金型の数を減らすことができる。また、ティース部3とヨーク部4とを一体的に製造することができるため、特別にティース部3とヨーク部4の厚さを調整することなく、両者の厚さを略等しくすることができる。
【0030】
さらに、前記ティース部3とヨーク部4の傾斜面6,7同士を接触させるように一度屈曲させるだけで、固定子片2を形成できるため、ティース部3とヨーク部4とを締結させるための締結金具等の締結用部品を用いたり、溶接などの締結用の処理を行う必要がなく、コストを低減でき、製造工程を簡略化することができる。
【0031】
また、前記固定子片基材1の長手方向が一方向性電磁鋼板(一方向のみに磁気抵抗の低い電磁鋼板)の磁気抵抗の低い方向(磁化容易方向)と一致するように前記固定子片基材1を製造するため、前記固定子片2のティース部3はその径方向が磁化容易方向10となるとともに、ヨーク部4はその周方向が磁化容易方向11となる。このように、前記固定子片2の製造に、一方向性電磁鋼板を用いることができるため、コストの高い二方向性電磁鋼板(90度に直交した二方向に磁気抵抗の低い電磁鋼板)を使用する必要がなくなり、コスト低減を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、前記ティース側面12に凹部8を、前記ヨーク部4の端面16に係合用凸部9を設けたが、これに限らず、前記ティース側面12に係合用凸部9を、前記ヨーク部4の端面16に凹部8を設けてもよい。
【0032】
図4は本発明の第2の実施の形態における固定子片基材20を示す正面図である。なお、前述した実施の形態と同様の部材には、同一の番号を付してその説明を適宜省略する。同図に示したように、固定子片基材20は、ヨーク部23の傾斜面7に楔部24を設け、これに係合するティース部22の傾斜面6に楔部収容凹部25を設けた点が、上述した実施の形態と異なっている。
図5は図4の固定子片基材20を用いて固定子片21を形成する工程を示す説明図であり、図6は図5の固定子片21を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図であり、それぞれ図2、図3に相当する。これらの図に示したように、固定子片基材20を屈曲させて固定子片21を形成する際に、前記楔部24と楔部収容凹部25とにより、ティース部22とヨーク部23の締結力を高めることができ、ティース部22とヨーク部23の密着度合いを高めることにより、磁気抵抗をさらに低減することができ、これによりトルクや出力、運転効率をさらに向上させることができる。また、楔部24と楔部収容凹部25とを係合させることにより、係合時の応力を分散させることができ、これにより、ティース部22とヨーク部23の係合時における固定子片21の変形を防止することができる。
なお、本実施の形態においては、前記ヨーク部23に楔部24を、前記ティース部22に楔部収容凹部25を設けたが、これに限らず、前記ティース部22に楔部24を、前記ヨーク部23に楔部収容凹部25を設けてもよい。
【0033】
図7は本発明の第3の実施の形態における固定子片基材30を示す正面図である。図8は図7に示す範囲Aの拡大図である。これらの図に示したように、本実施の形態においては、連結部32の屈曲方向と反対側側面に凹部33を設けた点が、上述した実施の形態と異なっている。
図9は図7に示す固定子片基材30を用いて形成される固定子を示す要部説明図である。同図に示したように、前記固定子片基材30を前記連結部32を基点として屈曲させて、固定子片31を形成すると、連結部32がその外周側に張り出す。しかし、上述したように、連結部32の屈曲方向と反対側側面に凹部33を設けているため、固定子片31の連結部32が外周側に張り出しても、その張り出し分を前記凹部33により吸収することができるため、連結部32が固定子の形成する外周ラインからはみ出すことを防止できる。これにより、外周面の均一化を図ることができ、屈曲による磁気抵抗の増加を抑制することができる。
【0034】
図10は本発明の第4の実施の形態における固定子片基材40を示す正面図である。図11は図10に示す範囲Bの拡大図である。これらの図に示したように、本実施の形態においては、前記連結部41の屈曲方向側面に凹部43を設けた点が、上述した実施の形態と異なっている。このように、前記凹部43を設けることにより、前記連結部41を基点として屈曲させて、固定子片を形成する際に発生する応力を前記凹部43にて分散することができる。したがって、屈曲時の連結部41の外周側の変形を低減することができ、連結部41の耐久性を向上させることができる。なお、図10において符号42は、第3の実施の形態における連結部32の凹部33に対応する凹部を示している。
