JP4096981B2 - 複層ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、遮音性能を高めるために共鳴用部材を介装した複層ガラスに関する。
複層ガラスは、一般に2枚の板ガラスをスペーサを介して隔置し、中空層を形成して周縁部を封着したものである。スペーサは矩形の複層ガラスの場合、板ガラスの4辺の周縁部に配置される。スペーサの両側面が一次シールにより板ガラスに接着され、外縁側が二次シールで封止される。室内外の遮音性能を高めるために、ヘルムホルツ共鳴器を板ガラス間に介装させた複層ガラスの遮音構造が特許文献1に記載されている。この遮音構造は、板ガラスの周縁部に所定間隔で貫通した小孔を有する棒状の共鳴用部材を配し、共鳴用部材とスペーサとの間に空気層部を有する吸音部を配してヘルムホルツ共鳴器を形成するものである。このとき、所望の共鳴周波数が得られるように共鳴用部材の位置や小孔の間隔及び長さ等が設定される。この共鳴用部材は、板ガラス周縁部のスペーサに沿ってこれと平行にスペーサから間隔を隔ててスペーサの内縁側の両板ガラス間に配設される。
この共鳴用部材は接着剤等の接着層を介して板ガラス間に介装される。これにより、共鳴用部材が保持される。適正な位置に共鳴用部材を配することにより最適な共鳴作用を得ることができ、遮音性能を確実に高められる。このような複層ガラスの中空層は、温度変化があると内圧変化が生じて膨張あるいは収縮する。これに応じて板ガラスが撓むため、共鳴用部材と板ガラス間の接着層も伸縮する。この伸縮動作が繰り返されると、接着層の一部が板ガラスから剥がれ、接着層と板ガラス間に気泡が生じ、見栄えの悪化が生じるとともに共鳴特性が変化し、遮音性能が低下する。
この不具合を解消するものとして、共鳴用部材とスペーサとの間に共鳴用部材をスペーサに対し所定間隔を隔てて支持するための支持脚を共鳴用部材の長手方向にスライド可能に取付けた複層ガラスの遮音構造が特許文献2に開示されている。しかし、特許文献2に記載された遮音構造では、特にテラス窓などの大サイズの開口部に適用した場合、共鳴用部材が長尺となってその自重による撓みが無視できなくなり、間欠的に設けた支持脚のみでは共鳴用部材を真直に保持するのが困難なため、外観上好ましくない。
一方、遮音構造とは全く関係ないが、板ガラスとプラスチック板間に介在物を内装した複層ガラスが特許文献3に記載されている。この複層ガラスは、複数本の縦格子として介在物を内装し、板ガラスとプラスチック板との結合強度を安定して保持したものである。しかし、特許文献3の複層ガラスでは、板ガラスとプラスチック板間に介装される複数本の介在物が複層ガラスを通しての視認性に影響を与えるおそれがあり、違和感を覚えさせる。
特開2003−63844号公報 特開2005−104764号公報 特開平11−166373号公報
本発明は、温度変化により複層ガラスの中空層が膨張、収縮しても共鳴用部材による遮音性能が安定して得られるとともに、共鳴用部材の接着層と板ガラスとの間に気泡や剥離が生じることがなく複層ガラスとしての見栄えの悪化を防止し得る複層ガラスの提供を目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために種々検討した結果、板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部と板ガラスとの接触状態に着目し、板ガラス表面における共鳴用部材と板ガラスとの接着界面の状態を制御することにより、遮音性能が安定して得られるとともに、共鳴用部材の接着層と板ガラスとの間に気泡や剥離が生じることがなく複層ガラスとしての見栄えの悪化を防止し得る複層ガラスが得られることを見出し得られたものである。すなわち、本発明は以下の複層ガラスを提供する。
請求項1の発明では、板ガラスの周縁に配設したスペーサにより所定間隔を隔て、中空層が形成されるように複層化した少なくとも2枚の板ガラス間に板ガラスの周縁でかつ前記スペーサと平行に共鳴用部材を介装した複層ガラスであって、前記2枚の板ガラスのうち第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第1の板ガラスに接着され、前記2枚の板ガラスのうち第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第2の板ガラスと気密状態で接触し、かつ該第2の板ガラスに対し非接着であり、前記第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は、非接着性加工により仕上げられた非接着面が接着層を介して設けられることを特徴とする複層ガラスを提供する。
請求項2の発明では、板ガラスの周縁に配設したスペーサにより所定間隔を隔て、中空層が形成されるように複層化した少なくとも2枚の板ガラス間に板ガラスの周縁でかつ前記スペーサと平行に共鳴用部材を介装した複層ガラスであって、前記2枚の板ガラスのうち第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第1の板ガラスに接着され、前記2枚の板ガラスのうち第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第2の板ガラスと気密状態で接触し、かつ該第2の板ガラスに対し非接着であり、前記第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部に弾性部材が備わり、前記弾性部材に接する前記共鳴用部材の面が凸状に湾曲していることを特徴とする複層ガラスを提供する
請求項3の発明では、請求項1、又は2の発明において、前記第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は、該第1の板ガラスに固着されることにより接着されてなることを特徴としている。
本明細書において接着とは、固着と粘着を含む。ここで、固着とは、接着剤が固化して剥がすことができないように2つの面が一体結合した状態をさし、永久接着ともいう。これに対して、粘着とは、2つの面が一時的に結合した状態であって、剥がすことが可能でかつ剥がした後再び結合できる状態をさし、一時接着ともいう。
