JP4170211B2 - 複層ガラス - Google Patents

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Description

本発明は複層ガラスに関し、強化ガラスを用いた4点支持工法であるDot Point Glazing工法(以下、DPG工法と略す)に使用する複層ガラスに関する。
一般的に、複層ガラスは、対向させた一対のガラス板の周縁部に、内部に乾燥剤、例えば、ゼオライトを充填したアルミニウム製の金属スペーサーを挟んだ状態で、ガラス面と金属スペーサーとの間に一次シール材としてのブチルゴム粘着材を貼り付けた状態に挟んで、一対のガラス板の間に外気から遮断した内部空間を形成している。更に、一次シール材とスペーサーとの外側のガラス板周縁部のガラス板間に、シリコーンシーラントまたはポリサルファイドを二次シール材として充填した構造となっている。
一方、最近の近代的ビル建築において、サッシ枠をなくしてフレームレスとし、開放感あふれるシンプルな外観、言い換えれば、ガラススクリーンを構成するために、ガラス板の四隅を孔加工し該孔をボルト止めする等して、ガラス支持部材にガラス板を固定することにより壁面を構成する点支持工法であるDot Point Glazing工法(以下、DPG工法と略す)を使用することが増えている。詳しくは、DPG工法は、ガラス支持部材にガラス板を固定して取り付け、該取り付け部より、X字状またはH字状のアームを持つガラス支持部材を設け、該支持部材のアーム先端にガラス板の四隅に穿設するガラス取り付け孔にボルト等のガラス取り付け手段を挿通させてガラス板を固定するガラス板の点支持方法である。
複層ガラスをDPG工法で施工すると、複層ガラス本来の断熱性能および遮音性能に加え、開放感あふれるシンプルな外観を建造物に与えられる。
例えば、特許文献1に、複層ガラスをサッシで固定するのではなく、複層ガラスをなす一対のガラス板の4隅に孔を開け、この孔にガラス支持金物を取り付けるとともに、内部空間に湿気が入らないよう支持金物の周りをブチルゴムなどでシーリングし、複層ガラスの各コーナー部に取り付けたガラス支持金物を建築物の支持材に固定されるDPG工法が開示されている。
通常、複層ガラスによるDPG工法においては、離間させた一対の相対向するガラス板の周辺部内側にアルミニウムスペーサーを挿入し、一対のガラス板とアルミニウムスペーサーを一次シール材としてのブチルゴム粘着材で粘着し一体化し、更に、そのスペーサーの外周を二次シール材としてのポリサルファイドで封止してなる複層ガラスを用い、複層ガラスをなす一対のガラス板両方の四隅にともに孔を開けて、複数の複層ガラスを壁の支持材に固定しガラススクリーンを施工する。
このようなガラススクリーンにおいて、施工後に一次シール材であるブチルゴム粘着材が変形し複層ガラスの内部空間側に移動し食み出すことがあった。外観が悪くなるのみでなく、ブチルゴム粘着材が変形すると、複層ガラスの内部空間を密閉できなくなり、透湿が多くなり露点が低下する。
このことは、DPG工法におけるガラススクリーンはサッシ枠なしで高所に取り付けられるために、風が吹きつけた際に風圧を受け、複層ガラスの一次シール材であるブチルゴム粘着材は柔らかく変形し易いため、風圧を受けると押しつぶされて次第に複層ガラスの内部空間側に移動し食み出すことによる。このため内部空間側に不揃いに移動したブチルゴム粘着材により外観が徐々に悪くなり、一次シール材としてのブチルゴム粘着材が変形することで複層ガラスとブチルゴム粘着材の間に隙間ができ複層ガラスの内部空間が密閉できなくなり、透湿が多くなり露点が低下する。例えば、特許文献1ではブチルゴム粘着材の食み出し防止として内部空間側に粘着テープを貼り付けているが、見栄えが悪く、粘着テープを貼り付けたとしても耐久性に難がある。
特開平8−231250号公報
本発明は、従来の複層ガラスを用いDPG工法によるガラススクリーンを施工した際に、風圧により一次シール材であるブチルゴム粘着材がスペーサーとガラスの間で押しつぶされて変形し内部空間側へ移動し食み出して外観を損なうとともに内部空間が透湿する問題を解決するために、複層ガラスの一次シール材にブチルゴム粘着材に替えて、変形および内部空間側へ移動し難い材料を用い、複層ガラスの内部空間への透湿を抑えた複層ガラスを提供することを目的とする。
