JP2004204104A - ポリアミド樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物および成形品 Download PDF

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真希子 斎藤
Toru Nishimura
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Abstract

【課題】木粉などの植物繊維を資源として再利用でき、また、非強化のポリアミドに比べて強度や剛性が高く、耐熱性に優れた材料として利用できる、天然由来の有機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物、それからなる成形品を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂(a)、可塑剤(b)、天然由来の有機充填材(c)からなるポリアミド樹脂組成物であって、前記ポリアミド樹脂(a)と可塑剤(b)と天然由来の有機充填材(c)とを溶融混練するときの温度が、前記ポリアミド樹脂(a)の融点以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、それからなる成形品により解決できる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド樹脂に天然由来の有機充填材を補強材として配合したポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品に関し、強度、剛性、耐熱性を向上すると共に、成形品外観に優れたポリアミド樹脂組成物および成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
環境・リサイクルの観点から熱可塑性樹脂に天然繊維を補強材として配合した樹脂材料の提案がある。例えば、特許文献1や特許文献2には、古紙から解繊した植物繊維を熱可塑性樹脂、特にポリオレフィンに配合して成形した自動車部品が開示されている。また、特許文献3には、熱可塑性樹脂に古紙を混練する方法が、特許文献4には、植物繊維と熱可塑性樹脂を配合して複合素材を得る方法が開示されている。
【0003】
しかし、これら特許文献で例示されている熱可塑性樹脂は、いずれもポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンであり、このポリオレフィンに比べて、強度や剛性が高く、耐熱性や耐油性に優れているポリアミド樹脂に対して、上記のように植物繊維を配合したコンパウンド材料に関する具体的な実施例の開示はされていない。
【0004】
例えば、特許文献3には、一般記載中に熱可塑性樹脂の一例としてポリアミド樹脂であるナイロン6が記載されているが、実施例などに具体的な記載がされていない。その理由は、本発明者が種々実験を試みた結果によると、ナイロン6やナイロン66のように汎用的に用いられるナイロン樹脂では、これに植物繊維を配合したコンパウンドを製造しようとすると、溶融混練工程において植物繊維がガスを激しく発生して分解し、成形品に加工可能な樹脂組成物を得ることができないことにあった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−228848号公報([0004]〜[0010]段落)
【特許文献2】
特開平11−221418号公報([0004]〜[0008]段落)
【特許文献3】
特開平11−226956号公報([0006]〜[0014]段落)
【特許文献4】
特開2001−181513号公報([0005]〜[0008]段落)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した問題を解消し、天然由来の有機充填材を分解させることなく補強材として機能させ、ポリアミド樹脂の耐熱性を一層向上すると共に、優れた成形外観が得られるようにするポリアミド樹脂組成物、並びにそれからなるポリアミド樹脂成形品、ポリアミド樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のポリアミド樹脂と可塑剤と天然由来の有機充填材、特に木粉などの植物繊維を用いることによって、溶融混練、成形過程における植物繊維の分解問題を解決でき、強度や剛性が高く、かつ耐熱性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができることを見出し本発明に至った。
【0008】
すなわち本発明は、
(1)ポリアミド樹脂(a)、可塑剤(b)、天然由来の有機充填材(c)を前記ポリアミド樹脂(a)の融点以下で溶融混練することにより得られることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、
(2)ポリアミド樹脂(a)の融点が150〜250℃であることを特徴とする(1)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(3)ポリアミド樹脂(a)がナイロン6であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(4)可塑剤(b)の含有量が1〜20重量%である(1)〜(3)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(5)天然由来の有機充填材(c)の含有量が35〜70重量%である(1)〜(4)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(6)(1)〜(5)に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹脂成形品、
