JPH1121150A - 低圧複層ガラスの作製方法 - Google Patents

低圧複層ガラスの作製方法

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JPH1121150A
JPH1121150A JP9174515A JP17451597A JPH1121150A JP H1121150 A JPH1121150 A JP H1121150A JP 9174515 A JP9174515 A JP 9174515A JP 17451597 A JP17451597 A JP 17451597A JP H1121150 A JPH1121150 A JP H1121150A
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JP
Japan
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glass
pressure
sealing material
low
laminate
Prior art date
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Application number
JP9174515A
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English (en)
Inventor
Akira Sakata
昭 坂田
Yoshiaki Sugata
菅田義敬
Toshiaki Ito
伊藤俊明
Hiromi Hase
長谷広美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1121150A publication Critical patent/JPH1121150A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/24Structural elements or technologies for improving thermal insulation
    • Y02A30/249Glazing, e.g. vacuum glazing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/22Glazing, e.g. vaccum glazing

Landscapes

  • Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】長期的な耐久性を保持することができるととも
に、排気口の処理が不用であり、しかも排気口の跡が全
くわからず、さらに加工が容易である低圧複層ガラスの
作製方法を提供する。 【解決手段】 本発明の作製方法は、2枚の板ガラスの
どちらか一方の板ガラスにスペーサーを配設した状態
で、該板ガラスの周辺部に目標の前記間隔よりも厚い主
として有機高分子系材料からなる封着材を少なくとも一
部を残して開口部となるように配設し、その後他方の板
ガラスを一方の板ガラスに重ね合わせ積層体とし、該積
層体を減圧チャンバーに導入し、所定の圧力以下まで減
圧した後、気体を導入することにより前記開口部を閉塞
するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅・非住宅など
の建築分野、自動車・車両・船舶・航空機などの輸送分
野、冷凍庫・冷凍ショーケース・恒温恒湿槽などの設備
機器分野などの省エネルギーを要求される開口部に適用
される高い断熱性能を有する低圧複層ガラスの作製方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、省エネルギーに優れた快適で健康
な住環境をつくるため、従来に増して断熱性能を有する
複層ガラスの使用頻度が高まり、急速に普及している。
【0003】この複層ガラスパネルとして、対向する板
ガラスにより形成される空間を低圧にした複層ガラスパ
ネルが提案されている。例えば、特表平5-501896号公報
には、低圧空間を包囲し、溶融はんだガラスの周囲ジョ
イントと溶融はんだガラスの外部コーティングを有する
配列された複数の支柱とによって相互に連結された2枚
の板ガラスから構成される断熱ガラスパネルが提案され
ている。
【0004】特表平7-508967号公報には、低圧空間を封
入し、かつ溶合されたはんだガラスの周縁接合部と柱の
配列により互いに結合された2枚の互いに離れた板ガラ
スからなり、しかもこれらの柱の少なくともいくつかは
完全に金属製である熱絶縁ガラスパネルが提案されてい
る。
【0005】特開平6-17579 号公報には、2枚の板ガラ
スからなる平行板が所定の間隔で隔置し、この間隔を保
持する低融点ガラスまたは陶磁器で作られているスペー
サーを低融点ガラスにより融着して配設するとともに、
この平行板端部を低融点融着材、例えば、低融点ガラス
や低融点合金により融着密着して真空空間を形成する真
空断熱ガラス板が提案されている。
【0006】特開平8-133795号公報には、高さ一定の突
起を設けた板ガラスを突起のある面で重ね合わせ、外周
部を接着剤で気密に張り合わせ空間を形成し、この空間
を真空にした構造の複合ガラス板が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、排気用
のパイプ状のチューブをシーリング部分に埋め込んで、
そのチューブ部分から減圧して、減圧後チューブを溶着
することにより、製造するものであるから、加工が煩雑
であり、その部分が保護を十分にしないと破損する恐れ
