JP2004196902A - セルロースエステルフィルム及びその保管方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロースエステルフィルムは、カルシウムの含有率が、カルシウム原子に換算して30ppm以下、及びマグネシウムの含有率が、マグネシウム原子に換算して30ppm以下であり、かつ該フィルムを所定の環境条件下で調温調湿処理した後、及び処理前のいずれにおいても、該フィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるCa原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下、及び同Mg原子の検出確率が、1000ppm以下である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光板用保護フィルムに用いられるセルロースエステルフィルム及びその保管方法、さらに詳しくは、傷や異物発生などの劣化が抑えられるセルロースエステルフィルム、及びフィルムの貯蔵及び輸送などの物流状態における保管時にも、傷や異物発生などの劣化が抑えられるセルロースエステルフィルムの保管方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置(LCD)は種々のところに使用されるに伴って、LCDに使用される液晶表示素子すなわち偏光板についても高生産性化(生産量増大)が求められている。しかも、液晶表示装置(LCD)については薄型化が進んでおり、LCDに使用される偏光板についても薄膜化が要望されている。
【0003】
現在、LCDの偏光板用の保護フィルムとしては、主にセルローストリアセテート(TAC)フィルムが用いられているが、その厚みは比較的厚いものであった。
【0004】
セルロースエステルフィルムの薄膜品では、フィルムの貯蔵及び輸送などの物流状態における保管時に、異物や傷の発生などの故障が生じやすいという問題があった。例えばセルロースエステルフィルムの薄膜品を、船便により、温度30〜40℃、湿度80〜90%RHで1〜3週間の環境条件下で輸送すると、フィルムに異物の発生が生じるという問題があった。また例えばセルロースエステルフィルムの薄膜品を、夏期において温度35〜45℃、湿度80〜90%RHで0.5〜1ヶ月の環境条件下で保管すると、同様にフィルムに異物の発生が生じるという問題があった。
【0005】
そして、このような異物が原因となって、セルロースエステルフィルムに傷が発生することもあり、その結果、セルロースエステルフィルムの外観を損ね、偏光板用保護フィルムの用途に供することができないという問題があった。
【0006】
そこで、従来は、セルロースエステルフィルムの保管時の環境条件を低湿・低温化したり、防湿性を有する包装材でセルロースエステルフィルムを包装したりする方法が行なわれており、このような従来法によれば、ある程度の効果はあるが、セルロースエステルフィルムの薄膜品については、その効果は不充分であるという問題があった。
【0007】
このように、従来の既存のセルロースエステルフィルム、あるいはセルロースエステルフィルムの保管方法では、偏光板用保護フィルムに用いられるセルロースエステルフィルムの薄膜での高生産性化が進んだ場合に、フィルム自体の異物発生や傷発生による劣化、あるいはまたフィルムの貯蔵及び輸送などの物流状態における保管時の異物発生や傷発生によるフィルムの劣化に対処することができないという問題があった。
【0008】
一方、セルロースエステルフィルムに発生する異物は、カルシウム化合物及びマグネシウム化合物と分析されており、これらの化合物がフィルムの異物発生の原因物質と予想され、従来より、セルロースエステルフィルムの原料中のカルシウム及びマグネシウムの含有量を低減させる試みがなされ、あるいはまたセルロースエステルフィルムを特定の包装用シートで包装して、保管または輸送を行なう試みがなされている。
【0009】
ここで、従来の偏光板用保護フィルムに用いられるセルロースエステルフィルム中のカルシウム及びマグネシウムの濃度に関わる先行特許文献には、つぎのようなものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−313766号公報
本出願人は、先に、セルロースエステルフィルム中に含有されるカルシウム及びマグネシウムの量を規定することにより、偏光板用保護フィルムに用いられセルロースエステルフィルムの輝点異物、特に偏光板の直交状態(クロスニコル状態)下で観察される輝点異物といわれる異物を減少させるセルロースエステルフィルムの発明を提案した。
【0011】
【特許文献2】
特開2000−314811号公報
また本出願人は、先に、液晶ディスプレイなどの偏光板の保護フィルムとして適したセルロースエステルフィルムを含む光学フィルムの発明を提案した。この先提案の光学フィルムの発明では、特にフィルムの面品質及び光学的等方性の問題を改良すること、フィルムの加工性の改善、具体的には、製造時にフィルムを所望の形に打ち抜く際のカッティング特性を改善することを目的としていた。そして、この先提案の光学フィルムの発明では、セルロースエステルフィルムの平均分子量が規定されており、かつ光学フィルムに含有されるカルシウム及びマグネシウムの量が規定されていた。
【0012】
つぎに、セルロースエステルフィルムの保管や包装に関わる先行特許文献は、非常に多いが、これには、例えばつぎのようなものがある。
【0013】
【特許文献3】
特開2001−315885号公報
この特許出願公開公報においては、幅広の偏光フィルムの製造原料として有用な偏光フィルム用のポリビニルアルコール系重合体フィルムの保管または輸送方法に関わる発明が開示されており、この従来法では、フィルムと接触する部分の材質が金属またはプラスチックからなり、外形が規定された筒状コアにポリビニルアルコール系重合体(PVA)フィルムを巻き付けてフィルムロールとし、該フィルムロールを透湿度が規定された包装用フィルムで包装して、保管または輸送を行なうものであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の発明のように、セルロースエステルフィルムに含有されるカルシウム及びマグネシウムの量を規定するだけでは、フィルム自体の物性を改善するには効果が不充分であり、しかもセルロースエステルフィルムの薄膜品について、セルロースエステルの含有成分であるカルシウム及びマグネシウムと、セルロースエステルフィルム自体の傷発生や異物発生、あるいはまたセルロースエステルフィルムの保管時の傷発生や異物発生などの劣化とを関連付けた発明は、従来より特に見当たらない。
【0015】
また、上記特許文献3記載の発明のように、包装材料そのものや、感光材料の包装に利用する包装材料についての出願は以前から多いものであるが、液晶表示装置(LCD)の偏光板用の保護フィルムとして用いられるセルローストリアセテート(TAC)フィルムは、感光材料や他のフィルムに比べ、より厳しい品質が求められる。特に、フィルム保管時のフィルム品質の安定化は重要な課題であるが、現状の包装材料では不充分であるという問題があった。
