JP2004203254A - 洗車機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、洗車中以外でも車形検出手段の検出を可能として柔軟な運用を可能とする洗車機を提供することを目的とする。
【解決手段】通常は装備品判別装置41のエリアセンサ(車両の高さを検出する透過式光電センサ)のセンサ面は開閉板により外部から遮蔽されており、実際の洗車が実行される前に、進入開始検出センサ74により車両2の進入が検出されると、前記開閉板が開かれてエリアセンサによる車両2の高さの検出が開始される構成とする。この構成によれば、洗車開始前に、装備品判別装置41を車種判別手段として使用して、すなわち装備品判別装置41のエリアセンサにより検出される車両2の高さに基づいて車両2の車種を判別することがができる。このように、洗車中以外でも装備品判別装置41の検出を可能として柔軟な運用を可能としている。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば給油所に設置される洗車機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の洗車機に、被洗浄車両の車形を検出する車形検出手段として複数の投光器と受光器からなる光電スイッチを備えた洗車機がある。このような洗車機では、前記光電スイッチを覆うように回転自在な開閉板が設けられ、作業者が操作パネルのスタートスイッチを操作したことに応答して洗車が開始されると前記開閉板を開き、また洗車機が被洗浄車両の後方に達し、1往路での洗車工程が終了すると、前記開閉板を閉じるようにしている。このように、車形検出時にのみ開閉板を開くことで、光電スイッチに洗車時の水しぶきなどが極力付着しないようにしている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−70860号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成では、洗車機が洗車中にしか車形検出手段を使用することができず、待機中は使用できないことから、車形検出手段を柔軟に使用ができないという問題があった。
【0005】
また操作パネルのスタートスイッチが操作されたことに応答して開閉板が開かれた後、車形検出手段に異常が発見され、洗車が停止してしまうと、多くの場合スタートスイッチが操作される前に洗車料金の支払いが行われているために、料金の返却が必要となり、作業者の負担が増加するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、洗車中以外でも車形検出手段の検出を可能として柔軟な使用を可能とし、さらに作業者の負担を軽減した洗車機を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、被洗浄車両と洗車機本体を相対移動させながら前記被洗浄車両に対して洗車を行う洗車機であって、
相対移動する被洗浄車両を挟んで対向され、前記被洗浄車両の移動方向とは直角な左右位置に垂直方向に並べた複数の透過式光電センサからなり、前記被洗浄車両の高さを検出する高さ検出手段と、前記洗車機本体よる自動洗車に必要な情報を操作入力する操作手段と、利用者が乗車したまま前記操作手段に対する操作入力が可能な位置へ前記被洗浄車両が進入したことを検出する進入検出手段を備え、前記高さ検出手段に、前記透過式光電センサのセンサ面を外部から遮蔽する遮蔽手段を設け、前記進入検出手段により被洗浄車両の進入を検出すると、前記遮蔽手段を開くことを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、通常は遮蔽手段により透過式光電センサのセンサ面は外部から遮蔽されており、進入検出手段により被洗浄車両の進入が検出されると、遮蔽手段が開かれて高さ検出手段による被洗浄車両の高さの検出が開始される。このように、実際の洗車が実行される前(洗車開始前)に、高さ検出手段の使用を可能としている。
【0009】
また請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明であって、前記遮蔽手段を開くとともに、前記高さ検出手段が正常に動作しているかどうかを検出し、正常に動作していないとき、前記操作手段を操作不能とすることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、進入検出手段により被洗浄車両の進入が検出されると、遮蔽手段を開くとともに、高さ検出手段が正常に動作しているかどうかが検出され、正常に動作していないとき、操作手段は操作不能とされる。このように、高さ検出手段の異常により操作手段の操作は不能とされ、コイン、カードなどによる料金の支払いが洗車前に阻止される。
【0011】
また請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明であって、前記洗車機本体に、前記操作手段を昇降自在に設け、前記被洗浄車両の洗車開始時の停止位置への被洗浄車両の移動時に、前記高さ検出手段により検出される被洗浄車両の高さに応じて被洗浄車両の種類を判別し、この判別した被洗浄車両の種類により、前記操作手段を昇降することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、被洗浄車両の洗車開始時の停止位置へ被洗浄車両の移動時に高さ検出手段により検出される被洗浄車両の高さに応じて被洗浄車両の種類が判別され、この判別した被洗浄車両の種類により操作手段が昇降される。このように、高さ検出手段は洗車開始前に他の運用に使用される。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明であって、前記高さ検出手段により相対移動する被洗浄車両の前端から後端までの高さ検出が終了すると、前記遮蔽手段を閉じることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、高さ検出手段により相対移動する被洗浄車両の前端から後端までの高さ検出が終了すると、遮蔽手段が閉じられ、洗車時の水しぶきなどが極力、高さ検出手段に付着しないように保護される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態における洗車機の側面図、図2は同洗車機の正面図、図3と図4は同洗車機内の機器の配置図である。図示する洗車機は、ドライブスルータイプの洗車機(洗車機本体の前方から所定の停止位置へ進入した被洗浄車両を洗車終了後に後方へ通り抜け退場させる方式のセルフ洗車機)としている。