更に、本発明は、一次シール材が内部空間に食み出すことなく、外観上、優れた複層ガラスを提供することを目的とする。
複層ガラスの一次シール材として、一対のガラスとスペーサーを接着一体化することが可能で、一次シール材として用いた際に、変形および内部空間側へ移動し食み出し難い材料に、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、ポリビニルブチラール(以下、PVBと略す)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略す)がある。
一方、殆ど透湿性のないブチルゴム粘着材に比べると、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAには透湿性があり、一次シール材に加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAを用いると、内部空間の透湿を抑えることが難しい。よって、二次シール材に従来のシリコーンシーラントおよびポリサルファイドに替えて、透湿性の低い加熱溶融型ブチルゴム、即ち、ホットメルトブチルを用いることにした。また、ホットメルトブチルは冷却固化した際に、複層ガラスにおける一対のガラス板の間隔を維持し、一次シール材が、スペーサーとガラスの間で押しつぶされて変形し内部空間側へ移動し食み出して、外観を損なうことを防止する効果がある。
即ち、本発明は、強化ガラスを用いた4点支持工法であるDot Point Glazing工法に使用する、周縁部4隅に孔をあけ離間させた一対の相対向するガラス板の外周部内側にスペーサーを挿入し一対のガラス板とスペーサーを一次シール材で接着し一体化し、さらにそのスペーサーの外周を二次シール材で封止し、前記孔部には、一対のガラス板間に開けた孔より大きい中心孔を有するリングスペーサーを挿入し、一対のガラス板とリングスペーサーを一次シール材で接着一体化し、孔部の内周を二次シール材で封止した複層ガラスであって、一次シール材に加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAを用い、二次シール材として加熱溶融型ブチルゴムを用いたことを特徴とする複層ガラスである。
一方、複層ガラスを作製するのに、ガラス板とスペーサーを接着一体化させる際、スペーサーにこれら一次シール材を貼り付けた後、スペーサーをガラス板間に挟みこんだ状態に挿入し、一次シール材を加熱溶融させることで接着一体化する。加熱溶融させた際に、一次シール材は、スペーサーの接着面で若干広がり、スペーサーより食み出し、作製した複層ガラスのスペーサー部の外観、即ち、見栄えが悪くなることがある。このことを防止するためには、スペーサーの貼着面より、一次シール材を小さくして貼着することが好ましい。ガラス板の外周部内側に挿入した一次シール材を、前記スペーサーの接着面に対し、複層ガラスとした際の内部空間側より、スペーサーより若干小さいサイズにカットして貼り付け、スペーサーを加熱溶融させて接着すれば、作製した複層ガラスにおいて、一次シール材がスペーサーより食み出すことは抑制される。
本発明の複層ガラスを作製するのに、前記スペーサーおよびリングスペーサーの接着面に対し、複層ガラスとした際に内部空間側となるスペーサーの端部より0.2mm以上、1.0mm以下、内側となるようにカットした加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAからなる一次シール材を貼着することが好ましい。
しかしながら、ガラス板の外周部内側に挿入したスペーサーに貼着した一時シール材を内部空間側より若干小さいサイズにカットしても、加熱溶融させた際に、一次シール材が膨張するため、スペーサーの幅方向に、一次シール材の幅がスペーサーの接着面で脈打ったように連続的に変化し、幅が大きくなった部位でスペーサーより食み出し作製した複層ガラスのスペーサー部の見栄えが悪くなることがある。このことを防止するためには、一次シール材を短冊状にカットし、カットした多数の一次シール材をスペーサーに貼着する際に、若干の隙間をあけることが好ましい。
