JP2004196153A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍サイクルの室内熱交換器からの冷媒洩れ発生時に、室内熱交換器をバイパスして流れる空気流により車室内の暖房機能を続行する車両用空調装置において、バイパスダクトを含む全体構成の体格を小型化する。
【解決手段】ケース10内に、送風機7の出口部の空気流れ方向と略平行となるように冷凍サイクルの室内熱交換器を配置し、ケース10内において室内熱交換器の下流側に送風機7の出口部の空気流れ方向と略平行となるように暖房用熱交換器14を配置し、ケース10のうち、送風機7側の側壁部における暖房用熱交換器14の上流部に開口部を開口し、この開口部と送風機7の出口部との間をバイパスダクト37により直接接続する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルの室内熱交換器からの冷媒洩れ発生時に、室内熱交換器をバイパスして流れる空気流により車室内の空調機能を続行できる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置においては冷凍サイクルの室内熱交換器の下流側に温水(エンジン冷却水)を熱源とする暖房用熱交換器を配置し、車室内を冷房するときには、冷凍サイクルにて減圧された低圧冷媒を室内熱交換器(蒸発器)に流入させ、室内熱交換器にて低圧冷媒を車室内吹出空気から吸熱して蒸発させ、室内熱交換器で冷却された冷風を車室内へ吹き出す。そして、室内熱交換器で吸熱した熱を室外熱交換器にて外気中に放熱する。
【0003】
一方、車室内を暖房するときには、暖房用熱交換器で温水(エンジン冷却水)を熱源として車室内吹出空気を加熱して温風を車室内へ吹き出す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、室内熱交換器の冷媒流路を構成する金属材(主にアルミニュウム)の腐食等の要因により冷媒流路に亀裂が発生して、室内熱交換器の冷媒流路から冷媒の洩れが発生すると、この洩れ冷媒が車室内への吹出空気とともに車室内へ流入し、乗員の健康を害する恐れがある。
【0005】
そこで、本出願人は先に特願2001−346241号の出願にて、冷凍サイクルの室内熱交換器をバイパスして空気が流れるバイパスダクトを設け、冷媒洩れの発生時には、このバイパスダクトを通過する空気を暖房用熱交換器に直接導入して、暖房用熱交換器による暖房機能を続行できるようにし、かつ、冷凍サイクルの室内熱交換器を通過した空気を乗員顔部から遠い方へ吹き出す車両用空調装置を提案している。
【0006】
ここで、乗員顔部から遠い方とは具体的には乗員足元部等であり、また、乗員顔部から遠い方として室内熱交換器の通過空気を車室外へ吹き出す具体例も上記先願では提案している。
【0007】
また、冷凍サイクルを冷暖房切替可能なヒートポンプ式冷凍サイクルとして構成する場合には、冷房時に室内熱交換器が車室内吹出空気から吸熱する蒸発器(冷却器)として作用し、そして、暖房時には室内熱交換器が車室内吹出空気へ放熱する放熱器として作用する。
【0008】
ところで、冷房運転(除湿運転)時には、室内熱交換器は空気を冷却する冷却器として作用するので、室内熱交換器の表面に凝縮水が付着する。このため、冷房運転(除湿運転)を実行した後に暖房運転を起動すると、室内熱交換器が高温状態となり、室内熱交換器の表面に付着していた凝縮水が蒸発するので、水蒸気を多量に含んだ相対湿度の高い空気が車室内に吹き出されてしまい、車両の窓ガラスが曇ってしまうという問題が発生する。
【0009】
そこで、上記先願では、冷房運転を実行した後における暖房運転の起動時に、室内熱交換器を通過した高湿度空気を乗員足元側等に吹き出すか、あるいは車室外へ吹き出すことにより、車両窓ガラスの曇り発生を未然に防止するようにしている。
【0010】
上記先願は上記のような特徴を有しているものの、室内熱交換器をバイパスして空気が流れるバイパスダクトを室内熱交換器の上方側に配置しているので、空調装置の上下方向寸法が増大して車両搭載性を悪化する。
【0011】
本発明は上記点に鑑み、冷凍サイクルの室内熱交換器からの冷媒洩れ発生時に、室内熱交換器をバイパスして流れる空気流により車室内の暖房機能を続行する車両用空調装置において、バイパスダクトを含む全体構成の体格を小型化することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内へ向かって空気が流れるケース(10)と、ケース(10)内の空気入口空間(11)に空気を送風する送風機(7)と、ケース(10)内に、送風機(7)の出口部の空気流れ方向と略平行となるように配置され、空気入口空間(11)から空気が流入する冷凍サイクルの室内熱交換器(13)と、ケース(10)内において、室内熱交換器(13)の下流側に送風機(7)の出口部の空気流れ方向と略平行となるように配置され、室内熱交換器(13)の通過空気と熱交換する暖房用熱交換器(14)と、ケース(10)のうち、送風機(7)側の側壁部における暖房用熱交換器(14)の上流部に開口する開口部(38a、38b)と、送風機(7)の出口部と開口部(38a、38b)との間を直接接続するバイパスダクト(37)とを備え、バイパスダクト(37)により送風機(7)の出口部の空気を、室内熱交換器(13)をバイパスして暖房用熱交換器(14)の上流部に直接導入することを特徴とする。
【0013】
これによると、冷凍サイクルの室内熱交換器(13)から冷媒洩れが発生したときにも、送風機(7)出口部の空気をバイパスダクト(37)の暖房用熱交換器(14)の上流部に直接導入して暖房用熱交換器(14)により加熱できる。従って、冷媒洩れの発生時にも車室内の暖房機能を少なくとも続行できる。
【0014】
ところで、冷凍サイクルの室内熱交換器(13)および暖房用熱交換器(14)を送風機(7)の出口部の空気流れ方向と略平行となるように配置し、ケース(10)内の室内熱交換器(13)上流側に位置する空気入口空間(11)に送風機(7)出口部の空気を送風し、空気入口空間(11)の空気が室内熱交換器(13)に流入する配置構成においては、送風機(7)の出口空気通路部(図1では繋ぎダクト12部分)を室内熱交換器(13)上流側の空気入口空間(11)に向かって形成するので、両熱交換器(13、14)を内蔵するケース(10)と送風機(7)との間で、送風機出口空気通路部よりも暖房用熱交換器(14)側(図1では車両後方側)の部位に余剰スペースが発生する。
【0015】
そこで、この点に着目して本発明では、ケース(10)のうち、暖房用熱交換器(14)の上流部に位置する、送風機側の側壁部に開口部(38a、38b)を開口し、この開口部(38a、38b)と送風機(7)出口部との間をバイパスダクト(37)により直接接続している。
【0016】
これにより、上記の余剰スペース内にバイパスダクト(37)を配置して、装置全体構成の上下方向寸法が増大することを防止できるので、冷媒洩れ発生時に車室内の暖房機能を続行できる機能の設定と、バイパスダクト(37)を含む装置全体構成の体格の小型化とを良好に両立できる。
【0017】
なお、本発明において、室内熱交換器(13)および暖房用熱交換器(14)を送風機(7)の出口部の空気流れ方向と略平行となるように配置するとは、室内熱交換器(13)および暖房用熱交換器(14)の熱交換面が送風機(7)の出口部空気流れ方向と略平行な方向に向いていることを意味しており、換言すると、両熱交換器(13、14)の熱交換面が送風機(7)の出口部空気流れ方向と直交する直交配置になっていないことを意味している。
【0018】
