JP2008094251A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用空調装置において、大型化することなく、温風主流通路23からの温風が主にフット吹出開口部27に導かれるようにする。
【解決手段】ユニットケース12のうち車両幅方向一端側の側壁120a、120bにフット吹出開口部27が設けられている。車両幅方向一端側の側壁120aには、温風主流通路23が隣接し、かつ、車両幅方向他端側の側壁120bには、温風主流通路23が隣接している。したがって、ユニットケース12を大型化することなく、温風主流通路23からの温風が主にフット吹出開口部27に導かれるようにすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、温風と冷風との風量割合を調整して室内吹出空気温度を調整するエアミックス方式の車両用空調装置に関する。
従来、車両用空調装置のユニットケース内において、送風機から送風を冷却する蒸発器と、蒸発器から吹き出される冷風を加熱するヒータコアユニットと、ヒータコアユニットからの温風が流れる温風通路と、ヒータコアユニットをバイパスして蒸発器からの冷風が流れる冷風バイパス通路と、冷風バイパス通路に流入する空気量とヒータコアユニットに流入する空気量との風量割合を調整して車室内に吹き出す吹出空気温度を調整するエアミックスドアと、を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
このものにおいて、フェイス吹出開口部に対してデフロスタ開口部およびフット吹出開口部を左右両側にオフセットして配置し、冷風バイパス通路の出口部に対して温風通路の出口部を車両幅方向両側に拡大して温風通路の出口部に拡大部を設け、バイレベルモードでは冷風バイパス通路からの冷風が主にフェイス吹出開口部側へ導き、温風通路からの温風が主にフット吹出開口部側へ導いて、バイレベルモード時の頭寒足熱形の吹出温度分布と形成している。
特開2001−138724号公報
上述の車両用空調装置では、冷風バイパス通路の出口部に対して温風通路の出口部を車両幅方向両側に拡大して温風通路の出口部に拡大部を設けることにより、温風通路からの温風が主にフット吹出開口部側へ導くことができるものの、温風通路の出口部に拡大部を設けた分だけユニットケースを車両幅方向に体格を広げることが必要となり、装置の大型化を招くことになる。
本発明は、上記点に鑑みて、装置を大型化することなく、温風が主にフット吹出開口部側へ導くことができるようにした車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、冷風バイパス通路を通過した冷風が主に流れる冷風主流通路と、加熱用熱交換器から吹き出される温風が主に流れる温風主流通路とを有するバッフル部材(20)と、ユニットケースの側壁に設けられ、かつバッフル部材を通過した空気流を車室内の乗員下半身に向けて吹き出すフット吹出開口部(27)と、を備え、フット吹出開口部が車両搭載時に車両幅方向に配置される車両用空調装置であって、バッフル部材は、ユニットケースのうちフット吹出開口部側の側壁に隣接して温風主流通路が配置されるように構成されていることを特徴とする。
したがって、装置を大型化することなく、温風を主にフット吹出開口部側へ導くことができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1は本実施形態の車両用空調装置における室内空調ユニット10の縦断面図であり、図1の前後上下の各矢印は車両搭載状態での方向を示す。車両幅(車両左右)方向は図1の紙面垂直方向である。
この室内空調ユニット10は、車室内前部に位置する計器盤(インパネ)の内側において車両左右方向の略中央部に搭載される。室内空調ユニット10のうち、車両前方側の上方部に送風機11が配置されている。この送風機11は遠心式多翼ファン(シロッコファン)により構成される送風ファン11aを有し、この送風ファン11aを図示しない電動モータによって回転駆動する構成になっている。
送風機11のスクロールケーシング11bの巻始め部であるノーズ部11cは、送風ファン11aの下側に位置しており、そして、スクロールケーシング11bの巻終わり部11dはノーズ部11cの車両前方側に所定間隔を隔てて対向配置されている。
送風ファン11aの吸入側には図示しない内外気切替箱が接続され、この内外気切替箱を通して導入される外気または内気を送風ファン11aにより吸入して図1の矢印aのようにユニットケース12内の最前部の空間12aへ向かって上方から下方へと送風する。ユニットケース12は送風ファン11aの送風空気が流れる空気通路を構成する。
ユニットケース12は周知のごとく複数の分割ケースに分割して樹脂により成形され、この複数の分割ケースをネジ、金属バネクリップ等の締結手段により一体に締結することによりユニットケース12が構成される。