本発明の複層ガラスを作製するのに、ガラス板の外周部内側に挿入したスペーサーの接着面に対し、スペーサーの長手方向に長さ10mm以上、50mm以下となるように短冊状にカットした多数の一次シール材を、隙間を1mm以上、2mm以下あけて連続的に貼着することが好ましい。
DPG工法を用いガラススクリーンに施工した後、長期にわたって一次シール材が内部空間側に食み出すことなく複層ガラスの外観が良好で、内部空間の透湿が少ない複層ガラスが得られた。
最初に、本発明の複層ガラスの構成について説明する。
図1は、複層ガラスの端部の略断面図である。
図1に示すように、一般的に複層ガラスは離間させた一対の相対向するガラス板G、G´の周辺部内側にスペーサー1を挿入し、一対のガラス板G、G´とスペーサー1を一次シール材2Aで接着し一体化し、更にその外周を二次シール材3Aで封止してなる構造である。
図2が、本発明の複層ガラスの4隅の孔部分の断面図である。
図2に示すように、複層ガラスをなす一対のガラスG、G´の間に剛性の高い材料からなるリングスペーサー5を挿入し、一対のガラス板G、G´の内面とリングスペーサー5を一次シール材2Bで接着一体化する。その内周部を二次シール材3Bで封止してなる構造である。尚、複層ガラスをなす一対のガラス板のうち、外側のガラス板G´の孔6にザクリを入れて皿形形状とした。DPG工法で複数の複層ガラスを固定しガラススクリーンとする際に皿形形状とすると、複層ガラスの四隅を固定する固定治具が複層ガラスの中に入り見栄えがよい。
本発明の複層ガラスの一次シール材2A、2Bには、一対のガラスG、G´とスペーサー1およびリングスペーサー5を強力に接着一体化することが可能で、一次シール材2A、2Bとして用いた際に、変形および内部空間側へ移動し食み出し難い、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAを用いる。
これらの中で、加熱硬化型のシリコーンゴム接着剤、特にフィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤が、柔軟性を有しつつ粘弾性に優れ接着力が大きく本発明の複層ガラスの一次シール材2A、2Bに好適に用いられる。その硬化反応は、化1に示されるビニル基が開くことによる架橋反応である。尚、反応触媒には白金粉末等を用いる。
フィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤は、例えば、オルガノポリシロキサン生ゴムと、湿式法疎水化補強性シリカおよび硬化促進剤からなるフィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤であり、硬化促進剤(架橋反応開始剤)としては過酸化物を用いる。硬化後も柔軟性を有しつつ粘弾性に優れることより、前記フィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤に厚みを持たせて、複層ガラスの一次シール材2A、2Bとして用いた際に、スペーサー1およびリングスペーサー5とガラスG、G´の熱膨張係数の差により剪断力が一次シール材2A、2Bにかかり、一次シール材2A、2Bがずれて剥がれる、または破壊する等の懸念がない。
フィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤として、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社より市販されている商品名、SOTEFA(以下、SOTEFAと記載する)が使用できる。SOTEFAを用いて、接着部位の大きさ12mm×25mmで、ガラスとステンレスを接着した場合の温度、20℃下における剪断接着試験をした際の接着強度は、カタログ値で692N/cmである。SOTEFAは、常温では弱い粘着性のみを有し接着性は有しないが、加圧加熱することで硬化しつつ接着性を発現する。
また、PVB、EVAは、合せガラスを作製する際に、2枚のガラスの透明中間膜として使用するものであり、フィルム状にしてガラス板に挟み加圧加熱することで、2枚のガラス板を接着一体化し強力な接着力を発現する。
