JP2004205794A - 真空体 - Google Patents
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Abstract
【目的】従来の真空体は、表面材として用いる気密面材の製品寸法により真空体の大きさが制限されていたため、気密面材の製品寸法より大きい面積の場合には、複数の真空体を用いる必要があった。そのため、真空体の枠部分や真空体間の隙間により防音性能や断熱性能が低下していた。
気密面材を接合可能にすることにより、必要な大きさの真空体を得ると共に、市販流通資材の利用を可能にする。
【構成】アルミニュウムなどの押し出し成型材を用いて、隣接する気密面材7の端部を嵌合形状12にし、嵌合により複数の気密面材7を接合し、接合部と外周部を粘着テープと粘着材11で封止した真空体6。
【選択図】図2
気密面材を接合可能にすることにより、必要な大きさの真空体を得ると共に、市販流通資材の利用を可能にする。
【構成】アルミニュウムなどの押し出し成型材を用いて、隣接する気密面材7の端部を嵌合形状12にし、嵌合により複数の気密面材7を接合し、接合部と外周部を粘着テープと粘着材11で封止した真空体6。
【選択図】図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建物や船などの床・壁・天井・建具、産業用機械・家庭電気製品・事務機器の防音ケース、道路や軌道の防音壁などに使用する防音と、保冷庫の壁や天井などの断熱に用いる真空体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空体は、表面材として用いる気密面材の製品寸法により真空体の大きさが制限され、製品寸法より大きい面積の場合には、小さな真空体を複数用いる必要があった。そのため、真空体の枠部分や真空体間の隙間により防音性能や断熱性能が低下していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
問題点は、気密面材の製品寸法により、真空体の大きさが制限されることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点に対し、複数の気密面材を用いて接合部を気密接合することにより必要寸法の真空体の製作を可能とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
気密面材に押し出し成型材を用いて隣接する気密面材の端部を嵌合形状とし嵌合する方法、気密面材に硬質板を用いて隣接する気密面材の端部を曲折して接合する方法、気密面材の接合部下部に接合受材を配して気密面材を接合する方法などを用いて気密面材の製品寸法に拘束されない真空体とする。真空度は経時による圧力上昇時に、防音または断熱の性能が低下しない真空域を用いる。
【0006】外周部および気密面材接合部の封止について。封止材である粘着材は塑性変形する未加硫のブチルゴムが望ましいが、耐熱温度や耐油性など使用条件により他のゴム材やプラスチックの粘着材を用いる。粘着材は予め放出ガスを除去してあることが望ましい。
【0007】粘着材の真空層への吸い込み防止には粘着テープ、金属やプラスチックの薄板を用いる。粘着材の表面には他材との接着を防止したり耐候性など使用条件に対応したテープや板を貼る。
【0008】
【実施例】
図1は、複数の気密面材2の接合部3を気密接合して気密面材2の製品寸法より大きな気密面材とし、外周部4を密封して排気口5より内部を真空にした真空体1である。
【0009】図2は、アルミニュウムなどの押し出し成型材を用いて、隣接する気密面材7の端部を嵌合形状12にし、嵌合により複数の気密面材7を接合し、接合部と外周部を粘着テープと粘着材11で封止した真空体6の一部を示す断面斜視図である。
【0010】嵌合部12は気密面材7が気密面材8を囲む形状をしており、気密面材7の規格幅ごとに同様の接合方法を用いて必要な大きさとする。接合部は溝形状になっており、表面を粘着テープ13とガス不透過材15を張った粘着材14で密封している。粘着テープ13は嵌合部に隙間があり粘着材が吸引される場合に用いる。
【0011】外周部は気密面材8を支持する枠材19を配し、枠材19は厚み方向の脚基板18の両端に気密面材8の受け脚と押え脚10からなる挟持脚を、気密面材8と粘着材11の押圧時の厚み分の隙間を設けて一体成形している。封止方法は、図2(b)に示すように枠材19と気密面材8を粘着テープ20や接着材11で粘着材が真空層へ吸引されるのを防止し、粘着材11を気密面材8と押え脚9間に配し押圧して気密面材8に粘着させて密封し気密接合としている。
【0012】嵌合部間には、大気圧荷重による気密面材の撓みを小さくするための補強リブ16が一体成形されている。大気圧荷重により補強リブ16や嵌合部が撓み、相対する同材が接する場合は、ゴム状弾性体17を挟持して音による気密面材の振動や熱伝達を小さくする。尚、嵌合形状は折り曲げによる成型でもよい。
【0013】図3(a)の真空体21は、金属の薄板を用いた気密面材22の端部を曲折して曲折片23とし、隣接する気密面材24の曲折片25と接着や溶接により接合している。
気密面材22の曲折片間は、大気圧荷重による撓み変形を小さくするために曲折片と直交方向に凸形状のリブ26を成形している。
【0014】表裏の気密面材は、曲折片端部と接しないことが望ましいが、支持点間が大きく大気圧荷重により曲折片が撓み、相対する気密面材の凸形状リブと接する場合は、ゴム状弾性体27等を挟持して音による気密面材の振動伝達や熱伝達を小さくする。図3(b)は、曲折片端部28を折り曲げ、重ね合わせて曲折片の曲げ剛性を高めたものである。