【0035】
図12は本発明の第5の実施の形態における固定子片基材50を示す正面図である。図13は図12の固定子片基材50を用いて固定子片を形成する工程を示す説明図であり、図14は図13の固定子片51を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図であり、それぞれ図2、図3に相当する。これらの図に示したように、本実施の形態においては、ティース部52のティース側面12にヨーク部位置決め用凸部54が設けられ、固定子片51のヨーク部53が、隣接する固定子片51の位置決め用凸部54により位置決めされる点が上述した実施の形態と異なっている。
【0036】
本実施の形態においては、前記ティース部52の連結部5から前記位置決め用凸部54までの距離Uと、前記ヨーク部53の外周側側面終端53aから内周側側面周面53bまでの距離Tとが等しくなるように設定されている。これにより、各固定子片51同士を連結する際に、前記ヨーク部53を前記位置決め用凸部54にて係止させることで、前記ヨーク部53の位置決めを精度よく行うことができ、固定子の真円度を確保することが可能となるとともに、締結力を高めることができる。
なお、この第5の実施の形態における固定子に、第2の実施の形態における楔部24と楔部収容凹部25を設けてもよいし、第3の実施の形態における連結部32の凹部33を設けてもよいし、第4の実施の形態における連結部41の凹部42と屈曲方向側面の凹部43を設けてもよい。
【0037】
図17は本発明の第6の実施の形態における固定子片基材70を示す斜視図である。この固定子片基材70は、第1の実施の形態における固定子片基材1を構成する鉄心と同一構成の鉄心を積層して構成されている。すなわち、図18に示すように、鉄心は、一方の側面に切り欠き17が設けられ、この切り欠き17に対応して他方の側面に連結部5が設けられ、この連結部5を基点とした一方がティース部3とされ、他方がヨーク部4とされている。鉄心のそのほかの構成については、第1の実施の形態における鉄心と同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
なお、この固定子片基材70を構成する鉄心も第1の実施の形態の場合と同様に、固定子片基材70の断面形状を有する金型を用いて、一方向性電磁鋼板から打ち抜き形成されており、鉄心の長手方向が一方向性電磁鋼板の磁気抵抗の低い方向(磁化容易方向)と一致するように打ち抜かれている。このため、固定子片基材70は、その長手方向が磁化容易方向10、11となっている。
【0038】
しかしながら、第6の実施の形態と第1の実施の形態とは次のように相違する。第1の実施の形態の固定子片基材1においては、全ての鉄心の連結部5を同じ側に配置して鉄心を積層させているが、第6の実施の形態の固定子片基材70においては、鉄心の積層方向の一方側の鉄心群(以下、第1の鉄心群という)71と他方側の鉄心群(以下、第2の鉄心群という)72では連結部5が互いに反対側の側面に配置されている。詳述すると、図18に示すように、図中左側側面に連結部5を配置し図中右側側面に切り欠き17を配置した鉄心を積層して第1の鉄心群71を形成し、図中右側側面に連結部5を配置し図中左側側面に切り欠き17を配置した鉄心を積層して第2の鉄心群72を形成し、このようにして形成した第1の鉄心群71に第2の鉄心群72を重ねることにより、図17に示すような固定子片基材70が形成されている。したがって、この固定子片基材70では、第1の鉄心群71の連結部5と第2の鉄心群72の切り欠き17が固定子片基材70における一側面に配置され、第1の鉄心群71の切り欠き17と第2の鉄心群72の連結部5が固定子片基材70における他側面に配置されることとなる。
【0039】
図19は図17の固定子片基材70を用いて固定子片73を形成する工程を示す説明図である。同図(a)に示すように、固定子片基材70における第1の鉄心群71を、連結部5を基点として傾斜面6、7同士を近づける方向に(換言すると、連結部5を基点としてヨーク部4を切り欠き17側に)屈曲させ、図19(b)に示すように、ティース部3とヨーク部4の傾斜面6,7同士を接触させる。この後あるいはこれと同時に、固定子片基材70における第2の鉄心群72を、連結部5を基点として傾斜面6、7同士を近づける方向に(換言すると、連結部5を基点としてヨーク部4を切り欠き17側に)屈曲させ、ティース部3とヨーク部4の傾斜面6,7同士を接触させる。このようにして、図19(b)に示したような、第1の鉄心群71のヨーク部4と第2の鉄心群72のヨーク部4がその先端を互いに離間させる方向に延ばした固定子片73を形成する。
