JP2008138049A - ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 成形品の機械的性能、耐熱性が良好で結晶化特性を改良した高い成形性を有するポリ乳酸系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ポリ乳酸樹脂(A)90〜99.8質量部、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)0.1〜5質量部、ならびにアミド系化合物およびヒドラジド系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.1〜5質量部を含有し、かつ成分(A)〜(C)の合計量が100質量部であるポリエステル樹脂組成物、ならびにそのポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステル成形体。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリ乳酸樹脂(A)90〜99.8質量部、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)0.1〜5質量部、ならびにアミド系化合物およびヒドラジド系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.1〜5質量部を含有し、かつ成分(A)〜(C)の合計量が100質量部であるポリエステル樹脂組成物、ならびにそのポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステル成形体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、成形品の機械的性能、耐熱性に優れるポリエステル成形材料に関し、より詳しくは結晶化特性を改良した高い成形性を有するポリ乳酸系樹脂組成物に関するものである。
近年、環境に対する意識の向上から、バイオマス材料が注目されている。中でも、ポリ乳酸は生分解性プラスチックである事から、樹脂廃棄の点においても他の樹脂よりも選択肢が多く有利である。
しかしポリ乳酸は、一般的なポリエステル成形材料であるポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートと比較して結晶化速度が遅い。このため、耐熱性の高い成形品を射出成形により得るには、高温の金型を使用し、かつ著しく長い結晶化時間を設定する必要がある。これに伴い、成形時間も長くなり生産コストが上昇してしまうという問題があった。成形サイクルを短縮するために、低温金型を使用する方法が考えられるが、成形品が非晶状態となるため、機械特性や耐熱性が劣り、用途が限定されるという問題がある。
しかしポリ乳酸は、一般的なポリエステル成形材料であるポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートと比較して結晶化速度が遅い。このため、耐熱性の高い成形品を射出成形により得るには、高温の金型を使用し、かつ著しく長い結晶化時間を設定する必要がある。これに伴い、成形時間も長くなり生産コストが上昇してしまうという問題があった。成形サイクルを短縮するために、低温金型を使用する方法が考えられるが、成形品が非晶状態となるため、機械特性や耐熱性が劣り、用途が限定されるという問題がある。
これらの問題点を解決するために、ポリ乳酸にアミド系やヒドラジド系の有機核剤に、無機核剤としてタルクを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、芳香環を有するホスホン酸金属塩を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、これらの方法で達成できる射出成形サイクルは、現行使用されている他樹脂と比較すると未だ長く、さらなる改良が望まれる。
特開2004−323742号公報
特開2004−352873号公報
特開2006−89587号公報
本発明は、成形品の機械的性能、耐熱性が良好で結晶化特性を改良した高い成形性を有するポリ乳酸系樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、ポリ乳酸樹脂(A)90〜99.8質量部、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)0.1〜5質量部、ならびにアミド系化合物およびヒドラジド系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.1〜5質量部を含有し、かつ成分(A)〜(C)の合計量が100質量部であるポリエステル樹脂組成物に関するものであり、そのポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステル成形体に関するものである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は成形性が良好であるため、成形サイクルを短縮することができ、また、本発明のポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステル成形体は、機械的性能が高く、かつ耐熱性に優れる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)90〜99.8質量部、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)0.1〜5質量部、ならびにアミド系化合物およびヒドラジド系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.1〜5質量部を含有し、かつ成分(A)〜(C)の合計量が100質量部である。
