JP2015519465A - エポキシ−カルボン酸化合物熱安定剤を含む熱可塑性溶融混合組成物 - Google Patents
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Abstract
a)半結晶性ポリアミド樹脂;b)少なくとも2つ以上のエポキシ基を含むポリエポキシ化合物であって、8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のカルボン酸化合物であって、2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;並びに任意選択で、d)補強剤;e)ポリマー性強化剤;及びf)さらなる添加剤を含む熱可塑性溶融混合組成物が開示される。
Description
本発明は、向上した長期の高温老化特性を有するポリアミド組成物の分野に関する。
ポリアミドに基づく高温樹脂は、望ましい耐薬品性、加工性、及び耐熱性を有する。そのため、ポリアミドは、要求の厳しい高性能自動車及び電気/電子工学用途に特に適している。自動車のアンダーフード部分は150℃より高温、さらには200℃より高温に達することが多いので、自動車分野では耐高温構造を有することが現在一般に望まれている。自動車アンダーフード用途又は電気/電子用途などにおいてプラスチック部品がそのような高温に長時間曝されると、機械的性質はポリマーの熱酸化により一般的に低下する傾向がある。この現象は熱老化と呼ばれる。
熱老化特性を向上させるようとして、米国特許出願公開第2010−0029819A1号明細書(Palmer et al)に開示される通り、多価アルコールが著しく向上した熱老化特性を与えることが見出されてきた。しかし、多価アルコールを含むポリアミド組成物から誘導された成形品は、高湿度での老化時に表面白化を受ける傾向があり、これは多くの用途にとって望ましくない特徴である。
長期の高温曝露の後で良好な機械的性質を示し望ましい視覚上の性質を有する、すなわち高湿度での老化時に白化を全く示さないか低レベルの白化を示す物品を製造するのに好適な熱可塑性組成物が必要である。
欧州特許第1041109号明細書は、ポリアミド樹脂、融点が150から280℃である多価アルコールを含み、良好な流動性及び機械的強度を有し、射出溶接技術において有用なポリアミド組成物を開示している。
米国特許第5,605,945号明細者は、高い粘度、高い熱安定性、及び有利な機械的性質を有する、ポリアミド樹脂及びジエポキシドを含むポリアミド成形組成物を開示している。
米国特許第4,315,086号明細書は、ポリアミド並びに、A)液体ジエンポリマー、B)エポキシ化合物、及びC)分子中にエチレン炭素−炭素二重結合と炭素−炭素三重結合のいずれかとカルボン酸基を含む基の両方を有する化合物からなる群から選択される要素を含む樹脂組成物を開示している。
米国特許出願公開第2012−0196962−A1号明細書は、アミノ酸熱安定剤を含む熱可塑性成形組成物を開示している。
米国特許出願公開第2012−0196961−A1号明細書は、多価酸金属塩を含む熱可塑性成形組成物を開示している。
米国特許出願公開第2005/0228109号明細書は、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリアミド、不飽和カルボン酸コポリマー、及び/又はペンダントエポキシ基を有するポリマーを含む熱可塑性組成物を開示している。
米国特許第5,177,144号明細書は、ポリアミド、複数のエポキシ基を有するエポキシ、及び不飽和ジカルボン酸基によりグラフトされているコポリマーを含む剛性成形組成物を開示している。
特開昭60181159A号公報は、ジエポキシド、ポリアミド、及び不飽和カルボン酸基を有する酸修飾オレフィンコポリマーを溶融混合することにより調製された、向上した耐衝撃性を有する組成物を開示している。
熱可塑性溶融混合組成物であって
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂であって;
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;
b)0.50から5.0重量パーセントの1種または複数のポリエポキシ化合物であって、平均で分子あたり少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、
前記溶融混合組成物から調製され、空気雰囲気中で230℃の試験温度で1000時間の試験期間曝露され、ISO 527−2/1BAに従って試験された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセントの引張強度保持率を有する熱可塑性溶融混合組成物が開示される。
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂であって;
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;
b)0.50から5.0重量パーセントの1種または複数のポリエポキシ化合物であって、平均で分子あたり少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、
前記溶融混合組成物から調製され、空気雰囲気中で230℃の試験温度で1000時間の試験期間曝露され、ISO 527−2/1BAに従って試験された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセントの引張強度保持率を有する熱可塑性溶融混合組成物が開示される。
熱可塑性溶融混合組成物を与えるプロセスであって、
A)ポリアミド−多価酸ブレンドを与える工程であって、
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂であって;
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含む
半結晶性ポリアミド樹脂;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
を溶融ブレンドする工程と;
B)前記ポリアミド−多価酸ブレンドを
b)0.5から5.0重量パーセントの1種以上のポリエポキシ化合物であって、平均で分子あたり少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
と溶融ブレンドする工程と
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいているプロセスがさらに開示される。
A)ポリアミド−多価酸ブレンドを与える工程であって、
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂であって;
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含む
半結晶性ポリアミド樹脂;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
を溶融ブレンドする工程と;
B)前記ポリアミド−多価酸ブレンドを
b)0.5から5.0重量パーセントの1種以上のポリエポキシ化合物であって、平均で分子あたり少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
と溶融ブレンドする工程と
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいているプロセスがさらに開示される。
別の実施形態は、熱可塑性溶融混合組成物を与えるプロセスであって、
A)
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.5から5.0重量パーセントの1種または複数のポリエポキシ化合物であって、平均で分子あたり少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
を溶融ブレンドする工程を含み、
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、下
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、
溶融ブレンド中、成分b)ポリエポキシ化合物及びc)カルボン酸化合物が同時に加えられるプロセスである。
A)
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.5から5.0重量パーセントの1種または複数のポリエポキシ化合物であって、平均で分子あたり少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
を溶融ブレンドする工程を含み、
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、下
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、
溶融ブレンド中、成分b)ポリエポキシ化合物及びc)カルボン酸化合物が同時に加えられるプロセスである。
本明細書では、融点及びガラス転移は、第一加熱走査において10℃/分の走査速度での示差走査熱量測定(DSC)により決定され、融点は吸熱ピークの極大とされ、ガラス転移は、明確な場合、エンタルピー変化の中点であると考えられる。
本明細書では、特記されない限り、「高温」は、210℃以上、最も好ましくは230℃以上の温度を意味する。
本発明では、特記されない限り、「長期」は、500時間以上の老化期間を意味する。
本明細書では、本明細書に開示されるポリアミド組成物又はその組成物から製造された物品に適用される「高い熱安定性」という用語は、空気雰囲気中で、試験温度230℃で少なくとも500時間の試験期間で、空気加熱老化試験(AOA)条件に曝露され、次いでISO 527−2/1BA法により試験される、ポリアミド組成物からなる厚さ2mmの成形されたテストバーの物性(例えば、引張強度)の保持を意味する。テストバーの物性は、同一組成及び形状の曝露されていない対照と比較され、「保持%」で表される。好ましい実施形態において、試験温度は230℃であり、試験期間は1000時間であり、曝露されたテストバーは、少なくとも30%の引張強度保持率%を有する。本明細書において、「高い熱安定性」は、前記の成形されたテストバーが、試験温度230℃で少なくとも1000時間の試験期間曝露される場合、平均で、30%の引張強度保持率を満たすか、超えることを意味する。所定の曝露温度及び期間で、より高い物性の保持率を示す組成物は、より良好な熱安定性を有する。
用語「170℃で」、「210℃で」、及び「230℃で」は、実際の温度が公称試験温度から±2℃変動し得ることの理解と共に、テストバーが曝露される環境の公称温度を意味する。
用語「から基本的になる」は、実施形態が列記された成分を必ず含み、本発明の基本的な性質及び新規な性質に著しく影響しない列記されていない成分に対して開放されていることを意味する。本明細書において、例えば、熱可塑性組成物に適用されるその用語は、熱可塑性組成物が列記された成分を含み、追加の成分が本発明の基本的性質及び新規な性質に著しく影響しない限り、少量の他の成分を含み得ることを意味する。
一実施形態は、下記を含む熱可塑性溶融混合組成物である:
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
b)少なくとも2個以上のエポキシ基を含む0.25から5.0重量パーセントの1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により決定して、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、8000未満の数平均分子量(Mn)を有するポリエポキシ化合物;
c)多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される約0.25から5.0重量パーセントの1種以上のカルボン酸化合物であって、2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
但し、成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいている。
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
b)少なくとも2個以上のエポキシ基を含む0.25から5.0重量パーセントの1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により決定して、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、8000未満の数平均分子量(Mn)を有するポリエポキシ化合物;
c)多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される約0.25から5.0重量パーセントの1種以上のカルボン酸化合物であって、2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
但し、成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいている。
好ましい実施形態は、熱可塑性溶融混合組成物であって、前記溶融混合組成物から調製され、空気雰囲気中で、1000時間の試験期間、試験温度230℃で曝露され、ISO 527−2/1BA法により試験される厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で少なくとも30パーセントの引張強度保持率を有する、熱可塑性溶融混合組成物である。
ポリアミド樹脂
本発明の種々の実施形態の熱可塑性ポリアミド組成物はポリアミド樹脂を含む。ポリアミド樹脂は、1種以上のジカルボン酸と1種以上のジアミン、及び/若しくは1種以上のアミノカルボン酸の縮合生成物、並びに/又は1種以上の環状ラクタムの開環重合生成物である。好適な環状ラクタムはカプロラクタム及びラウロラクタムである。ポリアミドは全脂肪族でも半芳香族でもよい。
本発明の種々の実施形態の熱可塑性ポリアミド組成物はポリアミド樹脂を含む。ポリアミド樹脂は、1種以上のジカルボン酸と1種以上のジアミン、及び/若しくは1種以上のアミノカルボン酸の縮合生成物、並びに/又は1種以上の環状ラクタムの開環重合生成物である。好適な環状ラクタムはカプロラクタム及びラウロラクタムである。ポリアミドは全脂肪族でも半芳香族でもよい。
全脂肪族ポリアミドは、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸、及びそれらの反応性等価物など、脂肪族及び脂環式のモノマーから形成される。好適なアミノカルボン酸は11−アミノドデカン酸である。好適なラクタムはカプロラクタム及びラウロラクタムである。本発明の状況において、用語「全脂肪族ポリアミド」は、2種以上のそのようなモノマーから誘導されたコポリマー及び2種以上の全脂肪族ポリアミドのブレンドも意味する。直鎖状、分岐状、及び環状のモノマーを使用できる。
全脂肪族ポリアミドに含まれるカルボン酸モノマーには、脂肪族カルボン酸、例えばアジピン酸(C6)、ピメリン酸(C7)、スベリン酸(C8)、アゼライン酸(C9)、デカン二酸(C10)、ドデカン二酸(C12)、トリデカン二酸(C13)、テトラデカン二酸(C14)、ペンタデカン二酸(C15)、ヘキサデカン二酸(C16)、及びオクタデカン二酸(C18)があるが、これらに限定されない。ジアミンは、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン;トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタ−キシレンジアミン、及び/又はこれらの混合物があるが、これらに限定されない4つ以上の炭素原子を有するジアミンから選択できる。
半芳香族ポリアミドは、芳香族基を含むモノマーから形成されたホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、又はより高度なポリマーである。1種以上の芳香族カルボン酸は、テレフタレートでも、テレフタレートと、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、及びナフタル酸などの1種以上の他のカルボン酸との混合物でもよい。さらに、1種以上の芳香族カルボン酸は、先に開示された1種以上の脂肪族ジカルボン酸と混合してよい。或いは、メタ−キシレンジアミン(MXD)などの芳香族ジアミンを使用して、半芳香族ポリアミドを与えることができ、その例は、MXD6、MXD及びアジピン酸を含むホモポリマーである。
本明細書に開示される好ましいポリアミドはホモポリマー又はコポリマーであり、用語コポリマーは2種以上のアミド及び/又はジアミド分子繰り返し単位を有するポリアミドを意味する。ホモポリマー及びコポリマーは、それぞれの繰り返し単位により特定される。本明細書に開示されるコポリマーでは、繰り返し単位は、コポリマー中に存在するモル%繰り返し単位が減る順番で列記される。以下のリストは、ホモポリマー及びコポリマーポリアミド(PA)中のモノマー及び繰り返し単位を特定するために使用される略語を例示する。
HMD ヘキサメチレンジアミン(又は、二酸と組み合わせて使用される場合6)
T テレフタル酸
AA アジピン酸
DMD デカメチレンジアミン
6 ε−カプロラクタム
DDA デカン二酸
DDDA ドデカン二酸
TDDA テトラデカン二酸
HDDA ヘキサデカン二酸
ODDA オクタデカン二酸
I イソフタル酸
MXD メタ−キシレンジアミン
TMD 1,4−テトラメチレンジアミン
4T TMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
6T HMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
DT 2−MPMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
MXD6 MXDとAAから形成されたポリマー繰り返し単位
66 HMDとAAから形成されたポリマー繰り返し単位
10T DMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
410 TMDとDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
510 1,5−ペンタンジアミンとDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
610 HMDとDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
612 HMDとDDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
614 HMDとTDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