尚、スチールドアやカーテンウォール等の接着等に使用されている工業用の構造用接合テープの中で強力な接着力があるものは、フィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAの換わりに複層ガラスの一次シール材2に使用できる可能性がある。このような、強力な接着剤を有する工業用の構造用接合テープとして、アクリルフォーム構造用接合テープ(住友スリーエム株式会社製、品番Y−4950)、不織布の両面が熱硬化性接着材からなる両面テープ(住友スリーエム株式会社製、品番Y−582A)が挙げられる。
一次シール材2A、2Bに加熱硬化型シリコーン接着剤、フィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAを用いた複層ガラスは、従来のブチルゴム粘着材に比べて、DPG工法を用いガラススクリーンに施工した後、一次シール材2A、2Bが変形し難く、内部空間側へ移動し食み出し難い。
引張強度が殆どないブチルゴム粘着材に対し、フィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVAまたはEVAは、JIS K6251−1993 3号ダンベルに準拠して測定した引張強度が750N/cm以上あり、格段の接着強度を有する。更に、ブチルゴム粘着材は弾性がなく容易に塑性変形するが、PVAおよびEVA材料は弾性があり復元力がある。
また、ほとんど透湿性のないブチルゴム粘着材に比べると、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAには透湿性があり、一次シール材2A、2Bに加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAを用いると、図1および図2に示す内部空間4の透湿を抑えることが難しい。よって、二次シール材3A、3Bに従来のポリサルファイド、シリコーンシーラントに替えて、透湿性の低いホットメルトブチルを用いることにした。
本発明の複層ガラスの二次シール材3A、3Bに用いるホットメルトブチルとして、横浜ゴム株式会社製、品番、M155およびM144、米国Delchem株式会社製、品番、D−2000、米国PRC−Desoto株式会社製、品番、PRC−595、米国BOSTIK株式会社製、品番BOSTIK9190等が挙げられる。 JIS Z 0208に基づくブチルゴム粘着材の透湿度は、0.2g/(m・day)であるが、横浜ゴム株式会社より市販されているポリサルファイド、品番、SM8000の透湿度は10g/(m・day)である。SM8000に対し、ホットメルトブチル、M155の透湿度は、0.49g/(m・day)であり、D2000の透湿度は0.50g/(m・day)であり、M155とD2000は本発明の複層ガラスの二次シール材3A、3Bに好適に使用される。
尚、JIS Z0208(1973)において、透湿度とは、一定時間に単位面積の膜状物質を通過する水蒸気の量をいい、温度25℃または40℃において、防湿包装材料を境界面とし、一方の側の空気を相対湿度90%、他の側の空気を吸湿剤によって乾燥状態を保ったとき、24時間に、この境界面を通過する水蒸気の重量(g)を、その材料1m当りに換算した値をその材料の透湿度として定めており、本発明における透湿度は、JIS Z0208(1973)に準拠した温度、25°C下、即ち、条件A、温度、25±0.5℃、相対湿度、90±2%の温湿度条件下における透湿度である。
一方、複層ガラスを作製する際に、透湿防止のためガラス板G、G´とスペーサー1に粘着させるのみのブチルゴム粘着材に比較して、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAからなる一次シール材2Aは、スペーサー1に該一次シール材を貼り付けた後、スペーサー1をガラス板G、G´間に挟みこんだ状態に挿入し、一次シール材2Aを加熱溶融させることで接着一体化し複層ガラスの構造強度を向上させる働きがある。
