JP6382141B2 - 複層ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、複層ガラス及びこれを備えた建具に関する。
近年、複数のガラス板で構成された複層ガラスが提案されている。複層ガラスは、一般的に、二枚のガラス板を対向配置し、周縁部同士をスペーサで連結することで、両ガラス板の間に中間層を形成したものであり、断熱効果が高いという特徴がある。さらに、例えば、特許文献1には、複層ガラスの遮音性能を向上するため、複層ガラスの中間層に共鳴器を組み込んだものが提案されている。具体的には、複層ガラスの周縁付近に、スペーサに沿って延びる棒状部材を配置し、これにより、両ガラス板間の中間層を、スペーサ側の端部空間と、スペーサとは反対側の中央空間に仕切っている。また、棒状部材には長手方向に沿って、複数の貫通孔が形成されており、この貫通孔を介して、中央空間と端部空間とが連通しており、これによって、共鳴器が構成されている。
また、特許文献2には、特許文献1の棒状部材を改良したものが開示されており、棒状部材に切欠きを設けることで、棒状部材の占有面積を少なくしつつ、共鳴に寄与する端部空間を大きくするように構成されている。
特開2003−63844号公報 特開2013−144617号公報
しかしながら、上記各特許文献に係る共鳴器の性能は、十分であるとは言えず、これに起因して、複層ガラスの周縁の4辺すべてに共鳴器を配置しなければならなかった。そのため、複層ガラスの外観が犠牲になるという問題があり、さらなる改良が要望されていた。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、遮音性能をさらに向上することができる複層ガラスを提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を行ったところ、以下の発明をするに至った。すなわち、本発明は、下記に掲げる発明を提供する。
本発明に係る複層ガラスは、矩形状の第1ガラス板と、矩形状に形成され、前記第1ガラス板と対向配置される第2ガラス板と、前記第1ガラス板と第2ガラス板との周縁部の各辺同士を連結し、当該両ガラス板の間に中間層を形成するスペーサと、前記第1ガラス板と第2ガラス板との間に配置され、前記少なくとも一辺のスペーサと平行に延び、前記中間層を、当該スペーサ側の端部空間と当該スペーサとは反対側の中央空間とに仕切る少なくとも1つの共鳴器と、前記第1ガラス及び第2ガラスと前記共鳴器とを固定する接着手段と、を備え、前記共鳴器は、共鳴空間を有し、当該共鳴空間と前記中央空間とを連通する複数の貫通孔が形成されており、前記接着手段は、少なくとも、前記スペーサからの距離が30mm以上離れた箇所に設けられている。
この構成によれば、第1ガラス板と第2ガラス板がそれぞれ共鳴器を介して接着手段により固定されることによって、2枚のガラス板の共鳴を抑えることができ、高い遮音性能を実現することができる。特に、本発明に係る複層ガラスでは、接着手段が、少なくとも、スペーサからの距離が30mm以上離れた箇所に設けられているので、ガラス板の中央側の位置で共鳴器を介してガラス板が固定されるため、より効果的に共鳴を抑えることができる。
上記複層ガラスにおいて、前記共鳴器は種々の構成を取ることができるが、例えば、前記共鳴器は、内部に前記共鳴空間を有する中空の筒状に形成されたものとすることができる。
あるいは、次のように構成することもできる。すなわち、前記共鳴器は、前記中央空間側に配置され、前記貫通孔が形成された前記第1共鳴部材と、前記端部空間側に前記第1共鳴部材と間隔をおいて配置され、前記第1共鳴部材との間に前記共鳴空間を形成する第2共鳴部材と、を備え、前記第1共鳴部材は、前記接着手段により、前記第1ガラス及び第2ガラスに固定されているものとすることができる。
上記各複層ガラスにおいて、2つの前記共鳴器が設けられ、当該各共鳴器は、対向する前記辺に沿ってそれぞれ設けられているものとすることができる。
上記各複層ガラスにおいて、前記共鳴器は、金属により形成することができる。
上記各複層ガラスにおいて、前記共鳴器は、透明の樹脂材料により形成することができる。