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明で用いられるポリアミド樹脂(a)とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするナイロンである。本発明において用いるポリアミドの原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
【0011】
好ましいポリアミドの例としては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6/66/610コポリマー、ナイロン6/12コポリマー、ナイロン66/6I/6コポリマー、ナイロン6/66/610/12コポリマーなどの共重合体を挙げることができ、ナイロン6が最も好ましい。更にこれらのポリアミド樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
【0012】
これらポリアミド樹脂の重合度にはとくに制限がないが、通常ポリアミド樹脂1重量%の98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が1.5〜4.0、好ましくは1.8〜3.0である。ポリアミド樹脂の融点は示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度20℃/minで測定した結晶融解ピークトップを融点したときの融点が150〜230℃であることが好ましい。
【0013】
本発明で用いる可塑剤(b)としては、ポリアミド樹脂に有効な可塑剤であれば特に制限はない。具体例としては、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド、N−エチル−o,p−トルエンスルホンアミド、N,N’−ジブチルベンゼンスルホンアミド、N−プロピルベンゼンスルホンアミドなどの芳香族スルホンアミド、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエステルなどのヒドロキシ安息香酸エステル、エチレングリコール、グリセリン、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどの多価アルコール、ジ−n−ブチルセバケート、ビス−2−エチルヘキシルセバケート、ジメチルセバケート、ジブトキシエチルセバケートなどのセバシン酸エステル、ピロリドン、カプロラクタム、カプリルラクタム、バレロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、などのラクタム類およびこれらラクタムの環状2量体、環状3量体、環状4量体、環状5量体、環状6量体などの環状ラクタムオリゴマーなどが挙げられる。これら環状アミドオリゴマーとしては、ラクタム類の溶融重合時に副生する環状オリゴマーを用いることもできる。これら可塑剤は各々単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0014】
本発明において可塑剤(b)の含有量はポリアミド樹脂組成物全体を100重量%としたときに0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。可塑剤の含有量が0.1重量%未満では、植物繊維との配合が困難になる可能性があり、可塑剤の含有量が20重量%を越えると、耐熱性や機械強度が低下するからである。
【0015】
本発明で用いる天然由来の有機充填材(c)とは天然物から採取されたものであればよく、チップ状、繊維状、粉体、のいずれでも良い。天然由来の有機充填材としては、籾殻、木材チップ、おから、古紙粉砕材、衣料粉砕材などのチップ状のもの、綿繊維、麻繊維、竹繊維、ケナフ繊維、木材繊維、などの植物繊維、これらの植物繊維から加工されたパルプやセルロース繊維、絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダなどの動物繊維、木粉、セルロース粉末などが挙げられる。これらの天然由来の有機充填材は、天然物から直接採取したものを用いても良いが、地球環境の保護や資源保全の観点から、古紙や古衣などの廃材を利用することも可能である。
【0016】
木材の具体的な例としては、松、杉、檜等の針葉樹材、ブナ、シイ、ユーカリなどの広葉樹材などがあり、その種類は問わない。またこれらの粉砕物、繊維、粉体などで、形状についても特に限定されるものではない。また古紙とは、新聞紙、雑誌、その他の再生パルプ、またはボール紙、紙管等であり、植物繊維を原料として加工されたものであれば、その種類は問わない。
【0017】
本発明において天然由来の有機充填材(c)の含有量はポリアミド樹脂組成物全体を100重量%としたときに35〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは40〜65重量%である。天然由来の有機充填材の含有量が35重量%未満では、充填材による機械的な補強効果が小さくなる可能性があり、また、天然繊維として廃棄物を資源として再利用するという観点からも天然由来の有機充填材の含有量が少ないことは好ましくない。その観点では、天然由来の有機充填材の含有量は多い方が好ましいが、含有量が70重量%を越える場合には、ポリアミド樹脂中に天然由来の有機充填材が均一に分散する事が困難になり、材料としての強度や外観が低下する可能性があるため、好ましくない。
【0018】
