JP2004201408A - 車両の制御装置および制御方法 - Google Patents

車両の制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フューエルカット領域を拡大して燃費を向上させる。
【解決手段】車両の減速中に、エンジン100の回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットを実行するフューエルカット実行回路と、フューエルカット実行回路によるフューエルカットの開始時に、エンジン100と駆動輪との間の動力伝達系に発生するトルク変動を抑制するモータジェネレータ500と、モータジェネレータ500によるトルク変動の抑制が可能であるときには、予め定められた範囲を規定するエンジン100の回転数の上限値を変更するECT_ECU400とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンおよび電動機を搭載した車両の制御装置に関し、特に、フューエルカットの開始またはフューエルカットからの復帰の際に、動力伝達系のトルク変動に起因して発生するショックを防止、または、フューエルカット領域を広げて燃費の向上を実現できる車両の制御装置および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両において、フューエルカット中に運転者が加速要求を行なうと、フューエルカットから復帰してエンジントルクが急激に立ち上がる。このとき、エンジンからトルクコンバータ、自動変速機を含む車両の動力伝達系にトルク変動が発生し、車両の運転者に不快なショックが伝わることになる。
【0003】
特開2002−166754公報(特許文献1)は、このようなフューエルカット復帰時に発生するショックを低減する車両の制御装置を開示する。
【0004】
この特許文献1に開示された制御装置は、エンジンと電動機(以下、「電動機」または「モータジェネレータ」と記載する。)とを備えたハイブリッド車両を制御する装置であって、車両の加減速状態を検出する加減速状態検出回路と、加減速状態検出回路により減速状態が検出されると、エンジンへの燃料供給を停止する燃料カット回路と、加減速状態検出回路により減速状態が検出されると、モータジェネレータによりエネルギを回生する回生制御回路と、燃料カット回路による燃料供給の停止時に、エンジンの吸気系に設けられたスロットルバルブを所定開度以上に維持するスロットル制御回路と、加減速状態検出回路により加速状態が検出されると、燃料カット回路を停止させて燃料供給を開始するとともに、燃料供給の開始に対して遅延させて回生制御回路の回生を停止させる回生停止遅延回路とを含む。
【0005】
この特許文献1に開示された制御装置によると、車両の減速時には、エンジンへの燃料供給が停止されるとともに、モータジェネレータによる回生が行われ、このときの回生トルクを増加させるためにエンジンのスロットル開度が所定開度以上に維持される。そして、その後に加速が開始されると、燃料供給が開始されるとともにスロットル開度が元に戻される。このとき、吸気管容積に起因して吸入空気の減少が遅延するが、モータジェネレータの回生の停止は、これらの処理に遅延して行われる。よって、燃料供給の開始時にはモータジェネレータの回生によりトルクが吸収され、スロットル開度の変化に対する吸入空気の減少遅れにより過剰トルクが発生しても、この過剰トルクは十分に抑制される。その結果、減速後の加速時に十分なトルク抑制を行って、過剰トルクによる加速ショックの発生を確実に防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−166754公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された制御装置では、フューエルカットの開始タイミングやフューエルカットからの復帰タイミングを変更するものではなく、フューエルカットによる燃費の向上を図るものではない。また、さらに、フューエルカットからの復帰後にモータジェネレータをジェネレータとして作動させてエネルギを回生させることによりショックを防止するものでしかなく、他の場合のフューエルカットの開始時およびフューエルカットからの復帰時などにおけるショックの防止には適用できない。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フューエルカットの開始およびフューエルカットからの復帰の際に発生するショックを防止できる、車両の制御装置および制御方法を提供することである。さらにこの発明の別の目的は、フューエルカットの開始およびフューエルカットからの復帰に伴うショックを防止して、フューエルカット領域を広げて燃費の向上を実現できる、車両の制御装置および制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る制御装置は、エンジンと電動機とを搭載した車両を制御する。この制御装置は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、フューエルカット実行手段によるフューエルカットの実行前に、電動機により車両の変速機の入力軸トルクを低減するように、電動機を制御するための制御手段とを含む。
【0010】
第1の発明によると、フューエルカット実行手段によりフューエルカットが開始される前に、電動機をジェネレータとして作動させて、動力伝達系を被駆動状態にする。このように電動機により入力軸トルクを低減させておいて、フューエルカットを開始させても、駆動状態から被駆動状態へ急激な変化が発生しないので、フューエルカットが開始されたときのショックの発生を防止できる。その結果、フューエルカットの開始の際に発生するショックを防止することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0011】
第2の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、スロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方を検知するための検知手段をさらに含む。制御手段は、検知手段によりスロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方が全閉状態であることが検知されると、電動機により入力軸トルクを低減するように、電動機を制御するための手段を含む。
【0012】
