JP3771018B2 - ガス濃度検出素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するガス濃度検出素子、特に内燃機関の排出ガス中の酸素濃度等の検出に好適なガス濃度検出素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気管壁にガス濃度検出素子を設けて排出ガス中の酸素濃度等を検出し、燃料噴射量や排出ガス再循環(EGR)システムのEGR量をフィードバック制御することが行われている。この種のガス濃度検出素子の一例を図10に示すと、ガス濃度検出素子は、フランジ91にて内燃機関の排気管P壁に固定されるハウジング92を有し、その内部に管状のガス濃度検出体93を収容している。該ガス濃度検出体93は下半部が上記ハウジング92より突出して上記排気管P内に位置しており、その周囲はカバー体94で保護されている。上記ガス濃度検出体93は、ジルコニア等の固体電解質よりなる管状部の内外表面に白金等の電極を形成してなり、これを加熱して検出感度を向上させるためのヒータ95を内蔵している。
【0003】
上記カバー体94は、ガス濃度検出体93を保温するとともに機械的衝撃から保護するもので、通常、図のように内筒94aと外筒94bの二重構造となっている。これら内筒94aと外筒94bには、それぞれ側壁の複数箇所にガス流通孔941、942が互い違いに設けてあり、流入する排出ガスの流速を弱めて電極を保護している。なお、図中、96はガス濃度検出素子の上半部を覆う上部カバー、97はガス濃度検出体93の電極にリード線を介して接続されるターミナルである。
【0004】
上記構成のガス濃度検出素子は、ガソリンエンジン燃料噴射量を制御するものとして用いられているが、最近、ディーゼルエンジンの燃料噴射量やEGR量を制御するものにも用いられる。ガス濃度検出体93は、周知のように酸素イオン伝導度が温度に依存するため、排出ガス温度が低温時にはヒータ95によってガス濃度検出体93を加熱している。
【0005】
しかし、ガス濃度検出体93に供給された熱は、該ガス濃度検出体93の外表面から排出ガス中に放熱される。周知のように、ガソリンエンジンに比較して、ディーゼルエンジンは排出ガス温度が低く、しかも排出ガス流量が多いため、このような排出ガスがガス濃度検出体93の外表面に衝突すれば、該ガス濃度検出体93は急速に冷却されることになる。このようなガス濃度検出体93の冷却をできるだけ防ぐためには、排出ガスが直接的にガス濃度検出体93の外表面に衝突しないように、ガス濃度検出体93の排出ガスに晒される側の先端部をカバー体94で囲み、カバー体94によりガス濃度検出体93の保温性の向上を図ることが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のガソリンエンジン用のガス濃度検出素子において、カバー体94にはその周壁に排出ガスが直接的に衝突する方向にガス流通孔941、942が開口しているため、排出ガスはこのガス流通孔941、942を経てカバー体94を横断的に、かつガス流速があまり弱められることなく流通することになる。
【0007】
このため、上記構成のカバー体94を有するガス濃度検出素子をディーゼルエンジンに適用すると、該カバー体94によるガス濃度検出体93の保温性が十分ではなく、ガス濃度検出体93の表面温度およびカバー体94自身の温度も低くなり、ディーゼルエンジンの排出ガス中のパティキュレートがこれら表面に付着、堆積しやすくなる。パティキュレートは、Soot(スス)、SOF(可溶性有機成分)を含んでおり、SOFは粘性が高くSootの付着を媒介するが、ガス濃度検出体93およびカバー体94の表面温度が低いほどSOFが揮発しにくく、従ってその表面にパティキュレートが付着しやすくなる。
【0008】
そして、付着、堆積したパティキュレートの一部がエンジンの高出力運転時に高温の排出ガスによって燃焼すると、ガス濃度検出体93周囲の排出ガスの成分濃度(酸素濃度)を変化させ、検出誤差を生じる原因となる。また、上記ガス流通孔941、942がパティキュレートによって目詰まりし、排出ガスの流通が悪くなって検出の応答性が低下したり、誤検出が生じるおそれがある。また、これを回避しようとすると、ヒータ95の負担が増大したり、加熱に必要な電力量が増加するといった問題があった。
【0009】