本発明の複層ガラスにおいて、加熱溶融させた際に、一次シール材2A、2Bは、スペーサー1およびリングスペーサー5との熱膨張率、即ち、線膨張率の違いにより、スペーサー1およびリングスペーサー5の接着面で若干広がり、スペーサー1およびリングスペーサー5より内部空間側に食み出し、作製した複層ガラスのスペーサー1およびリングスペーサー5部の見栄えが悪くなることがある。ガラスの線膨張率は8.5〜9.0×10−6/℃であり、アルミニウムの線膨張率は23×10−6/℃、フィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤として、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社より市販されているSOTEFAの線膨張率は、2.81×10−4/℃である。
一次シール材5が、内部空間側に食み出すことを、防止するためにはスペーサー1およびリングスペーサー5の接着面に対し、内部空間側のスペーサー端部より、0.2mm以上、1.0mm以下、内側となるように貼り付け、一次シール材2A、2Bを加熱溶融させて接着すれば、作製した複層ガラスにおいて、一次シール材2A、2Bが、スペーサー1およびリングスペーサー5より内部空間側に食み出すことが抑制される。0.2mm未満では、抑制する効果がなく、1.0mmより内側だと、一次シール材2A、2Bの接着面積が小さくなり、作製した複層ガラスの強度が低下する。
ガラス板G、G´の外周部内側に挿入したスペーサー1に貼着した一次シール材2Aを若干小さいサイズにカットしても、加熱溶融させた際に、一次シール材2Aが膨張するため、スペーサー1の幅方向に、一次シール材2Aがスペーサー1の接着面で脈打ったように脈動状に連続的に変化し、幅が大きくなった部位でスペーサー1より食み出し、作製した複層ガラスのスペーサー1部の見栄えが悪くなることがある。このことを防止するためには、スペーサー1の長手方向に長さ10.0mm以上、50mm以下の長さとなるように、一次シール材2Aを短冊状にカットし、カットした一次シール材2Aをスペーサー1に貼着する際に、0.2mm以上、2.0mm以下の隙間をあけ多数、貼着することが好ましい。一次シール材2Aの長さが10.0mmより短いと貼着作業に手間がかかりすぎ、50.0mmより長いと隙間をあけたとしても脈動が発生する懸念がある。長さ10mm以上、50mm以下の長さとなるように短冊状にカットした一次シール材2Aをスペーサー1の接着面に貼着する際、隙間をあけその隙間を調整することで、一次シール材が膨張とした際に脈動状にならない。多数貼着した一次シール材2A間の隙間が、0.2mmより小さいと脈動状になることを抑制する効果がなく、2.0mmより大きいと一次シール材2Aが膨張した際に一体化されない懸念が大きい。脈動および食み出しが生じないように、短冊状にカットした一次シール材2Aの長さを、10.0mm以上、50.0mm以下、スペーサー1に貼着した際の隙間を0.2mm以上、2.0mm以下の範囲で調整することが好ましい。
また、隙間をできるだけ狭めて、隙間に向けて窄まる様に一次シール材2Aをカットすることは、複層ガラスの内部空間側の一次シール材2Aによる接着面を直線状となるように調整することが容易となり好ましい。
本発明の複層ガラスにおいて使用されるスペーサー1およびリングスペーサー5には、金属スペーサーとしてのアルミニウム製スペーサー、ステンレス鋼製スペーサー、また、乾燥剤を混練した樹脂製のスペーサー等が挙げられ、ガラス板G、G´には、フロートで作製された後何ら処理されていないガラス板、強化ガラス板、着色ガラス板、および金属薄膜つきガラス板等が挙げられる。
実施例1
図3が、本発明の実施例に使用する強化ガラスの平面図である。
図3に示すように、四隅に円形の孔6を開けた、厚みが10mmまたは12mm、サイズ、900mm×1800mmの強化ガラス板G、G´を2枚準備した。ガラスクリーンを形成する際、室内用とする厚み10mmのガラス板Gに開けた孔6の径が、48.5mm、他方、室外用とする厚み12mmのガラス板G´にあけた孔6の径が、36.2mmである。
図4が、ガラス板G、G´への一次シール材2A、2Bの貼り付け位置を示す平面図である。
図4に示すように、一次シール材2A、2Bの貼り付け位置を記載した型紙の上に、前記室外用ガラス板G´を置き、一次シール材2Aとしての厚み、1.0mm、幅、4.5mm、長さ、30mmの短冊状に切断した東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のフィルム状加熱硬化型シリコーン接着剤である商品名、SOTEFAをガラス板G´の外周部の貼り付け位置7Aに、スペーサー1の長手方向に0.5mm隙間を開けて、全周貼り付けた。