【0016】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、偏光板用保護フィルムとして用いられるセルロースエステルフィルムの薄膜品について、フィルムの異物発生や傷発生などの劣化に対する改善効果が大きく、フィルムの貯蔵あるいは輸送などの物流状態における保管時にも、異物発生や傷発生などの劣化を抑えることができる、セルロースエステルフィルム及びセルロースエステルフィルムの保管方法を提供しようとすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、セルロースエステルフィルムの最表面に存在する硫酸カルシウムなどのカルシウム化合物、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物が、フィルムの異物発生の原因とは既に掴んでいたが、フィルム中に含有するカルシウムやマグネシウムのうち、フィルム最表面に存在するこれらの成分の割合が少なければ、異物発生や傷発生による劣化の改善効果が大きく、あるいは製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件や、ロール状に巻き取られたセルロースエステルフィルムの保管する際の湿度を特定の範囲内に規定することにより、あるいはまた特定の透湿度を有する包装材料を用いることにより、セルロースエステルフィルムの異物発生や傷発生などの劣化に対する改善効果が大きく、フィルムの貯蔵あるいは輸送などの物流状態における保管時にも、異物発生や傷発生などの劣化を抑えることができることを見い出した。
【0018】
本発明の請求項1記載のセルロースエステルフィルムの発明は、カルシウム及びマグネシウムを含有しかつ厚さ20〜60μmを有するセルロースエステルフィルムであって、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、かつ該フィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理の後、及び調温調湿処理の前のいずれの場合においても、該フィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下であることを特徴としている。
【0019】
ここで、「全成分」とは、セルロースエステルフィルムの最表面部分に存在する全てのフィルム構成成分を意味する。
【0020】
また、セルロースエステルフィルム中のカルシウム及びマグネシウムは、カルシウム原子及びマグネシウム原子、カルシウム化合物及びマグネシウム化合物、あるいはまたカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの状態うち、いずれの状態であっても良い。
【0021】
本発明の請求項2記載のセルロースエステルフィルムの発明は、上記請求項1記載のセルロースエステルフィルムであって、セルロースエステルフィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下であることを特徴としている。
【0022】
本発明の請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件が、温度25℃以下及び湿度50%RH以下であり、かつ該セルロースエステルフィルムがカルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた厚さ20〜60μmの上記セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が10g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴としている。
【0023】
本発明の請求項4記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法であって、セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が5g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴としている。
【0024】
本発明の請求項5記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法であって、セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が1g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴としている。
【0025】
本発明の請求項6記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、製膜後にロール状に巻き取られた厚さ20〜60μmのセルロースエステルフィルムが、カルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に湿度70%RH以下の環境条件下において保管することを特徴としている。
【0026】
上記本発明のセルロースエステルフィルムの膜厚は、20〜60μmの範囲にある。その理由は、厚さ20〜60μmのセルロースエステルフィルムは、例えば偏光板用保護フィルムとして用いられる際に、より品質に対して厳しい性能が求められるためである。
【0027】
本発明の上記セルロースエステルフィルムによれば、偏光板用保護フィルムとして用いられるセルロースエステルフィルムの薄膜品について、フィルム自体でフィルムの傷発生、及び異物発生が抑えられるものであり、かつフィルムの貯蔵及び輸送などの物流状態における保管時の劣化(傷発生、異物発生)を抑えることができ、さらにはフィルムを貯蔵あるいは輸送した後、フィルムを偏光板へ加工した際にも、傷発生を抑えることができるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、具体的に説明する。
【0029】
本発明のセルロースエステルフィルムの主成分であるセルロースエステルとしては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。セルローストリアセテートの場合は、特に重合度250〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルローストリアセテートが好ましく、結合酢酸量が58〜62.5%のベース強度が強くより好ましい。セルローストリアセテートは綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテートのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる。
【0030】