第2の発明によると、フューエルカットの開始前であって、スロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方が全閉であるタイミングで、電動機により入力軸トルクを低減させておいて、フューエルカットを開始させることができる。
【0013】
第3の発明に係る制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御手段は、フューエルカット実行手段によるフューエルカットの開始前に入力軸トルクの低減を開始し、その後低減量を増大させ、フューエルカットの開始時に入力軸トルクの低減量がピークになり、その後低減量を減少させるように、電動機を制御するための手段を含む。
【0014】
第3の発明によると、最もトルク変動が大きく、大きなショックが発生するフューエルカットの開始時に、電動機による負のトルクがピークになるように、電動機が制御される。その後、徐々に負のトルクが小さくなるように制御されるので、制御終了後の状態変化をスムーズに処理できる。
【0015】
第4の発明に係る制御装置は、エンジンと電動機とを搭載した車両を制御する。この制御装置は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、フューエルカット実行手段によるフューエルカットからの復帰前に、電動機により車両の変速機の入力軸トルクを増加するように、電動機を制御するための制御手段とを含む。
【0016】
第4の発明によると、フューエルカット実行手段によりフューエルカットが復帰される前に、電動機をモータとして作動させて、動力伝達系にトルクを付与しておく。このように電動機で動力伝達系にトルクを付与しておいて、フューエルカットから復帰させても、被駆動状態から駆動状態への急激な変化が発生しないので、フューエルカットから復帰したときのショックの発生を低減できる。その結果、フューエルカットからの復帰の際に発生するショックを防止することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0017】
第5の発明に係る制御装置においては、第4の発明の構成に加えて、制御手段は、フューエルカット実行手段によるフューエルカットからの復帰前に入力軸トルクの増加を開始し、その後増加量を増大させ、フューエルカットからの復帰時に入力軸トルクの増加量がピークになり、その後増加量を減少させるように、電動機を制御するための手段を含む。
【0018】
第5の発明によると、最もトルク変動が大きく、大きなショックが発生するフューエルカットからの復帰時に、電動機による正のトルクがピークになるように、電動機が制御される。その後、徐々に正のトルクが小さくなるように制御されるので、制御終了後の状態変化をスムーズに処理できる。
【0019】
第6の発明に係る車両の制御装置は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、フューエルカット実行手段によるフューエルカットの開始時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制するための抑制手段と、抑制手段によるトルク変動の抑制が可能であるときには、予め定められた範囲を広げるように変更するための変更手段とを含む。
【0020】
第6の発明によると、抑制手段は、フューエルカットの開始時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する。このようなフューエルカットの開始時のトルク変動により発生するショックを抑制できると、変更手段がフューエルカット領域を広げるように、フューエルカット範囲を規定するエンジン回転数の範囲を変更することができる。すなわち、フューエルカットを開始できるエンジン回転数を下げて、フューエルカットから一旦復帰してエンジン回転数が上昇している状態でアクセルが戻されたときに、フューエルカットされる際のエンジン回転数が下げられるため(すなたちフューエルカットされる領域を広げられるため)、エンジン回転数が低い状態であっても再度フューエルカットされるようになる。このようにすると車両の運転状態によっては、頻繁にフューエルカットからの復帰とフューエルカットの開始とが繰返されるが、抑制手段によりフューエルカットの開始時のショックは抑制されている。その結果、フューエルカット領域を広げて燃費の向上を実現できる、車両の制御装置を提供することができる。
【0021】
第7の発明に係る車両の制御装置は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、フューエルカット実行手段によるフューエルカットからの復帰時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制するための抑制手段と、抑制手段によるトルク変動の抑制が可能であるときには、予め定められた範囲を広げるように変更するための変更手段とを含む。
【0022】
第7の発明によると、抑制手段は、フューエルカットからの復帰時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する。このようなフューエルカットからの復帰時のトルク変動により発生するショックを抑制できると、変更手段がフューエルカット領域を広げるように、フューエルカット範囲を規定するエンジン回転数の範囲を変更することができる。すなわち、フューエルカットを開始できるエンジン回転数を下げて、フューエルカットから一旦復帰してエンジン回転数が上昇している状態でアクセルが戻されたときに、フューエルカットされる際のエンジン回転数が下げられるため(すなたちフューエルカットされる領域を広げられるため)、エンジン回転数が低い状態であっても再度フューエルカットされるようになる。このようにすると車両の運転状態によっては、頻繁にフューエルカットからの復帰とフューエルカットの開始とが繰返されるが、抑制手段によりフューエルカットからの復帰時のショックは抑制されている。その結果、フューエルカット領域を広げて燃費の向上を実現できる、車両の制御装置を提供することができる。
【0023】
第8の発明に係る制御装置においては、第6または7の発明の構成に加えて、抑制手段は、動力伝達系に設けられた電動機をモータとして作動させるための手段を含む。
【0024】
第8の発明によると、フューエルカットの開始時に前もってモータで変速機の入力軸トルクを増加させておくことにより、フューエルカットが開始されても動力伝達系にトルク変動が発生しない。また、フューエルカットからの復帰時に前もってモータで変速機の入力軸トルクを増加させておくことにより、フューエルカットから復帰しても動力伝達系にトルク変動が発生しない。
