JPH10306658A - 複層ガラスパネル - Google Patents

複層ガラスパネル

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Publication number
JPH10306658A
JPH10306658A JP9112837A JP11283797A JPH10306658A JP H10306658 A JPH10306658 A JP H10306658A JP 9112837 A JP9112837 A JP 9112837A JP 11283797 A JP11283797 A JP 11283797A JP H10306658 A JPH10306658 A JP H10306658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
low
glass
sealing material
spacer
pressure
Prior art date
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Pending
Application number
JP9112837A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Sugata
菅田義敬
Toshiaki Ito
伊藤俊明
Akira Sakata
昭 坂田
Masahiro Hirugawa
晝河雅浩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
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Publication of JPH10306658A publication Critical patent/JPH10306658A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/24Structural elements or technologies for improving thermal insulation
    • Y02A30/249Glazing, e.g. vacuum glazing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/22Glazing, e.g. vaccum glazing

Abstract

(57)【要約】 【課題】断熱性能が格段に優れるものとすることができ
るとともに、長期的な耐久性を保持することができる複
層ガラスパネルを提供する。 【解決手段】 本発明の複層ガラスパネルは、2枚の板
ガラスを所定の間隔で隔置し、この間隔を保持する点
状、線状または網状スペーサーを配設するとともに、こ
のパネルの周縁端部を封着材により密封して、低圧空間
が形成される複層ガラスパネルにおいて、前記封着材の
低圧空間側周辺部分に、比較的硬い芯材表面を比較的柔
らかい被覆材でコーティングした線材スペーサーを配設
するか、あるいは前記封着材に、比較的硬い芯材表面を
比較的柔らかい被覆材でコーティングした線材スペーサ
ーを埋設するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅・非住宅など
の建築分野、自動車・車両・船舶・航空機などの輸送分
野、冷凍庫・冷凍ショーケース・恒温恒湿槽などの設備
機器分野などの省エネルギーを要求される開口部に適用
される高い断熱性能を有する低圧複層ガラスパネルに関
する。
【0002】
【従来の技術】最近、省エネルギーに優れた快適で健康
な住環境をつくるため、従来に増して断熱性能を有する
複層ガラスの使用頻度が高まり、急速に普及している。
【0003】この複層ガラスパネルとして、対向する板
ガラスにより形成される空間を低圧にした複層ガラスパ
ネルが提案されている。例えば、特表平5-501896号公報
には、低圧空間を包囲し、溶融はんだガラスの周囲ジョ
イントと溶融はんだガラスの外部コーティングを有する
配列された複数の支柱とによって相互に連結された2枚
の板ガラスから構成される断熱ガラスパネルが提案され
ている。
【0004】また例えば、特表平7-508967号公報には、
低圧空間を封入し、かつ溶合されたはんだガラスの周縁
接合部と柱の配列により互いに結合された2枚の互いに
離れた板ガラスからなり、しかもこれらの柱の少なくと
もいくつかは完全に金属製である熱絶縁ガラスパネルが
提案されている。
【0005】また例えば、特開平6-17579 号公報には、
2枚の板ガラスからなる平行板が所定の間隔で隔置し、
この間隔を保持する低融点ガラスまたは陶磁器で作られ
ているスペーサーを低融点ガラスにより融着して配設す
るとともに、この平行板端部を低融点融着材、例えば、
低融点ガラスや低融点合金により融着密着して真空空間
を形成する真空断熱ガラス板が提案されている。
【0006】また例えば、特開平8-133795号公報には、
高さ一定の突起を設けた板ガラスを突起のある面で重ね
合わせ、外周部を接着剤で気密に張り合わせ空間を形成