ここで、実開昭53−103784号公報には、カバー体先端の閉鎖部分に熱容量の大きなヒートマスを設けて排出ガスの温度変動に対してガス感応部の保温効果を高めるようにした酸素濃度センサが開示されている。しかしながら、上記構成では、カバー体の側部にガス流通孔が形成されているため、上記と同様の問題を生じる。
【0010】
この対策として、本発明者は、例えば、カバー体の側部にはガス流通孔を形成せずに、カバー体の先端部に形成してガス濃度検出体に接触する排出ガスの量を減少させ、かつガス濃度検出体およびカバー体を横断的に流通するガス流れを回避して、カバー体の冷却を抑制することを考えた。このような考え方に対して先行する技術として米国特許第5073247号明細書がある。この従来例は、ガス濃度検出体およびカバー体の冷却を抑制するという直接的な考え方は開示していないが、カバー体の側部にガス流通孔を形成せずに先端部に形成している点で構造的に符号している。
【0011】
しかしながら、この従来例では、カバー体の先端部に設けたガス流通孔が一つであるため、カバー体内部への排出ガスの流入と流出とが同一のガス流通孔において同時に進行することになるので、ガス流通孔を介してのガス交換が円滑に行われない。この結果、検出応答性に劣るという問題がある。
【0012】
しかして、本発明は、保温性を高め、パティキュレートの付着、堆積を防止して検出誤差の発生等を防止でき、しかも十分な応答性が得られるガス濃度検出素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明請求項1の構成におけるガス濃度検出素子は、被測定ガス中のガス成分濃度を検出する濃度検出部と、該濃度検出部の被測定ガスに晒される部分を包囲するカバー体とを備えている。上記カバー体は、径の異なる内筒と外筒を同心状に配して二重筒構造としてある。上記カバー体は軸線方向の先端面に、それぞれが被測定ガスの導入口あるいは導出口として機能する、排出ガスの流れ方向に並ぶ2個の開口部、または、上記先端面と中心が一致する正三角形の頂点に位置する3個の開口部を有し、上記カバー体のうち上記先端面を除く側部は開口部を持たない閉ざされた壁部となしてある。
【0014】
上記構成では、上記カバー体の軸線方向の先端部にのみ開口部を設けたので、側部に開口部を有する従来構成に比べ、排出ガスの流出入によるカバー体あるいはガス濃度検出部の冷却が抑制される。よって、ヒータの負担を増加させることなく、保温性が向上し、パティキュレートの付着による検出誤差の発生を防止できる。また、開口部を先端部に設けたことにより排出ガスの流れが開口部を直撃しないので、開口部が目詰まりしにくい。さらに、上記開口部を排出ガスの流れ方向に並ぶ2個または正三角形の頂点に位置する3個設けたので、そのいずれかが被測定ガスの導入口となり、いずれかが導出口として機能する。従って、開口部が1つの場合に比べて排出ガスの流通が円滑になされ、検出応答性が大きく向上する。また、上記カバー体を、径の異なる内筒と外筒を同心状に配して二重筒構造とし、ガス濃度検出体の周囲を二重に保護することで、上記カバー体による断熱効果をさらに高めることができる。
【0017】
二重筒構造とした上記カバー体の内筒と外筒の先端面に、それぞれ3つの開口部を互い違いとなるようにまたは一部重なるように設けることもでき(請求項)、保温性をより向上できる。あるいは、上記カバー体の内筒と外筒の間に径の異なる中筒を同心状に配した三重筒構造とし、または内筒と外筒の間に複数の筒体を配設してそれ以上の多重筒構造とすることもできる(請求項)。
【0018】
上記カバー体を二重以上の多重筒構造とした場合、最も内側の内筒にのみ先端面を設けて上記2個または3個の開口部を形成し、それより外側の筒体は先端開放としてもよい(請求項)。この時、外側の筒体を先端開放としたので、被測定ガスの導入口または導出口となる上記開口部の熱が、外側の筒体に逃げることがなく、その側部から放出されるのを防止できる。よって、上記開口部付近の温度を高温に保つことができ、保温性を向上できる。
【0019】
上記カバー体を二重以上の多重筒構造とした場合に、上記内筒の先端面が、その外側に位置する筒体の先端面と接触しない構成とすることもできる(請求項)。上記内筒の外側の筒体が先端開放でなくても、外側の筒体の先端面が内筒の先端面に接触しないように構成することで、上記内筒の先端面から、その外側の筒体の先端面へ熱が逃げることを防止できる。よって、上記開口部付近の温度を高温に保つことができ、保温性を向上できる。
