JP2005089212A - 複層ガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】建造物の外側をなす室外側のガラスは孔をあけないので支持部材に複層ガラスを固定するためのボルト等の頭等が見えず、施工後の外観が向上させ、またボルト等を一対のガラスともに貫通させた場合に生じる室内側の支持部材が結露する問題を解消した、内側のガラス板にのみ支持部材を取り付け片持ち支持で固定する構法に対応した強度を持つ複層ガラスを提供する。
【解決手段】一次シール材として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の接着剤、例えば、フィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を用いて、スペーサーとガラスを接着し、その外側に二次シール材として、加熱溶融型ブチルゴムで封止してなることを特徴とする複層ガラス。
【選択図】図2
【解決手段】一次シール材として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の接着剤、例えば、フィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を用いて、スペーサーとガラスを接着し、その外側に二次シール材として、加熱溶融型ブチルゴムで封止してなることを特徴とする複層ガラス。
【選択図】図2
Description
本発明は、複層ガラスおよびそれを用いた構法に関する。特に、ガラス支持部材を介して複層ガラスの室内側のガラスのみを片持ち支持して固定する構法に適した複層ガラスに関する。
一般的に、複層ガラスは、対向させた一対のガラス板の周縁部に、内部に乾燥剤、例えば、ゼオライトを充填したアルミニウム製の金属スペーサーを挟んだ状態で、ガラス面と金属スペーサーとの間に一次シール材としてのブチルゴムを貼り付けた状態に挟んで、一対のガラス板の間に外気から遮断した内部空間を形成している。更に、一次シール材とスペーサーとの外側のガラス板周縁部のガラス板間に、シリコーンシーラントまたはポリサルファイドを二次シール材として充填した構造となっている。
一方、最近の近代的ビル建築において、サッシ枠をなくしてフレームレスとし、開放感あふれるシンプルな外観、言い換えれば、ガラススクリーンを構成するために、ガラス板の四隅を孔加工し該孔をボルト止めしガラス支持部材にガラスを固定することにより壁面を構成する点支持構法であるDot Point Glazing構法(以下、DPG構法と略す)を使用することが増えている。詳しくは、DPG構法は、ガラス支持部材にガラス板を固定して取り付け、該取り付け部より、X字状またはH字状のアームを持つガラス支持部材を設け、該支持部材のアーム先端にガラス板の四隅に穿設するガラス取り付け孔にボルト等のガラス取り付け手段を挿通させてガラス板を固定するガラス板の点支持方法である。
複層ガラスをDPG構法で施工すると、複層ガラス本来の断熱性能および遮音性能に加え、開放感あふれるシンプルな外観を建造物に与えられる。
複層ガラスをDPG構法で施工することは、特許文献1乃至特許文献8により既に知られており、いずれも複層ガラスをなす一対のガラス板の両方ともに孔をあけ、その孔にボルト、リベット等を貫通させてガラス支持部材に固定し壁面を構成している。例えば、特許文献1に記載のように、複層ガラスをなす一対のガラス板の両方ともに四隅に孔を開け、この孔にソケッドおよびボルト等を貫通させた状態で複層ガラスを支持部材に取り付けるとともに、複層ガラスの内部空間に湿気が入らないようガラス支持部材の周りをブチルゴム等でシーリングしている。
また、横方向のサッシ枠をなくして縦フレームのみとしたものに縦連窓がある。縦連窓とは、ガラス板の対向する2辺を縦枠としてのサッシである方立てに固定し、残った2辺のなす狭い隙間、言い換えれば、突合せ目地をシール材でシールするガラスの構法である。縦連窓は、見た目、枠組みであるサッシが碁盤目状とならないため見栄えが良い。縦連窓において、室外側からは見えないガラス板の自重を受けるための水平材である無目を設け、無目により室内側からガラス板を支持する必要がある。
尚、ガラスと金属とを接着するのに好適な接着剤としてフィルム状シリコーンゴム接着剤が特許文献9または特許文献10にて開示されている。フィルム状シリコーンゴム接着剤は、オルガノポリシロキサン生ゴムと、湿式法疎水化補強性シリカおよび硬化促進剤からなり、建物の入り口等に使用されるガラス製扉の取っ手、窓ガラスの取っ手、自動車のフロントガラスに取り付ける鏡(インナーミラー)等を取り付けるための接着剤として有望とされている。
特開平8−231250号公報
特開2000−320047号公報
特開2000−104456号公報
特開平9−177442号公報
特許第3418669号
特許第3152384号
特許第3152383号
特許第3120960号
特公平7−119394号公報
特開平11−209735号公報
複層ガラスをDPG構法で施工する際は、複層ガラスをなす一対のガラス板の両方ともに四隅に孔加工し、該孔にボルトを貫通させて挿通し、ガラス支持部材にボルトを締めつける等の手段で、ガラス支持部材のアーム先端に固定される。DPG構法は複層ガラスをサッシ枠なしで取り付ける画期的な構法であるが、複層ガラスをなす一対のガラス板をともにボルト等を貫通させると、外面からの孔部の雨漏り、冬期においてボルト等を通して冷気が内部に伝わり、室内側のガラス支持部材に結露を生じる等の問題があった。