ユニットケース12の内部において送風ファン11aの下方部に冷却用熱交換器をなす蒸発器13が配置されている。より具体的には、蒸発器13はその熱交換コア面が上下方向に延びるように縦配置されている。
このように配置された蒸発器13を送風ファン11aの送風空気の全量が車両前方側から後方側へと通過する。蒸発器13は、冷媒通路をなす偏平状のチューブ(図示せず)と空気側伝熱面積を増大するコルゲート状の伝熱フィンとを交互に多数積層して接合した周知の熱交換コア構成を有している。
冷凍サイクルの減圧手段(図示せず)にて減圧された低圧冷媒が蒸発器13の熱交換コア部のチューブにて蒸発器13の通過空気から吸熱して蒸発することにより通過空気が冷却される。
ユニットケース12のうち、蒸発器13の下方に位置する最底部位に排水口14を開口して蒸発器13の凝縮水を排出するようになっている。
そして、ユニットケース12内において、蒸発器13の風下側(車両後方側)に加熱用熱交換器をなす温水式ヒータコア15が配置されている。より具体的には、ヒータコア15の下端部が蒸発器13の下端部に近接し、かつ、ヒータコア15の上端部が蒸発器13の熱交換コア面から車両後方側へ離れるようにヒータコア15は傾斜配置されている。したがって、蒸発器13とヒータコア15は山形状(V状)の配置形態をなしている。
但し、ヒータコア15は蒸発器13よりも高さ寸法が大幅に小さくしてあるので、ヒータコア15の上端部と蒸発器13の上端部との間には、ヒータコア15をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路16が形成される。
つまり、蒸発器13とヒータコア15は、互いの下端部が山形状(V状)の形態にて近接するように配置され、この互いの上端部の間隔が開けられて、冷風バイパス通路16が形成される構成となっている。
ヒータコア15は、車両エンジン(図示せず)からの温水を熱源として空気を加熱するもので、温水通路をなす偏平状のチューブと空気側伝熱面積を増大するコルゲート状の伝熱フィンとを車両左右方向に交互に多数積層して接合した周知の熱交換コア部15cを有している。
多数本のチューブの上下両端部には、チューブに対する温水流れの分配、集合を行うタンク部15d、15eが接合されている。本実施形態では、下側タンク部15eが温水入口タンク部で、上側タンク部15dが温水出口タンク部になっている。
温水は入口配管(図示せず)から下側タンク部15e内に流入して多数本のチューブに分配され、この多数本のチューブを下方から上方へと一方向に流れて上側タンク部15d内に流入して集合され、その後、ヒータコア15外部へ流出して車両エンジンに戻るようになっている。
ここで、ヒータコア15は、上側ケース支持部20とユニットケース12の下部との間に狭持されている。
蒸発器13とヒータコア15との間にエアミックスドア17を回転軸17aを中心として回転可能に配置している。ここで、エアミックスドア17は平板状のドア本体部の端部に回転軸17aを一体に設けた片持ちドアにより構成されている。
回転軸17aはヒータコア15の下端部の車両前方側部位に配置され、回転軸17aの軸方向は車両左右方向(図1の紙面垂直方向)に延びるように配置され、回転軸17aの両端部はユニットケース12の左右の側壁部の軸受孔(図示せず)に回転可能に支持される。
回転軸17aの一端部はユニットケース12の外部へ突出して温度調整操作機構(図示せず)に連結される。これにより、温度調整操作機構の操作力にてエアミックスドア17を回転軸17aを中心として回転操作できる。なお、温度調整操作機構は本例ではサーボモータを用いたアクチュエータ機構によって構成される。
エアミックスドア17は回転軸17aを中心として図1の1点鎖線位置17bと破線位置17cとの間で回転可能になっている。エアミックスドア17の1点鎖線位置17bはヒータコア15の熱交換コア部15cを通過する温風通路18を全閉して冷風バイパス通路16を全開する最大冷房位置である。
これに対し、エアミックスドア17の破線位置17cは冷風バイパス通路16を全閉して、温風通路18を全開する最大暖房位置である。
エアミックスドア17は周知のごとくヒータコア15の熱交換コア部15cを通過する温風通路18の温風(矢印c参照)とヒータコア15をバイパスして冷風バイパス通路16を通過する冷風(矢印b参照)との風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段である。
ユニットケース12の内部において、ヒータコア15の風下側(車両後方側)には温風通路18の温風cと冷風バイパス通路16を通過する冷風bとを混合する空気混合部をなすエアミックス空間19が形成される。エアミックス空間19内には、冷温風の混合促進用バッフル部材20が配置されている。なお、混合促進用のバッフル部材20の構成について後述する。