セルロースエステルの溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどの低級アルコール類、シクロヘキサン、ジオキサン類、メチレンクロライドのような低級脂肪族塩化炭化水素類などを用いることができる。
【0031】
溶剤比率としては、例えばメチレンクロライド70〜95重量%、その他の溶剤は5〜30重量%が好ましい。またセルロースエステルの濃度は10〜50重量%が好ましい。溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の沸点以上で、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましく例えば60℃以上、80〜110℃の範囲に設定するのが好適である。また、圧力は設定温度において、溶剤が沸騰しないように定められる。
【0032】
溶解後は冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで冷却し、これを製膜に供する。
【0033】
セルロースエステルと溶剤のほかに必要な可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
【0034】
本発明で用いることのできる可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート(TPP)、ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP)、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を単独あるいは併用するのが好ましい。上記の可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。これらの可塑剤を含有することにより、寸法安定性、耐水性に優れたフィルムが得られるため、特に好ましい。
【0035】
本発明において、吸水率ならびに水分率を特定の範囲内にするために、好ましい可塑剤の添加量としては、セルロースエステルに対する重量%で、15重量%以下、好ましくは10〜15重量%である。可塑剤を2種類以上併用して用いる場合には、これらの可塑剤の合計量が10〜15重量%の範囲にあれば、良い。
【0036】
本発明のセルロースエステルフィルムには、紫外線吸収剤を用いることが好ましく、紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。
【0037】
一般に用いられるものとしては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがあげられるが、これらに限定されない。
【0038】
また本発明のフィルムに滑り性の向上、巻取り後のブロッキング防止等の目的でマット剤として加える微粒子は、主ドープに添加してもよいが、添加液に加えるのが生産性の上からは好ましい。添加液に添加し、フィルムに含有せしめる。
また、主ドープに含有せしめてもよいが、微粒子としてはいかなるものも用いることができる。
【0039】
本発明に使用される微粒子としては無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。その中でも、微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。これらの例としては、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されているものがあり、使用することができる。さらに、二酸化ケイ素微粒子の1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見掛比重が70g/リットル以上の二酸化ケイ素微粒子であることが好ましい。これらを満足する二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジル200V、アエロジルR972Vがあり、フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
【0040】
本発明において、上記微粒子はセルロースエステルに対して、0.04〜0.4重量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.05〜0.2重量%である。
【0041】
本発明においては、セルロースエステルを溶解して得られるドープを支持体上に流延(キャスト工程)した後、加熱して溶剤の一部を除去(支持体上乾燥工程)した後、支持体から剥離し、剥離したフィルムを乾燥(フィルム乾燥工程)して、セルロースエステルフィルムを得る。
【0042】
キャスト工程における支持体はベルト状もしくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が使用される。キャスト工程の支持体の温度は一般的な温度範囲0℃から溶剤の沸点未満の温度で、流延することができるが、5〜30℃の支持体上に流延する方が、ドープをゲル化させ剥離限界時間をあげられるため、好ましく、5〜15℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。
【0043】
支持体上乾燥工程ではドープを流延し、一旦ゲル化させた後、流延から剥離するまでの時間を100%としたとき、流延から30%以内にドープ温度を40〜70℃にすることで、溶剤の蒸発を促進し、それだけ早く支持体上から剥離することができ、さらに剥離強度が増すため好ましく、30%以内にドープ温度を55〜70℃にすることがより好ましい。この温度を20%以上維持することが好ましく、40%以上がさらに好ましい。
【0044】
支持体上での乾燥は残留溶媒量60〜150%で支持体から剥離することが、支持体からの剥離強度が小さくなるため好ましく、80〜120%がより好ましい。剥離するときのドープの温度は0〜30℃にすることが剥離時のベース強度をあげることができ、剥離時のベース破断を防止できるため好ましく、5〜20℃がより好ましい。
【0045】
フィルム乾燥工程においては支持体より剥離したフィルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を3重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下であることが、寸法安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式または、クリップテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。液晶表示用部材用としては、テンター方式で幅を保持しながら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。
【0046】
フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点で熱風で行なうのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃の範囲で行なうことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0047】
本発明のセルロースエステルフィルムの製造に係わる巻き取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
【0048】
本発明によるセルロースエステルフィルムの厚さは、特に限定されないが、LCDに使用される液晶表示素子すなわち偏光板用の保護フィルムに用いられることから、通常、厚さ20〜60μmである。その理由は、厚さ20〜60μmのセルロースエステルフィルムは、例えば偏光板用保護フィルムとして用いられる際に、より品質に対して厳しい性能が求められるためである。
【0049】
本発明の請求項1記載のセルロースエステルフィルムの発明において、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下である。
【0050】
ここで、セルロースエステルフィルム中に含まれるカルシウム及びマグネシウムの含有量が、それぞれの原子として30ppmを超えると、フィルムに異物が発生したり、それに起因した傷が発生しやすくなるので、好ましくない。
【0051】
そして、該セルロースエステルフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理の後、及び調温調湿処理の前のいずれの場合においても、該フィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下である。
【0052】
なお、飛行時間型二次イオン質量分析装置としては、フィジカル エレクトロニクス(Physiacl Electronics)社製の「TFS−2100」を用い、装置に示されている規定の方法により測定を行なった。
【0053】
ここで、カルシウム原子及びマグネシウム原子の検出確率が検出数比で、それぞれ1000ppmを超えると、フィルムに発生した異物が増加したり、異物自体が大きくなったり、それに起因した傷発生が生じやすくなるので、好ましくない。
【0054】
本発明者らの研究によるセルロースエステルフィルムに発生する異物の分析の結果、フィルムの最表面に存在するカルシウム及びマグネシウムが、フィルムの異物の原因と判った。というのは、セルロースエステル中の硫酸カルシウムなどのカルシウム化合物、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物の含有量を低下させても、フィルムの保管時に異物や傷の発生があり、セルロースエステルの原料中の成分だけの問題ではないことは既に掴んでいたが、セルロースエステルフィルム中に含有するカルシウム及びマグネシウムのうち、最表面に存在する割合が少なければ、セルロースエステルフィルムの薄膜品について、フィルムの異物発生や傷発生などの劣化に対する改善効果が大きく、フィルムの貯蔵あるいは輸送などの物流状態における保管時にも、異物発生や傷発生などの劣化を抑えることができることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0055】
従って、セルロースエステルフィルムの最表面のカルシウム及びマグネシウムの存在量を減量させることができれば、異物発生や、それに起因した傷発生などの故障発生が無くなるものである。
【0056】
本発明の請求項2記載のセルロースエステルフィルムの発明は、上記請求項1記載のセルロースエステルフィルムであって、セルロースエステルフィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下である。これにより、偏光板用保護フィルムとして用いられるセルロースエステルフィルムの薄膜品について、フィルムの異物発生や傷発生などの劣化に対する改善効果が非常に大きいものである。
【0057】
本発明の請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件が、温度25℃以下及び湿度50%RH以下である。
【0058】
ここで、セルロースエステルフィルムの巻き取り部分の環境条件が、温度25℃を超え、湿度50%RHを超えると、フィルムに異物が発生したり、それに起因した傷発生が生じやすくなるので、好ましくない。
【0059】
そして、該セルロースエステルフィルムがカルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた厚さ20〜60μmの上記セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が10g/m2 以下である包装材料により包装して保管するものである。
【0060】
ここで、この包装材料の透湿度が、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が10g/m2 を超えるものであると、フィルムに発生した異物が増加したり、異物自体が大きくなったり、それに起因した傷発生が生じやすくなるので、好ましくない。
【0061】
というのは、ロール状に巻き取られたセルロースエステルフィルムを、防湿性の高い包装材料で包装することにより、包装材料内部のロール状のセルロースエステルフィルムを、常に低湿状態に保つことができ、これによって、フィルムに発生した異物が増加したり、異物自体が大きくなることを防ぐことができ、その結果、これらに起因した傷発生を抑えることができることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0062】
なお、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が10g/m2以下である包装材料としては、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成樹脂のフィルム、またポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系合成樹脂のフィルムなどが挙げられる。
また、包装材料の厚さは、透湿性を維持する観点から10μm以上であることが好ましく、また剛性など取り扱い上の観点から100μm以下であることが好ましい。
【0063】
また、包装材料の透湿性は、包装材料を構成する合成樹脂フィルムの厚さにより変化するため、合成樹脂フィルムの厚さを調整することで、包装材料の透湿性を適宜調整することができる。
【0064】
本発明の請求項4と5記載のように、請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法においては、セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が5g/m2 以下である包装材料により包装して保管することが好ましく、さらに、透湿度が1g/m2 以下である包装材料により包装して保管することが望ましい。その理由は、フィルムの貯蔵及び輸送などの物流状態における保管時の劣化(傷発生、異物発生)をより一層抑えることができるからである。