し、この空間を真空にした構造の複合ガラス板が提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の場合も、低融点ガラスなどの封着材によって周辺部を
封着しているだけであるから、運搬、取付時などの衝
撃、あるいは取付後の地震などによる衝撃が加わると、
封着部に亀裂を生ずる恐れがあり、亀裂部分から複層ガ
ラスパネルの低圧空間部に空気などが浸透すると、本来
の断熱性能を格段に低下させてしまう恐れがあり、衝撃
が加わらなくても封着部が二重シール構造にはなってい
ないので、低圧空間部の真空度を初期の状態に保つのは
困難である。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、衝撃が加わっても低圧空間部を初期の真空度
をほとんど低下させず、長期的な耐久性を保持すること
ができる複層ガラスパネルを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置
し、この間隔を保持する点状、線状または網状スペーサ
ーを配設するとともに、このパネルの周縁端部を封着材
により密封して、低圧空間が形成される複層ガラスパネ
ルにおいて、前記封着材の低圧空間側周辺部分に、比較
的硬い芯材表面を比較的柔らかい被覆材でコーティング
した線材スペーサーを配設するか、あるいは前記封着材
に、比較的硬い芯材表面を比較的柔らかい被覆材でコー
ティングした線材スペーサーを埋設するようにしたこと
を特徴とするものであり、周辺部分の封着部を少なくと
も二重のシール構造としたので、従来の単独のシール構
造に比較して、密着性が向上し、同時に耐久性も向上す
る。
【0010】また、封着材として、比較的硬い芯材表面
を比較的柔らかい被覆材でコーティングした線材スペー
サーを使用するので、本低圧複層ガラスパネルの製造工
程において、2枚の板ガラスにより形成される空間部を
低圧にした後、大気圧が負荷されるときに、比較的柔ら
かい被覆材が変形することにより、板ガラスと線材スペ
ーサーの接触面積が増え、より封着性能が向上するもの
である。
【0011】封着材として、溶融はんだガラスなども使
用することができるが、主として有機高分子系材料から
成る封着材を使用すると、より好ましい。すなわち、透
湿度(JIS Z 0208−1976に規定される防
湿包装材料の透湿度試験方法に基づく)、窒素透過度
(JIS Z 1707−1975に規定される食品包
装用プラスチックフィルムに基づく)および酸素透過度
が(JIS Z 1707−1975に規定される食品
包装用プラスチックフィルムに基づく)が低いポリイソ
ブチレン(反応性ポリイソブチレンを含む)またはブチ
ルゴムなどを主たる成分とする有機高分子系材料からな
る封着材を使用すると、溶融はんだガラスに比べ、主と
して化学的耐久性が優れ、酸性雨のような雨水や酸性の
外壁用洗浄剤・窓用洗浄剤に浸漬されても侵食されない
ので、建築用途や車両などの輸送用途に採用できる。
【0012】また、有機高分子系材料からなる封着材は
粘弾性特性を有するので、夏季の猛暑環境や環境試験機
の高温環境において発生する熱応力は小さく、大きな熱
応力が発生する脆性材料の溶融はんだガラスと違い、封
着部で破損することがないので、建築用途、車両などの
輸送用途および環境試験機などの設備機器用途に採用で
きる。
【0013】さらに、主として有機高分子系複合材料か
ら成る封着材粘弾性吸収特性を有するので、地震や風な
どによる繰り返し衝撃荷重を吸収することができるの
で、溶融はんだガラスと違い、建築用途および車両など
の輸送用途にも採用できる。
【0014】また、有機高分子複合材料からなる封着材
によって周辺端部を封着するときに、加熱するにしても
せいぜい150℃程度までの加熱で済むので、一方の板
に垂直放射率の低いスパッタリング法による特殊金属膜
をコーティングした低放射板ガラスを使用することがで
きるので、断熱性能をさらに向上させることができる。
【0015】また、このパネルの周縁部全周にわたり線
材スペーサーを配設して、封着材によるシールに加え二
重にシールすることになり、低圧状態を長期間にわたり
保持することができるので好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】2枚の板ガラスとは、クリアなフ
ロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラ
ス、高性能熱線反射板ガラス、線入板ガラス、網入板ガ
ラス、型板ガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、低反射
板ガラス、高透過板ガラス、摺りガラス、タペスティ
(フロスト)ガラス、セラミックス印刷ガラス、合わせ
ガラスなど各種板ガラスを適宜組み合わせることができ
るが、少なくとも1枚はこれら各種板ガラスに特殊金属
膜をコーティングした低放射板ガラスを採用すると断熱
性能が高くなるので好ましい。この場合封着材として主
として高分子系材料を使用すると比較的垂直放射率の高
いCVD法により成膜したものは勿論、垂直放射率の低
いスパッタリング法により成膜したコーティング膜を採
用することができる。
【0017】2枚の板ガラスの板厚は通常、ともに1.
