JP2004339505A - ポリアミド樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】木粉などの植物繊維を資源として再利用でき、また、非強化のポリアミドに比べて強度や剛性が高く、耐熱性に優れた材料として利用できる、天然由来の有機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物、それからなる成形品を提供する。
【解決手段】(a)ポリアミド樹脂、(b)天然由来の有機充填材を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記(a)ポリアミド樹脂の98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度が1.6〜2.6、かつ(a)ポリアミド樹脂の融点が200℃を超え300℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、それからなる成形品により解決できる。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)ポリアミド樹脂、(b)天然由来の有機充填材を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記(a)ポリアミド樹脂の98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度が1.6〜2.6、かつ(a)ポリアミド樹脂の融点が200℃を超え300℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、それからなる成形品により解決できる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリアミド樹脂に天然由来の有機充填材を補強材として配合したポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品に関し、強度、剛性、耐熱性を向上すると共に、成形品外観に優れたポリアミド樹脂組成物および成形品に関するものである。
環境・リサイクルの観点から熱可塑性樹脂に天然繊維を補強材として配合した樹脂材料の提案がある。例えば、特許文献1や特許文献2には、古紙から解繊した植物繊維を熱可塑性樹脂、特にポリオレフィンに配合して成形した自動車部品が開示されている。また、特許文献3には、熱可塑性樹脂に古紙を混練する方法が、特許文献4には、植物繊維と熱可塑性樹脂を配合して複合素材を得る方法が開示されている。
しかし、これら特許文献で例示されている熱可塑性樹脂は、いずれもポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンであり、ポリアミド樹脂に対して、上記のように植物繊維を配合したコンパウンド材料に関する具体的な記載はされていない。
特開平11−228848号公報([0004]〜[0010]段落)
特開平11−221418号公報([0004]〜[0008]段落)
特開平11−226956号公報([0006]〜[0014]段落)
特開2001−181513号公報([0005]〜[0008]段落)
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンはポリアミド系樹脂に対して強度等の観点で劣るため、これを用いて植物繊維を配合したコンパウンド材料とし、成形品を作製しても強度や剛性が低く耐熱性に劣るものであった。また、特許文献3には、熱可塑性樹脂の一例としてポリアミド樹脂であるナイロン6が記載されているが、ナイロン6やナイロン66のように汎用的に用いられるナイロン樹脂では、これに植物繊維を配合したコンパウンドを製造しようとすると、溶融混練工程において植物繊維がガスを激しく発生して分解し、成形品に加工可能な樹脂組成物を得ることができないという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題を解消し、天然由来の有機充填材を分解させることなく補強材として機能させ、ポリアミド樹脂の耐熱性と強度、剛性を一層向上すると共に、成形加工時の金型汚れを防止し、優れた成形外観が得られるようにするポリアミド樹脂組成物、並びにそれからなるポリアミド樹脂成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のポリアミド樹脂と天然由来の有機充填材、特にパルプ、紙などの植物繊維を用いることによって、溶融混練、成形過程における植物繊維の分解問題を解決でき、強度や剛性が高く、かつ耐熱性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)(a)ポリアミド樹脂と(b)天然由来の有機充填材を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記(a)ポリアミド樹脂の98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度が1.6〜2.6、かつ(a)ポリアミド樹脂の融点が200℃を超え300℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、
(2)前記ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して(b)天然由来の有機充填材の含有量が20〜80重量%である(1)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(3)ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して(c)タルクを0.01〜10重量%含むことを特徴とする(1)または(2)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(4)ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品のASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が180℃以上、260℃以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(5)(a)ポリアミド樹脂がナイロン6であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(6)(a)ポリアミド樹脂がヘキサメチレンアジパミド単位とヘキサメチレンイソフタルアミド単位とカプロアミド単位とからなる3元共重合体であり、かつ、各繰り返し構造単位の共重合割合が、ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量部、カプロアミド単位1〜10重量部およびカプロアミド単位に対するヘキサメチレンイソフタルアミド単位の比が1以上であることを満足することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(7)(b)天然由来の有機充填材がパルプ、紙から選ばれる一種以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(8)(b)天然由来の有機充填材が古紙であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹脂成形品、