【0065】
なお、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が5g/m2 以下、ないし1g/m2 以下である包装材料としては、例えばポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成樹脂フィルムと、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系合成樹脂フィルムとが積層された複合材料、またこれらのフィルムに、アルミニウムなどの金属が蒸着されるか、もしくは金属の薄膜が接合されて積層されている複合材料などが挙げられる。これらの複合材料よりなる包装材料の厚さは、透湿性を維持する観点から1μm以上であることが好ましく、また剛性など取り扱い上の観点から50μm以下であることが好ましい。そして、包装材料の透湿性は、複合材料の厚さにより変化するため、厚さを調整することで、包装材料の透湿性を適宜調整することができる。
【0066】
とくに、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成樹脂フィルムと、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系合成樹脂フィルムとが積層された複合材料、またこれらのフィルムに、アルミニウムなどの金属が蒸着されるか、もしくは金属の薄膜が接合されて積層されている複合材料は、高い透湿性が得られるうえに、材料が軽量であるため、取り扱い上、特に好ましく利用することができる。
【0067】
本発明の請求項6記載のセルロースエステルフィルムの発明は、製膜後にロール状に巻き取られたセルロースエステルフィルムが、カルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に湿度70%RH以下の環境条件下において保管するものである。
【0068】
ここで、ロール状に巻き取られたセルロースエステルフィルムの貯蔵及び輸送などの物流状態における保管時の環境条件が湿度70%RHを超えると、該保管時におけるフィルム劣化(傷発生、異物発生)を抑えることができないので、好ましくない。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0070】
実施例1〜3
(ドープ液の調製)
セルローストリアセテートのドープ液を、以下のように調製した。
【0071】
セルローストリアセテート(TAC):100kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製):0.3kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製):0.5kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製):0.5kg
エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG):2.8kg
トリフェニルホスフェート(TPP):9.7kg
アエロジル200V(日本アエロジル社製):0.09kg
メチレンクロライド:320kg
エタノール:20kg
これらを密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温・攪拌しながら完全に溶解させた。
【0072】
(フィルム試料の作製)
上記のドープ液を濾過した後、図示しないベルト流延装置を用い、ドープ温度33℃にてダイスより、ステンレスバンド支持体上に流延した。支持体上で60秒間保持した後にステンレスベルト上から剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させた。この際、クリップテンターを用いて、フィルムを幅手方向に1.07倍に延伸しながら乾燥を行なった。乾燥後、ロール状に巻き取ることで膜厚40μmのセルローストリアセテート(TAC)フィルムを得た。
【0073】
なお、これら実施例1〜3の3種のセルローストリアセテートフィルムは、フィルム中のカルシウム及びマグネシウムの含有量が異なるセルローストリアセテートを原料とするもので、フィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率を、それぞれカルシウム原子(表中には、Caと記載)及びマグネシウム原子(表中には、Mgと記載)に換算して、下記の表1に示した。
【0074】
【表1】
つぎに、これらのセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理の前のフィルムの未処理品の最表面を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子(表中には、Caと記載)の検出確率を、全成分に対する検出数比で、及びマグネシウム原子(表中には、Mgと記載)の検出確率を、全成分に対する検出数比でそれぞれ表わし、得られた結果を、上記表1にあわせて示した。
【0075】
さらに、これらのセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理の後、該フィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子(表中には、Caと記載)の検出確率を、全成分に対する検出数比で、及びマグネシウム原子(表中には、Mgと記載)の検出確率を、全成分に対する検出数比でそれぞれ表わし、得られた結果を、上記表1にあわせて示した。
【0076】
つぎに、これらのセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理前のフィルムの未処理品を1m2 に裁断し、温度23℃、湿度55%RHの環境条件下においてフィルム面の異物発生数を測定した。一方、これらのセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理した後のフィルムを1m2 に裁断し、温度23℃、湿度55%RHの環境条件下においてフィルム面の異物発生数を測定し、得られた結果を、下記の表2に示した。
【0077】
なお、セルローストリアセテートフィルム面の異物発生数の測定は、裁断した1m2 のフィルムを、黒色の検査台上に置き、蛍光灯白色光の照射の下で目視によりフィルム面の異物発生数を計測した。このとき観察される異物には、傷を含んでいるものとして、観察した。
【0078】
【表2】
比較例1と2
比較のために、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中のカルシウム及びマグネシウムの含有量が、上記表1に示すように、本発明の範囲外であるセルローストリアセテートを用い、その他の点は上記実施例1の場合と同様にして、セルローストリアセテートフィルムを作成した。