また、DPG構法において、複層ガラスをなす一対のガラス板うち、室内側のガラス板のみに孔をあけ、該孔にガラス支持部材を挿通した後に固着手段により固定して、複層ガラスをガラス支持部材に室内側のガラス板のみを片持ち支持する状態となるようにし施工すると前記問題は解決し、更に、建造物の外側をなす室外側のガラスには孔をあけないので、ボルトの頭等が見えず、施工後の外観が向上する。しかしながら、複層ガラスをなす一対のガラス周縁部に、一次シール材としてブチルゴム、二次シール材としてシリコーンシーラントあるいはポリサルファイドを用いてシールした従来の複層ガラスを用い前記片持ち支持を行うと、シール材の接着力が不足し複層ガラスのシール部の強度が足りないために、複層ガラスをなす室外側のガラス板の自重により複層ガラスが変形する、あるいはシール部がずれて剥がれ、建造物の外側をなすガラス板が脱落する懸念があるという問題があった。
また、複層ガラスを縦連窓に用いる際、一対のガラス板をともに支持するために、無目に固定しガラスを支持する自重受け金具を長くする必要があり、この部分においてシール部分が薄くなることが避けられない。このためこの薄くなったシール部分より水が侵入する懸念があった。
本発明は、ガラス板周縁部においてガラス板とアルミスペーサーの間に一次シール材としてのブチルゴムを貼り付け、更に、アルミスペーサ−の外周部を二次シール材としてのシリコーンシーラントまたはポリサルファイドによりシールした従来の複層ガラスに替えて、複層ガラスをなす内側のガラス板にのみ支持部材を取り付けた片持ち支持状態で固定する構法に対応した強度を持つ複層ガラスを提供することを目的とする。
複層ガラスをなす内側のガラス板のみをガラス支持部材に固着させ複層ガラスを片持ち支持状態で固定する構法に対応した複層ガラスを提供するには、複層ガラスをなす室外側のガラス板の自重によりシール部がずれて剥がれ、室外側のガラス板が自重で脱落する懸念を解消しなければならない。懸念を解消するには、透湿性がないので使われるが接着力はない一次シール材としてのブチルゴム、接着力はあるが片持ち支持した場合に変形し、ずれて剥がれる懸念のある二次シール材としてのシリコーンシーラントまたはポリサルファイドに替えて、大きな剪断荷重に耐える強力な接着力のある材料をシール材に用いる必要がある。
本発明者らは、ブチルゴムに替えて、一次シール材に、JIS K6850(1999)「接着剤−剛性被着材の引張剪断接着強さ試験方法」に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上、即ち、0.04N/m2の接着強度の接着剤を用いることとした。JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の有する接着剤の選択は、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、アクリル系接着剤またはエポキシ系接着剤の中から選択する。その中で、加熱硬化型のシリコーンゴム接着剤、特にフィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤は、柔軟性を有しつつ粘弾性に優れ接着力が大きく本発明の複層ガラスの一次シール材として好適に用いられる。
即ち、本発明は、離間させた一対の相対向するガラス板の周辺部内側にスペーサーを挿入し、一対のガラス板とスペーサーを一次シール材で接着し一体化し、更にそのスペーサーの外周を二次シール材で封止してなる複層ガラスであって、一次シール材として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の接着剤を用いて、スペーサーとガラスを接着し、その外側に二次シール材として、加熱溶融型ブチルゴムで封止してなることを特徴とする複層ガラスである。
更に、本発明は、前記接着剤が加熱硬化型シリコーンゴム系接着剤、またはアクリル系接着剤であることを特徴とする上記の複層ガラスである。
尚、従来の透湿性の低いブチルゴムより、一次シール材を加熱硬化型シリコーンゴム系接着剤、またはアクリル系接着剤に替え、且つ低い透湿性を維持するため、本発明の複層ガラスにおいて、二次シール材としてポリサルファイドに替えてJIS Z0208(1973)「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準拠した条件A下の透湿度が2g/m2・24h以下、即ち、2(g/m)2/24h以下の加熱溶融型ブチルゴム、言い換えれば、ホットメルトブチルを用いた。
更に、本発明は、二次シール材としてJIS Z0208(1973)に準拠した透湿度が2g/m2・24h以下の加熱溶融型ブチルゴムを使用したことを特徴とする上記の複層ガラスである。
更に、本発明は、前記二次シール材の外側のガラス板間を、更にシリコーンシーラントで充填したことを特徴とする上記の複層ガラスである。
更に、本発明は、スペーサーとしてヤング率が147Gpa以上の鋼材を使用したことを特徴とする上記の複層ガラスである。
更に、本発明は、スペーサーがステンレス鋼であることを特徴とする上記の複層ガラスである。
更に、本発明は、一対の複層ガラスのうち、少なくともどちらか一方は強化ガラスを使用したことを特長とする上記の複層ガラスである。
更に、本発明は、離間させた一対の相対向するガラス板の周辺部内側にスペーサーを挿入し、一対のガラス板とスペーサーを一次シール材で接着し一体化し、更にそのスペーサーの外周を二次シール材で封止してなる複層ガラスの製造方法であって、一次シール材として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度のフィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を用い、スペーサーとガラスの間に該接着剤を挟んだ後に加圧加熱し硬化させて接着し、その外側に二次シール材として、加熱溶融型ブチルゴムを加熱溶融してガラス板間に充填した後に冷却硬化させて封止することを特徴とする上記の複層ガラスの製造方法である。