本発明に係る複層ガラスによれば、遮音性能をさらに向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る複層ガラスの平面図である。 図1の複層ガラスの一部斜視図である。 図2の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る複層ガラスの一部斜視図である。 図4の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る複層ガラスの他の例を示す断面図である。 本発明の複層ガラスを枠部材に取り付けた状態を示す正面図および断面図である。 本発明の実施例1に係る複層ガラスの遮音性能を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る複層ガラスの遮音性能を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る複層ガラスの遮音性能を示すグラフである。 比較例1に係る複層ガラスの遮音性能を示すグラフである。 比較例2に係る複層ガラスの遮音性能を示すグラフである。 本発明の実施例4に係る建具の遮音性能を示すグラフである。 比較例3に係る建具の遮音性能を示すグラフである。
<1.第1実施形態>
以下、本発明に係る複層ガラスの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る複層ガラスの正面図、図2は図1の一部斜視図、図3は図2の断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る複層ガラスは、公知のフロートガラスなどで形成された2枚のガラス板、つまり矩形状に形成された外側ガラス板1(第1ガラス板)及び内側ガラス板2(第2ガラス板)を備えている。本実施形態では、外側ガラス板1の厚みが内側ガラス板2よりもやや厚くなっている。また、両ガラス板1,2は、ほぼ同様の外形を有しており、周縁部に配置されたスペーサ3によって互いに連結されている。より詳細に説明すると、このスペーサ3は、周縁の4つの辺に沿って延びる4つの部材、つまり、複層ガラスの上辺に沿う第1部材31、下辺に沿う第2部材32、右辺に沿う第3部材33、及び左辺に沿う第4部材34で構成されており、両ガラス板1,2の間に、幅W1が4〜22mmの中間層を形成する。
第1〜第4部材31〜34は、それぞれ、中間層側に配置された長尺状の内側部材41と、外部に露出する外側部材42とを備えており、これらは互いに連結されている。内側部材41は、例えば、アルミニウムなどの金属により、内部空間411を有する断面矩形状に形成されており、中間層側を向く面に、内部空間411と連通する多数の貫通孔412が形成されている。そして、内側部材41における外側ガラス板1側を向く面、及び内側ガラス2側を向く面は、透湿性の低いブチルゴムなどの第1シール材43によって、それぞれ各ガラス板1,2に接着されている。さらに、内側部材41の内部空間411には、ゼオライトなどの公知の乾燥剤(図示省略)が充填されている。また、内側部材41において外側部材42側を向く面には、突部413が形成されており、この突部413が外側部材42に嵌まっている。
外側部材42は、耐久性に優れたシリコンやポリサルファイド系樹脂等のシール材からなる第2シール材によって形成され、外側ガラス板1、内側ガラス板2、及び内側部材41に接着される。これにより、外側ガラス板1及び内側ガラス板2の周縁は、外側部材42によって気密に連結され、両ガラス板1,2の間の中間層は気密に保たれる。そして、この中間層には、乾燥空気や、アルゴンガスなどの希ガスが封入される。
また、この複層ガラスには、長尺状の一対の共鳴器5,6が、設けられている。以下、これら共鳴器5,6について詳述する。図1に示すように、各共鳴器5,6は、この複層ガラスの上辺及び下辺に沿って、スペーサ3の第1部材31及び第2部材32の内側に、それぞれ配置されている。ここでは、説明の便宜上、第1部材31に沿って延びる共鳴部材を第1共鳴器5、第2部材32に沿って延びる共鳴器を第2共鳴器6と称することとする。そして、両共鳴器5,6は、概ね同一構成であるため、以下では、第2共鳴器6について説明する。