【0016】
図1〜図4において、1は被洗浄車両である車両2を跨ぎ、車両2の前後方向に走行する門型の洗車機本体であり、洗車機本体1は、車両2の洗浄を行う洗浄手段を備えた前部本体1Aと、車両2の乾燥を行う乾燥手段を備えた後部本体1Bに分離され、前部本体1Aと後部本体1Bはそれぞれ複数個の輪体3を介して床面4に敷設された一対のレール5の上をそれぞれ別個に走行可能とされ、実行可能な複数の洗車コース(洗車処理)の中から選択された一つの洗車コースに基づいて、被洗浄車両2と洗車機本体1を車両2の前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両2に対して洗車を行う洗車機が構成されている。また前部本体1Aと後部本体1Bは、ワイヤ(索体)6により接近・離間自在に接続されている。
また前部本体1Aの後端の両側には、洗浄水や洗剤やワックス液を噴霧するスプレー装置(図示せず)を取り付けるためのパネル9が突設されている。
【0017】
上記パネル9を含む前部本体1A内には、上記車両2の洗浄手段として、前面より順に車両2のブラッシング手段である、洗車機本体1の走行方向(前後方向)と直角な方向(以下、左右方向と称す)に出退自在で車両2のタイヤおよび下部側面を洗浄する左右一対のロッカーブラシ13と、上下方向に移動自在で被洗浄車両2の上面を洗浄するトップブラシ14と、前記左右方向に横行自在で車両2の前後面および両側面を洗浄する一対のサイドブラシ18が設けられ、さらに洗浄水や洗剤やワックス液を噴霧する多数のスプレー装置(図示せず)が設けられている。
【0018】
また前部本体1Aの前端部に、前方に突出させて、洗車機本体1による自動洗車に必要な情報を操作入力する操作パネルなどが配列された操作ボックス(操作手段の一例)23が昇降自在に設けられ、さらに車両2の運転者に車両2の進入および停止を報知する手段として、緑色ランプからなる進入信号灯24と赤色ランプからなる停止信号灯25が設けられている。
【0019】
また前部本体1Aの下端には、前部本体1がホームポジション(HP;走行開始位置)にあることを検出するリミットスイッチからなる前部本体HP検出センサ27と前部本体1Aがエンドポジション(EP;走行終了位置)にあることを検出するリミットスイッチからなる前部本体EP検出センサ28が設けられている。またサイドブラシ18には、サイドブラシ18が車両2に接触して傾いたことにより動作して車両2を検出するリミットスイッチからなる車体検出センサ29(図8)が設けられている。また図4に示すように、前部本体1Aと後部本体1B間に、給電およびデータの授受に使用される配線を支持するアーム30が設けられている。
【0020】
また後部本体1B内には、車両2の乾燥手段として、上下方向に移動自在で被洗浄車両2の上面を乾燥するトップノズル31と、前記左右方向に横行自在で車両2の両側面を乾燥する左右一対のサイドノズル32が設けられ、さらに両ノズル31,32に同時に連通して風を供給する左右一対のブロワ装置33が設けられている。また後部本体1Bの下端には、後部本体1Bがホームポジション(HP;走行開始位置)にあることを検出するリミットスイッチからなる後部本体HP検出センサ34と後部本体1Bがエンドポジション(EP;走行終了位置)にあることを検出するリミットスイッチからなる後部本体EP検出センサ35が設けられ、さらに後部本体1Bの後端には、車両2の後端を検出する光電センサからなる後端検出センサ36が設けられている。
【0021】
また図4に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bとの閉限(接近)・開限(離間)を検出する検出手段として、後部本体1Bの前端から前部本体1Aに向けて一対の被検出体37Aが突出され、前部本体1Aにこれら一対の被検出体37Aを支持案内する案内レール37Bが設けられ、前部本体1Aの前端に一方の被検出体37Aの先端の進入により動作するリミットスイッチからなる減速用の閉限減速検出センサ38と停止用の閉限停止検出センサ39が設けられ、また前部本体1Aの後端に他方の被検出体37Aの先端の後退により動作するリミットスイッチからなる減速用の開限減速検出センサ49と停止用の開限停止検出センサ50が設けられている。
【0022】
また前部本体1Aと後部本体1B間における物や人の存在を検出する挟まれ検出手段として、複数のセット(図4では2セット)の透過型光電センサ(透過型光電検出手段)からなる挟まれ検出センサ40(投光器40A,受光器40B)が設けられている。この挟まれ検出センサ40の投光器40Aは後部本体1Bに,挟まれ検出センサ40の受光器40Bは前部本体1Aに設けられている。
【0023】
また図3,図4に示すように、前部本体1Aの前端部には、垂直に1列に配置された複数の透過型光電センサからなる装備品判別装置(高さ検出手段の一例)41が設けられており、この装備品判別装置41により車両2の洗車開始時の停止位置(詳細は後述する)へ車両2が進入するとき、車両2のボンネット高さを連続して検出し、また最初の往行時に車両2の車体形状(装備品を含む)を判別している。また前部本体1Aの前端部下方で、装備品判別装置41より後方に、前部本体1Aへ進入した車両2を検出する光電センサからなる前部本体車両検出センサ42が設けられている。
【0024】
上記車両2の洗車開始時の停止位置は、ホームポジションHPに位置している状態の前部本体1Aの前方に、車両2の前輪2Aが洗車開始時に停止する位置として配置され、この停止位置に車両2が進入したことを車両2の前輪2Aの検知により検出する光電センサからなるタイヤ検出センサ(停止検出手段の一例)43が床面4に設けられている。