を提供するものである。
(1)(a)ポリアミド樹脂と(b)天然由来の有機充填材を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記(a)ポリアミド樹脂の98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度が1.6〜2.6、かつ(a)ポリアミド樹脂の融点が200℃を超え300℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、
(2)前記ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して(b)天然由来の有機充填材の含有量が20〜80重量%である(1)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(3)ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して(c)タルクを0.01〜10重量%含むことを特徴とする(1)または(2)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(4)ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品のASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が180℃以上、260℃以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(5)(a)ポリアミド樹脂がナイロン6であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(6)(a)ポリアミド樹脂がヘキサメチレンアジパミド単位とヘキサメチレンイソフタルアミド単位とカプロアミド単位とからなる3元共重合体であり、かつ、各繰り返し構造単位の共重合割合が、ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量部、カプロアミド単位1〜10重量部およびカプロアミド単位に対するヘキサメチレンイソフタルアミド単位の比が1以上であることを満足することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(7)(b)天然由来の有機充填材がパルプ、紙から選ばれる一種以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(8)(b)天然由来の有機充填材が古紙であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物、
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹脂成形品、
を提供するものである。
本発明により、耐熱性、強度、成形品外観に優れ、成形時の金型汚染が少ない樹脂組成物が得られ、自動車部品、電機・電子部品、などの特に耐熱性を必要とする成形品用に適したポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる(a)ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするナイロンである。本発明において用いるポリアミドの原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂は98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度が1.6〜2.6、好ましくは1.9〜2.4であることが必要である。
相対溶液粘度が1.6〜2.6の範囲である場合には天然由来の有機充填材を均一に分散することができるため、本発明の樹脂組成物を用いた成形品の強度、剛性を高く維持することができる。また、相対溶液粘度が1.9〜2.4である場合には、有機充填材の分散性を特に向上することができる。
さらに本発明のポリアミド樹脂は示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度20℃/minで測定した結晶融解ピークトップを融点としたときの融点が200℃を超え300℃以下であることが必要である。融点が200℃を超え300℃以下である場合は天然由来の有機充填材の分解がわずかであり、かつ従来に比べ著しく耐熱性の良い成形品を得ることができる。
本発明においては上記の溶融粘度と融点の条件を満たすポリアミド樹脂で有れば良く、例えばナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6/66/610コポリマー、ナイロン6/12コポリマー、ナイロン66/6I/6コポリマー、ナイロン6/66/610/12コポリマーなどの共重合体を好ましいポリアミドとして挙げることがでる。
特に好ましいポリアミドの例としては、ナイロン6、ナイロン66/6I/6コポリマーである。ナイロン66/6I/6コポリマーとは、ヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)とヘキサメチレンイソフタルアミド単位(PA6I)とカプロアミド単位(PA6)とからなる3元共重合体(66/6I/6)であり、かつ、各繰り返し構造単位の共重合割合が、ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量部、カプロアミド単位1〜10重量部好ましくは2〜7重量部、およびカプロアミド単位に対するヘキサメチレンイソフタルアミド単位の比が1以上を同時に満足することを特徴とするポリアミドである。ヘキサメチレンアジパミド単位の共重合割合が65重量部未満では本来ポリアミドがもつ優れた強度特性や耐熱性などを発揮することができず、一方、90重量部を超すと外観が悪くなる。また、カプロアミド単位が1重量部未満では外観を改善することができない。カプロアミド単位が10重量部を超える場合やカプロアミド単位に対するヘキサメチレンイソフタルアミド単位の比が1未満の場合では耐熱性の面で好ましくない。
各繰り返し構造単位の共重合割合がヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量部、カプロアミド単位1〜10重量部好ましくは2〜7重量部、およびカプロアミド単位に対するヘキサメチレンイソフタルアミド単位の比が1以上を同時に満足することにより、天然由来の有機充填材を含有したポリアミド樹脂において優れた機械特性、耐熱性を得ることができる。
したがって、ポリアミド樹脂と天然由来の有機充填材からなるポリアミド樹脂組成物であって、相対溶液粘度、融点が上記範囲にあることにより、従来にない特に顕著な特性を有する樹脂組成物を得ることができる。
更にこれらのポリアミド樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
