JP2004205786A - 走査光学装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】回転多面鏡の高速回転に対応した小型で安価な走査光学装置を提供すること。
【構成】光源ユニットから発生された光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡を回転駆動する駆動手段と、前記回転多面鏡を経て前記光ビームを感光体に結像させる結像手段と、該結像手段と前記光源ユニットと前記駆動手段を支持する光学箱を有し、該光学箱が、前記駆動手段の近傍に、コの字形の断面形状を有する側壁を含んで走査光学装置を構成する。ここで、前記コの字形の断面形状を有する側壁を補強するリブが少なくとも1箇所設けられている。又、前記コの字形断面を有する側壁の下側の面に、光学箱に対して移動可能に保持された位置決めピンを備えている。
【選択図】 図1
【構成】光源ユニットから発生された光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡を回転駆動する駆動手段と、前記回転多面鏡を経て前記光ビームを感光体に結像させる結像手段と、該結像手段と前記光源ユニットと前記駆動手段を支持する光学箱を有し、該光学箱が、前記駆動手段の近傍に、コの字形の断面形状を有する側壁を含んで走査光学装置を構成する。ここで、前記コの字形の断面形状を有する側壁を補強するリブが少なくとも1箇所設けられている。又、前記コの字形断面を有する側壁の下側の面に、光学箱に対して移動可能に保持された位置決めピンを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられる走査光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザビームプリンタ等の画像形成装置に用いられる走査光学装置は、高速回転する回転多面鏡によってレーザビーム等の光ビームを反射させてこれを偏向走査し、得られた走査光を回転ドラム上の感光体に結像させて静電潜像を形成する。次いで、感光体の静電潜像を現像装置によってトナー像に顕像化し、これを記録紙等の記録媒体に転写して定着装置に送り、記録媒体上のトナーを加熱定着させることで印刷が行われる。
【0003】
ところで、近年、画像形成装置の高速化・高精細化が進み、それに用いられる走査光学装置においても回転多面鏡の回転数が数万rpmにも達するようになってきている。
【0004】
回転多面鏡の回転数が高くなると、回転多面鏡の振動が光学箱に伝播して、光ビームの結像位置がずれることによる画像不良等のトラブルが発生する。又、回転多面鏡の回転数が高くなると、光学箱内部の空気流により外気が光学箱内部に侵入し、回転多面鏡や走査レンズ等に汚れが付着し、画像不良等のトラブルが発生する。
【0005】
回転多面鏡の高速回転に対応するため、例えば、特開平11−052269号のような走査光学装置が提案されている。それは、回転多面鏡を回転させる駆動手段の近傍における光学箱の剛性を、逆U字型形の断面を有する側壁によって局所的に強化して、光学箱の耐振性を高めるというものであった。
【0006】
図6及び図7に前記従来例の走査光学装置を示す。
【0007】
モータ103aの近傍において、光学箱110の側壁111の剛性を局所的に強化する2重壁112が設けられている。2重壁112は、図5に示すように、中空部112aを有し、その上端部をフランジ部112bによって塞がれた逆U字形の断面を有する。2重壁112は、回転多面鏡103の周囲から光源ユニットS101にかけて配設され、加振部である回転多面鏡103のモータ103aの周辺における光学箱110の剛性を強化して光学箱110自体の振動を抑制することで、結像レンズ系104や光源ユニットS101の振動を低減する。
【0008】
又、蓋部材120の外周部の一部分は、側壁111の2重壁112のフランジ部112bに密着するため、蓋部材120と光学箱110の側壁111の間から外気の侵入を防ぐという別の効果もある。
【0009】
一方、近年、印字精度に対する要求も高まってきており、感光体に精度良く光ビームを走査する手段として、例えば、特開平5−107491号のような走査光学装置が提案されている。それは、光学箱の外周部に光軸方向に移動可能に保持された第1のピンと、該第1のピンから光軸方向に所定距離離れた光学箱の外周部に、光軸方向と直角な方向に移動可能に保持された第2のピンが設けられ、前記2つのピンにより、感光体上での照射位置調整(光学箱の光軸方向の調整)及び走査線の傾き調整(光学箱の偏向面内での回転調整)を行うというものであった。
【0010】
図8及び図9に従来の走査光学装置を示す。
【0011】
光学箱210の照射位置調整は、光学箱210の外周部に設けられた位置決めピン208,209によって行われている。211は位置決めピン208のガイド穴、212は位置決めピン209のガイド穴である。
【0012】
感光ドラム220上での光ビームの照射位置調整を行うときは、位置決めピン208をX方向に移動させると、感光ドラム220上での光ビームの走査線もX方向に移動する。このとき、位置決めピン209も光学台230に対してX方向に移動することになるが、ガイド穴232はX方向に長穴になっているため、移動を妨げることはない。又、ガイド穴231は丸穴である。
【0013】
次に、位置決めピン209をY方向に移動させると、感光ドラム220上での光ビームの走査線は図のθ方向に回転移動する。このとき、位置決めピン209も光学台230に対してY方向に移動することになるが、ガイド穴232はY方向に長穴になっているため、移動を妨げることはない。
【0014】