請求項4の発明では、請求項1、又は2の発明において、前記第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は、該第1の板ガラスに粘着されることにより接着されてなることを特徴としている。
本明細書において固着とは、構造接着と構造接着ほど強くない永久接着を含む。ここで、構造接着とは、恒久的な結合と高強度の保持を必要とするものであり、構造部材を接合し、その材料が受ける特定の外力に対し材料と同等、又はそれ以上に耐える接着剤で、接合部位は構造物と一体をなす構成単位になるもので、種々の環境にさらされた場合に、構造材料と同等の耐久性を保つ接着剤を用いて接着するものである。
請求項1の発明によれば、第1の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部は第1の板ガラスに接着され、第2の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部は第2の板ガラスと気密状態で接触し、かつ第2の板ガラスに対し非接着である。このため、共鳴用部材は第1の板ガラスにのみ接着されるので、接着作業が片面だけで済み作業性に優れる。また、第2の板ガラスに対し非接着とされる共鳴用部材における対向部は、板ガラスに接触した状態のまま、位置が移動可能であり、また、弾性的に接触していれば、その押圧力が可変となる。したがって、第2の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部も第2の板ガラスに接着した場合と比較して、温度変化により複層ガラスの中空層が膨張して板ガラスが撓んでも、これに応じて第1の板ガラスと接着される共鳴用部材における対向部側の接着層が外部からの力で引っ張られて伸長することを防止する。このため、板ガラスへの応力負担が小さくなり、また、接着層に無理な力が働かず、接着層の一部が剥がれて気泡が生じ、複層ガラスとしての見栄えの悪化が生じることはない。
共鳴用部材が2枚の板ガラスに接触した状態は、共鳴用部材自体の弾性によって、又は共鳴用部材が弾性を持たない場合にはその板ガラス間への組込み状態によって得られる。すなわち、共鳴用部材自体が幅方向(両板ガラスに垂直方向)に弾性を持てば、その弾性により両板ガラス間の隙間の伸縮に追従して常に接触状態に保つことができる。また、共鳴用部材自体が剛体である場合には、例えば両板ガラスを予め押し広げるように装着しておくことにより、板ガラス側から常に圧縮作用を受け、ある限度内の温度変化に基づく板ガラス間の隙間の伸縮に追従して常に接触状態を保つことができる。
なお、第2の板ガラスに対して非接着とされる共鳴用部材における対向部は、共鳴用部材の共鳴作用を著しく阻害することなく、その遮音性能が発現する程度に気密状態を保って第2の板ガラスと接触していればよい。同様に、第1の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部は、第1の板ガラスに接着され気密状態に保たれており、共鳴用部材の共鳴作用を阻害せず、その遮音性能が安定して得られる。
また、請求項1の発明によれば、第2の板ガラスに対し非接着とされる共鳴用部材における対向部に、非接着性加工により仕上げられた非接着面が接着層を介して設けられる。例えば、第2の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部に接着層を介してフィルムを取付けた場合、このフィルムが第2の板ガラスと気密状態で接触し、接着層の接着機能を失わせて共鳴用部材を第2の板ガラスに対し確実に非接着とできる。この場合、第2の板ガラスに対し非接着とされる共鳴用部材における対向部と、第1の板ガラスに接着(固着又は粘着)される共鳴用部材における対向部の両方に、同じ両面接着テープを予め接着しておき、第2の板ガラスに対し非接着とされる共鳴用部材における対向部側の両面接着テープの離型紙を離型しにくい仕様に変更して非接着のためのフィルムとしておけば、作業性が向上する。非接着性加工の例としては、フィルムを取り付ける以外に、粉末又は微粒子状の物体を接着層に吸着させたり、熱的、化学的、又は機械的加工等を接着層の表面に施して接着層の接着機能を失わせたりすることが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、第2の板ガラスに対し非接着とされる共鳴用部材における対向部に弾性部材が設けられるため、中空層が膨張して板ガラスが外側に撓んでも弾性部材が伸長してこれに追従し、また、中空層が収縮して板ガラスが内側に撓んでも弾性部材が縮んで変形する。さらに、板ガラスが最初から部分的に反りや微小な凹凸を持った状態であっても、この形状に追従させて板ガラス間に介装できる。したがって、板ガラスの撓みや反りに応じて弾性部材が変形し、常に共鳴用部材と板ガラスとを接触した状態に維持して安定した遮音性能が得られる。特に、弾性部材が設けられた側の板ガラスが強化ガラスなどの熱処理板ガラスや合わせガラス、各種の表面処理が施された板ガラス等の表面に微小な凹凸やうねりがある板ガラスである場合に有効である。
また、請求項2の発明によれば、前記弾性部材に接する前記共鳴用部材の面が凸状に湾曲しているため、共鳴用部材を2枚の板ガラス間に介装する際にスペーサにより定まる両板ガラス間の距離と共鳴用部材の幅との間の寸法誤差や組立誤差を吸収するのが容易であり、第2の板ガラスに対し非接着とされる共鳴用部材における対向部に弾性部材が設けられることと相まって、確実に第2の板ガラスと気密状態で接触させることができる。
請求項の発明によれば、第1の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部は、第1の板ガラスに固着されることにより接着されてなるので、第1の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部と第1の板ガラスとが接着される界面の耐久性に優れ、長期にわたって安定的に共鳴用部材を2枚の板ガラス間に介装できる。その他、共鳴用部材が第1の板ガラスにのみ接着されること、及び、第2の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部を第2の板ガラスと気密状態で接触させ、かつ第2の板ガラスに対し非接着としたことによる効果は、請求項1の発明と同様である。