【0015】外周部は断面略ユ型の枠材29を用い、上側は気密面材22,24を載せ掛け気密面材の縁端を粘着テープ30で枠材に留付け、下側は枠材29より外側まで延設した気密面材31を用いて真空層の延長面に枠材29を粘着テープで留付けた後、枠材上下のテープの縁端を枠材とともに粘着材37で覆って気密接合している。気密面材の接合部32は、粘着テープ33を覆う保護テープ35を貼った粘着材34を重ね貼りにして封止している。裏面側の気密面材31が真空体の外側まで延設されているので、取付け用孔36を設けることにより容易に取付け箇所への留め付けを可能としている。
【0016】図4(a)の真空体39は、気密面材40に金属の薄板を用い、接合部には受け板42を配して隣接する気密面材41との接合を容易にし、粘着テープ43と粘着テープを覆うガス不透過材45を張った粘着材44により密封している。気密面材の接合端部46は、突合せや重ね合わせにしてもよい。
【0017】気密面材40の外周部と接合部内側に成型した小さな断面の凸形状47は、網目状の間隔保持材を用いた場合、大気圧荷重により気密面材40,41が網目に沿って凸凹になり、それに伴って外周部にしわが発生するが、枠材の近傍を凸形状体47を設けることにより凸形状体47が伸長してしわの発生を防止する。
【0018】ゴム状弾性体の網目材48,49間に金属の網目材50を挟時し、上下のゴム状弾性体の網目材48,49の位置をずらしてゴム状弾性体と金属の個体振動の伝達を小さくしている。
【0019】外周部は枠材51,52が上下に分離しており、脚基板53の片側に挟持脚として気密面材の受け脚54と押え脚55が延設され、気密面材40が挟持されている。封止方法は図2(a)に準じている。
【0020】気密面材の接合は、気密面材端部を隣接する気密面材と巻合わせてもよくその場合は、接着剤などを粘着材の吸引防止材として段差部に塗布して平滑にする。脚基板を分離しているのは受音側から放散音側への音の振動や熱伝達を軽減するためのものである。
【0021】気密面材と接するゴム状弾性体を用い、接触面を幅狭く他端部を幅広くした断面材にして熱伝達を小さくしている。網目形状は矩形、ひし形、ハニカム形など任意である。尚、ゴム状弾性体と金属の網目材の枚数を増やすことにより、異なる防音特性が得られる。
【0022】図5(a)は、気密面材58を真空体57の周囲のみで支持するために金属の薄板を周囲に平面部59を残して中央部を湾曲面60とし、隣接する気密面材61との接合部を撓み防止のための曲折片62を接合して、周囲にゴム状弾性体又は粘着材と硬質板を接合した枠材63を配して密封し、所定の真空体の大きさにしたものである。
【0023】表裏の気密材の接合は、位置をずらし曲折片62,64が接触しないようにしている。真空体の厚みを薄くする場合は、裏面側の湾曲面65を真空層側に向け、曲折片は膨らみ側に曲折する。
【0024】気密面材の接合部は、粘着テープ66で粘着材の真空層への吸引を防止し、防護テープ68を貼った粘着材67を粘着テープの縁端を覆うように貼付け気密接合している。
【0025】図5(b)は、周囲を平面部71として複数の凸形状体73,74を成形し、隣接する気密材側に曲折片72を設けた気密面材70である。平行に成形された複数の凸形状体74の短辺端部75は、隣接する凸形状体73の中央部76で平面となり、長辺の延長上に別の凸形状体を成形している。凸形状体73,74間の平面部76は隣接する両側の凸形状体77,78が撓みを防止して、気密面材70全体の撓みを防止している。
【0026】図6は、両側に平面部81,82のある中央部が波形形状83の気密面材84の平面部81を気密接合して表裏の気密面材を等間隔に対向配置し、外周に「ゴム状弾性体又は粘着材」と硬質板を積層した枠材85を配して密封し、所定の真空体80の大きさにしたものである。
【0027】波形形状は図7のように角波形を用いてもよい。また、硬質板は気密面材を裁断したものを利用することにより容易に製作可能である。接合部の気密接合は図5の真空体と同様の方法を用いる。尚、気密接合部の厚みが問題となる場合は、気密溶接を用いる。
【0028】図7は、金属製の角波形材を気密面材87として表裏に等間隔に対向配置し、外周部に「ゴム状弾性体又は粘着材」と硬質板を積層した枠材88を配して密封し、排気口89より所定の真空圧にした後封止した真空体86である。波形の数を増やして大きな真空体とする場合は、図6と同様の方法で短辺の平面部90を気密接合して所定の寸法とする。尚、図5、図6、図7の真空体の外周枠はゴム状弾性体からなる封止材を用いることも可能である。
【0029】図8(a)は、「ゴム状弾性体又は粘着材」93,95,98と硬質板94,96,97を重ね合わせ、真空体の外周部の枠材や気密面材の中央部に挟持する間隔保持材に用いる制振用の積層材92である。積層材92の両側93,98にはゴム状弾性体又は粘着材を配し、全体では3層以上の複数層にして用いる。
【0030】ゴム状弾性体はシート材を、粘着材は塑性変形する未加硫ゴムの他、ゴム系やアクリル系の粘着弾性体、又はこれらを基材の両面に塗布したテープを用いる。粘着材を用いると大気圧荷重により圧延されて僅かな厚みとなって両側の硬質板又は気密面材に粘着し気密化する。硬質板は金属又はプラスチックを用いる。尚、両側にゴム状弾性体93,98を用いた場合は、気密面材99と気密接合を要するが、その場合は粘着テープ100に保護テープを貼った粘着材101で外周部を密封する。
【0031】図8(b)、図8(c)は、粘着材を用いた場合の積層材の厚みの変化を防止する方法で、硬質材に小さな凸形状物を形成して所定の厚みを確保する。図8(b)は、金属板96に三角形の切込みを入れ起立102させたもの、図8(c)は、金属やプラスチックの硬質板96に凸形状103を成形したものである。尚、凸形状の成形の代わりに小球などのスペーサーを挟持してもよい。