616 HMDとHDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
618 HMDとODDAから形成されたポリマー繰り返し単位
6 ε−カプロラクタムから形成されたポリマー繰り返し単位
11 11−アミノウンデカン酸から形成されたポリマー繰り返し単位
12 12−アミノドデカン酸から形成されたポリマー繰り返し単位
HMD ヘキサメチレンジアミン(又は、二酸と組み合わせて使用される場合6)
T テレフタル酸
AA アジピン酸
DMD デカメチレンジアミン
6 ε−カプロラクタム
DDA デカン二酸
DDDA ドデカン二酸
TDDA テトラデカン二酸
HDDA ヘキサデカン二酸
ODDA オクタデカン二酸
I イソフタル酸
MXD メタ−キシレンジアミン
TMD 1,4−テトラメチレンジアミン
4T TMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
6T HMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
DT 2−MPMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
MXD6 MXDとAAから形成されたポリマー繰り返し単位
66 HMDとAAから形成されたポリマー繰り返し単位
10T DMDとTから形成されたポリマー繰り返し単位
410 TMDとDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
510 1,5−ペンタンジアミンとDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
610 HMDとDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
612 HMDとDDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
614 HMDとTDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
616 HMDとHDDAから形成されたポリマー繰り返し単位
618 HMDとODDAから形成されたポリマー繰り返し単位
6 ε−カプロラクタムから形成されたポリマー繰り返し単位
11 11−アミノウンデカン酸から形成されたポリマー繰り返し単位
12 12−アミノドデカン酸から形成されたポリマー繰り返し単位
当分野において、用語「6」が、単独で使用される場合、ε−カプロラクタムから形成されたポリマー繰り返し単位を示すことに留意されたい。或いは、Tなどの二酸と組み合わせて使用される場合の「6」、例えば6Tは、「6」はHMDのことである。ジアミン及び二酸を含む繰り返し単位において、ジアミンが最初に示される。さらに、「6」がジアミンと組み合わせて使用される場合、例えば66では、最初の「6」はジアミンHMDを意味し、二番目の「6」はアジピン酸を意味する。同様に、他のアミノ酸又はラクタムから誘導された繰り返し単位は、炭素原子の数を示す1つの数字で示される。
一実施形態において、ポリアミド組成物は、下記からなる群から選択される1種以上のポリアミドを含む:
210℃未満の融点を有し、下記からなる群から選択される脂肪族又は半芳香族ポリアミドを含むグループ(I)ポリアミド:ポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)(PA510)、ポリ(ペンタメチレンドデカンジアミド)(PA512)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA6/66)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/612)、ポリ(ヘキサメチレントリデカンジアミド)(PA613)、ポリ(ヘキサメチレンペンタデカンジアミド)(PA615)、ポリ(ε−カプロラクタム/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA6/4T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/デカメチレンテレフタルアミド)(PA6/10T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6/12T)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA610/6T)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA612/6T)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA614/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6I/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/66/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/612)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/610/612)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PAD6/66/6T)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/)(PAD6/66)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド)(PA1010)、ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)(PA1012)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA1010/10T)ポリ(デカメチレンデカンジアミド/ドデカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド(PA1010/1210/10T/12T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド)(PA11)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA11/4T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA11/6T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA11/10T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA11/12T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)(PA12)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA12/4T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA12/6T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA12/10T)ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)(PA1212)、ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド))(PA1212/12T)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサデカンジアミド)(PA616)、及びポリ(ヘキサメチレンオクタデカンジアミド)(PA618);少なくとも210℃の融点を有し、下記からなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含むグループ(II)ポリアミド:ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)(PA46)、ポリ(ε−カプロラクタム)(PA6)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/(ε−カプロラクタム/)(PA66/6)ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA66/610)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA66/612)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/デカメチレンデカンジアミド)(PA66/1010)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA610)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA612)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)(PA614)、及びポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド)(PA46/D6);グループ(II)ポリアミド内に、少なくとも210℃で230℃未満の融点を有するグループ(IIA)ポリアミド及び230℃以上の融点を有するグループ(IIB)ポリアミドがあり;
少なくとも230℃の融点を有し、下記を含むグループ(III)ポリアミド:
(aa)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン;並びに
(bb)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸;
下記を含むグループ(IV)ポリアミド:
(cc)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン;並びに
(dd)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸;並びに
少なくとも260℃の融点を有し、下記を含むグループ(V)ポリアミド:
(ee)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された95モルパーセントを超える半芳香族繰り返し単位:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン;並びに
(ff)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された5モルパーセント未満の脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸。
210℃未満の融点を有し、下記からなる群から選択される脂肪族又は半芳香族ポリアミドを含むグループ(I)ポリアミド:ポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)(PA510)、ポリ(ペンタメチレンドデカンジアミド)(PA512)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA6/66)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/612)、ポリ(ヘキサメチレントリデカンジアミド)(PA613)、ポリ(ヘキサメチレンペンタデカンジアミド)(PA615)、ポリ(ε−カプロラクタム/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA6/4T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/デカメチレンテレフタルアミド)(PA6/10T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6/12T)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA610/6T)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA612/6T)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA614/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA6/6I/6T)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6/66/610)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/612)、ポリ(ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA6/66/610/612)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PAD6/66/6T)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド/)(PAD6/66)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド)(PA1010)、ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)(PA1012)、ポリ(デカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA1010/10T)ポリ(デカメチレンデカンジアミド/ドデカメチレンデカンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド(PA1010/1210/10T/12T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド)(PA11)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA11/4T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA11/6T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA11/10T)、ポリ(11−アミノウンデカンアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA11/12T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)(PA12)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA12/4T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA12/6T)、ポリ(12−アミノドデカンアミド/デカメチレンテレフタルアミド)(PA12/10T)ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)(PA1212)、ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンドデカンジアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド))(PA1212/12T)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサデカンジアミド)(PA616)、及びポリ(ヘキサメチレンオクタデカンジアミド)(PA618);少なくとも210℃の融点を有し、下記からなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含むグループ(II)ポリアミド:ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド)(PA46)、ポリ(ε−カプロラクタム)(PA6)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/(ε−カプロラクタム/)(PA66/6)ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA66/610)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA66/612)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/デカメチレンデカンジアミド)(PA66/1010)、ポリ(ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA610)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA612)、ポリ(ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)(PA614)、及びポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド)(PA46/D6);グループ(II)ポリアミド内に、少なくとも210℃で230℃未満の融点を有するグループ(IIA)ポリアミド及び230℃以上の融点を有するグループ(IIB)ポリアミドがあり;
少なくとも230℃の融点を有し、下記を含むグループ(III)ポリアミド:
(aa)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン;並びに
(bb)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸;
下記を含むグループ(IV)ポリアミド:
(cc)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン;並びに
(dd)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸;並びに
少なくとも260℃の融点を有し、下記を含むグループ(V)ポリアミド:
(ee)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された95モルパーセントを超える半芳香族繰り返し単位:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン;並びに