図2及び図3に示すように、第2共鳴器6は、断面矩形状の中空の角筒状に形成され、第2部材32に沿って延びており、この第2共鳴器6によって、両ガラス板1,2の間の中間層は、第2部材32側の端部空間C2と、それとは反対側の中央空間C1に仕切られる。第2共鳴器6において、外側ガラス板1側及び内側ガラス板2側を向く面は、各ガラス板1,2と接着剤7によって固定されている。接着剤7が設けられる位置は、第2共鳴器6において中央空間C1側を向く面の近傍であり、第2部材32からの距離Sが30mm以上離れていることが好ましく、35mm以上離れていることがさらに好ましい。距離Sを大きくとりすぎると外観を損なうため、ガラス板寸法の1/3以下とすることが好ましい。共鳴器6を構成する材料は、特には限定されないが、アルミニウムなどの金属や、樹脂材料などで形成することができる。また、接着剤7としては、特には限定されないが、例えば、構造用接合テープを用いることができる。
また、第2共鳴器6は、断面矩形状の共鳴空間Fを有しており、この共鳴空間Fは、例えば、幅W2を1〜19mm,高さHを8〜161mmに形成することができる。また、第2共鳴器6の中央空間C1側の壁61の厚さLは、1〜10mmとすることができる。さらに、この中央空間C1側の壁61には複数の貫通孔62が形成されており、これら貫通孔62を介して、共鳴空間Fと中央空間C1とが連通している。複数の貫通孔62は、例えば、1〜19mmの内径dを有しており、第2共鳴器6の長手方向に沿って、例えば、80〜190mmの間隔Pで形成されている。また、図1に示すように、第2共鳴器6の長手方向の両端部と、第3部材33及び第4部材34との間には、わずかな隙間が形成されており、共鳴空間Fは中間層に開放されている。但し、共鳴器の材料がガラス板と同じ熱膨張係数をもつものであれば、これらを隙間がないように連結することもできる。以上が第2共鳴器6の構成であり、いわゆるヘルムホルツ共鳴器を構成しているが、第1共鳴器5も同様の構成である。
ところで、上記各共鳴器5,6は、ヘルムホルツ共鳴器であるため、以下の式により、共鳴周波数frを算出することができる。この式中において、Cは気体中の音速であり、H,P,W2,L,dは上述した通り、共鳴器5,6の寸法である。
また、複層ガラスにおける共鳴器を除く部分の共鳴透過周波数frmdは、以下の式により、算出することができる。この式中において、Cは気体中の音速であり、ρは気体の密度、mはガラスの面密度、W1は中間層の幅である。
そして、複層ガラスの寸法を適宜決定し、共鳴透過周波数frmdに対して、共鳴器の共鳴周波数frを合わせることで、複層ガラスにおける共鳴透過現象による遮音性能の低下を防止することができる。特に、一般的な複層ガラスにおいて、例えば、200〜500Hzの低周波域の遮音性能を向上するため、この周波数域をカバーするように、例えば、100〜650Hzといった範囲で、共鳴器による共鳴周波数を設定することが好ましい。
さらに、本発明者は、上記のようなヘルムホルツ共鳴器と両ガラス板1,2との接着位置を、少なくとも、スペーサ3からの距離Sが30mm以上の箇所に設けることで、低周波域における遮音性能が大幅に向上することを見出した。これは、両ガラス板1、2の中央側の位置で共鳴器5、6を介してガラス板1,2が固定されるためであり、これによって、ガラス板1、2の共鳴を効果的に抑えることができる。その結果、複層ガラスに設ける共鳴器の数を減らすことができ、例えば、本実施形態のように、複層ガラスの上辺及び下辺に沿うように、共鳴器を2箇所だけ設置しても、十分な遮音性能を発揮することができることを見出した。そして、共鳴器の数を減らすことができた結果、複層ガラスの外観性状も向上することができる。
<2.第2実施形態>
続いて、本発明に係る複層ガラスの第2実施形態について、図4及び図5を参照しつつ説明する。図4は第2実施形態に係る複層ガラスの一部斜視図、図5は図4の断面図である。第2実施形態が第1実施形態と相違するのは、共鳴器の構成であるため、以下では、相違点である共鳴器についてのみ説明する。また、本実施形態においても、一対の共鳴器8,9が、スペーサの第1部材及び第2部材の内側に、それぞれ配置されており、第1実施形態と同様に、第1部材31に沿って延びる共鳴部材を第1共鳴器8、第2部材32に沿って延びる共鳴器を第2共鳴器9と称することとする。そして、両共鳴器8,9は、概ね同一構成であるため、以下では、第2共鳴器9について説明する。