9mm以上のものが用いられるが、強化ガラスの場合
で、とくに化学強化ガラスなどの場合はこの限りではな
く、1.9 mm以下のものを用いると、より好ましい。
【0018】2枚の板ガラスの間隔を保持する点材、線
材または網材スペーサー用材料としては、ガラスに比べ
硬度が低く、かつ適切な圧縮強さを有するものであれ
ば、とくに限定されないが、金属、合金、鉄鋼、セラミ
ックスまたはプラスチックが好ましい。金属では鉄、
銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、クロム、
チタンなど、合金、鉄鋼では炭素鋼、クロム鋼、ニッケ
ル鋼、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン鋼、
クロムマンガン鋼、クロムモリブデン鋼、珪素鋼、真
鍮、ハンダ、ニクロム、ジュラルミンなどが用いられ
る。
【0019】点材スペーサーは球状、円柱状、角柱状な
ど、線材スペーサーは断面が円形、半円形、角形など
で、直線状と曲線状のものがあり、網状スペーサーは角
形、菱形などが用いられる。金属または合金をセラミッ
クスまたはプラスチックでコーティングしたものでは、
着色することにより意匠性を向上させるとともに、金属
特有の反射を抑制することができる。
【0020】点状、線状または網状スペーサーの配設間
隔は100mm以下であり、75mm以下が好ましい。
これらスペーサーの配設は、当該配設間隔の範囲内であ
れば、規則的でも不規則的でも構わない。
【0021】2枚の板ガラスの間隔は0.05mm以
上、2.0mm以下であり、0.15mm以上、1.0m
m以下が好ましい。比較的硬い芯材表面を比較的柔らか
い被覆材でコーティングした線材スペーサーは、前述の
金属、合金、鉄鋼、セラミックスまたはプラスチックな
どの比較的硬い芯材の表面を、比較的柔らかい被覆材と
して、インジウム、アルミニウム、銅、銀、金、鉛、亜
鉛、スズなどの金属、あるいはスズ、鉛、亜鉛、銀、ア
ルミニウム、カドミウム、インジウム、ビスマス、アン
チモンのいずれかを適宜組み合わせてなるハンダなど、
好ましくは溶解温度が250℃未満である金属あるいは
ハンダ、例えばスズ、インジウムなどの金属、あるいは
Sn−Pb系、In−Ab系、In−Sn系、In−P
b系、In−Zn系、In−Al系、In−Sn−Zn
系、In−Ag−Pb系、In−Sn−Ag−Pb系の
ハンダでコーティングしたものであればよく、その配置
は実施例1に示すように、封着材の低圧空間側周辺部分
に、封着材と接するように配設するか、あるいは封着材
に埋設してもよく、さらに実施例2に示すように、これ
らを組み合わせた構成にしてもよい。
【0022】なお、比較的柔らかい被覆材としてアルミ
ニウム、銅を使用する場合には、芯材がこれより硬い材
料、例えば鉄、タングステン、ニッケル、チタン、炭素
鋼、ステンレス鋼などを使用した場合に利用できる。
【0023】パネルの周縁端部に用いる封着材として
は、低融点ガラスなどの封着材も使用することができる
が、主として有機高分子系材料から成る封着材を使用す
ると好ましい。
【0024】当該有機高分子系材料は、母材として透湿
度(JIS Z0208−1976に規定される防湿包
装材料の透湿度試験方法に基づく)が2.0g/m2
24h(40℃、90%RH)以下で、窒素透過度(J
IS Z1707−1975に規定される食品包装用プ
ラスチックフィルムに基づく)が1×10-6cm3・c
m/cm2・sec・atm(25℃)以下、酸素透過
度が(JIS Z1707−1975に規定される食品
包装用プラスチックフィルムに基づく)が1×10-5
3・cm/cm2・sec・atm(25℃)以下であ
るポリイソブチレン(反応性ポリイソブチレンを含む)
またはブチルゴムを主たる成分として、他に粘着付与剤
や可塑剤などを添加した自己粘着性を有するものを、必
要に応じて充填材として炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ、シリカ、カーボンブラック、超微粉末シリカ、超微
粉末チタニアなどを用いて複合したもの、あるいは母材
として透湿度(JIS Z0208−1976に規定さ
れる防湿包装材料の透湿度試験方法に基づく)が2.0
g/m2・24h(40℃、90%RH)以下で、窒素
透過度(JIS Z1707−1975に規定される食
品包装用プラスチックフィルムに基づく)が1×10-6
cm3・cm/cm2・sec・atm(25℃)以下、
酸素透過度が(JIS Z1707−1975に規定さ
れる食品包装用プラスチックフィルムに基づく)が1×
10-5cm3・cm/cm2・sec・atm(25℃)
以下という条件をいずれかあるいは全て満足するポリイ