【0079】
つぎに、これらのセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理の前のフィルムの未処理品の最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表1にあわせて示した。
【0080】
さらに、これらのセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理の後、該フィルムの最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表1にあわせて示した。
【0081】
つぎに、これらのセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理前の未処理フィルムのフィルム面の異物発生数を、上記実施例1の場合と同様にして、フィルム面の異物発生数を測定した。一方、これらのセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理した後のフィルム面の異物発生数を、上記実施例1の場合と同様にして測定し、得られた結果を、上記表1にあわせて示した。
【0082】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜3によれば、セルローストリアセテートフィルムの未処理品について、フィルム面の異物発生がほとんどなく、また同フィルムの調温調湿処理品についても、フィルム面の異物発生数が大幅に低減していることが判る。
【0083】
これに対し、比較例1と2では、セルローストリアセテートフィルムの未処理品ついては、フィルム面の異物発生数が少ないものの、同フィルムの調温調湿処理品については、フィルム面の異物発生数が大幅に増大していることが判る。
【0084】
実施例4〜8
実施例1と2の場合と同様にしてセルローストリアセテート(TAC)フィルムを製造するが、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件を、温度23℃及び湿度40%RHとした。なお、これらのセルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率を、それぞれカルシウム原子(表中には、Caと記載)及びマグネシウム原子(表中には、Mgと記載)に換算して、下記の表3に示した。つぎに、ロール状に巻き取られた厚さ40μmのセルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が、表3に示すものである下記の3種の包装材料により包装した。
【0085】
【表3】
つぎに、これら実施例4〜8のセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理の前のフィルムの未処理品の最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、下記の表4に示した。
【0086】
【表4】
さらに、これら実施例4〜8の包装されたロール状のセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で30日間保管した後、該フィルムの最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表4にあわせて示した。
【0087】
つぎに、これら実施例4〜8の包装されたロール状のセルローストリアセテートフィルムについて、温度70℃湿度80%RHの環境条件下で30日間保管した後、該フィルム面の異物発生数を、上記実施例1の場合と同様にして測定し、得られた結果を、上記表4にあわせて示した。
【0088】
比較例3〜6
まず、比較例3では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が、上記表3に示すように、本発明の範囲外である比較例1のセルローストリアセテート(TAC)フィルムを製造するが、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件を、本発明の範囲外である温度27℃及び湿度70%RHとした。
【0089】
つぎに、比較例4では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が、上記表3に示すように、本発明の範囲外である比較例1のセルローストリアセテート(TAC)フィルムを製造するが、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件を、本発明の範囲内である温度23℃及び湿度40%RHとした。
【0090】
つぎに、比較例5では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が、上記表3に示すように、本発明の範囲内であるセルローストリアセテート(TAC)フィルムを製造するが、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件を、本発明の範囲外である温度27℃及び湿度70%RHとした。
【0091】
つぎに、比較例6では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が、上記表3に示すように、本発明の範囲内であるセルローストリアセテート(TAC)フィルムを製造し、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件を、本発明の範囲内である温度23℃及び湿度40%RHとした。
【0092】
つぎに、ロール状に巻き取られたこれら比較例3〜6の厚さ40μmのセルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が、上記表3に示すものである3種の包装材料により包装した。
【0093】
つぎに、これら比較例3〜6のセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理の前のフィルムの未処理品の最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表4にあわせて示した。
【0094】
さらに、これら比較例3〜6の包装されたロール状のセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で30日間保管した後、該フィルムの最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表4にあわせて示した。
【0095】
つぎに、これら比較例3〜6の包装されたロール状のセルローストリアセテートフィルムについて、温度70℃湿度80%RHの環境条件下で30日間保管した後、該フィルム面の異物発生数を、上記実施例1の場合と同様にして測定し、得られた結果を、上記表4にあわせて示した。