図4及び図5に示すように、本実施形態に係る第2共鳴器9は、第2部材32に沿って平行に延びる長尺状の第1共鳴部材91と、第2共鳴部材92とを備えており、ともに断面矩形状に形成されている。そして、第2共鳴器9によって、両ガラス板1,2の中間層は、第2部材32側の端部空間C2と、それとは反対側の中央空間C1に仕切られる。この共鳴器9において、第1共鳴部材91は中央空間C1側に配置され、第2共鳴部材92は、第1共鳴部材91と平行に間隔をおいて、端部空間C2側に配置される。これにより、第1共鳴部材91と第2共鳴部材92との間には、断面矩形状の共鳴空間Fが形成される。また、第1共鳴部材91及び第2共鳴部材92において、外側ガラス板1側及び内側ガラス板2側を向く面は、各ガラス板1,2と接着剤7によって固定されている。このとき、第1共鳴部材91において、接着剤7が設けられる位置は、第2部材32からの距離Sが30mm以上離れていることが好ましく、35mm以上離れていることがさらに好ましい。
また、第1共鳴部材91と第2共鳴部材92との距離Hは、7〜40mmとすることができ、第1共鳴部材91の厚さLは、1〜10mmとすることができる。さらに、第1共鳴部材91には複数の貫通孔911が形成されており、これら貫通孔911を介して、共鳴空間Fと中央空間C1とが連通している。複数の貫通孔911は、例えば、1〜19mmの内径dを有しており、第1共鳴部材91の長手方向に沿って、例えば、80〜190mmの間隔Pで形成されている。また、第1共鳴部材91及び第2共鳴部材92の長手方向の両端部と、第3部材33及び第4部材34との間には、わずかな隙間が形成されている。但し、これらの間に隙間がないように連結することもできる。
以上が、第2共鳴器9の構成であり、第1共鳴部材91、第2共鳴部材92、及び両ガラス板1,2の内壁面により共鳴空間Fが形成された、ヘルムホルツ共鳴器を構成している。なお、第1実施形態と同様に、第2共鳴器9の両端は開放され、共鳴空間Fが中間層と連通している。但し、第1共鳴器8も同様の構成である。
ところで、上記各共鳴器8,9は、ヘルムホルツ共鳴器であるため、以下の式により、共鳴周波数frを算出することができる。この式中において、Cは気体中の音速であり、H,P,W1,L,dは上述した通り、共鳴器の寸法である。
そして、第1実施形態と同様に、複層ガラス及び共鳴器の寸法を適宜決定し、複層ガラスの共鳴透過周波数frmdに対して、共鳴器の共鳴周波数frを合わせることで、複層ガラスにおける共鳴透過現象による遮音性能の低下を防止することができる。
さらに、第1実施形態と同様に、上記のようなヘルムホルツ共鳴器の第1共鳴部材91と両ガラス板1,2との接着位置を、少なくとも、スペーサからの距離Sが30mm以上である箇所に設けることで、低周波域における遮音性能が大幅に向上することを見出した。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
<3−1>
上記実施形態で用いるガラス板1、2は、フロートガラスのほか、網入りガラス、強化ガラスや合わせガラスなどを用いることができる。また、ガラス板の厚みは、上記実施形態のように相違していてもよいし、同一であってもよい。相違している場合、外側に配置されるガラス板の厚みを小さくすることもできる。
<3−2>
上記実施形態では、2枚のガラス板によって複層ガラスを形成しているが、3枚以上のガラス板を用いて2以上の中間層を有する複層ガラスを形成することもできる。そして、共鳴器は、いずれかの中間層に配置することができる。
<3−3>
上記実施形態では、複層ガラスの上辺及び下辺に沿って共鳴器を設けているが、複層ガラスのいずれか1つ以上の辺に沿って設けられていればよい。例えば、縦長の複層ガラスであれば、長辺1辺のみでも十分に効果を発揮できる。また、左辺及び右辺の2辺に沿って設けることもできるし、4辺すべてに設けることも可能である。