もあり、しかも完成後跡が残るので見栄えも悪いという
欠点があった。
【0008】しかも封着材に低融点ガラスを使用して封
着するものであるから、化学的耐久性に劣り、酸性雨の
ような雨水に晒される建築用には採用が困難であり、ま
た、低融点ガラスと板ガラスの熱膨張係数が異なるの
で、夏季などの猛暑環境などでは熱応力が発生し、板ガ
ラスが破損する恐れがあるなどの欠点がある。
【0009】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、長期的な耐久性を保持することができるとと
もに、排気口の処理が不用であり、しかも排気口の跡が
全くわからず、しかも加工が容易である低圧複層ガラス
の作製方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置
し、この間隔を保持する点状、線状または網状スペーサ
ーを配設するとともに、このパネルの周縁端部を封着材
により密封して、低圧空間が形成される低圧複層ガラス
を作製する方法において、前記2枚の板ガラスのどちら
か一方の板ガラスにスペーサーを配設した状態で、該板
ガラスの周辺部に目標の前記間隔よりも厚い主として有
機高分子系材料からなる封着材を少なくとも一部を残し
て開口部となるように配設し、その後他方の板ガラスを
一方の板ガラスに重ね合わせ積層体とし、該積層体を減
圧チャンバーに導入し、所定の圧力以下まで減圧した
後、大気などの気体を導入することにより前記開口部を
閉塞するようにしたことを特徴とするものであり、パイ
プ状のチューブなどが不用であり、しかも大気を導入す
るだけで、その大気圧により、積層体を押圧してその結
果封着材が押し広げられ開口部が閉塞、密封されるの
で、加工がきわめて容易である。
【0011】この場合に、柔らかいフィルムを、開口部
前方の封着材あるいは上部板ガラスの端面に固定し、他
方をフリーにした状態で積層体をチャンバーに導入し、
所定の圧力以下まで減圧し、その後気体を導入すると、
所定の圧力まで減圧するときには、2枚の板ガラスで形
成される空間内の圧力(当初大気圧)とチャンバーの圧
力との差により、フィルムは開口部を完全に開く状態に
なり、積層体内部の圧力は所定の圧力まで減圧される。
【0012】次ぎにチャンバー内に大気などの気体を導
入すると、積層体の空間部(真空に近い状態まで減圧さ
れている)と積層体外部の圧力差によってフィルムは瞬
時に開口部を閉塞して逆止弁の作用をするので、ほとん
ど大気などの気体が積層体の空間部に侵入することはな
い。
【0013】さらに、主として有機高分子系材料からな
る封着材は、粘弾性特性を有するので、夏季の猛暑環境
や環境試験機の高温環境において発生する熱応力は小さ
く、大きな熱応力が発生する脆性材料の溶融はんだガラ
スと違い、封着部で破損することがないので、建築用
途、車両などの輸送用途および環境試験機などの設備機
器用途に採用でき、地震や風などによる繰り返し衝撃荷
重を吸収することができるので、溶融はんだガラスと違
い、建築用途および車両などの輸送用途にも採用でき
る。
【0014】また、有機高分子系材料からなる封着材に
よって周辺端部を封着するときに、加熱するにしてもせ
いぜい200℃程度までの加熱で済むので、一方の板に
垂直放射率の低いスパッタリング法による特殊金属膜を
コーティングした低放射板ガラスを使用することができ
るので、断熱性能をさらに向上させることができる。
【0015】また、封着材として金属製芯材が挿入され
たものを使用すると、封着材配設が容易に行うことがで
きるので好ましいが、金属製芯材が挿入されていない封
着材も勿論使用することができる。
【0016】また、有機高分子系材料からなる封着材に
加え、比較的硬い芯材表面を比較的柔らかい被覆材でコ
ーティングした封着材としても作用する線材スペーサー
を封着材の内側の低圧空間側周辺部分に配設すると、本
低圧複層ガラスパネルの作製工程において、2枚の板ガ
ラスにより形成される空間部を低圧にした後、大気圧が
負荷されるときに、比較的柔らかい被覆材が変形するこ
とにより、板ガラスと線材スペーサーの接触面積が増
え、より封着性能を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】2枚の板ガラスとは、クリアなフ
ロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラ
ス、高性能熱線反射板ガラス、線入板ガラス、網入板ガ
ラス、型板ガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、低反射
板ガラス、高透過板ガラス、摺りガラス、タペスティ
(フロスト)ガラス、セラミックス印刷ガラス、合わせ
ガラスなど各種板ガラスを適宜組み合わせることができ
るが、少なくとも1枚はこれら各種板ガラスに特殊金属
膜をコーティングした低放射板ガラスを採用すると断熱
性能が高くなるので好ましい。この場合封着材として主
として高分子系材料からなる封着材を使用するものであ
るから、封着時に200℃以下で処理できるので、比較
的垂直放射率の高いCVD法により成膜したものは勿
論、垂直放射率の低いスパッタリング法により成膜した
コーティング膜を採用することができる。
【0018】さらに、当該低放射板ガラスは、JIS
R3106ー1985(板ガラスの透過率・反射率・日
射熱取得率試験方法)に定める垂直放射率が0.20 以
下の、好ましくは0.10 以下のガラスを1枚以上使用
したもの、または垂直放射率が0.35 以下の、好まし
くは0.25 以下のガラスを2枚使用することもでき
る。
【0019】2枚の板ガラスの板厚は通常、ともに1.