(ff)下記からなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導された5モルパーセント未満の脂肪族繰り返し単位:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸。
グループ(I)ポリアミドは、融点が210℃未満である限り、半芳香族繰り返し単位を有してよく、一般的に、そのグループの半芳香族ポリアミドは40モルパーセント未満の半芳香族繰り返し単位を有する。半芳香族繰り返し単位は、8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミンからなる群の1つ以上から選択されるモノマーから誘導されたものであると定義される。
別の実施形態は、前記ポリアミド樹脂が、ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA46/4T)、ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA46/6T)、ポリ(テトラメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/デカメチレンテレフタルアミド)_PA46/D6/10T)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA66/6T)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミドPA66/6I/6T、及びポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(PA66/D6/6T)からなる群から選択されるグループ(III)ポリアミドから選択され;最も好ましいグループ(III)ポリアミドがPA66/6Tである、成形された又は押し出された熱可塑性物品である。
別の実施形態は、前記ポリアミド樹脂が、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA4T/66)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ε−カプロラクタム)(PA4T/6)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA4T/612)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA4T/D6/66)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA6T/DT/66)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)PA6T/66、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンデカンジアミド)(PA6T/610)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテトラデカンジアミド)(PA6T/614)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/ノナメチレンデカンジアミド)(PA9T/910)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/ノナメチレンドデカンジアミド)(PA9T/912)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/11−アミノウンデカンアミド)(PA9T/11)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド/12−アミノドデカンアミド)(PA9T/12)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/11−アミノウンデカンアミド)(PA10T/11)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/12−アミノドデカンアミド)(PA10T/12)ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/デカメチレンデカンジアミド)(PA10T/1010)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/デカメチレンドデカンジアミド)(PA10T/1012)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/テトラメチレンヘキサンジアミド)(PA10T/46)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/ε−カプロラクタム)(PA10T/6)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA10T/66)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンドデカンジアミド)(PA12T/1212)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド/ε−カプロラクタム)(PA12T/6)、及びポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA12T/66)からなる群から選択されるグループ(IV)ポリアミドから選択され;最も好ましいグループ(IV)ポリアミドがPA6T/66である、成形された又は押し出された熱可塑性物品である。
別の実施形態は、前記ポリアミド樹脂が、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)PA4T/DT、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)PA4T/6T、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/デカメチレンテレフタルアミド)PA4T/10T、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)PA4T/12T、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA4T/DT/6T)、ポリ(テトラメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA4T/6T/DT)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA6T/DT)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド)(PA6T/6I)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/デカメチレンテレフタルアミド)PA6T/10T、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6T/12T)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(PA6T/DT/10T)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA6T/10T/12T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(PA10T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA10T/4T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA10T/DT)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA10T/12T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/(デカメチレンテレフタルアミド)(PA10T/DT/12T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)(PA12T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/テトラメチレンテレフタルアミド)(PA12T/4T)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/ヘキサメチレンテレフタルアミド)PA12T/6T、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/デカメチレンテレフタルアミド)(PA12T/10T),及びポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA12T/DT)からなる群から選択されるグループ(V)ポリアミドから選択され;最も好ましいグループ(V)ポリアミドがPA6T/DTである、成形された又は押し出された熱可塑性物品である。
種々の実施形態において、ポリアミドは、それぞれグループ(I)ポリアミド、グループ(II)ポリアミド、グループ(III)ポリアミド、グループ(IV)ポリアミド、又はグループ(V)ポリアミドである。
ポリアミドは2種以上のポリアミドのブレンドでもよい。好ましいブレンドには、グループ(I)及びグループ(II)ポリアミド;グループ(I)及びグループ(III)ポリアミド、グループ(II)及びグループ(III)ポリアミド、グループ(II)及びグループ(IV)ポリアミド、グループ(II)及びグループ(V)ポリアミド、並びにグループ(IV)及びグループ(V)ポリアミドからなる群から選択されるものがある。
好ましいブレンドには、グループ(II)及び(V)ポリアミドがあり、具体的な好ましいブレンドには、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)(PA66)及びポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)(PA6T/DT)がある。
別の好ましいブレンドには、グループ(II)及びグループ(III)ポリアミドがあり、具体的な好ましいブレンドには、ポリ(ε−カプロラクタム)及びポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(PA6+PA66/6T)がある。他の好ましいブレンドには、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)及びポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(PA66+PA66/6T)並びにポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド及びポリ(カプロラクタム)(PA66/6T+PA6)がある。
別の好ましいポリアミドのブレンドには、グループ(II)ポリアミドの2種以上のポリアミドがある。具体的な好ましいブレンドには、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)及びポリ(カプロラクタム)(PA66+PA6);並びにポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド及びポリ(カプロラクタム)(PA66+PA66/6T+PA6)がある。種々の実施形態において、ブレンドは、好ましくは、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に対して、1から15、1から10、及び1から5重量パーセントのPA6を有する。
好ましい実施形態において、成分a)半結晶性ポリアミド樹脂は、半結晶性ポリアミド;本明細書に開示される少なくとも230℃の融点を有するグループ(III)ポリアミド及びグループ(IV)ポリアミドのブレンドからなる群から選択される。
種々の実施形態において、29から89.5、49から89.5、又は55から89.5重量パーセントのポリアミド樹脂が熱可塑性ポリアミド組成物中に存在する。好ましい実施形態において、5重量パーセント未満のポリフェニレンオキシドが熱可塑性組成物中に存在し、好ましくはポリフェニレンオキシドが全く存在しない。
ポリアミド樹脂は、ヘキサフルオロイソプロパノール中でサイズ排除クロマトグラフィーにより決定して、少なくとも5000、好ましくは10,000を超える数平均分子量を有する。
ポリエポキシ化合物
成分b)は、0.5から5.0、好ましくは0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2つ以上のエポキシ基、好ましくは2から5つ、2から4.5つ、及び2から4つのエポキシ基を含む1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により決定して、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、43から4000g/当量、好ましくは43から1000、70から1000、70から500、70から200、70から190、及び70から180g/当量のエポキシド当量を有し、8000未満の数平均分子量(Mn)を有する。種々の実施形態において、数平均分子量(Mn)は、2000未満、1000未満、及び400未満である。好ましくは、ポリエポキシ化合物は1000未満のMnを有する。
成分b)は、0.5から5.0、好ましくは0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2つ以上のエポキシ基、好ましくは2から5つ、2から4.5つ、及び2から4つのエポキシ基を含む1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により決定して、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、43から4000g/当量、好ましくは43から1000、70から1000、70から500、70から200、70から190、及び70から180g/当量のエポキシド当量を有し、8000未満の数平均分子量(Mn)を有する。種々の実施形態において、数平均分子量(Mn)は、2000未満、1000未満、及び400未満である。好ましくは、ポリエポキシ化合物は1000未満のMnを有する。
分子あたりのエポキシ基の平均数は、計算により決定され、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、数平均分子量をエポキシ当量により割って決定される。
本発明に有用なポリエポキシ化合物の例には、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDE)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADE)、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(BFDE)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂がある。本発明に使用できるポリエポキシドのさらなる例には、1,3−ブタジエンジエポキシド(MW86.09、エポキシ当量=43.05)などのポリエンのエポキシ化により製造されたポリエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、4−ビニル−1−シクロヘキサンジエポキシド、並びにShell Chemical Companyから市販の樹脂、例えば、EKP206及びEKP207(MW6,000、エポキシ当量670)などのエポキシ化ポリイソプレンコポリマーがある。他の有用なポリエポキシドは、Momentive,Inc.,Columbus,OHから市販の、液体エポキシ樹脂及びビスフェノール−Aから誘導されたEPON(商標)樹脂である。エポキシ樹脂はこれらに限定されず、これらは、単独でも、2種以上の組み合わせでも使用できる。
好ましい実施形態において、ポリエポキシ化合物は、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)である。純粋なTTEの理論上の最低エポキシ当量は約101である。実際には、オリゴマー化型の副反応により、エポキシ当量は約138から154である。
カルボン酸化合物
成分c)は、0.25から5.0重量パーセント、種々の実施形態において0.5から4.0、0.5から3.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のカルボン酸化合物であり、カルボン酸化合物は、280℃未満、好ましくは250℃未満の融点及び2000未満、好ましくは最大1000、500、又は300の数平均分子量を有する。
成分c)は、0.25から5.0重量パーセント、種々の実施形態において0.5から4.0、0.5から3.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のカルボン酸化合物であり、カルボン酸化合物は、280℃未満、好ましくは250℃未満の融点及び2000未満、好ましくは最大1000、500、又は300の数平均分子量を有する。
カルボン酸化合物は、そのままでも、酸性塩の形態でも使用できる。好ましくは、カルボン酸化合物は、酸又は酸性塩を含む。用語「カルボン酸化合物」、「多価酸」、及び「酸アルコール」には、第一級アミン、第二級又は第三級アミン官能基を有する化合物を含まない。好ましくは、カルボン酸化合物は、炭素−炭素不飽和性の非芳香族部位、例えば炭素−炭素二重結合を含まない。
多価酸
用語「カルボン酸化合物」は、少なくとも2つの炭素原子により分かれている2つ以上のカルボン酸基を含む多価酸を含む。多価酸は、2つ以上の炭素原子を含む結合基により互いに結合している。一実施形態において、結合基は、2から12個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を含む。他の種々の実施形態において、結合基は、2から4、2から3、及び2個の炭素原子を含む。結合基は、第三級窒素、酸素、又は硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含んでよい。結合基は、任意選択で、アミド、エステル、又はエーテル官能基により置換されていてよい。例えば、多価酸は、カルボン酸末端基を有するポリエステルオリゴマー;カルボン酸末端基を有するポリエーテル、例えばカルボン酸にキャップされたポリ(エチレングリコール)を含んでよい。種々の実施形態において、多価酸は、ポリアミドオリゴマー、ポリエーテルオリゴマー、又はポリエステルオリゴマーからなる群から選択され、前記オリゴマーは、SECにより決定して5000未満の数平均分子量を有する。