更に、本発明は、ガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法であって、一対のガラスのうち、片方のガラスにガラス支持部材を挿入するための孔を設けた上記の複層ガラスを用い、該孔にガラス支持部材を挿入後、ガラスとガラス支持部材の隙間を封止材で封止し固定することを特徴とするガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法である。
更に、本発明は、前記封止材に、JIS Z0208(1973)に準拠した条件A下の透湿度が2g/m2・24h以下の加熱溶融型ブチルゴムを用いたことを特徴とする上記のガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法である。
更に、本発明は、ガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法であって、上記の複層ガラスを用い、一対のガラスのうち、片方のガラスとガラス支持部材とを接着剤を用いて接着し固定することを特徴とするガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法である。
更に、本発明は、前記接着剤にJIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度のある加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、またはアクリル系接着剤を用いることを特徴とする上記のガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法である。
更に、本発明は、ガラス支持部材を介して上記の複層ガラスを固定する構法であって、ガラス支持部材に固定するガラスが強化ガラスであることを特徴とする上記のガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法である。
更に、本発明は、上記の複層ガラスを用いたことを特徴とする縦連窓である。
本発明は、ガラス板周縁部においてガラス板とアルミスペーサーの間に一次シール材としてのブチルゴムを貼り付け、更に、アルミスペーサ−の外周部を二次シール材としてのシリコーンシーラントまたはポリサルファイドによりシールした従来の複層ガラスに替えて、一次シール材として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の接着剤、例えば、フィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を用いて、スペーサーとガラスを接着し、その外側に二次シール材として、加熱溶融型ブチルゴムで封止してなることを特徴とする複層ガラスである。
本発明において、複層ガラスをなす内側のガラス板にのみ支持部材を取り付け片持ち支持で固定する構法に対応した強度を持つ複層ガラスが提供される。
また、従来の複層ガラスを用いたDPG構法と比較し、建造物の外側をなす室外側のガラス板は孔をあけないので支持部材に複層ガラスを固定するためのボルト等の頭等が見えず、施工後の外観が向上する。またボルトを2枚のガラスともに貫通させた場合に生じる室内側の支持部材の結露が解消する。
最初に、本発明の複層ガラスの構成について説明する。
図1は、複層ガラスの端部の略断面図である。
図1に示すように、一般的に複層ガラスは離間させた一対の相対向するガラス板G、G´の周辺部内側にスペーサー1を挿入し、一対のガラス板G、G´とスペーサー1を一次シール材2で接着し一体化し、更にその外周を二次シール材3で封止してなる構造である。
本発明の複層ガラスは、室外側のガラス板Gをガラス支持部材により支持しない構造に対応するため、シール材で長期にわたり強固に一対のガラス板を接着固定する必要がある。即ち、シール材には、室外側のガラスの重量による剪断荷重に長期にわたり耐えられる接着強度が必要である。例えば、板厚、15mm、寸法、2m×3mのフロートガラス板を用いて複層ガラスを作製する場合、このガラス板の重量は約225kgである。ガラス板端部から内側に10mmの部位に幅10mmのスペーサー1を用い、一次シール材2によりスペーサー1とガラス板G、G´面を接着すると接着面積は片側988cm2となる。この時の一次シール材2に働く剪断力は2.23N/cm2である。長期使用による剪断力の低下および安全性を考慮して、一次シール材1には該剪断力の179倍以上である、400N/cm2以上の接着強度が必要である。より好ましくは、202倍以上である450N/cm2以上必要である。本発明において、一次シール材1には、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の接着剤を用いており、400N/cm2以上の接着強度の接着剤の選択は、加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、アクリル系接着剤またはエポキシ系接着剤の中から選択する。
その中で、加熱硬化型のシリコーンゴム接着剤、特にフィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤が、柔軟性を有しつつ粘弾性に優れ接着力が大きく本発明に好適に用いられる。その硬化反応は、化1に示されるビニル基が開くことによる架橋反応である。尚、反応触媒には白金粉末等を用いる。
フィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤は、例えば、オルガノポリシロキサン生ゴムと、湿式法疎水化補強性シリカおよび硬化促進剤からなるフィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤であり、硬化促進剤(架橋反応開始剤)としては過酸化物を用いる。硬化後も柔軟性を有しつつ粘弾性に優れることより、前記フィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤に厚みを持たせて、複層ガラスの一次シール材2として用いた際に、スペーサー1とガラスG、G´の熱膨張係数の差により剪断力が一次シール2にかかり、一次シール2がずれて剥がれる、または破壊する等の懸念がない。
フィルム状加熱硬化型シリコーンゴム接着剤として、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社より市販されている商品名、SOTEFA(以下、SOTEFAと記載する)が使用できる。SOTEFAを用いて、接着部位の大きさ12mm×25mmで、ガラスとステンレスを接着した場合の温度、20℃下における剪断接着試験をした際の接着強度は、カタログ値で692N/cm2である。SOTEFAは、常温では弱い粘着性のみを有し接着性は有しないが、加圧加熱することで硬化しつつ接着性を発現する。
一方、一次シール材2に使用するアクリル系接着剤としては、構成物にエラストマーを含む2液型変性アクリレート系接着剤を用いる。2液型変性アクリレート系接着剤は、例えば、主剤がエラストマー、アクリル系モノマーおよび重合開始剤からなり、硬化剤がエラストマー、アクリル系モノマーおよび還元剤からなる。前記主剤と硬化剤を混ぜると、主剤中の重合開始材である過酸化物と還元剤の反応がおこり、アクリルモノマーがラジカル重合し硬化する。2液型変性アクリレート系接着剤は、エラストマーを含むため、硬化後も柔軟性を有しつつ粘弾性に優れることより、スペーサーとガラスの熱膨張係数の差により剪断力がシール部にかかり、シール部がずれて剥がれる、または破壊する等の懸念がない。2液型変性アクリレート系接着剤としては、例えば、電気化学工業株式会社より市販されている商品名、ハードロック、型番F−51等を用いればよい。該F51は、第二世代アクリル系接着剤、SGA(second Generation Acrylic Adhesives)に属し2液型である。2液型変性アクリレート系接着剤の重合は空気中の酸素により阻害されるが、F−51は添加剤により阻害されることを防いでいる。
また、他に、一次シール剤2に使用するアクリル系接着剤としては、硬化前は通常の感圧型両面テープであるが、熱を加えると高い接着強度を発揮できる熱硬化型アクリルフォームテープを用いてもよい。このような接着剤として、例えば、住友スリーエム株式会社から市販されている品番#9270が挙げられる。
尚、従来の複層ガラスにおいては、一次シール材2には、内部空間が湿気を帯び複層ガラス内側が結露することなきよう、透湿防止のために粘着性のブチルゴムが用いられている。しかしながら、ブチルゴムは複層ガラスと粘着し透湿防止をするのみで構造保持する接着強度は有しない。よって、構造保持は二次シール3によるが、二次シール材3として用いるシリコーンシーラントおよびポリサルファイドの接着強度は127.4N/cm2〜176.4N/cm2である。複層ガラスをサッシに取り付ける際の作業時や運搬時に一時的に複層ガラスを片持ちしたとしても該二次シール3により構造は保持されるが、本発明の目的とする室外側のガラス板Gをガラス支持部材により支持しなく、室内側のガラス板G´のみを片もち支持した状態での長期にわたる構造保持に対応するには、接着強度が不足している。
本発明の複層ガラスに用いる二次シール材3には、透湿を防止し、且つ構造保持のための接着強度を期待できるホットメルトブチルを使用する。ホットメルトブチルは、加熱状態で溶融するのでスペーサー1と一対のガラスG、G´のなす凹部に、加熱状態で充填した後に冷却固化する。透湿防止のためには、JIS Z0208(1973)に準拠した条件A下の透湿度が2g/m2・24h以下が必要である。尚、JIS Z0208(1973)において、透湿度とは、一定時間に単位面積の膜状物質を通過する水蒸気の量をいい、温度25℃または40℃において、防湿包装材料を境界面とし、一方の側の空気を相対湿度90%、他の側の空気を吸湿剤によって乾燥状態を保ったとき、24時間に、この境界面を通過する水蒸気の重量(g)を、その材料1m2当りに換算した値をその材料の透湿度として定めており、本発明における透湿度は、JIS Z0208(1973)に準拠した温度、25°C下、即ち、条件A、温度、25±0.5℃、相対湿度、90±2%の温湿度条件下における透湿度である。
本発明の複層ガラスに用いる二次シール材3としてのホットメルトブチルには、例えば、横浜ゴム株式会社より市販されている商品名M145およびM155、米国Delchem株式会社より市販されている商品名D−2000、米国PRC−Desoto株式会社より市販されている商品名PRC−595、あるいは米国BOSTIK株式会社より市販されている商品名BOSTIK9190が挙げられる。特に、M155またはD―2000の透湿度は0.5g/m2・24h近辺であり、本発明の複層ガラスに用いる二次シール材3としては好ましい材料である。
ホットメルトブチルは低い透湿度を有する、しかしながら、耐侯性はシリコーンシーラントが優れる。よって、複層ガラスのシール部に耐侯性を与えるためには、一対のガラスG、G´の間の凹部にホットメルトブチルによる二次シール材3の外側に凹部を残しておき、該凹部を更にシリコーンシーラントで充填することが好ましい。
次いで、本発明の複層ガラスに使用するスペーサー1であるが、アルミニウム製スペーサー1に替えて、室外側のガラス板Gを支えた際に変形する虞のない、長期にわたる荷重に耐える剛性の高いスペーサー1を用いることが好ましい。ヤング率(縦弾性係数)がアルミニウムのヤング率である73.5GPaの2倍以上の、即ち、147Gpa以上の鋼材が好適に使用できる。