9mm以上のものが用いられるが、強化ガラスの場合
で、とくに化学強化ガラスなどの場合はこの限りではな
く、1.9 mm以下のものを用いることもできる。
【0020】2枚の板ガラスの間隔を保持する点材、線
材または網材スペーサー用材料としては、ガラスに比べ
硬度が低く、かつ適切な圧縮強さを有するものであれ
ば、とくに限定されないが、金属、合金、鉄鋼、セラミ
ックスまたはプラスチックが好ましい。金属では鉄、
銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、クロム、
チタンなど、合金、鉄鋼では炭素鋼、クロム鋼、ニッケ
ル鋼、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン鋼、
クロムマンガン鋼、クロムモリブデン鋼、珪素鋼、真
鍮、ハンダ、ニクロム、ジュラルミンなどが用いられ
る。
【0021】点材スペーサーは球状、円柱状、角柱状な
ど、線材スペーサーは断面が円形、半円形、角形など
で、直線状と曲線状のものがあり、網状スペーサーは角
形、菱形などが用いられる。金属または合金をセラミッ
クスまたはプラスチックでコーティングしたものでは、
着色することにより意匠性を向上させるとともに、金属
特有の反射を抑制することができる。
【0022】点状、線状または網状スペーサーの配設間
隔は100mm以下であり、75mm以下が好ましい。
これらスペーサーの配設は、当該配設間隔の範囲内であ
れば、規則的でも不規則的でも構わない。
【0023】2枚の板ガラスの間隔は0.05mm以
上、2.0mm以下であり、0.10mm以上、1.0m
m以下が好ましい。比較的硬い芯材表面を比較的柔らか
い被覆材でコーティングした線材スペーサーは、前述の
金属、合金、鉄鋼、セラミックスまたはプラスチックな
どの比較的硬い芯材の表面を、比較的柔らかい被覆材と
して、インジウム、アルミニウム、銅、銀、金、鉛、亜
鉛、スズなどの金属、あるいはスズ、鉛、亜鉛、銀、ア
ルミニウム、カドミウム、インジウム、ビスマス、アン
チモンのいずれかを適宜組み合わせてなるハンダなど、
好ましくは溶解温度が250℃未満である金属あるいは
ハンダ、例えばスズ、インジウムなどの金属、あるいは
Sn−Pb系、Sn−Zn系、Sn−Zn−Ag系、I
n−Ag系、In−Sn系、In−Pb系、In−Zn
系、In−Al系、In−Sn−Zn系、In−Ag−
Pb系、In−Sn−Ag−Pb系のハンダでコーティ
ングしたものであればよく、その配置は実施例2に示す
ように、封着材の低圧空間側周辺部分に、封着材と接す
るように配設すればよい。
【0024】なお、比較的柔らかい被覆材としてアルミ
ニウム、銅を使用する場合には、芯材がこれより硬い材
料、例えば鉄、タングステン、ニッケル、チタン、炭素
鋼、ステンレス鋼などを使用した場合に利用できる。
【0025】このパネルの周縁端部に用いる封着材とし
ては、主として有機高分子系材料から成る封着材を用い
る。当該有機高分子系材料は、母材として透湿度(JI
SZ 0208−1976に規定される防湿包装材料の
透湿度試験方法に基づく)が2.0g/m2・24h
(40℃、90%RH)以下で、窒素透過度(JISZ
1707−1975に規定される食品包装用プラスチ
ックフィルムに基づく)が1×10-6cm3・cm/c
2・sec・atm(25℃)以下、酸素透過度が
(JIS Z 1707−1975に規定される食品包
装用プラスチックフィルムに基づく)が1×10-5cm
3・cm/cm2・sec・atm(25℃)以下である
ポリイソブチレン(反応性ポリイソブチレンを含む)ま
たはブチルゴムを主たる成分として、他に粘着付与剤や
可塑剤などを添加した自己粘着性を有するものを、必要
に応じて充填材として炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ、シリカ、カーボンブラック、超微粉末シリカ、超微
粉末チタニアなどを用いて複合したもの、あるいは母材
として透湿度(JIS Z 0208−1976に規定
される防湿包装材料の透湿度試験方法に基づく)が2.