ユニットケース12のうちエアミックス空間19の風下側部位には、車室内の異なる複数部位に空調風を吹き出すための複数の吹出開口部27〜29が配置されている。本実施形態では、エアミックス空間19の風下側部位とはエアミックス空間19の上方側部位のことである。
複数の吹出開口部27〜29のうちフット吹出開口部27は、エアミックス空間19のすぐ上方の部位に配置され、フットドア30により開閉される。フットドア30は回転軸30aを中心として回転可能な板ドアからなる。
フット吹出開口部27は、より具体的にはユニットケース12の左右の側壁部(すなわち、車載搭載時には車両幅方向の側壁)に分岐して開口し、このユニットケース12の左右の側壁部の開口にはそれぞれ左右のフット吹出ダクト(図示せず)が接続され、この左右のフット吹出ダクトの下流側端部に位置するフット吹出口から空調風(主に温風)を乗員足元部へ吹き出すようになっている。
ユニットケース12の上面部のうち車両後方側部位にフェイス吹出開口部28が開口しており、より具体的には、フェイス吹出開口部28は、3つのフェイス吹出口28a、28b、28c(図2参照)から構成されている。
フェイス吹出開口部28a、28b、28cは、車両幅方向に並べられている。フェイス吹出開口部28a、28b、28cは、回転軸32a、32b、33cを中心として回転可能な板ドアからなるフェイスドア33a、33b、33cによりそれぞれ独立して開閉される。図1では、1つのフェイスドア33a(回転軸32a)だけを示している。
フェイス吹出開口部28a、28b、28cにはそれぞれフェイス吹出ダクト(図示せず)が接続され、これらフェイス吹出ダクトの先端部に設けられたフェイス吹出口から空調風を乗員上半身へ向かって吹き出すようになっている。
また、フェイス吹出開口部28よりも車両前方側部位には、デフロスタ開口部29が開口している。デフロスタ開口部29は、回転軸34aを中心として回転可能な板ドアからなるデフロスタ34により開閉される。
デフロスタ開口部29にはデフロスタ吹出ダクトが接続され、このデフロスタ吹出ダクトの先端部に設けられたデフロスタ吹出口から空調風を車両窓ガラスの内面に向かって吹き出すようになっている。
ここで、フットドア30とフェイスドア32とデフロスタ34は吹出モードドアであり、ドア30、32、34の回転軸30a、32a、34aは、ユニットケース12の外部に突出してリンク機構を介して共通の吹出モード操作機構に連結される。
このことにより、吹出モード操作機構の操作力によりリンク機構を介してフットドア30とフェイスドア32を連動して回転操作し、吹出モードを切り替えることができる。
なお、吹出モード操作機構は本例ではサーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成される。
次に、バッフル部材20の具体的構成を図2、図3により詳述する。図2は図1のA−A断面図、図3は図1中のバッフル部材20を示す透視図である。図2中の左右方向は車両幅方向を示す。
図2、図3に示すように、バッフル部材20は、車両幅方向においてフット吹出開口部27と一部重複して配置されている。
まず、バッフル部材20とは、温度の異なる2種類の空気流を通風することができる装置である。具体的には、バッフル部材20は、図2に示すように、車両幅方向に並列に等間隔に並べられる14枚の分割板21(図3では、8枚の分割板21を示す)を備えており、各分割板21は、冷風流方向(図2中上下方向)に延出するように形成されている。
各分割板21は、7つの温風主流通路23と6つの冷風主流通路24を車両幅方向に分離するものであり、温風主流通路23と冷風主流通路24は、車両幅方向に交互に配置されている。
すなわち、ユニットケース12のうち車両幅方向の一端側の側壁120aから他端側の側壁120b(図2参照)、各温風主流通路23と各冷風主流通路24が、温風主流通路23、冷風主流通路24、温風主流通路23、冷風主流通路24…の順に交互に配置されている。一端側の側壁120aには、温風主流通路23が隣接し、さらに他端側の側壁120bには温風主流通路23が隣接することになる。
なお、側壁120aに隣接する分割板21には、フットドア30との干渉を避けるため切り込み等が設けられている。
ここで、図3に示すように、各温風主流通路23には、それぞれ、温風流入口23bおよび冷風遮蔽板22が設けられている。温風流入口23bは、温風通路18に向けて開口しており、冷風遮蔽板22は、温風主流通路23を構成する二枚の分割板21の間に配置されて、冷風バイパス通路16を通過する冷風が流入することを遮蔽する。これにより、7つの温風主流通路23において温風だけが流入して出口23aから吹き出される。