【0032】図9は、基板106の表面に凸状物を成形した硬質板を複数重ねて用いる真空体の外周部の枠材や気密面材の中央部に挟持する間隔保持材に用いる断熱用の積層材105である。
【0033】硬質板には耐熱性のあるプラスチックを用い、形状は独立した凸状物107や連続した凸状物108を間隔を設けて成形し、真空化時の大気圧荷重により基板106が波打たない位置に凸状物を配置する。
【0034】外周部に用いた場合の封止は、表裏の気密面材109と積層材105の側面に粘着テープ110を貼り、粘着テープ110の縁端を覆う表面保護膜を貼った粘着材111を貼っている。このような積層材は、凸状物部分からのみ熱伝達し凸状物間は放射熱による伝達となるため断熱性が良い。
【0035】図10は、気密面材112,113間又は気密面材を支持する耐圧材114,115間に挟持して用いる間隔保持材116に関するものである。図10(a)は、軟鉄のように任意箇所で曲折できる硬質な材料からなる線状材117を包有した断面略円形のゴム状弾性体118からなる間隔保持材116である。ゴム状弾性体118は、中央部に線状材117が貫通する孔が設けられており、線状材117を通して用いる。
【0036】使用方法は気密面材を支持する網目状材間に挟持し、大気圧荷重による網目状材の撓みが略同等となる間隔に曲折して用いる。使用方法により曲折した間隔保持材を交差させて複数用いることによりバネ常数を変えることができる。
【0037】図10(b)は、線状材120の断面に相応した貫通孔のあるゴム状弾性体121に断面矩形の線状材120を貫通し、間隔を設けてゴム状弾性体121を取り付けた間隔保持材119である。断面を矩形にすることにより、曲折方向が材厚の薄い方に曲がりやすいため、全体を同一平面にすることが容易になる。これらの間隔保持材は真空体の大きさや形状、気密材、網目状材の支持間隔等に合わせて、任意の箇所で曲折して用いることができる。
【0038】図10(c)は、相対する柔軟なガス不透過材123,124間に複数のゴム状弾性体125を所定間隔に配設し、周囲126を密封化して内部を減圧した間隔保持材122である。ゴム状弾性体125は配設する間隔と相応して、大気圧荷重による気密材の撓みが表裏で接触しない大きさ、硬さの材料を用いる。
【0039】図11は、金属又はプラスチックの押し出し成型材による枠材126に関するものである。図11(a)は気密面材128の挟持脚129,130の中で押え脚129を鎖線で示すように脚基板127の延長上に延設し、押さえ脚129基部の厚みを薄くしたものである。
【0040】真空体が弾性材を挟持して真空化時に真空体の厚みが不足なる場合は、脚の中央部の厚みを薄くしたり、プラスチックを用いて中央部を軟質材にして脚基板を変形させ、真空体の厚みに追従させる。
【0041】図11(b)は、枠材を分割にして真空体の厚みの変化に対応するもので、挟持脚を3枚135,136,137とし網目状材134などの間隔保持材を挟持する脚136,137と気密面材133を挟持する脚135,136を設けた枠材132である。片側の脚基板138,139を溝形状にし、他側の脚基板140を差し込み嵌合させて用いる。挟持脚135,136の脚基板139との接合部は薄くして曲折し易くしている。
【0042】気密面材の受け脚と脚基板がともに固定されていると、気密面材を差し込みながら枠材の隅を接合する必要があるため、作業が複雑となって作業性が悪い。これに対し、気密面材の押え脚が脚基板の延長上にある場合は、先に枠材を組み、後から気密面材を落とし込み押え脚を曲折するので作業性が改善する。
【0043】図12(a)は、気密面材143の排気口に合わせて底面に排気口144を設けた封止材受材142の真空排気口の封止に関するものである。封止材受材142の底板の中央部の排気口144の周囲には、未加硫ゴムなどの粘着材145の真空層への漏入防止するために下方に環状の漏入防止部146を成型した封止材受材142に、封止用コマ155を挿入して真空封止をしている。尚、環状の漏入防止部146の代わりに硬質材の環状スペーサーを用いてもよい。
【0044】封止材受材142と気密面材143の封止方法は、環状の漏入防止部146の外側に粘着材145又はゴム製のリングを配し、環状のリベット147で気密面材143と封止材受材142を挟持押圧して密封化し、気密接合とする。
【0045】リベット147はアルミニウムなどの柔かい金属からなる円筒形の片側に額縁148が成形されたものを排気口144に差し込み、押圧装置で絞め付けて他端を変形させ額縁149を成形して留付けている。
【0046】封止用コマ155は、金属からなる略円筒材150の外側にゴム製のリング151を嵌めたもので、リング151が封止材受材142の内壁に密接して封止する。保護カバー153は封止用コマ155が外力により脱落するのを防止するためのもので、封止材受材142と螺合して留付けている。尚、気密面材143が金属箔で強度が小さい場合は、補強板154を排気口144の真空層側に配し、リベットで締め付け挟持する。
【0047】図12(b)は、保護カバー157に管材158を接合したもので、真空体の接続や離れた場所にある真空装置に真空体を接続する場合に用いる。保護カバー157と封止材受材159はグランプリ161によりゴム製のリング160を挟持して一体化している。
【0048】図13は、真空体の封止に用いる封止用材163である。封止用材163は厚みの薄い柔らかい金属製パイプ164の内壁に通気が可能なように粘着材165を粘着させている。