0g/m2・24h(40℃、90%RH)以下で、窒
素透過度(JIS Z 1707−1975に規定され
る食品包装用プラスチックフィルムに基づく)が1×1
-6cm3・cm/cm2・sec・atm(25℃)以
下、酸素透過度が(JIS Z 1707−1975に
規定される食品包装用プラスチックフィルムに基づく)
が1×10-5cm3・cm/cm2・sec・atm(2
5℃)以下という条件をいずれかあるいは全て満足する
ポリイソプレン、シリコーン、ポリサルファイド、ポリ
エチレン系、ポリプロピレン系、ポロテトラフロオロエ
チレン(PTFE)、ポリ弗化ビニリデン(PVD
F)、ポリアクリルニトリル、ポリメタクリロニトリ
ル、Monsanto社製の「ロパッグ」(商品名)、
Sohio社製の「バーレックス」(商品名)、ポリエ
チレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66など
のポリアミド系、ポリ塩化ビニール、ポリ弗化ビニー
ル、ポリイミドなどの有機高分子に、必要に応じて粘着
付与剤や可塑剤などを添加したもの、また必要に応じて
充填材として炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリ
カ、カーボンブラック、超微粉末シリカ、超微粉末チタ
ニアなどを用いて複合したものも使用することができ
る。
【0026】透湿度、窒素透過度、酸素透過度の条件全
てを満足しない場合には、複数の封着材により二重ある
いは三重の封着を行って全ての条件を満足するようにす
るとよい。
【0027】また、低圧空間内に気体あるいは低分子量
物が透過または放出される場合は、これらを吸着させる
ため、当該有機高分子系材料にシリカゲル、活性炭、活
性白土、ゼオライト(3A、4A、5A、13X)、酸
素吸着剤、Ba−Alなどの合金ゲッター材などの吸着
剤を、60wt%以下、好ましくは50wt%以下で充
填することが好ましい。なお、例えば低圧空間内に気体
あるいは低分子量物が透過または放出されない場合は、
吸着剤を充填しなくてもよい。
【0028】このパネルの周縁端部の封着材によって形
成される開口部の幅は、0.1mm程度開いていれば、
減圧チャンバー内において積層体の減圧は可能である
が、減圧時間を短縮するためには、0.2mm以上開け
たほうがよく、2.0mmを越えると、この開口部が閉
塞しても、密封が十分できなくなる恐れがあるので、
0.2mm〜2.0mmの範囲とした方がよい。
【0029】2枚の板ガラス間の密封された低圧空間の
真空度は、1×10-2Torr以下、好ましくは1×1
-3Torr以下とする。減圧チャンバー内で積層体の
開口部の逆止弁として作用させる柔らかいフィルムは各
種のプラスチックフィルム、金属膜をコーティングした
プラスチックフィル、金属箔などを使用することがで
き、その寸法は大気導入時に開口部を閉塞できる程度の
大きさで、厚さは最終的な空間部の厚さになったときに
フィルムが完全に折れ曲がっても支障がないように複層
ガラスの最終的な空間部の厚さの50%程度以下にして
おく。また、フィルムの配設場所は後述する実施例に示
すように、開口部前方の封着材にフィルムの一辺を固定
してもよいし、図示しないが、開口部前方の上部板ガラ
スの端面に固定し、他方をフリーにした状態でもよい。
【0030】このような逆止弁として作用するフィルム
を使用すると、大気の侵入をほとんど防ぐことができる
ので好ましいが、必ずしも使用しなくてもよい。フィル
ムを使用しない場合には、チャンバー内の大気などの気
体導入口を開口部の背後などに設けて、開口部への大気
の侵入量を少なくなるようにすればよいが、いずれの場
合にも大気の侵入を完全に防ぐことは困難であり、積層
体内部の空間の所望真空度を10-4Torr程度だとす
