JP2004198360A - ガスセンサ - Google Patents
ガスセンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004198360A JP2004198360A JP2002370186A JP2002370186A JP2004198360A JP 2004198360 A JP2004198360 A JP 2004198360A JP 2002370186 A JP2002370186 A JP 2002370186A JP 2002370186 A JP2002370186 A JP 2002370186A JP 2004198360 A JP2004198360 A JP 2004198360A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cover member
- gas sensor
- housing
- cover
- atmosphere
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供すること。
【解決手段】大気側カバー2はメインカバー部材21とメインカバー部材21の内側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定した内部カバー部材22とからなり,内部部材と内部カバー部材22との間は,内部部材とメインカバー部材21との間よりも熱が伝導し難く構成する。または,内部カバー部材は,内部部材のいずれに対しても接触せず,かつメインカバー部材のみに接触する。あるいは,メインカバー部材に対してフィルタカバー部材をかしめ固定するかしめ固定部は,撥水フィルタの先端よりも更にハウジング側に位置する。
【選択図】 図1
【解決手段】大気側カバー2はメインカバー部材21とメインカバー部材21の内側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定した内部カバー部材22とからなり,内部部材と内部カバー部材22との間は,内部部材とメインカバー部材21との間よりも熱が伝導し難く構成する。または,内部カバー部材は,内部部材のいずれに対しても接触せず,かつメインカバー部材のみに接触する。あるいは,メインカバー部材に対してフィルタカバー部材をかしめ固定するかしめ固定部は,撥水フィルタの先端よりも更にハウジング側に位置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,自動車エンジンの排気管等に取り付けて熱い高温の排気ガス中にさらされて特定ガス濃度を測定するガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の排気管に取り付け,空燃比制御に利用するガスセンサが知られている。
このガスセンサ9は,図13,図14に示すごとく,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子19と該ガスセンサ素子19を絶縁碍子12を介して挿通固定する筒型のハウジング10と,上記ガスセンサ素子19の先端側を覆うように上記ハウジング10の先端側に固定する被測定ガス側カバー11と,上記ガスセンサ素子19の基端側を覆うように上記ハウジング10の基端側に固定する大気側カバー91とを有する。
【0003】
図13,図14に示すごとく,上記大気側カバー91は,先端側がガスセンサ1の外部に露出し,ハウジング10の基端側側面100に溶接固定するメインカバー部材911と,該メインカバー部材911の基端側に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材912とよりなる。
【0004】
また,上記ガスセンサ9において,大気側カバー91の基端側の内側面に弾性シール部材17をかしめ固定し,該弾性シール部材17において大気側カバー91の基端側がシールされる。
また上記ガスセンサ素子19に接続した出力取り出し用及び/または電力印加用リード線16は上記弾性シール部材17を経由して外部へと延設される。そして,上記リード線16は上記弾性シール部材17に設けた挿通穴に対しシール固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−072464号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
ところで,ガスセンサ9を自動車の排気管に取り付けた際は,図13,図14に示すごとく,ハウジング10の先端側で同図に示す破線Lより下側は熱い排気ガスにより熱せられ,ハウジング10は高温となる。
上記ハウジング10に固定されたメインカバー部材911も,ハウジング10からの熱伝導で,特に先端側が高温となる。ガスセンサ9における破線Lより基端側は大気雰囲気にさらされ,メインカバー部材911は大気雰囲気に露出していることもあり,破線Lより基端側に向かうに従って温度は少しずつ低くなる(図14参照)。
【0007】
しかしながら,図13,図14に示すごとく,筒型の撥水フィルタ23を設けた部分においてメインカバー部材911は外部に露出せず,筒型の撥水フィルタ23とフィルタカバー部材912で覆われているため熱がこもりやすい。
また,弾性シール部材17をかしめ固定した部分もメインカバー部材911が外部に露出せず,フィルタカバー部材912により覆われており,ここでも熱がこもりやすい。
【0008】
ところで,弾性シール部材17は熱に強くない。そして耐熱限界付近では変形したり,弾性率が変わってしまう。弾性シール部材17は大気側カバー91に対しかしめ固定されており,弾性シール部材17が変形したり,弾性率が変わって,かしめ固定された部分に隙間が生じ,そこでシール性が低下するおそれがある。また,リード線16は弾性シール部材17によって保持されているため,リード線16の位置ずれや脱落発生のおそれもある。
【0009】
また,撥水フィルタ23は一般に多孔質の樹脂材料よりなるため,弾性シール部材17と同様に熱で変形したり弾性率が変わり,かしめ固定された部分でゆるんでしまうおそれがある。
さらに,撥水フィルタ23は多孔質であるが,熱によって気孔が溶けて変形し,塞がって,通気性が悪化するおそれがある。
【0010】
この撥水フィルタ23は,ガスセンサ9の大気側カバー91の内部に大気を導入する導入穴913,914を覆うように設け,該導入穴913,914からの水分浸入を防止するために設けたもので,大気を通す通気性が必要である。
撥水フィルタ23の通気性が低下した際は大気の導入が困難となり,ガスセンサ9内部が酸欠状態となってガス濃度測定に支障が生じるおそれがある。
【0011】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】
第1の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーの内部には,上記ハウジングから熱伝達が発生し,ガスセンサを構成する各種の内部部材が存在し,
上記大気側カバーは,メインカバー部材と該メインカバー部材の内側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定した内部カバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記内部カバー部材における撥水フィルタと対面する位置に外部から大気側カバーの内部に大気を導入するための導入穴を有し,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記内部カバー部材の内側面にかしめ固定し,大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を有し,
上記内部カバー部材は,上記内部部材のいずれに対しても接触せず,かつ上記メインカバー部材のみに接触することを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
【0013】
第2の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーの内部には,上記ハウジングから熱伝達が発生し,ガスセンサを構成する各種の内部部材が存在し,
上記大気側カバーはメインカバー部材と該メインカバー部材の内側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定した内部カバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記内部カバー部材における撥水フィルタと対面する位置に外部から大気側カバーの内部に大気を導入するための導入穴を有し,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記内部カバー部材の内側面にかしめ固定し,大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を有し,
上記内部カバー部材は,上記内部部材と直接的または間接的に当接し,上記内部部材によって大気側カバーの内部において支承され,
上記内部部材と上記内部カバー部材との間は,上記内部部材と上記メインカバー部材との間よりも熱が伝導し難く構成することを特徴とするガスセンサにある(請求項2)。
【0014】
第1及び第2の発明にかかるガスセンサを高温の被測定ガスにさらして使用する場合,該被測定ガスによってハウジングは加熱され,熱を持つ。メインカバー部材はハウジングに直接固定してあるから,ハウジングからの熱が伝導し,ハウジングの温度に応じた熱を持つ。
本発明にかかるガスセンサでは,撥水フィルタも内部カバー部材も共にメインカバー部材の内部に位置して,メインカバー部材からの熱放散を妨げ難い。したがって,ハウジングからメインカバー部材に伝導した熱は,順調に外部に放散され,撥水フィルタや弾性シール部材の近傍で熱がこもることが防止できる。
【0015】
また,内部カバー部材は撥水フィルタをかしめ固定する部材である。仮に内部カバー部材が高温であれば撥水フィルタを熱によって痛めるおそれがある。
第1の発明では内部カバー部材は内部部材のいずれに対しても接しておらず,代わりにメインカバー部材に接している。したがって,内部部材を経由したハウジングからの熱伝導が生じないため,内部カバー部材の温度は上昇し難い。