【0020】
上記内筒は先端に向けて径が小さくなるテーパ状としてもよい(請求項)。この時、上記内筒の内容積が減少するので、内筒内のガス交換がより円滑になされ、応答性の向上に効果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明をディーゼルエンジンの排気管壁に取り付けられる酸素濃度検出素子に適用した例を示すものである。図中、酸素濃度検出素子は、ディーゼルエンジンの排気管P壁に貫設される筒状ハウジング1を有し、該ハウジング1外周に設けたフランジ部P1にて上記排気管P壁に固定されている。上記ハウジング1内には濃度検出部たる円管状のガス濃度検出体2が挿通保持されている。
【0022】
上記ガス濃度検出体2は、上半部が上記ハウジング1内に保持固定され、下半部は上記ハウジング1より突出して排気管P内に延びている。上記ガス濃度検出体2の下半部は詳細を後述するカバー体3内に収容されており、中空とした内部にはヒータ4が内蔵されている。上記ガス濃度検出体2の上方には、セラミック製の蓋状体5が配置され、該蓋状体5の上半部外周は金属カバー51で覆われている。上記カバー51の上端開口は電気絶縁部材52で封止されている。
【0023】
上記ガス濃度検出体2は、円管状に成形したジルコニア等の酸素イオン導電性固体電解質2aと、その先端部近傍において内外周面の対向位置に設けた白金等の電極2b、2cとからなる。上記固体電解質2aの外表面には多孔質アルミナ等からなる拡散抵抗層(図略)が形成されており、外周側の電極2cには拡散抵抗層を通過した排出ガスが到達するようになしてある。上記電極2b、2cは、上記電解質2a表面に形成したリード部を通じてリード線61、62に接続している。これらリード線61、62の他端は上記電気絶縁部材52に保持されるターミナル71、72に接続されている。
【0024】
セラミック製の円筒形蓋状体5とカバー51との間には金属チューブ81が配置されている。チューブ81の上端は、セラミック製円筒体11の下端に接しており、又チューブ81の下端はハウジング1の内側に位置している。チューブ81下方のハウジング1内には絶縁部材12が充填されている。
【0025】
チューブ81の下端は、ガス濃度検出体2とハウジング1とを固定する際に用いるカシメリング80の下端に位置しており、ハウジング1の上端をリング80を介してかしめることで、チューブ81はハウジング1に固定されている。
【0026】
又、チューブ81の上端と蓋状体5との間にはコイルスプリング82が配置されている。そして、カバー51の上端をゴム等の弾性電気絶縁部材52にかしめ固定して、該電気絶縁部材52の位置を決定することにより、上記コイルスプリング82は円筒体11及びチューブ81と蓋状体5との間で圧縮され、この圧縮による弾性反力が蓋状体5に作用し、蓋状体5はガス濃度検出体2の上端に押圧、固定される。尚、ヒータ4の上方にはガイドリング83が固定されており、このガイドリング83の上端にも上記蓋状体5の下端を介して上記弾性反力が作用する結果、ヒータ4はその位置を固定される。
【0027】
上記カバー51の下端側とチューブ81との間は、微小な隙間が形成されている。従って、この隙間を通って、大気が円筒体11とチューブ81の上端との接触隙間、円筒体11の内側空間、蓋状体5の内側空間、ヒータ4のガイドリング83とガス濃度検出体2との嵌合隙間を経て、該検出体2の内側に導かれるようにされている。
【0028】
上記固体電解質2aの中空部にはヒータ4が収容されている。ヒータ4は、上記ガス濃度検出体2を加熱してその感度を向上させるためのもので、アルミナ等よりなる棒状体の、上記電極2b、2cの対向位置にニクロム線等を埋設して発熱部41となしている。上記ヒータ4は上記電気絶縁部材52に保持されるターミナル73に接続される。
【0029】
上記カバー体3は二重筒構造で、図2(a)、(b)に示すように、ステンレス等よりなり、径の異なる内筒31と外筒32を同心状に配してなる。上記内筒31および外筒32の軸方向の先端部(図の下端部)は閉鎖され、内外筒31、32の先端面は密接している。上記内筒31は外方に屈曲する上端縁を外筒32内周壁に当接支持せしめており、上記外筒32の上端縁は上記ハウジング1の下端部に固定されている(図1)。