<3−4>
共鳴器の断面形状は特には限定されず、少なくとも両ガラス板1,2の間を仕切ることができればよい。また、共鳴空間の形状も特には限定されず、複層ガラスの共鳴透過周波数frmdに対して、共鳴器の共鳴周波数frを合わせることができればよい。但し、共鳴器の構成に関わらず、共鳴器を固定する接着手段を、少なくとも、スペーサからの距離が30mm以上の箇所に設けることで、両ガラス板1、2の中央側の位置で共鳴器を介してガラス板1、2が固定されるため、ガラス板1、2の共鳴を確実に抑制することができる。さらに、共鳴器を形成する材料も特には限定されず、金属、樹脂材料など適宜用いることができる。但し、透明の樹脂材料で形成すると、外部から視認しがたくなり、外観性状が向上する。
なお、接着手段は、少なくとも、スペーサ3からの距離Sが30mm以上の箇所にあればよく、これに加えて、スペーサ3からの距離が30mm未満の箇所に設けてもよい。したがって、例えば、図6に示すように、接着剤7を共鳴器6の側面全体に塗布することで、スペーサ3からの距離Sが30mm以上の箇所に加え、スペーサ3からの距離が30mm未満の箇所も、両ガラス板1、2に固定される。
<3−5>
共鳴器とガラス板とを固定する接着手段は、特には限定されず、例えば、上記のような接着剤のほか、両面テープなどを用いることもできる。
<3−6>
スペーサの構成は特には限定されず、両ガラスの間に気密な中間層を形成できればよい。したがって、乾燥剤などは必ずしも必要ではない。
<3−7>
上述した複層ガラスは、その周囲に配置される枠部材とともに、建具として用いることもできる。枠部材は、公知のものを用いることができる。例えば、枠部材は、複層ガラスの4辺に沿って延びる4本の長尺部材を矩形状に連結したものであり、各長尺部材には、溝が形成され、この溝に複層ガラスの4辺が嵌め込まれる。また、このような建具は、いわゆる嵌め殺し窓として建造物に取り付けられたり、あるいは開閉可能な窓として窓枠のレール上を移動するようなものであってもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
<1.実施例及び比較例の構成>
以下の通り、実施例及び比較例に係る複層ガラス及び建具を作製した。ここでは共鳴器の構成または位置が相違する実施例1〜4、共鳴器が設けられていない比較例1,3及び共鳴器の位置が実施例と相違する比較例2、を作製した。このうち、実施例4及び比較例3は、複層ガラスの周囲に枠部材が取り付けられた建具である。それ以外のガラス板、スペーサの構成は実施例、比較例ともに同じである。
(1)ガラス板
外側ガラス板:幅1230mm、高さ1480mm、厚さ8mmのフロートガラス
内側ガラス板:幅1230mm、高さ1480mm、厚さ5mmのフロートガラス
両ガラス板の中間層:11mm
共鳴周波数:210Hz
(2)スペーサ
内側部材:アルミニウム
第1シール材:ブチル
外側部材(第2シール材):シリコーン
乾燥剤:ゼオライト
(3)共鳴器1(第1実施形態と対応)
外形:幅1204mm,奥行き10mm、高さ30mm
内形:幅1204mm,奥行き7mm、高さ23mm、断面積161mm2
貫通孔:内径1.5mm,ピッチ5mm
材質:アルミニウム
共鳴周波数:210Hz
(4)共鳴器2(第2実施形態と対応)
(4-1)第1共鳴部材
外形:幅1204mm,奥行き10mm、高さ5mm
貫通孔:内径1.5mm,ピッチ5mm
材質:アクリル材
共鳴周波数:210Hz
(4-2)第2共鳴部材
外形:幅1204mm,奥行き10mm、高さ5mm
第1共鳴部材との距離:14.6mm
第1共鳴部材との間の共鳴空間の断面積:161mm2
材質:アクリル材
共鳴周波数:210Hz
(5)共鳴器とガラス板とを接着する接着剤
ノルマウントV2830H(サンゴバン社製)、厚さ0.8mm,幅4mm
(6)枠部材
枠部材として、三協立山株式会社製MTG−70(FIX窓、内押縁、溝幅36mm)を用い、図7に示すように複層ガラスに取り付けた。なお、図7の正面図は、枠部材の周囲に配置され、これを支持する治具も示している。
そして、上記部材を用い、次のように実施例及び比較例を作製した。
<2.評価試験>