【0025】
第9の発明に係る制御装置においては、第6または7の発明の構成に加えて、抑制手段は、動力伝達系に設けられた電動機をジェネレータとして作動させるための手段を含む。
【0026】
第9の発明によると、フューエルカットの開始時に前もってジェネレータで変速機の入力軸トルクを低減させておくことにより、フューエルカットが開始されても動力伝達系にトルク変動が発生しない。また、フューエルカットからの復帰時に前もってジェネレータで変速機の入力軸トルクを低減させておくことによりフューエルカットから復帰しても動力伝達系にトルク変動が発生しない。
【0027】
第10の発明に係る制御方法は、エンジンと電動機とを搭載した車両を制御する。この制御方法は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、フューエルカットステップによるフューエルカットの実行前に、電動機により車両の変速機の入力軸トルクを低減するように、電動機を制御する制御ステップとを含む。
【0028】
第10の発明によると、フューエルカット実行ステップによりフューエルカットが開始される前に、電動機をジェネレータとして作動させて、動力伝達系を被駆動状態にする。このように電動機により入力軸トルクを低減させておいて、フューエルカットを開始させても、駆動状態から被駆動状態へ急激な変化が発生しないので、フューエルカットが開始されたときのショックの発生を防止できる。その結果、フューエルカットの開始の際に発生するショックを防止することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0029】
第11の発明に係る制御方法は、第10の発明の構成に加えて、スロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方を検知する検知ステップをさらに含む。制御ステップは、検知ステップによりスロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方が全閉状態であることが検知されると、電動機により入力軸トルクを低減するように、電動機を制御するステップを含む。
【0030】
第11の発明によると、フューエルカットの開始前であって、スロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方が全閉であるタイミングで、電動機により入力軸トルクを低減させておいて、フューエルカットを開始させることができる。
【0031】
第12の発明に係る制御方法においては、第10または11の発明の構成に加えて、制御ステップは、フューエルカット実行ステップによるフューエルカットの開始前に入力軸トルクの低減を開始し、その後低減量を増大させ、フューエルカットの開始時に入力軸トルクの低減量がピークになり、その後低減量を減少させるように、電動機を制御するステップを含む。
【0032】
第12の発明によると、最もトルク変動が大きく、大きなショックが発生するフューエルカットの開始時に、電動機による負のトルクがピークになるように、電動機が制御される。その後、徐々に負のトルクが小さくなるように制御されるので、制御終了後の状態変化をスムーズに処理できる。
【0033】
第13の発明に係る制御方法は、エンジンと電動機とを搭載した車両の制御する。この制御方法は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、フューエルカット実行ステップによるフューエルカットからの復帰前に、電動機により車両の変速機の入力軸トルクを増加するように、電動機を制御する制御ステップとを含む。
【0034】
第13の発明によると、フューエルカット実行ステップによりフューエルカットが復帰される前に、電動機をモータとして作動させて、動力伝達系にトルクを付与しておく。このように電動機で動力伝達系にトルクを付与しておいて、フューエルカットから復帰させても、被駆動状態から駆動状態への急激な変化が発生しないので、フューエルカットから復帰したときのショックの発生を防止できる。その結果、フューエルカットからの復帰の際に発生するショックを防止することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0035】
第14の発明に係る制御方法においては、第13の発明の構成に加えて、制御ステップは、フューエルカット実行ステップによるフューエルカットからの復帰前に入力軸トルクの増加を開始し、その後増加量を増大させ、フューエルカットからの復帰時に入力軸トルクの増加量がピークになり、その後増加量を減少させるように、電動機を制御するステップを含む。
【0036】
第14の発明によると、最もトルク変動が大きく、大きなショックが発生するフューエルカットからの復帰時に、電動機による正のトルクがピークになるように、電動機が制御される。その後、徐々に正のトルクが小さくなるように制御されるので、制御終了後の状態変化をスムーズに処理できる。
【0037】
第15の発明に係る車両の制御方法は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、フューエルカット実行ステップによるフューエルカットの開始時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する抑制ステップと、抑制ステップによるトルク変動の抑制が可能であるときには、予め定められた範囲を広げるように変更する変更ステップとを含む。
【0038】
第15の発明によると、抑制ステップは、フューエルカットの開始時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する。このようなフューエルカットの開始時のトルク変動により発生するショックを抑制できると、変更ステップがフューエルカット領域を広げるように、フューエルカット範囲を規定するエンジン回転数の範囲を変更することができる。すなわち、フューエルカットを開始できるエンジン回転数を下げて、フューエルカットから一旦復帰してエンジン回転数が上昇している状態でアクセルが戻されたときに、フューエルカットされる際のエンジン回転数が下げられるため(すなたちフューエルカットされる領域を広げられるため)、エンジン回転数が低い状態であっても再度フューエルカットされるようになる。このようにすると車両の運転状態によっては、頻繁にフューエルカットからの復帰とフューエルカットの開始とが繰返されるが、抑制ステップによりフューエルカットの開始時のショックは抑制されている。その結果、フューエルカット領域を広げて燃費の向上を実現できる、車両の制御方法を提供することができる。
