JP2008049981A - 中空形材とその減圧または真空構造付加方法 - Google Patents

中空形材とその減圧または真空構造付加方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008049981A
JP2008049981A JP2006231201A JP2006231201A JP2008049981A JP 2008049981 A JP2008049981 A JP 2008049981A JP 2006231201 A JP2006231201 A JP 2006231201A JP 2006231201 A JP2006231201 A JP 2006231201A JP 2008049981 A JP2008049981 A JP 2008049981A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow
space
vacuum
back plates
decompression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006231201A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4680152B2 (ja
Inventor
Seiichiro Tsuda
誠一郎 津田
Hiroshi Yonetani
弘 米谷
Minoru Nurii
稔 塗井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kinki Sharyo Co Ltd
Original Assignee
Kinki Sharyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kinki Sharyo Co Ltd filed Critical Kinki Sharyo Co Ltd
Priority to JP2006231201A priority Critical patent/JP4680152B2/ja
Publication of JP2008049981A publication Critical patent/JP2008049981A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4680152B2 publication Critical patent/JP4680152B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T30/00Transportation of goods or passengers via railways, e.g. energy recovery or reducing air resistance

Landscapes

  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

【課題】コスト上昇の原因とならずに高い防音性、断熱性が得られるようにする。
【解決手段】表裏の板1、2間が複数の中空部3を有して連結された中空形材4であって、中空部3による減圧空間または真空空間3aを設けることにより、上記の目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、広域な壁面構造体、例えば、鉄道車両の各部構体をダブルスキン構造にて形成するのに好適な減圧または真空の構造を持った中空形材とその減圧または真空構造付加方法に関するものである。
鉄道車両では、一層の高速化のための軽量化、安全などに対応するための高剛性化、低コスト化が要求され、併せ、制振性、断熱性、防音性も望まれている。これに応えるのに、表板と裏板との間が複数の連結板によって連結されたアルミニウム製の中空形材のリブに制振断熱材を貼り付けて、制振性と断熱性とを持たせたもの(例えば、特許文献1参照。)、制振断熱材を金属−樹脂系制振材とすることにより、制振断熱性に加え、制音性が得られるが、このような制音性のある制振断熱材は熱による問題があるのを、中空形材どうしを摩擦溶接により接合することでそのような熱的影響をなくしたもの(例えば、特許文献2参照。)、アルミニウム系の中空形材と、この中空形材との間に間隔をおいて取り付けた2枚の平行な多孔金属板とを備えて、平滑性、外観性に優れ、軽量および小型であると共に、耐久性、機械的強度が高く、製造コストが低い防音部材(例えば、特許文献3参照。)などが既に知られている。
特開平11−100915号公報 特開2002−178169号公報 特開2003−108145号公報
ところで、車両の高速化は車内への床下などからの騒音を高めるので防音性が特に問題になっている。しかし、特許文献1に記載のものは制振性、断熱性を発揮するものであっても、防音性は低い。特許文献2に記載のものは制振性、断熱性、防音性が得られるものの、熱的影響をさけるために中空形材を溶接接合するのに摩擦溶接をするなどの制限がある。また、特許文献3に記載のものは中空形材の片面に2枚の多孔金属板を後付けして消音性を発揮するマフラー部とするもので、構造が複雑でコスト上昇の原因になる。