【0049】封止用材163は片端部166を真空体に溶接や粘着材で気密接合し、所定の真空圧時に押圧してパイプ164を変形させ、内部の粘着材165がパイプ内部の押圧部全面に粘着して密封化し真空封止する。締め付け部168は、パイプ縁端部を避けて外気側に粘着材溜り167を設けておくことにより、粘着材165の真空層への吸引に対しより安定した封止となる。
【0050】図14は、複数の真空体170を使用場所で接合して用いる場合の方法である。真空体170の外周枠に、フランジ174のある継手管171の片側を溶接などで真空体の枠材172に接合し、他端部を隣接するフランジ174,175間にゴム製のリング状の封止材176を挟持し、クランプ177で締め付けて密封緊結している。
【0051】
【発明の効果】
従来の真空体が気密面材の製品規格の範囲内の大きさに制限されていたのを、気密面材の接合を可能にしたことにより、所望する大きさの真空体にすることが可能となった。その結果、図6や図7のように波型の成型品など一般市販品を切断し、平面部を気密接合する製作方法が可能となった。
【0052】気密面材の片側が枠材から外へ延長されている真空体は、従来の真空体が別部材を用いる必要があるのに対し、支持材へ直接取付けることが可能になった。また、延長部分を折り曲げておくことにより取付け枠として使用することができ、防音壁など吸音材を合わせて用いる場合など、使用上の応用範囲が広い。
【0053】建物の壁面など現場で真空体を組み立てて真空引きすることにより、継ぎ目のない大きな防音壁を作ることができ、高い防音性能が必要な場合にも対応が可能となる。
【0054】粘着材を用いた接合部の封止は汎用材料であり、方法も貼り付けが主作業となるため作用性がよく、コストも安価である。真空排気口の封止方法については、封止材と成型金属板の組み合わせにより真空体の再排気が容易にできるため使用範囲が広がる。
【0055】
断熱に真空体を利用する場合は、枠材を上下に分割したり熱伝導率の低いプラスチックを用いて断熱性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の気密面材からなる真空体の外観斜視図。
【図2】気密面材に押出し成型材を用いた真空体の一部の断面斜視図。
【図3】気密面材を曲折しリブを成形した真空体の一部の断面斜視図。
【図4】気密面材を並列接合した真空体の一部の断面斜視図。
【図5】凸形状体のある気密面材を複数接合した真空体の一部内部を示す外観斜視図
【図6】波形形状の気密面材を接合した真空体の外観斜視図。
【図7】角波形形状の気密面材を用いた真空体の外観斜視図。
【図8】積層材の一部の断面斜視図。
【図9】積層材の一部の断面斜視図。
【図10】間隔保持材および使用例の一部内部を示す外観斜視図。
【図11】枠材の断面図。
【図12】気密面材と封止材受材の気密接合方法を示す断面図。
【図13】封止材の一部内部を示す外観斜視図
【図14】着脱可能な継手により接合された複数の真空体の外観斜視図。
【符号の説明】
1:真空体 2:気密面材 3:接合部
4:外周枠 5:排気口 6:真空体
7:気密面材 8:気密面材 9:押え脚
10:受け脚 11:粘着材 12:嵌合部
13:粘着テープ 14:粘着材 15:ガス不透過材
20:粘着テープ 22:気密面材 25:曲折片
29:枠材 31:気密面材 40:気密面材
42:受け板 47:凸形状体
48:ゴム状弾性体の網目材 50:金属の網目材
51:枠材 58:気密面材 59:平面部
60:湾曲面 63:枠材 73:凸形状体
81:平面部 83:波形形状 84:気密面材
87:角波型材 88:枠材 92:積層材
93:ゴム状弾性体または粘着材 94:硬質板
106:基板 107:凸形状体 117:線状材
118:ゴム状弾性体 120:線状材
121:ゴム状弾性体 123:ガス不透過材 125:ゴム状弾性体
127:脚基板 129:挟持脚 142:封止材受材
144:排気口 145:粘着材 147:環状リベット
155:封止コマ 158:管材 163:封止用材
165:粘着材 171:継手管
【産業上の利用分野】
本発明は、建物や船などの床・壁・天井・建具、産業用機械・家庭電気製品・事務機器の防音ケース、道路や軌道の防音壁などに使用する防音と、保冷庫の壁や天井などの断熱に用いる真空体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空体は、表面材として用いる気密面材の製品寸法により真空体の大きさが制限され、製品寸法より大きい面積の場合には、小さな真空体を複数用いる必要があった。そのため、真空体の枠部分や真空体間の隙間により防音性能や断熱性能が低下していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
問題点は、気密面材の製品寸法により、真空体の大きさが制限されることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点に対し、複数の気密面材を用いて接合部を気密接合することにより必要寸法の真空体の製作を可能とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
気密面材に押し出し成型材を用いて隣接する気密面材の端部を嵌合形状とし嵌合する方法、気密面材に硬質板を用いて隣接する気密面材の端部を曲折して接合する方法、気密面材の接合部下部に接合受材を配して気密面材を接合する方法などを用いて気密面材の製品寸法に拘束されない真空体とする。真空度は経時による圧力上昇時に、防音または断熱の性能が低下しない真空域を用いる。
【0006】外周部および気密面材接合部の封止について。封止材である粘着材は塑性変形する未加硫のブチルゴムが望ましいが、耐熱温度や耐油性など使用条件により他のゴム材やプラスチックの粘着材を用いる。粘着材は予め放出ガスを除去してあることが望ましい。