【0039】
第16の発明に係る車両の制御方法は、車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、フューエルカット実行ステップによるフューエルカットからの復帰時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する抑制ステップと、抑制ステップによるトルク変動の抑制が可能であるときには、予め定められた範囲を広げるように変更する変更ステップとを含む。
【0040】
第16の発明によると、抑制ステップは、フューエルカットからの復帰時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する。このようなフューエルカットからの復帰時のトルク変動により発生するショックを抑制できると、変更ステップがフューエルカット領域を広げるように、フューエルカット範囲を規定するエンジン回転数の範囲を変更することができる。すなわち、フューエルカットを開始できるエンジン回転数を下げて、フューエルカットから一旦復帰してエンジン回転数が上昇している状態でアクセルが戻されたときに、フューエルカットされる際のエンジン回転数が下げられるため(すなたちフューエルカットされる領域を広げられるため)、エンジン回転数が低い状態であっても再度フューエルカットされるようになる。このようにすると車両の運転状態によっては、頻繁にフューエルカットからの復帰とフューエルカットの開始とが繰返されるが、抑制ステップによりフューエルカットからの復帰時のショックは抑制されている。その結果、フューエルカット領域を広げて燃費の向上を実現できる、車両の制御方法を提供することができる。
【0041】
第17の発明に係る車両の制御方法においては、第15または16の発明の構成に加えて、抑制ステップは、動力伝達系に設けられた電動機をモータとして作動させるステップを含む。
【0042】
第17の発明によると、フューエルカットの開始時に前もってモータで変速機の入力軸トルクを増加させておくことにより、フューエルカットが開始されても動力伝達系にトルク変動が発生しない。また、フューエルカットからの復帰時に前もってモータで変速機の入力軸トルクを増加させておくことにより、フューエルカットから復帰しても動力伝達系のトルク変動が低減される。
【0043】
第18の発明に係る車両の制御方法においては、第15または16の発明の構成に加えて、抑制ステップは、動力伝達系に設けられた電動機をジェネレータとして作動させるステップを含む。
【0044】
第18の発明によると、フューエルカットの開始時に前もってジェネレータで変速機の入力軸トルクを低減させておくことにより、フューエルカットが開始されても動力伝達系にトルク変動が発生しない。また、フューエルカットからの復帰時に前もってジェネレータで変速機の入力軸トルクを低減させておくことによりフューエルカットから復帰しても動力伝達系のトルク変動が低減される。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0046】
以下、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両のパワートレインについて説明する。以下の説明においては、トルクを伝達する機構をトルク増幅機能を有するトルクコンバータとして、変速機を自動変速機として説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。たとえば、変速機は無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)であってもよいし、手動変速機であってもよい。また、本実施の形態に係るECT_ECU(Electronic Controlled Automatic Transmission_Electronic Control Unit)が制御する車両には、エンジンとモータジェネレータとが搭載される。ECT_ECUは、エンジンのフューエルカットを実行するとともに、そのフューエルカットの開始およびフューエルカットからの復帰に関して、自動変速機の入力軸トルクを変動させるように、モータジェネレータを制御する。
【0047】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレインについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECT_ECU400により実現される。
【0048】
図1に示すように、この車両は、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、モータジェネレータ500と、モータジェネレータ500を制御するインバータ600と、エンジン100の駆動力により回転されるオイルポンプ700とから構成される。オイルポンプ700に加えて、電動式のオイルポンプを設けてもよい。
【0049】
エンジン100の出力軸は、模式的に表現されたエンジンイナーシャ110を介してトルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸150により連結されている。したがって、エンジン100の出力軸回転数N(E)とトルクコンバータ200の入力軸回転数N(P)とは同じである。また、エンジン100の出力トルクをT(E)と、トルクコンバータ200への入力トルクをT(P)として表わす。
【0050】
モータジェネレータ500は、エンジン100とトルクコンバータ200とを接続する回転軸150にトルクを伝達するように構成される。このモータジェネレータ500は、車両の発進時や加速時に所望の加速度を得るためにモータとして作動してエンジン100をアシストする。また、回生制動時にはジェネレータとして作動して運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する。モータジェネレータ500は、フューエルカットの開始時やフューエルカットからの復帰時に自動変速機の入力軸トルクを増加させるためにモータとして作動する。また、モータジェネレータ500は、フューエルカットの開始時やフューエルカットからの復帰時に自動変速機の入力軸トルクを低減させるためにジェネレータとして作動する。これらの詳細については、後述する。
【0051】