まず最初に、成分(A)について説明する。成分(A)はポリ乳酸樹脂であり、L−乳酸またはD−乳酸から導かれる単位からなるホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー及びこれらの混合物をいう。ポリ乳酸の乳酸成分以外の成分としては、特に制限されないが、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族多価アルコール、脂肪族多塩基酸が挙げられる。ここで、乳酸成分はポリ乳酸樹脂において主成分を形成するものである。ここで主成分とは、全成分の合計を100モル%とした場合に、その内の50モル%以上を占める成分である。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、特に制限されないが、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。脂肪族多価アルコールとしては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。脂肪族多塩基酸としては、特に制限されないが、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等、及びこれらの無水物が挙げられる。
ポリ乳酸樹脂(A)の製造方法としては、特に制限されず、例えば,特公昭56−14688号公報や特開昭59−96123号公報に挙げられる公知の方法で製造することが出来る。
ポリ乳酸樹脂(A)の製造方法としては、特に制限されず、例えば,特公昭56−14688号公報や特開昭59−96123号公報に挙げられる公知の方法で製造することが出来る。
次に、成分(B)について説明する。芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)は、芳香環を有するホスホン酸であれば特に制限されないが、芳香環としてはフェニル基が好ましい。
具体例として、例えば、フェニルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、4−エチルフェニルホスホン酸、2−イソプロピルフェニルホスホン酸、3−ニトロフェニルホスホン酸、4−ニトロフェニルホスホン酸、2−メチル−4−ニトロフェニルホスホン酸、3−メチル−5−ニトロフェニルホスホン酸、2−クロロ−5−メチルフェニルホスホン酸、4−クロロフェニルホスホン酸、4−ブロモフェニルホスホン酸等が挙げられる。
芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)における金属としては、特に制限されないが、周期率表の2Aから4B族の元素であることが好ましく、特に2価の金属元素が好ましい。例えばカルシウム,マグネシウム、亜鉛、銅の塩が挙げられる。これらは1種、または2種以上の併用が可能である。
これら芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)の中でも、フェニルホスホン酸亜鉛、フェニルホスホン酸マグネシウム、フェニルホスホン酸カルシウムが好ましく、フェニルホスホン酸亜鉛が特に好ましい。
具体例として、例えば、フェニルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、4−エチルフェニルホスホン酸、2−イソプロピルフェニルホスホン酸、3−ニトロフェニルホスホン酸、4−ニトロフェニルホスホン酸、2−メチル−4−ニトロフェニルホスホン酸、3−メチル−5−ニトロフェニルホスホン酸、2−クロロ−5−メチルフェニルホスホン酸、4−クロロフェニルホスホン酸、4−ブロモフェニルホスホン酸等が挙げられる。
芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)における金属としては、特に制限されないが、周期率表の2Aから4B族の元素であることが好ましく、特に2価の金属元素が好ましい。例えばカルシウム,マグネシウム、亜鉛、銅の塩が挙げられる。これらは1種、または2種以上の併用が可能である。
これら芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)の中でも、フェニルホスホン酸亜鉛、フェニルホスホン酸マグネシウム、フェニルホスホン酸カルシウムが好ましく、フェニルホスホン酸亜鉛が特に好ましい。
次に、成分(C)について説明する。成分(C)は、アミド系化合物およびヒドラジド系化合物から選ばれる少なくとも1種である。
アミド系化合物は、特に制限されないが、例えば、脂肪族酸もしくは芳香族酸と脂肪族アミンもしくは芳香族アミンとからなる鎖状もしくは環状のアミド化合物、または芳香族酸と複素環で置換されたアミン化合物とからなる鎖状もしくは環状のアミド化合物が挙げられる。これらのアミド化合物の具体例としては、エチレンビスステアリルアミド、安息香酸ステアリルアミド、5−t−ブチル−2−ピロリジノン等が挙げられる。