この固定子片73では、第1の鉄心群71、第2の鉄心群72のいずれにおいても、ティース部3とヨーク部4の磁化容易方向が略直交している。
【0040】
このように形成した固定子片73同士を連結して、円環状の固定子を形成する。図20は図19(b)の固定子片73を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図である。同図に示したように、固定子片73の第1の鉄心群71におけるヨーク部4の側面16を、隣接する固定子片73の第1の鉄心群71におけるティース部3のティース側面12先端側に当接または圧接していき、その際に、ヨーク部4の係合用凸部9をティース部3の凹部8に係合させていき、第1の鉄心群71のヨーク部4を円環状に連結していく。同様に、固定子片73の第2の鉄心群72におけるヨーク部4の側面16を、隣接する固定子片73の第2の鉄心群72におけるティース部3のティース側面12先端側に当接または圧接していき、その際に、ヨーク部4の係合用凸部9をティース部3の凹部8に係合させていき、第2の鉄心群72のヨーク部4を円環状に連結していく。このようにして、第1の鉄心群71のヨーク部4同士、及び、第2の鉄心群72のヨーク部4同士がそれぞれ円環状に連結されて一体化された固定子を形成する。
【0041】
このように構成された固定子においては、第1の鉄心群71と第2の鉄心群72のいずれにおいても、ティース部3とヨーク部4に形成した傾斜面6,7同士を接触させることで、ティース部3とヨーク部4間に隙間が生じることを防止でき、これにより、継鉄磁路の断絶を抑制し、磁気抵抗低減によってトルクや出力、運転効率を向上させることができる。
また、第1の鉄心群71と第2の鉄心群72のいずれにおいても、係合用凸部9を凹部8と係合させることにより、各固定子片73の位置決めを精度よく行うことができ、固定子の真円度を確保することが可能となるとともに、締結力を高めることができる。
【0042】
この第6の実施の形態における固定子片73を用いた固定子も第1の実施の形態の固定子と同様な方法で製造することができる。以下、第6の実施の形態における固定子の製造方法を、図15及び図16を援用して説明する。
ロータ61の外側に円柱状に形成された治具64に、固定子片基材1に替えて固定子片基材70を放射状に配列し、ティース部3の基端部先端を保持させる。換言すると、固定子片基材70をヨーク部4を外側にして放射状に配列する。そして、巻線(巻装される線材)63を繰り出し可能なノズル62を固定子片基材70の外側から挿入して、両鉄心群71,72のティース部3間に巻線63を巻装する。その後、鉄心群71,72のそれぞれにおいて、ティース部3と連結したヨーク部4を屈曲して円環状に連結し、図16に示したようにティース部3間の外周側を閉塞することで、固定子(この場合はステータ60)を製造することができる。
このようにすると、ティース部3とヨーク部4とが屈曲前には直線形状であるために、ティース部3間に巻線63を外周部から巻装することができ、作業負担を低減することができる。
また、前記巻線63を巻装するノズル62は複数であってもよい。さらに、巻装の仕方としては、ステータ60外周部から複数のノズル62を挿入して巻線63を供給し、複数のティース部3の側面にまたがるようにノズル62を周回させて巻線63を波巻きや重ね巻にしてもよいし、各ティース部3毎に集中的にノズル62を周回させて巻線63を集中巻にしてもよい。
【0043】
以上説明したように、第6の実施の形態における固定子においては、前記固定子片基材70を構成する第1の鉄心群71における鉄心と第2の鉄心群72における鉄心に全く同じ形状、寸法の鉄心を用いており、その鉄心を略短冊状に形成するため、前記鉄心を打ち抜き加工により製造する鋼板を無駄なく利用することができ、固定子片基材70の製造歩留まりを上げることができる。また、固定子片基材70を略短冊状に形成するため、固定子片基材70の製造に用いる金型の形状を簡易化することができ、ティース部3とヨーク部4用の金型を共用化することができ、金型の数を減らすことができる。また、ティース部3とヨーク部4とを一体的に製造することができるため、特別にティース部3とヨーク部4の厚さを調整することなく、両者の厚さを略等しくすることができる。