【0025】
また前部本体1Aには、前部本体1Aの輪体3の回転軸に連結され、輪体3を駆動することにより前部本体1Aを走行させる前部本体走行駆動装置(走行モータを含む)45(図8)と、輪体3の回転を検出する前部本体エンコーダ46(図8)が設けられ、また同様に後部本体1Bには、後部本体1Bの輪体3の回転軸に連結され、輪体3を駆動することにより後部本体1Bを走行させる後部本体走行駆動装置(走行モータを含む)47(図8)と、輪体3の回転を検出する後部本体エンコーダ48(図8)が設けられている。上記前部本体走行駆動装置45と後部本体走行駆動装置47は、それぞれ走行モータとこの走行モータ用インバータから構成され、インバータは後述する前進指令、後進指令に応じて走行モータを駆動して本体1A,1Bを所定速度で前進または後進させ、後述する減速指令に応じて走行速度を減速させる。なお、インバータは前進指令と後進指令をともに入力していないときは走行を停止させている。
【0026】
また図1に示すように、走行レール5の先端前方に、車両2の洗車位置への進入をコントロールする遮断機51と、車両2の車高が洗車機本体1の制限高さ以下であるかどうかを、車両2が接触することにより回転して検出する接触式の進入センサ52が設けられ、また走行レール5の後端後方には車両2の運転者へ洗車終了による退場(洗車位置からの脱出)を促す出口信号灯53が設けられている。
【0027】
上記操作ボックス23は、図5に示すように、前部本体1Aの前端部から前方に突出されている支持体58の先端に垂設された昇降装置(操作ボックスの昇降手段)59上に配置されており、操作ボックス23はこの昇降装置59により昇降自在とされている。また昇降装置59の前面にセンサボックス60が配置されている。
【0028】
また操作ボックス23には、図5に示すように、雨よけカバー61が天井部から正面(車両2に対向する面)に向けて取り付けられ、正面上部には、洗車料金の払い込み装置として、プリペイドカード・リーダライタ62、紙幣投入機63、コイン投入機64、返却レバー65が設けられ、また下方部に釣銭の返却口66が設けられている。
【0029】
また正面中央部左側に、洗車機本体1による自動洗車に必要な情報を操作入力する操作手段として操作パネル68が設けられている。この操作パネル68は、複数の洗車コースの中から一つの洗車コースを選択可能な画面が少なくとも表示される液晶表示パネル69とこの液晶表示パネル69の表面に設置されたタッチパネル70から構成され、またこの操作パネル68の表面を自動で閉じ、また開放するエア駆動式のスライド扉(覆い手段)71が設けられている。前記液晶表示パネル69に順に表示される画面の手順にしたがって、タッチパネル70を操作することにより、実行する洗車コース、洗車開始(スタート)などの情報が入力される。
【0030】
また操作ボックス23の前面に正面に向けて操作ボックス23に手が届かないときに操作し、前部本体1Aを前方へ移動させる押釦スイッチからなる前方移動ボタン72が設けられ、また操作ボックス23の後面に正面に向けて操作ボックス23に手が届かないときに操作し、前部本体1Aを後方へ移動させる押釦スイッチからなる後方移動ボタン73が設けられている。さらにセンサボックス60の正面には、運転者(利用者)が乗車したまま操作ボックス23に対する操作入力が可能な位置(車両2の洗車開始時の停止位置)へ車両2が進入したことを検出する進入検出手段として、反射型光電スイッチからなる進入開始検出センサ74が設けられている。また操作ボックス23の前方側面には異常発生時の報知手段としてブザー75が設けられている。
【0031】
上記昇降装置59は、昇降用エアシリンダ76のピストン76Aが支持体58に垂直に固定され、ロッド76Bの先端が操作ボックス23の底面に固定され、また操作ボックス23は昇降装置59の外枠77に案内されて垂直に昇降されるように構成されている。
【0032】
この昇降装置59と前記スライド扉71のエア配管図を図6に示す。
前部本体1に設けたエアポンプ(図示せず)から昇降装置59とスライド扉71用の一次エアが、図6に示すように、支持体58内の配管81、および昇降装置59内のコイルチューブ82(図5)を介してセンサボックス60内の分流器83へ供給されている。
【0033】
また図6において、84は分流器83より一方のエアが供給される4ポート3位置電磁切換弁からなる昇降用電磁弁であり、この電磁弁84の一方の電磁コイル84Aが励磁されている間、昇降装置59内のコイルチューブ85を介してエアが昇降用エアシリンダ76のピストン76Aへ供給されてロッド76Bが上昇し、他方の電磁コイル94Bが励磁されている間、昇降用エアシリンダ76のピストン76Aのエアが抜けてロッド76Bが下降するように配管されている。
【0034】
また図6において、86は分流器83より他方のエアが供給される4ポート3位置電磁切換弁からなるスライド扉用電磁弁であり、この電磁弁86の一方の電磁コイル86Aが励磁されている間、エアがスライド扉71のスライド扉用エアシリンダ87のピストン87Aの一方の空気室へ供給されてロッド87Bが右方向、すなわちスライド扉71が開く方向へ移動し、他方の電磁コイル86Bが励磁されている間、エアがレギュレータ88を介してスライド扉用エアシリンダ87のピストン87Aの他方の空気室へ供給されロッド87Bが左方向、すなわちスライド扉71が閉じる方向へ移動するように配管されている。
【0035】