ると一桁程度高い10-5Torr程度の状態で大気を導
入すればよい。
【0031】複層ガラス作製は、限定されるものではな
いが、一例として、次ぎの手順により行う。まず一方の
板ガラスの面上に目標の間隔よりやや大きいスペーサ
ー、周縁上に目標の間隔よりも相当に厚い封着材を少な
くとも一部を残して開口部となるように配設し、その後
他方の板ガラスを一方の板ガラスに重ね合わせ積層体と
し、逆止弁として作用するフィルムを使用する場合には
該積層体を減圧チャンバーに導入し、所定の圧力まで減
圧した後、逆止弁として作用するフィルムを使用しない
場合には、所定の圧力よりも若干高い真空度になる程度
まで減圧した後、減圧チャンバー内に大気などの気体を
導入し、積層体を減圧の状態から開放して、大気圧を負
荷することにより、封着材が平らに押し広げられて開口
部を閉塞させ、低圧複層ガラスを作製する。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図1、図2はそれぞれ実施例における低圧複層
ガラスパネルの作製過程を示す斜視図であり、図1が2
枚の板ガラスを積層する前の斜視図、図2が完成時の斜
視図、図3は逆止弁として作用するフィルムの配設状態
を示す要部平面図、図4は実施例2における完成時の要
部断面図である。
【0033】実施例1 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、図1、図2に示
すように構成される。2枚の板ガラス2、3はいずれも
厚さ3mm、寸法が1040mm×1040mmのフロ
ート板ガラスで、一方の板ガラス2は何もコーティング
しないガラスであり、他方の板ガラス3は低圧の空間側
にAgとZnOなどの膜を複数層コーティングした低放
射板ガラスであり、垂直放射率は0.07 である。
【0034】スペーサー4は、直径250μmチタン製
スペーサーからなり、これを約20mm間隔で格子状に
配設した。封着材5は直径250μmの銅線にポリイソ
ブチレンを主成分とするホットメルトブチルにゼオライ
ト4Aを20wt%充填したものを外径が2mmとなる
ように被覆したHMB線を使用する。
【0035】低圧空間の真空度は7.6×10-3 Tor
rとした。低圧複層ガラスの作製手順は以下のとおりで
ある。一方のガラス2を水平に載置台などに載せた状態
で、スペーサー4としての、直径250μmの球状のチ
タン製スペーサー4を約20mm間隔で格子状に配設し
た。
【0036】次いで封着材5としてのホットメルトブチ
ル線(HMB線)を板ガラスの端部から内側に5mmの
位置に、一部を開口部6として幅0.5mm残して、全
周にわたり配設した。
【0037】その後、逆止弁として作用する厚さが10
0μm、幅が2mm、長さが10mm程度のプラスチッ
クフィルム7の一辺を図3に示すように封着材5に接着
した後、他方の板ガラス3を重ね、仮接着して積層体と
したものを図示しない真空チャンバーに入れて、真空度
を上げるとフィルム7は図3に示すように開いた状態に
なり、空間の空気が開口部から排出され、空間の真空度
が次第に上がる。
【0038】空間が所定の圧力例えば7.6×10-3
orrの圧力になったところで、チャンバー内に開口部
6とは反対側の導入口(図示しない)から大気を導入す
ると、その大気圧により、フィルム7は瞬時に開口部6
を閉じ、大気が積層体の空間部に侵入するのを防ぎ、大
気圧が積層体を押圧してその結果封着材が押し広げられ
開口部が閉塞、密封され(スペーサー4と封着材5が若
干変形)板ガラスの間隔を200μmとし低圧複層ガラ
スを得る。
【0039】このようにして得られた低圧複層ガラスを
チャンバーから取り出し、フィルム7を除去した後、複
層ガラス周辺部全周にPETテープ8を卷いて完成させ
た。得られた低圧複層ガラスの空間の真空度はほぼ7.