そこで、本発明者はこのような問題につき種々に検討し実験を重ねながら、中空形材の減圧化または真空化によって防音性はもとより断熱性も満足し、制振性も既に知られる技術によって同様に付与できる鉄道車両などに用いるパネルを形成するのに好適な中空形材を想到するに至った。
本発明の目的は、上記のような新たな知見に基づき、コストの上昇が小さく重量の増大も少なく高い防音性、断熱性が得られる減圧化または真空化した中空形材とその減圧または真空構造付加方法を提供することにある。
上記のような課題を達成するために、本発明の中空形材は、表裏の板間が複数の中空部を有して連結された中空形材であって、中空部による減圧空間または真空空間を設けたことを特徴としている。
このような構成の中空形材では、在来の中空形材形態のままでも、所定の中空部を真空化し閉塞した減圧空間または真空空間とするだけの構造で、軽量化、強度上高比率で広域に分散形成される中空構造に原因する表裏の板間の一方から他方への空気伝播音、空気対流を伴なう熱伝導、熱輻射、のそれぞれを減圧度または真空度に見合って遮断することができる。
全ての中空部が減圧空間または真空空間とされている、さらなる構成では、
連結部が表裏の板に直角な向きでのボックス構造、あるいは傾斜した向きのトラス構造をなして配置されるなどし、中空部が表裏の板間に一重に連続するような在来形態において有効である。
中空部は減圧空間または真空空間としたものと、しないものとを備えたもとすることができる。特に、減圧空間または真空空間とした中空部は、表裏の板の一方または双方に沿って位置し、減圧空間または真空空間としない中空部と表裏の板間で重なって位置している、さらなる構成では、
減圧空間または真空空間としない中空部を有して全体の中空部率を満足しながら、減圧空間または真空空間とする中空部を表裏の板の一方または双方に沿う狭い範囲に限定して、表裏の板の一方から他方への空気伝播音、空気対流を伴なう熱伝導、熱輻射、のそれぞれを遮断することができる。
中空部を減圧空間または真空空間にすることに対応した耐圧構造部を有している、さらなる構成では、
在来形態において中空部を真空としたとき生じる外圧に対する面強度が通常設計での表裏の板において不足することが考えられるが、突っ張り部や部分的な増厚部(部分によっては減厚もできる)などにより形成した耐圧構造部にて対応することができる。
本発明の中空形材の減圧または真空構造付加方法は、表裏の板間が複数の中空部を有するように連結された中空形材につき、減圧空間または真空空間とする複数の中空部の両端部に共通の蓋板を取り付けて覆い、蓋板に取り付けた吸引口から中空部内に位置する逆止弁を通じて中空部を減圧または真空引きし減圧空間または真空空間とすることを特徴としている。
このような中空形材の真空構造付加方法は、減圧空間または真空空間とする複数の中空部につき両端部を共通の蓋板で覆うだけで減圧化、真空化を可能とし、この減圧化、真空化が可能になった複数の中空部につき蓋板に設けた吸引口から所定の減圧度または真空度に吸引するだけでその吸引状態が中空部に臨んでいる逆止弁によって封止されるので、吸引を停止しさえすれば大気中での作業にて減圧または真空を付加した構造とすることができる。
特に、吸引口は1つで、減圧空間または真空空間とする複数の中空部の全てに通じる通気部を通じて複数の中空部に対する吸引を行うようにする構成では、
中空部が多数に及んでもそれらに対する吸引作業が1箇所での吸引口を通じた単純作業にて行える。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは可能な限りにおいて種々な組合せで複合して用いることができる。
本発明の中空形材によれば、中空形材の在来形態を特に変更することなく、軽量化、強度上高比率で広域に分散形成される中空構造に原因する表裏の板間の一方から他方への空気伝播音、空気対流を伴なう熱伝導、熱輻射、のそれぞれを減圧空間または真空空間にて遮断し、コストが特に上昇するようなことなく高い防音性、断熱性を発揮することができるし、特許文献1に記載のような制振構造を付加するにも支障がない。
本発明の中空形材の真空構造付加方法によれば、中空部を共通の蓋板で覆って蓋板に設けた吸引口から所定の減圧度または真空度に吸引して簡単に真空化しそれを逆止弁で保持するので、簡単に減圧または真空構造を付与し、かつ中空部内の逆止弁部を持った吸引構造を残して外まわりへの影響がなく、後処理を含め大気中での簡単な設備、作業にて減圧状態または真空状態の中空部を持った中空形材が安価に得られる。
特に、中空部が多数でもそれらに対する吸引作業が1箇所での吸引口を通じた単純作業にて行い、さらなるコストの低減が図れる。
本発明の中空形材とその減圧または真空構造付加方法に係る実施の形態につき、図1〜図11を参照しながら具体的に説明し、本発明の理解に供する。
本実施の形態の中空形材は制音性、断熱性などが要求される鉄道車両の車体における台枠、側構体、妻構体、屋根構体を形成するダブルスキン構造で代表されるアルミニウム製の中空形材に適用した場合の一例であり、例えば、図1に示す例、図2に示す例、図3に示す例、図4に示す例、図5に示す例のように、表裏の板1、2間が複数の中空部3を有して連結された中空形材4をなし、主として押し出し成形などにて一体成形される。