このように、光学箱210にはfθレンズの250の光軸近傍(光軸延長線の近傍も含む)に2本の位置決めピンが設けられ、所定面(感光体)から近いピンはX方向にのみ移動可能であり、所定面(感光体)から遠いピンはY方向にのみ移動可能である。
【0015】
以上説明した操作により、感光体220上での照射位置調整(光学箱210の光軸方向の調整)及び走査線の傾き調整(光学箱210の偏向面内での回転調整)を行うことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の走査光学装置によれば、回転多面鏡の高速回転に対応した走査光学装置を用いて感光体に精度良く光ビームを走査しようとする場合、走査光学装置の光学箱が大型化してしまうという問題が発生する。
【0017】
図10を用いて上記問題点を簡単に説明する。尚、図10は従来の走査光学装置の断面図である。
【0018】
回転多面鏡の高速回転に対応するため、モータ303aの近傍において、光学箱310の側壁311の剛性を強化するための2重壁312が設けられている。2重壁312は、回転多面鏡303の周囲から光源ユニットS301にかけて配設され、加振部である回転多面鏡303のモータ303aの周辺における光学箱310の剛性を強化して光学箱310自体の振動を抑制することで、結像レンズ系や光源ユニットS301の振動を低減する。
【0019】
又、前記従来例で説明したように、感光体上に光ビームを精度良く走査するため、光学箱310の外周部にはガイド穴313が設けられており、位置決めピン309を取り付けられるようになっている。そして、位置決めピン309を移動することにより、走査線の傾き調整を行う。
【0020】
図示のように、モータ303aの近傍において、光学箱外壁に2重壁部分と位置決めピン取り付け部を設ける必要があるため、回転多面鏡303の回転軸から光学箱310の後端までの距離L1が長くなってしまい、その結果、光学箱310が光軸方向に大型化してしまうという問題が生じる。
【0021】
又、光学箱の回転多面鏡近傍の剛性を更に高めるために、図11のように光学箱外壁を3重壁(或は4重壁)の構造にするという手段も考えられるが、回転多面鏡の回転軸から光学箱後端までの距離L2が更に長くなってしまうという問題が生じる。
【0022】
更に、光学箱の成型に使用する金型330の観点からも、前記従来の走査光学装置では、光学箱に設けた2重壁の部分が、光学箱底面側から見て深くて細長い凹形状になり易く、金型ピン331も細長い形状になってしまい、金型の耐久性が低下するという問題がある。又、成型時の放熱性も悪いため、成型タクトが長くなり、部品コストも上昇してしまう。
【0023】
上記問題を解決するために、光学箱側面に補強板金等を取り付けることにより、2重壁を設けることなく光学箱の剛性を高めるという手段があるが、部品点数の増加及び組立作業の煩雑化により、走査光学装置のコストが上昇してしまうという別の問題が発生する。
【0024】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、回転多面鏡の高速回転に対応した小型で安価な走査光学装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る走査光学装置は、光源ユニットから発生された光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡を回転駆動する駆動手段と、前記回転多面鏡を経て前記光ビームを感光体に結像させる結像手段と、該結像手段と前記光源ユニットと前記駆動手段を支持する光学箱を有し、該光学箱が、前記駆動手段の近傍に、コの字形の断面形状を有する側壁を備えていることを特徴とする。
【0026】
又、前記コの字形の断面形状を有する側壁を補強するリブが少なくとも1箇所設けられていると良い。
【0027】
又、前記コの字形断面を有する側壁の下側の面に、光学箱に対して移動可能に保持された位置決めピンを備えていると良い。
【0028】
更に、前記コの字形断面を有する側壁の上側の面に、切り欠き部を有していると良い。
【0029】
又、前記駆動手段の近傍の、前記コの字型断面を有する側壁とは異なる光学箱の側面が、逆Uの字形の断面形状を有していると尚良い。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1を図1〜図4に従って説明する。
【0032】
図1〜図3は本実施の形態に係る走査光学装置を示すものである。半導体レーザ1から発生されたレーザ光をコリメータレンズ1aによって平行化し、アパーチャによってビーム形状を整えた上でシリンドリカルレンズ2によって線状の光束に集光し、回転多面鏡3によってその回転軸に沿った方向(Z軸方向)に垂直な所定の方向(Y軸方向)に偏向走査し、結像レンズ4及び折り返しミラー5を経て回転ドラム状の感光体Dに結像させる。
【0033】
ここで、感光体Dに結像する光束は、回転多面鏡3の回転によるY軸方向の主走査と、回転ドラムの回転によるY軸方向の副走査に伴って静電潜像を形成する。又、回転多面鏡3によって走査されたレーザ光の一部分は検出ミラー6によって水平同期信号検出器7に導入され、水平同期信号検出器7の出力信号によって半導体レーザ1が書き込み変調を開始する。
【0034】
結像レンズ4は、球面レンズ部とトーリックレンズ部から成り、回転多面鏡3によって等角速度で走査される走査光を、回転ドラム上でY軸方向に等速度で走査する走査光に変換する、所謂fθ機能を有している。
【0035】
半導体レーザ1、シリンドリカルレンズ2、回転多面鏡3、結像レンズ4、折り返しミラー5、検出ミラー6及び水平同期信号検出器7は、光学箱10に取り付けられる。又、光学箱10の上部の開口は、蓋部材20によって閉塞される。
【0036】