尚、複層ガラスとする際に内部空間4を密閉するため、図2に示すように、前記孔の複層ガラスとした際に内部空間4となるガラス板G、G´間には、密閉のためのアルミニウム製リングスペーサー5を、一次シール材2BとしてのSOTEFAを用いて貼りつけ挟持させる。そこで、外周部にSOTEFAを貼り付け済の室外用ガラス板G´の、図4に示した貼り付け位置7Bにリング状にカットしたSOTEFAを、貼着位置が複層ガラスとした際の内部空間側リングスペーサー5端部から0.5mm内側になるように貼り付けた。
次いで、室外用ガラス板G´の外周部に貼り付け積みのSOTEFAの貼り付け位置7A上に、ゼオライトを充填するために中空とした、幅、5mmのアルミニウム製スペーサー1を貼り付け、リング状に貼り付け済のSOTEFAの貼り付け位置7Bの上にアルミニウム製リングスペーサー5をSOTEFAが内部空間側端部から0.5mmの位置になるように貼り付け、アルミニウム製スペーサー1とアルミニウム製リングスペーサー5の室内用ガラスGと接する面にSOTEFAを貼り付けた後、孔6を加工済みの室内用ガラス板Gを重ね合わせた。
尚、アルミニウム製スペーサー1は12.6mm幅のものを用い、コーナー部はアルミニウム製コーナーキーを用い接続し、ガラス板G、G´の外周部貼り付け位置にあわせて矩形とした。アルミニウム製スペーサー1の3辺については、外側に予め5mmΦの孔を1辺につき1ヶ所開け、残りのアルミニウム製スペーサー1の1辺には、加圧化加熱炉であるオートクレーブ内にて、SOTEFAを硬化させ本接着する際に、複層ガラスに圧力がかかり破損することなきよう、複層ガラスの内部空間まで貫通させた径、5mmの孔を3ヶ所開けた。
このようにして、ガラス板G、G´とアルミニウム製スペーサー1およびアルミニウム製リングスペーサー5とを、SOTEFAで貼り付け一体化させた後、ガラス板G、G´が動かないようマスキングテープで仮固定し、予め内部を加熱してある加熱加圧炉であるオートクレーブ内に搬入し、温度135℃、空気圧により内部圧力10.5kg/cmとした後、オートクレーブ内に温度135℃に20分保持し、SOTEFAを加熱硬化させて本接着し、ガラス板G、G´とアルミニウム製スペーサー1およびアルミニウム製リングスペーサー5とを接着一体化させた。
オートクレーブから複層ガラスを搬出し、マスキングテープを剥がし、3辺のアルミニウム製スペーサー1の外側に開けた孔から乾燥剤であるゼオライトをアルミニウム製スペーサー1内に充填し、内部空間の透湿防止のためにアルミニウム製粘着テープで封をした。また、内部空間に貫通させたアルミニウム製スペーサー1の孔にアルミニウム製粘着テープで封をした。
次いで、図1に示すように、一対のガラス板G、G´とアルミニウム製スペーサー1の外周部がなす凹部に、予め、温度180℃に加熱溶解してあるホットメルトブチル、横浜ゴム株式会社製、品番M155を、図示しない射出装置を用いて充填し二次シール材3Aとし本発明の複層ガラスとした。
またDPG工法に対応するために、図2に示すように、複層ガラスの室外用ガラス板G´の四隅にあけた孔6には、ガラス支持金物を通すための皿形形状のザクリがある。次いで、室内用ガラスG側から、孔6にポリカーボネート製のブッシュ8を挿入した。次いで、前記射出装置の射出ノズルを円柱状の細い径に交換して、概ノズルを用いて、室内用ガラス板Gとポリカーボネート製ブッシュ8の隙間に、加熱溶解させたホットメルトブチル、横浜ゴム株式会社製、品番、M155を射出し、一対のガラス板G、G´、アルミニウム製リングスペーサー5およびポリカーボネート製ブッシュ8とで囲まれた隙間をホットメルトブチルで充填し、ホットメルトブチルを二次シール材3Bとして、複層ガラスの内部空間4を封止した。その後、前記ブッシュ8と室内用ガラス板Gの孔6との隙間に金属線材からなるリング9をはめ込み、更に、ホットメルトブチルで封止しDPG工法用の複層ガラスを完成させた。一次シール材2A、2BとしてのSOTEFAがスペーサー1およびリングスペーサー5から食み出すことのない外観に優れた複層ガラスが得られた。