トルクコンバータ200は、ロックアップクラッチ210を含み、ポンプ羽根車220とタービン羽根車230とから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸250により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数をN(T)と、トルクコンバータ200の出力トルクをT(T)として表わす。
【0052】
これらのパワートレインを制御するECT_ECU400には、ポンプ回転数N(P)、タービン回転数N(T)、アクセル開度、車速、車両加速度、スロットル開度、AT信号、エンジン冷却水温信号およびシフトポジション信号が入力される。また、ECT_ECU400から、トルクコンバータ200のロックアップクラッチ210に対してロックアップクラッチ係合圧信号が出力される。ECT_ECU400から、自動変速機300に対してAT制御信号が出力される。ECT_ECU400から、インバータ600に対して、モータジェネレータ500をモータとして作動させてエンジン100のアシストを実現する際のアシスト量などを表わす制御信号や、モータジェネレータ500をジェネレータとして作動させてエンジン100の回転エネルギの回収を実現したり車両の走行エネルギの回収を実現したりする際の回生発電量などを表わす制御信号が出力される。
【0053】
図1において、エンジン100またはエンジン100およびモータジェネレータ500の動力は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ200を備えた自動変速機300を介して連結される駆動輪に伝達される。トルクコンバータ200は、エンジン100のクランク軸(トルクコンバータ200の入力軸)150に固定されたポンプ羽根車220と、自動変速機300の入力軸(トルクコンバータ200の出力軸)250に連結されたタービン羽根車230と、それらポンプ羽根車220および入力軸250を直結するロックアップクラッチ210と、ステータ222とを備えている。
【0054】
図2に自動変速機300のスケルトン図を、図3に自動変速機300の作動表を示す。図2に示すスケルトン図および図3に示す作動表によると、摩擦要素であるクラッチ要素(図中のC(0)〜C(2))や、ブレーキ要素(B(0)〜B(4))、ワンウェイクラッチ要素(F(0)〜F(2))が、どのギヤ段の場合に係合および解放されるかを示している。車両の発進時に使用される1速時には、クラッチ要素(C(0)、C(1))、ブレーキ要素(B(4))、ワンウェイクラッチ要素(F(0)、F(2))が係合する。
【0055】
図4を参照して、ECT_ECU400のメモリに記憶されるフューエルカット領域を示すマップについて説明する。このマップは、エンジン冷却水温に対するエンジン100の回転数の関数によりフューエルカット領域を規定する。このマップには、フューエルカットの開始回転数と復帰回転数とが記憶される。図4に示すように、このフューエルカットの開始回転数と復帰回転数とにより規定される範囲(開始回転数以上の領域を含む。)にエンジン回転数がある場合に、他の条件を満足するとフューエルカットが実行される。たとえば、エンジン100がアイドル状態のときであって、車両の減速時においてフューエルカットが実行されている場合に、現在のエンジン100の回転数が図4に示すフューエルカットの復帰回転数よりも大きいか否かを判定し、フューエルカットの復帰回転数よりも大きいときには、継続して減速時のフューエルカットを実行し、フューエルカットの復帰回転数以下のときには、減速時のフューエルカットの実行状態から燃料噴射実行状態へと復帰(フューエルカットからの復帰)する。
【0056】
また、フューエルカットの実行中にアクセルが踏まれて、フューエルカットの実行状態から燃料噴射実行状態へと復帰した後、エンジン100の回転数が上昇したところで、エンジンがアイドル状態になって、車両が減速状態になった場合に、現在のエンジン100の回転数が図4に示すフューエルカットの開始回転数よりも大きいか否かを判定し、フューエルカットの開始回転数よりも大きいときには、減速時のフューエルカットを再開し、フューエルカットの開始回転数以下のときには、燃料噴射実行状態を継続する。このため、フューエルカットの開始回転数を下げて設定すると、フューエルカットを開始および再開しやすくなる。
【0057】
このように、フューエルカットの開始回転数を下げることは、フューエルカットが実行される場合が多くなるので、本発明においては、このようにして、フューエルカットの開始回転数を下げる場合を、フューエルカットをより多く実行するために、エンジン回転数に基づいて規定されるフューエルカットの範囲を広げるという。なお、フューエルカットの開始回転数は、エンジン100の回転数がその開始回転数以上であれば、エンジン回転数以外の他の条件を満足すると、フューエルカットを開始できることを意味する。
【0058】
ECT_ECU400は、このようなマップをメモリに記憶するとともに、フューエルカットの開始回転数を下げるように演算することができる。また、ECT_ECU400は、フューエルカットの開始回転数が通常であるマップと、フューエルカットの開始回転数が下げられたマップとを記憶しておいてもよい。いずれの場合であっても、ECT_ECU400は、後述するように、フューエルカットの開始およびフューエルカットからの復帰に伴う動力伝達系のトルク変動が抑制される場合には、フューエルカットの開始回転数が下げられたマップを使用して、フューエルカットをより多く実行して、車両の燃費を向上させる。
【0059】
図5を参照して、本実施の形態に係るECT_ECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0060】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECT_ECU400は、車両が減速中であるか否かを判断する。この判断は、ECT_ECU400に入力される車速の時間微分値に基づいて行なわれる。
【0061】
車両が減速中であると(S100にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
【0062】
S200にて、ECT_ECU400は、モータ制御が可能であるか否かを判断する。この判断は、モータによるトルク制御が可能か否かを判断するものであって、たとえば、バッテリの電力が十分であるか否か、モータが作動しないような故障フラグが立っていないか否かなどに基づいて行なわれる。モータ制御が可能である場合には(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS500へ移される。