回転多面鏡3を回転駆動させるモータ3aは、光学箱10の底面に支持されたモータハウジングと、これと一体であるモータ基板3bに実装されるステータ及びこれに対向するロータ等から成る磁気回路によって構成される。ステータは、モータ基板3bに立設されたステータコアと、これに巻き付けられたステータコイルを有し、又、ロータは回転軸と一体である座金に固着され、回転多面鏡3は押さえバネ等を有する弾性押圧機構によって座金に押圧され、該座金を介してロータに一体的に結合される。前述のようにステータが励磁されると、ロータと回転多面鏡3が一体となって回転する。
【0037】
光学箱10の回転多面鏡から見て光軸と直角方向に対向した側壁11には、光学箱10の剛性を局所的に強化する2重壁12が設けられている。該2重壁12は、図3に示すように、中空部12aを有し、その上端をフランジ部12bによって塞がれた逆U字型の断面を有する。2重壁12は、回転多面鏡の近傍から光源ユニットS1にかけて配設され、加振部であるモータ3aの周辺における光学箱10の剛性を強化して光学箱10自体の振動を抑制することで、結像レンズ系4や光源ユニットS1の振動を低減する。
【0038】
ここで、図1を用いて感光体D上での走査線の調整について説明する。
【0039】
感光体D上での照射位置調整(光学箱10の光軸方向(X方向)の調整)及び走査線傾き調整(光学箱10の偏向面内でのθ方向の回転調整)を行うため、光学箱10には、照射位置調整部Pと走査線傾き調整部Qが設けられている。尚、従来の走査光学装置と同様、照射位置調整部Pと走査線傾き調整部Qは、結像レンズ4の光軸及びその延長線の近傍に配置されており、位置決めピン31,32が取り付けられるようになっている。
【0040】
位置決めピン31は、照射位置調整部Pのガイド穴により、結像レンズ4の光軸方向(X方向)にのみ移動可能に保持され、又、位置決めピン32は、走査線傾き調整部Qのガイド穴により、結像レンズ4の光軸方向と直角方向(Y方向)にのみ移動可能に保持されている。尚、位置決めピン31,32は、ビス33,34を用いて光学箱10に固定される。
【0041】
感光体である感光ドラム上での光ビームの照射位置調整を行うときは、位置決めピン31をX方向に移動すると、感光ドラム上での光ビームの走査線もX方向に移動する。次に、位置決めピン32をY方向に移動すると、感光ドラム上での光ビームの走査線は、図のθ方向に回転移動する。
【0042】
このように、光学箱10には結像レンズ4の光軸近傍(光軸の延長線の近傍も含む)に2本の位置決めピン32,33が設けられ、所定面(感光体)から近いピン(位置決めピン32)はX方向にのみ移動可能であり、所定面(感光体)から遠いピン(位置決めピン33)はY方向にのみ移動可能である。
【0043】
以上説明した操作により、感光体上での照射位置調整(光学箱10の光軸方向の調整)及び走査線傾き調整(光学箱10の偏向面内での回転調整)を行うことができる。
【0044】
光学箱10の回転多面鏡に対して結像レンズ系4の反対側の後端部13は、図2に示すように、コの字型の断面を有しており、蓋部材20に近い側の上面13aと光学箱底面に近い側の下面13bから成る。後壁13には、上面13aと下面13bを接続するリブ13cが設けられている。該リブ13cは、前述の2重壁12と同様、加振部であるモータ3aの周辺における光学箱10の剛性を強化して光学箱10自体の振動を抑制することで、結像レンズ系4や光源ユニットS1の振動を低減する。
【0045】
又、モータ基板3aは、図1に示すように、X方向の長さと比較してY方向の長さの方が大きい略長方形の形状をしていることが一般的である。従って、光学箱10も、モータ基板3aの近傍で、Y方向の長さが大きくなってしまう。
【0046】
本実施の形態に係る走査光学装置では、前述のように、光学箱10の後端部13がコの字型の断面を有している。この構造においては、上面13aと下面13bが光学箱の壁面を補強する補強リブとしての機能も有しており、モータ近傍において、Y方向に対しての光学箱10の剛性を格段に向上させることができるため、光学箱10を伝播する振動を抑制し、結像レンズ系4や光源ユニットS1の振動を低減することができる。
【0047】
ここで、上述の走査線傾き調整部Qは、後壁13の下面13bに設けられている。従って、図8で説明した従来の走査光学装置のように、位置決めピンを実装するスペースを確保するために、光学箱10を結像レンズ4の光軸方向に大型化する必要はない。
【0048】
又、前記上面13aには、切り欠き部13dが設けられている。切り欠き部13dは、位置決めピン33を固定するビス34のほぼ真上の位置に設けられている。従って、前述のように走査線傾きを調整するに当たり、調整後に位置決めピン32を光学箱10に固定するときにドライバー等の工具が光学箱10に干渉することもなく、作業性を悪化させることもない。
【0049】
又、本実施の形態に係る走査光学装置では、従来例の走査光学装置と同様、光学箱の密閉度を高めるという効果もある。
【0050】
蓋部材20の外周部の一部分、特にモータ3aの付近では、側壁11の2重壁12のフランジ部b及び後壁13の上面13aに密着するため、蓋部材20と光学箱10の間から外気が侵入するのを防ぐ効果もある。このような防塵効果により、走査光学装置の長寿命化やメンテナンスのコストの低減に貢献できる。
【0051】
又、本実施の形態に係る走査光学装置では、光学箱の成型に関しても以下のような効果を有する。図4は光学箱後端部13付近の金型構造を説明する概略図である。
【0052】
前述のように光学箱10の後端部13はコの字型の断面形状になっているため、必然的に、成型に用いる金型はスライド部50を有する構造になる。後端部13付近の形状は、スライド部50に設けられたスライドピン50aにより形成され、成型時には、スライド部50は、図中に示す矢印S方向にスライド移動する。