本発明で用いる(b)天然由来の有機充填材とは天然物から採取されたものであればよく、植物系充填材、動物系充填材のいずれでも良い。植物系充填材としては、木材、パルプ、セルロース、紙、合板、竹材などの切削くず、研磨くず、木粉のような粉砕物、綿、麻、竹、ケナフ、わら、バガスなどの植物繊維、籾殻などの穀物や果実の殻やその粉砕物などが挙げられる。動物系充填材としては、絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダなどの動物繊維が挙げられる。これらの天然由来の有機充填材は、天然物から直接採取したものを用いても良いが、地球環境の保護や資源保全の観点から、古紙や古衣、廃木材などの廃材を利用することが好ましい。
これらの有機充填材の形状はチップ状、粉砕物、繊維、粉体など特に限定されるものではない。さらに、これらの中でも、植物系の充填材が好ましく、パルプや紙、特に古紙や古紙パルプ等が好ましい。古紙とは、新聞紙、雑誌、その他の再生パルプ、またはボール紙、紙管等であり、植物繊維を原料として加工されたものであれば、その種類は問わない。
本発明において(b)天然由来の有機充填材の含有量はポリアミド樹脂組成物全体を100重量%としたときに20〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは35〜65重量%である。天然由来の有機充填材の含有量が20重量%未満では、充填材による機械的な補強効果が小さくなる可能性があり、また、天然繊維として廃棄物を資源として再利用するという観点からも天然由来の有機充填材の含有量が少ないことは好ましくない。その観点では、天然由来の有機充填材の含有量は多い方が好ましいが、含有量が80重量%を越える場合には、ポリアミド樹脂中に天然由来の有機充填材が均一に分散する事が困難になり、材料としての強度や外観が低下する可能性があるため、好ましくない。天然由来の有機充填材含有量が本発明の範囲にある場合には、天然由来の有機充填材が樹脂を強化し、かつ均一に分散するため、強度等の機械的特性に特に優れる。
本発明で用いられる(c)タルクは天然鉱物から粉砕して採取されたものであれば良く、粒径などは特に限定されるものではない。
本発明において(c)タルクの含有量はポリアミド樹脂組成物全体100重量%に対して0.01〜10重量%であることが好ましい。タルクの含有量が本発明の範囲にある場合には本発明のポリアミド樹脂組成物を射出成形した場合の金型汚れに対する改善に優れた効果を発揮する。
本発明で得られたポリアミド樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹脂成形品のASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度は180℃以上から260℃以下であることが好ましい。荷重たわみ温度が180℃以上であると、自動車用部品、電子・電気部品等の特に耐熱性を要求される分野に用いることができる。
本発明の製造方法としては、特に限定されるものではないが、本発明で用いる(a)ポリアミド樹脂と(b)天然由来の有機充填材とを溶融混練して該ポリアミド樹脂組成物を得る方法がよい。溶融混練できる装置としては、例えば、1軸押出機、2軸押出機、2軸ミキサーなど公知の混練装置を用いることができるが、特に2軸押出機が生産性の面で好ましい。また、溶融混練時に発生する水分や、低分子量の揮発成分を除去する目的で、ベント口を設けることも好ましい。2軸押出機を用いる場合は、(a)ポリアミド樹脂と(b)天然由来の有機充填材をあらかじめブレンダー等でブレンドしておき、それを押出機のフィード口から供給する方法や、(a)ポリアミド樹脂を押出機の上流側フィード口から供給し、(b)天然由来の有機充填材を下流側のフィード口から供給する方法などいずれでも良く、さらに(c)タルクを添加する場合にも(a)ポリアミド樹脂を押出機の上流側フィード口から供給し、(b)天然由来の有機充填材と(c)タルクを下流側のフィード口から供給する方法などが挙げられ、供給の方法にも特に制限はない。
本発明のポリアミド樹脂組成物には一般に樹脂用補強材として用いられる公知のものを併用添加することができる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ステンレス繊維や、アルミニウム繊維などの金属繊維、酸化珪素繊維、セラミック繊維、石膏繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカー、硼酸アルミニウムウィスカーなどのウィスカー、PET繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、液晶ポリエステル繊維などの合成繊維、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、アルミノシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレークセラミックスビーズ、窒化硼素、窒化アルミニウム、炭酸珪素、グラファイトなどがあげられる。
さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で他の常用の各種添加成分、例えば各種エラストマー類などの衝撃性改良材、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、ハロゲン化銅に代表される銅化合物などの耐熱剤、エポキシ化合物、滑剤、耐候剤、顔料、染料、着色剤などの添加剤を添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、公知の方法で成形して繊維、フィルム、樹脂などの成形品とすることができ、また接着剤、塗料などとすることもできる。樹脂としての成形方法としては、具体的には射出成形、押出成形、ブロー成形など公知の成形方法が挙げられる。得られた成形品は軽量で、剛性が高く、表面外観に優れ、更に防震性、遮音性にも優れるので、例えば、スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バックル、ワイヤークリップ、自転車ホイール、キャスター、ヘルメット、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶縁部分、スポイラー、キャニスター、ラジエタータンク、チャンバータンク、リザーバータンク、ヒューズボックス、エアークリーナーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、吸排気パイプ、ベアリングリテーナー、シリンダーヘッドカバー、インテークマニホ−ルド、ウオーターパイプインペラ、クラッチレリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンタリボンガイドなどに代表される電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、家電・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品、シャワーヘッド、すのこ、鍋敷き、ヘアブラシ、ブックエンドなどの日用雑貨品、その他各種用途に有用である。
以下実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
評価項目と測定方法
(1)融点:ポリアミド樹脂のペレットから一部をサンプリングし、セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量計SSC−5200Hを用いて、昇温速度20℃/minで測定した時の結晶融解ピークトップの値を融点とした。