請求項の発明によれば、第1の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部は第1の板ガラスに粘着されることにより接着されてなるので、共鳴用部材を第1の板ガラスに接着する際に貼り直しが可能であり、板ガラスに対する共鳴用部材の位置決めの作業性が高まる。その他、共鳴用部材が第1の板ガラスにのみ接着されること、及び、第2の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部を第2の板ガラスと気密状態で接触させ、かつ第2の板ガラスに対し非接着としたことによる効果は、請求項1の発明と同様である。
本発明によれば、共鳴用部材が少なくとも1枚の板ガラスに接着(固着又は粘着)されるので、共鳴用部材は板ガラスに対し確実にその位置で保持される。したがって、小サイズの窓だけでなくテラス窓などの大サイズの開口部に至るまで、1辺が300mm〜4000mmの広範な複層ガラスに適用して、共鳴用部材がその自重によって長手方向に撓むことを防止でき、支持脚等をスペーサに連結して共鳴用部材とスペーサとの間隔を維持する支持部材が不要となるため、部品点数が減少し、製造工程が簡便となり、デザイン性に優れた複層ガラスを得ることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に説明する各実施形態において、一度説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
図1A、図1B、図1Cは本発明に係る複層ガラスの概略を示す模式図であり、図1Aは正面図、図1Bは図1AのB−B断面図、図1Cは複層ガラス底辺部近傍の部分斜視図である。
図示したように、複層ガラス1には、共鳴用部材2と、スペーサ3とが、2枚の板ガラス9A,9B間に配置される。棒状の共鳴用部材2は、スペーサ3と平行に所定距離Hの間隔を隔ててスペーサ3よりも中空層17側に配設され、共鳴用部材2、スペーサ3及び2枚の板ガラス9A、9Bで空洞部21が形成される。共鳴用部材2は断面略矩形の棒状材料であり、所定の厚さLを有しており、また、共鳴用部材2には中空層17と空洞部21とを連通する直径dの複数個の小孔10がその長手方向(図1Bでは紙面垂直方向)に所定ピッチ間隔P毎に設けられている(図1C)。所定厚さの共鳴用部材2に連続的に小孔10が配されている構成は、ヘルムホルツ共鳴器が連続的に並んでいる構成と等価である。
所望の共鳴周波数を有する共鳴器が構成できれば、種々の寸法の共鳴用部材2を使用可能であるが、外観上や製造上の観点から厚さLが2〜20mm、直径dが1〜5mm、ピッチ間隔Pが10〜200mm、スペーサ3と共鳴用部材2の距離Hが5〜50mm程度とするのが好ましく、共鳴用部材2の幅は、板ガラス9A,9Bの相互の間隔Wと略等しい。共鳴用部材2としては、各種の材料が使用できるが、例えば硬質樹脂、ゴム、金属材料等が吸音性が少なくて好ましい。また、共鳴用部材2が不図示の額縁より内側に露出する場合、外観上透明材料で形成することが好ましい。したがって、共鳴用部材2として透明硬質樹脂(例えば、アクリル樹脂)を用いるのが好ましい。また、共鳴用部材2の表面、すなわち、共鳴用部材2の上下面及び小孔10の周壁面は、平滑に仕上げてあることが、吸音性が少なくて好ましい。なお、共鳴用部材2は、例えば、複層ガラス1の1辺や2辺のみに設けてもよいが、4辺全周に沿って設けるのが好ましい。共鳴用部材2はスペーサ3と平行に設けられており、板ガラス9A,9Bのうち、少なくとも第1の板ガラス9Aに接着される。共鳴用部材2は、第1の板ガラス9A及び/又は第2の板ガラス9Bとの接着のみにより保持しても良いが、共鳴用部材2の長さ方向の両端部(例えば、複層ガラス1のコーナー部)において、支持部材を別途設けるのが好ましい。
スペーサ3はアルミニウム又は樹脂等の押出材からなる矩形の角筒材であり、内部に乾燥剤14が充填される。スペーサ3により2枚の板ガラス9A,9B間の間隔が一定に保持される。スペーサ3の両側面は一次シール15で板ガラス9A,9Bに接着され、スペーサ3の外縁側、すなわち複層ガラス1の周縁端部側は二次シール16で封止される。なお、スペーサ3として、樹脂材料をひも状に押出成形した弾性を有する樹脂製スペーサを用いたり、この樹脂製スペーサ自体で周縁部を封止して一次シール15や二次シール16を省略したり、各種の断面形状を有するものを用いたりするなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更が可能である。
共鳴用部材2は、スペーサ3よりも中空層17に近い側に配置されるので、中空層17の膨張収縮による影響をより受けやすい。したがって、共鳴用部材2と板ガラス9(9A,9B)とが接着される界面は、スペーサ3と板ガラス9(9A,9B)との界面に設けられる一次シール15よりも過酷な環境にさらされることとなる。
[第1実施形態]
図2(A)は本発明の第1実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の部分断面図である。
図示したように、2枚の板ガラス9A,9B間に小孔10を有する共鳴用部材2が介装される。共鳴用部材2の剛体部2aの一方の側面(図の左側)と第1の板ガラス9Aとの間に、弾性を有さない固着材料4が介装されたものである。すなわち、第1の板ガラス9Aと対向する共鳴用部材2における対向部は固着材料4を介して接着面5において第1の板ガラス9Aと固着される。これに対し、第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部は非接着面6において第2の板ガラス9Bと気密状態で接触し、かつ第2の板ガラス9Bに対し非接着である。固着材料4は、例えばエポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を用いることができる。このような剛体部2aと固着材料4からなる共鳴用部材2を板ガラス9A,9B間の距離よりも厚く形成することにより、板ガラス9A,9Bが外側に広がって撓み、複層ガラス1が形成される。このように板ガラス9A,9Bを外側に押し広げた状態で共鳴用部材2を装着することにより、共鳴用部材2は常に両側の板ガラス9A,9Bから弾性圧縮・引張力を受ける。したがって、想定できる所定の限度内であれば、温度変化により中空層17が膨張収縮しても、共鳴用部材2は常に両側の板ガラス9A,9Bと接触した状態に保たれる。