具体的には、本発明の複層ガラスに使用するスペーサー1には、ステンレス鋼を用いることが好ましい。ステンレス鋼を用いるとスペーサー1の剛性が高まるのみでなく、ステンレス鋼、例えば、SUS304の熱伝導率16W/(m・K)は、アルミニウムの熱伝導率195W/(m・K)と比べ小さいので、複層ガラス本来の断熱性能の向上が望めるとともに、冬期等におけるスペーサー付近での室内側の結露の発生が大幅に減少する。ステンレス鋼としては、SUS301、SUS303、SUS304、SUS304L、SUS321、SUS347、SUS305、SUS308、SUS309、SUS310、SUS302B、SUS314、SUS316、SUS316L、またはSUS317等が挙げられる。オーステナイト系、マルテンサイト系またはフェライト系ステンレス鋼が使用できるが、このうち、特にオーステナイト系ステンレス鋼は、ヤング率が189GPa以上あり剛性が高く、本発明の複層ガラスのスペーサー1として用いるに好ましい。
尚、ステンレス鋼製スペーサー1のコーナー部は、オートベンダーで予め所定寸法に折り曲げてもよく、斜めに切断した後に溶接してもよいし、L字型コーナーキーを用い嵌合させて接続してもよい。この場合、強度の維持のためコーナーキーもステンレス鋼製であることが好ましい。
本発明の複層ガラスを製造する際に、一次シール材2として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度を有するフィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を用いる場合、スペーサー1とガラスG、G´の間に該接着剤を挟んだ後に加圧加熱し硬化させて接着し、その外側に二次シール材3として、加熱溶融型ブチルゴムを加熱溶融してガラス板G、G´間の凹部に充填した後に冷却硬化させて封止する。
また、本発明の複層ガラスを製造する際は、スペーサー1内に複層ガラスの内部空間4を乾燥状態に保つため吸湿するための乾燥剤5を充填した後、オートベンダーで曲げ、スペーサー1の側面に、接着後にJIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度を有する一次シール材2を貼り付け、ガラス板G、G´への接着という手順で行ってもよいが、乾燥剤5の吸湿があるので、スペーサー1に前記一次シール材2を貼り付け一対のガラスに接着する合わせ工程が終了した後に乾燥剤5を充填する方が好ましい。一対のガラス板G、G´の外周縁内部におけるスペーサー1の4辺のうち、少なくとも2辺以上の内部空間4側に、予め、孔を各1ヶ所以上設けておき、そこから乾燥剤5を充填する、あるいは、スペーサー1の接続部から乾燥剤5を2辺に充填しても良い。
また、一次シール材2としてフィルム状に加工された加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を用い一対のガラスG、G´をスペーサー1と接着一体化する際は、加圧加熱炉内で加圧加熱処理することが好ましい。加熱硬化型シリコーンゴム接着剤は、加圧した状態で加熱することで溶融接着する。
加圧加熱処理の時、複層ガラスにも圧力をかけると破損する可能性がある。破損させないためには、内部空間4を密閉せず内部空間4にも圧力をかければよく、先にガラス支持部材を通す孔をガラス板にあけておけば問題はないが、先に孔をあけない場合、任意の辺のスペーサー1に複層ガラス外部と内部空間4に貫通する孔をあければよい。
また、本発明の複層ガラスにおいて、複層ガラスをなす一対の片側のガラス板G、G´のうち室内側のガラス板G´のみにガラス支持部材を固着して、複層ガラスを片持ち状態で支持する構法に対応するために、ガラス支持部材に固着する室内側のガラス板G´は強度がある強化ガラスを用いると、しなりおよび破損の懸念が少なくなるので、少なくともガラス支持部材に固着する室内側のガラス板G´には強化ガラスを用いることが好ましい。
次いで、本発明の複層ガラスを、ガラス支持部材を介して固定する構法について説明する。
図2は、ガラス支持部材を介して本発明の複層ガラスを固定する構法の一例を説明するための断面図である。
図2に示すように、一対のガラスG、G´のうち、室内側のガラスG´にガラス支持部材を挿入するための孔6を設けた本発明の複層ガラスを用い、該孔6に支持部材を挿入後で封止し固定して、ガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する。封止材料には、透湿を抑えるため、JIS Z0208(1973)に準拠した条件A下の透湿度が2g/m2・24h以下の加熱溶融型ブチルゴムを用いることが好ましい。
図3は、ガラス支持部材を介して本発明の複層ガラスを固定する構法の一例を説明するための断面図である。
図3に示すように、本発明の複層ガラスを用い、一対のガラス板G、G´のうち、室内側のガラス板G´にガラス支持部材、例えば金属円板7を接着し固定する。接着剤8には、複層ガラスの重量による剪断力に耐えるために、JIS K6650(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度のある一液加熱硬化型シリコーンゴム系接着剤、またはアクリル系接着剤を用いることが好ましい。尚、この構法を用いるとガラス板に孔を設ける必要がない。
以上の構法において、複層ガラスをなす一対のガラス板G、G´のうち、ガラス支持部材に固定する室内側のガラス板G´には、少なくとも強度がある強化ガラスを用いることが好ましい。
図4は、本発明の複層ガラスを支持するガラス支持部材の一例の斜視図である。
また、本発明の複層ガラスは、例えば、図4に示すガラス保持部材にボルト止め、接着等により固定することによって、上記構法で外部スクリーンを形成する。