6つの冷風主流通路24には、それぞれ、温風流入口24bおよび冷風流入口24cが設けられている。冷風流入口24cは、冷風バイパス通路16に向けて開口し、温風流入口24bは、温風通路18に向けて開口している。これにより、6つの冷風主流通路24には、冷風バイパス通路16から流入する冷風(図3中矢印r)と温風通路18からの温風(図3中矢印d)とが流入して混合して混合風が出口24aから吹き出される。
ここで、ユニットケース12の形状、或いはヒータコア15による圧力損失が原因で、冷風主流通路24に流入する温風量は、冷風主流通路24に流入する冷風量に比べて少ない。このため、冷風主流通路24には、主に冷風が流入して吹き出されることになる。
このように構成されるバッフル部材20は、具体的には、樹脂等によりユニットケース12と別体で成形した後に、例えば、圧入嵌合構造、接着固定等の適宜の固定構造にてユニットケース12の車両後方側内壁面にバッフル部材20を固定すればよい。また、バッフル部材20をユニットケース12の車両後方側内壁面23に樹脂により一体成形するようにしてもよい。
次に、上記構成に基づいて本実施形態の作動を説明する。
空調装置の風量切替スイッチ(図示せず)が投入されて、送風機11のファン駆動用モータ(図示せず)に通電されると、送風ファン11aが回転駆動される。すると、図示しない内外気切替箱を通して導入される外気または内気が送風ファン11aにより吸入され図1の矢印aのようにユニットケース12内の最前部の空間12aへ向かって上方から下方へと送風される。
この送風空気の全量が最初に蒸発器13を車両前方側から車両後方側へと通過して冷却され、冷風となる。この冷風は、次にエアミックスドア17の開度により冷風バイパス通路16を通過する冷風bと温風通路18を通過してヒータコア15で加熱される温風cとに振り分けられる。この冷風bと温風cはヒータコア15の風下側に形成されるエアミックス空間19で混合して所定温度の空調風となる。
従って、エアミックスドア17の開度調整により冷風bと温風cの風量割合を調整することにより、所望温度の空調風を得ることができる。冷風bと温風cの混合作用の詳細は後述する。
そして、エアミックス空間19で混合した所望温度の空調風は、吹出モードドア30、32により切替開閉されるフット吹出開口部27、フェイス吹出開口部28(28a、28b、28c)およびデフロスタ開口部29のいずれか1つあるいは複数の開口部から車室内へ吹き出して、車室内の空調作用あるいは車両窓ガラスの防曇作用を発揮する。
次に、本実施形態による冷風bと温風cの混合作用を詳述する。バッフル部材20の7つの温風主流通路23には、温風通路18からの温風がそれぞれ流入し、7つの温風主流通路23から温風が通過する。6つの冷風主流通路24において、温風通路18からの温風と冷風バイパス通路16からの冷風とがそれぞれ流入して混合する。そして、6つの冷風主流通路24のそれぞれから混合空気流が通過する
その後、6つの冷風主流通路24を通過する冷風と温風通路18を通過する混合空気流は混合され、複数の吹出開口部27〜29のいずれかから車室内に吹き出される。
ここで、一端側の側壁120aには、温風主流通路23が隣接し、他端側の側壁120bには、温風主流通路23が隣接している。このため、側壁120aに隣接する温風主流通路23からの温風は、側壁120a側のフット吹出開口部27に導かれ、また側壁120bに隣接する温風主流通路23からの温風は、側壁120b側のフット吹出開口部27に導かれる。
以上説明した実施形態によれば、ユニットケース12のうち車両幅方向一端側の側壁120a、120bにフット吹出開口部27が設けられている。車両幅方向一端側の側壁120aには、一端側の温風主流通路23が隣接し、かつ車両幅方向の他端側の側壁120bには、他端側の温風主流通路23が隣接している。したがって、ユニットケース12を大型化することなく、温風主流通路23からの温風が主にフット吹出開口部27に導かれるようにすることができる。
また、本実施形態のバッフル部材20は、車両幅方向に温風主流通路23および冷風主流通路24に交互に配置しているので、温風と冷風とを良好に混合させることができるので、車両幅方向の温度ムラを小さくすることができる。したがって、車両幅方向に並べられるフェイス吹出口28a、28b、28cにおいて吹出空気の温度ムラを小さくすることができる。
(第2実施形態)
上述の第2実施形態では、バッフル部材20を車両幅方向においてフット吹出開口部27と一部重複して配置する例について説明したが、これに代えて、本第2実施形態では、図4に示すように、バッフル部材20を車両幅方向においてフット吹出開口部27とオフセットして配置する。これにより、バッフル部材20とフット吹出開口部27との間のエアミックス空間19を広くすることができるので、バッフル部材20から吹き出される冷風と温風との混合性を向上させることができる。これに伴い、フェイス吹出開口部28a等から吹き出される混合性(冷風および温風)を向上させることができる。
(第3実施形態)