また、第2の板ガラス9Bに対して非接着とされる共鳴用部材2における対向部は、共鳴用部材2の共鳴作用を著しく阻害することなく、その遮音性能が発現する程度の気密状態を保って、非接着面6において第2の板ガラス9Bと接触している。
本明細書において、「第2の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部が第2の板ガラスと気密状態で接触する」とは、第2の板ガラス9Bに対して非接着とされる共鳴用部材2における対向部が、共鳴用部材の共鳴作用を著しく阻害することなく、その遮音性能が発現する程度の気密状態を保って第2の板ガラス9Bと接触することを意味する。これを達成するには、例えば、第2の板ガラスと対向する共鳴用部材における対向部と第2の板ガラスとの接触界面において、中空層17と空洞部21とを連通する経路が仮に存在したとしても、その連通経路の直径の最大値が小孔10の直径より小さく、かつ、その連通経路全体の合計断面積が小孔10全体の合計断面積の1/10未満であればよい。
本実施形態に係る複層ガラスを建物の開口部に装着する場合、直射日光、特に紫外線の影響による固着材料4の劣化を低減するため、第2の板ガラス9Bに対し非接着とされる共鳴用部材2における対向部側のガラス、すなわち第2の板ガラス9Bを室外側とし、第1の板ガラス9Aを室内側に配置するのが好ましい。
なお、図2(A)では、第1の板ガラス9A、第2の板ガラス9Bが外側に大きく反った状態で示されているが、これは、板ガラス9A、9B間への共鳴用部材2の組込み状態を説明するため模式的に誇張して図示したものである。本明細書における他の図についても同様である。
図2(B)は本発明の第1実施形態の変形例を示す。
図示したように、第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部において、弾性を有する接着層18を設け、その接着層18の表面を覆うフィルム7で非接着面6を構成した以外の構成、作用、効果は、図2(A)の例と同様である。
弾性部材としての接着層18を予め圧縮状態として、固着材料4、剛体部2a、接着層18、フィルム7からなる共鳴用部材2を板ガラス9A,9B間に介装しておけば、中空層17が膨張し、板ガラス9A,9B間の距離が広がったときは、予め圧縮状態で設けておいた接着層18が復元し、共鳴用部材2の非接触面6は板ガラス9Bに追従して接触した状態を維持できる。このため、共鳴用部材2と板ガラス9Bとの間に隙間が生じることはなく、複層ガラス1が持つ固有の共鳴周波数に対応した共鳴周波数を有する共鳴用部材2で最適な遮音性能を維持できる。逆に、中空層17が収縮し、板ガラス9A,9Bが内側に撓んだときは、接着層18が弾性変形し、これに追従して収縮する。また、板ガラス9Bが製造工程における熱処理等により歪みが生じている等、板ガラス9Bに部分的に反りや微小な凹凸、うねりがあっても、この形状に合わせて接着層18を圧縮して共鳴用部材2を板ガラス9A,9B間に確実に挟持できる。なお、第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部側の接着層18を弾性を有する材料で構成するのみでなく、第1の板ガラス9Aと対向する共鳴用部材2における対向部側の固着材料4も弾性を有する材料で構成してもよい。その場合、接着層18、固着材料4として、それぞれ異なる材質や物性のものを用いてもよいが、同じ材料を用いるのが好ましい。接着層18や弾性部材として構成された固着材料4は、板ガラス9A,9Bの歪みや反り、微小な凹凸、うねり等を吸収でき、かつ、中空層17の膨張収縮に伴う板ガラス9A,9B間の距離の変動量を吸収しうる厚さを有することが望まれる。その厚さとしては、0.3mm〜2mmが好ましく、0.5mm〜1.5mmとするのがさらに好ましい。
フィルム7としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の接着性を持たないフィルムを用いる。フィルム7の厚さは、10〜100μmが好ましく、弾性を有する接着層18の弾性を阻害せずに、フィルム7に折れ目が発生することなく板ガラス界面との接触状態を保つためには50〜75μmとするのがさらに好ましい。フィルム7が取付けられた共鳴用部材2の側面は第2の板ガラス9Bと接着されず、非接着面6を形成する。共鳴用部材2や固着材料4と同様に、接着層18、フィルム7も外観上透明であることが好ましい。
この例では、第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部において、接着層18の表面をフィルム7で覆い非接着面6を構成したが、これ以外にも、粉末又は微粒子状の物体を接着層18に吸着させたり、熱的、化学的、又は機械的加工等を接着層18の表面に施して接着層18の接着機能を失わせたりするなど、各種の非接着性加工を施すことが可能である。
図2(C)は本発明の第1実施形態のさらに別の変形例を示す。