6×10-3 Torrとなり、初期露点をJIS R3
209−1995に規定された方法により、初期熱貫流
率をJIS A4710−1989に準拠した方法によ
り測定したところ、初期露点は−70℃以下、初期熱貫
流率は1.36kcal/m2h℃となり、JISR32
09−1995に規定された加速耐久性試験III類後、
露点は−55℃、熱貫流率は1.46 kcal/m2
℃となり、断熱性能が高く、しかも過酷な条件の試験後
もほとんど初期露点、熱貫流率の低下がほとんどなく充
分な耐久性を有することを確認した。
【0040】また、この断熱性能の測定結果からも明ら
かであるが、板ガラス3にコーティングされた膜は封着
時の温度による影響を全く受けていないことも併せて確
認した。
【0041】実施例2 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、封着材の低圧空
間側周辺部分に、比較的硬い芯材表面を比較的柔らかい
被覆材でコーティングした線材スペーサー9を配設し、
逆止弁として作用するフィルムを使用しないで作製した
以外は実施例1と同じ構成にした例であり、図4の要部
断面図に示すように構成される。
【0042】この場合に、線材スペーサー9は断面円形
で、その外径は、間隔を保持するためのスペーサー4と
同じ径の250μmとしたものであり、封着材5を配設
するに先だって全周にわたり配設しておけばよい。
【0043】ただ、この場合には、低圧空間部の真空度
を所望の最終的な7.6×10-3Torrとすると真空
チャンバー内で引く真空度は大気の侵入を完全には防ぐ
ことはできないので、3.8×10-3 〜7.6×10
-4Torrの範囲内で高い真空度にしておく。
【0044】なお、線材スペーサー10には、開口部を
設ける必要がなく、封着材5の外径2mmと線材スペー
サー10の外径250μmの差が1.75mmあるの
で、真空減圧前には、線材スペーサー9と板ガラス3と
の間に隙間があり、この隙間を通して減圧することがで
きる。
【0045】このようにして得られた低圧複層ガラスの
断熱性能は実施例1の低圧複層ガラスと同等であるが、
耐久性はさらに向上することを確認した。なお、本実施
例の場合には、スペーサー4と封着材5とともに、線材
スペーサー9も若干変形して密着をより強固にする。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
低圧に減圧して、封着する作業を簡便に行うことがで
き、低融点ガラスによる封着のように高温にする必要が
なく、したがって、断熱性能の高い高性能のスパッタ膜
が形成された板ガラスも採用することができ、断熱性能
が格段に優れるものとすることができるとともに、長期
的な耐久性を保持することができる。
【0047】さらに、封着材により形成された開口部が
同じ封着材により閉塞されるので、この部分が他の部分
と区別がつかず、外観上目立たなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における低圧複層ガラスの積
層前の過程を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1における低圧複層ガラスの完
成時の過程を示す斜視図である。
【図3】実施例1において、逆止弁として作用するフィ
ルムの配設状態を示す要部平面図である。
【図4】本発明の実施例2における低圧複層ガラスを示
す要部断面図である。
【符号の説明】
1 低圧複層ガラスパネル 2 板ガラス 3 板ガラス(低放射ガラス) 4 スペーサー 5 封着材 6 開口部 7 プラスチックフィルム 8 PETフィルム 9 線材スペーサー
フロントページの続き (72)発明者 長谷広美 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持する点状、線状または網状スペーサーを配
    設するとともに、このパネルの周縁端部を封着材により
    密封して、低圧空間が形成される低圧複層ガラスを作製
    する方法において、前記2枚の板ガラスのどちらか一方
    の板ガラスにスペーサーを配設した状態で、該板ガラス
    の周辺部に目標の前記間隔よりも厚い主として有機高分
    子系材料からなる封着材を少なくとも一部を残して開口
    部となるように配設し、その後他方の板ガラスを一方の
    板ガラスに重ね合わせ積層体とし、該積層体を減圧チャ
    ンバーに導入し、所定の圧力以下まで減圧した後、該減
    圧チャンバーに気体を導入することにより、積層体を押
    圧、封着材を押し広げて前記開口部を閉塞するようにし
    たことを特徴とする低圧複層ガラスの作製方法。
  2. 【請求項2】柔らかいフィルムの一辺を、開口部前方の
    封着材あるいは上部板ガラスの端面に固定し、他方をフ
    リーにした状態で積層体をチャンバーに導入し、所定の
    圧力以下まで減圧することを特徴とする請求項1記載の
    低圧複層ガラスの作製方法。
  3. 【請求項3】封着材は、金属製芯材に主として有機高分
    子系材料からなる封着材を被覆したものであることを特
    徴とする請求項1あるいは2記載の低圧複層ガラスの作
    製方法。
  4. 【請求項4】封着材は、主として有機高分子系材料から
    成る封着材とし、該封着材に吸着剤を充填したものであ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の低圧複層ガラスの作製方法。
  5. 【請求項5】封着材の低圧空間側周辺部分に、比較的硬
    い芯材表面を比較的柔らかい被覆材でコーティングした
    線材スペーサーを配設するようにしたことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の低圧複層ガラスの作製
    方法。
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