本発明の製造方法としては、本発明で用いるポリアミド樹脂(a)と可塑剤(b)と天然由来の有機充填材(c)とを該ポリアミド樹脂(a)の融点以下の温度で溶融混練することを特徴とする。該ポリアミド樹脂(a)の融点以下の温度で溶融混練できる装置としては、例えば、1軸押出機、2軸押出機、2軸ミキサーなど公知の混練装置を用いることができる。製造方法はこれに限定されるものではないが、例えば、融点225℃のポリアミド樹脂(a)と可塑剤(b)と天然由来の有機充填材(c)をそれぞれ計量し、あらかじめブレンダーでブレンドした後、220℃に設定した2軸ミキサーを用いて溶融混練することで目的のポリアミド樹脂組成物を得ることができる。ポリアミド樹脂(a)の融点以下で混練するためにはポリアミド樹脂(a)と可塑剤(b)をあらかじめ混合しておき、混練装置に投入する直前に天然由来の有機充填材(c)と混合することが好ましい。
【0019】
本発明のポリアミド樹脂組成物には一般に樹脂用補強材として用いられる公知のものを併用添加することができる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ステンレス繊維や、アルミニウム繊維などの金属繊維、酸化珪素繊維、セラミック繊維、石膏繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカなどのウィスカー、PET繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、液晶ポリエステル繊維などの合成繊維、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、アルミノシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレークセラミックスビーズ、窒化硼素、窒化アルミニウム、炭酸珪素、グラファイトなどがあげられる。
【0020】
さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で他の常用の各種添加成分、例えば各種エラストマー類などの衝撃性改良材、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、ハロゲン化銅に代表される銅化合物などの耐熱剤、エポキシ化合物、滑剤、耐候剤、着色剤などの添加剤を添加することができる。
【0021】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、公知の方法で成形して繊維、フィルム、樹脂などの成形品とすることができ、また接着剤、塗料などとすることもできる。樹脂としての成形方法としては、具体的には射出成形、押出成形、ブロー成形など公知の成形方法が挙げられる。得られた成形品は軽量で、剛性が高く、表面外観に、更に防震性、遮音性にも優れるので、例えば、スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バックル、ワイヤークリップ、自転車ホイール、キャスター、ヘルメット、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶縁部分、スポイラー、キャニスター、ラジエタータンク、チャンバータンク、リザーバータンク、ヒューズボックス、エアークリーナーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、吸排気パイプ、ベアリングリテーナー、シリンダーヘッドカバー、インテークマニホ−ルド、ウオーターパイプインペラ、クラッチレリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンタリボンガイドなどに代表される電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、家電・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品、シャワーヘッド、すのこ、鍋敷き、ヘアブラシ、ブックエンドなどの日用雑貨品、その他各種用途に有用である。
【0022】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明の骨子は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0023】
評価項目と測定方法
融点:ポリアミド樹脂組成物のペレットから一部をサンプリングし、セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/minで測定した時の結晶融解ピークトップの値を融点とした。
【0024】
引張試験:ASTM 1号ダンベル試験片を用い、ASTM D638に準じて評価した。
【0025】
曲げ試験:1/2”×5”×1/4”の棒状試験片を用い、ASTM D790に準じて評価した。
【0026】
荷重たわみ温度:ASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した。
【0027】
実施例1
ポリアミド樹脂(a)としてナイロン6(融点223℃、濃硫酸中、25℃、濃度1%で測定した相対溶液粘度2.75)50重量%と可塑剤(b−1)としてN−ブチルベンゼンスルホンアミド(東レ(株)製、BBSA)10重量%と天然由来の有機充填材(c−1)としてセルロース(東京化成(株)試薬)40重量%をそれぞれ計量計にて計量し、それぞれを混合したものをシリンダ温度220℃に設定したTEX−30型二軸押出機(日本製鋼所)に供給して溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はペレタイズした後、80℃で10時間真空乾燥し、シリンダ温度240℃、金型温度100℃で射出成形を行い、ASTM試験片を得た。特性の評価を表1に示した。
【0028】
実施例2
実施例1で用いたナイロン6を55重量%と可塑剤(b−2)としてビス−2−エチルヘキシルセバケート(大八化学工業(株)製、DOS)5重量%とセルロース(東京化成(株)試薬)40重量%として、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0029】