【0096】
表4の結果から明らかなように、本発明の実施例4〜8によれば、包装されたロール状のセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で30日間保管した後においても、フィルム面の異物発生がほとんどないことが判る。
【0097】
これに対し、比較例3〜6では、包装されたロール状のセルローストリアセテートフィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で30日間保管した後において、フィルム面の異物発生数が大幅に増大していることが判る。
【0098】
実施例9〜12
実施例1と2の場合と同様にしてセルローストリアセテート(TAC)フィルムを製造し、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に湿度60%RH(実施例9と11)、及び湿度40%RH(実施例10と12)の環境条件下において30日間保管した。なお、これらのセルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率を、それぞれカルシウム原子(表中には、Caと記載)及びマグネシウム原子(表中には、Mgと記載)に換算して、下記の表5に示した。
【0099】
【表5】
つぎに、これら実施例9〜12のセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理の前のフィルムの未処理品の最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、下記の表6に示した。
【0100】
【表6】
さらに、これら実施例9〜12のロール状のセルローストリアセテートフィルムを湿度60%RH(実施例9と11)、及び湿度40%RH(実施例10と12)の環境条件下において30日間保管した後、該フィルムの最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表6にあわせて示した。
【0101】
つぎに、これら実施例9〜12の包装されたロール状のセルローストリアセテートフィルムについて、上記の環境条件下で30日間保管した後、該フィルム面の異物発生数を、上記実施例1の場合と同様にして測定し、得られた結果を、上記表6にあわせて示した。
【0102】
比較例7〜9
まず、比較例7では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が、上記表5に示すように、本発明の範囲外である比較例1のセルローストリアセテートフィルムを製造し、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に、本発明の範囲外である湿度80%RHの環境条件下において30日間保管した。
【0103】
つぎに、比較例8では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が、上記表5に示すように、本発明の範囲外であるセルローストリアセテートフィルムを製造し、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に、本発明の範囲内である湿度60%RHの環境条件下において30日間保管した。
【0104】
つぎに、比較例9では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が、上記表5に示すように、本発明の範囲内であるセルローストリアセテートフィルムを製造し、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に、本発明の範囲外である湿度80%RHの環境条件下において30日間保管した。
【0105】
つぎに、これら比較例7〜9のセルローストリアセテートフィルムについて、調温調湿処理の前のフィルムの未処理品の最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表6にあわせて示した。
【0106】
さらに、これら比較例7〜9のロール状のセルローストリアセテートフィルムを本発明の範囲外である湿度80%RH(比較例7と9)、及び本発明の範囲内である湿度60%RH(比較例8)の環境条件下において30日間保管した後、該フィルムの最表面を、上記実施例1の場合と同様に測定し、得られたカルシウム原子の検出確率の検出数比、及びマグネシウム原子の検出確率の検出数比の結果を、上記表6にあわせて示した。
【0107】
つぎに、これら比較例7〜9のロール状のセルローストリアセテートフィルムについて、上記の環境条件下で30日間保管した後、該フィルム面の異物発生数を、上記実施例1の場合と同様にして測定し、得られた結果を、上記表6にあわせて示した。
【0108】
表6の結果から明らかなように、本発明の実施例9〜12によれば、ロール状のセルローストリアセテートフィルムを湿度60%RHまたは40%RHの環境条件下で30日間保管した後においても、フィルム面の異物発生がほとんどないことが判る。
【0109】
これに対し、比較例7では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が本発明の範囲外であり、このフィルムを本発明の範囲外である湿度80%RH保管しているため、フィルム面の異物発生数が大幅に増大していることが判る。比較例8では、セルローストリアセテートフィルムのフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率が本発明の範囲外であり、このフィルムを本発明の範囲内である湿度60%RH保管しているが、フィルム面の異物発生数は増大していることが判る。比較例9では、のフィルム中におけるカルシウム及びマグネシウムの含有率は本発明の範囲内であるが、このフィルムを本発明の範囲外である湿度80%RH保管しているため、フィルム面の異物発生数が増大していることが判る。
【0110】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のセルロースエステルフィルムの発明は、上述のように、カルシウム及びマグネシウムを含有しかつ厚さ20〜60μmを有するセルロースエステルフィルムであって、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、かつ該フィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理の後、及び調温調湿処理の前のいずれの場合においても、該フィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下であることを特徴とするもので、本発明のセルロースエステルフィルムによれば、偏光板用保護フィルムとして用いられるセルロースエステルフィルムの薄膜品について、フィルムの異物発生や傷発生などの劣化に対する改善効果が大きく、フィルムの貯蔵あるいは輸送などの物流状態における保管時にも、異物発生や傷発生などの劣化を抑えることができ、さらにはフィルムを貯蔵あるいは輸送した後、フィルムを偏光板へ加工した際にも、異物発生を抑えることができ、ひいてはセルロースエステルフィルムの薄膜での高生産性化(生産量増大)が可能であるという効果を奏する。