用語「カルボン酸化合物」は、少なくとも2つの炭素原子により分かれている2つ以上のカルボン酸基を含む多価酸を含む。多価酸は、2つ以上の炭素原子を含む結合基により互いに結合している。一実施形態において、結合基は、2から12個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を含む。他の種々の実施形態において、結合基は、2から4、2から3、及び2個の炭素原子を含む。結合基は、第三級窒素、酸素、又は硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含んでよい。結合基は、任意選択で、アミド、エステル、又はエーテル官能基により置換されていてよい。例えば、多価酸は、カルボン酸末端基を有するポリエステルオリゴマー;カルボン酸末端基を有するポリエーテル、例えばカルボン酸にキャップされたポリ(エチレングリコール)を含んでよい。種々の実施形態において、多価酸は、ポリアミドオリゴマー、ポリエーテルオリゴマー、又はポリエステルオリゴマーからなる群から選択され、前記オリゴマーは、SECにより決定して5000未満の数平均分子量を有する。
好ましくは、多価酸は、45から2000未満、より好ましくは59から1000、59から500、59から300、及び59から200の当量を有する。多価酸の当量は、計算により決定され、多価酸がオリゴマー又はポリマーである場合、ASTM 974法を利用する滴定により決定される。
多価酸には、二酸、三酸、四酸、低分子量ポリアクリル酸及びポリ(メタクリル酸)、アリールアルキル多価酸、並びに芳香族多価酸がある。
ジカルボン酸には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸、cis−及びtrans−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、cis−及びtrans−シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、cis−及びtrans−シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、cis−及びtrans−シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸、cis−及びtrans−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸がある。例えば、フタル酸、イソフタル酸、又はテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸をさらに使用することも可能である。
前記ジカルボン酸は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、トリメチルペンチル、n−ノニル、若しくはn−デシルなどのC1〜C10アルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、及びシクロドデシルなどのC3〜C12シクロアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが優先される;メチレン若しくはエチリデンなどのアルキレン基、又はフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アンスリル、2−アンスリル、9−アンスリル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル、及び9−フェナントリルなどのC6〜C14アリール基、例えば、好ましくはフェニル、1−ナフチル、及び2−ナフチル、より好ましくはフェニルから選択される1つ以上の基により置換されていてもよい。言及され得る置換されたジカルボン酸の例示的な代表には、2−メチルマロン酸、2−エチルマロン酸、2−フェニルマロン酸、2−メチルコハク酸、2−エチルコハク酸、2−フェニルコハク酸、イタコン酸、3,3−ジメチルグルタル酸がある。
上述のジカルボン酸の2種類以上の混合物を使用することも可能である。本発明の状況内で、ジカルボン酸と1種以上のその誘導体との混合物を使用することも可能である。1種以上のジカルボン酸の2種以上の異なる誘導体の混合物を使用することも、同様に本発明の状況内で可能である。
使用できるトリカルボン酸又はポリカルボン酸の例には、アコニット酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリト酸)、並びにメリト酸及び低分子量ポリアクリル酸がある。
本発明の状況内で、トリカルボン酸又はポリカルボン酸とその1つ以上の誘導体の混合物、例えば、ピロメリト酸とピロメリト酸塩との混合物を使用することも可能である。1種以上のトリカルボン酸又はポリカルボン酸の2種以上の異なる誘導体の混合物、例えば、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸とピロメリト酸塩の混合物などを使用することも同様に、本発明の状況内で可能である。
一実施形態において、カルボン酸化合物は多価酸であり、好ましくは、多価酸は、熱可塑性溶融混合組成物中に0.5から1.5重量パーセントで存在する。好ましくは、多価酸は、250℃未満の融点を有する。
一実施形態において、本発明の多価酸には、デカン二酸及びドデカン二酸(DDDA)からなる群から選択されるものがある。
酸アルコール
用語「カルボン酸化合物」は、酸アルコールをさらに含む。酸アルコールは、少なくとも1つの炭素原子により分けられた少なくとも1つのカルボン酸と少なくとも1つのヒドロキシル基を有し;全てのカルボン酸基は、少なくとも2つの炭素原子により分けられており、全てのヒドロキシル基は少なくとも2つの炭素原子により分けられている。酸アルコールは、2つ以上の炭素原子を含む結合基により互いに結合している。一実施形態において、結合基は2から12個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を含む。他の種々の実施形態において、結合基は、2から4つ、2から3つ、及び2つの炭素原子を含む。結合基は、第三級窒素、酸素、又は硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含んでよい。結合基は、多価酸について先に開示された通り、任意選択で、アミド、エステル、又はエーテル官能基により置換されていてよい。アミノアルコールは、アミン及びヒドロキシル末端のポリアミド、ポリエステル、又はポリエーテルを含み得る。
用語「カルボン酸化合物」は、酸アルコールをさらに含む。酸アルコールは、少なくとも1つの炭素原子により分けられた少なくとも1つのカルボン酸と少なくとも1つのヒドロキシル基を有し;全てのカルボン酸基は、少なくとも2つの炭素原子により分けられており、全てのヒドロキシル基は少なくとも2つの炭素原子により分けられている。酸アルコールは、2つ以上の炭素原子を含む結合基により互いに結合している。一実施形態において、結合基は2から12個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を含む。他の種々の実施形態において、結合基は、2から4つ、2から3つ、及び2つの炭素原子を含む。結合基は、第三級窒素、酸素、又は硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含んでよい。結合基は、多価酸について先に開示された通り、任意選択で、アミド、エステル、又はエーテル官能基により置換されていてよい。アミノアルコールは、アミン及びヒドロキシル末端のポリアミド、ポリエステル、又はポリエーテルを含み得る。
好ましくは、酸アルコールは、38から2000未満、より好ましくは38から1000、38から500、又は38から300の当量を有する。酸アルコールの当量は、計算に決定され、酸アルコールがオリゴマー又はポリマーである場合、酸価を決定するためのASTM 974及びヒドロキシル価を決定するためのASTM E 1899−08法を利用する滴定により決定される。酸アルコール当量は、質量を、酸とヒドロキシル基の総数で割って決定されるとおり、カルボン酸及びヒドロキシル基を含む。
酸アルコールには、脂肪族酸アルコール、芳香族酸アルコール、一酸モノアルコール、一酸ポリオール、二酸モノアルコール、二酸ポリオール、三酸モノアルコール、三酸ポリオール、四酸モノアルコール、四酸ポリオール、及び低分子量酸ポリオールがある。
本発明において有用な具体的な脂肪族酸アルコールには、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−エチル−2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプリン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、グルコン酸、リンゴ酸、シトラマル酸、2−イソプロピルリンゴ酸、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタル酸、酒石酸、粘液酸、クエン酸、キナ酸、シキミ酸、アルギン酸がある。
本発明において有用な具体的な芳香族酸アルコールには、ベンジル酸、3−フェニル乳酸、トロパ酸、2−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、ホモバニリン酸(homovanilic acid)、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、2,5−ジヒドロキシフェニル酢酸、3,4−ジヒドロキシヒドロケイ皮酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−(ヒドロキシメチル)安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸がある。
ポリアミド樹脂メルトの存在下でポリエポキシ化合物とカルボン酸化合物を溶融ブレンドすると、1つ以上のカルボン酸官能基又は存在する場合ヒドロキシル官能基が、ポリエポキシ化合物の1つ以上のエポキシ基と反応して、エポキシ官能基の開環によりエステル(C−O−C(O)−C)結合及び/又はエーテル結合(C−O−C)を形成するように、ポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物が反応する条件を与える。開環反応は、形成される各ポリエステル結合及び/又はポリエーテル結合に、等量のヒドロキシル基も与える。本明細書において、反応生成物は「多価酸−ポリオール化合物」と称される。反応は、ポリアミド樹脂がない状態でも、ポリエポキシとカルボン酸化合物の組み合わせを混合してある反応温度にある反応期間の間加熱して、ポリエポキシのある転化パーセントを与えることにより達成できる。ポリエポキシ化合物のエポキシ転化パーセントは、ポリアミド樹脂のない状態で、エポキシ環水素ジアステレオマーの1つの1H NMRシグナルに対して、反応の間で変化しない第二の内部標準シグナルを測定することにより決定できる。そのため、ポリアミド樹脂のない状態での、選択されたポリエポキシとカルボン酸化合物の反応を利用すると、選択されたポリエポキシ/カルボン酸化合物組成物がゲル化する傾向を経験的に決定することができる。ゲル化、すなわち、架橋は、組成物の粘度が急激に増加して組成物が加工可能でない点に至るので望ましくない。
好ましい実施形態において、熱可塑性溶融混合組成物は、他の成分がない状態で、c)とb)が反応して、成分b)とc)のゲル化点を含まずゲル化点まで、成分(b)のエポキシ当量の少なくとも10パーセントの転化を与えるようなc)とb)の比を有する。
ポリアミド樹脂がない状態での好適な反応温度は、23℃から250℃の範囲を含む。好適な反応期間は、1分から約24時間の範囲を含む。当業者により望まれるとおり、反応は、例えば2気圧から約0.01mmHgの圧力範囲で;触媒作用、例えば、酸触媒作用又は塩基触媒作用が存在しても存在しなくても;溶媒が存在しても存在しなくても;可塑剤、又は熱可塑性溶融混合組成物において最終的には望ましいと思われる他の添加剤が存在しても存在しなくても実施できる。一実施形態において、反応は触媒の非存在下で実施される。
ポリエポキシ化合物(b)とカルボン酸化合物(c)の組み合わせを反応させると、成分(b)のエポキシ当量の少なくとも10パーセントの転化から成分b)とc)のゲル化点を含まずゲル化点までの範囲を有する反応生成物を与える。種々の実施形態において、反応生成物は、成分b)のエポキシ当量の少なくとも25パーセントの転化、40パーセントの転化、50パーセントの転化、80パーセントの転化、及び85パーセントの転化から成分b)及びc)のゲル化点を含まずゲル化点までの好ましい範囲を有する。
種々の実施形態は、ゲル化点に達することなく、100%のエポキシ転化に至ることが可能な反応生成物を与える、ポリエポキシ化合物(b)とカルボン酸化合物(c)の多くの組み合わせを含む。
有用な反応生成物を与える、ポリエポキシ化合物(b)とカルボン酸化合物(c)との反応の程度の上限は、ゲル化点のわずかに下である。ゲル化点は、物質が架橋し、もはや流動できず、溶融ブレンドにより均一なブレンドを与えられない点である。ゲル化点は、改変されたCarothers式(G.Odian,Principles of Polymerization,1981,ISBN 0−471−05146−2,John Wiley & Sons,Inc.,p.117−119)を利用して計算できるが、それは、分子あたり少なくとも2つの反応性基A及びBを有し、少なくとも一方が分子あたり2を超える基を有する2つの試薬の不等な(不定比の(nonstochiometric))反応混合物の統計式である:
pc=1/{r[1+(fA−2)][1+(fB−2)]}exp1/2 式(I)
式中:
pc=基Aのゲル化点での転化、基Bの転化はr×pcである
r=1又は<1、A基とB基の比
f>2は、2を超える官能性を有する試薬の官能性である。
pc=1/{r[1+(fA−2)][1+(fB−2)]}exp1/2 式(I)
式中:
pc=基Aのゲル化点での転化、基Bの転化はr×pcである
r=1又は<1、A基とB基の比
f>2は、2を超える官能性を有する試薬の官能性である。
試薬の官能性の種々の組み合わせに対して式(I)を利用して計算したゲル化点(G−1〜G−6)の例を、表1に列記する。
好ましい実施形態において、c)カルボン酸化合物とb)ポリエポキシ化合物の比は、エポキシ基に対するカルボン酸及びヒドロキシル基の比が0.1から200の範囲、より好ましくは1.1から200(過剰なカルボキシル及びヒドロキシル)であるようなものである。他の実施形態は、1.1から50、1.1から10、1.5から10、及び1.5から5である、エポキシ基に対するカルボン酸及びヒドロキシル基の比を含む。比は、使用される各試薬の量を、ポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物の当量によりそれぞれ割ることにより決定される。
補強剤
熱可塑性溶融混合組成物は、10から約60重量パーセント、好ましくは12.5から55、及び15から50重量パーセントの1種以上の補強剤を含む。補強剤は任意の充填剤でよいが、好ましくは、炭酸カルシウム、円形及び非円形の断面を有するガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、カーボンファイバー、タルク、マイカ、珪灰石、焼成粘土、カオリン、珪藻土、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、炭酸ナトリウムアルミニウム、バリウムフェライト、チタン酸カリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。好ましい実施形態において、補強剤は、円形断面を有するガラス繊維及び非円形断面を有するガラス繊維からなる群から選択される。ガラス繊維は、集束剤又はカップリング剤、ガラスとポリアミド樹脂の結合を改善する有機又は無機の物質を有し得る。
熱可塑性溶融混合組成物は、10から約60重量パーセント、好ましくは12.5から55、及び15から50重量パーセントの1種以上の補強剤を含む。補強剤は任意の充填剤でよいが、好ましくは、炭酸カルシウム、円形及び非円形の断面を有するガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、カーボンファイバー、タルク、マイカ、珪灰石、焼成粘土、カオリン、珪藻土、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、炭酸ナトリウムアルミニウム、バリウムフェライト、チタン酸カリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。好ましい実施形態において、補強剤は、円形断面を有するガラス繊維及び非円形断面を有するガラス繊維からなる群から選択される。ガラス繊維は、集束剤又はカップリング剤、ガラスとポリアミド樹脂の結合を改善する有機又は無機の物質を有し得る。
非円形断面を有するガラス繊維は、ガラス繊維の長手方向に垂直であり断面の最長の直線距離に相当する長軸を有する断面を有するガラス繊維をいう。非円形断面は、長軸に垂直な方向で断面中の最長直線距離に相当する短軸を有する。線維の非円形断面は、繭型(数字の8)形状、長方形の形状;楕円形の形状;ほぼ三角形の形状;多角形の形状;及び長円の形状を含む種々の形状を有しうる。当業者に理解されるとおり、断面は他の形状でもよい。長軸の長さと短いアクセス(access)の長さの比は、好ましくは約1.5:1から約6:1である。その比は、より好ましくは約2:1から5:1、さらにより好ましくは約3:1から約4:1である。好適なガラス繊維は、欧州特許第0190001号明細書及び欧州特許第0196194号明細書に開示されている。
ポリマー性強化剤
熱可塑性溶融混合組成物は、任意選択で、0から30重量パーセントの、反応性官能基及び/又はカルボン酸の金属塩を含むポリマー性強化剤を含む。一実施形態において、組成物は、2から20重量パーセントの下記からなる群から選択されるポリマー性強化剤を含む:エチレンと、グリシジル(メタ)アクリラートと、任意選択で1種以上の(メタ)アクリラートエステルとのコポリマー;不飽和カルボン酸無水物によりグラフトされたエチレン/α−オレフィン又はエチレン/α−オレフィン/ジエンコポリマー;エチレンと、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリラートと、任意選択で1種以上の(メタ)アクリラートエステルとのコポリマー;Zn、Li、Mg、又はMn化合物と反応して対応するイオノマーを形成する、エチレンとアクリル酸のコポリマー。