よって,内部カバー部材とメインカバー部材によって挟まれた撥水フィルタ,内部カバー部材との距離が近い大気側カバーの基端側に位置する弾性シール部材の温度上昇を防ぐことができる。
【0016】
また,第2の発明において,内部カバー部材は内部部材に接しているが,内部部材から内部カバー部材への熱の伝わりやすさと,内部部材からメインカバー部材への熱の伝わりやすさとを比較すると,第2の発明は内部部材からメインカバー部材に対してより熱が伝わりやい構成を有する。
したがって,ハウジングからの熱で内部部材が加熱された場合,内部部材から内部カバー部材へと流れる熱よりも,内部部材からメインカバー部材へ流れる熱のほうが多く,よって,内部カバー部材とメインカバー部材にはさまれた撥水フィルタ,内部カバー部材との距離が近い大気側カバーの基端側に位置する弾性シール部材の温度上昇を防ぐことができる。
【0017】
また,第1の発明で内部カバー部材はメインカバー部材のみに接触しているため,内部カバー部材に仮に熱がこもったとしても,速やかにメインカバー部材経由で外部に放散することができる。メインカバー部材は側面の一部がガスセンサ外部に露出しているため,外部への熱の放散が容易である。
また,第2の発明で内部カバー部材は内部部材と直接的または間接的に当接して支承され,この支承によって内部カバー部材ががたついたり,位置ずれを起こしたりしないような構成を得ることができる。
【0018】
第3の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーはメインカバー部材と該メインカバー部材の外側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定したフィルタカバー部材とからなり,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記メインカバー部材に対して上記フィルタカバー部材をかしめ固定するかしめ固定部は,上記撥水フィルタの先端よりも更にハウジング側に位置することを特徴とするガスセンサにある(請求項7)。
【0019】
第3の発明にかかるガスセンサは,従来と同様にメインカバー部材の基端側でフィルターカバー部材を設け,両者間に撥水フィルタを挟んでかしめ固定する構成である。ただし,かしめ固定部を撥水フィルタの先端よりもさらに先端側とする。そのため,ハウジングからメインカバー部材に伝導した熱は,撥水フィルタに達する前にかしめ固定部を経由してガスセンサの外部に露出するフィルタカバー部材に伝達される。よって,熱の放散が生じやすい。
【0020】
したがって,フィルタカバー部材とメインカバー部材との間に熱がこもり難くなり,撥水フィルタや大気側カバーの基端側に位置する弾性シール部材の温度上昇を防止することができる。
【0021】
以上,本発明によれば,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
第1〜第3の発明にかかるガスセンサは,被測定ガス中の酸素濃度やNOx濃度,CO濃度,HC濃度などを測定する各種のガスセンサに対し適用することができる。また,自動車エンジン等の内燃機関の排気系に設置して,燃焼制御に利用する空燃比センサとして用いることができる。
また,ガスセンサ素子も積層型,コップ型,いずれを採用したガスセンサについても,本発明を適用することができる。
なお,ガスセンサの詳細構成は実施例で説明するが,本発明は実施例の構成にとどまらず,多くのガスセンサにおいて適用することができる。
【0023】
本発明のガスセンサにかかる内部部材の具体例は後述するが,これら内部部材が加熱される原因は主として二つ考えられる。一つは,実施例に記載したように被測定ガスにさらされたガスセンサのハウジングが被測定ガスの熱によって加熱され,ハウジングからの熱伝導で内部部材が加熱される。もう一つは,ガスセンサ素子を素子活性温度に加熱するヒータをガスセンサは備えているが,このヒータからの熱がガスセンサ素子を経由して内部部材に熱伝導する。
一般的にヒータからの熱伝導よりは被測定ガスによって加熱されたハウジングからの熱伝導のほうが大きく,撥水フィルタや弾性シール部材に大きな影響を与えるおそれがある。
【0024】
また,本発明にかかるガスセンサにおいて,撥水フィルタは,大気側カバーに設けた導入穴から内部に水が侵入することを防ぐために設ける。テトラフルオロエチレンなどの各種樹脂材料よりなる多孔質材料で構成することが一般的である。
【0025】
第2の発明において,内部部材と内部カバー部材との間を,内部部材とメインカバー部材との間よりも熱を伝導し難くする構成として,たとえば以下に示す構成がある。
すなわち,上記内部カバー部材は,上記内部部材に対し線接触及び/または点接触で当接することが好ましい(請求項3)。
また,上記内部カバー部材と上記内部部材との間に,上記内部部材よりも熱伝導率が小さい材料からなる伝熱阻害部材を設けたことが好ましい(請求項4)。また,上記内部カバー部材は伝熱阻害穴を有することが好ましい(請求項5)。
【0026】
線接触及び/または点接触とすることで,接触面積を減らして熱の伝導を阻害することができる。また熱伝導率が小さければ,熱が伝導し難くなる。さらに,内部カバーに穴を開けることで内部カバーの熱伝導率を低下させ,熱を伝導し難くする。伝熱阻害部材を設けることで熱の伝導を妨げたり,熱が伝わり難くなるようにすることができる。
以上の構成によって,内部カバー部材に熱が伝わり難くなって,撥水フィルタや弾性シール部材を熱から保護することができる。
【0027】
また,内部カバー部材を内部部材について線接触及び/または点接触とするには,内部部材と接触する部分を薄肉としたり,突出するような構成として接触面積を減らすような形状とすればよい。具体例として,後述する図4〜図7に記載したような形状がある。
また,内部カバー部材の熱伝導率を下げるためには,たとえば内部部材やメインカバー部材を熱をよく伝える熱伝導率に優れた金属材料や緻密なセラミックで構成し,内部カバー部材をよりポーラスなセラミックなどで構成する方法などが挙げられる。
また,伝熱阻害部材を設けることで,内部カバー部材から内部部材に至る熱の伝導を阻害できると共に,伝熱阻害部材が先端側から内部カバー部材を支承することができるため,内部カバー部材ががたついたり,位置ずれを起こしたりしないような構成を得ることができる。
この伝熱阻害部材は,熱伝導率が悪いポーラスなセラミックなどで構成することができる。
【0028】
また,第1及び第2の発明にかかる内部部材は,上記ガスセンサ素子の基端側を覆う大気側絶縁碍子及び上記大気側絶縁碍子を上記ハウジング側に向けて押圧固定する皿バネ等である(請求項6)。
ガスセンサの代表的な構成として,後述する図1に示す構成が知られている。すなわち,ガスセンサ素子は素子側絶縁碍子を介してハウジングに固定し,素子側絶縁碍子の基端側に大気側絶縁碍子を載置する。
また,大気側絶縁碍子は,該大気側絶縁碍子の基端側に設けた中心に穴を備えた環状の皿バネによって,ガスセンサ素子の軸方向の押圧力を加え,ハウジング側に押圧固定する。
【0029】
大気側絶縁碍子は,セラミック等よりなる内部が空洞となった円筒型の部材で,ガスセンサ素子の基端側にかぶさるように設置し,ガスセンサ素子の位置決め及び保護,該ガスセンサ素子に接続されるリード線等の案内などのために設けた部材である。
【0030】
これらの内部部材はいずれもハウジングと直接または間接的に接続し,ハウジングから熱が伝導する。従って,これら内部部材からの熱の流入を減らして遮断することで,内部カバー部材の温度上昇を防止することができる。
また,上記以外の構成となるガスセンサでは別の部材が内部部材となると考えられる。しかし,いずれの内部部材に関しても,ハウジングから熱が伝導する可能性のある部材で,ガスセンサの外部に露出していない部材については,上記したごとく,内部カバー部材との接触などを控えることが好ましい。
【0031】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例にかかるガスセンサ1は,図1,図2に示すごとく,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子19と該ガスセンサ素子19を挿通固定する筒型のハウジング10と,上記ガスセンサ素子19の先端側を覆うように上記ハウジング10の先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバー11と,上記ガスセンサ素子19の基端側を覆うように上記ハウジング10の基端側に固定する筒型の大気側カバー2とを有する。
【0032】
上記大気側カバー2の内部には,上記ハウジング10から熱伝達が発生し,ガスセンサ1を構成する各種の内部部材が存在する。なお,本例のガスセンサ1での内部部材は皿バネ15や大気側絶縁碍子13,皿バネキャップ24である。
【0033】
上記大気側カバー2はメインカバー部材21と該メインカバー部材21の内側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定した内部カバー部材22とからなる。上記メインカバー部材21及び上記内部カバー部材22における撥水フィルタ23と対面する位置に外部から大気側カバー2の内部に大気を導入するための導入穴210,220を有する。
【0034】
上記メインカバー部材21は,先端側を上記ハウジング10に直接固定すると共に側面の一部がガスセンサ1の外部に露出する。
また,上記内部カバー部材22の内側面にかしめ固定して,大気側カバー2の基端側をシールする弾性シール部材17がある。上記内部カバー部材22は,上記内部部材の皿バネキャップ24と直接当接し,上記皿バネキャップ24が大気側カバー2の内部において上記内部カバー部材22を図面の下方から支承する。そして,上記内部部材の皿バネキャップ24と上記内部カバー部材22との間を,上記皿バネキャップ24と上記メインカバー部材21との間よりも熱を伝導し難く構成する。
【0035】
以下,詳細に説明する。
本例にかかるガスセンサ1は,自動車エンジンに接続した排気管の壁面に取り付けて,自動車エンジンの空燃比を測定して空燃比制御に使用する(図示略)。このときガスセンサ1は,ハウジング10の側面に設けた径方向に突出する胴部101の先端側端面102を排気管の外壁面に向けて取り付ける。また,先端側端面102に対して上記排気管に対してシール固定できるようにバネ部103を設けてある。
【0036】