【0030】
上記内筒31および外筒32には、その軸方向の先端面に、開口部たる2つのガス流通孔33、34が排出ガスの流れ方向(図2中、矢印で示す)に並ぶように形成してある。これらガス流通孔33、34は同一形状(円形)で、一方がガス導入孔として他方がガス導出孔として機能する。上記内筒31および外筒32の側壁には開口部は形成されておらず、排出ガスは、上記ガス流通孔33、34を介してのみカバー体3内へ出入りする。
【0031】
次に、上記構成のガス濃度検出素子の作動を説明する。図1のように、酸素濃度検出素子を排気管P壁に固定すると、排出ガスは上記ガス流通孔33またはガス流通孔34よりカバー体3内に流入しガス濃度検出体2表面に到達する。ガス濃度検出体2の中空部内には大気が導入される。よって、ヒータ4によって上記ガス濃度検出体2を所定温度に加熱し、上記電極2b、2cに所定の電圧を印加すると、排出ガス中の酸素が固体電解質2a表面の拡散抵抗層を通過して外周側の電極2cに達し、さらに固体電解質2a内を通って内周側の電極2bに至る。この酸素の移動により電極2b、2c間に排出ガス中の酸素濃度に比例した限界電流が流れ、これを検出することで排出ガス中の酸素濃度を検出することができる。
【0032】
そして、本発明では、上記カバー体3の側部にガス流通孔を形成せず、軸方向の先端部にのみガス流通孔33、34を設けており、上記ガス濃度検出体2および内筒31が排出ガスに直接晒されることがない。よって、排出ガスの流出入による上記カバー体3およびガス濃度検出体2の表面温度の低下が抑制され、またカバー体3を内外筒31、32よりなる二重筒構造としたので、保温性がさらに向上する。従って、上記カバー体3またはガス濃度検出体2にパティキュレートが付着、堆積することを防止し、検出誤差の発生を防止できる。
【0033】
また、ガス流通孔が排出ガスの流れに向いていないので、ガス流通孔33、34が目詰まりしにくく、排出ガスの流通の悪化を防止できる。さらに、同一形状の排出ガス流通孔33、34を排出ガスの流れ方向に2つ設けたので、一方が排出ガスの導入孔、他方が導出孔と役割が分割される。よって、ガス流通孔が1つの場合と比較して排出ガスの流出入が円滑に行われ、カバー体3内のガス交換速度が速くなる。また、カバー体3の内外筒31、32の先端面が密接しているので、内外筒31、32間に排出ガスが滞留することが抑制され、これらにより検出の応答性が大きく向上する。
【0034】
ここで、実際に、上記構造の酸素濃度検出素子を試作し、ディーゼルエンジンでのアイドル運転中の排出ガスに晒して、保温性の向上効果を調べた。カバー体3は軸方向長20mm、内筒径7mm、外筒径9mmのものを用い、ガス流通孔33、34の径は2.5mmとした。その結果、ガス流通孔を側部に形成した図10の従来構造のカバー体に比べ、同じヒータ電力で、ガス濃度検出体2の表面温度が75℃、カバー体3の内表面(ガス濃度検出体2に最も近い面)温度が45℃高くなり、パティキュレートの付着、堆積を大幅に減少させることができた。
【0035】
次に、上記カバー体3を用いて排出ガス中の酸素濃度を5%から10%に急変させた時の63%応答速度(酸素濃度の急変点から63%の濃度変化を検出するまでに要する時間で表す)を調べたところ、ガス流通孔を1つ(径2.5mm)とした場合と比べ、63%応答速度が400msから180msと大幅に向上した。
【0036】
図3は本発明の参考例を示すもので、この参考例では、ガス流通孔35を単数とし、その形状を、排出ガスの流れ方向に並ぶ2つの円形の穴部35a、35bの一部を重ね合わせた形状とした。このとき、2つの円形の穴部35a、35bの重なる部分にできる幅狭部35cにより、これを挟んで一方の円形孔がガス導入孔、他方の円形孔がガス導出孔に役割が分割される実際に各穴部35a、35bの径を2.5mmとした図3の構造のカバー体3を試作し、その応答性を調べたところ、63%応答速度は270msであった。
【0038】
図4は本発明の第の実施の形態を示すもので、図のように、上記カバー体3の内筒31と外筒32の先端面間に間隔を設け、そのそれぞれに3つのガス流通孔36a〜36c、37a〜37cを互い違いとなるように設けてもよい。上記内外筒31、32ともガス流通孔36a〜36c、37a〜37cは円形(径2mm)で、それぞれの孔が正三角形の頂点に位置するようにし、三角形の中心の位置は先端面の中心と一致させてある。ガス流通孔36a〜36c、37a〜37cの中心の位置はそれぞれ先端面の中心から2mm離れ、上記内筒31のガス流通孔36a〜36cと外筒32のガス流通孔37a〜37cは先端面中心を中心として相対的に60°回転した位置にある。また、内筒31と外筒32の先端面は2mm離れており、排出ガスが内筒32の内側まで導入できるようになっている。