(1)融点:ポリアミド樹脂のペレットから一部をサンプリングし、セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量計SSC−5200Hを用いて、昇温速度20℃/minで測定した時の結晶融解ピークトップの値を融点とした。
(2)引張試験:ASTM 1号ダンベル試験片を用い、ASTM D638に準じて評価した。
(3)曲げ試験:1/2インチ×5インチ×1/4インチの棒状試験片を用い、ASTM D790に準じて評価した。
(4)荷重たわみ温度:1/2インチ×1/4インチの試料を用い、東洋精機社製HDT―TESTERを使用し、ASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した。荷重たわみ温度は耐熱性を表す指標である。
(5)80×80×3(mm)の角板を射出成形し、得られた角板の表面で蛍光灯の反射像の鮮明度を肉眼観察し、外観の指標とした。
◎:表面はなめらかであり、蛍光灯の反射像が明瞭に観察される。
○:表面はなめらかであり、蛍光灯の反射像がやや不明瞭ながらも観察される。
△:表面はやや粗く、蛍光灯の反射像が観察できるがかなり不明瞭である。表面には充填材の浮きが確認できる箇所がある。
×:表面は粗く、蛍光灯の反射像は観察できない。表面には充填材の浮きがある。
◎:表面はなめらかであり、蛍光灯の反射像が明瞭に観察される。
○:表面はなめらかであり、蛍光灯の反射像がやや不明瞭ながらも観察される。
△:表面はやや粗く、蛍光灯の反射像が観察できるがかなり不明瞭である。表面には充填材の浮きが確認できる箇所がある。
×:表面は粗く、蛍光灯の反射像は観察できない。表面には充填材の浮きがある。
(6)80×80×3(mm)の角板を100ショット連続射出成形した後の金型汚れを肉眼観察し、金型汚れの指標とした。
○:金型の汚れは少なく、通常問題のない範囲。
△:金型の汚れがあるが、乾いた布などで拭き取れる範囲。
×:金型の汚れが激しく、金型洗浄剤などを使用して汚れが拭き取れる範囲。
○:金型の汚れは少なく、通常問題のない範囲。
△:金型の汚れがあるが、乾いた布などで拭き取れる範囲。
×:金型の汚れが激しく、金型洗浄剤などを使用して汚れが拭き取れる範囲。
参考例1(ポリアミド樹脂の製造)
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩75重量部、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩20重量部、およびεカプロラクタム5重量部を重合缶に投入し、さらに投入した全原料と同量の純水を加え、重合缶内充分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2.0MPaに調節しながら最終到達温度は270℃とした。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズし、ポリアミド樹脂(a−1)を得た。得られたポリアミドの98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した溶液相対粘度は2.03、融点は233℃であった。
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩75重量部、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩20重量部、およびεカプロラクタム5重量部を重合缶に投入し、さらに投入した全原料と同量の純水を加え、重合缶内充分窒素置換した後、撹拌しながら加温を開始した。缶内圧力は最大2.0MPaに調節しながら最終到達温度は270℃とした。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズし、ポリアミド樹脂(a−1)を得た。得られたポリアミドの98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した溶液相対粘度は2.03、融点は233℃であった。
実施例1
(a)ポリアミド樹脂として参考例1で得られたポリアミド樹脂(a−1)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)紙管を解繊した古紙40重量%をそれぞれ計量計にて計量し、(a)ポリアミド樹脂を上流側フィード口から、(b−1)古紙を下流側のフィード口からシリンダ温度240℃に設定したTEX―30型2軸押出機(日本製鋼所)に投入し、溶融混練して、ポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポリアミド樹脂組成物はペレタイズした後、80℃で10時間真空乾燥し、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い、ASTM試験片を得た。特性の評価結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
(a)ポリアミド樹脂として参考例1で得られたポリアミド樹脂(a−1)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)紙管を解繊した古紙40重量%をそれぞれ計量計にて計量し、(a)ポリアミド樹脂を上流側フィード口から、(b−1)古紙を下流側のフィード口からシリンダ温度240℃に設定したTEX―30型2軸押出機(日本製鋼所)に投入し、溶融混練して、ポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポリアミド樹脂組成物はペレタイズした後、80℃で10時間真空乾燥し、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で射出成形を行い、ASTM試験片を得た。特性の評価結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例2〜3
各原料を表1の配合割合で用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。これらの実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
各原料を表1の配合割合で用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。これらの実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例4
実施例1で用いたポリアミド樹脂(a−1)70重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物30重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例1で用いたポリアミド樹脂(a−1)70重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物30重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例5〜7