しかし、これに限られることはなく、形材などの骨材に表裏の板1、2を貼り合せて中空構造とした準中空形材をも含んでよく、遮音性、断熱性が要求さる鉄道車両以外の用途の壁材、パネル材といった構造材としても有効である。ここに構造材とは力骨を兼ねて用いられる壁材、パネル材を意味している。材質もアルミニウム、アルミニウム合金などのアルミニウム系以外のステンレス鋼などその他の金属材料でもよい。また、中空構造も図1〜図5に示すような紙面に直角に向くストレートなリブ5によって区切られたストレートな中空部3を有したものに限られることはなく、図示しないが井桁に配した骨材に表裏の板1、2を貼り合せた構造のものでもよい。
このような構造材を用いるのに、鉄道車両などではさらなる高速化に伴い制振性に併せ、制音性も求められ、省エネ性の上からは断熱性も求められることに対し、本実施の形態では特に、制音性、断熱性を満足するため、前記図1〜図5に示すような中空形材4において中空部3による減圧空間または真空空間3aを設けている。このような中空形材4では、図1に示すようなリブ5をトラス構造に配したリブ部とするか、あるいは図示しないが表裏の板1、2間にそれと直角な向きで矩形構造をなして配したリブ部とするか、これらを複合して配するかした在来の中空形材形態のままでも、所定の中空部3を真空化し閉塞した減圧空間または真空空間3aとするだけの構造で、軽量化、強度上高比率で広域に分散形成される中空構造に原因する表裏の板1、2間の一方から他方への空気伝播音、空気対流を伴なう熱伝導、熱輻射、のそれぞれを減圧度または真空度に見合って遮断することができる。
この結果、中空形材4の押し出し成形ができる在来形態を特に変更することなく、軽量化、強度上高比率で広域に分散形成される中空構造に原因する表裏の板1、2間の一方から他方への空気伝播音、空気対流を伴なう熱伝導、熱輻射、のそれぞれを減圧空間または真空空間3aにて遮断し、コストが特に上昇するようなことなく高い防音性、断熱性を発揮することができるし、特許文献1に記載のような制振構造、従って、図1の一部に仮想線で示すような制振材6をリブ5に付加するにも支障がなく、制振性をも満足することができる。しかも、ここでの制振材6は特許文献1に記載のもののような断熱性を必要としない自由度を得ながら、特許文献1に示すような制振性断熱材を用いる場合に比し、減圧空間または真空空間3aとした中空部3全域にて表裏の板1、2の一方から他方への空気の対流による熱伝導や熱輻射を遮断する優れた断熱性を発揮した上で、特許文献1に記載のものには得られない遮音性を満足するものとなる。
ここに、全ての中空部3が減圧空間または真空空間3aとされるのが好適であるが、減圧空間または真空空間3aは少なくとも、表裏の板1、2の面域全体に対応してそれらの一方から他方への音や熱の伝播経路の途中に位置しているのが好適である。それには、図1〜図3に示す例では中空部3が表裏の板1、2間に一重に連続する形態にて形成されているため、中空部3の全てが減圧空間または真空空間3aとされる必要がある。
一方、図4に示す例では表裏の板1、2の内側に沿うように断続に配した扁平な中空部3を減圧空間または真空空間3aとしているが、図に示すように表裏の板1、2の一方に沿う減圧空間または真空空間3aと他方に沿う減圧空間または真空空間3aとが千鳥配置となることが必要である。図5に示す例では表裏の板1、2の一方にのみ沿う扁平な減圧空間または真空空間3aを形成しているが、図に示すように表裏の板1、2の面域全体に連続していることが必要である。このように、減圧空間または真空空間3aとした中空部3が、表裏の板1、2の一方または双方に沿って位置し、減圧空間または真空空間3aとしない中空部3と表裏の板1、2間で重なって位置していると、減圧空間または真空空間3aとしない中空部3を有して全体の中空部率を満足しながら、減圧空間または真空空間3aとする中空部3を表裏の板1、2の一方または双方に沿う狭い範囲に限定して、表裏の板1、2の一方から他方への空気伝播音、空気対流を伴なう熱伝導、熱輻射、のそれぞれを遮断することができる。
ここで、図1〜図5に示すような中空形材4における中空部3を減圧空間または真空空間3aとするのに、図6に図1に示す中空形材4で代表して示すように、中空形材4の両端に蓋板11、12を当てがってそれらの少なくとも減圧空間または真空空間3aとする中空部3、従って、本例での中空形材4ではその全ての中空部3を塞ぎ、その一方を塞いでいる図7に示すような蓋板11に設けた吸引口13から中空部3内に位置する逆止弁14を通じて中空部3を減圧または真空引きし、減圧空間または真空空間3aとすることで実現している。これにより、減圧空間または真空空間3aとする複数の中空部3につき両端部をそれらに共通の蓋板11、12で覆うだけで減圧化、真空化を可能とし、この減圧化、真空化が可能になった複数の中空部3につき蓋板11、12に設けた吸引口13から所定の減圧度または真空度に吸引するだけでその吸引状態が中空部3に臨んでいる逆止弁14によって封止されるので、吸引を停止しさえすれば減圧または真空を付加した構造とすることができる。吸引口13は図6、図7に示すように、パイプ状で蓋板11外に突出した構造とすると、真空ポンプなどの図示しない吸引源との接続が容易になるし、中空部3を所定の減圧度または真空度とした吸引作業後に吸引口13の蓋板11からの突出部分を切除するだけで、減圧または真空構造付与後の中空形材4どうしを溶接接合して繋ぎ鉄道車両の構体などを形成し実用するのに何の邪魔にもならない。従って、後処理が楽になる。また、これに代えて吸引口13を蓋板11の外面に開口するだけのものとして設け、吸引源とはその開口部でねじ結合などして接続するようにすれば後処理が全く不要となる。