【0039】
このように、内筒31のガス流通孔36a〜36cと外筒32のガス流通孔37a〜37cの位置をずらすことで、保温性がより向上する。具体的には、ずらさない場合(ガス流通孔3つ、径2mm)と比較して、ガス濃度検出体2の外表面温度で30℃、カバー体3の内表面(ガス濃度検出体2に最も近い面)において15℃高くすることができた。しかも、上記構成では、内筒31と外筒32の先端面が接触していないので、排出ガス流に晒されて温度が低くなっている外筒32へ、内筒31の先端面から熱が逃げることを防止でき、保温性の向上効果をさらに高くすることができる。
【0040】
また、カバー体3内のガス交換速度は、ガス流通孔が3つあるため、ガス流通孔36a〜36cとガス流通孔37a〜37cの位置をずらしても大きくは変わらず、酸素濃度を急変させた時の63%応答速度は、ずらさない場合の180msに対し220msと、十分速い応答速度を維持できることがわかる。
【0041】
なお、図5に示す本発明の第の実施の形態のように、上記カバー体3の内筒31と外筒32の先端面の間に間隔を設けず、内筒31のガス流通孔36a、36bと外筒32のガス流通孔37a、37bがわずかに重なるように形成してももちろんよく、ガス流通孔の位置をずらすことによる同様の保温性向上効果が得られる。
【0042】
図6は本発明の第の実施の形態を示すもので、本実施の形態では、上記カバー体3の内筒31を先端に向けて縮径するテーパ状としている。外筒32は上記各実施の形態と同様の形状とし、内筒31と外筒32の先端面を密接させて、3つのガス流通孔38a〜38cがそれぞれ正三角形の頂点に位置するように設けてある。ガス流通孔38a〜38cは円形(径2mm)で、それぞれの中心の位置はカバー体3先端面の中心より2mm離れている。
【0043】
上記構成では、内筒31をテーパ状としたので、内筒内容積が小さくなり、ガス交換時間をより速くできる。このため、酸素濃度を急変させた時の63%応答速度が、内筒31をテーパ状としない場合に比較し、180msから150msとなり、応答性を向上させることができた。
【0044】
図7は本発明の第の実施の形態を示すもので、上記第1の実施の形態における、カバー体3の内筒31と外筒32の先端部、上端部における接触部を溶接接合し(図中、黒丸は接合部を示す)、さらに内筒32と外筒31の間をセラミック粉体等の充填材8で満たしている。
【0045】
上記構成では、充填材8による断熱効果で保温性がさらに向上する。また、内外筒31、32間を溶接接合したので、これらの間に排出ガスが入り込んで滞留することがなく、応答性が向上する。
【0046】
図8は本発明の第の実施の形態を示すもので、本実施の形態では、上記カバー体3を、内筒31と外筒32およびその間の中筒39の三重筒構造となしてある。ガス流通孔33、34は内筒31先端面にのみ形成してあり、外筒32と中筒39は先端開放となしてある。
【0047】
上記構成では、カバー体3を三重とすることにより、保温性をさらに向上することができる。この結果、二重筒構造で内筒31、外筒32にともにガス流通孔33、34を形成した先端面を有する構造に比較して、ガス流通孔33、34付近の温度を80℃高くすることができた。また、中筒39と外筒32が先端面を有しないため、ガス流通孔33、34の熱が、中筒39や外筒32に逃げ、これらを介して排出ガスに放出されるのを防止することができる。これにより、ガス流通孔33、34付近の温度を高温に保つことができ、ガス流通孔33、34の目詰まりを防止するために、特に効果的である。
【0048】
図9は本発明の第の実施の形態を示すものである。本実施の形態では、上記カバー体3を、内筒31と外筒32の二重筒構造となし、内筒31の先端面に2つのガス流通孔33、34を形成する一方、外筒32の先端面には開口321を設けてある。ここで、上記開口321は、内筒31の先端部に外筒32の先端部が接触しないように、十分大きく形成してある。このように、上記内筒31が先端面を有する形状であっても、内筒31の先端面が外筒32に接触しないようにすることで、排出ガスに晒されて温度が低くなっている外筒32に、ガス流通孔33、34の熱が逃げ、その側面部を介して排出ガスに放出されるのを防止することができる。従って、ガス流通孔33、34付近の温度を高温に保つことができるため、ガス流通孔33、34の目詰まりを防止するために、特に効果的である。