熱可塑性溶融混合組成物は、任意選択で、0から30重量パーセントの、反応性官能基及び/又はカルボン酸の金属塩を含むポリマー性強化剤を含む。一実施形態において、組成物は、2から20重量パーセントの下記からなる群から選択されるポリマー性強化剤を含む:エチレンと、グリシジル(メタ)アクリラートと、任意選択で1種以上の(メタ)アクリラートエステルとのコポリマー;不飽和カルボン酸無水物によりグラフトされたエチレン/α−オレフィン又はエチレン/α−オレフィン/ジエンコポリマー;エチレンと、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリラートと、任意選択で1種以上の(メタ)アクリラートエステルとのコポリマー;Zn、Li、Mg、又はMn化合物と反応して対応するイオノマーを形成する、エチレンとアクリル酸のコポリマー。
本発明の熱可塑性組成物は、「補助安定剤」と称される、本明細書に開示されるポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物以外のさらなる熱安定剤又は酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、潤滑剤、並びに着色剤及び顔料などの、0から10重量パーセントのさらなる添加剤を含んでもよい。一実施形態において、0.02から0.5重量パーセントの1種以上の潤滑剤が存在する。別の実施形態において、0.1から3.0重量パーセントの1種以上の着色剤が存在するが、重量パーセント着色剤は、着色剤に伴う担体の重量を含む。一実施形態において、着色剤は、カーボンブラック及びニグロシン黒色顔料の群から選択される。
補助安定剤には、引用により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0029819号明細書、Palmer et alに開示される銅安定剤、第二級アリールアミン、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、ヒンダードフェノール、及びこれらの混合物がある。
一実施形態において、さらなる添加剤は、金属酸化物及び金属水酸化物から選択される無機塩基を含むべきではない。例えば、ポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物を有する熱可塑性溶融混合組成物中の水酸化マグネシウムの存在は、AOA引張強度保持率に対して、著しい負の効果を有することが見出された。
別の実施形態は、ポリアミン、アミノアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ化合物;アミノ酸;多価アルコール;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるさらなる添加剤が存在する熱可塑性溶融混合組成物である。
有用なアミノ化合物は、最大3,000,000、好ましくは最大1,000,000、500,000、100,000、50,000、40,000、20,000、10,000、1000、又は500の数平均分子量(Mn)を有するポリアミン、アミノアルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるが、但し、アミノ化合物は、第二級アリールアミン又は炭素−炭素不飽和性の非芳香族部位、例えば炭素−炭素二重結合を含まないことを条件とする。
アミノ化合物は、2つ以上のアミンを含むポリアミンを含み、前記2つ以上のアミンは、第一級脂肪族アミン、第一級芳香族アミン、第二級脂肪族アミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、ポリアミンは、30から2000、より好ましくは30から1000、30から500、又は30から200の当量を有する。ポリアミンの当量は、計算により、又はポリアミンがオリゴマー若しくはポリマーである場合、ASTM D2074 D−9−J法を利用する滴定により決定される。
アミノ化合物は、1つ以上のアミン及び1つ以上のヒドロキシル基を有するアミノアルコールを含み、少なくとも1つのアミンは、第一級脂肪族アミン、第一級芳香族アミン、第二級脂肪族アミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、アミノアルコールは、30から2000、より好ましくは30から1000、30から500、又は30から200の当量を有する。アミノアルコールの当量は、計算により、又はアミノアルコールがオリゴマー若しくはポリマーである場合、ASTM D2074 D−9−J法を利用する滴定により決定される。アミノアルコール当量は、アミン及びヒドロキシル基を含み、質量を、アミン及びヒドロキシル基の総数で割ることにより決定される。
存在する場合、好ましくは、アミノ化合物は、熱可塑性溶融混合組成物中に、0.5〜4.0重量パーセント、0.5から2.0重量パーセント、及び0.5から1.5重量パーセント存在する。
アミノ化合物という用語は、アミノ化合物の塩、例えば、ポリリン酸塩、塩酸塩、酢酸塩、及びシアヌル酸塩を含む。
アミノ基とヒドロキシル基は、2つ以上の炭素原子を含む結合基により互いに結合している。一実施形態において、結合基は、2から6つの炭素原子を含む。他の種々の実施形態において、結合基は、2から4、2から3、及び2つの炭素原子を含む。結合基は、第三級窒素、酸素、又は硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含み得る。結合基は、任意選択で、アミド、エステル、又はエーテル官能基により置換されていてよい。例えば、ポリアミンは、アミン末端を有するポリアミドオリゴマー;又はアミン末端を有するポリエーテル、例えばアミンにキャップされたポリ(エチレングリコール)を含んでよい。種々の実施形態において、ポリアミンは、ポリアミドオリゴマー、ポリエーテルオリゴマー、又はポリエステルオリゴマーからなる群から選択されるが、前記オリゴマーは、SECにより決定して4000未満の数平均分子量を有する。同様に、アミノアルコールは、アミン及びヒドロキシル末端のポリアミド、ポリエステル、又はポリエーテルを含み得る。
アミノ化合物は、第二級アリールアミン;カルボン酸;炭素−炭素不飽和性の非芳香族部位からなる群から選択される官能基を含まない。用語「アミノ化合物」は、第三級アミンを唯一のアミノ官能基として有する化合物を包含しない。
具体的なポリアミンの族は、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、アリールアルキルポリアミン、及び高分子量ポリマー性ポリアミン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるものを含む。
脂肪族ポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンからなる群から選択されるものを含む。
芳香族ポリアミンは、メラミン、ポリリン酸メラミン、6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、シアヌル酸メラミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものを含む。好ましい芳香族アミンはメラミンである。
高分子量ポリマー性ポリアミンは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0262133A1号明細書に開示され、BASFから市販されているポリエチレンイミンホモポリマー及びコポリマー;並びにPolysciences,Incから市販されているポリ(4−アミノスチレン)(MW>150,000)及びポリ(N−メチルビニルアミン)(MW=500,000);並びに商標Jeffamine(登録商標)樹脂でHuntsman Chemical,Houston,TXから市販されているポリエーテルアミンからなる群から選択されるものを含む。
具体的なアミノアルコールの族は、脂肪族アミノアルコール、芳香族アミノアルコール、アリールアルキルポリアミン、及び高分子量ポリマー性アミノアルコール、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるものを含む。
本発明において有用な具体的なアミノアルコールには、エタノールアミン2−(メチルアミノ)エタノール、3−アミノ−1−プロパノール、アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1,−プロパノール、(±)−3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、2−(イソプロピルアミノ)エタノール、2−(プロピルアミノ)エタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、DL−2−アミノ−1−ペンタノール、2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール、1−アミノ−1−シクロペンタンメタノール、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、DL−2−アミノ−1−ヘキサノール、ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、2−アミノベンジルアルコール、3−アミノベンジルアルコール、4−アミノベンジルアルコール、2−アミノ−4−メトキシフェノール、5−アミノ−2,2−ジメチルペンタノール、2−アミノ−1−フェニルエタノール、2−アミノ−3−メチルベンジルアルコール、2−アミノ−5−メチルベンジルアルコール、2−アミノフェネチルアルコール、3−アミノ−2−メチルベンジルアルコール、3−アミノ−4−メチルベンジルアルコール、4−(1−ヒドロキシエチル)アニリン、4−アミノフェネチルアルコール、N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、2−ベンジルアミノエタノール、α−(メチルアミノメチル)ベンジルアルコール、α−[2−(メチルアミノ)エチル]ベンジルアルコール、3−アミノ−1−アダマンタノール、及び1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパンがある。
有用なアミノ酸は、ヒドロキシル基を全く有さず、わずか1つのカルボン酸を有する第一級アミノ酸及び第二級アミノ酸からなる群から選択される。好ましくは、アミノ酸は、アミノ酸熱安定剤の分子量の計算により決定されて、或いは、アミノ酸がオリゴマー性物質である場合、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定されて、約1000以下、好ましくは500又は300以下の数平均分子量を有する。本発明において有用なアミノ酸は、脂肪族アミノ酸及び芳香族アミノ酸を含む。一実施形態において、アミノ酸は第一級アミノ酸である。
用語「アミノ酸」は、塩酸塩、酢酸塩、リン酸塩、一水和物、並びにナトリウム及びカリウム塩を含むアミノ酸の塩及び水和物を含む。
脂肪族アミノ酸は、N−メチルグリシン、DL−アラニン、アミノシクロヘキサンプロピオン酸、2−アミノイソ酪酸、2−アミノ酪酸、DL−バリン、DL−tert−ロイシン、DL−ノルバリン、DL−イソロイシン、DL−ロイシン、DL−ノルロイシン、DL−2−アミノカプリル酸、β−アラニン、DL−3−アミノイソ酪酸、DL−3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノカプリル酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、1−アミノ−1−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−1−シクロペンタンカルボン酸、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸、2−アミノ−2−ノルボルナンカルボン酸、DL−プロリン、Dl−ジペカノリン酸(dipecanolic acid)、ニペコチン酸、及びDL−リジンからなる群から選択されるものを含む。
芳香族アミノ酸は、−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、2−アミノ安息香酸、2−フェニルグリシン、2,2−ジフェニルグリシン、N−フェニルグリシン、DL−フェニルアラニン、α−メチル−DL−フェニルアラニン、DL−ホモフェニルアラニン、DL−2−フルオロフェニルグリシン、DL−2−フルオロフェニルアラニン、4−アミノ−DL−フェニルアラニン水和物、及びN−トリチルグリシンからなる群から選択されるものを含む。
一実施形態において、アミノ酸は、6−アミノヘキサン酸、リジン、11−アミノウンデカン酸、4−アミノ安息香酸;及びこれらの化合物の塩からなる群から選択される。
有用な多価アルコールは、2つ以上のヒドロキシル基を有し、計算により、又はオリゴマーが使用される場合、ASTM E 1899−08によるヒドロキシル価の決定により決定して30から1000g/当量、好ましくは80から500g/当量のヒドロキシル当量を有する。
多価アルコールは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により決定して2000を超える数平均分子量(Mn)を有するポリヒドロキシポリマー及び分子量計算により、又はオリゴマー性多価アルコールでは、(SEC)により決定して2000未満のMnを有する多価アルコールからなる群から選択されるものを含む。
ポリヒドロキシポリマーは、エチレン/ビニルアルコールコポリマー及びポリ(ビニルアルコール)からなる群から選択されるものを含む。好ましくは、ポリヒドロキシポリマーは、5,000から50,000のMnを有する。一実施形態において、ポリヒドロキシポリマーは、エチレン/ビニルアルコールコポリマー(EVOH)である。EVOHは、10から90モル%、好ましくは30から80モル%、40から75モル%、50から75モル%、及び50から60モル%のビニルアルコール繰り返し含量を有してよく、残りのモル%はエチレンである。熱可塑性組成物のための好適なEVOHは、日本合成化学(東京、日本)から市販されているSoarnol(登録商標)A又はDコポリマー及びクラレ、東京、日本から市販されているEVAL(登録商標)コポリマーである。
一実施形態において、ポリヒドロキシポリマーはポリ(ビニルアルコール)ポリマー(PVOH)である。熱可塑性組成物のための好適なPVOHポリマーは、Kuraray Europe Gmbhから市販されているMowiol(登録商標)ブランド樹脂である。
2000未満の数平均分子量(Mn)を有する多価アルコールには、2つを超えるヒドロキシル基を含む脂肪族ヒドロキシル化合物、2つを超えるヒドロキシル基を含む脂肪族−脂環式化合物、2つを超えるヒドロキシル基を含む脂環式化合物、並びに糖類及び多糖類がある。好ましくは、多価アルコールは3つ以上のヒドロキシル基を含む。好ましい実施形態において、多価アルコールは3から6つのヒドロキシル基を含む。
多価アルコール中の脂肪族鎖は、炭素原子だけでなく、例えば、窒素、酸素、及び硫黄原子から選択できる1つ以上のヘテロ原子を含み得る。多価アルコール中に存在する脂環式の環は、単環式でも、二環式若しくは多環式の環系の一部でもよく、炭素環式でも複素環式でもよい。多価アルコール中に存在する複素環は、単環式でも、二環式若しくは多環式の環系の一部でもよく、例えば、窒素、酸素、及び硫黄原子から選択できる1つ以上のヘテロ原子を含み得る。1種以上の多価アルコールは、エーテル、カルボン酸、カルボン酸アミド、又はカルボン酸エステル基などの1つ以上の置換基を含み得る。
2を超えるヒドロキシル基を含む多価アルコールの例には、非限定的に、グリセロール、トリメチロールプロパン、2,3−ジ−(2’−ヒドロキシエチル)−シクロヘキサン−1−オール、ヘキサン−1,2,6−トリオール、1,1,1−トリス−(ヒドロキシメチル)エタン、3−(2’−ヒドロキシエトキシ)−プロパン−1,2−ジオール、3−(2’−ヒドロキシプロポキシ)−プロパン−1,2−ジオール、2−(2’−ヒドロキシエトキシ)−ヘキサン−1,2−ジオール、6−(2’−ヒドロキシプロポキシ)−ヘキサン−1,2−ジオール、1,1,1−トリス−[(2’−ヒドロキシエトキシ)−メチル]−エタン、1,1,1−トリス−[(2’−ヒドロキシプロポキシ)−メチル]−プロパン、1,1,1−トリス−(4’−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1,1−トリス−(ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1,3−トリス−(ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、1,1,4−トリス−(ジヒドロキシフェニル)−ブタン、1,1,5−トリス−(ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン、トリメチロールプロパンエトキシレート、又はトリメチロールプロパンプロポキシレートなどのトリオール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジ−トリメチロールプロパン、及びトリペンタエリスリトールなどのポリオール;ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ペンタグリセロール、ヘキサグリセロール、ヘプタグリセロール、オクタグリセロール、ノナグリセロール、デカグリセロールを含むオリゴマー;並びに、シクロデキストリン、D−マンノース、グルコース、ガラクトース、スクロース、フルクトース、キシロース、アラビノース、D−マンニトール、D−ソルビトール、D−又はL−アラビトール、キシリトール、イジトール、タリトール、アリトール、アリトリトール、ギリトール(guilitol)、エリスリトール、トレイトール、及びD−グロノ−y−ラクトンなどの糖類;などがある。
好ましい多価アルコールは、少なくとも1つの原子により互いに分かれているそれぞれの炭素原子に結合している1組のヒドロキシル基を有するものを含む。一実施形態において、多価アルコールは、第一級、第二級、又は第三級アミンの形態のアミン官能基を含まない。特に好ましい多価アルコールは、1組のヒドロキシル基が、1つの炭素原子により互いに分かれているそれぞれの炭素原子に結合しているものである。
好ましくは、ポリエーテルオールを与えるのに使用される多価アルコールは、グリセロール(GLY)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(DPE)、トリペンタエリスリトール(TPE)、ジ−トリメチロールプロパン(DTP)、トリメチロールプロパン(TMP)、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン(THE)、及びこれらの混合物の群から選択される。