【0111】
また、請求項2記載のセルロースエステルフィルムの発明は、上述のように、上記請求項1記載のセルロースエステルフィルムであって、セルロースエステルフィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下であることを特徴とするもので、本発明のセルロースエステルによれば、フィルムの異物発生や傷発生などの劣化に対する改善効果が非常に大きいという効果を奏する。
【0112】
請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、上述のように、製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件が、温度25℃以下及び湿度50%RH以下であり、かつ該セルロースエステルフィルムがカルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた厚さ20〜60μmの上記セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が10g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴とするもので、本発明の保管方法によれば、ロール状に巻き取られたセルロースエステルフィルムを、防湿性の高い包装材料で包装することにより、包装材料内部のロール状のセルロースエステルフィルムを、常に低湿状態に保つことができ、これによって、セルロースエステルフィルムの最表面のカルシウム及びマグネシウムの存在確率を減量することができる。このようにして、セルロースエステルフィルムの最表面のカルシウム及びマグネシウムの存在量を減量させることができれば、異物発生や、それに起因した傷発生などの故障発生が無くなるものであるという効果を奏する。
【0113】
また、本発明の請求項4と5記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、上述のように、請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法において、セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が5g/m2 以下である包装材料により包装して保管すること、さらには、透湿度が1g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴とするもので、本発明の保管方法によれば、セルロースエステルフィルムの貯蔵及び輸送などの物流状態における保管時の劣化(傷発生、異物発生)をより一層確実に抑えることができるという効果を奏する。
【0114】
また、請求項6記載のセルロースエステルフィルムの保管方法の発明は、上述のように、製膜後にロール状に巻き取られた厚さ20〜60μmのセルロースエステルフィルムが、カルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に湿度70%RH以下の環境条件下において保管することを特徴とするもので、本発明の保管方法によれば、保管状態のセルロースエステルフィルムを、常に低湿状態に保つことができ、これによって、セルロースエステルフィルムの最表面のカルシウム及びマグネシウムの存在確率を減量することができる。このようにして、セルロースエステルフィルムの最表面のカルシウム及びマグネシウムの存在量を減量させることができれば、異物発生や、それに起因した傷発生などの故障発生が無くなるものであるという効果を奏する。
Claims (6)
- カルシウム及びマグネシウムを含有しかつ厚さ20〜60μmを有するセルロースエステルフィルムであって、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、かつ該フィルムを温度70℃湿度80%RHの環境条件下で3日間、調温調湿処理の後、及び調温調湿処理の前のいずれの場合においても、該フィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で1000ppm以下であることを特徴とする、セルロースエステルフィルム。
- セルロースエステルフィルムの最表面を飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定したときに検出されるカルシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下、及びマグネシウム原子の検出確率が、全成分に対する検出数比で500ppm以下であることを特徴とする、請求項1記載のセルロースエステルフィルム。
- 製膜されたセルロースエステルフィルムをロール状に巻き取る際の環境条件が、温度25℃以下及び湿度50%RH以下であり、かつ該セルロースエステルフィルムがカルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた厚さ20〜60μmの上記セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が10g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴とする、セルロースエステルエステルフィルムの保管方法。
- セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が5g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴とする、請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法。
- セルロースエステルフィルムを、JIS Z 0208で規定される1日あたりの透湿度が1g/m2 以下である包装材料により包装して保管することを特徴とする、請求項3記載のセルロースエステルフィルムの保管方法。
- 製膜後にロール状に巻き取られた厚さ20〜60μmのセルロースエステルフィルムが、カルシウム及びマグネシウムを含有するとともに、フィルム重量に対する重量比でカルシウムの含有率がカルシウム原子として30ppm以下、及びマグネシウムの含有率がマグネシウム原子として30ppm以下であり、ロール状に巻き取られた上記セルロースエステルフィルムを、常に湿度70%RH以下の環境条件下において保管することを特徴とする、セルロースエステルフィルムの保管方法。
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