また上記装備品判別装置41は、図7に示すように、前部本体1Aの左右に対向して配置され、対向する面に内部を密閉する開閉板90を設けた縦方向に長い箱状のブラケット91と、各ブラケット91内に垂直に配置された透過式光電センサからなるエリアセンサ92(投光器群92Aと受光器群92B)と、これらエリアセンサ92を上下で支持する支持部材93と、開閉板90を回転する回転装置94から構成されている。開閉板90は、エリアセンサ92(透過式光電センサ)のセンサ面を外部から遮蔽する遮蔽手段を構成しており、上下にそれぞれ設けた垂直軸に支持されてブラケット91の内側へ開くようになっており、またブラケット91の前面エッジ91Aにより開閉板90が前部本体1Aの内方(車両2が通過する側)へ開くことがないようにし、車両2へ接触して車両2を損傷することがないようにしている。また前記回転装置94として、垂直軸の下端に軸支された第1歯車95と、この第1歯車95に歯合された第2歯車96と、この第2歯車96の回転軸に連結された回転用電動モータ97が設けられ、回転用電動モータ97の駆動により、第2歯車96、第1歯車95を介して開閉板90の垂直軸が回動され、開閉板90の開閉が行われる。
【0036】
上記構成の洗車機の制御構成図を図8に示す。
図示するように、前部本体1Aに内蔵されたマイクロコンピュータからなる制御装置(制御手段)101、この制御装置101に接続される、前部本体エンコーダ46、後部本体エンコーダ48、装備品判別装置41、タイヤ検出センサ43、進入開始検出センサ74など各種センサからなるセンサ系102、前部本体走行駆動装置45、後部本体走行駆動装置47、各ブラシ13,14,18と、各乾燥用ノズル31,32、ブロワ装置33、昇降用電磁弁94、スライド扉用電磁弁86、回転用電動モータ97などからなる駆動系103、操作ボックス23、進入信号灯24、停止信号灯25、遮断機51、および出口信号灯53から構成されている。
【0037】
制御装置101は操作ボックス23からの起動、停止などの操作信号、センサ系102からの検出信号を入力して記憶し、これら操作信号、検出信号に応じて、駆動系103、進入信号灯24、停止信号灯25、遮断機51、および出口信号灯53を制御して洗車機本体1全体の動作を制御し、洗車動作を実行している。
【0038】
以下、制御装置101において操作ボックス23の昇降を実行する制御部と操作ボックス23のスライド扉71の開閉を実行する制御部のブロック図を図9に示す。
【0039】
進入開始検出センサ74の車両検出信号によりリセット・スタートされ、タイヤ検出センサ43の車両検出信号を入力するまで時間tを計測する時間計測部105と、
進入開始検出センサ74の車両検出信号によりリセット・スタートされて、所定時間毎に、時間計測部105より計測されている経過時間tと、そのときの装備品判別装置41により検出される車両2の高さhを組(一対)として、タイヤ検出センサ43の車両検出信号を入力するまで記憶する形状データ格納部106と、
タイヤ検出センサ43の車両検出信号を入力すると、形状データ格納部106により記憶された、経過時間tと車両2の高さhの対のデータにより、車両2のボンネット部の形状を認識し、ワンボックスタイプまたはミニバンタイプの車両2と認識すると、認識信号を出力する車両形状判断部107と、
この車両形状判断部107の認識信号を入力すると、予め設定された一定時間(操作ボックス23の上昇時間)オンとなる励磁信号(パルス信号)を昇降用電磁弁84の上昇側電磁コイル84Aヘ出力する第1出力回路108と、
車両2の運転者により操作ボックス23のタッチパネル70が操作されて入力される、洗車スタートのタッチ信号(スタート信号)によりカウントを開始し、予め設定された所定時間に下降信号を出力する第1タイマー109と、
この第1タイマー109の下降信号を入力すると、予め設定された一定時間(操作ボックス23の下降時間)オンとなる励磁信号(パルス信号)を昇降用電磁弁84の下降側電磁コイル84Bヘ出力する第2出力回路110と、
進入開始検出センサ74の車両検出信号がオンし、かつ前部本体車両検出センサ42の車両検出信号がオンとなると、予め設定された一定時間(スライド扉71の開時間)オンとなる励磁信号(パルス信号)をスライド扉用電磁弁86の開操作側電磁コイル86Aへ出力する第3出力回路111と、
上記スタート信号によりカウントを開始し、予め設定された所定時間に閉信号を出力する第2タイマー112と、
この第2タイマー112の閉信号を入力すると、予め設定された一定時間(スライド扉71の閉時間)オンとなる励磁信号(パルス信号)をスライド扉用電磁弁86の閉操作側電磁コイル84Bヘ出力する第4出力回路113
が設けられている。
【0040】
上記出力回路108,110,111,113は、たとえば回路入力信号によりカウントを開始するタイマーを設け、回路入力信号がオンで、かつタイマーの出力がオフのときに回路出力信号をオンとするように構成すると、タイマーが動作するまで、回路出力信号がオンとなるパルス出力信号を得ることができる。
【0041】
この制御装置101の構成による操作ボックス23の昇降と操作ボックス23のスライド扉71の開閉の動作を、図10を参照しながら説明する。
運転者が乗車したまま車両2が進入され、操作ボックス23に設けた進入開始検出センサ74により進入が検出されると、時間計測部105により経過時間tが計測され、所定時間毎にこの経過時間tと装備品判別装置41により検出されている車両2の高さhが組として記憶され、タイヤ検出センサ43により車両2の前輪2Aが検出されると{図10(a)の状態}、これら記憶が終了される。
このとき、図10(b)に示すように、横軸を時間t、縦軸を車高hとしたデータが蓄積され、この蓄積データに基づいて、すなわち進入開始検出センサ74により車両2の進入開始が検出されてから、タイヤ検出センサ43より前記停止位置へ車両2が停止したことを検出するまで、車両2のボンネット部の高さ検出が行われることにより、車両形状判断部107により車両2のボンネット部の形状が認識される。図10(b)に、ワンボックスタイプの車両2のボンネット部形状と普通タイプの車両2のボンネット部形状を示す。車両形状判断部107は、車両2のボンネット部の形状がワンボックスタイプまたはミニバンタイプの車両2と認識すると、認識信号を出力し、この認識信号により昇降用電磁弁84の上昇側電磁コイル84Aへ一定時間励磁信号が出力され、図6に示す昇降用エアシリンダ76ヘエアが供給され、ロッド76Bが伸びて操作ボックス23が上昇される。
【0042】