そして,図1に記載した破線Lより下側が,ガスセンサ1による空燃比測定時に排気ガスから加熱される領域である。破線Lより上側は大気雰囲気である。したがって,破線Lからガスセンサ1の基端側に向かうに従って,ガスセンサ1の温度が低下する。なお,図1等では図面の上側をガスセンサの基端側,下方を先端側とした。
【0037】
上記ハウジング10の先端側に,二重構成の被測定ガス側カバー11が設けてあり,該カバー11の内部に排気ガスを導入する導入穴が側面に設けてある。また,被測定ガス側カバー11の内部でガスセンサ素子19の先端側が露出する。
【0038】
上記ガスセンサ素子19は,素子側絶縁碍子12を介してハウジング10内部に固定する。素子側絶縁碍子12とハウジング10との間,素子側絶縁碍子12とガスセンサ素子19との間はそれぞれシール固定して,ガスの流通が生じないようにする。
上記素子側絶縁碍子12の基端側端面に大気側絶縁碍子13を載置する。大気側絶縁碍子13は内部が空洞130で,そこにガスセンサ素子19の基端側を収納する。また,上記空洞130と大気側絶縁碍子13の基端側の端面との間を連絡する連絡穴131がある。
【0039】
上記ガスセンサ素子19と電気的に接続して,外部に素子19の出力を取り出したり,または外部から素子19に電力を供給する端子191がある。この端子191は上記連絡穴131を通じて,大気側絶縁碍子13の外部で大気側カバー2の内部に突出する。この突出した箇所において,連結部材192を介して上記端子191はリード線16に電気的に接続される。
上記リード線16は,大気側カバー2の基端側をシールする弾性シール部材17に設けた挿通穴170を通じてガスセンサ1の外部へと引き出され,外部に設けた測定装置や電源などと接続する。
【0040】
大気側絶縁碍子13の基端側端面には皿バネ15を載置する。この皿バネ15はガスセンサ1の軸方向に押圧することで軸方向の復元力が生じるような形状を備える。
素子側絶縁碍子12はハウジング10の内側面に突出形成されたテーパ面105に載置し,大気側絶縁碍子13は素子側絶縁碍子12の基端側端面に載置する。皿バネ15は大気側絶縁碍子13の基端側端面と大気側カバー2との間に位置し,図1の基端側から先端側に向かう軸方向の押圧力を大気側絶縁碍子13及び素子側絶縁碍子12に与えて,大気側絶縁碍子13と素子側絶縁碍子12との間,素子側絶縁碍子12とハウジング10のテーパー面105との間を密着固定する。
【0041】
なお,皿バネ15の基端側より皿バネキャップ24がかぶさって,大気側カバー2と大気側絶縁碍子13との間で皿バネ15を位置決めして,位置ずれしないように固定する。この皿バネキャップ24は,皿バネ15の外径とほぼ同じ内径を備え,先端側が大気側絶縁碍子13の側面に沿って開口した筒状部材である。
【0042】
上記大気側カバー2について説明する。
図2に示すごとく,大気側カバー2はハウジング10の基端側側面100に直接溶接固定したメインカバー部材21と,メインカバー部材21の基端側の内側面で撥水フィルタ23を介してかしめ固定した内部カバー部材22とよりなる。いずれのカバー部材21,22も略筒型である。
また,弾性シール部材17は,メインカバー部材21と内部カバー部材22とが重なる部分で,もっとも大気側カバー2において基端側となる内側面に対しかしめ固定される。弾性シール部材17のかしめ固定部は図2における符号251である。
【0043】
弾性シール部材17をかしめ固定した位置より先端側の2箇所のかしめ固定部252において,撥水フィルタ23を介してメインカバー部材21と内部カバー部材22とをかしめ固定する。
また,メインカバー部材21,内部カバー部材22には,それぞれ大気側カバー2の内部に大気を導入するための導入穴210,220を有するが,これらの導入穴210,220と対面するよう上記撥水フィルタ23はかしめ固定する。
【0044】
上記メインカバー部材21について説明する。
上記メインカバー部材21は先端側が径大で,大気側絶縁碍子13の基端側の端面付近で径が切り替わって小径となる。上記メインカバー部材21の小径の部分における内側面に内部カバー部材22の先端側221が当接する。
そして,内部カバー部材22の肉厚は先端側221に向かうほど薄肉となり,内部カバー部材22の先端側221は皿バネキャップ24に対し環状に線接触する。また皿バネキャップ24は,図2に示すごとく,基端側の端面及び側面全体でメインカバー部材21の内側面に面接触状態で当接する。
【0045】
次に,本例にかかるガスセンサ1における基端側各部の温度分布と,従来構成にかかる図13,図14にかかるガスセンサ9の温度分布とを比較測定した結果について説明する。
この温度分布はガスセンサ1及び9の各部に熱電対を設置して,ガスセンサ1及び9を自動車のエンジン実機にかかる排気管に搭載し,実際の空燃比制御を行わせながら,各部温度の測定を行った。
【0046】
その結果を,図2及び図14にそれぞれ記載した。
図14に示した線図のごとく,従来構成のガスセンサ9では,ハウジング10の温度が550℃と高い場合は,ハウジング10から遠くはなれた弾性シール部材17の近傍でも温度が低下し難く,同図に示したB1で温度が247℃,B2で236℃,B3で220℃,B4で209℃であった。
また,本例にかかるガスセンサ1では,図2に示す線図のごとく,撥水フィルタ23や弾性シール材17の近傍の温度はハウジング10の基端側の温度が550℃と高温であっても,温度があまり高くならなかった。すなわち,図2に示したA1で253℃,A2で165℃,A3で134℃,A4で122℃であった。
【0047】
本例の作用効果について説明する。
本例の内部カバー部材22は内部部材である皿バネキャップ24に線接触している。また,内部部材である皿バネキャップ24はメインカバー部材21の内側面に対して広い面積で面接触している。
したがって,熱いハウジング10からの熱は素子側絶縁碍子12,大気側絶縁碍子13,皿バネ15を介して皿バネキャップ24に達するが,該皿バネキャップ24から内部カバー部材22への熱の伝わりやすさと,メインカバー部材21への熱の伝わりやすさを比較すると,メインカバー部材21に対してより熱が伝わりやい構成である。
【0048】
したがって,皿バネキャップ24から内部カバー部材22へと流れる熱よりも,皿バネキャップ24からメインカバー部材21へ流れる熱が多くなる。さらに,メインカバー部材21はセンサの外部に露出しているため,露出する側面から熱が放散し,メインカバー部材21と内部カバー部材22との間で熱もこもり難い。
よって,本例のガスセンサ1は内部カバー部材22とメインカバー部材21にはさまれた撥水フィルタ23,内部カバー部材22との距離が近い弾性シール部材17の温度が上昇し難い。
【0049】
以上,本例によれば,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
【0050】
なお,本例のガスセンサ1では,皿バネキャップ24が内部カバー部材22と当接する構成となったが,後述する別の実施例のように皿バネキャップ24がない構成のガスセンサもある。
また,本例のガスセンサ1は,自動車で使用する空燃比センサを想定したが,空燃比センサ以外であっても使用環境でハウジングが加熱される構成のガスセンサについて本例の構成は有効である。
【0051】
(実施例2)
本例にかかるガスセンサは,図3に示すごとく,大気側カバー2がメインカバー部材21と該メインカバー部材21の外側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材29とからなる。
上記メインカバー部材21は,図示を略したが,その先端側をハウジングに直接固定すると共に側面の一部がガスセンサ外部に露出する。
そして,図3に示すごとく,上記メインカバー部材21に対して上記フィルタカバー部材29がかしめ固定されたかしめ固定部295は,上記撥水フィルタ23の先端よりも更にハウジング側に位置する。すなわち,図3において,かしめ固定部295は撥水フィルタ23の先端よりも下側に位置する。
【0052】
図3に示すごとく,本例にかかるガスセンサの基本的な形状や構成は従来知られたガスセンサ(たとえば図13)と同様であるが,撥水フィルタ23の先端よりもさらに先端側でフィルタカバー部材29はメインカバー部材21に接触し,そこでかしめ固定する。
【0053】
本例のガスセンサの温度を実施例1と同様に測定すると,符号C1の位置で
161℃となったが,撥水フィルタ23近傍のC2付近で148℃となっていた。従って,撥水フィルタ23や弾性シール部材17の温度が上昇し難く,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
その他詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0054】
(実施例3)
本例にかかるガスセンサは,図4,図5に示すごとき,円筒形で,先端側に向かうにつれて薄肉となる内部カバー部材22を有する。
この内部カバー部材22をメインカバー部材21の内側に組み付けた場合,図4に示すごとく,内部部材である皿バネ14の基端側の端面141との当接状態が線接触となる。皿バネ14はメインカバー部材21の内側面にも当接し,図4より明らかであるが,皿バネ14の基端側端面141及び側面142の広い面積に面接触状態で当接する。
【0055】
従って,ハウジングからの熱が素子側絶縁碍子,大気側絶縁碍子を経て皿バネ14に達するが,熱は主として皿バネ14に対して接触面積の広いメインカバー部材21に伝導する。メインカバー部材21はガスセンサの外部に露出しているため,熱は放散してこもり難い。よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0056】
(実施例4)
図6,図7に示す内部カバー部材22は,円筒形で,先端側221に向かって薄肉となり,さらに先端側がガスセンサ軸方向に沿って波状に構成されている。この内部カバー部材22をメインカバー部材21の内側に組み付けた場合,図6に示すごとく,皿バネ14の基端側の端面141との当接状態が点接触となる。皿バネ14はメインカバー部材21の内側面にも当接し,図6より明らかであるが,皿バネ14の基端側端面141及び側面142の広い面積がメインカバー部材21の内側面に面接触状態で当接する。
【0057】