【0007】粘着材の真空層への吸い込み防止には粘着テープ、金属やプラスチックの薄板を用いる。粘着材の表面には他材との接着を防止したり耐候性など使用条件に対応したテープや板を貼る。
【0008】
【実施例】
図1は、複数の気密面材2の接合部3を気密接合して気密面材2の製品寸法より大きな気密面材とし、外周部4を密封して排気口5より内部を真空にした真空体1である。
【0009】図2は、アルミニュウムなどの押し出し成型材を用いて、隣接する気密面材7の端部を嵌合形状12にし、嵌合により複数の気密面材7を接合し、接合部と外周部を粘着テープと粘着材11で封止した真空体6の一部を示す断面斜視図である。
【0010】嵌合部12は気密面材7が気密面材8を囲む形状をしており、気密面材7の規格幅ごとに同様の接合方法を用いて必要な大きさとする。接合部は溝形状になっており、表面を粘着テープ13とガス不透過材15を張った粘着材14で密封している。粘着テープ13は嵌合部に隙間があり粘着材が吸引される場合に用いる。
【0011】外周部は気密面材8を支持する枠材19を配し、枠材19は厚み方向の脚基板18の両端に気密面材8の受け脚と押え脚10からなる挟持脚を、気密面材8と粘着材11の押圧時の厚み分の隙間を設けて一体成形している。封止方法は、図2(b)に示すように枠材19と気密面材8を粘着テープ20や接着材11で粘着材が真空層へ吸引されるのを防止し、粘着材11を気密面材8と押え脚9間に配し押圧して気密面材8に粘着させて密封し気密接合としている。
【0012】嵌合部間には、大気圧荷重による気密面材の撓みを小さくするための補強リブ16が一体成形されている。大気圧荷重により補強リブ16や嵌合部が撓み、相対する同材が接する場合は、ゴム状弾性体17を挟持して音による気密面材の振動や熱伝達を小さくする。尚、嵌合形状は折り曲げによる成型でもよい。
【0013】図3(a)の真空体21は、金属の薄板を用いた気密面材22の端部を曲折して曲折片23とし、隣接する気密面材24の曲折片25と接着や溶接により接合している。
気密面材22の曲折片間は、大気圧荷重による撓み変形を小さくするために曲折片と直交方向に凸形状のリブ26を成形している。
【0014】表裏の気密面材は、曲折片端部と接しないことが望ましいが、支持点間が大きく大気圧荷重により曲折片が撓み、相対する気密面材の凸形状リブと接する場合は、ゴム状弾性体27等を挟持して音による気密面材の振動伝達や熱伝達を小さくする。図3(b)は、曲折片端部28を折り曲げ、重ね合わせて曲折片の曲げ剛性を高めたものである。
【0015】外周部は断面略ユ型の枠材29を用い、上側は気密面材22,24を載せ掛け気密面材の縁端を粘着テープ30で枠材に留付け、下側は枠材29より外側まで延設した気密面材31を用いて真空層の延長面に枠材29を粘着テープで留付けた後、枠材上下のテープの縁端を枠材とともに粘着材37で覆って気密接合している。気密面材の接合部32は、粘着テープ33を覆う保護テープ35を貼った粘着材34を重ね貼りにして封止している。裏面側の気密面材31が真空体の外側まで延設されているので、取付け用孔36を設けることにより容易に取付け箇所への留め付けを可能としている。
【0016】図4(a)の真空体39は、気密面材40に金属の薄板を用い、接合部には受け板42を配して隣接する気密面材41との接合を容易にし、粘着テープ43と粘着テープを覆うガス不透過材45を張った粘着材44により密封している。気密面材の接合端部46は、突合せや重ね合わせにしてもよい。
【0017】気密面材40の外周部と接合部内側に成型した小さな断面の凸形状47は、網目状の間隔保持材を用いた場合、大気圧荷重により気密面材40,41が網目に沿って凸凹になり、それに伴って外周部にしわが発生するが、枠材の近傍を凸形状体47を設けることにより凸形状体47が伸長してしわの発生を防止する。
【0018】ゴム状弾性体の網目材48,49間に金属の網目材50を挟時し、上下のゴム状弾性体の網目材48,49の位置をずらしてゴム状弾性体と金属の個体振動の伝達を小さくしている。
【0019】外周部は枠材51,52が上下に分離しており、脚基板53の片側に挟持脚として気密面材の受け脚54と押え脚55が延設され、気密面材40が挟持されている。封止方法は図2(a)に準じている。
【0020】気密面材の接合は、気密面材端部を隣接する気密面材と巻合わせてもよくその場合は、接着剤などを粘着材の吸引防止材として段差部に塗布して平滑にする。脚基板を分離しているのは受音側から放散音側への音の振動や熱伝達を軽減するためのものである。
【0021】気密面材と接するゴム状弾性体を用い、接触面を幅狭く他端部を幅広くした断面材にして熱伝達を小さくしている。網目形状は矩形、ひし形、ハニカム形など任意である。尚、ゴム状弾性体と金属の網目材の枚数を増やすことにより、異なる防音特性が得られる。
【0022】図5(a)は、気密面材58を真空体57の周囲のみで支持するために金属の薄板を周囲に平面部59を残して中央部を湾曲面60とし、隣接する気密面材61との接合部を撓み防止のための曲折片62を接合して、周囲にゴム状弾性体又は粘着材と硬質板を接合した枠材63を配して密封し、所定の真空体の大きさにしたものである。
【0023】表裏の気密材の接合は、位置をずらし曲折片62,64が接触しないようにしている。真空体の厚みを薄くする場合は、裏面側の湾曲面65を真空層側に向け、曲折片は膨らみ側に曲折する。
【0024】気密面材の接合部は、粘着テープ66で粘着材の真空層への吸引を防止し、防護テープ68を貼った粘着材67を粘着テープの縁端を覆うように貼付け気密接合している。