【0044】
さらに、第1の鉄心群71と第2の鉄心群72のそれぞれにおいてティース部3とヨーク部4の傾斜面6,7同士を接触させるように一度屈曲させるだけで、固定子片73を形成できるため、ティース部3とヨーク部4とを締結させるための締結金具等の締結用部品を用いたり、溶接などの締結用の処理を行う必要がなく、コストを低減でき、製造工程を簡略化することができる。
【0045】
また、固定子片基材70の長手方向が一方向性電磁鋼板(一方向のみに磁気抵抗の低い電磁鋼板)の磁気抵抗の低い方向(磁化容易方向)と一致するように固定子片基材70を製造するため、固定子片73のティース部3はその径方向が磁化容易方向10となるとともに、ヨーク部4はその周方向が磁化容易方向11となる。このように、前記固定子片73の製造に、一方向性電磁鋼板を用いることができるため、コストの高い二方向性電磁鋼板(90度に直交した二方向に磁気抵抗の低い電磁鋼板)を使用する必要がなくなり、コスト低減を図ることができる。
【0046】
さらに、この固定子片基材70では、例えば第1の鉄心群71においてヨーク部4の係合用凸部9とティース部3の凹部8との係合部において磁気抵抗がやや高くなる傾向があるが、隣り合う二つの固定子片73,73において、互いに隣接する二つの第1の鉄心群71,71のヨーク部4,4に亘って第2の鉄心群72のヨーク部4が積層されているので、図20において破線矢印Fで示されるように、前記係合部が存在する部位の周方向両側では第1の鉄心群71と第2の鉄心群72の積層方向に沿う磁路の方が磁気抵抗が小さくなり、前記係合部を迂回する磁気抵抗の低い磁路が形成される。
したがって、第6の実施の形態の固定子では、第1の鉄心群71のヨーク部4と第2の鉄心群72のヨーク部4を順次接続して形成される磁気抵抗の低い磁路を実現することができる。その結果、第6の実施の形態の固定子によれば、第1の実施の形態の固定子よりも磁気抵抗を低減することができ、トルクや出力、運転効率をさらに向上させることができ、磁気抵抗が低い分だけ第1の実施の形態の固定子よりもヨーク部4の径方向の幅寸法Sを小さくすることができ、固定子の小型・軽量化が可能になる。
【0047】
なお、この第6の実施の形態においても、ティース側面12に係合用凸部9を設け、ヨーク部4の端面16に凹部8を設けてもよい。
また、前述した第2〜第5の実施の形態の固定子片基材20,30,40,50を構成する鉄心を用いて、第1の鉄心群71と第2の鉄心群72を形成し、第6の実施の形態と同様に固定子片基材、固定子片、固定子を形成することもできる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、請求項2、請求項3に記載した発明によれば、固定子片基材の製造歩留まりを上げることができ、製造に用いる金型の形状を簡易化することができ、金型の数を減らすことができ、ティース部とヨーク部の厚さを略等しくすることができ、コストを低減でき、製造工程を簡略化することができ、継鉄磁路の断絶を抑制し、磁気抵抗低減によってトルクや出力、運転効率を向上させることができる。また、固定子の真円度を確保することが可能となるとともに、締結力を高めることができる。
特に、請求項3に記載した発明によれば、固定子の小型・軽量化を図ることができる。
【0049】
請求項4に記載した発明によれば、ティース部とヨーク部の締結力を高めることができ、トルクや出力、運転効率をさらに向上させることができるとともに、係合時における固定子片の変形を防止することができる。
請求項5に記載した発明によれば、外周面の均一化を図ることができ、屈曲による磁気抵抗の増加を抑制することができる。
請求項6に記載した発明によれば、屈曲時の連結部の外周側の変形を低減することができ、連結部の耐久性を向上させることができる。
請求項7に記載した発明によれば、前記固定子片の製造に、一方向性電磁鋼板を用いることができるため、コストの高い二方向性電磁鋼板を使用する必要がなくなり、コスト低減を図ることができる。
請求項8、請求項9に記載した発明によれば、ティース部とヨーク部とが屈曲前には直線形状であるために、ティース部間に巻線を外周部から巻装することができ、作業負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における固定子片基材を示す正面図である。