この直交配置の場合にはバイパスダクト(37)も、室内熱交換器(13)に対して直交する方向に配置することになり、室内熱交換器(13)の周縁部外側(例えば、周縁部上方側)へバイパスダクト(37)を突き出すように配置せざるを得ない。その結果、バイパスダクト(37)を含む装置全体構成の体格が大型化してしまうが、本発明のごとく両熱交換器(13、14)を送風機(7)の出口部空気流れ方向と略平行に配置する場合には、バイパスダクト(37)を送風機側のケース側壁部のうち暖房用熱交換器(14)の上流部に位置する開口部(38a、38b)に向けて配置できるので、バイパスダクト(37)を室内熱交換器(13)の周縁部外側へ突き出すように配置する必要がなく、前述の余剰スペース内にバイパスダクト(37)を配置できる。従って、本発明の配置構成によると、装置全体構成の体格の小型化に有利である。
【0019】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、送風機(7)の出口部の空気流れ方向が具体的には車両左右方向と略平行であり、室内熱交換器(13)および暖房用熱交換器(14)のうち、少なくとも室内熱交換器(13)を略垂直配置とした構成を採用できる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1において、送風機(7)の出口部の空気流れ方向が具体的には車両左右方向と略平行であり、室内熱交換器(13)および暖房用熱交換器(14)を略水平配置とした構成を採用してもよい。
【0021】
請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、送風機(7)の出口部と室内熱交換器(13)の上流部との間を接続する繋ぎダクト(12)を有し、バイパスダクト(37)を繋ぎダクト(12)に隣接して配置するようにしてもよい。
【0022】
ここで、バイパスダクト(37)と繋ぎダクト(12)との隣接配置についてより具体的に述べると、請求項2のように、送風機(7)の出口部空気流れ方向を車両左右方向と略平行とし、室内熱交換器(13)を略垂直配置とした構成を採用し、そして、室内熱交換器(13)を車両前方側に配置し、暖房用熱交換器(14)を室内熱交換器(13)の車両後方側に配置する場合(図1、図2参照)には、バイパスダクト(37)を具体的には繋ぎダクト(12)の車両後方側に隣接配置する構成とすることができる。
【0023】
また、請求項3のように、送風機(7)の出口部空気流れ方向を車両左右方向と略平行とし、両熱交換器(13、14)を略水平配置とした構成を採用し、そして、室内熱交換器(13)を下方側に配置し、暖房用熱交換器(14)を室内熱交換器(13)の上方側に配置する場合(図5参照)には、バイパスダクト(37)を具体的には繋ぎダクト(12)の上方側に配置する構成とすることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明のように、請求項4において、バイパスダクト(37)の上流端部を繋ぎダクト(12)に接続するようにしてもよい。
【0025】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つにおいて、バイパスダクト(37)を開閉するバイパス開閉手段(40)と、室内熱交換器(13)の通過空気を車室外へ排出する車室外排出口(19)とを備え、バイパス開閉手段(40)によりバイパスダクト(37)を開口したとき、室内熱交換器(13)の通過空気を車室外排出口(19)から車室外へ排出するように構成したことを特徴とする。
【0026】
これにより、室内熱交換器(13)からの冷媒洩れ発生時には室内熱交換器(13)の通過空気を車室外へ排出しながら車室内の暖房機能を続行できる。従って、洩れ冷媒が車室内へ吹き出すことを防止して、洩れ冷媒による乗員の健康への悪影響を防止しながら、車室内の暖房機能を続行できる。
【0027】
請求項7に記載の発明では、請求項6において、暖房用熱交換器(14)で加熱される温風が通過する温風通路(20)と、暖房用熱交換器(14)をバイパスして冷風が流れる冷風通路(16)と、温風通路(20)の温風と冷風通路(16)の冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(17、17a、17b)と、車室外排出口(19)を開閉する排出口開閉手段(17、60)とを備え、開口部(38a、38b)は、温風通路(20)のうち暖房用熱交換器(14)の上流部に連通するように開口しており、バイパス開閉手段(40)によりバイパスダクト(37)を開口したときは、温風通路(20)のうち開口部(38a、38b)の開口位置より上流部および冷風通路(16)の両方をエアミックスドア(17、17a、17b)により閉塞すると同時に、車室外排出口(19)を排出口開閉手段(17、60)により開口することを特徴とする。
【0028】
これによると、冷温風の風量割合を調整して車室内吹出空気温度を調整するエアミックスドア(17、17a、17b)により、冷媒洩れ発生時には温風通路(20)および冷風通路(16)の両方を同時に閉塞して、洩れ冷媒を含む室内熱交換器過空気を車室外排出口(19)から車室外へ排出できる。従って、エアミックスドア(17、17a、17b)自身に洩れ冷媒を含む空気が車室内へ吹き出すことを防止する役割を持たせることができる。
【0029】
請求項8に記載の発明では、請求項7において、エアミックスドア(17)をフィルムドアにより構成し、エアミックスドア(17)が排出口開閉手段を兼務するように構成したことを特徴とする。
【0030】
これによると、フィルムドアにより構成したアミックスドア(17)自身に、冷風通路(16)および温風通路(20)の同時閉塞機能のみならず、車室外排出口(19)の開閉機能をも発揮させることができ、構成を簡素化できる。
【0031】
請求項9に記載の発明のように、請求項7において、エアミックスドアを、冷風通路(16)を開閉する冷風側ドア(17a)と温風通路(20)を開閉する温風側ドア(17b)とにより構成し、排出口開閉手段を、冷風側ドア(17a)および温風側ドア(17b)とは別体のドア手段(60)により構成してもよい。
【0032】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つにおいて、ケース(10)内において室内熱交換器(13)の下流側空気通路を、車室内第1領域側へ空気を吹き出す第1通路(35)と車室内第2領域側へ空気を吹き出す第2通路(36)とに仕切り、第1通路(35)から車室内第1領域側へ吹き出す空気の温度を調整する第1温度調整手段(17、17a、17b)と、第2通路(36)から車室内第2領域側へ吹き出す空気の温度を調整する第2温度調整手段(17、17a、17b)とを独立に操作可能に設け、バイパスダクト(37)からのバイパス空気を第1通路(35)および第2通路(36)にそれぞれ仕切って導入することを特徴とする。
【0033】
これにより、車室内第1領域側へ吹き出す空気の温度と車室内第2領域側へ吹き出す空気の温度とを第1、第2温度調整手段によりそれぞれ独立に調整できる。その際に、バイパスダクト(37)からのバイパス空気を第1通路(35)および第2通路(36)にそれぞれ仕切って導入するようにしているから、冷媒洩れ発生時における暖房機能を車室内第1領域側および車室内第2領域側の双方に対して支障なく発揮できる。
【0034】
請求項11に記載の発明のように、請求項10において、具体的には、ケース(10)内に配置され、第1通路(35)と第2通路(36)とを仕切る中央仕切り板(34)と、バイパスダクト(37)からのバイパス空気の流れを仕切るバイパス仕切り板(37b、39)とを備え、バイパス仕切り板(37b、39)の端部を中央仕切り板(34)の端部に結合した構成とすればよい。