【0025】図5(b)は、周囲を平面部71として複数の凸形状体73,74を成形し、隣接する気密材側に曲折片72を設けた気密面材70である。平行に成形された複数の凸形状体74の短辺端部75は、隣接する凸形状体73の中央部76で平面となり、長辺の延長上に別の凸形状体を成形している。凸形状体73,74間の平面部76は隣接する両側の凸形状体77,78が撓みを防止して、気密面材70全体の撓みを防止している。
【0026】図6は、両側に平面部81,82のある中央部が波形形状83の気密面材84の平面部81を気密接合して表裏の気密面材を等間隔に対向配置し、外周に「ゴム状弾性体又は粘着材」と硬質板を積層した枠材85を配して密封し、所定の真空体80の大きさにしたものである。
【0027】波形形状は図7のように角波形を用いてもよい。また、硬質板は気密面材を裁断したものを利用することにより容易に製作可能である。接合部の気密接合は図5の真空体と同様の方法を用いる。尚、気密接合部の厚みが問題となる場合は、気密溶接を用いる。
【0028】図7は、金属製の角波形材を気密面材87として表裏に等間隔に対向配置し、外周部に「ゴム状弾性体又は粘着材」と硬質板を積層した枠材88を配して密封し、排気口89より所定の真空圧にした後封止した真空体86である。波形の数を増やして大きな真空体とする場合は、図6と同様の方法で短辺の平面部90を気密接合して所定の寸法とする。尚、図5、図6、図7の真空体の外周枠はゴム状弾性体からなる封止材を用いることも可能である。
【0029】図8(a)は、「ゴム状弾性体又は粘着材」93,95,98と硬質板94,96,97を重ね合わせ、真空体の外周部の枠材や気密面材の中央部に挟持する間隔保持材に用いる制振用の積層材92である。積層材92の両側93,98にはゴム状弾性体又は粘着材を配し、全体では3層以上の複数層にして用いる。
【0030】ゴム状弾性体はシート材を、粘着材は塑性変形する未加硫ゴムの他、ゴム系やアクリル系の粘着弾性体、又はこれらを基材の両面に塗布したテープを用いる。粘着材を用いると大気圧荷重により圧延されて僅かな厚みとなって両側の硬質板又は気密面材に粘着し気密化する。硬質板は金属又はプラスチックを用いる。尚、両側にゴム状弾性体93,98を用いた場合は、気密面材99と気密接合を要するが、その場合は粘着テープ100に保護テープを貼った粘着材101で外周部を密封する。
【0031】図8(b)、図8(c)は、粘着材を用いた場合の積層材の厚みの変化を防止する方法で、硬質材に小さな凸形状物を形成して所定の厚みを確保する。図8(b)は、金属板96に三角形の切込みを入れ起立102させたもの、図8(c)は、金属やプラスチックの硬質板96に凸形状103を成形したものである。尚、凸形状の成形の代わりに小球などのスペーサーを挟持してもよい。
【0032】図9は、基板106の表面に凸状物を成形した硬質板を複数重ねて用いる真空体の外周部の枠材や気密面材の中央部に挟持する間隔保持材に用いる断熱用の積層材105である。
【0033】硬質板には耐熱性のあるプラスチックを用い、形状は独立した凸状物107や連続した凸状物108を間隔を設けて成形し、真空化時の大気圧荷重により基板106が波打たない位置に凸状物を配置する。
【0034】外周部に用いた場合の封止は、表裏の気密面材109と積層材105の側面に粘着テープ110を貼り、粘着テープ110の縁端を覆う表面保護膜を貼った粘着材111を貼っている。このような積層材は、凸状物部分からのみ熱伝達し凸状物間は放射熱による伝達となるため断熱性が良い。
【0035】図10は、気密面材112,113間又は気密面材を支持する耐圧材114,115間に挟持して用いる間隔保持材116に関するものである。図10(a)は、軟鉄のように任意箇所で曲折できる硬質な材料からなる線状材117を包有した断面略円形のゴム状弾性体118からなる間隔保持材116である。ゴム状弾性体118は、中央部に線状材117が貫通する孔が設けられており、線状材117を通して用いる。
【0036】使用方法は気密面材を支持する網目状材間に挟持し、大気圧荷重による網目状材の撓みが略同等となる間隔に曲折して用いる。使用方法により曲折した間隔保持材を交差させて複数用いることによりバネ常数を変えることができる。
【0037】図10(b)は、線状材120の断面に相応した貫通孔のあるゴム状弾性体121に断面矩形の線状材120を貫通し、間隔を設けてゴム状弾性体121を取り付けた間隔保持材119である。断面を矩形にすることにより、曲折方向が材厚の薄い方に曲がりやすいため、全体を同一平面にすることが容易になる。これらの間隔保持材は真空体の大きさや形状、気密材、網目状材の支持間隔等に合わせて、任意の箇所で曲折して用いることができる。
【0038】図10(c)は、相対する柔軟なガス不透過材123,124間に複数のゴム状弾性体125を所定間隔に配設し、周囲126を密封化して内部を減圧した間隔保持材122である。ゴム状弾性体125は配設する間隔と相応して、大気圧荷重による気密材の撓みが表裏で接触しない大きさ、硬さの材料を用いる。
【0039】図11は、金属又はプラスチックの押し出し成型材による枠材126に関するものである。図11(a)は気密面材128の挟持脚129,130の中で押え脚129を鎖線で示すように脚基板127の延長上に延設し、押さえ脚129基部の厚みを薄くしたものである。
【0040】真空体が弾性材を挟持して真空化時に真空体の厚みが不足なる場合は、脚の中央部の厚みを薄くしたり、プラスチックを用いて中央部を軟質材にして脚基板を変形させ、真空体の厚みに追従させる。