また進入開始検出センサ74により車両2が検出され、続いて前部本体1Aに設けた前部本体車両検出センサ42により車両2が検出されると、スライド扉用電磁弁86の開操作側電磁コイル86Aへ一定時間励磁信号が出力され、図6に示すスライド扉用エアシリンダ87の一方の空気室ヘエアが供給され、ロッド87Bが右方向、すなわちスライド扉71が開く方向へ伸びてスライド扉71が開く。これによって、操作パネル68が使用可能となる。
【0043】
そして、車両2の運転者により操作ボックス23の操作パネル68のタッチパネル70が操作されてスタート信号が入力されると、すなわち操作ボックス23による操作入力が終了すると、第1タイマー109に設定された一定時間後に昇降用電磁弁84の下降側電磁コイル84Bへ一定時間励磁信号が出力され、図6に示す昇降用エアシリンダ76からエアが抜けて、ロッド76Bが縮んで操作ボックス23が下降され、また第2タイマー112に設定された一定時間後にスライド扉用電磁弁86の閉操作側電磁コイル86Bへ一定時間励磁信号が出力され、図6に示すスライド扉用エアシリンダ87の他方の空気室ヘエアが供給され、ロッド87Bが左方向、すなわちスライド扉71が閉じる方向へ縮んでスライド扉71が閉じる。
【0044】
上記操作ボックス23の昇降とスライド扉71の開閉の動作を行う制御装置101による洗車開始前の動作、装備品判別装置41の開閉板90の開閉動作、および前部本体1Aと後部本体1Bとブラシ13,14,18と乾燥用ノズル31,32の動作を、図11〜図13のフローチャートおよび図14〜図16に示す動作説明図に基づいて説明する。なお、前部本体HP検出センサ27の動作信号によりリセットされ、前部本体エンコーダ46から出力されるパルスをカウントすることにより、前部本体1AのHPからの走行距離xを検出し、後部本体HP検出センサ34の動作信号によりリセットされ、後部本体エンコーダ48から出力されるパルスをカウントすることにより、後部本体1BのHPからの走行距離yを検出し、またこれら走行距離x,yにより前部本体1Aと後部本体1Bの離間距離を求めているものとする。また装備品判別装置41の開閉板90およびスライド扉71は閉じた状態になっているものとする。また選択される洗車のモードやコースおよびブラシ13,14,18の駆動に合わせて駆動されるスプレー装置の駆動の説明は省略している。また接触式の進入センサ52が動作すると、停止表示灯25が点灯されて車両2の運転者に洗車ができないことが報知されるものとする。
【0045】
図14(a)に示すように、洗車が可能な状態、すなわち前部本体1Aが、図10に示すように前部本体1Aの装備品判別装置41の取付け位置とタイヤ検出センサ43の位置がほぼ一致する洗車開始位置(前部本体1AのHPからの走行距離xにより予め設定されている位置)に停止し、遮断機51が開かれ、進入表示灯24が点灯している状態で、車両2の進入が開始される。
【0046】
利用者が乗車したまま操作ボックス23に対する操作入力が可能な洗車停止位置(車両2の洗車開始時の停止位置)へ車両2が進入し、進入開始検出センサ74により進入が検出されると(ステップ−1)、装備品判別装置41の回転用電動モータを一定時間、開閉板90を開く方向へ駆動して、開閉板90を開操作し(ステップ−2)、続いてこの装備品判別装置41のエリアセンサ92が正常に動作しているか、すなわち車両2が進入していない状態(遮断するものがない状態)が検出されているかを判断する(ステップ−3)。エリアセンサ92が正常ではないと判断すると、操作ボックス23のブザー75を鳴動させ(ステップ−4)、操作ボックス23を操作不能とし(ステップ−5)、終了する。操作ボックス23を操作不能とする動作としては、スライド扉71は閉じたままとし、プリペイドカード・リーダライタ62、紙幣投入機63、コイン投入機64へカード、紙幣、コインの受付、投入をできないようにする。なお、フザー75の鳴動は、操作ボックス23の裏面に配置したリセットボタン(図示せず)等により停止できるようにしている。
【0047】
上記ステップ−3においてエリアセンサ92が正常と判断されると、上記昇降装置59による操作ボックス23の昇降制御が開始され(ステップ−6)、続いて前部本体車両検出センサ42により車両2が検出されると(ステップ−7)、スライド扉71が開操作され(ステップ−8)、続いてタイヤ検出センサ43により車両2の前輪2Aが検出されると(ステップ−9)、停止信号灯25を点灯し、進入信号灯24を消灯して車両2の停止を報知し(ステップ−10)、上記昇降制御により車両2がワンボックスタイプあるいはミニバンタイプと認識すると(ステップ−11)、操作ボックス23を上昇する(ステップ−12)。
【0048】
これにより図14(b)に示すように、タイヤ検出センサ43により車両2の前輪2Aが検知されると、停止信号灯25が点灯され、停止信号灯25の点灯に応じて車両2が洗車開始位置へ停止され、またこのとき、車両2がワンボックスタイプあるいはミニバンタイプのとき操作ボックス23が上昇されて、運転席より操作がしやすい高さに調節される。
【0049】
続いて操作ボックス23により洗車に必要な洗車モードが設定され、洗車スタートの入力を確認すると(ステップ−13)、遮断機51へ閉指令を出力し(ステップ−14)、一定時間後に、スライド扉71を閉じ、また車両2がワンボックスタイプあるいはミニバンタイプのとき操作ボックス23を下降する(ステップ−15)。続いて、前部本体走行駆動装置45へ前部本体1Aの後進指令を出力し(ステップ−16)、前部本体HP検出センサ27の動作信号を確認すると(ステップ−17)、前部本体走行駆動装置45への後進指令をオフ、すなわち停止指令を出力する(ステップ−18)。
【0050】
これにより図14(c)に示すように、操作ボックス23による洗車に必要なデータの入力が終了すると、遮断機51が閉じられて次の車両2の進入が阻止され、またスライド扉71が閉じられ、操作ボックス23は下降され、続いて前部本体1AはHP位置まで後退し、洗車開始準備が終了する。
【0051】
続いて洗車開始準備終了後の前部本体1Aと後部本体1Bとブラシ13,14,18と乾燥用ノズル31,32の動作を説明する。