要約すると、中空部3を共通の蓋板11、12で覆って蓋板11に設けた吸引口13から所定の減圧度または真空度に吸引して簡単に真空化しそれを逆止弁14で保持するので、簡単に減圧または真空構造を付与し、かつ中空部3内の逆止弁14を持った吸引構造を残して外まわりへの影響がなく、後処理を含め大気中での簡単な設備、作業にて減圧状態または真空状態の中空部3を持った中空形材4が安価に得られる。しかも、減圧空間または真空空間3aとする中空部3が本実施の形態で示す各例のように多数に及んでも、図6に示すようにそれら各中空部3に対する吸引作業が、1箇所での吸引口13からリブ5の端部に設けた切欠き部16などを通じた単純作業にて行え、さらなるコストの低減が図れる。
しかし、所定の減圧度、真空度とした減圧空間内に中空形材4を配置して蓋板11、12による封止を行えば、吸引口13や逆止弁14といった特別な吸引構造を設けなくてよく、減圧空間設備は高価でスペースを採るが、これが既設である現場ではそれを有効利用して減圧または真空構造を付与した中空形材4をより簡単な構造でより安価に実現する好適な手法となる。
さらに詳述すると、中空形材4における中空部3を減圧空間または真空空間3aとすることによる制音性を音の透過損失として捉えると、減圧度または真空度と音の減圧との間には図8に示すような比例関係がある。中空部3での音圧はそこでも減圧ないしは真空化によって減少し、結果として、音の透過損失を向上させることができる。そこで、中空部3の減圧度、真空度は制音目的によって選択すればよい。しかし、実用上は人が効果を識別できる音圧レベル3dB以上に透過損失を向上させることが必要であり、図8の比例関係から0.7気圧以下まで減圧または真空化するのが好適であり、減圧度、真空度が増すほど音の透過損失は向上させられる。
しかし、このような効果は表裏の板1、2が独立している中空部3で成立するもので、表裏の板1、2間のリブ状のリブ5がサウンドブリッジの働きをして生じる固体伝播音分の透過損失の低下はある。しかし、既述した制振材6を併用することによりリブ5がサウンドブリッジの作用をすることによる透過損失の低下分を補償することができ、図8に示すような比例関係を満足する程度の制音性を発揮することができる。
一方では、中空部3を真空化を含む減圧をするに当って大気圧との差による変形や応力に考慮する必要がある。まず、表裏の板1、2、つまり中空形材での面板についての減圧によるたわみ変形を考慮する。ここでは、面板を図9に示す両端固定ハリでモデル化した場合のたわみ変形を考える。面板のたわみ変形は中央部で最大となり、次式で表される。
ν=ωL4/384EI=ωL4/2272000t3 (1)
但し ν:最大たわみ量(mm)
ω:圧力差(MPa)
*ω=(大気圧、0.1MPa)−(中空部3aの気圧、pMPa)
L:リブ間隔(mm)
t:面板の厚さ(mm)
E:ヤング率(アルミニウム:71000N/mm2
I:面板の断面二次モーメント
一般に鉄道車両の構体に利用される中空形材4は概ね表裏の板1、2が2〜4mm程度、リブ5が1.8〜2mm程度とするのが通常であるが、表裏の板1、2である面板は鉄道車両では外観や床面としての機能を保つために平面度を保つ必要があり、リブ間の最大たわみ量は0.15mm以下に抑えられるのが好適であるところから、
ω≦340800t3/L4 (2)
を満たすようにリブ間隔Lおよび面板の厚さtを選定すればよい。
図1に示す中空形材は鉄道車両の床に使用されるダブルスキン構造の中空形材4の1つの例であるが、リブ間隔L=114.6mm、面板の厚みt=3.2mmであり、中空部3の気圧を0.4atmに減圧して十分に耐えられるし、8dBの透過損失の向上が見込まれ、従来の断面形状、寸法にてそのまま対応できる。因みに、中空形材4の表裏の板1、2間の間隔H=60mmである。
もっとも、音の透過損失をさらに高めるには、耐圧強度を高める必要があり、それには、従来の断面形状、寸法を見直す必要がある。単純には、図1に示す通常断面および寸法関係のものに対し、図2の例に示すように耐圧増強のための補助リブ21を耐圧構造部として設けてもよい。また、リブ5のリブ間隔Lを小さくしたり、表裏の板1、2の厚みを増大したりしてもよい。さらに、それら2つまたは3つを併用することもできる。また、表裏の板1、2の平坦度を高める場合も同様である。つまり、耐圧度および平坦度を同時に高めることになる。
1つの例として既述した0.4atmまで減圧して8dBの透過損失を満足するのに必要な面板の厚さtとリブ間隔Lとの関係を示せば図10に示す通りである。このような関係は、また、減圧による音の透過損失をさらに高めるには、リブ間隔Lを小さくするまたはおよび面板の厚さtを大きくする、ことによって達成されることをも示している。
次に、リブ間隔Lと面板の厚さtのどちらを変更するのがより効果的であるかを、図1に示す中空形材4の中空部3を絶対真空まで減圧した真空空間3aとしたときに、0.15mm以下の平面度を保つ条件にて比較検討する。