次いで、本発明の複層ガラスを使用した縦連窓について説明する。
図5は縦連窓の平面図である。
複層ガラスによる縦連窓は、例えば、図5に示すように室外側から見て、両側の縦枠サッシである方立て9に複層ガラス10を縦に並べたものであり、複層ガラス間の隙間である突合せ目地11にシール材が充填され雨水の浸入を防止している。室内側には、複層ガラス10の自重を受けるための水平材である無目があり、複層ガラス10を支持している。
図6は、従来の複層ガラスを無目に固定した縦連窓の一例を説明するための概略断面図である。
図6に示すように、従来の複層ガラスによる縦連窓において、複層ガラスをなす一対のガラス板G、G´をともに支持するために、溶接またはボルト止めで無目12に固定された自重受け金具13を長くする必要があった。このため、自重受け金具13があるところの突合せ目地11のシール材の厚みは僅かで、水の浸入を防止する、言い換えれば、防水のためにシール剤の厚みを十分に確保ができないという問題がある。しかしながら、本発明の複層ガラス10を使用すると、室外側のガラス板Gの自重は、複層ガラスの内部のJIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の一次シール材2、例えば、フィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤にて保持されるため、室内側のガラス板G´のみを自重受け金具で支えればよい。
図7は、本発明の複層ガラスを無目で固定した縦連窓の一例を説明するための概略断面図である。
図7に示すように、本発明の複層ガラス10を使用し、自重受け金具13を短くし、室内側のガラスG´のみを支持し、自重受け金具13のある位置の突合せ目地11のシール材の厚みが十分に確保される。
図8は、複層ガラスを無目に固定せず、方立てに固定する構法の一例を説明するための概略断面図である。
図9は、複層ガラスを無目に固定せず、方立てに固定する構法の一例を説明するための図8のA、A´垂直方向の概略断面図である。
図8および図9に示すように、縦連窓の縦枠としてのサッシである方立て9に自重受け金具13を溶接またはボルト止めし固設けたとしても、本発明の複層ガラス10を用いれば、室外側のガラスGの自重は、複層ガラス内部のJIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の一次シール材、例えば、フィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤にて支持され、室内側のガラス板のみ支持すれば良い。
実施例1
図10は、四隅に孔をあけた強化ガラス板の平面図である。
図10は、四隅に孔をあけた強化ガラス板の平面図である。
図10に示すように、複層ガラスとした際の室内側のガラス板G´として4ヶ所に孔6をあけた厚み、12mm、寸法、900mm×1800mmの強化ガラス板G´を用意した。孔6の大きさは、径、48.5mmである。また、複層ガラスとした際の室外側のガラス板Gとして、孔をあけていない厚み、10mm、寸法、900mm×1800mmの強化ガラス板Gを別に用意した。
図11は、強化ガラス板への接着剤の貼り付け位置を示す平面図である。
図11に示すように、接着剤の貼り付け位置14を記載した型紙上に、孔6をあけていない方のガラス板Gを置き、外周端部より10mm内側の、幅10mmのスペーサー1を接着する位置に、フィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤として、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名、SOTEFAを寸法にあわせて貼り付けた。次いで、前記スペーサーをSOTEFAの上に貼り付け、更に、スペーサー1の上に10mm幅のSOTEFAを貼り付け、最後に4ヶ所に孔6をあけた強化ガラスを重ね合わせた。
尚、スペーサー1はステンレス鋼SUS304製であり、コーナー部はコーナーキーで接続し、乾燥剤5を充填するための径5mmの孔を、予めスペーサー1の3辺に外側各1ヶ所あけた。尚、コーナーキーもSUS304製である。
複層ガラスを作製した後では装着できないため、図2に示すように、複層ガラスとした際に、複層ガラスとガラス支持部材とを固定するための、ガラス板取り付け用の鋼管15、フィルムパッキン16および止めリング17を装着し、互いに螺子加工して締めつけられるようにしてある、止めリング17を鋼管15に軽く締めつけ螺合により固定した。
次いで、強固に接着し一対のガラス板G、G´とスペーサー1を一体化させるため、ガラス板G´を上側にして加圧加熱炉内に入れ、圧力、102.9N/cm2、即ち、1.03×102Pa、温度、135℃下に20分間保持した。SOFTEAは加圧した状態で加熱することで溶融し、溶融した状態でガラスG´の自重によりスペーサー1に押圧されて、一対のガラス板G、G´とスペーサー1とを強力に接着一体化する。
冷却した後、スペーサー1の外側にあけた孔より、乾燥材5であるゼオライト(東ソー株式会社製、商品名、ゼオラムA−3)をスペーサー1内へ充填し、透湿防止のためアルミ製粘着テープを外側の孔全てに貼って封をした。
次いで、予め180℃に加熱しホットメルトブチル3を溶融させた状態で、図1に示すように、ホットメルトブチル吐出装置を用いてスペーサー1の外周部に充填した。尚、ホットメルトブチル3には、横浜ゴム株式会社製、型番M155を使用した。
更に、ホットメルトブチル吐出装置のノズルを細いものとし、外側の止めリング13を外した後、図2に示ように、鋼管11とガラス孔6の隙間に前記ホットメルトブチル18を充填した、その後フィルムパッキン16を再度装着し、止めリング17を螺子締めし本発明の複層ガラスを得た。