【0035】
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし11のいずれか1つにおいて、冷凍サイクルをヒートポンプ式冷凍サイクルにより構成し、室内熱交換器(13)が空気を冷却する冷却器および空気に放熱する放熱器として切替可能になっていることを特徴とする。
【0036】
これにより、室内熱交換器(13)が空気を冷却する冷却器として作用する冷房モードを実行し、その後に、室内熱交換器(13)が空気に放熱する放熱器として作用する暖房モードを実行して室内熱交換器(13)で凝縮水が蒸発し、室内熱交換器(13)通過空気が高湿度になっても、この高湿度空気が車室内の窓ガラス側へ吹き出すことを防止しながら、暖房機能を発揮できる。すなわち、ヒートポンプ式冷凍サイクルを持つ車両用空調装置において、室内熱交換器(13)での凝縮水蒸発による窓ガラスの曇りの防止と暖房機能の発揮とを両立できる。
【0037】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に基づく車両用空調装置の室内空調ユニット部全体の斜視図で、車両用空調装置の室内空調ユニット部は、本例では送風機ユニット1と、熱交換ユニット2との2つの部分に大別される。図2は熱交換ユニット2部分の縦断面図であり、車両左右方向の中央位置よりもやや送風機ユニット1側の位置における断面図を示す。図3は図2のA−A断面図である。なお、図1〜図3において前後上下左右の各矢印は送風機ユニット1および熱交換ユニット2の車両搭載状態における方向を示す。
【0039】
熱交換ユニット2は車室内前部の計器盤(図示せず)内側のうち、車両左右方向の略中央部に配置されるセンター置きレイアウトになっている。これに反し、送風機ユニット1は熱交換ユニット2の車両左右方向の側方である助手席前方の位置にオフセット配置される。図1は右ハンドル車への搭載例を示しているので、送風機ユニット1は熱交換ユニット2の車両左右方向の左側に配置される。
【0040】
送風機ユニット1はその上部に内外気切替箱3を有し、この内外気切替箱3には外気導入口4と複数の内気導入口5が開口し、内外気切替箱3内に内外気切替ドア(図示せず)が備えられ、内外気切替ドアにより外気導入口4と内気導入口5を開閉して、外気と内気を切替導入する。
【0041】
図示しない内外気切替ドアは駆動用モータを有するアクチュエータ機構に連結され、回転操作される。そして、内外気切替箱3の下側には、内外気切替箱3に導入された空気の塵埃、悪臭等を除去して清浄化するフィルタ6が配設されている。
【0042】
送風機ユニット1においてフィルタ6の下部に送風機7が配置されている。この送風機7は遠心ファンからなる送風ファン(図示せず)を渦巻き状のスクロールケース8内に収容している。送風機7は送風ファンをモータ(図示せず)により回転駆動する電動タイプのものである。
【0043】
送風機7の回転軸は車両上下方向に向いており、フィルタ7の下部にスクロールケース8の吸入口(図示せず)が配置され、送風ファンを作動することによってスクロールケース8の吸入口から吸入した空気をスクロールケース8の径外方側へ圧送するようになっている。ここで、スクロールケース8の空気出口部は熱交換ユニット2側、すなわち、車両右側に向くようにしてある。
【0044】
次に、熱交換ユニット2について説明すると、熱交換ユニット2は樹脂製のケース10を有し、このケース10は、図1、3に示すように、車両左右(幅)方向の中央部に位置する分割面10aで左右2つに分割成形された分割ケース体10b、10cを適宜のクランプ等の締結手段(図示せず)にて一体に連結したものである。このケース10内の最前部には空気入口空間11(図2)が形成される。
【0045】
この空気入口空間11のうち、送風機7側の部位、すなわち、車両左側部位と上記スクロールケース8の車両右側に位置する空気出口部との間を繋ぎダクト12により接続している。従って、送風機ユニット1の送風空気がスクロールケース8の空気出口部から繋ぎダクト12を通過してケース10内の最前部の空気入口空間11に流入する。
【0046】
ケース10内を送風機ユニット1の送風空気が車両前方側から車両後方側へ向かって流れるようになっており、そして、ケース10内に、その空気上流側から順に冷凍サイクルの室内熱交換器13、ヒータコア14が直列に配列されている。この室内熱交換器13は、図示しない圧縮機、凝縮器、減圧手段とともに周知の冷凍サイクルを構成するもので、本例ではケース10内の空気を冷却する蒸発器(冷房用熱交換器)として作用する。
【0047】
室内熱交換器13は減圧手段により減圧された低圧冷媒が流れる偏平チューブとこの偏平チューブに接合されたコルゲートフィンとから構成される熱交換用コア部を有している。ケース10の底面部のうち、室内熱交換器13の下方部位には室内熱交換器13で発生する凝縮水を排出する排水口15が形成されている。
【0048】
また、ヒータコア14は、内部を流れる温水(エンジン冷却水)を熱源としてケース10内の空気を加熱する暖房用熱交換器であって、周知のごとく温水が流れる偏平チューブとこの偏平チューブに接合されたコルゲートフィンとから構成される熱交換用コア部を有している。
【0049】
ケース10内において、室内熱交換器13はその熱交換面(コア部表面)が略垂直方向に向かう略垂直になっており、これに対し、ヒータコア14はその上端部が車両前方側に傾斜した傾斜配置になっている。更に、上記スクロールケース8の出口部からの空気流れ方向(車両左右方向)に対しては、室内熱交換器13およびヒータコア14のそれぞれの熱交換面(コア部表面)が略平行となるように配置されている。
【0050】
ケース10内においてヒータコア14の上方側に冷風通路16が形成してあり、この冷風通路16には、室内熱交換器13を通過した冷風aがヒータコア14をバイパスして流れる。ケース10内において室内熱交換器13とヒータコア14との間にエアミックスドア17が配置してある。このエアミックスドア17は、本例ではフィルムドアにより構成している。ここで、フィルムドアは可撓性を有する薄膜状の樹脂フィルム材にて構成される。
【0051】
エアミックスドア17の移動方向(上下方向)の両端部は、第1、第2巻き取り軸18a、18bに連結され、この第1、第2巻き取り軸18a、18bへの巻き取り、巻き戻しによりエアミックスドア17が図2上下方向に移動するようになっている。
【0052】
第2巻き取り軸18bはケース10の底面部のうち、室内熱交換器13とヒータコア14との間の部位に配置され、この第2巻き取り軸18bよりもヒータコア14側(車両後方側)の部位に車室外排出口19が配置され、この車室外排出口19を通して室内熱交換器13とヒータコア14との間の空間を車室外に連通させるようにしてある。
【0053】
エアミックスドア17を構成する樹脂フィルム材の移動方向の途中部位に空気通過用の開口部(図示せず)が開口している。この空気通過用の開口部は、冷風通路16およびヒータコア14の入口部に位置する温風通路20を全開するに必要な大きさに設定されている。
【0054】
そして、エアミックスドア17の開口部およびフィルム膜部が冷風通路16と温風通路20を横切るように移動することにより、冷風通路17の開度(すなわち、冷風aの風量)および温風通路20の開度(すなわち、温風bの風量)を調整でき、車室内への吹出空気温度を調整できる。従って、エアミックスドア17により温度調整手段が構成される。
【0055】