上記のように洗車開始準備が終了すると、装備品判別装置41により車両2の車高の検出を開始する(ステップ−19)。この装備品判別装置41による(最初の)前進時(往行時)の車両2の車高は連続して検出・記憶され、車体形状(装備品を含む)が判別され、この判別された車体形状に応じてトップブラシ14とトップノズル31の昇降制御が実行される。
【0052】
続いてブラシ13,14,18の回転指令信号を出力し(ステップ−20)、続いてロッカーブラシ11による洗車指令信号を出力し(ステップ−21)、前部本体走行駆動装置45へ前部本体1Aの前進指令を出力する(ステップ−22)。
【0053】
これにより前記回転指令信号に応答してブラシ13,14,18が回転駆動され、図14(d)に示すように、前部本体1Aの前進が開始され、ロッカーブラシ11による車両2のタイヤと側面下部の洗浄が実行される。
【0054】
さらに前部本体1Aが、設定離間距離{一定走行(距離)の一例;前部本体1Aと後部本体1B間の最大離間距離を設定している}L移動すると(ステップ−23)、後部本体走行駆動装置47へ後部本体1Bの前進指令を出力する(ステップ−24)。これにより前部本体1Aと後部本体1B間に最大の離間距離Lが設けられた状態で、後部本体1Bがともに前進を開始する。
【0055】
続いて図14(e)に示すように、サイドブラシ18が閉じた状態で車両2の前面に接触して傾き、車体検出センサ29の検出信号を入力すると(ステップ−25)、前部本体1Aと後部本体1Bの前進指令をオフとし、すなわち停止指令を出力し(ステップ−26)、続いて前部本体1Aの後進指令を出力し(ステップ−27)、車体検出センサ29の信号がオフとなると(ステップ−28)、前部本体1Aの後進指令をオフとし、すなわち前部本体1Aの停止指令を出力し(ステップ−29)、サイドブラシ18の開指令を出力する(ステップ−30)。
【0056】
これにより前部本体1Aと後部本体1Bは前進した後、車体検出センサ29の信号により停止し、続いて前部本体1Aが後進し、図14(f)に示すようにサイドブラシ18が接触した状態となったときに停止し、サイドブラシ18により車両2の前面が洗浄される。
【0057】
続いてトップブラシ14が車両2の先端に位置するように、前部本体1Aの後進指令を出力し(ステップ−31)、トップブラシ14の駆動指令を出力する(ステップ−32)。
【0058】
これにより、前部本体1Aが後進し、トップブラシ14が車両2に向けて下降する。
そして前部本体1Aの走行距離により車両2の先端位置にトップブラシ14が位置したことを確認すると(ステップ−33)、前部本体1Aの停止指令を出力する(ステップ−34)。
【0059】
これにより図15(g)に示すように、前部本体1Aが、トップブラシ14が車両2の先端に位置した状態で停止する。このときサイドブラシ18は開状態にあり、前部本体1Aと後部本体1Bとの距離は前部本体1Aが後進した距離だけ縮まっている。
【0060】
続いて、トップブラシ14とサイドブラシ18の洗車指令信号を出力し(ステップ−35)、前部本体1Aの前進指令を出力する(ステップ−36)。
これにより図15(h)に示すように、トップブラシ14とサイドブラシ18により車両2の上面および両側面の洗浄を実行しながら前部本体1Aは前進を開始する。さらに前部本体1Aが、前進して設定離間距離L離れると(ステップ−37)、後部本体1Bの前進指令を出力する(ステップ−38)。
【0061】
これにより図15(i)に示すように、後部本体1Bの移動が開始される。
続いて、乾燥用ノズル31,32のブロワ装置33の送風指令を出力し(ステップ−39)、乾燥用ノズル31,32の駆動指令を出力する(ステップ−40)。
【0062】
これにより図15(j)、図15(k)に示すように、トップノズル31は車両2の先端まで下降し、乾燥用ノズル31,32による車両2の上面と両側面の乾燥が開始される。このとき、ブラシ13,14,18による車両2の洗浄が実行されており、ブラシ13,14,18と乾燥用ノズル31,32との距離は設定離間距離(最大離間距離)Lとされている。
【0063】
続いて、前部本体車両検出センサ42がオフ、すなわち車両2の後端を装備品判別装置41が通過すると(ステップ−41)、装備品判別装置41による車形の判別を終了し(ステップ−42)、装備品判別装置41の回転用電動モータを一定時間、開閉板90を閉じる方向へ駆動して、開閉板90を閉操作する(ステップ−43)。
【0064】
続いて、サイドブラシ18が車両2の後面まで移動し、後面へ回って車両2の後面の洗浄が終了すると(ステップ−44)、前部本体1Aの停止指令を出力し(ステップ−45)、各ブラシ13,14,18へ駆動停止指令を出力する(ステップ−46)。
【0065】
これにより図15(l)に示すように、サイドブラシ18が車両2の後面に位置する状態で前部本体1Aが停止し、各ブラシ13,14,18の駆動が停止される。また、乾燥用ノズル31,32による車両2の乾燥が実行されながら、後部本体1Bは前進を続ける。
【0066】
続いて閉限減速検出センサ38の動作を確認すると(後部本体1Bが前部本体1Aへ接近すると)(ステップ−47)、前部本体1Aの前進指令を出力する(ステップ−48)。
【0067】
これにより図16(m)に示すように、前部本体1Aと後部本体1Bはともに前進を続ける。
そして、前部本体EP検出センサ28の動作により前部本体1Aが、エンドポジション(走行終了位置)に到達したことを確認すると(ステップ−49)、前部本体1Aの前進指令をオフとし、すなわち停止指令を出力し(ステップ−50)、後部本体EP検出センサ35の動作により後部本体1Bが、エンドポジション(走行終了位置)に到達したことを確認すると(ステップ−51)、後部本体1Bの前進指令をオフとし、すなわち停止指令を出力し(ステップ−52)、乾燥用ノズル31,32およびブロワ装置33の駆動停止指令を出力する(ステップ−53)。
【0068】
これにより図16(n)に示すように、前部本体1Aと後部本体1BがともにエンドポジションEPへ停止し、各乾燥用ノズル31,32およびブロワ装置33の駆動が停止される。