【0053】
本実施の形態に係る走査光学装置では、光学箱10の高さ寸法の分、後端部13の上面13aと下面13bの間の距離を取ることができるため、スライドピン50aも十分な幅を持たせることができ、スライドピン50aの強度が確保できる。従って、従来の走査光学装置のように、金型ピンが細長い形状になり、金型の耐久性が低下するという問題もない。
【0054】
更に、前述のように光学箱後端部13の上面13aと下面13bとの空間が確保できるため、成型時における光学箱の放熱性も良く、成型タクトが短縮できるという別の効果もある。
【0055】
上述のように、本実施の形態に係る走査光学装置においては、光学箱の後端部がコの字型の断面形状をしており、且つ、リブで補強されているため、光学箱の剛性を高めるために走査レンズの光軸方向に光学箱を大きくすることなく、走査線傾き調整のための位置決めピンを実装するスペースを確保することができる。
【0056】
又、蓋部材と光学箱の外周部が密着する面積も増やすことができるため、走査光学装置の防塵性能を高めることもできる。そして、光学箱後端部の上面には調整ピンを固定するビスの位置に応じて切り欠きを設けてあるため、走査光学装置の組立性を悪化させることもない。更に、光学箱の成型に関しても、金型スライド部の強度を確保して金型の寿命を延ばすことができ、又、光学箱の放熱性が高いため、成型タクトを短縮することもできる。
【0057】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0058】
図5は本実施の形態に係る走査光学装置を示すものである。本実施例においても、走査光学装置の基本的な構造は前記実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。図中の符号も実施の形態1で説明したものを用いている。
【0059】
光学箱10の後端部13は、図5に示すように、上面13a、下面13b及び中段13eを有する3段構造になっている。つまり、後端部13は、コの字形を2段重ねにした断面形状を有している。又、実施の形態1と同様、補強リブ13cも設けられている 。
【0060】
実施の形態1に係る走査光学装置と同様、下面13には位置決めピン32を設けられるようになっており、これを用いて走査線傾きの調整を行うことが可能である。又、位置決めピン32の固定時に、工具との干渉を避けるため、上面13a及び中段13eには、実施の形態1で説明したような切り欠き部13dが設けられている。
【0061】
本実施の形態に係る走査光学装置では、上述したように光学箱10の後端部13がコの字形を2段重ねにした、所謂3段構造になっているため、実施の形態1に係る走査光学装置と比較して、回転多面鏡近傍の光学箱の剛性を更に向上させることができる。従って、更に回転多面鏡の高速回転に対応した、振動による画像劣化の少ない走査光学装置を提供することができる。
【0062】
又、従来の走査光学装置と比較して、光学箱を小型化できること、光学箱の防塵性能を高められること、組立性の悪化を伴わないこと、金型の耐久性を高められること等の効果に関しては、実施の形態1で説明したものと全く同等の効果が得られる。
【0063】
尚、本実施の形態では、光学箱後端部が3段構造になっているものとして説明したが、本発明の主旨としては3段に限定する必要はなく、4段以上の構造になっていても同等な効果が得られることは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、走査光学装置の光学箱を大型化することなく、光学箱の剛性を高め、走査線の調整機構を設けるスペースを確保し、且つ、走査光学装置の防塵性能も高めることができ、これによって、回転多面鏡の高速回転に対応した小型で安価な走査光学装置を提供することができる。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る走査光学装置の上面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る走査光学装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る走査光学装置の断面図である。
【図4】光学箱を成型する金型の構造を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る走査光学装置の断面図である。
【図6】従来の走査光学装置を示す図である。
【図7】従来の走査光学装置を示す図である。
【図8】従来の走査光学装置を示す図である。
【図9】従来の走査光学装置を示す図である。
【図10】従来の走査光学装置の問題点を示す図である。
【図11】従来の走査光学装置の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ
2 シリンドリカルレンズ
3 回転多面鏡
4 結像レンズ
5 折り返しミラー
6 検出ミラー
7 水平同期信号検出器
10 光学箱
11 側壁
12 2重壁
13 光学箱後端部
13a 上面
13b 下面
13c 補強リブ
13d 切り欠き
20 蓋部材
31,32 位置決めピン
33,34 固定ビス
P 照射位置調整部
Q 走査線傾き調整部
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられる走査光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザビームプリンタ等の画像形成装置に用いられる走査光学装置は、高速回転する回転多面鏡によってレーザビーム等の光ビームを反射させてこれを偏向走査し、得られた走査光を回転ドラム上の感光体に結像させて静電潜像を形成する。次いで、感光体の静電潜像を現像装置によってトナー像に顕像化し、これを記録紙等の記録媒体に転写して定着装置に送り、記録媒体上のトナーを加熱定着させることで印刷が行われる。