【0041】図11(b)は、枠材を分割にして真空体の厚みの変化に対応するもので、挟持脚を3枚135,136,137とし網目状材134などの間隔保持材を挟持する脚136,137と気密面材133を挟持する脚135,136を設けた枠材132である。片側の脚基板138,139を溝形状にし、他側の脚基板140を差し込み嵌合させて用いる。挟持脚135,136の脚基板139との接合部は薄くして曲折し易くしている。
【0042】気密面材の受け脚と脚基板がともに固定されていると、気密面材を差し込みながら枠材の隅を接合する必要があるため、作業が複雑となって作業性が悪い。これに対し、気密面材の押え脚が脚基板の延長上にある場合は、先に枠材を組み、後から気密面材を落とし込み押え脚を曲折するので作業性が改善する。
【0043】図12(a)は、気密面材143の排気口に合わせて底面に排気口144を設けた封止材受材142の真空排気口の封止に関するものである。封止材受材142の底板の中央部の排気口144の周囲には、未加硫ゴムなどの粘着材145の真空層への漏入防止するために下方に環状の漏入防止部146を成型した封止材受材142に、封止用コマ155を挿入して真空封止をしている。尚、環状の漏入防止部146の代わりに硬質材の環状スペーサーを用いてもよい。
【0044】封止材受材142と気密面材143の封止方法は、環状の漏入防止部146の外側に粘着材145又はゴム製のリングを配し、環状のリベット147で気密面材143と封止材受材142を挟持押圧して密封化し、気密接合とする。
【0045】リベット147はアルミニウムなどの柔かい金属からなる円筒形の片側に額縁148が成形されたものを排気口144に差し込み、押圧装置で絞め付けて他端を変形させ額縁149を成形して留付けている。
【0046】封止用コマ155は、金属からなる略円筒材150の外側にゴム製のリング151を嵌めたもので、リング151が封止材受材142の内壁に密接して封止する。保護カバー153は封止用コマ155が外力により脱落するのを防止するためのもので、封止材受材142と螺合して留付けている。尚、気密面材143が金属箔で強度が小さい場合は、補強板154を排気口144の真空層側に配し、リベットで締め付け挟持する。
【0047】図12(b)は、保護カバー157に管材158を接合したもので、真空体の接続や離れた場所にある真空装置に真空体を接続する場合に用いる。保護カバー157と封止材受材159はグランプリ161によりゴム製のリング160を挟持して一体化している。
【0048】図13は、真空体の封止に用いる封止用材163である。封止用材163は厚みの薄い柔らかい金属製パイプ164の内壁に通気が可能なように粘着材165を粘着させている。
【0049】封止用材163は片端部166を真空体に溶接や粘着材で気密接合し、所定の真空圧時に押圧してパイプ164を変形させ、内部の粘着材165がパイプ内部の押圧部全面に粘着して密封化し真空封止する。締め付け部168は、パイプ縁端部を避けて外気側に粘着材溜り167を設けておくことにより、粘着材165の真空層への吸引に対しより安定した封止となる。
【0050】図14は、複数の真空体170を使用場所で接合して用いる場合の方法である。真空体170の外周枠に、フランジ174のある継手管171の片側を溶接などで真空体の枠材172に接合し、他端部を隣接するフランジ174,175間にゴム製のリング状の封止材176を挟持し、クランプ177で締め付けて密封緊結している。
【0051】
【発明の効果】
従来の真空体が気密面材の製品規格の範囲内の大きさに制限されていたのを、気密面材の接合を可能にしたことにより、所望する大きさの真空体にすることが可能となった。その結果、図6や図7のように波型の成型品など一般市販品を切断し、平面部を気密接合する製作方法が可能となった。
【0052】気密面材の片側が枠材から外へ延長されている真空体は、従来の真空体が別部材を用いる必要があるのに対し、支持材へ直接取付けることが可能になった。また、延長部分を折り曲げておくことにより取付け枠として使用することができ、防音壁など吸音材を合わせて用いる場合など、使用上の応用範囲が広い。
【0053】建物の壁面など現場で真空体を組み立てて真空引きすることにより、継ぎ目のない大きな防音壁を作ることができ、高い防音性能が必要な場合にも対応が可能となる。
【0054】粘着材を用いた接合部の封止は汎用材料であり、方法も貼り付けが主作業となるため作用性がよく、コストも安価である。真空排気口の封止方法については、封止材と成型金属板の組み合わせにより真空体の再排気が容易にできるため使用範囲が広がる。
【0055】
断熱に真空体を利用する場合は、枠材を上下に分割したり熱伝導率の低いプラスチックを用いて断熱性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の気密面材からなる真空体の外観斜視図。
【図2】気密面材に押出し成型材を用いた真空体の一部の断面斜視図。
【図3】気密面材を曲折しリブを成形した真空体の一部の断面斜視図。
【図4】気密面材を並列接合した真空体の一部の断面斜視図。
【図5】凸形状体のある気密面材を複数接合した真空体の一部内部を示す外観斜視図
【図6】波形形状の気密面材を接合した真空体の外観斜視図。
【図7】角波形形状の気密面材を用いた真空体の外観斜視図。
【図8】積層材の一部の断面斜視図。
【図9】積層材の一部の断面斜視図。
【図10】間隔保持材および使用例の一部内部を示す外観斜視図。
【図11】枠材の断面図。
【図12】気密面材と封止材受材の気密接合方法を示す断面図。
【図13】封止材の一部内部を示す外観斜視図
【図14】着脱可能な継手により接合された複数の真空体の外観斜視図。
【符号の説明】
1:真空体 2:気密面材 3:接合部
4:外周枠 5:排気口 6:真空体
7:気密面材 8:気密面材 9:押え脚