ソプレン、シリコーン、ポリサルファイド、ポリエチレ
ン系、ポリプロピレン系、テフロン(PTFE)、ポリ
弗化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリルニトリル、
ポリメタクリロニトリル、Monsant社製の「ロパ
ッグ」(商品名)、Sohio社製の「バーレックス」
(商品名)、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン
6、ナイロン66などのポリアミド系、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ弗化ビニル、ポリイミドなどの有機高分子に、
必要に応じて粘着付与剤や可塑剤などを添加しもの、ま
た必要に応じて充填材として炭酸カルシウム、タルク、
マイカ、シリカ、カーボンブラック、超微粉末シリカ、
超微粉末チタニアなどを用いて複合したものも使用する
ことができる。
【0025】透過度、窒素透過度、酸素透過度の条件全
てを満足しない場合には、複数の封着材により二重ある
いは三重の封着を行って全ての条件を満足するようにす
るとよい。
【0026】また、低圧空間内に気体あるいは低分子量
物が透過または放出される場合は、これらを吸着させる
ため、当該有機高分子系複合材料にシリカゲル、活性
炭、活性白土、ゼオライト(3A、4A、5A、13
X)、酸素吸着剤、Ba−Alなどの合金ゲッター材な
どの吸着剤を、60wt%以下、好ましくは50wt%
以下で充填することが好ましい。なお、例えば低圧空間
内に気体あるいは低分子量物が透過または放出されない
場合は、吸着剤を充填しなくてもよい。
【0027】また、当該有機高分子系複合材料を用いて
前述した線材スペーサーをコーティングしたものを封着
材として少なくとも1重に配設することが好ましい。さ
らに、有機高分子系複合材料から成る封着材の外側に真
空グリース、真空コンパウンド、または真空グリース、
真空コンパウンドを用いて前述した線材スペーサーをコ
ーティングしたものを二次封着材として少なくとも1重
に配設することが好ましい。さらにこれらの封着材の外
側においてガラス端面とガラス周縁部を、気体透過率の
小さいフィルム、例えばポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレートなどのプラスチックフィルム、アルミニウ
ム箔、ステンレス箔などの金属箔およびそれらをラミネ
ートした積層フィルム、またはアルミニウムなどの金属
を蒸着したプラスチックフィルムを三次封着材として少
なくとも1重に配設することが好ましい。
【0028】このパネルの周縁端部の少なくとも一カ所
に設置される気体排気口は、主として有機高分子系融着
材料から成るものを用いる。当該有機高分子系融着材料
はポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂またはエチレン
酢酸ビニル樹脂などのフィルムが好ましい。また、当該
有機高分子系融着材料とポリエチレンテレフタレートな
どのプラスチックフィルム、アルミニウム箔、ステンレ
ス箔などの金属箔をラミネートした積層フィルム、また
はアルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチックフィ
ルムをラミネートした積層フィルムが好ましい。この気
体排気口は真空脱気処理後、ヒーター加熱、高周波加熱
などの方法により融着密封される。
【0029】2枚の板ガラス間の密封された低圧空間の
真空度は、1×10-2Torr以下、好ましくは1×1
-3Torr以下とする。複層ガラス作製は、限定され
るものではないが、一例として、次ぎの手順により行
う。
【0030】まず一方の板ガラスの面上にスペーサー、
周縁上に封着材、周縁上の1カ所に気体排気口を固定し
た後、その上にもう片方の板ガラスを被せる。その後、
低圧容器に入れて減圧し、気体排気口を融着密封後、低
圧容器をリークして大気圧を負荷することにより、低圧
複層ガラスを製造する。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図1と図5はそれぞれ実施例1における低圧複
層ガラスパネルを示す要部断面図と平面図、図2〜図4
はそれぞれ実施例2〜実施例4における低圧複層ガラス
パネルを示す要部断面図である。
【0032】実施例1 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、図1の要部断面
図、図5の平面図に示すように構成される。
【0033】2枚の板ガラス2、3は厚さ3mmのフロ
ート板ガラスで、一方の板ガラス2は低圧の空間4側に
AgとZnOなどの膜を複数層コーティングした低放射