リブ間隔Lを小さくする場合、リブ間隔Lを11.8mm小さくした102.8mmとする必要があり、この場合の中空形材4の断面積は元の形材の約1.05倍となる。
一方、面板の厚さtを増す場合には、リブがトラス形態であることから、自動的にリブ間隔Lも小さくなることを考慮して、面板の厚さtを0.5mm増した3.7mmとする必要がある。この場合の中空形材4の断面積は約1.09倍となる。
以上から、リブ間隔Lを小さくする方が断面積の増加、つまり重量の増加を小さく抑えることはできる。しかし、サウンドブリッジ、ヒートブリッジの面からは面板の厚さを変更する方がよいといえる。
面板の厚さtが概ね既述した2〜4mmの範囲にあり、実用上の制音効果がある0.7気圧以上への減圧を考慮すると、図10に示す斜線を施した範囲の条件を満足する中空形材4とするのが好適であるといえる。
さて、以上は中空部3の減圧による面板の変形に注目してきたが、構造材として成立するには減圧によって生じる応力にも着目する必要がある。変形の場合と同様に、図9に示す両端固定ハリで考えると、面板に生じる曲げ応力は次式で表される。
σ=ω(3Lx−3x2−(L2/2))/t2 (3)
但し x:支持点からの距離
ここに、σが許容される応力以下になるようにリブ間隔Lまたはおよび面板の厚さtを選定する必要がある。なお、最大応力はx=0、つまり支持点にて生じ、
σ=ωL2/2t2 (4)
の関係を得るが、xの変化に応じて図3に示す例のように表裏の板1、2の厚みを増減変化させた増減厚部22である耐圧構造部を設けることで対応することもできる。
ところで、許容される応力は使用する材料によって異なるが、ここでは、アルミニウム車両のダブルスキン中空形材に多く利用される6N01−T5材で考える。
図1〜図5に示すような中空形材4どうしは溶接接合して繋がれ、鉄道車両の構体を構成している。減圧によって応力が生じるのは母材部である。しかし、母材部は溶接部よりも強度が大きいため、許容される応力も大きい。部位によっては詳細な検討が必要となる場合もあるが、一般的に減圧以外の要因(走行による振動、気密荷重、機器の搭載)で発生する応力が母材と溶接部で等しいと仮定すると、減圧で生じる応力に許容されるのは以下のように考えられる。
1)耐力で評価する場合(気密荷重を考えない場合)
溶接部と母材の耐力には86MPaの差があり、減圧によって86MPaの応力を生じても問題はない。
2)疲労強度を考慮する場合
図11に示す応力限度線図より、母材に127MPaの平均応力が生じても溶接部と同じ変動応力が許容できる。
したがって、耐力により評価する場合の方が条件としては厳しくなる。図10の斜線で示す範囲で調整すれば(例えば、面板厚さtに対して最小のリブ間隔Lとすれば)、中空部3を完全に絶対真空の真空空間3aとした場合でも生じる応力は最大66MPa程度であり、一般部では強度上の問題は生じない。
要するに、図2、図3に示すような耐圧構造は、大気圧下での通常設計における強度保証と相まった最小限の断面積を設定する軽量化の上で有効である。
また、共鳴透過周波数も減圧によって低下させられ、減圧度の選定によって人が聞こえ難い低周波数領域に抑えることもできる。
例えば、図1に示す形態で表裏の板1、2の厚みが等しい中空形材4の場合、共鳴透過周波数は、次式
f=1/π(√ρc2/Hm)≒160Hz (5)
但し ρ:空気の密度(1.2kg/m3
c:音速(334m/s)
H:面板間隔(0.06m)
m:面板の面密度(8.6kg/m3
で表せられ、
中空部3の気圧を0.4atmの減圧度とすると、ρは0.4倍となり、f≒104Hzとすることができる。
本発明は鉄道車両の構体などを形成するのに制音性、断熱性が得られる中空形材対を提供できる。
本発明の実施の形態における中空形材の1つの形態例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における中空形材の別の形態例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における中空形材の他の形態例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における中空形材の今1つの形態例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における中空形材のさらに別の形態例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における中空形材の減圧または真空構造付加方法の1つの形態例を示す斜視図である。 図6の方法で用いた一方の蓋板を示す斜視図である。 気圧と音圧の相関性を示すグラフである。 図1の中空形材の表裏の板を両端固定ハリにモデル化した減圧による大気との圧力差に基づく荷重図である。 面板の厚さとリブ間隔との許容範囲の関係を示すグラフである。 中空形材を溶接接合した場合の母材と溶接部との応力限界を比較して示すグラフである。
符号の説明
1 表板
2 裏板
3 中空部
3a 減圧空間または真空空間
4 中空形材
5 リブ
6 制振材
11、12 蓋板
13 吸引口
14 逆止弁
16 切欠き部
21 補助リブ
22 増減厚部