更に、エアミックスドア17の開口部およびフィルム膜部が車室外排出口19を横切るように移動することにより車室外排出口19を開閉できるようになっている。従って、本例のエアミックスドア17は、車室外排出口19の開閉手段としての役割を兼務するようになっている。
【0056】
なお、エアミックスドア17を構成する樹脂フィルム材はヒータコア14上部のケースガイド壁21および車室外排出口19上部の中間ガイド軸22のガイド作用を受けて屈折した形状で上下方向に移動する。また、冷風通路16とヒータコア14の温風通路20には、図3に示すようにエアミックスドア17を構成する樹脂フィルム材の風下側に位置して樹脂フィルム材を支持する複数の格子部16a、20aが形成されている。
【0057】
エアミックスドア17の第1、第2巻き取り軸18a、18bのいずれか一方が駆動軸となり、他方が従動軸となる。この駆動軸の回転が図示しない回転伝達機構を介して従動軸に伝達されて、両軸18a、18bが連動して回転するようになっている。
【0058】
そして、第1、第2巻き取り軸18a、18bのうち駆動軸となる巻き取り軸は温度調整操作機構(図示せず)に連結され、回転操作される。この温度調整操作機構は、駆動用モータを有するアクチュエータ機構により構成される。
【0059】
ケース10内においてヒータコア14の上方側に冷風aと温風bを混合する空気混合部23が形成される。ケース10の上面部から車両後方側部位にかけて複数の吹出開口部24〜26が配置され、この吹出開口部24〜26には空気混合部23から空調風が流入する。
【0060】
ケース10の上面部にはデフロスタ開口部24が開口しており、このデフロスタ開口部24は車両前面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口(図示せず)にデフロスタダクト(図示せず)を介して連通する。
【0061】
ケース10の上面部においてデフロスタ開口部24の車両後方側部位にフェイス開口部25が開口している。このフェイス開口部25は、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口(図示せず)にフェイスダクト(図示せず)を介して連通する。
【0062】
また、デフロスタ開口部23とフェイス開口部25はフェイスデフロスタ切替ドア27により開閉される。本例では、このフェイスデフロスタ切替ドア27を可撓性を有する樹脂フィルム材により構成されたフレキシブルスライドドアにより構成している。
【0063】
このフェイスデフロスタ切替ドア27には駆動ギヤ28がかみ合う穴部が形成されており、この駆動ギヤ28の回転によりフェイスデフロスタ切替ドア27が車両前後方向および上下方向に移動することにより、デフロスタ開口部23とフェイス開口部25が開閉される。また、フェイスデフロスタ切替ドア27はデフロスタ開口部23とフェイス開口部25を図2に示すように同時に閉塞できる大きさに設定されている。
【0064】
ケース10の左右の側壁部のうち、最も車両後方側で、ヒータコア14の上方部位にフット開口部26が開口している。ケース10内には空気混合部23と左右のフット開口部26の入口部空間とを連通するフット連通口29が開口しており、このフット連通口29をフットドア30により開閉する。このフットドア30は本例では回転軸30aを中心に回転可能なバタフライ板ドアにより構成されている。左右のフット開口部26にはフットダクト(図示せず)が接続され、このフットダクト先端のフット吹出口(図示せず)から乗員の足元部に向けて空調風を吹き出す。
【0065】
上記両ドア27、30は吹出モードを切り替えるための吹出モードドアを構成するものであって、フェイスデフロスタ切替ドア27の駆動ギヤ28の回転軸28aおよびフットドア30の回転軸30aを共通の吹出モード操作機構31(図1)に連結して、上記両ドア27、30を連動操作するようになっている。なお、図1では吹出モード操作機構31のうち、両回転軸28a、30aに連結されるリンク機構部のみを示しており、このリンク機構部を駆動する駆動用モータを有するアクチュエータ機構は図1に図示していない。
【0066】
本実施形態では、室内熱交換器13直後の冷風を直接、フェイス開口部25側へ導入する冷風バイパス通路32をケース10内の最上部(第1巻き取り軸18aの上部)に形成し、この冷風バイパス通路32を冷風バイパスドア33により開閉するようになっている。冷風バイパスドア33は本例では回転軸33aを中心に回転可能なバタフライ板ドアにより構成され、図示しない駆動用モータを有するアクチュエータ機構により操作されるようになっている。
【0067】
また、本実施形態では、図3に示すようにケース10内の左右方向の中央部に中央仕切り板34を配置している。この中央仕切り板34は、ケース10内において室内熱交換器13下流側の空気通路を、車両右側(運転席側)の第1通路35と車両左側(助手席側)の第2通路36とに仕切るものである。従って、前記したエアミックスドア17も実際には、第1通路35と第2通路36とにそれぞれ独立に配置され、この左右の2つのエアミックスドア17にそれぞれ第1、第2巻き取り軸18a、18bおよび温度調整操作機構(図示せず)を独立に設け、左右の2つのエアミックスドア17をそれぞれ独立に操作することにより、車室内の運転席側領域への吹出空気温度と車室内助手席側領域への吹出空気温度とを独立に調整できるようにしている。
【0068】
このため、冷風バイパス通路32および冷風バイパスドア33も実際には第1通路35と第2通路36とにそれぞれ独立に配置され、左右の2つの冷風バイパスドア33が独立に操作されるようになっている。
【0069】
次に、室内熱交換器13のバイパス通路構成について具体的に説明する。図1に示すように、送風機ユニット1と熱交換ユニット2との間に位置する繋ぎダクト12より車両後方側で、かつ、下方部位にバイパスダクト37を配置している。このバイパスダクト37は繋ぎダクト12およびケース10の左側分割ケース体10bと別体の樹脂成形品である。
【0070】
このバイパスダクト37は、その上流端が繋ぎダクト12の底面側に位置し、下流端がケース10の左側分割ケース体10bの側壁部のうち、ヒータコア14の下方部、すなわち、ヒータコア14の温風通路20の左側壁部に位置するように略C状に湾曲している。この略C状の湾曲形状は図1に図示されている。
【0071】
繋ぎダクト12の底面部にはバイパス用開口部(図示せず)が開口しており、このバイパス用開口部にバイパスダクト37の上流端が気密に接続される。また、ケース10の送風機側の側壁部である左側分割ケース体10bの側壁部においてヒータコア14上流の温風通路20の左側壁部にバイパス取り入れ口38a、38bを開口している。左側分割ケース体10bに仕切り壁39を一体成形し、この仕切り壁39によりバイパス取り入れ口38a、38bを上下方向に仕切っている。
【0072】
仕切り壁39のケース10内側方向の端部はケース分割面10aの部位まで延びて中央仕切り板34の下端部に突き合わせている。これにより、上側バイパス取り入れ口38aの通路が車両左側(助手席側)の第2通路36に連通し、下側バイパス取り入れ口38bの通路が車両右側(運転席側)の第1通路35に連通している。
【0073】
一方、バイパスダクト37内に形成されるバイパス通路37aを開閉するために、バイパスドア40がバイパスダクト37の内部に配置されている。このバイパスドア40は本例では回転軸40aを中心に回転可能なバタフライ板ドアにより構成され、図示しない駆動用モータを有するアクチュエータ機構により操作されるようになっている。
【0074】