【0063】
S300にて、ECT_ECU400は、フューエルカットが可能であるか否かを判断する。この判断は、予め定められたフューエルカットの開始に対するエンジン100の回転数などの条件を満足するか否かに基づいて行なわれる。フューエルカットが可能であると(S300にてYES)、処理はS400へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理はS500へ移される。
【0064】
S400にて、ECT_ECU400は、フューエルカット領域として、フューエルカット領域が拡大されたマップ(フューエルカットの開始回転数が下げられたマップ)を設定する。
【0065】
S500にて、ECT_ECU400は、フューエルカット領域として、通常のフューエルカット領域(フューエルカットの開始回転数が下げられていないマップ)を設定する。
【0066】
S600にて、ECT_ECU400は、フューエルカットの開始条件が満足されているか否かを判断する。たとえば、実際のエンジン100の回転数が、フューエルカット開始回転数に達したか否かを判定する。フューエルカット開始条件を満足すると(S600にてYES)、処理はS700へ移される。もしそうでないと(S600にてNO)、処理はS800へ移される。さらに、このS600において、スロットル開度およびアクセル開度の少なくともいずか一方が全閉であるか否かによりS700の処理を実行するか否かを判断するようにしてもよい。
【0067】
S700にて、ECT_ECU400は、電動機トルクによる駆動−被駆動なまし制御を実行する。具体的には、この駆動−被駆動なまし制御は、フューエルカットの開始に先立って、モータジェネレータ500をモータとして作動させておいて、自動変速機300の入力軸トルクを増加させておく。この状態でフューエルカットを開始させても、動力伝達系の駆動状態の急激な変化が発生しないので、動力伝達系のトルク変動を抑制でき、フューエルカットが開始されたときのショックの発生を防止できる。
【0068】
または、この駆動−被駆動なまし制御は、フューエルカットの開始に先立って、モータジェネレータ500をジェネレータとして作動させておいて、動力伝達系を被駆動状態にする。このように電動機により入力軸トルクを低減させておいて、フューエルカットを開始させても、駆動状態から被駆動状態へ急激な変化が発生しないので、フューエルカットが開始されたときのショックの発生を防止できる。
【0069】
S800にて、ECT_ECU400は、フューエルカットの復帰条件を満足したか否かを判断する。たとえば、エンジン100の回転数がフューエルカットの復帰回転数に到達したか否かにより行なわれる。フューエルカット復帰条件を満足すると(S800にてYES)、処理はS900へ移される。もしそうでないと(S800にてNO)、この処理は終了する。
【0070】
S900にて、ECT_ECU400は、モータトルクによる被駆動−駆動なまし制御を実行する。具体的には、この被駆動−駆動なまし制御は、フューエルカットからの復帰に先立って、モータジェネレータ500をジェネレータとして作動させておいて、自動変速機300の入力軸トルクを低減させておく。この状態でフューエルカットから復帰させても、動力伝達系の駆動状態の急激な変化が発生しないので、動力伝達系のトルク変動を抑制でき、フューエルカットから復帰したときのショックの発生を防止できる。
【0071】
また、被駆動−駆動なまし制御は、フューエルカットからの復帰に先立って、モータジェネレータ500をモータとして作動させておいて、動力伝達系にトルクを付与しておく。このように電動機で動力伝達系にトルクを付与しておいて、フューエルカットから復帰させても、被駆動状態から駆動状態への急激な変化が発生しないので、フューエルカットから復帰したときのショックの発生を防止できる。
【0072】
S600における駆動−被駆動なまし制御およびS900における被駆動−駆動なまし制御は、フューエルカットの開始前やフューエルカットからの復帰前から徐々に実行され、フューエルカットの開始タイミングおよびフューエルカットからの復帰タイミングで、最も効果が大きくなるように、モータジェネレータ500が制御される。
【0073】
なお、図5に示すフローチャートにおけるリターンの後で、実際のフューエルカットが実行されることになる。
【0074】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECT_ECU400の動作について説明する。
【0075】
図6を参照して、フューエルカット開始時にモータジェネレータ500をモータとして作動させて、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する動作を説明する。なお、図6に示すように、フューエルカットの開始回転数(1)はフューエルカットの開始回転数(2)に下げられている。このようにフューエルカットの開始回転数が、開始回転数(1)から開始回転数(2)に下げることにより、フューエルカット領域は拡大し、フューエルカットの開始とフューエルカットからの復帰とを繰返すことになる。しかし、後述するように、フューエルカットの開始時およびフューエルカットからの復帰時に、動力伝達系に発生するトルク変動が抑制されるため、ショックが低減される。
【0076】
エンジン100に燃料が噴射されている状態でエンジン回転数NEが上昇し開始回転数(2)を上回り、スロットル開度およびアクセル開度の少なくともいずれかが全閉になると、その状態からフューエルカットが実行される状態まで徐々にモータジェネレータ500から発生するトルク量が増加して、自動変速機300の入力軸トルクが徐々に増加するように、モータジェネレータ500はモータとしてECT_ECU400により制御される。モータとして作動したモータジェネレータ500によるトルクが発生している状態でフューエルカットが実行され、動力伝達系の駆動状態の急激な変化が発生しないので、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制することができる。
【0077】
図7を参照して、フューエルカット開始時にモータジェネレータ500をジェネレータとして作動させて、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する動作について説明する。
【0078】