【0069】
続いて出口信号灯53へ点灯指令を出力する(ステップ−54)。
これにより出口信号灯53が点灯し、図16(o)に示すように、車両2の運転者は車両2を退場させる。
【0070】
続いて車両2の退出を確認すると(ステップ−55)、出口信号灯53へ消灯指令を出力し(ステップ−56)、前部本体1Aおよび後部本体1Bの後進指令を出力し(ステップ−57)、前部本体HP検出センサ27の動作により前部本体1Aが、上記洗車開始位置(前部本体1AのHPからの走行距離xにより予め設定されている)まで後退したことを確認すると(ステップ−58)、前部本体1Aの後進指令をオフとし、すなわち停止指令を出力し(ステップ−59)、後部本体HP検出センサ34の動作により後部本体1Bが、ホームポジションに到達したことを確認すると(ステップ−60)、後部本体1Bの後進指令をオフとし、すなわち停止指令を出力し(ステップ−61)、続いて遮断機51へ開指令を出力し(ステップ−62)、進入表示灯24を点灯して(ステップ−63)終了する。上記車両2の退出の確認は、たとえば車両2の車輪が移動したことを検出するセンサ等の動作により確認される。
【0071】
これにより図16(p)に示すように、前部本体1Aが洗車開始位置に停止し、後部本体1BがホームポジションHPへ戻り、遮断機51が開き、進入表示灯24が点灯して、最初の洗車が可能な状態とされる。
【0072】
このように、前部本体1Aと後部本体1Bがそれぞれ別個に走行駆動され、図15(j)、図15(k)、図15(l)に示すように、洗浄中の洗浄手段と乾燥中の乾燥手段との距離を最大距離(設定離間距離)Lに離間することができ、よって洗浄中の水しぶきにより、乾燥が阻害されることを防止でき、乾燥の仕上がりを常に良好とすることができ、また乾燥中の送風により洗浄が阻害されることを防止でき、洗浄を常に良好とすることができる。
【0073】
以上の本実施の形態によれば、通常は装備品判別装置41の開閉板90によりエリアセンサ(透過式光電センサ)92のセンサ面は外部から遮蔽されており、実際の洗車が実行される前に、進入開始検出センサ74により車両2の進入が検出されると、開閉板90が開かれてエリアセンサ92による車両2の高さの検出が開始されることにより、洗車開始前において、車両2のボンネット部(先端部)の形状により車種を判別することが可能となり、装備品判別装置41を車種判別手段として使用することができる。このように装備品判別装置41による車形判別の機能以外の使用を可能とし、すなわち洗車中以外でも装備品判別装置41の検出を可能とすることで、柔軟な運用を実現している。
【0074】
また本実施の形態によれば、進入開始検出センサ74により車両2の進入が検出されると、開閉板90を開くとともに、エリアセンサ92が正常に動作しているかどうかが検出され、正常に動作していないとき、操作ボックス23は操作不能とされることにより、操作ボックス23による洗車料金の支払い、すなわちコイン、カードのなどによる料金の支払いが洗車前に阻止され、よって料金の返却が不要となり、作業者の負担を軽減することができる。
【0075】
また本実施の形態によれば、車両2の洗車開始時の停止位置へ車両2の移動時に装備品判別装置41により検出される車両2の高さに応じて車両2の種類が判別され、この判別した車両2の種類により操作ボックス23が昇降されることにより、最初往行時に車両2の車体形状(装備品を含む)を判別する装備品判別装置41を、洗車開始時の停止位置へ車両2が進入するとき車両2のボンネット高さを連続して検出する高さ検出手段として使用(兼用)でき、よって他の車高センサを設ける必要がなくなり、コストを軽減することができる。また操作ボックス23の高さが自動調節されることにより、車両2の運転席が普通車の運転席より高いワンボックスタイプやミニバンタイプのとき、操作ボックス23の高さを高くすることにより、操作ボックス23の操作性を改善することができる。
【0076】
また本実施の形態によれば、装備品判別装置41により相対移動する車両2の前端から後端までの高さ検出が終了すると、開閉板90が閉じられることにより、洗車時の水しぶきなどが極力、装備品判別装置41のエリアセンサ92に付着しないように保護することができる。
【0077】
また本実施の形態によれば、操作ボックス23は洗車機本体1に取り付けられており、操作ボックス23による操作入力が終了すると、洗車が開始される前に操作ボックス23が下降されることにより、洗車中の振動により発生する操作ボックス23の昇降装置59への負担および洗車機本体1への負担を軽減することができる。
【0078】
また本実施の形態によれば、進入開始検出センサ74により車両2の進入が検出されてから、タイヤ検出センサ43により停止位置へ車両2が進入したことを検出するまで、車両2のボンネット高さの検出が行われ、これら区間の高さの変化軌跡により車両の形状が認識されることにより、車両2の形状の認識精度を向上させることができる。
【0079】
また本実施の形態によれば、洗車が実行される前にスライド扉71が閉じられることにより、洗車に伴い水しぶきが操作パネル68にかかることを防止でき、また洗車を行う車両2が進入するまで開かれることがないため、いたずらにより洗車機が動作してしまうことを防止することができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、装備品判別装置41の開閉板90を回転駆動する装置94として電動モータ97を使用しているが、電動モータ97に限ることはなく、エアシリンダなどを使用することもできる。また開閉板90をブラケット91の内側へ開くようにしているが、必ずしも内側でなくてもよく、外側へ開くようにすることも可能である。
【0081】