10:受け脚 11:粘着材 12:嵌合部
13:粘着テープ 14:粘着材 15:ガス不透過材
20:粘着テープ 22:気密面材 25:曲折片
29:枠材 31:気密面材 40:気密面材
42:受け板 47:凸形状体
48:ゴム状弾性体の網目材 50:金属の網目材
51:枠材 58:気密面材 59:平面部
60:湾曲面 63:枠材 73:凸形状体
81:平面部 83:波形形状 84:気密面材
87:角波型材 88:枠材 92:積層材
93:ゴム状弾性体または粘着材 94:硬質板
106:基板 107:凸形状体 117:線状材
118:ゴム状弾性体 120:線状材
121:ゴム状弾性体 123:ガス不透過材 125:ゴム状弾性体
127:脚基板 129:挟持脚 142:封止材受材
144:排気口 145:粘着材 147:環状リベット
155:封止コマ 158:管材 163:封止用材
165:粘着材 171:継手管
Claims (19)
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルにおいて、該気密面材が複数の気密面材を気密接合してなる真空体。
- 隣接する側の気密面材の端部を「嵌合形状又は曲折形状」とした請求項1の気密面材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルにおいて、「周囲が平面で中央部に凸形状を設けた成形材、又は相対する両端部が平面で中央部が波形の成形材」が気密面材である請求項1の真空体。
- 複数の気密面材の接合において、隣接する気密面材との隙間を粘着テープで覆って粘着材の真空層への吸引を防止し、該粘着テープの周縁を粘着材で覆って隣接する気密面材間を密封した請求項1の気密接合方法。
- 表裏の気密面材に金属箔を用いた気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの変形防止において、気密面材に凸形状部を成形し、真空排気時の気密面材の変形に該凸形状部が変形して真空体の変形を防止する方法。
- 表裏の気密面材に金属箔を用いた気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの変形防止において、気密面材と外周枠の留付けに伸長性のある粘着テープを用い、真空排気時の気密面材の変形に該粘着テープが伸長して真空体の変形を防止する方法。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルにおいて、外周部を封止する粘着材が表側の気密面材とは外面に、裏側の気密面材とは真空層の延長面に粘着して封止することを特徴とする真空体。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの気密面材において、平行に複数成形した凸形状体の短辺端部が、隣接する凸形状体の長辺中央部に隣接するように配列した気密面材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルにおいて、気密面材に断面が波形の成形材を用い、該波形の成形材が等間隔に対向配置されたことを特徴とする真空体。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの間隔保持材において、空隙の形成にゴム状弾性体からなる網目状材と金属の網目状材を用い、金属の網目状材の両面をゴム状弾性体の網目状材が挟持し、該気密面材とゴム状弾性体の網目状材が接することを特徴とする間隔保持材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルにおいて、空隙を設ける材が「ゴム状弾性体又は粘着材」と硬質板を交互に重ね合わせたことを特徴とする積層材。
- 「粘着材内にスペーサーを挟持、または硬質板に凸形状部を設けて」粘着材を所定の厚さにする請求項11の積層材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルにおいて、空隙を設ける材が表面に複数の突起物を設けた硬質板を重ね合わせたことを特徴とする積層材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの間隔保持材において、ゴム状弾性体内に硬質で塑性変形する線状材を包有し、該線状材が曲折形状を保持すること特徴とする間隔保持材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの間隔保持材において、相対する柔軟なガス不透過材間に複数のゴム状弾性体を所定間隔に配し、周囲を密封して内部を減圧したことを特徴とする間隔保持材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの枠材において、外周に沿って配する脚基板の少なくとも片側端部に直交方向に真空体の構成材を挟持する複数の挟持脚を延設した枠材。
- 挟持脚の脚基板との接合部が回転する請求項16の枠材。
- 表裏の気密面材間に空隙を設け外周部を封止して内部を真空にしたパネルの封止において、気密面材の真空排気口に合わせて用いる封止材受材の排気口の外側に粘着材またはゴム状弾性体を環状に配し、環状リベットで気密面材と封止材受材を押圧挟持して気密接合する封止材受材または接続用材の封止方法。
- 真空封止において粘着材を内壁の一部に粘着させた金属製パイプからなる真空封止材の片端部を真空体に気密接合し、所定の真空圧時に押圧して該パイプの内壁と内壁が略接触するまで変形させ、該粘着材がパイプ内部に粘着して気密化する真空封止方法。
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