図2(C)の例は、弾性を有する両面接着テープを固着材料4として用い、さらに、第1の板ガラス9Aに対し固着される共鳴用部材2における対向部と第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部の両者をいずれも凸状に湾曲させた以外の構成、作用、効果は、図2(B)の例と同様である。すなわち、図3の例に示すように、第1の板ガラス9Aと対向する共鳴用部材2における対向部において、共鳴用部材2の剛体部2aの第1の板ガラス9A側の側面に凸状に湾曲した凸状部8が形成され、同様に、共鳴用部材2の剛体部2aの第2の板ガラス9B側の側面にも凸状に湾曲した凸状部8’が形成された共鳴用部材2を、第1の板ガラス9Aと第2の板ガラス9Bとの間に配設する。これらの凸状部8、8’により、スペーサにより定まる両板ガラス9A,9B間の距離と共鳴用部材2の幅との間の寸法誤差や組立誤差を吸収して確実に接着面5を第1の板ガラス9Aに接触させることができる。また、接着時の気泡混入を飛躍的に抑制できる。この凸状部8、8’の突出長さr、r’は、弾性を有する固着材料4や弾性を有する接着層18の厚さに対し、5〜40%程度の長さであることが好ましい。なお、第1の板ガラス9Aに対し固着される共鳴用部材2における対向部、又は第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部のいずれか一方のみに凸状部8(8’)を形成してもよい。凸状部8、8’は、剛体部2a自体の側面を凸状に湾曲して形成し、その表面に均一な厚さの固着材料4や接着層18を設けて構成するのが好ましい(図3)が、例えば、剛体部2a自体の側面は直線状の断面形状とし、その表面に剛体部2aの高さ方向に厚さの異なる固着材料4や接着層18を設けて共鳴用部材2の側面に凸状に湾曲した凸状部8、8’を構成してもよい。
図2(B)において固着材料4を弾性を有する材料で構成する場合や、図2(C)の例では、固着材料4、接着層18ともに弾性を有する接着材料であるので、弾性を有する同一の両面接着テープを固着材料4、接着層18として用いてよい。すなわち、共鳴用部材2は変形しない剛性部材からなる剛体部2aの両側面に両面接着テープを介して板ガラス9A,9B間に配設される。本例の複層ガラス1を組立てる場合、共鳴用部材2として用いる棒状材料の剛体部2aに小孔10を穿設し、その両側面に両面接着テープの一方の面の離型紙を剥がして貼り付ける。両面接着テープの他方の面の離型紙は付けたままである。すなわち、この段階では共鳴用部材2の両側面とも非接着面である。この後、一方の面の離型紙を剥がして第1の板ガラス9Aの所定位置に、共鳴用部材2を接着する。このとき、反対側の両面接着テープは離型紙で覆われているため、非接着面のままであり、組立作業の作業性を低下させることはない。なお、第2の板ガラス9Bに対して非接着面6とする側の非接着加工として、予め離型しにくい仕様のフィルムを設けておいてもよい。次に、両面接着テープの離型紙がついたままの側(非接着面6側)に第2の板ガラス9Bを配設し2枚の板ガラス9A,9Bで共鳴用部材2を挟んで複層ガラス1が形成される。なお、ここでいう離型紙には、樹脂製フィルム等を含む。
[第2実施形態]
図4(A)は本発明の第2実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の部分断面図である。
図示したように、本発明の第2実施形態に係る複層ガラスは、図2(A)の本発明の第1実施形態に係る複層ガラスにおいて、第1の板ガラス9Aと対向する共鳴用部材2における対向部が粘着材料11を介して接着面5において第1の板ガラス9Aと粘着される点でのみ構成が異なる。すなわち、図2(A)において、第1の板ガラス9Aと共鳴用部材2との間の固着材料4に代えて粘着材料11で構成したものである。
粘着材料は、感圧性接着剤ともいい、常温で短時間、わずかな圧力を加えただけで接着でき、また、凝集力と弾性を持っているので強く接着する反面、硬い平滑面からは剥がすことができるものである。このため、簡単に貼ることができ、簡単に剥がすことができる。粘着材料11は、例えば、アクリル酸エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニリデンクロライド(PVDC)等を用いることができる。このような粘着材料11により、第1の板ガラス9Aと対向する共鳴用部材2における対向部は粘着材料11を介して接着面5において第1の板ガラス9Aと粘着される。したがって、共鳴用部材2を第1の板ガラス9Aに接着する際に貼り直しが可能であり、第1の板ガラス9Aに対する共鳴用部材2の位置決めの作業性が高まる。その他の構成、作用、効果は、図2(A)の例と同様である。
なお、粘着と固着とを定量的に区別して定義するのは容易でない。例えば便宜的に、1枚の板ガラス9(9A,9B)に共鳴用部材2を接着し、その接着した界面の幅が15mm以下で、かつ長さが4000mm以下であり、板ガラス9へ共鳴用部材2を貼りつけた後、水平面に対し60度以上の角度で立てた状態において、共鳴用部材2の自重及び移動や回転などの板ガラス9の取り扱いに起因する剥離力に対して、落下が起こらない結合力をもち、かつ必要に応じて9.8N以下の力で物理的な残留変形を起こさず何時においても部分的に剥離することが可能となる結合の状態等を粘着と定義することも可能であるが、本明細書では、粘着とした場合に得られると記載した効果が奏される接着状態を、粘着と定義する。
本実施形態に係る複層ガラスを建物の開口部に装着する場合、第1実施形態の場合と同様に、直射日光、特に紫外線の影響による粘着材料11の劣化を低減するため、第2の板ガラス9Bに対し非接着とされる共鳴用部材2における対向部側のガラス、すなわち第2の板ガラス9Bを室外側とし、第1の板ガラス9Aを室内側に配置するのが好ましい。
図4(B)は本発明の第2実施形態の変形例を示す。
図示したように、第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部において、弾性を有する接着層18の表面をフィルム7で覆い非接着面6を構成した以外の構成は、図4(A)の例と同様である。また、第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部において、弾性を有する接着層18の表面をフィルム7で覆い非接着面6を構成したことによる作用、効果は図2(B)の例と同様である。
図4(C)は本発明の第2実施形態のさらに別の変形例を示す。
図4(C)の例は、弾性を有する両面接着テープを粘着材料11として用い、さらに、第1の板ガラス9Aに対し粘着される共鳴用部材2における対向部と第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部の両者をいずれも凸状に湾曲させた以外の構成、作用、効果は、図4(B)の例と同様である。また、第1の板ガラス9Aに対し粘着される共鳴用部材2における対向部と第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部とを凸状に湾曲させたことによる作用、効果は図2(C)の例と同様である。