【0049】
さらに、上記の各実施の形態では、ガス濃度検出体2は円筒状であるが、固体電解質板、電気絶縁板を積層した、いわゆる積層構造としても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すガス濃度検出素子の全体断面図である。
【図2】(a)は第1の実施の形態におけるカバー体の縦断面図、(b)は横断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)はカバー体の縦断面図、(b)は横断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示し、(a)はカバー体の縦断面図で(b)のA−A線断面図、(b)は横断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示すカバー体の縦断面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示し、(a)はカバー体の縦断面図で(b)のB−B線断面図、(b)は横断面図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示すカバー体の縦断面図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態を示し、(a)はカバー体の縦断面図、(b)は横断面図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態を示し、(a)はカバー体の縦断面図、(b)は横断面図である。
【図10】従来のガス濃度検出素子の全体断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
11 円筒体
12 絶縁部材
2 ガス濃度検出体(濃度検出部)
2a 固体電解質
2b 電極
2c 電極
3 カバー体
31 内筒
32 外筒
321 開口
33〜38 ガス流通孔
39 中筒
4 ヒータ
41 発熱部
5 蓋状体
51 金属カバー
52 絶縁部材
61、62 リード線
71、72、73 ターミナル
80 リング
81 チューブ
82 コイルスプリング
P 排気管
P1 フランジ

Claims (6)

  1. 被測定ガス中のガス成分濃度を検出する濃度検出部と、該濃度検出部の被測定ガスに晒される部分を包囲するカバー体とを有するガス濃度検出素子であって、上記カバー体を径の異なる内筒および外筒を同心状に配した二重筒構造となし、上記カバー体の軸線方向の先端面に、それぞれが被測定ガスの導入口または導出口として機能する、排出ガスの流れ方向に並ぶ2個の開口部、または、上記先端面と中心が一致する正三角形の頂点に位置する3個の開口部を設けるとともに、上記先端面を除く上記カバー体の側部は開口部を持たない閉ざされた壁部となしたことを特徴とするガス濃度検出素子。
  2. 二重筒構造とした上記カバー体の内筒と外筒の先端面に、それぞれ上記3個の開口部を互い違いとなるように、または、一部重なるように設けた請求項1記載のガス濃度検出素子。
  3. 上記カバー体の内筒と外筒の間に径の異なる中筒を同心状に配した三重筒構造、または内筒と外筒の間に複数の筒体を配設した多重筒構造となした請求項1記載のガス濃度検出素子。
  4. 二重以上の多重筒構造となした上記カバー体の、上記内筒先端面にのみ上記2個または3個の開口部を設け、それより外側の筒体は先端開放となした請求項1ないし3記載のガス濃度検出素子。
  5. 二重以上の多重筒構造となした上記カバー体において、上記内筒の先端面とその外側に位置する筒体の先端面とが接触していない請求項1ないし3記載のガス濃度検出素子。
  6. 上記内筒を先端に向けて径が小さくなるテーパ状となした請求項1ないし5のいずれか記載のガス濃度検出素子。
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