続いて、上記のように作製された複層ガラス及び建具を用い、JIS A 1416−2000に規定される1/3オクターブバンド測定による、音響透過損失を測定した。そして、JIS A 4706−2000の遮音等級T−3に対し、各周波数帯域が不足する値の合計を求め、適合等級を次のように判定した。すなわち、T−3不足値合計が3dB以下であればT−3相当と判定し、3dBより大きければT−2相当と判定した。結果は、以下の通りである。
また、図8〜図12は、実施例1〜3、比較例1,2の音響透過損失を示すグラフである。また、図13及び図14は、それぞれ実施例4,比較例3の音響透過損失を示すグラフである。なお、グラフ中の直線は、T−3の基準を示す直線である。以上の結果より、共鳴器が、スペーサから30mm以上離れた箇所でガラス板に接着されていると、音響透過損失が向上することが分かった。そして、この結果は、共鳴器の構造が異なる、共鳴器1,2のいずれにおいても得られている。また、いずれの実施例も共鳴器を、複層ガラスの対向する2つの辺に沿って、2個しか設けておらず、外観性状が良好となる。また、この結果は、複層ガラスが取り付けられた建具においても同様であり、図13に示す実施例4の音響透過損失は、図14に示す比較例3(共鳴器なし)の音響透過損失よりも優れていることが分かる。
1:外側ガラス板(第1ガラス板)
2:内側ガラス板(第2ガラス板)
3:スペーサ
5,6,8,9:共鳴器
62,911:貫通孔
7:接着剤(接着手段)
91:第1共鳴部材
92:第2共鳴部材
C1:中央空間
C2:端部空間
F:共鳴空間

Claims (7)

  1. 矩形状の第1ガラス板と、
    矩形状に形成され、前記第1ガラス板と対向配置される第2ガラス板と、
    前記第1ガラス板と第2ガラス板との周縁部の各辺同士を連結し、当該両ガラス板の間に中間層を形成するスペーサと、
    前記第1ガラス板と第2ガラス板との間に配置され、前記少なくとも一辺のスペーサと平行に延び、前記中間層を、当該スペーサ側の端部空間と当該スペーサとは反対側の中央空間とに仕切る共鳴器と、
    前記第1ガラス及び第2ガラスと前記共鳴器とを固定する接着手段と、
    を備え、
    前記共鳴器の内部には、共鳴空間が形成され、当該共鳴空間と前記中央空間とを連通する複数の貫通孔が形成されており、
    前記接着手段は、少なくとも、前記スペーサからの距離が30mm以上離れた箇所に設けられている、複層ガラス。
  2. 前記共鳴器は、内部に前記共鳴空間を有する中空の筒状に形成されている、請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 前記共鳴器は、
    前記中央空間側に配置され、前記貫通孔が形成された第1共鳴部材と、
    前記端部空間側に前記第1共鳴部材と間隔をおいて配置され、前記第1共鳴部材との間に前記共鳴空間を形成する第2共鳴部材と、
    を備え、
    前記第1共鳴部材は、前記接着手段により、前記第1ガラス及び第2ガラスに固定されている、請求項1に記載の複層ガラス。
  4. 2つの前記共鳴器が設けられ、
    当該各共鳴器は、対向する前記辺に沿ってそれぞれ設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の複層ガラス。
  5. 前記共鳴器は、金属により形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の複層ガラス。
  6. 前記共鳴器は、透明の樹脂材料により形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の複層ガラス。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の複層ガラスと、
    前記複層ガラスの周囲に配置される枠部材と、
    を備えた建具。
JP2015065110A 2015-03-26 2015-03-26 複層ガラス Active JP6382141B2 (ja)

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