Claims (7)

  1. 表裏の板間が複数の中空部を有して連結された中空形材であって、中空部による減圧空間または真空空間を設けたことを特徴とする中空形材。
  2. 全ての中空部が減圧空間または真空空間とされている請求項1に記載の中空形材。
  3. 中空部は減圧空間または真空空間としたものと、しないものとを備える請求項1に記載の中空形材。
  4. 減圧空間または真空空間とした中空部は、表裏の板の一方または双方に沿って位置し、減圧空間または真空空間としない中空部と表裏の板間で重なって位置している請求項3に記載の中空形材。
  5. 中空部を減圧空間または真空空間にすることに対応した耐圧構造部を有している請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空形材。
  6. 表裏の板間が複数の中空部を有するように連結された中空形材につき、減圧空間または真空空間とする複数の中空部の両端部に共通の蓋板を取り付けて覆い、蓋板に取り付けた吸引口から中空部内に位置する逆止弁を通じて中空部を減圧または真空引きし減圧空間または真空空間とすることを特徴とする中空形材の減圧または真空構造付加方法。
  7. 吸引口は1つであり、減圧空間または真空空間とする複数の中空部の全てに通じる通気部を通じて複数の中空部に対する吸引を行う請求項6に記載の中空形材の減圧または真空構造付加方法。
JP2006231201A 2006-08-28 2006-08-28 中空形材の減圧または真空構造付加方法 Active JP4680152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006231201A JP4680152B2 (ja) 2006-08-28 2006-08-28 中空形材の減圧または真空構造付加方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006231201A JP4680152B2 (ja) 2006-08-28 2006-08-28 中空形材の減圧または真空構造付加方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008049981A true JP2008049981A (ja) 2008-03-06
JP4680152B2 JP4680152B2 (ja) 2011-05-11