別の実施形態は、半結晶性ポリアミド樹脂がポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA66/6T)であり;補強剤が、ガラス繊維及び非円形の断面を有するガラス繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択され;1種以上のポリエポキシ化合物がトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)であり、1.0から3.0重量パーセントで存在し;多価酸が、デカン二酸及びドデカン二酸(DDDA)からなる群から選択され、0.5から2.0重量パーセントで存在し;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと多価酸の重量比が、0.5:1から3:1、好ましくは1:1から3:1である、本明細書に開示される熱可塑性溶融混合組成物である。
別の実施形態は、
a)15から89.5重量パーセントのポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド);
b)0.50から5.0重量パーセント、好ましくは0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2から5個、好ましくは2から4.5個、2から4個のエポキシ基を含む1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、210〜1200、好ましくは300〜1200、300〜800、及び600〜700g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセント、好ましくは0.5から4.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、280℃未満の融点、好ましくは250℃未満の融点を有する、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のカルボン酸化合物であって、2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含む熱可塑性溶融混合組成物であって、
但し、成分a)、b)、c)、d)、及びe)の重量パーセントが熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、前記溶融混合組成物から調製され、空気雰囲気中で230℃の試験温度で1000時間の試験期間曝露され、ISO 527−2/1BAに従って試験される厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも40、50、60、又は70%の引張強度保持率を有する熱可塑性溶融混合組成物である。
a)15から89.5重量パーセントのポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド);
b)0.50から5.0重量パーセント、好ましくは0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2から5個、好ましくは2から4.5個、2から4個のエポキシ基を含む1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、210〜1200、好ましくは300〜1200、300〜800、及び600〜700g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセント、好ましくは0.5から4.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、280℃未満の融点、好ましくは250℃未満の融点を有する、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上のカルボン酸化合物であって、2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含む熱可塑性溶融混合組成物であって、
但し、成分a)、b)、c)、d)、及びe)の重量パーセントが熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、前記溶融混合組成物から調製され、空気雰囲気中で230℃の試験温度で1000時間の試験期間曝露され、ISO 527−2/1BAに従って試験される厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも40、50、60、又は70%の引張強度保持率を有する熱可塑性溶融混合組成物である。
溶融ブレンド
本明細書では、熱可塑性組成物は溶融ブレンドによる混合物であり、この場合、全てのポリマー性成分は充分に混合され、全ての非ポリマー性成分はポリマーマトリックスに充分に分散される。どのような溶融ブレンド法も、本発明のポリマー性成分と非ポリマー性成分を混合するのに利用できる。例えば、ポリマー性成分と非ポリマー性成分は、一軸押出機若しくは二軸押出機、撹拌機、一軸若しくは二軸ニーダー、又はバンバリーミキサーなどのメルトミキサーに供給され、添加工程は、全成分の一度の添加でも、数バッチの段階的な添加でもよい。ポリマー性成分及び非ポリマー性成分が数バッチで段階的に加えられる場合、ポリマー性成分及び/又は非ポリマー性成分の一部が最初に加えられ、次いで、次に加えられる残りのポリマー性成分及び非ポリマー性成分と、充分に混合した組成物が得られるまで溶融混合される。補強充填剤が長い物理的形状を呈する場合(例えば、長いガラス繊維)、延伸押出成形を利用して、補強された組成物を調製できる。
本明細書では、熱可塑性組成物は溶融ブレンドによる混合物であり、この場合、全てのポリマー性成分は充分に混合され、全ての非ポリマー性成分はポリマーマトリックスに充分に分散される。どのような溶融ブレンド法も、本発明のポリマー性成分と非ポリマー性成分を混合するのに利用できる。例えば、ポリマー性成分と非ポリマー性成分は、一軸押出機若しくは二軸押出機、撹拌機、一軸若しくは二軸ニーダー、又はバンバリーミキサーなどのメルトミキサーに供給され、添加工程は、全成分の一度の添加でも、数バッチの段階的な添加でもよい。ポリマー性成分及び非ポリマー性成分が数バッチで段階的に加えられる場合、ポリマー性成分及び/又は非ポリマー性成分の一部が最初に加えられ、次いで、次に加えられる残りのポリマー性成分及び非ポリマー性成分と、充分に混合した組成物が得られるまで溶融混合される。補強充填剤が長い物理的形状を呈する場合(例えば、長いガラス繊維)、延伸押出成形を利用して、補強された組成物を調製できる。
別の実施形態は熱可塑性溶融混合組成物を与える連続的なプロセスであって
A)下記を溶融ブレンドして
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
c)約0.25から5.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、2000未満の数平均分子量を有する1種以上のカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
ポリアミド−多価酸ブレンドを与えること;並びに
B)前記ポリアミド−多価酸ブレンドを
b)0.5から5.0重量パーセントの、少なくとも2つ以上のエポキシ基を含む1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、43から4000g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量(Mn)を有するポリエポキシ化合物;
と溶融ブレンドすることを含み
但し、成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいている、連続的なプロセスである。
A)下記を溶融ブレンドして
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
c)約0.25から5.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、2000未満の数平均分子量を有する1種以上のカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
ポリアミド−多価酸ブレンドを与えること;並びに
B)前記ポリアミド−多価酸ブレンドを
b)0.5から5.0重量パーセントの、少なくとも2つ以上のエポキシ基を含む1種以上のポリエポキシ化合物であって、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して、43から4000g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量(Mn)を有するポリエポキシ化合物;
と溶融ブレンドすることを含み
但し、成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいている、連続的なプロセスである。
先に開示された溶融ブレンドプロセスの種々の実施形態において:
成分b)は、0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2から5個、好ましくは2から4.5個、2から4個のエポキシ基を含み、好ましくは43から1000、70から1000、70から500、70から200、70から190、及び70から180g/当量のエポキシド当量を有する、1種以上のポリエポキシ化合物でよく;且つ
成分c)は、0.5から4.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、280℃未満の融点、好ましくは250℃未満の融点を有する1種以上のカルボン酸化合物でよい。
成分b)は、0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2から5個、好ましくは2から4.5個、2から4個のエポキシ基を含み、好ましくは43から1000、70から1000、70から500、70から200、70から190、及び70から180g/当量のエポキシド当量を有する、1種以上のポリエポキシ化合物でよく;且つ
成分c)は、0.5から4.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、280℃未満の融点、好ましくは250℃未満の融点を有する1種以上のカルボン酸化合物でよい。
連続プロセスの一実施形態において、成分d)、e)、及びf)の1つ以上が、前記ポリアミド−多価酸ブレンドと工程B)において溶融ブレンドされる。
連続プロセスの別の実施形態は、前記ポリアミド−多価酸ブレンドを成分b)と溶融ブレンドすることが、前記1種以上のポリエポキシ化合物をポンプにより前記ポリアミド−多価酸ブレンドに計量して供給することにより与えられるものである。
別の実施形態は、熱可塑性溶融混合組成物が、ASTM D3835に従い1000秒−1のせん断速度で、キャピラリーレオメーター中で、ポリアミド樹脂の融点の10℃から30℃超の温度で測定された、保持時間5分での溶融粘度の600%未満(好ましくは300、200、及び130%未満)の保持時間25分での溶融粘度を有する、先に開示された連続プロセスである。
別の実施形態は熱可塑性溶融混合組成物を与えるプロセスであって
A)下記を溶融ブレンドすること:
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.25から約5.0重量パーセントの、少なくとも2つ以上のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して43から4000g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量(Mn)を有する、1種以上のポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、2000未満の数平均分子量を有する1種以上のカルボン酸化合物;
d)0から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
成分b)ポリエポキシ化合物及びc)カルボン酸化合物が、溶融ブレンドの間に同時に加えられるプロセスである。
A)下記を溶融ブレンドすること:
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.25から約5.0重量パーセントの、少なくとも2つ以上のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して43から4000g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量(Mn)を有する、1種以上のポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、2000未満の数平均分子量を有する1種以上のカルボン酸化合物;
d)0から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0〜10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
成分b)ポリエポキシ化合物及びc)カルボン酸化合物が、溶融ブレンドの間に同時に加えられるプロセスである。
別の実施形態は、熱可塑性溶融混合組成物が、ASTM D3835に従い1000秒−1のせん断速度で、キャピラリーレオメーター中で、ポリアミド樹脂の融点の10℃から30℃超の温度で測定された、保持時間5分での溶融粘度の600%未満の保持時間25分での溶融粘度を有する、先に開示された同時プロセスである。
プロセスの他の実施形態は、10から60重量パーセントの成分d)補強剤を、ポリアミドの量を15から89重量パーセントにする必要な低減と共に含む。
熱可塑性溶融混合組成物に関して先に開示された好ましい実施形態は全て、本明細書に開示される熱可塑性溶融混合組成物を調製するためのプロセス及び方法に適用できる。
好ましい実施形態において、先に開示された熱可塑性溶融混合組成物は、ASTM D3835に従い1000秒−1のせん断速度で、キャピラリーレオメーター中で、ポリアミド樹脂の融点の10℃から30℃超の温度で測定された、保持時間5分での溶融粘度の600%未満、好ましくは300、200未満、最も好ましくは130%未満の保持時間25分での溶融粘度を有する。
先に開示された溶融混合組成物は、それから製造された成形品又は押出品の高温での長期の熱安定性を増大させるのに有用である。物品の長期の熱安定性は、厚さ2mmの試験試料をオーブン中で種々の試験温度で種々の試験期間曝露させて(空気加熱老化試験)評価できる。本明細書に開示される組成物のオーブン試験温度は、170℃で500、1000、又は2000時間の試験期間;210℃で500又は1000時間の試験期間;及び230℃で500、1000、又は1500時間の試験期間でよい。試験試料は、空気加熱老化試験の後、引張強度及び破断点伸び(elongation to break)に関してISO 527−2/1BA試験法に従って試験され、同一組成及び形状を有する成形時乾燥(dry as molded)(DAM)である曝露されていない対照と比較される。DAM対照との比較により、引張強度保持率及び/又は破断点伸び保持率が与えられ、そのようにして、種々の組成物を長期の熱安定性性能に関して評価できる。
別の実施形態は、熱可塑性溶融混合組成物の空気加熱老化試験(AOA)条件下での引張強度保持率を向上させる方法であって
下記を溶融ブレンドすること:
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.25から約5.0重量パーセントの、少なくとも2つ以上のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して43から4000g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量(Mn)を有する、1種以上のポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、2000未満の数平均分子量を有する1種以上のカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
但し、ポリエポキシ化合物とカルボン酸化合物が反応して前記熱可塑性溶融混合組成物を与え;前記溶融混合組成物から調製され、ISO 527−2/1BAに従って試験され、空気雰囲気中で230℃の試験温度で、1000時間の試験期間曝露された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも40、50、60、70、又は80パーセントの引張強度保持率を有し;ポリアミド樹脂が、本明細書で定義されるグループ(IIB)ポリアミド、グループ(III)ポリアミド、グループ(IV)ポリアミド、グループ(V)ポリアミドからなる群から選択される1種以上のポリアミドを含む、引張強度保持率を向上させる方法である。
下記を溶融ブレンドすること:
a)15から89.5重量パーセントの、融点を有する半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.25から約5.0重量パーセントの、少なくとも2つ以上のエポキシ基を含み、計算により、又はポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定して43から4000g/当量のエポキシド当量及び8000未満の数平均分子量(Mn)を有する、1種以上のポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、2000未満の数平均分子量を有する1種以上のカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
但し、ポリエポキシ化合物とカルボン酸化合物が反応して前記熱可塑性溶融混合組成物を与え;前記溶融混合組成物から調製され、ISO 527−2/1BAに従って試験され、空気雰囲気中で230℃の試験温度で、1000時間の試験期間曝露された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも40、50、60、70、又は80パーセントの引張強度保持率を有し;ポリアミド樹脂が、本明細書で定義されるグループ(IIB)ポリアミド、グループ(III)ポリアミド、グループ(IV)ポリアミド、グループ(V)ポリアミドからなる群から選択される1種以上のポリアミドを含む、引張強度保持率を向上させる方法である。
先に開示された引張強度を向上させる方法の種々の実施形態において
成分b)は、0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2から5個、好ましくは2から4.5個、2から4個のエポキシ基を含み、好ましくは43から1000、70から1000、70から500、70から200、70から190、及び70から180g/当量のエポキシド当量を有する、1種以上のポリエポキシ化合物でよく;且つ
成分c)は、0.5から4.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、280℃未満の融点、好ましくは250℃未満の融点を有する1種以上のカルボン酸化合物でよい。