バイパスダクト37の内部においてバイパスドア40の下流側には仕切り壁37bを一体に配置して、バイパスドア40の下流側通路を上側通路37cと下側通路37dとに仕切っている。バイパスダクト37内部の上側通路37cをケース10側の上側バイパス取り入れ口38aに連通し、そして、バイパスダクト37内部の下側通路37dをケース10側の下側バイパス取り入れ口38bに連通している。
【0075】
なお、室内熱交換器13の吹出直後の部位には、室内熱交換器13から洩れ出た冷媒を検出する洩れ冷媒検出センサ41(図2)を配置している。冷凍サイクルの冷媒が二酸化炭素(CO2)であるときは、このセンサ41として空気中の二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素センサを使用すればよい。
【0076】
次に、図4は本実施形態における電気制御ブロック図であり、空調用制御装置42により各種空調機器を自動制御するようになっている。この空調用制御装置42はマイクロコンピュータ等から構成されるもので、送風機ユニット1および熱交換ユニット2等に装備される各種空調機器を予め設定されたプログラムに従って制御するものである。
【0077】
空調用制御装置42にはセンサ群43からのセンサ信号、および車室内前方の計器盤部に設置される空調操作パネル44からの操作信号が入力される。センサ群43としては、周知のごとく車室外温度(外気温)TAMを検出する外気温センサ45、車室内温度(内気温)TRを検出する内気温センサ46、車室内への日射量TSを検出する日射センサ47、室内熱交換器(蒸発器)13の吹出空気温度TEを検出する蒸発器温度センサ48、ヒータコア14を循環する温水の温度TWを検出する水温センサ49等が設けられ、これらに加え、洩れ冷媒検出センサ41が更に設けられている。
【0078】
空調操作パネル44には、温度設定器50、風量設定器51、吹出モード設定器52、内外気モード設定器53等が設けられる。
【0079】
次に、空調用制御装置42により制御される各種空調機器の駆動手段として、内外気切替箱3内の内外気切替ドア(図示せず)の駆動用モータ54、送風機7の駆動用モータ55、左右のエアミックスドア17の駆動用モータ56a、56b、吹出モードドア27、30の駆動用モータ57、左右の冷風バイパスドア33の駆動用モータ58a、58b、バイパスダクト37内のバイパスドア40の駆動用モータ59等が設けられている。
【0080】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。送風機ユニット1の送風機7の駆動用モータ55に通電して送風機7を回転駆動する。これにより、送風機7の送風空気がスクロールケース8の出口部から繋ぎダクト12を介して室内熱交換器13上流側の空気入口空間11に流入する。
【0081】
室内熱交換器13は冷凍サイクルの低圧冷媒を蒸発させる蒸発器として作用するから、送風空気は室内熱交換器13を通過して冷却除湿される。そして、室内熱交換器13通過後の冷風が次にエアミックスドア17により冷風通路16を通過する冷風aとヒータコア14の温風通路20を通過して加熱される温風bとに分岐される。
【0082】
すなわち、エアミックスドア17は空気通過用の開口部を有するフィルムドアにて構成されているため、このフィルムドアの開口部の移動により冷風通路16と温風通路20の開度(通路面積)を調整することにより、車室内吹出空気の温度を調整できる。
【0083】
冷風aと温風bは空気混合部23にて混合されて所望温度の空調風となり、この空調風は吹出モードドア27、30により選択された吹出開口部24、25、26のいずれか1つまたは複数から車室内に吹き出して車室内を空調する。
【0084】
なお、室内熱交換器13から冷媒が洩れていない正常状態では、洩れ冷媒検出センサ41の検出信号に基づいて空調用制御装置42が室内熱交換器13の正常状態を判定して、駆動用モータ59によりバイパスダクト37内のバイパスドア40をバイパス通路37aの閉塞状態(図3の実線位置)に操作する。また、エアミックスドア17は、そのフィルム開口部が冷風通路16または温風通路20の開口位置と重合する位置に操作される。そのため、車室外排出口19はエアミックスドア17のフィルム膜部によって常に閉塞状態に維持される。
【0085】
従って、室内熱交換器13の正常状態ではバイパスダクト37内のバイパス通路37aを送風空気が通過しない。また、車室外排出口19から送風空気が流出することもない。よって、通常の空調装置と同様の空調機能を発揮できる。
【0086】
また、本実施形態では、ケース10内における室内熱交換器13下流側の空気通路を中央仕切り板34により、車両右側(運転席側)の第1通路35と車両左側(助手席側)の第2通路36とに仕切るとともに、この第1通路35と第2通路36とにそれぞれ独立にエアミックスドア17を配置している。
【0087】
従って、この左右の2つのエアミックスドア17をそれぞれ独立に操作することにより、車室内の運転席側領域への吹出空気温度と車室内助手席側領域への吹出空気温度とを独立に調整できる。
【0088】
また、冷風バイパス通路32および冷風バイパスドア33も第1通路35と第2通路36とにそれぞれ独立に配置されているので、左右の2つの冷風バイパスドア33を独立に操作することにより、左右の冷風バイパス通路32から左右のフェイス開口部25に導入され冷風導入量を独立に調整できる。従って、バイレベルモード時に左右の上下吹出温度差を独立に調整できる。
【0089】
なお、バイパスダクト37内のバイパスドア40は、その下流側に位置する上側通路37cと下側通路37dの入口部を同時に閉塞するので、ケース10内の第1通路35と第2通路36がバイパスダクト37内の上下の通路37c、37dを介して連通することはない。従って、バイパスダクト37を設置しても、左右の2つのエアミックスドア17による左右独立の吹出空気温度調整機能を損なうことはない。
【0090】
ところで、室内熱交換器13の冷媒流路に亀裂等が発生して、室内熱交換器13から冷媒が洩れ出ると、この冷媒洩れがセンサ41により検出され、その検出信号が空調用制御装置42に入力され、空調用制御装置42が室内熱交換器13の冷媒洩れ状態を判定する。すると、空調用制御装置42はエアミックスドア17の駆動用モータ56a、56bに制御信号を出力して、エアミックスドア17のフィルム開口部が車室外排出口19の開口位置と重合する位置にエアミックスドア17を操作する。これにより、冷風通路16および温風通路20はエアミックスドア17のフィルム膜部によって同時に閉塞状態となる。
【0091】
また、このとき空調用制御装置42はバイパスダクト37内のバイパスドア40の駆動用モータ59に制御信号を出力して、バイパスドア40をバイパス通路37aの開口状態(図3の破線位置)に操作する。
【0092】
以上により、室内熱交換器13の冷媒洩れ発生時には、送風機7の送風空気の一部がスクロールケース8の出口部から繋ぎダクト12→室内熱交換器13→車室外排出口19の経路にて車室外へ吹き出す。従って、室内熱交換器13からの洩れ冷媒が車室内へ吹き出すことがないので、洩れ冷媒により乗員の健康を害することがない。
【0093】
このように室内熱交換器13の冷媒洩れ発生時には室内熱交換器13通過空気を車室外へ排出するので、室内熱交換器13の冷媒洩れ発生時における作動モードをパージモードと称する。
【0094】
一方、室内熱交換器13の冷媒洩れ発生時においても車室内暖房機能を続行できる。すなわち、送風機7の送風空気の残部がスクロールケース8の出口部から繋ぎダクト12の底面開口部からバイパスダクト37内に流入し、バイパスダクト37の上側通路37c、下側通路37dを経てケース10の上下のバイパス取り入れ口38a、38bからケース10内のヒータコア14上流の温風通路20に流入する。従って、バイパスダクト37を通過するバイパス空気をヒータコア14で加熱して温風とし、この温風をフット開口部26から車室内へ吹き出して車室内の暖房機能を発揮できる。