【0003】
ところで、近年、画像形成装置の高速化・高精細化が進み、それに用いられる走査光学装置においても回転多面鏡の回転数が数万rpmにも達するようになってきている。
【0004】
回転多面鏡の回転数が高くなると、回転多面鏡の振動が光学箱に伝播して、光ビームの結像位置がずれることによる画像不良等のトラブルが発生する。又、回転多面鏡の回転数が高くなると、光学箱内部の空気流により外気が光学箱内部に侵入し、回転多面鏡や走査レンズ等に汚れが付着し、画像不良等のトラブルが発生する。
【0005】
回転多面鏡の高速回転に対応するため、例えば、特開平11−052269号のような走査光学装置が提案されている。それは、回転多面鏡を回転させる駆動手段の近傍における光学箱の剛性を、逆U字型形の断面を有する側壁によって局所的に強化して、光学箱の耐振性を高めるというものであった。
【0006】
図6及び図7に前記従来例の走査光学装置を示す。
【0007】
モータ103aの近傍において、光学箱110の側壁111の剛性を局所的に強化する2重壁112が設けられている。2重壁112は、図5に示すように、中空部112aを有し、その上端部をフランジ部112bによって塞がれた逆U字形の断面を有する。2重壁112は、回転多面鏡103の周囲から光源ユニットS101にかけて配設され、加振部である回転多面鏡103のモータ103aの周辺における光学箱110の剛性を強化して光学箱110自体の振動を抑制することで、結像レンズ系104や光源ユニットS101の振動を低減する。
【0008】
又、蓋部材120の外周部の一部分は、側壁111の2重壁112のフランジ部112bに密着するため、蓋部材120と光学箱110の側壁111の間から外気の侵入を防ぐという別の効果もある。
【0009】
一方、近年、印字精度に対する要求も高まってきており、感光体に精度良く光ビームを走査する手段として、例えば、特開平5−107491号のような走査光学装置が提案されている。それは、光学箱の外周部に光軸方向に移動可能に保持された第1のピンと、該第1のピンから光軸方向に所定距離離れた光学箱の外周部に、光軸方向と直角な方向に移動可能に保持された第2のピンが設けられ、前記2つのピンにより、感光体上での照射位置調整(光学箱の光軸方向の調整)及び走査線の傾き調整(光学箱の偏向面内での回転調整)を行うというものであった。
【0010】
図8及び図9に従来の走査光学装置を示す。
【0011】
光学箱210の照射位置調整は、光学箱210の外周部に設けられた位置決めピン208,209によって行われている。211は位置決めピン208のガイド穴、212は位置決めピン209のガイド穴である。
【0012】
感光ドラム220上での光ビームの照射位置調整を行うときは、位置決めピン208をX方向に移動させると、感光ドラム220上での光ビームの走査線もX方向に移動する。このとき、位置決めピン209も光学台230に対してX方向に移動することになるが、ガイド穴232はX方向に長穴になっているため、移動を妨げることはない。又、ガイド穴231は丸穴である。
【0013】
次に、位置決めピン209をY方向に移動させると、感光ドラム220上での光ビームの走査線は図のθ方向に回転移動する。このとき、位置決めピン209も光学台230に対してY方向に移動することになるが、ガイド穴232はY方向に長穴になっているため、移動を妨げることはない。
【0014】
このように、光学箱210にはfθレンズの250の光軸近傍(光軸延長線の近傍も含む)に2本の位置決めピンが設けられ、所定面(感光体)から近いピンはX方向にのみ移動可能であり、所定面(感光体)から遠いピンはY方向にのみ移動可能である。
【0015】
以上説明した操作により、感光体220上での照射位置調整(光学箱210の光軸方向の調整)及び走査線の傾き調整(光学箱210の偏向面内での回転調整)を行うことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の走査光学装置によれば、回転多面鏡の高速回転に対応した走査光学装置を用いて感光体に精度良く光ビームを走査しようとする場合、走査光学装置の光学箱が大型化してしまうという問題が発生する。
【0017】
図10を用いて上記問題点を簡単に説明する。尚、図10は従来の走査光学装置の断面図である。
【0018】
回転多面鏡の高速回転に対応するため、モータ303aの近傍において、光学箱310の側壁311の剛性を強化するための2重壁312が設けられている。2重壁312は、回転多面鏡303の周囲から光源ユニットS301にかけて配設され、加振部である回転多面鏡303のモータ303aの周辺における光学箱310の剛性を強化して光学箱310自体の振動を抑制することで、結像レンズ系や光源ユニットS301の振動を低減する。
【0019】
又、前記従来例で説明したように、感光体上に光ビームを精度良く走査するため、光学箱310の外周部にはガイド穴313が設けられており、位置決めピン309を取り付けられるようになっている。そして、位置決めピン309を移動することにより、走査線の傾き調整を行う。
【0020】
図示のように、モータ303aの近傍において、光学箱外壁に2重壁部分と位置決めピン取り付け部を設ける必要があるため、回転多面鏡303の回転軸から光学箱310の後端までの距離L1が長くなってしまい、その結果、光学箱310が光軸方向に大型化してしまうという問題が生じる。
【0021】