また本実施の形態では、操作ボックス23を前部本体1Aに設けているが、必ずしも洗車機本体1(前部本体1A)に設ける必要はなく、洗車機本体1とは別途、床面4に設けることができる。このとき、操作ボックス23は、車両2が洗車開始位置(洗車開始時の停止位置)に停止したときに操作可能な位置に配置する。また進入開始検出センサ74により車両2の進入が検出されると開閉板90を開いてエリアセンサ92による車両2の高さの検出を開始しているが、操作ボックス23を遮断機51の手前前方に設けるとき、操作ボックス23の操作により開閉板90を開いてエリアセンサ92による車両2の高さの検出を開始するようにしてもよい。
【0082】
また本実施の形態では、進入検出手段として設けた進入開始検出センサ74を光電センサで形成し、また停止位置検出手段として設けたタイヤ検出センサ43を光電センサで形成しているが、このような光電センサに限ることはなく、車両2、車両2の車輪(前輪2A)を検出できる手段であればよく、たとえば超音波センサなど使用することもできる。
【0083】
また本実施の形態では、進入検出手段として進入開始検出センサ74を、操作ボックス23に設けているが、必ずしも操作ボックス23に設ける必要はなく、床面4に設けることができる。このとき、進入開始検出センサ74は、洗車開始位置へ車両2の進入動作を検出することができる位置に配置する。
【0084】
また本実施の形態では、洗車機本体1(前部本体1Aと後部本体1B)のみを移動させ、洗車機本体1と車両2を相対移動させて車両2の洗車を行っているが、前部本体1Aと後部本体1Bを接近・離間させながら移動させるとともに、ローラコンベヤ(車両移動手段)を用いて車両2を前後に移動させ、相対移動するようにすることもできる。また洗車機は、洗車機本体1を前部本体1Aと後部本体1Bに分離して独立して走行可能なタイプとしているが、洗車機は、分離していない公知の一体型のタイプであってもよく、また洗車機本体1を固定し、車両2をローラコンベヤなどの移動手段で移動させながら洗車を行う連続洗車機のタイプであってもよい。
【0085】
また本実施の形態では、前部本体1Aと後部本体1Bを接近・離間自在に接続する索体としてワイヤ6を使用しているが、ワイヤに限ることなく、チェーンなど他の索体を使用してもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、進入検出手段により被洗浄車両の進入が検出されると、遮蔽手段が開かれて高さ検出手段による被洗浄車両の高さの検出が開始されることにより、洗車開始前に、高さ検出手段を車種判別手段として使用して、車種を判別することができ、このように洗車中以外でも高さ検出手段を使用することで、柔軟な運用を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における洗車機の概略側面図である。
【図2】同洗車機の正面図である。
【図3】同洗車機の本体の機器配置図である。
【図4】同洗車機の本体の機器配置図である。
【図5】同洗車機の操作ボックスの正面図である。
【図6】同洗車機の操作ボックスのエア配管図である。
【図7】同洗車機の装備品判別装置の構成図である。
【図8】同洗車機の制御構成図である。
【図9】同洗車機の制御装置の操作ボックスの昇降制御とスライド扉の開閉制御の動作を示すブロック図である。
【図10】同洗車機の制御装置による操作ボックスの昇降制御の説明図である。
【図11】同洗車機の制御装置の洗車動作手順を順に示すフローチャートである。
【図12】同洗車機の制御装置の洗車動作手順を順に示すフローチャートである。
【図13】同洗車機の制御装置の洗車動作手順を順に示すフローチャートである。
【図14】同洗車機の制御方法の手順を順に示す説明図である。
【図15】同洗車機の制御方法の手順を順に示す説明図である。
【図16】同洗車機の制御方法の手順を順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 洗車機本体
1A 前部本体
1B 後部本体
2 被洗浄車両
5 走行レール
13 ロッカーブラシ
14 トップブラシ
18 サイドブラシ
23 操作ボックス
31 トップノズル
32 サイドノズル
41 装備品判別装置
42 前部本体車両検出センサ
43 タイヤ検出センサ
45 前部本体走行駆動装置
46 前部本体エンコーダ
47 後部本体走行駆動装置
48 後部本体エンコーダ
68 操作パネル
71 スライド扉
74 進入開始検出センサ
90 開閉板
92 エリアセンサ
97 回転用電動モータ
101 制御装置

Claims (4)

  1. 被洗浄車両と洗車機本体を相対移動させながら前記被洗浄車両に対して洗車を行う洗車機であって、
    相対移動する被洗浄車両を挟んで対向され、前記被洗浄車両の移動方向とは直角な左右位置に垂直方向に並べた複数の透過式光電センサからなり、前記被洗浄車両の高さを検出する高さ検出手段と、
    前記洗車機本体よる自動洗車に必要な情報を操作入力する操作手段と、
    利用者が乗車したまま前記操作手段に対する操作入力が可能な位置へ前記被洗浄車両が進入したことを検出する進入検出手段
    を備え、
    前記高さ検出手段に、前記透過式光電センサのセンサ面を外部から遮蔽する遮蔽手段を設け、
    前記進入検出手段により被洗浄車両の進入を検出すると、前記遮蔽手段を開くこと
    を特徴とする洗車機。
  2. 前記遮蔽手段を開くとともに、前記高さ検出手段が正常に動作しているかどうかを検出し、正常に動作していないとき、前記操作手段を操作不能とすること
    を特徴とする請求項1に記載の洗車機。
  3. 前記洗車機本体に、前記操作手段を昇降自在に設け、
    前記被洗浄車両の洗車開始時の停止位置への被洗浄車両の移動時に、前記高さ検出手段により検出される被洗浄車両の高さに応じて被洗浄車両の種類を判別し、この判別した被洗浄車両の種類により、前記操作手段を昇降すること
    を特徴とする請求項2に記載の洗車機。
  4. 前記高さ検出手段により相対移動する被洗浄車両の前端から後端までの高さ検出が終了すると、前記遮蔽手段を閉じること
    を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の洗車機。
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