従って,ハウジングからの熱が素子側絶縁碍子,大気側絶縁碍子を経て皿バネ14に達するが,熱は主として皿バネ14に対して接触面積の広いメインカバー部材21に伝導する。メインカバー部材21はガスセンサの外部に露出しているため,熱は放散してこもりに難い。よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0058】
(実施例5)
図8,図9に示す内部カバー部材22は,円筒形で,先端側221に向かって薄肉となり,さらに,全体に伝熱阻害穴223を有する。
この内部カバー部材22をメインカバー部材21の内側に組み付けた場合,図8に示すごとく,皿バネ14の基端側の端面141との当接状態が線接触となる。皿バネ14はメインカバー部材21の内側にも当接しているが,図8より明らかであるが,皿バネ14の基端側端面141及び側面142の広い面積がメインカバー部材21の内側面に面接触状態で当接する。
【0059】
従って,ハウジングからの熱が素子側絶縁碍子,大気側絶縁碍子を経て皿バネ14に達するが,熱は主として皿バネ14に対して接触面積の広いメインカバー部材21に伝導する。メインカバー部材21はガスセンサの外部に露出しているため,熱は放散してこもり難い。さらに,内部カバー部材22の全体に伝熱阻害穴223があり,この阻害穴223に阻まれて熱が内部カバー部材22の全体を温め難くなる。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0060】
(実施例6)
本例にかかる内部カバー部材22は,円筒形で,先端側も他の部分も肉厚は均一である。そして,図10に示すごとく,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13に接していない。よって,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13から熱が殆ど伝導せず,高温になり難い。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0061】
(実施例7)
本例にかかる内部カバー部材22は,前述した図10と同様に円筒形で,先端側221も他の部分も肉厚は均一である。そして,図11に示すごとく,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13に接しておらず,皿バネ14の基端側の端面との間に,該皿バネ14よりも熱伝導率が小さいポーラスなセラミックからなる伝熱阻害部材229が設けてあり,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13から熱の伝導が生じ難い。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0062】
(実施例8)
本例にかかる内部カバー部材22は,前述した図10と同様に円筒形で,先端側221も他の部分も肉厚は均一である。そして,図11に示すごとく,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13に接しているが,内部カバー部材22そのものがポーラスなセラミック材料からなり,皿バネ14や大気側絶縁碍子13(緻密なセラミックからなり,熱伝導性が高い)よりも熱伝導率が低くなっており,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13から熱の伝導が生じ難い。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサの軸方向全体断面図。
【図2】実施例1における,ガスセンサの要部断面説明図及び温度分布を示す線図。
【図3】実施例2における,メインカバー部材及びその外方に設けたフィルタカバー部材からなる大気側カバーを有するガスセンサの要部断面説明図。
【図4】実施例3における,内部カバー部材の先端部が内部部材に線接触で当接しているガスセンサの要部断面説明図。
【図5】実施例3における,内部カバー部材の一部切り欠き説明図。
【図6】実施例4における,内部カバー部材の先端部が内部部材に点接触で当接しているガスセンサの要部断面説明図。
【図7】実施例4における,内部カバー部材の一部切り欠き説明図。
【図8】実施例5における,伝熱阻害穴を備えた内部カバー部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図9】実施例5における,内部カバー部材の一部切り欠き説明図。
【図10】実施例6における,内部部材と接していない内部カバー部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図11】実施例7における,内部カバー部材と内部部材との間に伝熱阻害部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図12】実施例8における,熱伝導率の低い材料からなる内部カバー部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図13】従来構成のガスセンサの軸方向断面図
【図14】従来構成のガスセンサの撥水フィルタ付近の要部断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ,
19...ガスセンサ素子,
10...ハウジング,
2...大気側カバー,
21...メインカバー部材,
22...内部カバー部材,
23...撥水フィルタ,
17...弾性シール部材,
【技術分野】
本発明は,自動車エンジンの排気管等に取り付けて熱い高温の排気ガス中にさらされて特定ガス濃度を測定するガスセンサに関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の排気管に取り付け,空燃比制御に利用するガスセンサが知られている。
このガスセンサ9は,図13,図14に示すごとく,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子19と該ガスセンサ素子19を絶縁碍子12を介して挿通固定する筒型のハウジング10と,上記ガスセンサ素子19の先端側を覆うように上記ハウジング10の先端側に固定する被測定ガス側カバー11と,上記ガスセンサ素子19の基端側を覆うように上記ハウジング10の基端側に固定する大気側カバー91とを有する。
【0003】
図13,図14に示すごとく,上記大気側カバー91は,先端側がガスセンサ1の外部に露出し,ハウジング10の基端側側面100に溶接固定するメインカバー部材911と,該メインカバー部材911の基端側に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材912とよりなる。
【0004】
また,上記ガスセンサ9において,大気側カバー91の基端側の内側面に弾性シール部材17をかしめ固定し,該弾性シール部材17において大気側カバー91の基端側がシールされる。
また上記ガスセンサ素子19に接続した出力取り出し用及び/または電力印加用リード線16は上記弾性シール部材17を経由して外部へと延設される。そして,上記リード線16は上記弾性シール部材17に設けた挿通穴に対しシール固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−072464号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
ところで,ガスセンサ9を自動車の排気管に取り付けた際は,図13,図14に示すごとく,ハウジング10の先端側で同図に示す破線Lより下側は熱い排気ガスにより熱せられ,ハウジング10は高温となる。
上記ハウジング10に固定されたメインカバー部材911も,ハウジング10からの熱伝導で,特に先端側が高温となる。ガスセンサ9における破線Lより基端側は大気雰囲気にさらされ,メインカバー部材911は大気雰囲気に露出していることもあり,破線Lより基端側に向かうに従って温度は少しずつ低くなる(図14参照)。
【0007】
しかしながら,図13,図14に示すごとく,筒型の撥水フィルタ23を設けた部分においてメインカバー部材911は外部に露出せず,筒型の撥水フィルタ23とフィルタカバー部材912で覆われているため熱がこもりやすい。
また,弾性シール部材17をかしめ固定した部分もメインカバー部材911が外部に露出せず,フィルタカバー部材912により覆われており,ここでも熱がこもりやすい。
【0008】
ところで,弾性シール部材17は熱に強くない。そして耐熱限界付近では変形したり,弾性率が変わってしまう。弾性シール部材17は大気側カバー91に対しかしめ固定されており,弾性シール部材17が変形したり,弾性率が変わって,かしめ固定された部分に隙間が生じ,そこでシール性が低下するおそれがある。また,リード線16は弾性シール部材17によって保持されているため,リード線16の位置ずれや脱落発生のおそれもある。
【0009】
また,撥水フィルタ23は一般に多孔質の樹脂材料よりなるため,弾性シール部材17と同様に熱で変形したり弾性率が変わり,かしめ固定された部分でゆるんでしまうおそれがある。
さらに,撥水フィルタ23は多孔質であるが,熱によって気孔が溶けて変形し,塞がって,通気性が悪化するおそれがある。
【0010】
この撥水フィルタ23は,ガスセンサ9の大気側カバー91の内部に大気を導入する導入穴913,914を覆うように設け,該導入穴913,914からの水分浸入を防止するために設けたもので,大気を通す通気性が必要である。
撥水フィルタ23の通気性が低下した際は大気の導入が困難となり,ガスセンサ9内部が酸欠状態となってガス濃度測定に支障が生じるおそれがある。
【0011】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】
第1の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーの内部には,上記ハウジングから熱伝達が発生し,ガスセンサを構成する各種の内部部材が存在し,
上記大気側カバーは,メインカバー部材と該メインカバー部材の内側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定した内部カバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記内部カバー部材における撥水フィルタと対面する位置に外部から大気側カバーの内部に大気を導入するための導入穴を有し,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記内部カバー部材の内側面にかしめ固定し,大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を有し,