又、光学箱の回転多面鏡近傍の剛性を更に高めるために、図11のように光学箱外壁を3重壁(或は4重壁)の構造にするという手段も考えられるが、回転多面鏡の回転軸から光学箱後端までの距離L2が更に長くなってしまうという問題が生じる。
【0022】
更に、光学箱の成型に使用する金型330の観点からも、前記従来の走査光学装置では、光学箱に設けた2重壁の部分が、光学箱底面側から見て深くて細長い凹形状になり易く、金型ピン331も細長い形状になってしまい、金型の耐久性が低下するという問題がある。又、成型時の放熱性も悪いため、成型タクトが長くなり、部品コストも上昇してしまう。
【0023】
上記問題を解決するために、光学箱側面に補強板金等を取り付けることにより、2重壁を設けることなく光学箱の剛性を高めるという手段があるが、部品点数の増加及び組立作業の煩雑化により、走査光学装置のコストが上昇してしまうという別の問題が発生する。
【0024】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、回転多面鏡の高速回転に対応した小型で安価な走査光学装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る走査光学装置は、光源ユニットから発生された光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡を回転駆動する駆動手段と、前記回転多面鏡を経て前記光ビームを感光体に結像させる結像手段と、該結像手段と前記光源ユニットと前記駆動手段を支持する光学箱を有し、該光学箱が、前記駆動手段の近傍に、コの字形の断面形状を有する側壁を備えていることを特徴とする。
【0026】
又、前記コの字形の断面形状を有する側壁を補強するリブが少なくとも1箇所設けられていると良い。
【0027】
又、前記コの字形断面を有する側壁の下側の面に、光学箱に対して移動可能に保持された位置決めピンを備えていると良い。
【0028】
更に、前記コの字形断面を有する側壁の上側の面に、切り欠き部を有していると良い。
【0029】
又、前記駆動手段の近傍の、前記コの字型断面を有する側壁とは異なる光学箱の側面が、逆Uの字形の断面形状を有していると尚良い。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1を図1〜図4に従って説明する。
【0032】
図1〜図3は本実施の形態に係る走査光学装置を示すものである。半導体レーザ1から発生されたレーザ光をコリメータレンズ1aによって平行化し、アパーチャによってビーム形状を整えた上でシリンドリカルレンズ2によって線状の光束に集光し、回転多面鏡3によってその回転軸に沿った方向(Z軸方向)に垂直な所定の方向(Y軸方向)に偏向走査し、結像レンズ4及び折り返しミラー5を経て回転ドラム状の感光体Dに結像させる。
【0033】
ここで、感光体Dに結像する光束は、回転多面鏡3の回転によるY軸方向の主走査と、回転ドラムの回転によるY軸方向の副走査に伴って静電潜像を形成する。又、回転多面鏡3によって走査されたレーザ光の一部分は検出ミラー6によって水平同期信号検出器7に導入され、水平同期信号検出器7の出力信号によって半導体レーザ1が書き込み変調を開始する。
【0034】
結像レンズ4は、球面レンズ部とトーリックレンズ部から成り、回転多面鏡3によって等角速度で走査される走査光を、回転ドラム上でY軸方向に等速度で走査する走査光に変換する、所謂fθ機能を有している。
【0035】
半導体レーザ1、シリンドリカルレンズ2、回転多面鏡3、結像レンズ4、折り返しミラー5、検出ミラー6及び水平同期信号検出器7は、光学箱10に取り付けられる。又、光学箱10の上部の開口は、蓋部材20によって閉塞される。
【0036】
回転多面鏡3を回転駆動させるモータ3aは、光学箱10の底面に支持されたモータハウジングと、これと一体であるモータ基板3bに実装されるステータ及びこれに対向するロータ等から成る磁気回路によって構成される。ステータは、モータ基板3bに立設されたステータコアと、これに巻き付けられたステータコイルを有し、又、ロータは回転軸と一体である座金に固着され、回転多面鏡3は押さえバネ等を有する弾性押圧機構によって座金に押圧され、該座金を介してロータに一体的に結合される。前述のようにステータが励磁されると、ロータと回転多面鏡3が一体となって回転する。
【0037】
光学箱10の回転多面鏡から見て光軸と直角方向に対向した側壁11には、光学箱10の剛性を局所的に強化する2重壁12が設けられている。該2重壁12は、図3に示すように、中空部12aを有し、その上端をフランジ部12bによって塞がれた逆U字型の断面を有する。2重壁12は、回転多面鏡の近傍から光源ユニットS1にかけて配設され、加振部であるモータ3aの周辺における光学箱10の剛性を強化して光学箱10自体の振動を抑制することで、結像レンズ系4や光源ユニットS1の振動を低減する。
【0038】
ここで、図1を用いて感光体D上での走査線の調整について説明する。
【0039】
感光体D上での照射位置調整(光学箱10の光軸方向(X方向)の調整)及び走査線傾き調整(光学箱10の偏向面内でのθ方向の回転調整)を行うため、光学箱10には、照射位置調整部Pと走査線傾き調整部Qが設けられている。尚、従来の走査光学装置と同様、照射位置調整部Pと走査線傾き調整部Qは、結像レンズ4の光軸及びその延長線の近傍に配置されており、位置決めピン31,32が取り付けられるようになっている。
【0040】
位置決めピン31は、照射位置調整部Pのガイド穴により、結像レンズ4の光軸方向(X方向)にのみ移動可能に保持され、又、位置決めピン32は、走査線傾き調整部Qのガイド穴により、結像レンズ4の光軸方向と直角方向(Y方向)にのみ移動可能に保持されている。尚、位置決めピン31,32は、ビス33,34を用いて光学箱10に固定される。