尚、図2に示すように、鋼管11の内側も螺子をきったことで、ボルトを介して図4に示すガラス保持部材に螺合により固定した後、複層ガラスの外側から螺合部をホットメルトブチルあるいはシリコーンシーラントで封止してガラススリーンを建設してもよく、また、鋼管11の内側に螺子をきらないで、鋼鉄製のピンを挿入し、挿入部をホットメルトブチルまたはシリコーンシーラントで封止してガラススクリーンを建設してもよい。
作製した複層ガラスのシール部の透湿性能を評価するために、上記構造の複層ガラスを、サイズ、300mm×350mmに作製し、JIS R3208(1998)「複層ガラス」に従い、露天試験を行ったところ、露点は1日後、−53℃、2日後、−61℃、3日後、−70℃であり複層ガラスとしての透湿性能を満足した。
実施例2
厚み、12mm、寸法、900mm×1800mmの強化ガラス板G、および10mm、寸法、900mm×1800mmの強化ガラス板G´を用意した。
実施例2
厚み、12mm、寸法、900mm×1800mmの強化ガラス板G、および10mm、寸法、900mm×1800mmの強化ガラス板G´を用意した。
次いで、実施例1と同様に、幅10mmのステンレス鋼製スペーサーの両側にSOTEFAを貼り付け、スペーサー1を挟んだ状態に前記2枚の強化ガラス板G、G´を重ね合わせた。
尚、スペーサー1はステンレス鋼SUS304製であり、コーナー部はコーナーキーで接続しており、ゼオラムA−3を充填するための5mmΦの孔を、予めスペーサー1の3辺に外側各1ヶ所あけた。実施例1と異なり、一対の強化ガラス板G、G´ともに孔のあいていない強化ガラス板を使用するため、加熱時に内部空間4を密閉すると内部空気が膨張し圧着されないため、1ヶ所の孔は空気層側まで貫通するように加工した。尚、コーナーキーもSUS304製である。
また、図3に示すように、ガラス支持部材に固定するために強化ガラス板の四隅に、3cm径の支持棒を有する10cm径の金属円板7と強化ガラス板G´との間に接着剤8としてのSOTEFAを挟んだ状態で載置した。
次いで、強固に接着し一対の強化ガラス板G、G´とスペーサー1を一体化させるため、および強化ガラス板G´に金属円板7を接着するため、上記スペーサー1を挟み、金属円板7を載置した一対の強化ガラス板を、強化ガラス板G´を上側にして加熱加熱炉内に入れ、圧力、102.9N/cm2、即ち、1.03×102Pa、温度、135℃下に、20分間保持した。
冷却した後、スペーサー1の空気層側まで貫通した孔はブチルゴムシーラントで塞ぎ、残った外側にあけたスペーサー1の孔より、乾燥材5であるゼオラムA−3をスペーサー1内へ充填し、透湿防止のためアルミ製粘着テープを外側の孔全てに貼って封をした。
次いで、予め180℃に加熱しホットメルトブチル3を溶融させた状態で、図1に示すように、ホットメルトブチル吐出装置を用いてスペーサー外周部の凹部に充填した。尚、ホットメルトブチル3には、横浜ゴム株式会社製、型番M155を使用した。
図3に示す金属棒19を、図4に示すガラス保持部材と接合することにより本発明の複層ガラスをガラス支持部材に固定してガラススリーンを建設する。
実施例3
一次シール材2として、SOTEFAの代わりに電気化学工業株式会社製の2液主材型アクリル系接着剤である、商品名、ハードロックF−51を用いて、実施例1と同様に複層ガラスを作製した。
実施例3
一次シール材2として、SOTEFAの代わりに電気化学工業株式会社製の2液主材型アクリル系接着剤である、商品名、ハードロックF−51を用いて、実施例1と同様に複層ガラスを作製した。
尚、実施例1乃至実施例3の複層ガラスに、更に耐侯性を付与する際は、二次シール材3として用いた、横浜ゴム株式会社製、商品名、M155を充填した深さ10mmの一対のガラス板G、G´間の凹部のうち、外側からの3mmの部位をシリコーンシーラント、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、シリコーンシーラント、商品名SE9500等に替えればよい。
G、G´ ガラス板
1 スペーサー
2 一次シール材
3 二次シール材
4 内部空間
5 乾燥剤
6 孔
7 円板
8 接着剤
9 方立て
10 複層ガラス
11 突合せ目地
12 無目
13 自重受け金具
14 貼り付け位置
15 鋼管
16 フィルムパッキン
17 止めリング
18 ホットメルトブチル
19 金属棒
1 スペーサー
2 一次シール材
3 二次シール材
4 内部空間
5 乾燥剤
6 孔
7 円板
8 接着剤
9 方立て
10 複層ガラス
11 突合せ目地
12 無目
13 自重受け金具
14 貼り付け位置
15 鋼管
16 フィルムパッキン
17 止めリング
18 ホットメルトブチル
19 金属棒
Claims (14)
- 離間させた一対の相対向するガラス板の周辺部内側にスペーサーを挿入し、一対のガラス板とスペーサーを一次シール材で接着し一体化し、更にそのスペーサーの外周を二次シール材で封止してなる複層ガラスであって、一次シール材として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度の接着剤を用いて、スペーサーとガラスを接着し、その外側に二次シール材として、加熱溶融型ブチルゴムを用いて封止してなることを特徴とする複層ガラス。
- 一次シール材としての前記接着剤が加熱硬化型シリコーンゴム接着剤、またはアクリル系接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラス。
- 二次シール材としてJIS Z0208(1973)に準拠した条件A下の透湿度が2g/m2・24h以下の加熱溶融型ブチルゴムを使用したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複層ガラス。