[第3実施形態]
図5(A)は本発明の第3実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図である。
図示したように、共鳴用部材2は、剛体部2aの両側で粘着材料11,11により板ガラス9A,9Bに粘着される。このため、共鳴用部材2の板ガラス9A,9Bに対する接着位置を間違ったとしても、容易に剥がして貼り直すことができる。この粘着材料11は、剛体部2aとともに、樹脂の押出成形により同時に一体成形可能である。このように一体成形すれば、共鳴用部材2に別工程で粘着材料11を設ける必要がないので、作業工程が減少し、生産効率がよい。粘着材料11は、共鳴用部材2とともに外観上透明であることが好ましい。
図5(A)において、粘着材料11,11を弾性を有する軟質樹脂とし、共鳴用部材2と板ガラス9A,9Bとを弾性部材を介して粘着することにより、本発明の第3実施形態の変形例を構成する。その他の構成、作用、効果は、前記の第3実施形態と同様である。
第1の板ガラス9A,第2の板ガラス9Bと共鳴用部材2とを弾性材料としての粘着材料11,11を介して粘着することにより、スペーサ3により定まる両板ガラス9A,9B間の距離と共鳴用部材2の幅との間の寸法誤差や組立誤差を吸収して確実に接着面5,5を板ガラス9A,9Bに接触させることができる。また、上述した中空層17の膨張収縮に対して軟質の粘着材料11はある程度の追従性を持ってこの板ガラス9A,9B間の幅の伸縮を吸収し、板ガラス9A,9Bとの粘着を保持できる。この板ガラス9A,9B間の幅の伸縮量は、板ガラス9A,9Bの大きさ、中空層17の厚さ、想定される温度変化を基に演算で求めることができる。例えば、350mm×500mm角で厚さ8mmと5mmの2枚の板ガラス9A,9Bを中空層17の幅10mmとして形成した複層ガラス1が20℃から50℃に温度変化したとき、共鳴用部材2を配置した部分で約0.7mm外側に撓むことになる。この場合、軟質の粘着材料11,11を予め0.35mmずつ圧縮させておけば、板ガラス9A,9B間の距離が広がったときは、予め圧縮状態で設けておいた粘着材料11,11が復元し、共鳴用部材2と板ガラス9A,9Bとの粘着を維持できるこのため、共鳴用部材2と板ガラス9A,9B間に隙間が生じることはなく、複層ガラス1が持つ固有の共鳴周波数が変わることがないため、この共鳴周波数に対応した共鳴周波数を有する共鳴用部材2で最適な遮音性能を維持できる。
逆に、中空層17が収縮し、板ガラス9A,9Bが内側に撓んだときは、粘着材料11が弾性変形し、これに追従して収縮する。また、板ガラス9A,9Bが製造工程における熱処理等により歪みが生じている等、板ガラス9A,9Bに部分的に反りがあっても、この形状に合わせて粘着材料11を圧縮して共鳴用部材2を板ガラス9A,9B間に確実に挟持できる。
図5(B)は本発明の第3実施形態のさらに別の変形例を示す。
図示したように、第1の板ガラス9A,第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部をそれぞれ凸状に湾曲させた以外の構成、作用、効果は、前記の第3実施形態の変形例と同様である。すなわち、共鳴用部材2の両側面には弾性を有する粘着材料11が設けられ、かつ凸状に湾曲して構成された凸状部8が備わる(図6(C)参照)。板ガラス9A,9Bに対し粘着される共鳴用部材2における対向部を凸状に湾曲させたことによる作用、効果は図2(C)の例と同様である。なお、凸状部8は共鳴用部材2のいずれか一方の側面にのみ形成してもよい。
図5(C)は第3実施形態のその他の変形例を示す。
この例は、共鳴用部材2の本体2bを粘着材料11で形成したものである。この例では、共鳴用部材2が粘着材料11を押出成形するのみで形成されるため、板ガラス9A,9Bに接着(粘着)するための接着材料を必要としない。したがって、別工程で接着材料を設ける必要がないため作業工程が減少し、生産効率がよく、また、部品点数が減少し、簡単な構造で形成できる。この場合、例えば、小孔10に硬質のチューブ材料を挿入して、小孔10の変形を抑制することができる。その他の構成、作用、効果は図5(A)の例と同様である。
図6(A)〜(C)は、本発明の第3実施形態に係る図5(A)、図5(B)で例示する複層ガラス1の共鳴用部材2について、剛体部2aは透明の硬質樹脂で構成し、粘着材料11は透明の軟質樹脂で構成し、押出成形により同時に一体成形する例を示す断面図である。図6(A)は、剛体部2a自体の側面を直線状の断面形状とし、その表面に均一な厚さの粘着材料11を設けて構成するものである。図6(B)は、図6(A)と類似した断面形状であるが、剛体部2a自体の高さ方向中央部付近で上下端部よりも側面がくぼんだ溝状に形成された空隙部19を有する断面形状とし、その空隙部19内に粘着材料11を設け粘着材料11の外端面が剛体部2aの側端面よりも突出するように構成するものである。図6(C)は、剛体部2a自体の側面を凸状に湾曲して形成し、その表面に均一な厚さの粘着材料11を設けて、粘着材料11の表面に凸状に湾曲する凸状部8を形成した共鳴用部材2を構成するものである。共鳴用部材2を粘着材料11,11により板ガラス9A,9Bに粘着して複層ガラス1に装着した場合、剛体部2aと板ガラス9A,9Bとの間に介在する軟質の粘着材料11は、中空層17の膨張収縮に伴って変形し板ガラス9A,9B間の幅の伸縮を吸収する。その際、粘着材料11が剛体部2aと高さ方向で同幅に形成された場合、粘着材料11が変形し剛体部2aの上下端からはみ出すおそれがあるため、これらの構成の共鳴用部材2を押出成形により同時に一体成形する場合、図6(A)〜(C)に示すように、粘着材料11を剛体部2aよりも高さ方向(図では上下方向)で幅狭に形成するのが好ましい。なお、小孔10は押出成形直後又は押出成形後所定時間が経過した後に孔開けを行えばよい。粘着材料11を剛体部2aと同時に押出成形しない場合、剛体部2aに両面接着テープを後から接着して設けてもよい。
[第4実施形態]
図7(A)は本発明の第4実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図である。