【図2】図1の固定子片基材を用いて固定子片を形成する工程を示す説明図である。
【図3】図2の固定子片を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における固定子片基材を示す正面図である。
【図5】図4の固定子片基材を用いて固定子片を形成する工程を示す説明図である。
【図6】図5の固定子片を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における固定子片基材を示す正面図である。
【図8】図7に示す範囲Aの拡大図である。
【図9】図7に示す固定子片基材を用いて形成される固定子を示す要部説明図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における固定子片基材を示す正面図である。
【図11】図10に示す範囲Bの拡大図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における固定子片基材を示す正面図である。
【図13】図12の固定子片基材を用いて固定子片を形成する工程を示す説明図である。
【図14】図13の固定子片を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における固定子片を用いた固定子の製造方法を示す全体説明図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における固定子片を用いた固定子の製造方法を示す全体説明図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態における固定子片基材を示す斜視図である。
【図18】図17の固定子片基材の分解斜視図である。
【図19】図17の固定子片基材を用いて固定子片を形成する工程を示す説明図である。
【図20】図19の固定子片を用いて固定子を形成する工程を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1、20、30、40、50、70 固定子片基材
2、21、31、51、73 固定子片
3、22、52 ティース部
4、23、53 ヨーク部
5、32、41 連結部
6、7 傾斜面
8 凹部
9 係合用凸部
12 側面
16 側面
17 切り欠き
24 楔部
25 楔部収容凹部
33、42 凹部
43 凹部
54 位置決め用凸部
63 巻線
71 第1の鉄心群(一方側の鉄心群)
72 第2の鉄心群72(他方側の鉄心群)

Claims (9)

  1. ティース部と、ヨーク部と、両者の先端部同士を連結する連結部とを備える略短冊状の鉄心を積層してなる固定子片基材を、前記連結部を基点にして略L字状に屈曲させて固定子片を形成し、固定子片同士を連結して略円環状に形成される固定子であって、
    前記ティース部は、外周側形状が一方のティース側面から他方のティース側面に傾斜した傾斜面により先端部が鋭角に形成され、前記他方のティース側面の先端部に凹部または凸部が設けられ、
    前記ヨーク部は、一端側形状が内周側側面から外周側側面の方向に傾斜した傾斜面により先端部が鋭角に形成され、該傾斜面とは反対側の端面に係合用凸部または係合用凹部が設けられ、
    前記ティース部と前記ヨーク部の傾斜面同士を接触させ、前記凹部または凸部と係合用凸部または係合用凹部とを係合させて、固定子片同士を連結することを特徴とする固定子。
  2. ティース部と、ヨーク部と、両者の先端部同士を連結する連結部とを備える略短冊状の鉄心を積層してなる固定子片基材を、前記連結部を基点にして略L字状に屈曲させて固定子片を形成し、固定子片同士を連結して略円環状に形成される固定子であって、
    前記ティース部は、外周側形状が一方のティース側面から他方のティース側面に傾斜した傾斜面により先端部が鋭角に形成され、前記他方のティース側面にヨーク部位置決め用凸部が設けられ、
    前記ヨーク部は、一端側形状が内周側側面から外周側側面の方向に傾斜した傾斜面により先端部が鋭角に形成され、
    前記ティース部と前記ヨーク部の傾斜面同士を接触させて形成される固定子片のヨーク部が、前記固定子片に隣接する固定子片の位置決め用凸部により位置決めされることを特徴とする固定子。