上記内部カバー部材は,上記内部部材のいずれに対しても接触せず,かつ上記メインカバー部材のみに接触することを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
【0013】
第2の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーの内部には,上記ハウジングから熱伝達が発生し,ガスセンサを構成する各種の内部部材が存在し,
上記大気側カバーはメインカバー部材と該メインカバー部材の内側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定した内部カバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記内部カバー部材における撥水フィルタと対面する位置に外部から大気側カバーの内部に大気を導入するための導入穴を有し,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記内部カバー部材の内側面にかしめ固定し,大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を有し,
上記内部カバー部材は,上記内部部材と直接的または間接的に当接し,上記内部部材によって大気側カバーの内部において支承され,
上記内部部材と上記内部カバー部材との間は,上記内部部材と上記メインカバー部材との間よりも熱が伝導し難く構成することを特徴とするガスセンサにある(請求項2)。
【0014】
第1及び第2の発明にかかるガスセンサを高温の被測定ガスにさらして使用する場合,該被測定ガスによってハウジングは加熱され,熱を持つ。メインカバー部材はハウジングに直接固定してあるから,ハウジングからの熱が伝導し,ハウジングの温度に応じた熱を持つ。
本発明にかかるガスセンサでは,撥水フィルタも内部カバー部材も共にメインカバー部材の内部に位置して,メインカバー部材からの熱放散を妨げ難い。したがって,ハウジングからメインカバー部材に伝導した熱は,順調に外部に放散され,撥水フィルタや弾性シール部材の近傍で熱がこもることが防止できる。
【0015】
また,内部カバー部材は撥水フィルタをかしめ固定する部材である。仮に内部カバー部材が高温であれば撥水フィルタを熱によって痛めるおそれがある。
第1の発明では内部カバー部材は内部部材のいずれに対しても接しておらず,代わりにメインカバー部材に接している。したがって,内部部材を経由したハウジングからの熱伝導が生じないため,内部カバー部材の温度は上昇し難い。
よって,内部カバー部材とメインカバー部材によって挟まれた撥水フィルタ,内部カバー部材との距離が近い大気側カバーの基端側に位置する弾性シール部材の温度上昇を防ぐことができる。
【0016】
また,第2の発明において,内部カバー部材は内部部材に接しているが,内部部材から内部カバー部材への熱の伝わりやすさと,内部部材からメインカバー部材への熱の伝わりやすさとを比較すると,第2の発明は内部部材からメインカバー部材に対してより熱が伝わりやい構成を有する。
したがって,ハウジングからの熱で内部部材が加熱された場合,内部部材から内部カバー部材へと流れる熱よりも,内部部材からメインカバー部材へ流れる熱のほうが多く,よって,内部カバー部材とメインカバー部材にはさまれた撥水フィルタ,内部カバー部材との距離が近い大気側カバーの基端側に位置する弾性シール部材の温度上昇を防ぐことができる。
【0017】
また,第1の発明で内部カバー部材はメインカバー部材のみに接触しているため,内部カバー部材に仮に熱がこもったとしても,速やかにメインカバー部材経由で外部に放散することができる。メインカバー部材は側面の一部がガスセンサ外部に露出しているため,外部への熱の放散が容易である。
また,第2の発明で内部カバー部材は内部部材と直接的または間接的に当接して支承され,この支承によって内部カバー部材ががたついたり,位置ずれを起こしたりしないような構成を得ることができる。
【0018】
第3の発明は,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーはメインカバー部材と該メインカバー部材の外側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定したフィルタカバー部材とからなり,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記メインカバー部材に対して上記フィルタカバー部材をかしめ固定するかしめ固定部は,上記撥水フィルタの先端よりも更にハウジング側に位置することを特徴とするガスセンサにある(請求項7)。
【0019】
第3の発明にかかるガスセンサは,従来と同様にメインカバー部材の基端側でフィルターカバー部材を設け,両者間に撥水フィルタを挟んでかしめ固定する構成である。ただし,かしめ固定部を撥水フィルタの先端よりもさらに先端側とする。そのため,ハウジングからメインカバー部材に伝導した熱は,撥水フィルタに達する前にかしめ固定部を経由してガスセンサの外部に露出するフィルタカバー部材に伝達される。よって,熱の放散が生じやすい。
【0020】
したがって,フィルタカバー部材とメインカバー部材との間に熱がこもり難くなり,撥水フィルタや大気側カバーの基端側に位置する弾性シール部材の温度上昇を防止することができる。
【0021】
以上,本発明によれば,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
第1〜第3の発明にかかるガスセンサは,被測定ガス中の酸素濃度やNOx濃度,CO濃度,HC濃度などを測定する各種のガスセンサに対し適用することができる。また,自動車エンジン等の内燃機関の排気系に設置して,燃焼制御に利用する空燃比センサとして用いることができる。
また,ガスセンサ素子も積層型,コップ型,いずれを採用したガスセンサについても,本発明を適用することができる。
なお,ガスセンサの詳細構成は実施例で説明するが,本発明は実施例の構成にとどまらず,多くのガスセンサにおいて適用することができる。
【0023】
本発明のガスセンサにかかる内部部材の具体例は後述するが,これら内部部材が加熱される原因は主として二つ考えられる。一つは,実施例に記載したように被測定ガスにさらされたガスセンサのハウジングが被測定ガスの熱によって加熱され,ハウジングからの熱伝導で内部部材が加熱される。もう一つは,ガスセンサ素子を素子活性温度に加熱するヒータをガスセンサは備えているが,このヒータからの熱がガスセンサ素子を経由して内部部材に熱伝導する。
一般的にヒータからの熱伝導よりは被測定ガスによって加熱されたハウジングからの熱伝導のほうが大きく,撥水フィルタや弾性シール部材に大きな影響を与えるおそれがある。
【0024】
また,本発明にかかるガスセンサにおいて,撥水フィルタは,大気側カバーに設けた導入穴から内部に水が侵入することを防ぐために設ける。テトラフルオロエチレンなどの各種樹脂材料よりなる多孔質材料で構成することが一般的である。
【0025】
第2の発明において,内部部材と内部カバー部材との間を,内部部材とメインカバー部材との間よりも熱を伝導し難くする構成として,たとえば以下に示す構成がある。
すなわち,上記内部カバー部材は,上記内部部材に対し線接触及び/または点接触で当接することが好ましい(請求項3)。
また,上記内部カバー部材と上記内部部材との間に,上記内部部材よりも熱伝導率が小さい材料からなる伝熱阻害部材を設けたことが好ましい(請求項4)。また,上記内部カバー部材は伝熱阻害穴を有することが好ましい(請求項5)。
【0026】
線接触及び/または点接触とすることで,接触面積を減らして熱の伝導を阻害することができる。また熱伝導率が小さければ,熱が伝導し難くなる。さらに,内部カバーに穴を開けることで内部カバーの熱伝導率を低下させ,熱を伝導し難くする。伝熱阻害部材を設けることで熱の伝導を妨げたり,熱が伝わり難くなるようにすることができる。
以上の構成によって,内部カバー部材に熱が伝わり難くなって,撥水フィルタや弾性シール部材を熱から保護することができる。
【0027】
また,内部カバー部材を内部部材について線接触及び/または点接触とするには,内部部材と接触する部分を薄肉としたり,突出するような構成として接触面積を減らすような形状とすればよい。具体例として,後述する図4〜図7に記載したような形状がある。
また,内部カバー部材の熱伝導率を下げるためには,たとえば内部部材やメインカバー部材を熱をよく伝える熱伝導率に優れた金属材料や緻密なセラミックで構成し,内部カバー部材をよりポーラスなセラミックなどで構成する方法などが挙げられる。
また,伝熱阻害部材を設けることで,内部カバー部材から内部部材に至る熱の伝導を阻害できると共に,伝熱阻害部材が先端側から内部カバー部材を支承することができるため,内部カバー部材ががたついたり,位置ずれを起こしたりしないような構成を得ることができる。
この伝熱阻害部材は,熱伝導率が悪いポーラスなセラミックなどで構成することができる。
【0028】
また,第1及び第2の発明にかかる内部部材は,上記ガスセンサ素子の基端側を覆う大気側絶縁碍子及び上記大気側絶縁碍子を上記ハウジング側に向けて押圧固定する皿バネ等である(請求項6)。
ガスセンサの代表的な構成として,後述する図1に示す構成が知られている。すなわち,ガスセンサ素子は素子側絶縁碍子を介してハウジングに固定し,素子側絶縁碍子の基端側に大気側絶縁碍子を載置する。
また,大気側絶縁碍子は,該大気側絶縁碍子の基端側に設けた中心に穴を備えた環状の皿バネによって,ガスセンサ素子の軸方向の押圧力を加え,ハウジング側に押圧固定する。
【0029】
大気側絶縁碍子は,セラミック等よりなる内部が空洞となった円筒型の部材で,ガスセンサ素子の基端側にかぶさるように設置し,ガスセンサ素子の位置決め及び保護,該ガスセンサ素子に接続されるリード線等の案内などのために設けた部材である。
【0030】
これらの内部部材はいずれもハウジングと直接または間接的に接続し,ハウジングから熱が伝導する。従って,これら内部部材からの熱の流入を減らして遮断することで,内部カバー部材の温度上昇を防止することができる。