成分b)は、0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセントの、分子あたり平均で、少なくとも2から5個、好ましくは2から4.5個、2から4個のエポキシ基を含み、好ましくは43から1000、70から1000、70から500、70から200、70から190、及び70から180g/当量のエポキシド当量を有する、1種以上のポリエポキシ化合物でよく;且つ
成分c)は、0.5から4.0、1.0から4.0、1.0から3.0、及び1.0から2.0重量パーセントの、280℃未満の融点、好ましくは250℃未満の融点を有する1種以上のカルボン酸化合物でよい。
一実施形態は、先に開示された熱可塑性溶融混合組成物を含む成形又は押出された熱可塑性物品であって、ポリアミド樹脂が1種以上のグループ(I)ポリアミドを含み、前記溶融混合組成物から調製され、ISO 527−2/1BAに従って試験され、空気雰囲気中で、試験温度170℃で試験期間500時間の間曝露された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも50、60、70、80、及び90%の引張強度保持率を有する成形又は押出された熱可塑性物品である。
一実施形態は、上記実施形態に開示された熱可塑性溶融混合組成物を含む成形又は押出された熱可塑性物品であって、ポリアミド樹脂が1種以上のグループ(II)ポリアミドを含み、前記溶融混合組成物から調製され、ISO 527−2/1BAに従って試験され、空気雰囲気中で、試験温度210℃で試験期間500時間の間曝露された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも40、50、60、70、80、及び90%の引張強度保持率を有する成形又は押出された熱可塑性物品である。
一実施形態は、上記実施形態に開示された熱可塑性溶融混合組成物を含む成形又は押出された熱可塑性物品であって、ポリアミド樹脂が、グループ(IIB)ポリアミド、グループ(III)ポリアミド、グループ(IV)ポリアミド、グループ(V)ポリアミド、及びグループ(VI)ポリアミドからなる群から選択される1種以上のポリアミドを含み、前記溶融混合組成物から調製され、ISO 527−2/1BAに従って試験され、空気雰囲気中で、試験温度230℃で試験期間1000時間の間曝露された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも40、50、60、70、80、及び90%の引張強度保持率を有する成形又は押出された熱可塑性物品である。
別の態様において、本発明は、本明細書に開示される熱可塑性ポリアミド組成物を付形することによる、物品の製造方法に関する。物品の例は、フィルム又はラミネート、自動車部品又はエンジン部品又は電気/電子部品である。「付形」とは、例えば押出、射出成形、熱成形(thermoform molding)、圧縮成形、又はブロー成形などの任意の付形技法を意味する。好ましくは、物品は射出成形又はブロー成形により付形される。
本明細書に開示される成形又は押出された熱可塑性物品は、以下の要件の1つ以上を満たす多くの車両用構成部品において用途を有しうる:高い衝撃の要件;大幅な重量削減(例えば従来の金属に対して);高温に対する抵抗性;油環境に対する抵抗性;冷却液などの化学薬剤に対する抵抗性;よりコンパクトで一体化した設計を可能にする騒音低減。具体的な成形又は押出された熱可塑性物品は、給気冷却器(CAC);シリンダーヘッドカバー(CHC);オイルパン;サーモスタット及びヒーターハウジング及び冷却液ポンプを含むエンジン冷却装置;マフラー及び触媒コンバーターのハウジングを含む排気装置;給気マニホールド(AIM);並びにタイミングチェーンベルトフロントカバーからなる群から選択される。長期の高温曝露に対する望まれる機械的抵抗性の代表的な例として、給気冷却器を挙げることができる。給気冷却器は、エンジンの燃焼効率を高める車両のラジエーターの一部である。給気冷却器は、給気温度を下げ、ターボチャージャー中での圧縮の後空気の密度を上げ、それにより、より多くの空気がシリンダーに入るようにしてエンジンの効率を高める。空気が給気冷却器に入る時、その温度は200℃を超えることがあるので、この部品は、高温で長期間良好な機械的性質を維持する組成物からできていることが要求される。また、老化時に白化を全く又はほとんど示さない付形された物品を有することが非常に望ましい。
本発明は以下の実施例によりさらに説明される。以下の実施例が説明目的のみのものであり、本発明を限定するために使用されないことを理解されたい。
方法
配合方法
30mm押出機法
表1〜9、10A、10C、12、13、15A、19、及び20にある実施例及び比較例は、表に列記した成分を、ポリアミドB及びPA66組成物には約280〜290℃で、ポリアミドA(PA6T/66 55:45)組成物には310℃のバレル設定で運転している30mm二軸押出機(CoperionのZSK 30)中で、全組成物でスクリュー回転数約300〜400rpm、スループット30〜40ポンド/時(13.6〜18.1kg/時)、及び手作業で測定した溶融温度約300〜370℃を利用して溶融ブレンドして調製した。ガラス繊維は、スクリューサイドフィーダーによりメルトに加え、他の成分は全て、以下の方法1、2、及び3に述べる以外、押出機の初めで加えた。表に示す成分の量は、熱可塑性組成物の総重量に対する重量パーセントで表す。
配合方法
30mm押出機法
表1〜9、10A、10C、12、13、15A、19、及び20にある実施例及び比較例は、表に列記した成分を、ポリアミドB及びPA66組成物には約280〜290℃で、ポリアミドA(PA6T/66 55:45)組成物には310℃のバレル設定で運転している30mm二軸押出機(CoperionのZSK 30)中で、全組成物でスクリュー回転数約300〜400rpm、スループット30〜40ポンド/時(13.6〜18.1kg/時)、及び手作業で測定した溶融温度約300〜370℃を利用して溶融ブレンドして調製した。ガラス繊維は、スクリューサイドフィーダーによりメルトに加え、他の成分は全て、以下の方法1、2、及び3に述べる以外、押出機の初めで加えた。表に示す成分の量は、熱可塑性組成物の総重量に対する重量パーセントで表す。
以下の方法を利用して、液体ポリエポキシ化合物を加えた。
方法1(表4、7、及び8に列記した例に利用)−ポリエポキシドをガラス繊維と事前混合し、ポリ袋中で振とうし、混合物をZSK 30押出機のバレル5に加えた。
方法2−液体ポリエポキシドTTEをTeledyne ISCOポンプで計量し、ZSK 30押出機のバレル5でガラス繊維を加える直前にバレル4に加えた。
方法3−ポリアミドの一部(例えば500g)を、Bantam Micropulverizer中で低温粉砕に付して、平均粒径約1ミリメートルの粒子を与えた。液体又は油の成分(例えばTTE)を、粉砕した粒子中でブレンドして均一なブレンドを与え、均一なブレンドを押出機に加えた。
配合した混合物を、レース又はストランドの形態で押出し、水浴中で冷却し、細断してグラニュールにした。
40mm押出機法
表10B、11、14A〜14E、15B、16、及び17に列記した例及び比較例は、40mm二軸押出機(Werner & Pfleiderer ZSK−40)を使用した以外、先に開示した手順と同様に調製した。バレル温度を280℃に設定し、スクリュー回転数を200〜500rpmに、スループットを175〜350ポンド/時(79.4〜158.8kg/時)に設定し、全組成物で溶融温度を測定すると300℃〜370℃であった。ガラス繊維をスクリューサイドフィーダーによりメルトに加え、TTEエポキシド以外の他の成分全てを押出機の初めで加えたが、TTEエポキシドはK−Tronポンプを使用したことを除いて先に開示した方法2により加えた。
表10B、11、14A〜14E、15B、16、及び17に列記した例及び比較例は、40mm二軸押出機(Werner & Pfleiderer ZSK−40)を使用した以外、先に開示した手順と同様に調製した。バレル温度を280℃に設定し、スクリュー回転数を200〜500rpmに、スループットを175〜350ポンド/時(79.4〜158.8kg/時)に設定し、全組成物で溶融温度を測定すると300℃〜370℃であった。ガラス繊維をスクリューサイドフィーダーによりメルトに加え、TTEエポキシド以外の他の成分全てを押出機の初めで加えたが、TTEエポキシドはK−Tronポンプを使用したことを除いて先に開示した方法2により加えた。
機械的引張性質
機械的引張性質、すなわち、弾性率、破断応力(引張強度)、及び破断歪(破断点伸び)は、ISO 527−2/1BAに従い測定した。測定は、厚さ2mmの射出成形ISO引張試験片に対して、試験速度5mm/分で行った。金型温度は、PA6T/DT試験片では145〜150℃であった。金型温度は、PA6T/66試験片では90〜100℃であった。溶融温度は、両樹脂で325〜330℃であった。
機械的引張性質、すなわち、弾性率、破断応力(引張強度)、及び破断歪(破断点伸び)は、ISO 527−2/1BAに従い測定した。測定は、厚さ2mmの射出成形ISO引張試験片に対して、試験速度5mm/分で行った。金型温度は、PA6T/DT試験片では145〜150℃であった。金型温度は、PA6T/66試験片では90〜100℃であった。溶融温度は、両樹脂で325〜330℃であった。
空気加熱老化試験(AOA)
試験片は、ISO 2578に詳述されている手順に従い、空気再循環オーブン(Heraeus、UT6060型)で熱老化させた。種々の熱老化時間で、試験片をオーブンから取り出し、室温に冷却し、試験の準備ができるまで、アルミニウムで裏打ちされた袋に密封した。次いで、引張機械的性質を、Zwick引張装置を使用してISO 527に従って測定した。5個の検体から得られた平均値を表に与える。
試験片は、ISO 2578に詳述されている手順に従い、空気再循環オーブン(Heraeus、UT6060型)で熱老化させた。種々の熱老化時間で、試験片をオーブンから取り出し、室温に冷却し、試験の準備ができるまで、アルミニウムで裏打ちされた袋に密封した。次いで、引張機械的性質を、Zwick引張装置を使用してISO 527に従って測定した。5個の検体から得られた平均値を表に与える。
溶融粘度
溶融粘度の保持率を、ASTM D3835に従って、キャピラリーレオメーター(Kayness)中で、せん断速度1000秒−1で、ポリアミド樹脂の融点の10℃から30℃超の温度で測定して、保持時間5分での溶融粘度と比べた保持時間25分として決定した。
溶融粘度の保持率を、ASTM D3835に従って、キャピラリーレオメーター(Kayness)中で、せん断速度1000秒−1で、ポリアミド樹脂の融点の10℃から30℃超の温度で測定して、保持時間5分での溶融粘度と比べた保持時間25分として決定した。
エポキシ転化の1H NMR法
1Hスペクトルを、500MHzで運転するBruker 500MHz NMR分光計で、CDCl3中で記録した。ポリエポキシ化合物中のエポキシ官能基の転化パーセントは、エポキシ環水素ジアステレオマーの1つの1H NMRシグナルを、ポリヒドロキシ化合物との反応の間変化しない第二の内部標準シグナルに対して測定することにより決定する。出発組成物中のエポキシ官能基及び標準のモル並びに標準シグナル中の水素の数に関して調整したエポキシ環水素シグナルと標準シグナルの比を利用して、転化%を決定する。例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)では、TTEのメチル基を内部標準シグナル(0.80ppm)として選び、エポキシ水素ジアステレオマー(2.55ppm)の1つが測定されるエポキシシグナルである。以下の計算をすると転化%が得られる。
1Hスペクトルを、500MHzで運転するBruker 500MHz NMR分光計で、CDCl3中で記録した。ポリエポキシ化合物中のエポキシ官能基の転化パーセントは、エポキシ環水素ジアステレオマーの1つの1H NMRシグナルを、ポリヒドロキシ化合物との反応の間変化しない第二の内部標準シグナルに対して測定することにより決定する。出発組成物中のエポキシ官能基及び標準のモル並びに標準シグナル中の水素の数に関して調整したエポキシ環水素シグナルと標準シグナルの比を利用して、転化%を決定する。例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)では、TTEのメチル基を内部標準シグナル(0.80ppm)として選び、エポキシ水素ジアステレオマー(2.55ppm)の1つが測定されるエポキシシグナルである。以下の計算をすると転化%が得られる。
この場合、1つの等価なジアステレオマー水素をそれぞれ有する3つの等価なエポキシ基及び内部標準中に3つの等価なメチル水素があるので、比の調整は必要でない。
白化決定法
2つの5インチ×3インチ×3mmのプラークを、相対湿度85%及び85℃の条件下の人工気候室に配置することにより処理した。1日後、プラークの1つを気候室から除き、目視検査した。110°の反射で決定されるL値を、ChromaVision MA100 Multi−Angle分光光度計(X−Rite,Incorporated,Grandville,Michiganにより製造)で測定した。Lは、CIELAB色空間での白さの通常の尺度である。L値を、表裏両方で、プラーク上の4つの位置で測定し、L値を平均した。Lの決定を、処理していないプラークでも実施した。処理していないプラークの4つのL測定値の平均を、処理したプラークの4つの測定の平均から引いて、ΔL値を決定した。7日後、第二のプラークを気候室から取り出し、L値及びΔL値を決定した。
2つの5インチ×3インチ×3mmのプラークを、相対湿度85%及び85℃の条件下の人工気候室に配置することにより処理した。1日後、プラークの1つを気候室から除き、目視検査した。110°の反射で決定されるL値を、ChromaVision MA100 Multi−Angle分光光度計(X−Rite,Incorporated,Grandville,Michiganにより製造)で測定した。Lは、CIELAB色空間での白さの通常の尺度である。L値を、表裏両方で、プラーク上の4つの位置で測定し、L値を平均した。Lの決定を、処理していないプラークでも実施した。処理していないプラークの4つのL測定値の平均を、処理したプラークの4つの測定の平均から引いて、ΔL値を決定した。7日後、第二のプラークを気候室から取り出し、L値及びΔL値を決定した。
低いL値はより暗いプラークに対応し、高いL値はより明るいプラークに対応する。したがって、正のΔLは、より暗い色からより明るい色への変化を意味する。
調査により、目視観察をすると、当業者ならば、分光学的測定手段により決定されるΔL値に相当する、表Bに列記した3つのレベルの白化を特定できるだろうということを見出した。そのため、いくつかの例においてこの関係を利用し、目視の観察を利用して、L値が簡便に測定できない場合白化を評価した。
材料
ポリアミドAは、テレフタル酸、アジピン酸、及びヘキサメチレンジアミンから製造されたZytel(登録商標)HTN502HNC010 6T/66コポリアミドを意味し、2つの酸が55:45のモル比で使用されており(PA6T/66)、融点が310℃であり、ASTM D2857法による固有粘度(IV)が典型的には約1.07であり、本件特許出願人から市販されている。
ポリアミドAは、テレフタル酸、アジピン酸、及びヘキサメチレンジアミンから製造されたZytel(登録商標)HTN502HNC010 6T/66コポリアミドを意味し、2つの酸が55:45のモル比で使用されており(PA6T/66)、融点が310℃であり、ASTM D2857法による固有粘度(IV)が典型的には約1.07であり、本件特許出願人から市販されている。
ポリアミドBは、およそ80meq/kgのアミン末端を有するPA66/6T(75/25モル比繰り返し単位)を意味し、ASTM D−789法による典型的な相対粘度(RV)が41であり、典型的な融点が268℃であり、以下の手順により与えた。
ポリアミド66塩溶液(3928ポンド、51.7重量パーセント、pH8.1)及び2926ポンドの25.2重量%のpH7.6のポリアミド6T塩溶液を、100gの従来の消泡剤、20gの次亜リン酸ナトリウム、220gの重炭酸ナトリウム、2476gの80%HMD水溶液、及び1584gの氷酢酸と共にオートクレーブに入れた。次いで、溶液を、圧力を265psiaまで上げながら加熱し、その時点で、蒸気を抜いて圧力を265psiaに保ち、バッチの温度が250℃に達するまで加熱を続けた。次いで、バッチ温度をさらに280〜290℃に上げながら、圧力をゆっくりと6psiaに下げた。次いで、圧力を6psiaに保ち、温度を280〜290℃に20分間保った。最後に、ポリマーメルトを押し出してストランドにし、冷却し、切断してペレットした。
PA66は、1,6−ヘキサン二酸及び1,6−ヘキサメチレンジアミンでできた脂肪族ポリアミドを意味し、典型的な相対粘度が49であり、融点が約263℃であり、本件特許出願人から、商標Zytel(登録商標)101NC010ポリアミドで市販されている。
PA6は、BASF Corporation,Florham Park,NJ,07932から市販されているUltramid(登録商標)B27ポリアミド6樹脂(ポリカプロラクタム)を意味する。
ガラス繊維Aは、日本電気硝子、大阪、日本により製造されたNEG D187Hガラス繊維を意味する。
ガラス繊維Bは、Chongqing Polycomp International Corp.,Chongqing,Chinaから市販されているCPIC 301HPチョップドグラスファイバーを意味する。
黒色顔料Aは、ZYTEL(登録商標)FE3786 BK031C黒色コンセントレート、PA66キャリア中の40重量%ニグロシン黒色顔料コンセントレートを意味する。
黒色顔料Bは、ZYTEL(登録商標)FE3779 BK031C黒色コンセントレート、PA6キャリア中の25重量%カーボンブラックを意味する。
銅熱安定剤は、7部のヨウ化カリウム及び1部のヨウ化銅の0.5部のステアリン酸アルミニウムワックスバインダー中の混合物を意味する。
ジステアリン酸アルミニウムは、PMC Global,Inc.Sun Valley,CA,USAにより供給されるワックスである。
Licowax OPは、Clariant Corp.,Charlotte,NCにより製造されている潤滑剤である。
Kemamide E180潤滑剤は、Chemtura Corp.,Philadelphia,PAから市販されているN−ステアリルエルカミド、CAS No.[10094−45−8]を意味する。
TRX(登録商標)301コポリマーは、本件特許出願人から市販されている無水マレイン酸修飾EPDMを意味する。
EPON(商標)樹脂1009Fは、Momentive,Inc.,Columbus,OHから市販されている、液体エポキシ樹脂及びビスフェノール−Aから誘導された高分子量固形エポキシ樹脂(2300〜3600当量のエポキシ)である。