【0095】
また、ヒータコア14通過後の温風をデフロスタ開口部24から車両窓ガラスに向けて吹き出すことにより車両窓ガラスの防曇性能を発揮できる。
【0096】
また、バイパスダクト37の上側通路37cを、ヒータコア14上流の温風通路20のうち第2通路36側領域に連通し、また、バイパスダクト37の下側通路37dを、ヒータコア14上流の温風通路20のうち第1通路35側領域に連通しているから、ケース10内の空気通路を中央仕切り板34により第1通路35と第2通路36とに仕切っていても、バイパスダクト37からのバイパス空気を左右の両通路35、36に導入して、左右の両フット開口部26から同等に温風を吹き出すことができる。
【0097】
つまり、室内熱交換器13の正常時における左右独立の吹出空気温度調整機能の発揮と、室内熱交換器13の冷媒洩れ発生時にバイパス空気による温風を左右同等に吹き出す暖房機能の発揮とを良好に両立できる。
【0098】
また、本実施形態では、吹出温度調整手段をなすエアミックスドア17をフィルムドアにより構成して、エアミックスドア17自身に車室外排出口19の開閉機能を兼務させているから、車室外排出口19の開閉のための専用のドア機構を設ける場合に比してドア操作リンク機構を簡素化できる。しかも、薄膜状のフィルムドアにより構成されたエアミックスドア17自身が吹出温度調整と車室外排出口19の開閉の機能を果たすから、熱交換ユニット2の車両前後方向寸法を効果的に短縮できる。
【0099】
更に、本実施形態によると、バイパスダクト37を室内空調ユニット部において必然的に発生する余剰スペースを有効利用して配置しているので、バイパスダクト37を追加しても室内空調ユニット部の全体の体格がほとんど増大せず、室内空調ユニットの車両搭載上極めて有利である。
【0100】
この特徴をより具体的に述べると、送風機ユニット1の送風機7の送風空気はスクロールケース8の出口部から繋ぎダクト12を通過して車両左右方向(図1では車両左側から車両右側)に流れて、熱交換ユニット2の最前部の空気入口空間11内に流入する。
【0101】
これに対し、熱交換ユニット2のケース10内に室内熱交換器13およびヒータコア14をそれぞれの熱交換面(コア部表面)が上記スクロールケース8の出口部からの空気流れ方向(車両左右方向)と略平行となるように配置して、送風空気が空気入口空間11から車両後方側へ向かって室内熱交換器13およびヒータコア14を通過するようになっている。
【0102】
このようにスクロールケース8の出口部からの空気流れ方向と、熱交換ユニット2のケース10内における室内熱交換器13およびヒータコア14の配置レイアウトを設定すると、送風機ユニット1と熱交換ユニット2との間で繋ぎダクト12が車両前方側に位置し、繋ぎダクト12の車両後方側部位には余剰スペースが必然的に発生する。
【0103】
本実施形態では、上記余剰スペースの存在に着目して、繋ぎダクト12の底面部に開口部(図示せず)を開口するとともに、熱交換ユニット2のケース10において送風機ユニット1側の側壁部(左側壁部)で、ヒータコア14上流の温風通路20に対応する部位にバイパス取り入れ口38a、38bを開口し、繋ぎダクト12の底面部の開口部と熱交換ユニット2の側壁部のバイパス取り入れ口38a、38bとをバイパスダクト37により連通している。
【0104】
これにより、バイパスダクト37を繋ぎダクト12の底面側から車両後方側に至る余剰スペース内に配置できるので、室内空調ユニット部全体の体格の増大なしでバイパスダクト37を追加設置できる。
【0105】
なお、本実施形態では、バイパスダクト37の上流端を繋ぎダクト12の底面部の開口部に接続するようにしているが、繋ぎダクト12の車両後方側の壁面部に開口部を設け、この車両後方側の開口部にバイパスダクト37の上流端を接続するようにしてもよい。また、バイパスダクト37の上流端を繋ぎダクト12でなく、スクロールケース8の出口部に直接接続するようにしてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、ケース10内における室内熱交換器13下流側の空気通路を中央仕切り板34により、車両右側(運転席側)の第1通路35と車両左側(助手席側)の第2通路36とに仕切って、車室内の運転席側領域への吹出空気温度と車室内助手席側領域への吹出空気温度とを独立に調整できるようにしているが、このような中央仕切り板34による通路仕切り構造を持たない(すなわち、左右独立の吹出空気温度調整機能を持たない)通常の空調装置においても本発明は同様に適用できる。この場合は、熱交換ユニット2の側壁部のバイパス取り入れ口38a、38bを1つの開口に統合でき、また、バイパスダクト37の上下の通路37c、37dの通路を1つの通路に統合できる。
【0107】
(第2実施形態)
第1実施形態では、熱交換ユニット2のケース10内に室内熱交換器13をその熱交換面が略上下方向に向くように略垂直配置とし、ヒータコア14は室内熱交換器13の車両後方側において熱交換面が上下方向から微小角度(図2参照)傾斜する傾斜配置とし、更に、薄膜状のフィルムドアにより構成されるエアミックスドア17に、吹出温度調整の機能と車室外排出口19の開閉機能とを兼務させているが、第2実施形態では、図5に示すように、熱交換ユニット2のケース10内において室内熱交換器13およびヒータコア14をその熱交換面が略水平方向に向くように略水平配置とし、室内熱交換器13の下方側に空気入口空間11を形成している。
【0108】
なお、熱交換ユニット2は車両計器盤の内側部において車両左右方向の略中央部に配置され、送風機ユニット1(図5では図示せず)は熱交換ユニット2に対して助手席側の側方部位にオフセット配置されている。送風機ユニット1のスクロールケース8の出口部から送風空気が繋ぎダクト12(図5の2点鎖線参照)を介して車両左右方向に流れて室内熱交換器13下方側の空気入口空間11に流入する。
【0109】
ヒータコア14は、室内熱交換器13の上方側において車両前方側に配置され、ヒータコア14の車両後方側に冷風通路16が形成されている。本実施形態では、吹出温度調整手段としてヒータコア14の温風通路20を開閉する温風側ドア17aと、冷風通路16を開閉する冷風側ドア17bとを備えている。
【0110】
温風側ドア17aは本例では回転軸17cを中心に回転可能なバタフライ板ドアにより構成されている。また、冷風側ドア17bは回転軸17dを中心に回転可能な片持ちタイプの板ドアにより構成されている。
【0111】
そして、温風側ドア17aを温風通路20の通路面積増大側へ操作すると、冷風側ドア17bは冷風通路16の通路面積減少側へ相反的に連動操作されるようになっている。なお、図5では、室内熱交換器13の冷媒洩れ発生時(パージモード時)の状態を示しており、温風側ドア17aと冷風側ドア17bが温風通路20と冷風通路16をともに全閉している。
【0112】
また、車室外排出口19を室内熱交換器13の吹出直後の部位(換言すると室内熱交換器13と上記両ドア17a、17bとの間の部位)に連通するように設けている。図5では、室内熱交換器13の車両後方側に車室外排出口19を配置し、この車室外排出口19の開閉のために専用の開閉ドア60を設けている。この開閉ドア60は本例では回転可能な板ドアにより構成され、室内熱交換器13の冷媒洩れ発生時(パージモード時)には図5に示すごとく車室外排出口19の開口位置に操作される。
【0113】