また,上記以外の構成となるガスセンサでは別の部材が内部部材となると考えられる。しかし,いずれの内部部材に関しても,ハウジングから熱が伝導する可能性のある部材で,ガスセンサの外部に露出していない部材については,上記したごとく,内部カバー部材との接触などを控えることが好ましい。
【0031】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例にかかるガスセンサ1は,図1,図2に示すごとく,被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子19と該ガスセンサ素子19を挿通固定する筒型のハウジング10と,上記ガスセンサ素子19の先端側を覆うように上記ハウジング10の先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバー11と,上記ガスセンサ素子19の基端側を覆うように上記ハウジング10の基端側に固定する筒型の大気側カバー2とを有する。
【0032】
上記大気側カバー2の内部には,上記ハウジング10から熱伝達が発生し,ガスセンサ1を構成する各種の内部部材が存在する。なお,本例のガスセンサ1での内部部材は皿バネ15や大気側絶縁碍子13,皿バネキャップ24である。
【0033】
上記大気側カバー2はメインカバー部材21と該メインカバー部材21の内側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定した内部カバー部材22とからなる。上記メインカバー部材21及び上記内部カバー部材22における撥水フィルタ23と対面する位置に外部から大気側カバー2の内部に大気を導入するための導入穴210,220を有する。
【0034】
上記メインカバー部材21は,先端側を上記ハウジング10に直接固定すると共に側面の一部がガスセンサ1の外部に露出する。
また,上記内部カバー部材22の内側面にかしめ固定して,大気側カバー2の基端側をシールする弾性シール部材17がある。上記内部カバー部材22は,上記内部部材の皿バネキャップ24と直接当接し,上記皿バネキャップ24が大気側カバー2の内部において上記内部カバー部材22を図面の下方から支承する。そして,上記内部部材の皿バネキャップ24と上記内部カバー部材22との間を,上記皿バネキャップ24と上記メインカバー部材21との間よりも熱を伝導し難く構成する。
【0035】
以下,詳細に説明する。
本例にかかるガスセンサ1は,自動車エンジンに接続した排気管の壁面に取り付けて,自動車エンジンの空燃比を測定して空燃比制御に使用する(図示略)。このときガスセンサ1は,ハウジング10の側面に設けた径方向に突出する胴部101の先端側端面102を排気管の外壁面に向けて取り付ける。また,先端側端面102に対して上記排気管に対してシール固定できるようにバネ部103を設けてある。
【0036】
そして,図1に記載した破線Lより下側が,ガスセンサ1による空燃比測定時に排気ガスから加熱される領域である。破線Lより上側は大気雰囲気である。したがって,破線Lからガスセンサ1の基端側に向かうに従って,ガスセンサ1の温度が低下する。なお,図1等では図面の上側をガスセンサの基端側,下方を先端側とした。
【0037】
上記ハウジング10の先端側に,二重構成の被測定ガス側カバー11が設けてあり,該カバー11の内部に排気ガスを導入する導入穴が側面に設けてある。また,被測定ガス側カバー11の内部でガスセンサ素子19の先端側が露出する。
【0038】
上記ガスセンサ素子19は,素子側絶縁碍子12を介してハウジング10内部に固定する。素子側絶縁碍子12とハウジング10との間,素子側絶縁碍子12とガスセンサ素子19との間はそれぞれシール固定して,ガスの流通が生じないようにする。
上記素子側絶縁碍子12の基端側端面に大気側絶縁碍子13を載置する。大気側絶縁碍子13は内部が空洞130で,そこにガスセンサ素子19の基端側を収納する。また,上記空洞130と大気側絶縁碍子13の基端側の端面との間を連絡する連絡穴131がある。
【0039】
上記ガスセンサ素子19と電気的に接続して,外部に素子19の出力を取り出したり,または外部から素子19に電力を供給する端子191がある。この端子191は上記連絡穴131を通じて,大気側絶縁碍子13の外部で大気側カバー2の内部に突出する。この突出した箇所において,連結部材192を介して上記端子191はリード線16に電気的に接続される。
上記リード線16は,大気側カバー2の基端側をシールする弾性シール部材17に設けた挿通穴170を通じてガスセンサ1の外部へと引き出され,外部に設けた測定装置や電源などと接続する。
【0040】
大気側絶縁碍子13の基端側端面には皿バネ15を載置する。この皿バネ15はガスセンサ1の軸方向に押圧することで軸方向の復元力が生じるような形状を備える。
素子側絶縁碍子12はハウジング10の内側面に突出形成されたテーパ面105に載置し,大気側絶縁碍子13は素子側絶縁碍子12の基端側端面に載置する。皿バネ15は大気側絶縁碍子13の基端側端面と大気側カバー2との間に位置し,図1の基端側から先端側に向かう軸方向の押圧力を大気側絶縁碍子13及び素子側絶縁碍子12に与えて,大気側絶縁碍子13と素子側絶縁碍子12との間,素子側絶縁碍子12とハウジング10のテーパー面105との間を密着固定する。
【0041】
なお,皿バネ15の基端側より皿バネキャップ24がかぶさって,大気側カバー2と大気側絶縁碍子13との間で皿バネ15を位置決めして,位置ずれしないように固定する。この皿バネキャップ24は,皿バネ15の外径とほぼ同じ内径を備え,先端側が大気側絶縁碍子13の側面に沿って開口した筒状部材である。
【0042】
上記大気側カバー2について説明する。
図2に示すごとく,大気側カバー2はハウジング10の基端側側面100に直接溶接固定したメインカバー部材21と,メインカバー部材21の基端側の内側面で撥水フィルタ23を介してかしめ固定した内部カバー部材22とよりなる。いずれのカバー部材21,22も略筒型である。
また,弾性シール部材17は,メインカバー部材21と内部カバー部材22とが重なる部分で,もっとも大気側カバー2において基端側となる内側面に対しかしめ固定される。弾性シール部材17のかしめ固定部は図2における符号251である。
【0043】
弾性シール部材17をかしめ固定した位置より先端側の2箇所のかしめ固定部252において,撥水フィルタ23を介してメインカバー部材21と内部カバー部材22とをかしめ固定する。
また,メインカバー部材21,内部カバー部材22には,それぞれ大気側カバー2の内部に大気を導入するための導入穴210,220を有するが,これらの導入穴210,220と対面するよう上記撥水フィルタ23はかしめ固定する。
【0044】
上記メインカバー部材21について説明する。
上記メインカバー部材21は先端側が径大で,大気側絶縁碍子13の基端側の端面付近で径が切り替わって小径となる。上記メインカバー部材21の小径の部分における内側面に内部カバー部材22の先端側221が当接する。
そして,内部カバー部材22の肉厚は先端側221に向かうほど薄肉となり,内部カバー部材22の先端側221は皿バネキャップ24に対し環状に線接触する。また皿バネキャップ24は,図2に示すごとく,基端側の端面及び側面全体でメインカバー部材21の内側面に面接触状態で当接する。
【0045】
次に,本例にかかるガスセンサ1における基端側各部の温度分布と,従来構成にかかる図13,図14にかかるガスセンサ9の温度分布とを比較測定した結果について説明する。
この温度分布はガスセンサ1及び9の各部に熱電対を設置して,ガスセンサ1及び9を自動車のエンジン実機にかかる排気管に搭載し,実際の空燃比制御を行わせながら,各部温度の測定を行った。
【0046】
その結果を,図2及び図14にそれぞれ記載した。
図14に示した線図のごとく,従来構成のガスセンサ9では,ハウジング10の温度が550℃と高い場合は,ハウジング10から遠くはなれた弾性シール部材17の近傍でも温度が低下し難く,同図に示したB1で温度が247℃,B2で236℃,B3で220℃,B4で209℃であった。
また,本例にかかるガスセンサ1では,図2に示す線図のごとく,撥水フィルタ23や弾性シール材17の近傍の温度はハウジング10の基端側の温度が550℃と高温であっても,温度があまり高くならなかった。すなわち,図2に示したA1で253℃,A2で165℃,A3で134℃,A4で122℃であった。
【0047】
本例の作用効果について説明する。
本例の内部カバー部材22は内部部材である皿バネキャップ24に線接触している。また,内部部材である皿バネキャップ24はメインカバー部材21の内側面に対して広い面積で面接触している。
したがって,熱いハウジング10からの熱は素子側絶縁碍子12,大気側絶縁碍子13,皿バネ15を介して皿バネキャップ24に達するが,該皿バネキャップ24から内部カバー部材22への熱の伝わりやすさと,メインカバー部材21への熱の伝わりやすさを比較すると,メインカバー部材21に対してより熱が伝わりやい構成である。
【0048】
したがって,皿バネキャップ24から内部カバー部材22へと流れる熱よりも,皿バネキャップ24からメインカバー部材21へ流れる熱が多くなる。さらに,メインカバー部材21はセンサの外部に露出しているため,露出する側面から熱が放散し,メインカバー部材21と内部カバー部材22との間で熱もこもり難い。
よって,本例のガスセンサ1は内部カバー部材22とメインカバー部材21にはさまれた撥水フィルタ23,内部カバー部材22との距離が近い弾性シール部材17の温度が上昇し難い。
【0049】
以上,本例によれば,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
【0050】
なお,本例のガスセンサ1では,皿バネキャップ24が内部カバー部材22と当接する構成となったが,後述する別の実施例のように皿バネキャップ24がない構成のガスセンサもある。
また,本例のガスセンサ1は,自動車で使用する空燃比センサを想定したが,空燃比センサ以外であっても使用環境でハウジングが加熱される構成のガスセンサについて本例の構成は有効である。
【0051】
(実施例2)
本例にかかるガスセンサは,図3に示すごとく,大気側カバー2がメインカバー部材21と該メインカバー部材21の外側面に筒型の撥水フィルタ23を介してかしめ固定したフィルタカバー部材29とからなる。