EPON(商標)樹脂1002Fは、Momentive,Inc.,Columbus,OHから市販されている、液体エポキシ樹脂及びビスフェノール−Aから誘導されたエポキシ樹脂(600〜700当量のエポキシ)である。
Araldite 506は、Huntsman Advanced Materials,Houston,TXにより製造された液体エポキシ樹脂(172〜185当量)を意味する。
Elvaloy(登録商標)4170樹脂は、本件特許出願人により製造されたエチレン/ブチルアクリラート/グリシジルメタクリラートコポリマーを意味する。
D.E.R.(登録商標)6508エポキシ樹脂は、エポキシ当量が約380−420であり、分子あたり2つのエポキシの官能基を有し、Dow Chemical Co.から市販されている。
DDDAは、Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WIから市販されているドデカン二酸を意味する。
DPEは、Perstorp Speciality Chemicals AB,Perstorp,SwedenからDi−Penta 93として得たジペンタエリスリトールを意味する。
ジメチロールプロピオン酸は、Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WIから市販されている。
EDTAは、Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WIから市販されているエチレンジアミン四酢酸を意味する。
TTEは、Sigma−Aldrichから市販されている、エポキシ当量が138〜154であるトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルを意味する。
種々の実施形態の実施例及び比較例を表1〜20に列記する。
空気加熱老化試験(AOA)後の引張強度保持率;並びに溶融粘度及び溶融粘度保持率は、射出成形部品の重要な性能パラメーターである。実施例1及び2は、ポリエポキシ化合物及び多価酸化合物を含む熱可塑性組成物が、ポリエポキシ及び多価酸のない比較例C−1;及び多価酸はないがポリエポキシ化合物を含むC−2よりも著しく高いAOA(1000時間、230℃)引張強度保持率を示すことを表した。比較例C−3、C−4、及びC−5は、アミノ多価酸(例えば、EDTA)+ポリエポキシ化合物が、アミノ多価酸単独と同様な性能であることを示す。他の表は、具体的な条件下でのAOA引張強度保持率を表した。
表10Aは、ポリエポキシ及びカルボン酸化合物のないPA66、PA66/6T、及びPA6T/66対照を列記する。2つの異なるPA66及びPA66/6Tの実験は、230℃/1000時間でのAOA下で引張強度保持率を全く示さない。
表10Bは、40mm押出機中で種々の条件下で加工され、230℃/1000時間でのAOA下で0%の引張強度保持率を示したポリエポキシ及びカルボン酸化合物のないPA66及びPA66/6T組成物を列記する。
表10Cは、カルボン酸化合物は有するが、本明細書に定義されるポリエポキシ化合物のないPA66/6T組成物を列記する。比較例C−27は、本発明の範囲外の数平均分子量及びエポキシ当量を有するエチレン/ブチルアクリラート/グリシジルメタクリラート(EBAGMA)コポリマーを含む。
表11は、40mm押出機中で加工されたいくつかのPA66/6Tの実施例を列記する。実施例は、表11に列記される、ポリエポキシ及びカルボン酸化合物のない比較例より著しく高い引張強度保持率(230℃/1000時間)を示す。しかし、引張強度保持率は、30mm押出機を利用して加工された、表4に列記された例のものとは大幅に異なる。
表12は、ポリエポキシを含むが、カルボン酸化合物のない比較例を列記する。TS保持率は、本明細書に定義されたポリエポキシ及びカルボン酸化合物をどちらも有する例において著しく高い。
表13は、ポリエポキシ化合物及びドデカン二酸を有するPA66/6T組成物の例;及び融点が280℃より高いテレフタル酸を含む類似の組成の比較例を列記する。
表14A比較例は、第二のポリアミド樹脂のないPA66樹脂の性能を表した。ポリエポキシ化合物(Epon 1009F)は、エポキシ当量が約2300〜3600であった。PA66単独では、230℃/1000時間AOA後に0%のTS保持率を示した。
表14B比較例は、第二のポリアミド樹脂のないPA66樹脂の性能を表した。ポリエポキシ化合物(TTE)はエポキシ当量が約138〜154であった。PA66は、いくつかの加工条件下で、230℃/1000時間AOAの後で0%のTS保持率を示し、同じ反復シリーズ内で他の条件下では高いTS保持率を示した。
表14C比較例は、第二のポリアミド樹脂のないPA66樹脂の性能を表した。ポリエポキシ化合物(TTE)はエポキシ当量が約138〜154であった。PA66は、いくつかの加工条件下で、230℃/1000時間AOAの後で0%のTS保持率を示し、同じ反復シリーズ内で他の条件下では高いTS保持率を示した。表14B及び14Cの最後の比較例は同一条件であるが、AOA条件下で幅広く変動するTS保持率を与える。
表14D比較例は、第二のポリアミド樹脂のないPA66樹脂の性能を表した。ポリエポキシ化合物(TTE)はエポキシ当量が約138〜154であった。PA66は、同じ反復シリーズ内でポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物が一定レベルの状態で、いくつかの加工条件下で、230℃/1000時間AOAの後で一様でないTS保持率を示した。
表14E比較例は、第二のポリアミド樹脂のないPA66樹脂の性能を表した。ポリエポキシ化合物(Epon 1002F)はエポキシ当量が約600〜700であった。PA66組成物は、同じ反復シリーズ内でポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物が一定レベルの状態で、いくつかの加工条件下で、230℃/1000時間AOAの後でばらつきのないTS保持率を示した。
表15A比較例は、ポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物がない、PA6とのPA66又はPA66/6T樹脂ブレンドの性能を表した。PA66+PA6ブレンドとPA66/6T+PA6ブレンドはどちらも、同一の加工条件下で230℃/1000時間AOAの後で、12%以下のTS保持率を示した。
表15B比較例は、種々の加工条件下での、ポリエポキシ化合物及びカルボン酸化合物のないPA66+PA6樹脂ブレンドの性能を表した。
表16例は、種々の加工条件下での、TTE及びDDDAが存在するPA66+PA6樹脂ブレンドの性能を表した。AOA条件(230℃で1000時間)下でのTS保持率は73%から97%であった。これらの結果は、表14C及び14Dに表されるPA6のないPA66の結果における広い変動を考慮すると、驚くべきものであり予想外である。PA66+PA6ブレンドは、PA66単独よりも、著しく広い加工ウィンドウを示す。
表17実施例は、種々の加工条件下での、エポキシ当量が約600〜700であるEpon 1002F及びDDDAが存在する状態でのPA66+PA6樹脂ブレンドの性能を表した。AOA条件(230℃で1000時間)下でのTS保持率は47%から60%であった。
表18実施例は、類似の加工条件下での反復実験において、TTE及びDDDAが存在する状態でのPA66/6T+PA6樹脂ブレンドの性能を表した。AOA条件(230℃で1000時間)下でのTS保持率は、高めのDDDAレベルを除き約50%のレベルであった。
表19例は、類似の加工条件下での反復実験において、一定レベルのTTE及びDDDAが存在する状態での、PA66+PA66/6T樹脂ブレンドの性能を表した。
表20実施例は、類似の加工条件下での反復実験において、一定レベルのTTE及びDDDAが存在する状態での、PA66+PA66/6T+PA6樹脂ブレンドの性能を表した。
Claims (15)
- 熱可塑性溶融混合組成物であって、
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂であって、
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含む
半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.50から5.0重量パーセント(好ましくは、0.5から4.0、1.0から4.0、及び1.0から3.0重量パーセント)の1種または複数のポリエポキシ化合物であって、分子あたり平均で少なくとも2から5個(好ましくは、2から4.5個、及び2から4個)のエポキシ基を含み、計算により、又は前記ポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量(好ましくは、70から200、70から190、及び70から180g/当量、最後2つの範囲は新規事項である)のエポキシド当量を有し、および、8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセント(好ましくは、0.5から4.0、1.0から4.0、1.0から3.0重量パーセント)の1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点(好ましくは250℃未満の融点)を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および、2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、及びe)の重量パーセントが、前記熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、
前記溶融混合組成物から調製され、1000時間の試験期間にわたって空気雰囲気中で230℃の試験温度に曝露され、ISO 527−2/1BAに従って試験された厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセントの引張強度保持率を有する熱可塑性溶融混合組成物。 - 前記半結晶性ポリアミド樹脂が、グループ(III)ポリアミドであり、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA66/6T)である、請求項1に記載の熱可塑性溶融混合組成物。
- 前記半結晶性ポリアミド樹脂が、
ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)及びポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(PA66+PA66/6T)と;
ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)及びポリ(カプロラクタム)(PA66+PA6)と;
ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)及びポリ(カプロラクタム)(PA66/6T+PA6)と、
ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド)、ポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド、及びポリ(カプロラクタム)(PA66+PA66/6T+PA6)と
からなる群から選択される半結晶性ポリアミドのブレンドである、請求項1に記載の熱可塑性溶融混合組成物。 - 前記1種または複数のポリエポキシ化合物が70から200のエポキシド当量を有する、請求項1に記載の熱可塑性溶融混合組成物。
- 前記1種または複数のポリエポキシ化合物がトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)である、請求項4に記載の熱可塑性溶融混合組成物。
- 前記1種または複数のカルボン酸化合物が250℃未満の融点を有する、請求項4に記載の熱可塑性溶融混合組成物。
- 前記多価酸が、デカン二酸及びドデカン二酸(DDDA)からなる群から選択される、請求項6に記載の熱可塑性溶融混合組成物。
- 前記半結晶性ポリアミド樹脂がポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド)(PA66/6T)であり;
前記補強剤が、ガラス繊維及び非円形断面を有するガラス繊維、並びにこれらの混合物からなる群から選択され;
前記1種または複数のポリエポキシ化合物がトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)であり、1.0から3.0重量パーセントで存在し;および
前記多価酸が、デカン二酸及びドデカン二酸(DDDA)からなる群から選択され、0.5から3.0重量パーセントで存在し、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと多価酸との重量比が0.5:1から3:1である
請求項1に記載の熱可塑性溶融混合組成物。 - 熱可塑性溶融混合組成物を与える方法であって、
A)ポリアミド−多価酸ブレンドを与える工程であって、
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂であって、
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含む
半結晶性ポリアミド樹脂;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を溶融ブレンドする工程と;
B)前記ポリアミド−多価酸ブレンドを
b)0.50から5.0重量パーセントの1種または複数のポリエポキシ化合物であって、分子あたり平均で少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又は前記ポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
と溶融ブレンドする工程と
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、前記熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいている方法。 - 成分c)、d)、e)、及びf)の1つ以上が、工程B)において、前記ポリアミド−多価酸ブレンドと溶融ブレンドされる、請求項9に記載の方法。
- 前記ポリアミド−多価酸ブレンドを成分b)と溶融ブレンドする工程が、前記1種または複数のポリエポキシ化合物をポンプにより前記ポリアミド−多価酸ブレンドに計量して供給することにより与えられる、請求項9に記載の方法。
- 前記1種または複数のカルボン酸化合物が250℃未満の融点を有する、請求項9に記載の方法。
- 熱可塑性溶融混合組成物を与える方法であって、
A)
a)半結晶性ポリアミドのブレンド、グループ(III)ポリアミド、およびグループ(IV)ポリアミドからなる群から選択される15から89.5重量パーセントの半結晶性ポリアミド樹脂;
b)0.5から5.0重量パーセントの1種または複数のポリエポキシ化合物であって、分子あたり平均で少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又は前記ポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、43から4000g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量(Mn)を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を溶融ブレンドする工程を含み、
前記グループ(III)ポリアミドは、少なくとも230℃の融点を有し、
(aa)約20から約35モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(bb)約65から約80モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;並びに
前記グループ(IV)ポリアミドは、
(cc)約50から約95モルパーセントの半芳香族繰り返し単位であって:
(i)8から20個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する脂肪族ジアミン
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される半芳香族繰り返し単位と;
(dd)約5から約50モルパーセントの脂肪族繰り返し単位であって:
(ii)6から20個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸及び4から20個の炭素原子を有する前記脂肪族ジアミン;並びに
(iii)4から20個の炭素原子を有するラクタム及び/又はアミノカルボン酸
からなる群の1つまたは複数から選択されるモノマーから誘導される脂肪族繰り返し単位と
を含み;
成分a)、b)、c)、d)、e)、及びf)の重量パーセントが、前記熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、前記溶融ブレンド中、成分b)ポリエポキシ化合物及びc)カルボン酸化合物が同時に加えられる方法。 - 前記1種または複数のカルボン酸化合物が250℃未満の融点を有する、請求項13に記載の方法。
- 熱可塑性溶融混合組成物であって、
a)15から89.5重量パーセントのポリ(ヘキサメチレンヘキサンジアミド);
b)0.50から5.0重量パーセントの、1種または複数のポリエポキシ化合物であって、分子あたり平均で少なくとも2から5個のエポキシ基を含み、計算により、又は前記ポリエポキシ化合物がオリゴマーである場合、ASTM D1652−11法を利用する滴定により決定される、210〜1200g/当量のエポキシド当量を有し、および8000未満の数平均分子量を有するポリエポキシ化合物;
c)約0.25から5.0重量パーセントの1種または複数のカルボン酸化合物であって、280℃未満の融点を有し、多価酸、酸アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、および2000未満の数平均分子量を有するカルボン酸化合物;
d)10から60重量パーセントの補強剤;
e)0から30重量パーセントのポリマー性強化剤;並びに
f)0から10重量パーセントのさらなる添加剤;
を含み、
成分a)、b)、c)、d)、及びe)の重量パーセントが前記熱可塑性溶融混合組成物の総重量に基づいており、
前記溶融混合組成物から調製され、空気雰囲気中で230℃の試験温度で1000時間の試験期間曝露され、ISO 527−2/1BAに従って試験される厚さ2mmのテストバーが、同一組成及び形状の曝露されていない対照のものと比べて、平均で、少なくとも30パーセントの引張強度保持率を有する
熱可塑性溶融混合組成物。
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