ヒドラジド化合物は、特に制限されないが、脂肪族酸および/または芳香族酸とヒドラジンとからなる鎖状または環状のヒドラジド系化合物が挙げられる。ヒドラジド系化合物の具体例としては、例えば、ステアリン酸=2−ステアリルヒドラジド、安息香酸=2−ベンゾイルヒドラジド、アジピン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]、セバシン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]、ドデカン二酸ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、フタル酸ヒドラジド等が挙げられる。
アミド系化合物は、特に制限されないが、例えば、脂肪族酸もしくは芳香族酸と脂肪族アミンもしくは芳香族アミンとからなる鎖状もしくは環状のアミド化合物、または芳香族酸と複素環で置換されたアミン化合物とからなる鎖状もしくは環状のアミド化合物が挙げられる。これらのアミド化合物の具体例としては、エチレンビスステアリルアミド、安息香酸ステアリルアミド、5−t−ブチル−2−ピロリジノン等が挙げられる。
ヒドラジド化合物は、特に制限されないが、脂肪族酸および/または芳香族酸とヒドラジンとからなる鎖状または環状のヒドラジド系化合物が挙げられる。ヒドラジド系化合物の具体例としては、例えば、ステアリン酸=2−ステアリルヒドラジド、安息香酸=2−ベンゾイルヒドラジド、アジピン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]、セバシン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]、ドデカン二酸ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、フタル酸ヒドラジド等が挙げられる。
これら成分(C)の中でも、セバシン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]、ドデカン二酸ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]が好ましく、セバシン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]が特に好ましい。
成分(A)の含有量は、(A)〜(C)の合計100質量部に対して90〜99.8質量部である。成分(A)の含有量の下限値は、95質量部以上が好ましく、97質量部以上が特に好ましい。成分(A)の含有量の上限値は、99.7質量部以下がより好ましく、99.6質量部以下が特に好ましい。成分(A)の含有量が90質量部以上の場合に機械的強度が向上する傾向にあり、99.8質量部以下の場合に結晶化が十分となり成形性が良好となる傾向にあるとともに、機械的強度が向上する傾向にある。
成分(B)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して0.1〜5質量部である。成分(B)の含有量の下限値は、0.2質量部以上が好ましく、0.3質量部以上が特に好ましい。成分(B)の含有量の上限値は、3質量部が好ましく、2質量部が特に好ましい。成分(B)の含有量が0.1質量部以上の場合に結晶化が十分となり成形性が良好となる傾向にあるとともに、機械的強度および耐熱性が向上する傾向にある。成分(B)の含有量が5質量部以下の場合に機械的強度および耐熱性が向上する傾向にある。
成分(C)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して0.1〜5質量部である。成分(C)の含有量の下限値は、0.2質量部以上が好ましく、0.3質量部以上が特に好ましい。成分(C)の含有量の上限値は、3質量部が好ましく、2質量部が特に好ましい。成分(C)の含有量が0.1質量部以上の場合に結晶化が十分となり成形性が良好となる傾向にあるとともに、機械的強度および耐熱性が向上する傾向にある。成分(C)の含有量が5質量部以下の場合に機械的強度および耐熱性が向上する傾向にある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)、アミド系化合物およびヒドラジド系化合物の少なくとも1種(C)以外にも、他の成分を含有してもよい。
特に、炭素繊維、グラファイト、金属繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、およびウィスカーから選ばれる少なくとも1種のフィラー(D)を含有することが好ましい。炭素繊維、グラファイト、金属繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、およびウィスカーから選ばれる少なくとも1種のフィラーを含有すると、ポリエステル樹脂組成物の機械的強度、耐熱性、成形性、寸法安定性が良好となる傾向にあり、好ましい。中でも、炭素繊維、ガラス繊維、タルク、マイカがコスト対効果の点で好ましい。
特に、炭素繊維、グラファイト、金属繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、およびウィスカーから選ばれる少なくとも1種のフィラー(D)を含有することが好ましい。炭素繊維、グラファイト、金属繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、およびウィスカーから選ばれる少なくとも1種のフィラーを含有すると、ポリエステル樹脂組成物の機械的強度、耐熱性、成形性、寸法安定性が良好となる傾向にあり、好ましい。中でも、炭素繊維、ガラス繊維、タルク、マイカがコスト対効果の点で好ましい。