【0041】
感光体である感光ドラム上での光ビームの照射位置調整を行うときは、位置決めピン31をX方向に移動すると、感光ドラム上での光ビームの走査線もX方向に移動する。次に、位置決めピン32をY方向に移動すると、感光ドラム上での光ビームの走査線は、図のθ方向に回転移動する。
【0042】
このように、光学箱10には結像レンズ4の光軸近傍(光軸の延長線の近傍も含む)に2本の位置決めピン32,33が設けられ、所定面(感光体)から近いピン(位置決めピン32)はX方向にのみ移動可能であり、所定面(感光体)から遠いピン(位置決めピン33)はY方向にのみ移動可能である。
【0043】
以上説明した操作により、感光体上での照射位置調整(光学箱10の光軸方向の調整)及び走査線傾き調整(光学箱10の偏向面内での回転調整)を行うことができる。
【0044】
光学箱10の回転多面鏡に対して結像レンズ系4の反対側の後端部13は、図2に示すように、コの字型の断面を有しており、蓋部材20に近い側の上面13aと光学箱底面に近い側の下面13bから成る。後壁13には、上面13aと下面13bを接続するリブ13cが設けられている。該リブ13cは、前述の2重壁12と同様、加振部であるモータ3aの周辺における光学箱10の剛性を強化して光学箱10自体の振動を抑制することで、結像レンズ系4や光源ユニットS1の振動を低減する。
【0045】
又、モータ基板3aは、図1に示すように、X方向の長さと比較してY方向の長さの方が大きい略長方形の形状をしていることが一般的である。従って、光学箱10も、モータ基板3aの近傍で、Y方向の長さが大きくなってしまう。
【0046】
本実施の形態に係る走査光学装置では、前述のように、光学箱10の後端部13がコの字型の断面を有している。この構造においては、上面13aと下面13bが光学箱の壁面を補強する補強リブとしての機能も有しており、モータ近傍において、Y方向に対しての光学箱10の剛性を格段に向上させることができるため、光学箱10を伝播する振動を抑制し、結像レンズ系4や光源ユニットS1の振動を低減することができる。
【0047】
ここで、上述の走査線傾き調整部Qは、後壁13の下面13bに設けられている。従って、図8で説明した従来の走査光学装置のように、位置決めピンを実装するスペースを確保するために、光学箱10を結像レンズ4の光軸方向に大型化する必要はない。
【0048】
又、前記上面13aには、切り欠き部13dが設けられている。切り欠き部13dは、位置決めピン33を固定するビス34のほぼ真上の位置に設けられている。従って、前述のように走査線傾きを調整するに当たり、調整後に位置決めピン32を光学箱10に固定するときにドライバー等の工具が光学箱10に干渉することもなく、作業性を悪化させることもない。
【0049】
又、本実施の形態に係る走査光学装置では、従来例の走査光学装置と同様、光学箱の密閉度を高めるという効果もある。
【0050】
蓋部材20の外周部の一部分、特にモータ3aの付近では、側壁11の2重壁12のフランジ部b及び後壁13の上面13aに密着するため、蓋部材20と光学箱10の間から外気が侵入するのを防ぐ効果もある。このような防塵効果により、走査光学装置の長寿命化やメンテナンスのコストの低減に貢献できる。
【0051】
又、本実施の形態に係る走査光学装置では、光学箱の成型に関しても以下のような効果を有する。図4は光学箱後端部13付近の金型構造を説明する概略図である。
【0052】
前述のように光学箱10の後端部13はコの字型の断面形状になっているため、必然的に、成型に用いる金型はスライド部50を有する構造になる。後端部13付近の形状は、スライド部50に設けられたスライドピン50aにより形成され、成型時には、スライド部50は、図中に示す矢印S方向にスライド移動する。
【0053】
本実施の形態に係る走査光学装置では、光学箱10の高さ寸法の分、後端部13の上面13aと下面13bの間の距離を取ることができるため、スライドピン50aも十分な幅を持たせることができ、スライドピン50aの強度が確保できる。従って、従来の走査光学装置のように、金型ピンが細長い形状になり、金型の耐久性が低下するという問題もない。
【0054】
更に、前述のように光学箱後端部13の上面13aと下面13bとの空間が確保できるため、成型時における光学箱の放熱性も良く、成型タクトが短縮できるという別の効果もある。
【0055】
上述のように、本実施の形態に係る走査光学装置においては、光学箱の後端部がコの字型の断面形状をしており、且つ、リブで補強されているため、光学箱の剛性を高めるために走査レンズの光軸方向に光学箱を大きくすることなく、走査線傾き調整のための位置決めピンを実装するスペースを確保することができる。
【0056】
又、蓋部材と光学箱の外周部が密着する面積も増やすことができるため、走査光学装置の防塵性能を高めることもできる。そして、光学箱後端部の上面には調整ピンを固定するビスの位置に応じて切り欠きを設けてあるため、走査光学装置の組立性を悪化させることもない。更に、光学箱の成型に関しても、金型スライド部の強度を確保して金型の寿命を延ばすことができ、又、光学箱の放熱性が高いため、成型タクトを短縮することもできる。
【0057】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0058】
図5は本実施の形態に係る走査光学装置を示すものである。本実施例においても、走査光学装置の基本的な構造は前記実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。図中の符号も実施の形態1で説明したものを用いている。
【0059】