  3. 一方の側面に切り欠きが設けられ該切り欠きに対応して他方の側面に連結部が設けられ該連結部を基点とした一方がティース部とされ他方がヨーク部とされた略短冊状の鉄心を積層してなる固定子片基材を、前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲させて固定子片を形成し、固定子片同士を連結して略円環状に形成される固定子であって、
    前記ティース部は、外周側形状が一方のティース側面から他方のティース側面に傾斜した傾斜面により先端部が鋭角に形成され、前記他方のティース側面の先端部に凹部または凸部が設けられており、
    前記ヨーク部は、一端側形状が内周側側面から外周側側面の方向に傾斜した傾斜面により先端部が鋭角に形成され、該傾斜面とは反対側の端面に係合用凸部または係合用凹部が設けられており、
    前記固定子片基材は、積層方向の一方側の鉄心群と他方側の鉄心群では前記連結部が互いに反対側の側面に配置されており、
    この固定子片基材を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲させて固定子片とした状態では、前記各鉄心群毎に前記ティース部と前記ヨーク部の傾斜面同士を接触させ、前記一方側の鉄心群のヨーク部と前記他方側の鉄心群のヨーク部がその先端を互いに離間させる方向に延ばしており、この固定子片同士を連結した状態では、隣り合う固定子片の同一鉄心群同士で前記凹部または凸部と係合用凸部または係合用凹部とを係合させて、前記一方側の鉄心群のヨーク部同士が円環状に連結され前記他方側の鉄心群のヨーク部同士が円環状に連結されて一体化されていることを特徴とする固定子。
  4. 前記ティース部またはヨーク部の一方の傾斜面に楔用の突起部を設け、これに係合する他方の傾斜面に、前記楔用の突起部と係合する凹部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固定子。
  5. 前記連結部の屈曲方向と反対側側面に凹部を設けることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の固定子。
  6. 前記連結部の屈曲方向側面に凹部を設けることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固定子。
  7. 前記固定子片基材は、前記ティース側面と前記ヨーク部の外周側側面とが略直線状になるように一体的に打ち抜き加工された方向性電磁鋼板を積層した積層鉄心からなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固定子。
  8. 一方の側面に切り欠きが設けられ該切り欠きに対応して他方の側面に連結部が設けられ、該連結部を基点とした一方がティース部とされ他方がヨーク部とされ、前記切り欠きにより形成される一方のティース側面に対する他方のティース側面の先端部に凹部または凸部が設けられ、前記ヨーク部の前記切り欠きとは反対側の端面に係合用凸部または係合用凹部が設けられた略短冊状の鉄心を複数用意し、
    この鉄心を積層して固定子片基材とし、
    この固定子片基材をヨーク部を外側にして放射状に配列し、固定子片基材のティース部間に外側から巻線を供給して巻装した後、ヨーク部を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲し、前記凹部または凸部と係合用凸部または係合用凹部とを係合させてヨーク部を円環状に連結しティース部間の外周側を閉塞することを特徴とする固定子の製造方法。
  9. 一方の側面に切り欠きが設けられ該切り欠きに対応して他方の側面に連結部が設けられ該連結部を基点とした一方がティース部とされ他方がヨーク部とされた略短冊状の鉄心を複数用意し、
    この鉄心を積層して固定子片基材とし、その際に、積層方向の一方側の鉄心群と他方側の鉄心群で前記連結部が互いに反対側の側面に位置するように積層し、
    この固定子片基材をヨーク部を外側にして放射状に配列し、固定子片基材のティース部間に外側から巻線を供給して巻装した後、
    前記一方側の鉄心群のヨーク部を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲して円環状に連結し、前記他方側の鉄心群のヨーク部を前記連結部を基点にして前記切り欠き側に屈曲して円環状に連結して、両鉄心群のティース部間の外周側を閉塞することを特徴とする固定子の製造方法。
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