各原料を表1の配合割合で用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
各原料を表1の配合割合で用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例8
実施例1で用いたポリアミド樹脂(a−1)70重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉30重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、物性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例1で用いたポリアミド樹脂(a−1)70重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉30重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、物性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例9
(a)ポリアミド樹脂としてナイロン6(98重量%濃硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度2.33、融点225℃)を60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
(a)ポリアミド樹脂としてナイロン6(98重量%濃硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度2.33、融点225℃)を60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例10
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例11
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例12〜14
各原料を表1の配合割合で用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
各原料を表1の配合割合で用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れるものであった。
実施例15
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)58.2重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙38.8重量%と(c)タルク(富士タルク製LMS−300)3重量%をそれぞれ計量計にて計量し、(a)ポリアミド樹脂を上流側フィード口から、(b−2)古紙と(c)タルクを下流側のフィード口から投入する以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れ、さらに表面外観に優れ、金型汚染の少ないものであった。
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)58.2重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙38.8重量%と(c)タルク(富士タルク製LMS−300)3重量%をそれぞれ計量計にて計量し、(a)ポリアミド樹脂を上流側フィード口から、(b−2)古紙と(c)タルクを下流側のフィード口から投入する以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れ、さらに表面外観に優れ、金型汚染の少ないものであった。
実施例16
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)48.5重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙48.5重量%と(c)タルク3重量%を用いる以外は実施例15と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れ、さらに表面外観に優れ、金型汚染の少ないものであった。
実施例9で用いたポリアミド樹脂(a−2)48.5重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙48.5重量%と(c)タルク3重量%を用いる以外は実施例15と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表1に示した。本実施例のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品は強度が高く耐熱性、剛性に優れ、さらに表面外観に優れ、金型汚染の少ないものであった。
比較例1
(a)ポリアミド樹脂としてナイロン6(a−3:濃硫酸中、25℃、濃度1%で測定した相対溶液粘度2.7、融点225℃)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。本比較例ではポリアミド樹脂の相対溶液粘度が高すぎるため、古紙が均一に分散ぜず、それに起因して曲げ弾性率が劣るものとなった。
(a)ポリアミド樹脂としてナイロン6(a−3:濃硫酸中、25℃、濃度1%で測定した相対溶液粘度2.7、融点225℃)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。本比較例ではポリアミド樹脂の相対溶液粘度が高すぎるため、古紙が均一に分散ぜず、それに起因して曲げ弾性率が劣るものとなった。
比較例2
比較例1で用いたポリアミド樹脂(a−3)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。溶解パルプの粉砕物が均一に分散ぜず、それに起因して曲げ弾性率が劣るものとなった。
比較例1で用いたポリアミド樹脂(a−3)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。溶解パルプの粉砕物が均一に分散ぜず、それに起因して曲げ弾性率が劣るものとなった。
比較例3
比較例1で用いたポリアミド樹脂(a−3)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。本比較例ではポリアミド樹脂の相対溶液粘度が高すぎるため、木粉が均一に分散ぜず、それに起因して曲げ弾性率が劣るものとなった。
比較例1で用いたポリアミド樹脂(a−3)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。本比較例ではポリアミド樹脂の相対溶液粘度が高すぎるため、木粉が均一に分散ぜず、それに起因して曲げ弾性率が劣るものとなった。
比較例4
比較例1で用いたポリアミド樹脂(a−3)50重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉50重量%を用いる以外は、実施例1と同様にして溶融混練したが、(a)ポリアミド樹脂に(b)天然由来の有機充填材が分散せず、成形可能なポリアミド樹脂組成物は得られなかった。