板ガラスであり、垂直放射率は0.07 である。
【0034】スペーサー5は、高さ0.2 mm、直径
0.5mmの円柱状のステンレス製スペーサーを約20
mm間隔で格子状に配設した。封着材6はポリイソブチ
レンを主成分とするホットメルトブチルにゼオライト4
Aを20wt%充填したものである。
【0035】この封着材6の低圧真空側に、封着材6と
接触するように、比較的硬い芯材としての直径0.2m
mのステンレス製線材に、比較的柔らかい被覆材として
ハンダを0.02mmコーティングしたスペーサー8を
配設した。
【0036】低圧空間4の真空度は7.6×10-3 To
rrとした。低圧複層ガラスの作成手順は以下のとおり
である。まず、板ガラス3を図示しない台に載置した状
態で、円柱状のステンレス製のスペーサー5を約20m
m間隔で格子状に配設し、その後スペーサー8と封着材
6を板ガラス3の周辺部に、排気口部分を除いて配設
し、排気口部分は、ポリエチレンフィルムとアルミ箔を
積層した熱融着フィルム(9、9′)2枚を間隔を開け
て挟持した封着材6により充填して、全周を隙間がない
ように封着する。
【0037】次いで、金属膜がコーティングされた板ガ
ラス2を所定位置に載置し、上下の板ガラスを仮接着す
る。このようにして得られた仮接着された複層ガラスを
図示しない真空チャンバーに入れて、真空度を上げると
空間4の空気が2枚の熱融着フィルムで形成された排気
口から排出され、空間4の真空度が次第に上がる。
【0038】空間4が所定の圧力例えば7.6×10-3
Torrの圧力になったところで、はみ出した熱融着フ
ィルムに加熱されたバーなどを接触、加圧して融着させ
る。その後、真空チャンバー内に空気などの気体を導入
して圧力を大気圧近傍まで上昇させると、低圧になった
空間4と外部の圧力差と周辺部分の加熱(約100℃)
により封着部がより強固に接着された低圧複層ガラスを
得ることができる。
【0039】このようにして得られた低圧複層ガラスの
初期露点をJIS R3209−1995に規定された
した方法により、初期熱貫流率をJIS A4710−
1989に準拠した方法により測定したところ、初期露
点は−70℃以下、初期熱貫流率は1.36kcal/
2h℃となり、JIS R3209−1995に規定
された加速耐久性試験III類後、露点は−55℃、熱貫
流率は1.46 kcal/m2h℃となり、断熱性能が
高く、しかも過酷な条件の試験後もほとんど初期露点、
熱貫流率の低下がほとんどなく充分な耐久性を有するこ
とを確認した。
【0040】また、この断熱性能の測定結果からも明ら
かであるが、板ガラス2にコーティングされた膜は封着
時の温度による影響を全く受けていないことも併せて確
認した。
【0041】実施例2 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、図2の要部断面
図に示すように構成される。
【0042】2枚の板ガラス2、3は厚さ3mmのフロ
ート板ガラスで、一方の板ガラス2は低圧空間4側に特
殊金属膜をスパッタリング法によりコーティングした低
放射板ガラスであり、垂直放射率は0.07 である。
【0043】スペーサー5は、高さ0.2 mm、直径
0.5 mmの円柱状のステンレス製スペーサーを約20
mm間隔で格子状に配設した。封着材6はポリイソブチ
レンを主成分とするホットメルトブチルにゼオライト5
Aを30wt%充填したものである。
【0044】さらに、封着材6の外側に二次封着材7と
して真空グリースを用いた。さらに、封着材6の低圧空
間4側に、該封着材6に接触するように、比較的硬い芯
材としての直径0.2mmのピアノ製線材に、比較的柔
らかい被覆材としてのハンダを0.02 mmコーティン
グしたスペーサー8を配設した。
【0045】低圧空間4の真空度は7.6×10-3 To
rrとし、実施例1と同様の方法により作製した。この
ようにして得られた低圧複層ガラス1を実施例1に示し
た方法により露点と熱貫流率を測定したところ、初期露
点は−70℃以下、初期熱貫流率は1.34kcal/
2h℃となり、JIS加速耐久性試験III類後、露点は
−62℃、熱貫流率は1.43kcal/m2h℃とな
り、実施例1よりさらに露点が下がり、断熱性能も向上
している。
【0046】実施例3 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、図3の要部断面
図に示すように構成される。
【0047】2枚の板ガラス2、3は厚さ3mmのフロ
ート板ガラスで、一方の板ガラス2は低圧空間4側に特
殊金属膜をコーティングした低放射板ガラスであり、垂
直放射率は0.07 である。
【0048】スペーサー5は、高さ0.2mm、直径0.