Family

ID=39234403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006231201A Active JP4680152B2 (ja) 2006-08-28 2006-08-28 中空形材の減圧または真空構造付加方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4680152B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111510A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 日本軽金属株式会社 トレーラの床構造
JP2011222816A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Toshiba Corp 静止誘導電器
KR20220164135A (ko) * 2021-06-04 2022-12-13 성우피앤비 주식회사 화물차량 컨테이너의 단열구조

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01137036A (ja) * 1987-11-20 1989-05-30 Nippon Fruehauf Co Ltd アルミニウム中空押出型材製の箱形構造物
JP2001051684A (ja) * 1999-08-16 2001-02-23 Yoshihiro Shiotani 真空体の構成
JP2001151107A (ja) * 1999-09-14 2001-06-05 Tokai Rubber Ind Ltd 鉄道車両用防音構造体
JP2004205794A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Yoshihiro Shiotani 真空体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01137036A (ja) * 1987-11-20 1989-05-30 Nippon Fruehauf Co Ltd アルミニウム中空押出型材製の箱形構造物
JP2001051684A (ja) * 1999-08-16 2001-02-23 Yoshihiro Shiotani 真空体の構成
JP2001151107A (ja) * 1999-09-14 2001-06-05 Tokai Rubber Ind Ltd 鉄道車両用防音構造体
JP2004205794A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Yoshihiro Shiotani 真空体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111510A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 日本軽金属株式会社 トレーラの床構造
JP2011183991A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Nippon Light Metal Co Ltd トレーラの床構造
JP2011222816A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Toshiba Corp 静止誘導電器
KR20220164135A (ko) * 2021-06-04 2022-12-13 성우피앤비 주식회사 화물차량 컨테이너의 단열구조
KR102544035B1 (ko) * 2021-06-04 2023-06-16 성우피앤비 주식회사 화물차량 컨테이너의 단열구조

Also Published As

Publication number Publication date
JP4680152B2 (ja) 2011-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3680061B2 (ja) 壁部材
JP6165466B2 (ja) 防音構造
EP3485201B1 (en) Ventilation system and method
US8235169B2 (en) Noise-reducing device and method for reducing noise
JP4879320B2 (ja) 輸送の手段の音波吸収内側のクラッディングのためのサンドイッチ部材、特に、航空機の音波吸収内側のクラッディングのためのサンドイッチ部材
KR20060090607A (ko) 단열흡음구조체 및 그것을 사용한 차량 구조체
JP2019520544A5 (ja)
AU711216B2 (en) Foam material element for sound-deadening cavities
JP4680152B2 (ja) 中空形材の減圧または真空構造付加方法
JP4339324B2 (ja) 鉄道車両構体
JP2007156309A (ja) 吸音材
JP4380568B2 (ja) 鉄道車両及び吸音材の製造方法
JP4317554B2 (ja) 高速鉄道車両用吸音パネル
JPH10266378A (ja) ハニカム構造断熱板状部材
JP3944473B2 (ja) 遮音性軽量構造部材
WO2017077959A1 (ja) 吸音パネル及び防音壁設備
JP3462147B2 (ja) 鉄道車両における空調ダクトの配設構造
JP2009002337A (ja) 小型発電装置および防音パネル
JP6635836B2 (ja) 圧力変動低減構造
JP4303183B2 (ja) 二重壁構造体
JPWO2005057077A1 (ja) 断熱パネル及びそれを利用した断熱構造体
JP2005273273A (ja) 音響パネル及び吸音・遮音装置
JP3893053B2 (ja) 通気型遮音壁構造
JP2005343271A (ja) 軌条車両の床構造
JP4680963B2 (ja) 枠体付き二重壁構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080327

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090526

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4680152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250