また、デフロスタ開口部24とフット開口部26を1枚の板ドアにより構成されたフットドア30’により切替開閉するようにしている。また、フェイス開口部25を1枚の板ドアにより構成されたフェイスドア27’により開閉するようにしている。
【0114】
第2実施形態によると、送風機ユニット1のスクロールケース8の出口部から送風空気が繋ぎダクト12を介して室内熱交換器13下方側の空気入口空間11に流入するので、送風機ユニット1と熱交換ユニット2との間にて最下部近傍に繋ぎダクト12を配置することになる。従って、送風機ユニット1と熱交換ユニット2との間にて繋ぎダクト12の上方側に余剰スペースが形成される。
【0115】
そこで、第2実施形態においては、繋ぎダクト12の上面部に開口部(図示せず)を開口するとともに、熱交換ユニット2のケース10において送風機ユニット1側の側壁部(左側壁部)で、ヒータコア14上流の温風通路20に対応する部位にバイパス取り入れ口38a、38bを開口し、繋ぎダクト12の上面部の開口部と熱交換ユニット2の側壁部のバイパス取り入れ口38a、38bとをバイパスダクト37(図5では図示せず)により連通する。
【0116】
これにより、第2実施形態においても繋ぎダクト12の上方側の余剰スペースを有効利用して、バイパスダクト37を省スペース的に配置できる。
【0117】
なお、第2実施形態において繋ぎダクト12の上面部でなく、車両後方側あるいは車両前方側の壁面に開口部を開口し、この開口部にバイパスダクト37の上流端を接続するようにしてもよい。
【0118】
また、第2実施形態においてバイパスダクト37の上流端を繋ぎダクト12でなく、スクロールケース8の出口部に直接接続するようにしてもよい。
【0119】
また、第2実施形態では熱交換ユニット2を車両計器盤の内側部において車両左右方向の略中央部に配置し、送風機ユニット1(図5では図示せず)を熱交換ユニット2に対して助手席側の側方部位にオフセット配置する例について説明したが、車種によっては、空調室内ユニット部の搭載スペースとして車両前後方向に大きなスペースを確保できる場合がある。
【0120】
このように車両前後方向に大きな搭載スペースを確保できる場合は、第2実施形態の構成による熱交換器水平置きタイプの熱交換ユニット2の車両前方側に送風機ユニット1を配置してもよい。すなわち、送風機ユニット1と熱交換ユニット2の両者を車両左右方向の略中央部に配置するセンター置きの配置としてもよい。
【0121】
このように送風機ユニット1をセンター置きとしても繋ぎダクト12の上方側に余剰スペースが発生するのは第2実施形態と同じであるから、この余剰スペースを有効利用して、バイパスダクト37を省スペース的に配置できる。
【0122】
(第3実施形態)
第1、第2実施形態では、冷凍サイクルの室内熱交換器13を冷房用の蒸発器としてのみ作用させる場合、すなわち、冷凍サイクルが冷房専用に構成されている場合について説明したが、第3実施形態は室内熱交換器13を包含する冷凍サイクルを冷房、暖房切替可能なヒートポンプ式冷凍サイクルとして構成する場合に関する。
【0123】
冷暖房切替可能なヒートポンプ式冷凍サイクルは、図6に例示するように、車室内に吹き出す空気と冷媒とを熱交換する室内熱交換器13、室外空気と冷媒とを熱交換する室外熱交換器61、冷媒を減圧する冷房用減圧器62、暖房用減圧器63、車両エンジンにより駆動され冷媒を圧縮する圧縮機64、冷媒流れ方向を切り替える四方弁65、逆止弁66、67等から構成される、
車室内を冷房、除湿する冷房モード時には四方弁65により冷媒を図示の実線矢印に示す経路により循環し、冷房用減圧器62で減圧された低圧冷媒を室内熱交換器13にて蒸発させて車室内吹出空気から吸熱し、その吸熱した熱を室外熱交換器61にて外気中に放熱する。
【0124】
一方、車室内を暖房する暖房モード時には、四方弁65により冷媒を図示の破線矢印に示す経路により循環し、暖房用減圧器63で減圧された冷媒を室外熱交換器61にて蒸発させて外気から吸熱し、その吸熱した熱を室内熱交換器13にて車室内吹出空気中に放熱するものである。
【0125】
ところで、冬期において汚染外気の車室内導入を防ぐために内外気モードを内気モードに設定して車室内の暖房を行う場合がある。このような内気モードによる暖房時には車室内湿度の上昇により窓ガラスが曇るという不具合が生じる。そこで、ヒートポンプ式冷凍サイクルを冷房モードにて運転して室内熱交換器13にて車室内吹出空気を冷却、除湿してから、この除湿空気をヒータコア14により加熱して車室内へ吹き出す、除湿暖房運転を行うようにしている。
【0126】
このように、除湿暖房時には、室内熱交換器13は空気を冷却する冷却器として機能するので、室内熱交換器13の表面に凝縮水が付着する。冬期では、外気温が低いので、室内熱交換器13の表面に付着した凝縮水の蒸発が少ない。そのため、車両エンジン停止後も室内熱交換器13の表面に凝縮水が付着した状態が長時間維持される。
【0127】
その結果、次回の車両エンジン起動時に、ヒートポンプ式冷凍サイクルを暖房モードにて起動すると、室内熱交換器13が放熱器(高圧ガス冷媒の放熱器)として作用するので、室内熱交換器13表面の凝縮水が蒸発し、水蒸気を多量に含んだ相対湿度の高い空気が車室内に吹き出されてしまい、車両の窓ガラスが曇ってしまうというという不具合が生じる。
【0128】
なお、上記不具合は、車両エンジンの運転中にヒートポンプ式冷凍サイクルを冷房モードから暖房モードに切り替えた場合にも同様に生じる。
【0129】
そこで、第3実施形態においては、ヒートポンプ式冷凍サイクルにおける冷房モードの運転履歴を空調用制御装置42において記憶保持しておき、前回の冷房モードの運転から所定時間以内であるときは、ヒートポンプ式冷凍サイクルの暖房モード起動時に熱交換ユニット2における各種ドアを前述のパージモード状態に設定して、熱交換ユニット2を前述のパージモード状態で作動させる。
【0130】
これにより、室内熱交換器13が放熱器となって、室内熱交換器13表面の凝縮水が蒸発しても、水蒸気を多量に含んだ相対湿度の高い空気はすべて車室外排出口19から車室外へ排出できる。従って、高湿度空気の車室内吹出に起因する車両窓ガラスの曇り発生を確実に防止できる。
【0131】
上記のパージモードの作動状態は、室内熱交換器13表面の凝縮水の蒸発が完了すれば、パージモードを解除して、室内熱交換器13で加熱された空気を車室内へ吹き出すように切り替える。従って、ヒートポンプ式冷凍サイクルの暖房モード起動時におけるパージモード運転時間は3分程度の短時間でよい。
【0132】
なお、第3実施形態においても、室内熱交換器13からの冷媒洩れが発生したときは、第1、第2実施形態と同様に、洩れ冷媒検出センサ41の検出信号に基づいて洩れ冷媒排出のためのパージモードを設定する。
【0133】
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、冷凍サイクルの冷媒として二酸化炭素を用いる場合について説明したが、冷凍サイクルの冷媒としてフロン系の冷媒、あるいは炭化水素(HC)等の冷媒を用いてもよいことはもちろんであり、洩れ冷媒検出手段としてそれぞれの冷媒に対応したガスセンサを使用すればよい。
【0134】
また、上記の実施形態では、パージモード時に室内熱交換器13通過空気を車室外排出口19から車室外へ排出するようにしているが、車室外排出口19を廃止し、その代わりに、パージモード時に室内熱交換器13通過空気を必ずフット開口部26から車室内へ吹き出すようにしてもよい。
【0135】