図示したように、第1の板ガラス9Aと対向する共鳴用部材2における対向部は弾性のない粘着材料11を介して接着面5において第1の板ガラス9Aと粘着される。これに対し、第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部は弾性のない固着材料4を介して接着面5’において第2の板ガラス9Bと固着される。したがって、共鳴用部材2を第1の板ガラス9Aに接着する際に貼り直しが可能であり、第1の板ガラス9Aに対する共鳴用部材2の位置決めの作業性が高まる。共鳴用部材2の板ガラス9A,9B間への装着は、図2(A)と同様に、剛体部2a、粘着材料11、固着材料4からなる共鳴用部材2を板ガラス9A,9B間の距離よりも厚く形成するようにすればよい。このような装着状態としたことによる作用、効果は、図2(A)(第1実施形態)と同様である。
図7(A)において、第1の板ガラス9Aと対向する粘着材料11、又は第2の板ガラス9Bと対向する固着材料4の少なくともいずれかを弾性を有する材料として、共鳴用部材2と板ガラス9A,9Bとを弾性部材を介して接着することにより、本発明の第4実施形態の変形例を構成する。その他の構成、作用、効果は、前記の第4実施形態と同様である。
共鳴用部材2を弾性部材を介して板ガラス9A,9Bに接着(粘着又は固着)することにより、スペーサ3により定まる両板ガラス9A,9B間の距離と共鳴用部材2の幅との間の寸法誤差や組立誤差を吸収して確実に接着面5,5’を板ガラス9A,9Bに接触させることができる。また、中空層17の膨張収縮に対して弾性を有する粘着材料11又は固着材料4はある程度の追従性を持ってこの板ガラス9A,9B間の幅の伸縮を吸収し、板ガラス9A,9Bとの接着状態を保持できる。
図7(B)は本発明の第4実施形態のさらに別の変形例を示す。
図示したように、第1の板ガラス9A,第2の板ガラス9Bと対向する共鳴用部材2における対向部をそれぞれ凸状に湾曲させ、第1の板ガラス9Aと対向する粘着材料11及び第2の板ガラス9Bと対向する固着材料4のいずれも弾性を有する材料とした以外の構成、作用、効果は、前記の第4実施形態の変形例と同様である。板ガラス9A,9Bに対し接着(粘着又は固着)される共鳴用部材2における対向部を凸状に湾曲させたことによる作用、効果は図2(C)の例と同様である。
[第5実施形態]
図8は本発明の第5実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図である。
図示したように、2枚の板ガラス9A,9B間に共鳴用部材2が介装される。共鳴用部材2は剛性部材からなる剛体部2aが、その両側面に備わる構造接着剤20,20で板ガラス9A,9Bに接着(固着)される。構造接着剤20は、例えばエポキシ樹脂等を用いることができ、共鳴用部材2と板ガラス9A,9Bとを構造接着できるものであれば各種の接着剤を用いてよい。図8では、共鳴用部材2と板ガラス9A,9Bとの間に構造接着剤20のみが図示されているが、この構造接着剤20に代えて、例えば剛性の高い基材の両側に構造接着剤からなる接着層を有する両面接着テープを用いてもよい。また、構造接着剤20は共鳴用部材2とともに透明であることが好ましい。なお、構造接着剤20に代えて、構造接着ほど強くない永久接着が可能な固着材料を用いてもよいが、構造接着剤を用いるのがより好ましい。
このような構成とすることにより、共鳴用部材2が2枚の板ガラス9A,9Bに構造接着され、共鳴用部材2と板ガラス9A,9Bが剥がすことができないくらい強固に一体化されるので、複層ガラス1の中空層17が温度変化により内圧変化が生じて膨張又は収縮しても、これに応じて共鳴用部材2が板ガラス9A,9Bから剥がれることはない。したがって、複層ガラス1の長期の使用中において、中空層17の膨張収縮によって板ガラス9A,9Bが撓もうとしても剛体部2aにより共鳴用部材2はその形状を維持したまま板ガラス9A,9Bに構造接着されるので、共鳴用部材2と板ガラス9A,9B間に接着力の低下に伴う気泡が生じず、複層ガラス1としての見栄えを悪化させることなく、共鳴用部材2による遮音性能を安定して得ることができる。したがって、共鳴用部材2周辺の板ガラス9A,9Bの撓みを防止し、この共鳴用部材2はスペーサ3の近傍に配設されるので、スペーサ3が配された部分の板ガラスの撓みも抑制でき、スペーサ3と板ガラス9A,9Bとの間を封止する一次シール15,15や二次シール16への力の負担を軽減する。結果として、これらのスペーサ封止の材料の劣化を防止でき、複層ガラス1の透湿耐久性が高まる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。
固着材料4や粘着材料11は、ペースト状で貼着した後時間とともに又は加熱冷却等により所定の接着強度や弾性を発揮するもののほか、樹脂性フィルム等の基材の両側に接着層を設けた両面接着テープを用いてもよい。この場合、2層以上の基材と3層以上の接着層を交互に設けて両面接着テープを構成したり、基材自体や接着層自体を複数層で構成したりしてもよい。両面接着テープに限らず、その他各種の接着材料を用いる場合であっても、複数の層からなる接着層を構成してもよい。
また、固着材料4や粘着材料11自身を弾性材料とすることなく、板ガラス9(9A,9B)と共鳴用部材2とを弾性部材を介して接着してもよい。例えば、両面接着テープの基材を弾性材料とし、基材の両側に弾性でない接着層を設けてもよい。また、図9及び図10のように、固着材料4や粘着材料11自身を弾性材料とすることなく、板ガラス9(9A,9B)と共鳴用部材2とを弾性的に接着(固着又は粘着)することもできる。
図9は本発明の第1実施形態及び第2実施形態の変形例に係る複層ガラスの共鳴用部材接着部周辺の断面図である。この例は、共鳴用部材2の剛体部2aの両側にヒレ状部12を形成して弾性を持たせたものである。一方のヒレ状部12(図では左側)が固着材料4を介して板ガラス9Aに固着され、接着面5を形成する。他方のヒレ状部12(図では右側)は、板ガラス9Bに対する非接着面6を形成する。このような構成としても、非接触面6の板ガラス9への接触を維持しつつ、ヒレ状部12が板ガラス9A,9Bの撓みに応じて左右方向に弾性的に伸縮する。