上述の第1実施形態では、バッフル部材20の冷風主流通路24には、温風流入口24bが設けられる例について説明したが、これに代えて、本第3実施形態では、図5に示すように、冷風主流通路24には、冷風遮断板24dが設けられる。このため、冷風主流通路24には冷風だけが流入されその冷風が吹き出される。これにより、温風主流通路23には温風だけ流れ、かつ冷風主流通路24には冷風だけ流れることになる
(第4実施形態)
上述の第1実施形態では、バッフル部材20の各温風主流通路23には、それぞれ、冷風遮蔽板22を設けて冷風が流入することを遮断するようにした例について説明したが、これに代えて、本第4実施形態では、図6に示すように、各冷風遮蔽板22に3つの冷風流入口240をそれぞれ設けて、若干の冷風を流入させて、温風流入口23bから流入する温風に若干の冷風を混合させるようにしてもよい。本実施形態では、冷風流入口240の開口面積を調整することにより、温風主流通路23に流入する温風量と冷風量との比率を容易に調整することができる。
また、冷風主流通路24に温風遮蔽板を設ける場合には、この温風遮蔽板において、冷風を若干流入させる冷風流入口を設けるようにしてもよい。
(第5実施形態)
上述の第1実施形態では、バッフル部材20の各温風主流通路23に平板状の冷風遮蔽板22を設けた例について説明したが、これに代えて、本第5実施形態では、冷風遮蔽板22は、冷風バイパス通路16側に向けて突出するように形成されている。具体的には、冷風遮蔽板22は、断面U字状、或いは断面V字状に形成されている。これにより、冷風バイパス通路16から吹き出される冷風の圧力損失を低減することができる。
(第6実施形態)
上述の第1実施形態では、車両幅方向一端側の側壁120a(120b)に隣接する温風主流通路23を二枚の分割板21と冷風遮蔽板22とにより形成した例について説明したが、これに代えて、本第6実施形態では、側壁120a(120b)に隣接する分割板21を削除し、当該温風主流通路23を側壁120a(120b)、1枚の分割板21および冷風遮蔽板22により形成するようにしてもよい。
これにより、側壁120a(120b)に隣接する分割板21が必要なくなるので、部品点数、ひいては材料費を低減することができる。また、分割板21を減らすことにより、圧力損失の低減、ひいては騒音の低減を図ることができる。
(他の実施形態)
なお、上述の実施形態では、吹出開口部としてフット開口部27、フェイス開口部28およびデフロスタ開口部29を有する前席側の室内空調ユニット10について説明したが、吹出開口部としてフット開口部とフェイス開口部のみを有し、デフロスタ開口部を持たない後席側の室内空調ユニットに対して本発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、エアミックスドア17および吹出モードドア30、34をいずれも回転可能な板ドアにより構成しているが、エアミックスドア17および吹出モードドア34、32を空気流れと概略直交する方向に移動するスライドドアにより構成してもよい。このスライドドアとしては剛体で形成されたドア、あるいは可撓性を有するフィルム材で形成されたフィルムドア等が包含される。
また、エアミックスドア17を冷風通路16側の冷風用エアミックスドアと温風通路28側の温風用エアミックスドアとの組み合わせで構成してもよい。
また、上述の実施形態では、空調用熱交換器として、蒸発器13とヒータコア15の両方を有する室内空調ユニット10について説明したが、蒸発器13を廃止し、ヒータコア15のみを有する室内空調ユニット10に対して本発明を適用してもよい。
また、本発明を実施するにあたり、バッフル部材20の組み付け、或いは型抜きなど、製造上の理由によって、生じる車両幅方向の側壁120a(120b)と、バッフル部材20との間に微少の隙間が生じてもよい。
本発明の第1実施形態による室内空調ユニットの縦断面図である。 図1の室内空調ユニットの断面図である。 上述の第1実施形態の室内空調ユニットの内部構造を示す透視図である。 本発明の第2実施形態による室内空調ユニットの断面図である。 本発明の第3実施形態によるバッフル部材を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態によるバッフル部材を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態によるバッフル部材を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態において室内空調ユニットの内部構造を示す透視図である。
符号の説明
12…ユニットケース、15…ヒータコア(暖房用熱交換器)、
16…冷風バイパス通路、17…エアミックスドア、18…温風通路、
19…エアミックス空間、20…バッフル部材、