比較例1で用いたポリアミド樹脂(a−3)50重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉50重量%を用いる以外は、実施例1と同様にして溶融混練したが、(a)ポリアミド樹脂に(b)天然由来の有機充填材が分散せず、成形可能なポリアミド樹脂組成物は得られなかった。
比較例5
(a)ポリアミド樹脂として6/66共重合ナイロン(a−4:濃硫酸中、25℃、濃度1%で測定した相対溶液粘度2.3、融点190℃)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性を評価した。結果を表2に示した。荷重たわみ温度が低く、耐熱性に劣るものであった。
(a)ポリアミド樹脂として6/66共重合ナイロン(a−4:濃硫酸中、25℃、濃度1%で測定した相対溶液粘度2.3、融点190℃)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用いる以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性を評価した。結果を表2に示した。荷重たわみ温度が低く、耐熱性に劣るものであった。
比較例6
比較例5で用いたポリアミド樹脂(a−4)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。剛性が低く、かつ荷重たわみ温度が低く耐熱性に劣りさらに外観も悪いものであった。
比較例5で用いたポリアミド樹脂(a−4)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−2)溶解パルプの粉砕物40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。剛性が低く、かつ荷重たわみ温度が低く耐熱性に劣りさらに外観も悪いものであった。
比較例7
比較例5で用いたポリアミド樹脂(a−4)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。剛性が低く、かつ荷重たわみ温度が低く耐熱性に劣りさらに外観も悪いものであった。
比較例5で用いたポリアミド樹脂(a−4)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−3)木粉40重量%を用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得、特性の評価を行った。結果を表2に示した。剛性が低く、かつ荷重たわみ温度が低く耐熱性に劣りさらに外観も悪いものであった。
比較例8
(a)ポリアミド樹脂の代わりに、ポリプロピレン(三井住友ポリプロ製J104WA)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用い、シリンダ温度200℃に設定したTEX−30型2軸押出機にて実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。特性の評価を行い、結果を表2に示した。強度、剛性が低く、かつ荷重たわみ温度が特に低く耐熱性に劣りさらに外観も悪いものであった。
(a)ポリアミド樹脂の代わりに、ポリプロピレン(三井住友ポリプロ製J104WA)60重量%と(b)天然由来の有機充填材として(b−1)古紙40重量%を用い、シリンダ温度200℃に設定したTEX−30型2軸押出機にて実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。特性の評価を行い、結果を表2に示した。強度、剛性が低く、かつ荷重たわみ温度が特に低く耐熱性に劣りさらに外観も悪いものであった。
Claims (9)
- (a)ポリアミド樹脂と(b)天然由来の有機充填材を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記(a)ポリアミド樹脂の98重量%硫酸中、25℃、0.01g/ml濃度で測定した相対溶液粘度が1.6〜2.6、かつ(a)ポリアミド樹脂の融点が200℃を超え300℃以下であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- 前記ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して(b)天然由来の有機充填材の含有量が20〜80重量%である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂組成物100重量%に対して(c)タルクを0.01〜10重量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品のASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が180℃以上、260℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- (a)ポリアミド樹脂がナイロン6であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- (a)ポリアミド樹脂がヘキサメチレンアジパミド単位とヘキサメチレンイソフタルアミド単位とカプロアミド単位とからなる3元共重合体であり、かつ、各繰り返し構造単位の共重合割合が、ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量部、カプロアミド単位1〜10重量部およびカプロアミド単位に対するヘキサメチレンイソフタルアミド単位の比が1以上であることを満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- (b)天然由来の有機充填材がパルプ、紙から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- (b)天然由来の有機充填材が古紙であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなるポリアミド樹脂成形品。
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JP2004128973A JP2004339505A (ja) | 2003-04-25 | 2004-04-23 | ポリアミド樹脂組成物および成形品 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007034905A1 (ja) | 2005-09-22 | 2007-03-29 | Fujitsu Limited | 植物系樹脂含有組成物及びそれを用いた植物系樹脂含有成形体 |
-
2004
- 2004-04-23 JP JP2004128973A patent/JP2004339505A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2007034905A1 (ja) | 2005-09-22 | 2007-03-29 | Fujitsu Limited | 植物系樹脂含有組成物及びそれを用いた植物系樹脂含有成形体 |
JP2011236443A (ja) * | 2005-09-22 | 2011-11-24 | Fujitsu Ltd | 植物系樹脂含有組成物及びそれを用いた植物系樹脂含有成形体 |
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