図10は本発明の第1実施形態及び第2実施形態の変形例に係る複層ガラスの共鳴用部材接着部周辺の断面図である。この例は、共鳴用部材2の剛体部2aを幅方向の途中で2分割し、その間にゲル状シリコン等の弾性材料13を封入したものである。この共鳴用部材2の一方の側面(図の左側)は、固着材料4を介して板ガラス9Aに固着される。他方の側面(図の右側)は、非接着な状態で板ガラス9Bに接触する非接着面6である。固着材料4を弾性とし、さらにこのように共鳴用部材2の内部に弾性材料13を設けることにより、固着材料4の弾性に加えてさらに弾性材料13の弾性が加わるため、温度変化による板ガラス9A,9B間の間隔の伸縮に対する追従性が高まる。
板ガラス9A,9Bとしては、建築用に一般的に使用されるソーダライムシリカガラスが代表的であるが、これに限られずその他の組成の板ガラスも使用できる。同様に、通常のソーダライムシリカガラス以外にも、強化板ガラスや倍強度板ガラス、型板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、その他各種の表面処理が施された板ガラス、網入り板ガラス、合わせガラスも使用でき、片側の板ガラスを合わせガラスとし、他方を通常のソーダライムシリカガラスとする等種類や厚さの異なる板ガラスを組み合わせて使用することもできる。また、無機質の板ガラスのみならず有機質の板状体、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂等も使用できる。
複層ガラス1は、中空層17に乾燥空気又は窒素ガスが封入される構成が一般的であるが、これの代わりに、断熱性能を上げることを主たる目的として、中空層に六フッ化硫黄ガス、アルゴンガス又はクリプトンガスを封入した複層ガラスとしてもよい。これらのガスを封入すると、媒体間の音速の違いによる波動的エネルギー損失を生じ、遮音性能が向上する効果が得られる。
本発明は、建築物、車両、船舶及び航空機等に用いる複層ガラスに適用できる。
本発明に係る複層ガラスの概略を示す模式図(正面図)。 本発明に係る複層ガラスの概略を示す模式図(B−B断面図)。 本発明に係る複層ガラスの概略を示す模式図(複層ガラス底辺部近傍の部分斜視図)。 本発明の第1実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図。 本発明の第1実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材の断面図。 本発明の第2実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図。 本発明の第3実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図。 本発明の第3実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材の断面図。 本発明の第4実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図。 本発明の第5実施形態に係る複層ガラスの共鳴用部材周辺の断面図。 本発明の第1実施形態及び第2実施形態の変形例に係る複層ガラスの共鳴用部材接着部周辺の断面図。 本発明の第1実施形態及び第2実施形態の変形例に係る複層ガラスの共鳴用部材接着部周辺の断面図。
符号の説明
1:複層ガラス、2:共鳴用部材、2a:剛体部、2b:本体、3:スペーサ、4:固着材料、5、5’:接着面、6:非接着面、7:フィルム、8、8’:凸状部、9(9A,9B):板ガラス、10:小孔、11:粘着材料、12:ヒレ状部、13:弾性材料、14:乾燥剤、15:一次シール、16:二次シール、17:中空層、18:接着層、19:空隙部、20:構造接着剤、21:空洞部。

Claims (4)

  1. 板ガラスの周縁に配設したスペーサにより所定間隔を隔て、中空層が形成されるように複層化した少なくとも2枚の板ガラス間に板ガラスの周縁でかつ前記スペーサと平行に共鳴用部材を介装した複層ガラスであって、
    前記2枚の板ガラスのうち第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第1の板ガラスに接着され、
    前記2枚の板ガラスのうち第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第2の板ガラスと気密状態で接触し、かつ該第2の板ガラスに対し非接着であり、
    前記第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は、非接着性加工により仕上げられた非接着面が接着層を介して設けられることを特徴とする複層ガラス。
  2. 板ガラスの周縁に配設したスペーサにより所定間隔を隔て、中空層が形成されるように複層化した少なくとも2枚の板ガラス間に板ガラスの周縁でかつ前記スペーサと平行に共鳴用部材を介装した複層ガラスであって、
    前記2枚の板ガラスのうち第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第1の板ガラスに接着され、
    前記2枚の板ガラスのうち第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は該第2の板ガラスと気密状態で接触し、かつ該第2の板ガラスに対し非接着であり、
    前記第2の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部に弾性部材が備わり、
    前記弾性部材に接する前記共鳴用部材の面が凸状に湾曲していることを特徴とする複層ガラス。
  3. 前記第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は、該第1の板ガラスに固着されることにより接着されてなる請求項1、又は2に記載の複層ガラス。
  4. 前記第1の板ガラスと対向する前記共鳴用部材における対向部は、該第1の板ガラスに粘着されることにより接着されてなる請求項1、又は2に記載の複層ガラス。
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