23…温風主流通路、24…冷風主流通路、27〜29…吹出開口部。

Claims (12)

  1. 空気通路を形成するユニットケース(12)と、
    前記ユニットケース内に配置され、空気を加熱する加熱用熱交換器(15)と、
    前記ユニットケース内に配置され、前記加熱用熱交換器をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(16)と、
    前記冷風バイパス通路を通過する冷風と前記加熱用熱交換器を通過する温風との風量割合を調整して、室内に吹き出す空気温度を調整するするエアミックスドア(17)と、
    前記冷風バイパス通路を通過した冷風が主に流れる冷風主流通路と、前記加熱用熱交換器から吹き出される温風が主に流れる温風主流通路とを有するバッフル部材(20)と、
    前記ユニットケースの側壁に設けられ、かつ前記バッフル部材を通過した空気流を車室内の乗員下半身に向けて吹き出すフット吹出開口部(27)と、を備え、
    前記フット吹出開口部が車両搭載時に車両幅方向に配置される車両用空調装置であって、
    前記バッフル部材は、前記ユニットケースのうち前記フット吹出開口部側の側壁に隣接して前記温風主流通路が配置されるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記バッフル部材は、複数の前記冷風主流通路と、複数の前記温風主流通路とを備えており、
    前記冷風主流通路と前記温風主流通路とが交互に並べられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記バッフル部材は、前記フット吹出開口部側の側壁に隣接する前記温風主流通路が、前記車両幅方向において前記フット吹出開口部に対してオフセットするように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記バッフル部材には、前記加熱用熱交換器からの温風が前記冷風主流通路に流入することを遮蔽する温風遮蔽板が設けられていることを特徴とする請求項1または3のうちいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記バッフル部材には、前記加熱用熱交換器からの温風が前記冷風主流通路に流入する温風入口(24b)が設けられていることを特徴とする請求項1または4のうちいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記バッフル部材には、前記冷風バイパス通路からの冷風が前記温風主流通路に流入することを遮蔽する冷風遮蔽板(22)が設けられていることを特徴とする請求項1または4のうちいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記冷風主流通路および前記温風主流通路は、前記ユニットケース内で前記車両幅方向に交差するように配置される分割板(21)によって分離されており、
    前記フット吹出開口部側の側壁に隣接する前記温風主流通路は、前記フット吹出開口部側の側壁、前記分割板、および前記冷風遮蔽板によって形成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記冷風遮蔽板は、前記冷風バイパス通路側に向けて突出するように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  9. 前記冷風遮蔽板には、前記温風を流入させる温風流入口(240)が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  10. 前記バッフル部材には、前記冷風バイパス通路からの冷風が前記温風主流通路に流入させる冷風入口(23b)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 前記ユニットケースには、前記バッフル部材を通過した空気流を前記車室内の乗員上半身に向けて吹き出すフェイス吹出開口部(28)が設けられていることを特徴とする請求項1または10のうちいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  12. 前記ユニットケースのうち前記加熱用熱交換器の上流側に配置され、空気を冷却する冷却用熱交換器(13)が設けられており、
    前記加熱用熱交換器は、前記冷却用熱交換器から吹き出される冷風を加熱するものであり、
    前記冷風バイパス通路は、前記冷却用熱交換器からの冷風が前記加熱用熱交換器をバイパスして冷風が流れるようになっていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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