エンジン100に燃料が噴射されている状態でエンジン回転数NEが上昇し開始回転数(2)を上回り、スロットル開度およびアクセル開度の少なくともいずれかが全閉になると、その状態からフューエルカットが実行される状態まで徐々にモータジェネレータ500から発生する負のトルク量が増加して、自動変速機300の入力軸トルクが徐々に低減するように、モータジェネレータ500はジェネレータとしてECT_ECU400により制御される。これにより、動力伝達系は被駆動状態にされる。このようにモータジェネレータ500をジェネレータとして作動させることにより自動変速機300の入力軸トルクを低減させておいて、フューエルカットを開始させても、駆動状態から被駆動状態へ急激な変化が発生しないので、フューエルカットが開始されたときのショックの発生を低減できる。
【0079】
図8を参照して、フューエルカットからの復帰時にモータジェネレータ500をジェネレータとして作動させて、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する動作について説明する。
【0080】
図8に示すように、フューエルカットが実行されている状態においてフューエルカットからの復帰が実行されることに先立って、モータジェネレータ500をジェネレータとして作動させる。このとき、たとえば、エンジン100の回転数とフューエルカットからの復帰回転数との差が予め定められた範囲内になるとフューエルカットからの復帰が近いとして、モータジェネレータ500がジェネレータとして作動を開始する。その状態からフューエルカットから復帰される状態まで徐々にモータジェネレータ500による回生発電量(負のトルク)が増加して、自動変速機300の入力軸トルクが徐々に低減するように、モータジェネレータ500はジェネレータとしてECT_ECU400により制御される。ジェネレータとして作動したモータジェネレータ500による負のトルクが発生している状態でフューエルカットからの復帰が実行され、エンジン100による過剰なトルクが発生しても、動力伝達系の駆動状態の急激な変化が発生しないので、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制することができる。
【0081】
図9を参照して、フューエルカットからの復帰時にモータジェネレータ500がモータとして作動させて動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する動作について説明する。
【0082】
図9に示すように、フューエルカットからの復帰に先立って(たとえば、エンジン100の回転数とフューエルカットからの復帰回転数との差が予め定められた範囲内に入ると)、モータジェネレータ500がモータとして作動を開始する。その状態からフューエルカットから復帰される状態まで徐々にモータジェネレータ500によるトルクが増加して、自動変速機300の入力軸トルクが徐々に増加するように、モータジェネレータ500はモータとしてECT_ECU400により制御される。このように、モータジェネレータ500により動力伝達系にトルクを付与しておいて、フューエルカットから復帰させても、被駆動状態から駆動状態への急激な変化が発生しないので、フューエルカットから復帰したときのショックの発生を低減できる。
【0083】
以上のようにして、本実施の形態に係るECT_ECUによると、フューエルカットの開始時にモータジェネレータをモータとして作動させるか、またはジェネレータとして作動させることにより、フューエルカットからの復帰時にモータジェネレータをモータとして作動させるか、またはジェネレータとして作動させることにより、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制させることができる。このように抑制させることができるため、フューエルカットの開始とフューエルカットの復帰とを繰返しても、トルク変動が発生せず運転者にショックを感じさせることが少なくなる。そのため、フューエルカット領域を広げて、より燃料消費量を少なくさせることができる。その結果、車両の燃費が向上する。
【0084】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る制御装置が搭載された車両のパワートレインの構成を示す図である。
【図2】図1に示す自動変速機のスケルトン図である。
【図3】図1に示す自動変速機の作動係合状態を表わす図である。
【図4】フューエルカット領域を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るECT_ECUで実行される処理の制御構造を示すフローチャートである。
【図6】フューエルカットの開始時に、モータによりトルク変動を抑制する場合のタイミングチャートを示す図である。
【図7】フューエルカットの開始時に、ジェネレータによりトルク変動を抑制する場合のタイミングチャートを示す図である。
【図8】フューエルカットからの復帰時に、モータによりトルク変動を抑制する場合のタイミングチャートを示す図である。
【図9】フューエルカットからの復帰時に、ジェネレータによりトルク変動を抑制する場合のタイミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
100 エンジン、110 エンジンイナーシャ、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、300 自動変速機、400 ECT_ECU、500 モータジェネレータ、600 インバータ、700 オイルポンプ。

Claims (18)

  1. エンジンと電動機とを搭載した車両の制御装置であって、前記制御装置は、
    前記車両の減速中に、前記エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、
    前記フューエルカット実行手段によるフューエルカットの実行前に、前記電動機により前記車両の変速機の入力軸トルクを低減するように、前記電動機を制御するための制御手段とを含む、制御装置。