光学箱10の後端部13は、図5に示すように、上面13a、下面13b及び中段13eを有する3段構造になっている。つまり、後端部13は、コの字形を2段重ねにした断面形状を有している。又、実施の形態1と同様、補強リブ13cも設けられている 。
【0060】
実施の形態1に係る走査光学装置と同様、下面13には位置決めピン32を設けられるようになっており、これを用いて走査線傾きの調整を行うことが可能である。又、位置決めピン32の固定時に、工具との干渉を避けるため、上面13a及び中段13eには、実施の形態1で説明したような切り欠き部13dが設けられている。
【0061】
本実施の形態に係る走査光学装置では、上述したように光学箱10の後端部13がコの字形を2段重ねにした、所謂3段構造になっているため、実施の形態1に係る走査光学装置と比較して、回転多面鏡近傍の光学箱の剛性を更に向上させることができる。従って、更に回転多面鏡の高速回転に対応した、振動による画像劣化の少ない走査光学装置を提供することができる。
【0062】
又、従来の走査光学装置と比較して、光学箱を小型化できること、光学箱の防塵性能を高められること、組立性の悪化を伴わないこと、金型の耐久性を高められること等の効果に関しては、実施の形態1で説明したものと全く同等の効果が得られる。
【0063】
尚、本実施の形態では、光学箱後端部が3段構造になっているものとして説明したが、本発明の主旨としては3段に限定する必要はなく、4段以上の構造になっていても同等な効果が得られることは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、走査光学装置の光学箱を大型化することなく、光学箱の剛性を高め、走査線の調整機構を設けるスペースを確保し、且つ、走査光学装置の防塵性能も高めることができ、これによって、回転多面鏡の高速回転に対応した小型で安価な走査光学装置を提供することができる。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る走査光学装置の上面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る走査光学装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る走査光学装置の断面図である。
【図4】光学箱を成型する金型の構造を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る走査光学装置の断面図である。
【図6】従来の走査光学装置を示す図である。
【図7】従来の走査光学装置を示す図である。
【図8】従来の走査光学装置を示す図である。
【図9】従来の走査光学装置を示す図である。
【図10】従来の走査光学装置の問題点を示す図である。
【図11】従来の走査光学装置の問題点を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ
2 シリンドリカルレンズ
3 回転多面鏡
4 結像レンズ
5 折り返しミラー
6 検出ミラー
7 水平同期信号検出器
10 光学箱
11 側壁
12 2重壁
13 光学箱後端部
13a 上面
13b 下面
13c 補強リブ
13d 切り欠き
20 蓋部材
31,32 位置決めピン
33,34 固定ビス
P 照射位置調整部
Q 走査線傾き調整部
Claims (6)
- 光源ユニットから発生された光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、該回転多面鏡を回転駆動する駆動手段と、前記回転多面鏡を経て前記光ビームを感光体に結像させる結像手段と、該結像手段と前記光源ユニットと前記駆動手段を支持する光学箱を有し、該光学箱が、前記駆動手段の近傍に、コの字形の断面形状を有する側壁を備えていることを特徴とする走査光学装置。
- 前記コの字形の断面形状を有する側壁を補強するリブが少なくとも1箇所設けられていることを特徴とする請求項1記載の走査光学装置。
- 前記コの字形断面を有する側壁の下側の面に、光学箱に対して移動可能に保持された位置決めピンを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の走査光学装置。
- 前記コの字形断面を有する側壁の上側の面に、切り欠き部を有することを特徴とする請求項3記載の走査光学装置。
- 前記駆動手段の近傍の、前記コの字型断面を有する側壁とは異なる光学箱の側壁が逆Uの字形の断面形状を有していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の走査光学装置。
- 前記光学箱が、前記駆動手段の近傍に、コの字形を複数段重ね合わせた断面形状を有する側壁を備えていることを特徴とする請求項1記載の走査光学装置。
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Cited By (2)
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JP2010066402A (ja) * | 2008-09-09 | 2010-03-25 | Sharp Corp | 光走査装置及び画像形成装置 |
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-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002374413A patent/JP2004205786A/ja active Pending
Cited By (2)
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