すなわち、フット開口部26は乗員足元側へ空気を吹き出すものであって、乗員顔部や車両窓ガラスから最も遠ざかる方向へ空気を吹き出すから、乗員が洩れ冷媒を直接的に吸い込むということが発生しない。また、高湿度空気が車両窓ガラスへ向かって吹き出すこともない。洩れ冷媒の車室内吹出による乗員の健康への悪影響及び高湿度空気の吹出による車両窓ガラス曇り発生の問題を緩和できる。
【0136】
また、上記実施形態では、各種の操作機構をすべて、駆動用モータを有するアクチュエータ機構により構成する例について説明したが、これらの操作機構の一部を必要に応じて手動操作機構により構成してもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による室内空調ユニット部全体の概略斜視図である。
【図2】図1の室内空調ユニット部の熱交換ユニットの概略断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】第1実施形態の電気制御部のブロック図である。
【図5】第2実施形態による熱交換ユニットの概略断面図である。
【図6】第3実施形態によるヒートポンプ式冷凍サイクルの概略構成図である。
【符号の説明】
7…送風機、10…ケース、12…繋ぎダクト、13…室内熱交換器、
14…ヒータコア(暖房用熱交換器)、17…エアミックスドア、
19…車室外排出口、37…バイパスダクト。

Claims (12)

  1. 車室内へ向かって空気が流れるケース(10)と、
    前記ケース(10)内の空気入口空間(11)に空気を送風する送風機(7)と、
    前記ケース(10)内に、前記送風機(7)の出口部の空気流れ方向と略平行となるように配置され、前記空気入口空間(11)から空気が流入する冷凍サイクルの室内熱交換器(13)と、
    前記ケース(10)内において、前記室内熱交換器(13)の下流側に前記送風機(7)の出口部の空気流れ方向と略平行となるように配置され、前記室内熱交換器(13)の通過空気と熱交換する暖房用熱交換器(14)と、
    前記ケース(10)のうち、前記送風機(7)側の側壁部における前記暖房用熱交換器(14)の上流部に開口する開口部(38a、38b)と、
    前記送風機(7)の出口部と前記開口部(38a、38b)との間を直接接続するバイパスダクト(37)とを備え、
    前記バイパスダクト(37)により前記送風機(7)の出口部の空気を、前記室内熱交換器(13)をバイパスして前記暖房用熱交換器(14)の上流部に直接導入することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記送風機(7)の出口部の空気流れ方向が車両左右方向と略平行であり、
    前記室内熱交換器(13)および前記暖房用熱交換器(14)のうち、少なくとも前記室内熱交換器(13)を略垂直配置としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記送風機(7)の出口部の空気流れ方向が車両左右方向と略平行であり、
    前記室内熱交換器(13)および前記暖房用熱交換器(14)を略水平配置としたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 前記送風機(7)の出口部と前記空気入口空間(11)との間を接続する繋ぎダクト(12)を有し、
    前記バイパスダクト(37)は前記繋ぎダクト(12)に隣接して配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記バイパスダクト(37)の上流端部が前記繋ぎダクト(12)に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記バイパスダクト(37)を開閉するバイパス開閉手段(40)と、
    前記室内熱交換器(13)の通過空気を車室外へ排出する車室外排出口(19)とを備え、
    前記バイパス開閉手段(40)により前記バイパスダクト(37)を開口したとき、前記室内熱交換器(13)の通過空気を前記車室外排出口(19)から車室外へ排出するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記暖房用熱交換器(14)で加熱される温風が通過する温風通路(20)と、前記暖房用熱交換器(14)をバイパスして冷風が流れる冷風通路(16)と、前記温風通路(20)の温風と前記冷風通路(16)の冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(17、17a、17b)と、
    前記車室外排出口(19)を開閉する排出口開閉手段(17、60)とを備え、
    前記開口部(38a、38b)は、前記温風通路(20)のうち前記暖房用熱交換器(14)の上流部に連通するように開口しており、
    前記バイパス開閉手段(40)により前記バイパスダクト(37)を開口したときは、前記温風通路(20)のうち前記開口部(38a、38b)の開口位置より上流部および前記冷風通路(16)の両方を前記エアミックスドア(17、17a、17b)により閉塞すると同時に、前記車室外排出口(19)を前記排出口開閉手段(17、60)により開口することを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記エアミックスドア(17)をフィルムドアにより構成し、前記エアミックスドア(17)が前記排出口開閉手段を兼務するように構成したことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  9. 前記エアミックスドアを、前記冷風通路(16)を開閉する冷風側ドア(17a)と前記温風通路(20)を開閉する温風側ドア(17b)とにより構成し、
    前記排出口開閉手段を、前記冷風側ドア(17a)および前記温風側ドア(17b)とは別体のドア手段(60)により構成したことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  10. 前記ケース(10)内において前記室内熱交換器(13)の下流側空気通路を、車室内第1領域側へ空気を吹き出す第1通路(35)と車室内第2領域側へ空気を吹き出す第2通路(36)とに仕切り、
    前記第1通路(35)から前記車室内第1領域側へ吹き出す空気の温度を調整する第1温度調整手段(17、17a、17b)と、
    前記第2通路(36)から前記車室内第2領域側へ吹き出す空気の温度を調整する第2温度調整手段(17、17a、17b)とを独立に操作可能に設け、
    前記バイパスダクト(37)からのバイパス空気を前記第1通路(35)および前記第2通路(36)にそれぞれ仕切って導入することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 前記ケース(10)内に配置され、前記第1通路(35)と前記第2通路(36)とを仕切る中央仕切り板(34)と、
    前記バイパスダクト(37)からのバイパス空気の流れを仕切るバイパス仕切り板(37b、39)とを備え、
    前記バイパス仕切り板(37b、39)の端部を前記中央仕切り板(34)の端部に結合したことを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置。
  12. 前記冷凍サイクルをヒートポンプ式冷凍サイクルにより構成し、前記室内熱交換器(13)が空気を冷却する冷却器および空気に放熱する放熱器として切替可能になっていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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