- 前記二次シール材の外側のガラス板間を、更にシリコーンシーラントで充填したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複層ガラスである。
- スペーサーとしてヤング率が147Gpa以上の鋼材を使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複層ガラス。
- スペーサーがステンレス鋼であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複層ガラス。
- 一対の複層ガラスのうち、少なくともどちらか一方は強化ガラスを使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の複層ガラス。
- 離間させた一対の相対向するガラス板の周辺部内側にスペーサーを挿入し、一対のガラス板とスペーサーを一次シール材で接着し一体化し、更にそのスペーサーの外周を二次シール材で封止してなる複層ガラスの製造方法であって、一次シール材として、JIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度のフィルム状の加熱硬化型シリコーンゴム接着剤を用い、スペーサーとガラスの間に該接着剤を挟んだ後に加圧加熱し硬化させて接着し、その外側に二次シール材として、加熱溶融型ブチルゴムを加熱溶融してガラス板間に充填した後に冷却硬化させて封止することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の複層ガラスの製造方法。
- ガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法であって、一対のガラスのうち、片方のガラスにガラス支持部材を挿入するための孔を設けた請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の複層ガラスを用い、該孔にガラス支持部材を挿入後、ガラスとガラス支持部材の隙間を封止材で封止し固定することを特徴とするガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法。
- 前記封止材に、JIS Z0208(1973)に準拠した条件A下の透湿度が2g/m2・24h以下の加熱溶融型ブチルゴムを用いたことを特徴とする請求項9に記載のガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法。
- ガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法であって、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の複層ガラスを用い、一対のガラスのうち、片方のガラスとガラス支持部材とを接着剤を用い接着し固定することを特徴とするガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法。
- 前記接着剤にJIS K6850(1999)に準拠した剪断接着試験で400N/cm2以上の接着強度のある加熱硬化型シリコーンゴム系接着剤、またはアクリル系を用いることを特徴とする請求項11に記載のガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法。
- ガラス支持部材を介して請求項7に記載の複層ガラスを固定する構法であって、ガラス支持部材に固定するガラスが強化ガラスであることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載のガラス支持部材を介して複層ガラスを固定する構法。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の複層ガラスを用いたことを特徴とする縦連窓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003322408A JP2005089212A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 複層ガラス |
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JP2003322408A JP2005089212A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 複層ガラス |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005089212A true JP2005089212A (ja) | 2005-04-07 |
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Family Applications (1)
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JP2003322408A Abandoned JP2005089212A (ja) | 2003-09-16 | 2003-09-16 | 複層ガラス |
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JP (1) | JP2005089212A (ja) |
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2003
- 2003-09-16 JP JP2003322408A patent/JP2005089212A/ja not_active Abandoned
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