上記メインカバー部材21は,図示を略したが,その先端側をハウジングに直接固定すると共に側面の一部がガスセンサ外部に露出する。
そして,図3に示すごとく,上記メインカバー部材21に対して上記フィルタカバー部材29がかしめ固定されたかしめ固定部295は,上記撥水フィルタ23の先端よりも更にハウジング側に位置する。すなわち,図3において,かしめ固定部295は撥水フィルタ23の先端よりも下側に位置する。
【0052】
図3に示すごとく,本例にかかるガスセンサの基本的な形状や構成は従来知られたガスセンサ(たとえば図13)と同様であるが,撥水フィルタ23の先端よりもさらに先端側でフィルタカバー部材29はメインカバー部材21に接触し,そこでかしめ固定する。
【0053】
本例のガスセンサの温度を実施例1と同様に測定すると,符号C1の位置で
161℃となったが,撥水フィルタ23近傍のC2付近で148℃となっていた。従って,撥水フィルタ23や弾性シール部材17の温度が上昇し難く,熱に弱い撥水フィルタや弾性シール部材の周辺温度が高くなり難い構造のガスセンサを提供することができる。
その他詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0054】
(実施例3)
本例にかかるガスセンサは,図4,図5に示すごとき,円筒形で,先端側に向かうにつれて薄肉となる内部カバー部材22を有する。
この内部カバー部材22をメインカバー部材21の内側に組み付けた場合,図4に示すごとく,内部部材である皿バネ14の基端側の端面141との当接状態が線接触となる。皿バネ14はメインカバー部材21の内側面にも当接し,図4より明らかであるが,皿バネ14の基端側端面141及び側面142の広い面積に面接触状態で当接する。
【0055】
従って,ハウジングからの熱が素子側絶縁碍子,大気側絶縁碍子を経て皿バネ14に達するが,熱は主として皿バネ14に対して接触面積の広いメインカバー部材21に伝導する。メインカバー部材21はガスセンサの外部に露出しているため,熱は放散してこもり難い。よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0056】
(実施例4)
図6,図7に示す内部カバー部材22は,円筒形で,先端側221に向かって薄肉となり,さらに先端側がガスセンサ軸方向に沿って波状に構成されている。この内部カバー部材22をメインカバー部材21の内側に組み付けた場合,図6に示すごとく,皿バネ14の基端側の端面141との当接状態が点接触となる。皿バネ14はメインカバー部材21の内側面にも当接し,図6より明らかであるが,皿バネ14の基端側端面141及び側面142の広い面積がメインカバー部材21の内側面に面接触状態で当接する。
【0057】
従って,ハウジングからの熱が素子側絶縁碍子,大気側絶縁碍子を経て皿バネ14に達するが,熱は主として皿バネ14に対して接触面積の広いメインカバー部材21に伝導する。メインカバー部材21はガスセンサの外部に露出しているため,熱は放散してこもりに難い。よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0058】
(実施例5)
図8,図9に示す内部カバー部材22は,円筒形で,先端側221に向かって薄肉となり,さらに,全体に伝熱阻害穴223を有する。
この内部カバー部材22をメインカバー部材21の内側に組み付けた場合,図8に示すごとく,皿バネ14の基端側の端面141との当接状態が線接触となる。皿バネ14はメインカバー部材21の内側にも当接しているが,図8より明らかであるが,皿バネ14の基端側端面141及び側面142の広い面積がメインカバー部材21の内側面に面接触状態で当接する。
【0059】
従って,ハウジングからの熱が素子側絶縁碍子,大気側絶縁碍子を経て皿バネ14に達するが,熱は主として皿バネ14に対して接触面積の広いメインカバー部材21に伝導する。メインカバー部材21はガスセンサの外部に露出しているため,熱は放散してこもり難い。さらに,内部カバー部材22の全体に伝熱阻害穴223があり,この阻害穴223に阻まれて熱が内部カバー部材22の全体を温め難くなる。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0060】
(実施例6)
本例にかかる内部カバー部材22は,円筒形で,先端側も他の部分も肉厚は均一である。そして,図10に示すごとく,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13に接していない。よって,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13から熱が殆ど伝導せず,高温になり難い。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0061】
(実施例7)
本例にかかる内部カバー部材22は,前述した図10と同様に円筒形で,先端側221も他の部分も肉厚は均一である。そして,図11に示すごとく,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13に接しておらず,皿バネ14の基端側の端面との間に,該皿バネ14よりも熱伝導率が小さいポーラスなセラミックからなる伝熱阻害部材229が設けてあり,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13から熱の伝導が生じ難い。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【0062】
(実施例8)
本例にかかる内部カバー部材22は,前述した図10と同様に円筒形で,先端側221も他の部分も肉厚は均一である。そして,図11に示すごとく,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13に接しているが,内部カバー部材22そのものがポーラスなセラミック材料からなり,皿バネ14や大気側絶縁碍子13(緻密なセラミックからなり,熱伝導性が高い)よりも熱伝導率が低くなっており,内部部材である皿バネ14や大気側絶縁碍子13から熱の伝導が生じ難い。
よって,撥水フィルタ23や弾性シール部材(図示略)の温度上昇を防いで,これらを熱から守ることができる。
そのほか詳細な構成や作用効果は実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,ガスセンサの軸方向全体断面図。
【図2】実施例1における,ガスセンサの要部断面説明図及び温度分布を示す線図。
【図3】実施例2における,メインカバー部材及びその外方に設けたフィルタカバー部材からなる大気側カバーを有するガスセンサの要部断面説明図。
【図4】実施例3における,内部カバー部材の先端部が内部部材に線接触で当接しているガスセンサの要部断面説明図。
【図5】実施例3における,内部カバー部材の一部切り欠き説明図。
【図6】実施例4における,内部カバー部材の先端部が内部部材に点接触で当接しているガスセンサの要部断面説明図。
【図7】実施例4における,内部カバー部材の一部切り欠き説明図。
【図8】実施例5における,伝熱阻害穴を備えた内部カバー部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図9】実施例5における,内部カバー部材の一部切り欠き説明図。
【図10】実施例6における,内部部材と接していない内部カバー部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図11】実施例7における,内部カバー部材と内部部材との間に伝熱阻害部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図12】実施例8における,熱伝導率の低い材料からなる内部カバー部材を持つガスセンサの要部断面説明図。
【図13】従来構成のガスセンサの軸方向断面図
【図14】従来構成のガスセンサの撥水フィルタ付近の要部断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ,
19...ガスセンサ素子,
10...ハウジング,
2...大気側カバー,
21...メインカバー部材,
22...内部カバー部材,
23...撥水フィルタ,
17...弾性シール部材,
Claims (7)
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,
上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーの内部には,上記ハウジングから熱伝達が発生し,ガスセンサを構成する各種の内部部材が存在し,
上記大気側カバーは,メインカバー部材と該メインカバー部材の内側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定した内部カバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記内部カバー部材における撥水フィルタと対面する位置に外部から大気側カバーの内部に大気を導入するための導入穴を有し,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記内部カバー部材の内側面にかしめ固定し,大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を有し,
上記内部カバー部材は,上記内部部材のいずれに対しても接触せず,かつ上記メインカバー部材のみに接触することを特徴とするガスセンサ。 - 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,
上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーの内部には,上記ハウジングから熱伝達が発生し,ガスセンサを構成する各種の内部部材が存在し,
上記大気側カバーはメインカバー部材と該メインカバー部材の内側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定した内部カバー部材とからなり,
上記メインカバー部材及び上記内部カバー部材における撥水フィルタと対面する位置に外部から大気側カバーの内部に大気を導入するための導入穴を有し,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記内部カバー部材の内側面にかしめ固定し,大気側カバーの基端側をシールする弾性シール部材を有し,