また、一次シール材2Aにフィルム状加熱硬化型シリコーン接着剤であるSOTEFA、二次シール材3AにホットメルトブチルM155を用い作製した複層ガラスの透湿性能を評価するために、サイズ、500mm×350mmの大きさの孔部を設けない複層ガラスを別途作製し、JIS R3209(1998)「複層ガラス」に従い、露点試験を行ったところ、露点は1日後、−53℃、2日後、−61℃、3日後、−70℃であり、JIS R3209(1998)「複層ガラス」の透湿性能、−35℃以下を満足した。
実施例2
実施例1で使用した東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のフィルム状加熱硬化型シリコーン接着剤であるSOTEFAの替わりに積水化学株式会社製、PVBフィルムを用いて、四隅に円形の孔6を開けた、厚み、10mmまたは12mm、サイズ、900mm×1800mmの強化ガラス板G、G´を2枚用意し、実施例1と同様の手順でDPG工法用の複層ガラスを作製し、一次シール材2A、2BとしてのSOTEFAがスペーサー1およびリングスペーサー5から食み出すことのない外観に優れた複層ガラスが得られた。
また、一次シール材2AにPVB、二次シール材3AにホットメルトブチルM155を用い作製した複層ガラスの透湿性能を評価するために、上記構成の孔部を有さない複層ガラスを、サイズ、500mm×350mmの大きさに別途作製し、JIS R3209(1998)「複層ガラス」に従い、露点試験を行ったところ、露点は1日後、−49℃、2日後、−58℃、3日後、−70℃であり、JIS R3209(1998)「複層ガラス」の透湿性能、−35℃以下を満足した。
実施例3
実施例1で使用した東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のフィルム状加熱硬化型シリコーン接着剤であるSOTEFAの替わりにブリヂストン株式会社製、EVAフィルムを用いて、四隅に円形の孔6を開けた、厚みが10mmまたは12mmの寸法が900mm×1800mmの強化ガラス板G、G´を2枚用意し、実施例1と同様の手順でDPG工法用複層ガラスを作製し、内部空間側に一次シール材2A、2BとしてのSOTEFAがスペーサー1およびリングスペーサー5から食み出すことのない外観に優れた複層ガラスが得られた。
また、一次シール材2AにEVA、二次シール材3AにホットメルトブチルM155を用い作製した複層ガラスの透湿性能を評価するために、上記構成の孔部を有さない複層ガラスを、サイズ、500mm×350mmの大きさに別途作製し、JIS R3209(1998)「複層ガラス」に従い、露天露点試験を行ったところ、露点は1日後、−50℃、2日後、−59℃、3日後、−70℃であり、JIS R3209(1998)「複層ガラス」の透湿性能、−35℃以下を満足した。
複層ガラスの端部の略断面図である。 本発明の複層ガラスの4隅の孔部分の断面図である。 本発明の実施例に使用する強化ガラスの平面図である。 ガラス板への一次シール材の貼り付け位置を示す平面図である。
符号の説明
G 室内側用ガラス板
G´ 室外側用ガラス板
1 スペーサー
2A、2B 一次シール材
3A、3B 二次シール材
4 内部空間
5 リングスペーサー
6 孔
7 一次シール材貼り付け位置
8 ブッシュ
9 リング

Claims (1)

  1. 強化ガラスを用いた4点支持工法であるDot Point Glazing工法に使用する、周縁部4隅に孔をあけ離間させた一対の相対向するガラス板の外周部内側にスペーサーを挿入し一対のガラス板とスペーサーを一次シール材で接着し一体化し、さらにそのスペーサーの外周を二次シール材で封止し、前記孔部には、一対のガラス板間に開けた孔より大きい中心孔を有するリングスペーサーを挿入し、一対のガラス板とリングスペーサーを一次シール材で接着一体化し、孔部の内周を二次シール材で封止した複層ガラスであって、一次シール材に加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、PVBまたはEVAを用い、二次シール材として加熱溶融型ブチルゴムを用いたことを特徴とする複層ガラス。
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