炭素繊維、グラファイト、金属繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、およびウィスカーから選ばれる少なくとも1種のフィラー(D)の含有量は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂(A)、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)、アミド系化合物およびヒドラジド系化合物の少なくとも1種(C)の合計100質量部に対し、0.1〜200質量部の範囲が好ましい。この含有量が0.1質量部以上の場合に機械的強度、耐熱性、成形性、寸法安定性が良好となる傾向にあり、200質量部以下の場合に押出性、耐衝撃性が良好となる傾向にある。この含有量の下限値は、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上が特に好ましい。また、この含有量の上限値は、100質量部以下が好ましく、50質量部以下が特に好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記の成分(A)〜(D)成分以外にも、他の成分を含有してもよい。例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、導電性付与剤、顔料等の添加剤、ポリカーボネ−ト、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリ乳酸樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料が挙げられる。
本発明のポリエステル成形体は、本発明のポリエステル樹脂組成物を成形してなるものである。成形方法としては、特に制限されないが、射出成形、押出成形、プレス加工、切削加工等が挙げられる。その中でも生産コスト、形状の自由度、製品の安定性の点から射出成形が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
(1)成形性の評価方法
日本製鋼所製J75SSII射出成形機にて、シリンダー温度設定220℃,ISOダンベル2個取り金型を実温で110℃になる様に温調した。射出時間15秒、中間時間2秒とし、冷却時間を90秒とした条件から成形を開始し、離型可能であれば都度冷却時間を5秒ずつ短縮して成形し、最終的に離型不良を起こす直前の冷却時間設定値を離型可能冷却時間とした。
(1)成形性の評価方法
日本製鋼所製J75SSII射出成形機にて、シリンダー温度設定220℃,ISOダンベル2個取り金型を実温で110℃になる様に温調した。射出時間15秒、中間時間2秒とし、冷却時間を90秒とした条件から成形を開始し、離型可能であれば都度冷却時間を5秒ずつ短縮して成形し、最終的に離型不良を起こす直前の冷却時間設定値を離型可能冷却時間とした。
(2)成形体の評価方法
・曲げ弾性率
離型可能冷却時間で成形したISOダンベルからサンプルを切出し、ISO178に準拠して測定を行った。
・荷重撓み温度
離型可能冷却時間で成形したISOダンベルからサンプルを切出し、ISO75に準拠して0.45MPaにて測定を行った。
・曲げ弾性率
離型可能冷却時間で成形したISOダンベルからサンプルを切出し、ISO178に準拠して測定を行った。
・荷重撓み温度
離型可能冷却時間で成形したISOダンベルからサンプルを切出し、ISO75に準拠して0.45MPaにて測定を行った。
実施例1
二軸押出機(池貝製作所製PCM−30)を用いて、表1に示した成分(表中の数値は質量部を表す)のうち繊維状フィラーを除いた成分をドライブレンドした後にホッパー口へ定量フィーダにて供給し、繊維状フィラーはサイドフィーダ口へ定量フィーダにて供給し、樹脂温度240℃の温度で溶融混練させ、ダイスよりストランド状に吐出し、水冷固化後カットしてペレットとした。なお、押出機の中間に設けられたベント口より減圧し、水分及び揮発物を除去した。得られたペレットを110℃、8時間真空乾燥してポリエステル樹脂組成物を得た。曲げ弾性率及び荷重撓み温度の評価結果を表2に示す。
二軸押出機(池貝製作所製PCM−30)を用いて、表1に示した成分(表中の数値は質量部を表す)のうち繊維状フィラーを除いた成分をドライブレンドした後にホッパー口へ定量フィーダにて供給し、繊維状フィラーはサイドフィーダ口へ定量フィーダにて供給し、樹脂温度240℃の温度で溶融混練させ、ダイスよりストランド状に吐出し、水冷固化後カットしてペレットとした。なお、押出機の中間に設けられたベント口より減圧し、水分及び揮発物を除去した。得られたペレットを110℃、8時間真空乾燥してポリエステル樹脂組成物を得た。曲げ弾性率及び荷重撓み温度の評価結果を表2に示す。
実施例2〜6、比較例1〜5
ポリエステル樹脂組成物の樹脂組成を表1に示した成分に変更すること以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得た。結果を表2に示す
ポリエステル樹脂組成物の樹脂組成を表1に示した成分に変更すること以外は、実施例1と同様の方法でポリエステル樹脂組成物を得た。結果を表2に示す