実施例3
実施例1で用いたナイロン6を59重量%と可塑剤(b−2)としてビス−2−エチルヘキシルセバケート(大八化学工業(株)製、DOS)1重量%とセルロース(東京化成(株)試薬)40重量%として、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0030】
実施例4
実施例1で用いたナイロン6を55重量%と可塑剤(b−3)としてε−カプロラクタム(東レ(株)製、ε−カプロラクタム)5重量%とセルロース(東京化成(株)試薬)40重量%として、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0031】
実施例5
実施例1で用いたナイロン6を40重量%と可塑剤(b−1)としてN−ブチルベンゼンスルホンアミド(東レ(株)製、BBSA)10重量%とセルロース(東京化成(株)試薬)50重量%として、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0032】
実施例6
実施例1で用いたナイロン6を35重量%と可塑剤(b−1)としてN−ブチルベンゼンスルホンアミド(東レ(株)製、BBSA)15重量%とセルロース(東京化成(株)試薬)50重量%として、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0033】
実施例7
実施例1で用いたナイロン6を30重量%と可塑剤(b−1)としてN−ブチルベンゼンスルホンアミド(東レ(株)製、BBSA)10重量%とセルロース(東京化成(株)試薬)60重量%として、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0034】
実施例8
実施例1で用いた天然由来の有機充填材(c−2)として木粉(廃材を粉砕したもの)40重量%にした以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0035】
実施例9
実施例1で用いたナイロン6を40重量%と可塑剤(b−1)10重量%と天然由来の有機充填材(c−2)として木粉50重量%として、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0036】
実施例10
実施例1で用いた天然由来の有機充填材(c−3)として亜麻繊維(古衣を粉砕したもの)40重量%にした以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0037】
実施例11
実施例1で用いた天然由来の有機充填材(c−4)としてケナフパルプ(タイ産)40重量%にした以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0038】
比較例1
実施例1で用いたナイロン6を60重量%と実施例1で用いたものと同じ天然由来の有機充填材(c−1)40重量%をそれぞれ計量計にて計量し、それぞれ混合した後シリンダ温度220℃に設定したTEX−30型二軸押出機(日本製鋼所)に供給して溶融混練したが、ポリアミド樹脂が溶融せず、成形可能な形状の樹脂組成物は得られなかった。
【0039】
比較例2
実施例1で用いたナイロン6を90重量%と実施例1で用いたものと同じ可塑剤(b−1)10重量%をそれぞれ計量計にて計量し、それぞれ混合した後シリンダ温度220℃に設定したTEX−30型二軸押出機(日本製鋼所)に供給して溶融混練し、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、特性評価を行った。結果を表2に示した。
【0040】
比較例3
実施例1で用いたナイロン6を60重量%と、可塑剤(b−1)10重量%と天然由来の有機充填材(c−1)40重量%をそれぞれ計量計で計量し、それぞれ混合した後シリンダ温度260℃に設定したTEX−30型二軸押出機(日本製鋼所)に供給して溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はペレタイズした後、80℃で10時間真空乾燥し、シリンダ温度240℃、金型温度100℃で射出成形を行い、ASTM試験片を得た。特性の評価を行い、結果を表2に示した。
【0041】
【表1】
Figure 2004204104
【0042】
【表2】
Figure 2004204104
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、機械的性質、成形品外観に優れた樹脂組成物が得られ、自動車部品、電機・電子部品、建材、家具、日用雑貨品などの成形品用に適している。

Claims (6)

  1. ポリアミド樹脂(a)、可塑剤(b)、天然由来の有機充填材(c)を前記ポリアミド樹脂(a)の融点以下で溶融混練することにより得られることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(a)の融点が150〜250℃であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. ポリアミド樹脂(a)がナイロン6であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 可塑剤(b)の含有量が1〜20重量%である請求項1〜3いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 天然由来の有機充填材(c)の含有量が35〜70重量%である請求項1〜4いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹脂成形品。
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