  2. 前記制御装置は、スロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方を検知するための検知手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記検知手段によりスロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方が全閉状態であることが検知されると、前記電動機により前記入力軸トルクを低減するように、前記電動機を制御するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記フューエルカット実行手段によるフューエルカットの開始前に前記入力軸トルクの低減を開始し、その後低減量を増大させ、フューエルカットの開始時に前記入力軸トルクの低減量がピークになり、その後低減量を減少させるように、前記電動機を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の制御装置。
  4. エンジンと電動機とを搭載した車両の制御装置であって、前記制御装置は、
    前記車両の減速中に、前記エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、
    前記フューエルカット実行手段によるフューエルカットからの復帰前に、前記電動機により前記車両の変速機の入力軸トルクを増加するように、前記電動機を制御するための制御手段とを含む、制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記フューエルカット実行手段によるフューエルカットからの復帰前に前記入力軸トルクの増加を開始し、その後増加量を増大させ、フューエルカットからの復帰時に前記入力軸トルクの増加量がピークになり、その後増加量を減少させるように、前記電動機を制御するための手段を含む、請求項4に記載の制御装置。
  6. 車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、
    前記フューエルカット実行手段によるフューエルカットの開始時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制するための抑制手段と、
    前記抑制手段によるトルク変動の抑制が可能であるときには、前記予め定められた範囲を広げるように変更するための変更手段とを含む、車両の制御装置。
  7. 車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするためのフューエルカット実行手段と、
    前記フューエルカット実行手段によるフューエルカットからの復帰時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制するための抑制手段と、
    前記抑制手段によるトルク変動の抑制が可能であるときには、前記予め定められた範囲を広げるように変更するための変更手段とを含む、車両の制御装置。
  8. 前記抑制手段は、動力伝達系に設けられた電動機をモータとして作動させるための手段を含む、請求項6または7に記載の制御装置。
  9. 前記抑制手段は、動力伝達系に設けられた電動機をジェネレータとして作動させるための手段を含む、請求項6または7に記載の制御装置。
  10. エンジンと電動機とを搭載した車両の制御方法であって、前記制御方法は、
    前記車両の減速中に、前記エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、
    前記フューエルカットステップによるフューエルカットの実行前に、前記電動機により前記車両の変速機の入力軸トルクを低減するように、前記電動機を制御する制御ステップとを含む、制御方法。
  11. 前記制御方法は、スロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方を検知する検知ステップをさらに含み、
    前記制御ステップは、前記検知ステップによりスロットル開度およびアクセル開度の少なくとも一方が全閉状態であることが検知されると、前記電動機により前記入力軸トルクを低減するように、前記電動機を制御するステップを含む、請求項10に記載の制御方法。
  12. 前記制御ステップは、前記フューエルカット実行ステップによるフューエルカットの開始前に前記入力軸トルクの低減を開始し、その後低減量を増大させ、フューエルカットの開始時に前記入力軸トルクの低減量がピークになり、その後低減量を減少させるように、前記電動機を制御するステップを含む、請求項10または11に記載の制御方法。
  13. エンジンと電動機とを搭載した車両の制御方法であって、前記制御方法は、
    前記車両の減速中に、前記エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、
    前記フューエルカット実行ステップによるフューエルカットからの復帰前に、前記電動機により前記車両の変速機の入力軸トルクを増加するように、前記電動機を制御する制御ステップとを含む、制御方法。
  14. 前記制御ステップは、前記フューエルカット実行ステップによるフューエルカットからの復帰前に前記入力軸トルクの増加を開始し、その後増加量を増大させ、フューエルカットからの復帰時に前記入力軸トルクの増加量がピークになり、その後増加量を減少させるように、前記電動機を制御するステップを含む、請求項13に記載の制御方法。
  15. 車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、
    前記フューエルカット実行ステップによるフューエルカットの開始時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する抑制ステップと、
    前記抑制ステップによるトルク変動の抑制が可能であるときには、前記予め定められた範囲を広げるように変更する変更ステップとを含む、車両の制御方法。
  16. 車両の減速中に、エンジンの回転数が予め定められた範囲であると、フューエルカットするフューエルカット実行ステップと、
    前記フューエルカット実行ステップによるフューエルカットからの復帰時に、動力伝達系に発生するトルク変動を抑制する抑制ステップと、
    前記抑制ステップによるトルク変動の抑制が可能であるときには、前記予め定められた範囲を広げるように変更する変更ステップとを含む、車両の制御方法。
  17. 前記抑制ステップは、動力伝達系に設けられた電動機をモータとして作動させるステップを含む、請求項15または16に記載の制御方法。
  18. 前記抑制ステップは、動力伝達系に設けられた電動機をジェネレータとして作動させるステップを含む、請求項15または16に記載の制御方法。
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