上記内部カバー部材は,上記内部部材と直接的または間接的に当接し,上記内部部材によって大気側カバーの内部において支承され,
上記内部部材と上記内部カバー部材との間は,上記内部部材と上記メインカバー部材との間よりも熱が伝導し難く構成することを特徴とするガスセンサ。 - 請求項2において,上記内部カバー部材は,上記内部部材に対し線接触及び/または点接触で当接することを特徴とするガスセンサ。
- 請求項2において,上記内部カバー部材と上記内部部材との間に,上記内部部材よりも熱伝導率が小さい材料からなる伝熱阻害部材を設けたことを特徴とするガスセンサ。
- 請求項2において,上記内部カバー部材は伝熱阻害穴を有することを特徴とするガスセンサ。
- 請求項1〜5のいずれか一項において,上記内部部材は,上記ガスセンサ素子の基端側を覆う大気側絶縁碍子及び上記大気側絶縁碍子を上記ハウジング側に向けて押圧固定する皿バネであることを特徴とするガスセンサ。
- 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と該ガスセンサ素子を挿通固定する筒型のハウジングと,上記ガスセンサ素子の先端側を覆うように上記ハウジングの先端側に固定する筒型の被測定ガス側カバーと,
上記ガスセンサ素子の基端側を覆うように上記ハウジングの基端側に固定する筒型の大気側カバーとを有するガスセンサにおいて,
上記大気側カバーはメインカバー部材と該メインカバー部材の外側面に筒型の撥水フィルタを介してかしめ固定したフィルタカバー部材とからなり,
上記メインカバー部材は,先端側を上記ハウジングに直接固定すると共に少なくとも側面の一部がガスセンサ外部に露出し,
上記メインカバー部材に対して上記フィルタカバー部材をかしめ固定するかしめ固定部は,上記撥水フィルタの先端よりも更にハウジング側に位置することを特徴とするガスセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002370186A JP2004198360A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | ガスセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002370186A JP2004198360A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | ガスセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004198360A true JP2004198360A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32766186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002370186A Pending JP2004198360A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | ガスセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004198360A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007199036A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Denso Corp | ガスセンサ |
JP2007199005A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Denso Corp | ガスセンサ |
JP2011247641A (ja) * | 2010-05-24 | 2011-12-08 | Denso Corp | ガスセンサ及びその製造方法 |
EP2784498A1 (en) * | 2013-03-29 | 2014-10-01 | NGK Insulators, Ltd. | Gas sensor |
JP2015132492A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | 日本特殊陶業株式会社 | センサ |
CN105424886A (zh) * | 2015-12-09 | 2016-03-23 | 苏州工业园区传世汽车电子有限公司 | 内燃机用氧传感器 |
JP2019203849A (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | 日本特殊陶業株式会社 | センサ |
WO2020230505A1 (ja) * | 2019-05-10 | 2020-11-19 | 株式会社デンソー | ガスセンサ |
JP7432542B2 (ja) | 2021-01-26 | 2024-02-16 | 株式会社Soken | ガスセンサ |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370186A patent/JP2004198360A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007199005A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Denso Corp | ガスセンサ |
JP4631727B2 (ja) * | 2006-01-30 | 2011-02-16 | 株式会社デンソー | ガスセンサ |
JP4706491B2 (ja) * | 2006-01-30 | 2011-06-22 | 株式会社デンソー | ガスセンサ |
JP2007199036A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Denso Corp | ガスセンサ |
JP2011247641A (ja) * | 2010-05-24 | 2011-12-08 | Denso Corp | ガスセンサ及びその製造方法 |
US9188576B2 (en) | 2013-03-29 | 2015-11-17 | Ngk Insulators, Ltd. | Gas sensor |
EP2784498A1 (en) * | 2013-03-29 | 2014-10-01 | NGK Insulators, Ltd. | Gas sensor |
JP2015132492A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | 日本特殊陶業株式会社 | センサ |
CN105424886A (zh) * | 2015-12-09 | 2016-03-23 | 苏州工业园区传世汽车电子有限公司 | 内燃机用氧传感器 |
JP2019203849A (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | 日本特殊陶業株式会社 | センサ |
JP7021002B2 (ja) | 2018-05-25 | 2022-02-16 | 日本特殊陶業株式会社 | センサ |
WO2020230505A1 (ja) * | 2019-05-10 | 2020-11-19 | 株式会社デンソー | ガスセンサ |
JP2020186945A (ja) * | 2019-05-10 | 2020-11-19 | 株式会社Soken | ガスセンサ |
JP7125372B2 (ja) | 2019-05-10 | 2022-08-24 | 株式会社Soken | ガスセンサ |
JP7432542B2 (ja) | 2021-01-26 | 2024-02-16 | 株式会社Soken | ガスセンサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4339320A (en) | Heated gas composition sensor structure | |
JPH08254521A (ja) | 酸素濃度検出器 | |
US4591423A (en) | Oxygen sensor | |
JPH0465339B2 (ja) | ||
WO2015076223A1 (ja) | ガスセンサ | |
JP5310170B2 (ja) | ガスセンサ及びその製造方法 | |
JP4172267B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP2004198360A (ja) | ガスセンサ | |
US7722750B2 (en) | Gas sensor with improved heat resistance | |
JP2018119901A (ja) | ガスセンサ | |
JP2010032237A (ja) | 温度センサ | |
JP4128357B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP2005326396A (ja) | ガスセンサ | |
JP3894116B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP2000193632A (ja) | ガスセンサ | |
JP2005181225A (ja) | ガスセンサ | |
JP2004198362A (ja) | ガスセンサ | |
JP2003232768A (ja) | 酸素センサ | |
JP2007024628A (ja) | ガスセンサ | |
JP6065795B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP6702342B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP4934072B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP2005207907A (ja) | 酸素センサ | |
JP3771018B2 (ja) | ガス濃度検出素子 | |
JPH0584854U (ja) | 酸素センサ |