比較例1は、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)並びにアミド系化合物およびヒドラジド系化合物の少なくとも1種(C)を含有しない例である。その為、成形サイクルの基準冷却時間内でポリエステル樹脂組成物の固化が完了しなかった。ISOダンベル金型においては、特にスプルー部の固化が著しく不十分となり金型開時にスプルーがもげてしまった。
比較例2は、アミド系化合物およびヒドラジド系化合物の少なくとも1種(C)を含有しない例である。その為、実施例1と比較して成形可能な冷却時間が長くなった。また、曲げ弾性率、耐熱性が低いレベルであった。
比較例3は、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)含有しない例である。その為、実施例1と比較して成形可能な冷却時間が長くなった。また、曲げ弾性率、耐熱性が低いレベルであった。
比較例3は、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)含有しない例である。その為、実施例1と比較して成形可能な冷却時間が長くなった。また、曲げ弾性率、耐熱性が低いレベルであった。
比較例4は、成分(B)の含有量が多い例である。成分(B)の含有量が多い場合には、曲げ弾性率、耐熱性が低いレベルであった。
比較例5は、成分(C)の含有量が多い例である。成分(C)の含有量が多い場合には、曲げ弾性率、耐熱性が低いレベルであった。
表1に記載した材料は、以下のものを用いた。
ポリ乳酸樹脂(A): 三井化学社製 H−100J
ホスホン酸系金属塩(B): フェニルホスホン酸亜鉛
C−1: セバシン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]
C−2: N,N’−ジシクロヘキシルー2,6−ナフタレンジカルボキサミド
C−3: ドデカン二酸ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]
ガラス繊維: 日東紡績社製 CS−3J948SJ
炭素繊維: 三菱レイヨン社製 TR06U
タルク1: 林化成社製 #5000A(核剤)
タルク2: 林化成社製 PK−Z(フィラー)
安定剤:n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート
ポリ乳酸樹脂(A): 三井化学社製 H−100J
ホスホン酸系金属塩(B): フェニルホスホン酸亜鉛
C−1: セバシン酸ビス[2−(2−ベンゾイル)ヒドラジド]
C−2: N,N’−ジシクロヘキシルー2,6−ナフタレンジカルボキサミド
C−3: ドデカン二酸ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]
ガラス繊維: 日東紡績社製 CS−3J948SJ
炭素繊維: 三菱レイヨン社製 TR06U
タルク1: 林化成社製 #5000A(核剤)
タルク2: 林化成社製 PK−Z(フィラー)
安定剤:n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート
本発明のポリエステル成形体は、生分解性樹脂を使用しているにもかかわらず、機械的性能に優れ、耐熱性が高くため、自動車関連や家電製品関連の電装品分野に好適である。
Claims (3)
- ポリ乳酸樹脂(A)90〜99.8質量部、芳香環を有するホスホン酸系金属塩(B)0.1〜5質量部、ならびにアミド系化合物およびヒドラジド系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.1〜5質量部を含有し、かつ成分(A)〜(C)の合計量が100質量部であるポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の合計100質量部に対して、さらに炭素繊維、グラファイト、金属繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、カオリン、およびウィスカーから選ばれる少なくとも1種のフィラー(D)0.1〜200質量部を含有する請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなるポリエステル成形体。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010260999A (ja) * | 2009-05-11 | 2010-11-18 | Fuji Xerox Co Ltd | 樹脂組成物及び成形体 |
JP2021167430A (ja) * | 2016-05-31 | 2021-10-21 | 丸菱油化工業株式会社 | ポリ乳酸系樹脂用難燃剤及び難燃性樹脂組成物 |
WO2022210240A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | 株式会社クレハ | 成形物および加工品 |
-
2006
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7107607B2 (ja) | 2016-05-31 | 2022-07-27 | 丸菱油化工業株式会社 | ポリ乳酸系樹脂用難燃剤及び難燃性樹脂組成物 |
WO2022210240A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | 株式会社クレハ | 成形物および加工品 |
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