5mmの円柱状のステンレス製スペーサーを約20mm
間隔で格子状に配設した。封着材6はポリイソブチレン
を主成分とするホットメルトブチル単体で、当該封着材
6の中に、比較的硬い芯材としての直径0.2 mmのス
テンレス製線材に、比較的柔らかい被覆材としてスズを
0.02mmコーティングしたスペーサー8′を埋設し
たものである。
【0049】封着材6の外側に二次封着材7として真空
グリースを用いた。さらに、この封着材6の低圧空間4
側に、該封着材6に接触するように、比較的硬い芯材と
しての直径0.2mmのステンレス製線材に、比較的柔
らかい被覆材としてのスズを0.02mmコーティング
したスペーサー8を配設した。
【0050】低圧空間4の真空度は7.6×10-4 To
rrとし、実施例1と同様の方法により作製した。この
ようにして得られた低圧複層ガラス1を実施例1に示し
た方法により露点と熱貫流率を測定したところ、初期露
点は−70℃以下、初期熱貫流率は0.48kcal/
2h℃となり、JIS加速耐久性試験III類後の露点は
−66℃、熱貫流率は0.70kcal/m2h℃とな
り、実施例2より、さらに露点も下がり、断熱性能も格
段に向上している。
【0051】実施例4 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、図4の要部断面
図に示すように構成される。
【0052】本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、実
施例3(図3)で示した二次封着材7のさらに外側に、
パネル周縁端部を包むように、三次封着材10としてポ
リエチレンテレフタレートフィルムを接着させた以外は
実施例3と同じ構成にしたものである。
【0053】低圧空間の真空度は7.6×10-4 Tor
rとした。このようにして得られた低圧複層ガラスパネ
ルの初期露点は−70℃以下、初期熱貫流率は0.44
kcal/m2h℃となり、JIS加速耐久性試験III類
後、露点は−70℃以下、熱貫流率は0.45kcal
/m2h℃となり、実施例3のパネルの性能をさらに上
回る結果が得られた。
【0054】比較例1 低圧複層ガラスパネル1の比較例は、図1に実施例1の
構成からスペーサー8を除いた構成とし、一方の低放射
板ガラスにはCVD法により特殊金属膜をコーティング
したものを使用するとともに(垂直放射率は0.2
2)、封着材と排気口として融点が約300℃の低融点
ガラスのみにより周辺部を封着した以外は実施例1と同
じ構成にしたものである。
【0055】低圧空間の真空度は7.6×10-4 Tor
rとした。このようにして得られた低圧複層ガラスパネ
ルの初期露点は−70℃以下、初期熱貫流率は1.31
kcal/m2h℃となり、各実施例と比較しても性能
にそれほどの遜色はないが、JIS加速耐久性試験III
類後の露点は−10℃、熱貫流率は4.76 kcal/
2h℃となり露点、断熱性能とも低下しており、耐久
性に劣ることがわかる。
【0056】以上の実施例と比較例をまとめると表1の
ようになる。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
断熱性能が格段に優れるものとすることができるととも
に、長期的な耐久性を保持するものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における低圧複層ガラスパネ
ルを示す要部側断面図である。
【図2】本発明の実施例2における低圧複層ガラスパネ
ルを示す要部側断面図である。
【図3】本発明の実施例3における低圧複層ガラスパネ
ルを示す要部側断面図である。
【図4】本発明の実施例4における低圧複層ガラスパネ
ルを示す要部側断面図である。
【図5】本発明の実施例1における低圧複層ガラスパネ
ルを示す平面図である。
【符号の説明】
1 低圧複層ガラスパネル 2 板ガラス(低放射ガラス) 3 板ガラス 4 低圧空間 5 スペーサー 6 封着材 7 二次封着材 8、8’ 線材スペーサー 9、9’ 熱融着フィルム 10 三次封着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 晝河雅浩 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持する点状、線状または網状スペーサーを配
    設するとともに、このパネルの周縁端部を封着材により
    密封して、低圧空間が形成される複層ガラスパネルにお
    いて、前記封着材の低圧空間側周辺部分に、比較的硬い
    芯材表面を比較的柔らかい被覆材でコーティングした線
    材スペーサーを配設するようにしたことを特徴とする低
    圧複層ガラスパネル。
  2. 【請求項2】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持する点状、線状または網状スペーサーを配
    設するとともに、このパネルの周縁端部を封着材により
    密封して、低圧空間が形成される複層ガラスパネルにお
    いて、前記封着材に、比較的硬い芯材表面を比較的柔ら
    かい被覆材でコーティングした線材スペーサーを埋設す
    るようにしたことを特徴とする低圧複層ガラスパネル。
  3. 【請求項3】封着材は、主として有機高分子系材料から
    成る封着材とし、該封着材に吸着剤を充填したものであ
    ることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の
    低圧複層ガラスパネル。
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