JP3900925B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両前方の計器盤内側に配置された空調ケースから、前席乗員の足元のみならず後席乗員の足元に向けても空調空気を送風させるようにした車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用空調装置に関し、従来では図21に示すように、車両前方の計器盤内側に配置された空調ケース11に形成された前席フェイス開口部21、デフロスタ開口部22および前席フット開口部28をロータリードア25により切替開閉するようにしている。そして、前席フット開口部28には、前席乗員の足元に向けて温風を吹き出す前席フット吹出口30が形成された前席フットダクト29が接続されている。
【0003】
そして、この従来装置では、前席の暖房のみならず後席の暖房をも十分に行うようにするために、後席乗員の足元に向けて温風を吹き出す後席フット吹出口24が形成された後席フットダクト230を、前席フットダクト29に接続している。これにより、前席フット開口部28から前席フットダクト29を流通して前席フット吹出口30に向かって流れる温風c、eの一部が、後席フットダクト230を流通して矢印nに示すように後席フット吹出口24からも吹き出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、前席フット吹出口30からの吹出風量と後席フット吹出口24からの吹出風量との割合は後席フットダクト230の通風抵抗等により一義的に決まってしまい、この風量割合を変更することができない。
【0005】
なお、空調ケース11内に、前席フット開口部28をバイパスして後席フットダクト230に温風を流通させるバイパス通路を設けるとともに、このバイパス通路を開閉するバイパス開閉ドアを設けることにより、上記風量割合を変更する空調装置が従来より提案されてきている。
【0006】
しかし、このようにバイパス開閉ドアを設ける構造では、吹出モード切替用のロータリードア25の駆動とは別にバイパス開閉ドアを駆動させなければならず、このバイパス開閉ドアの駆動のためのサーボモータやリンク等の駆動機構が必要となってしまう。よって、空調装置の部品点数増による大幅なコストアップを招いてしまう。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、新たな駆動機構を必要とすることなく、前席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量と後席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量との風量割合を変更可能にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両前方の計器盤内側に配置されて空気通路を形成し、前席フット開口部(28)および後席フット開口部(20)を有する空調ケース(11)と、
前席フット開口部(28)を開閉する第1ドア部(25e、25f)および後席フット開口部(20)を開閉する第2ドア部(25a)が一体的に設けられ、空調ケース(11)内に回動可能に配設されて吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(25)と、
前席フット開口部(28)に接続され、前席乗員の足元に向けて空調空気を吹き出す前席フット吹出口(30)が形成された前席フットダクト(29)と、
後席フット開口部(20)に接続され、後席乗員の足元に向けて空調空気を吹き出す後席フット吹出口(24)が形成された後席フットダクト(23)とを備え、
両フット吹出口(24、30)から空調空気を吹き出す第1フットモードと、前席フット吹出口(30)からの風量と後席フット吹出口(24)からの風量との割合が第1フットモード時の割合と異なるように設定された第2フットモードとを、吹出モード切替手段(25)の回動により切替設定可能にし、
さらに、空調ケース(11)には、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)が形成されており、
前記吹出モード切替手段(25)は、前記前席フット開口部(28)および前記後席フット開口部(20)に加え、前記前席フェイス開口部(21)および前記デフロスタ開口部(22)をも切替開閉することを特徴とする。
【0009】
これによれば、前席フット吹出口(30)からの風量と後席フット吹出口(24)からの風量との風量割合が互いに異なる第1および第2フットモードを、吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(25)の回動により切り替えることができる。よって、前席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量と後席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量との風量割合を変更できる。
【0010】
さらに、吹出モード切替手段(25)には第1および第2ドア部(25a、25e、25f)が一体的に設けられているため、従来の空調装置のように吹出モード切替手段(25)の駆動とは別にドアを駆動させることを必要としない。
また、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)の切替開閉も、前席および後席フット開口部(20、28)の切替開閉と同一の吹出モード切替手段(25)により行うことができるので、より一層、部品点数増によるコストアップを抑制できる。
【0011】
以上により請求項1に記載の発明によれば、新たな駆動機構を必要とすることなく、空調装置の部品点数増による大幅なコストアップを抑制しつつ、前席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量と後席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量との風量割合を変更可能にすることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明では、前席フットダクト(29)のうち前席フット吹出口(30)よりも空気流れ下流側部分に、後席フットダクト(23)を連通させ、第1フットモードでは、後席フット開口部(20)を全閉しつつ前席フット開口部(28)を開くように吹出モード切替手段(25)を回動させ、第2フットモードでは、両フット開口部(20、28)をともに開くように吹出モード切替手段(25)を回動させることを特徴とする。
【0013】
これにより、空調ケース(11)から後席フット吹出口(24)までの空調空気の流通経路を、第1フットモード時と第2フットモード時とで異なる経路にすることができる。
【0014】
すなわち、第1フットモード時には、前席フット開口部(28)から前席フットダクト(29)を流通して前席フット吹出口(30)と分岐した後に、後席フットダクト(23)を流通して後席フット吹出口(24)から空調空気が吹き出される。一方、第2フットモード時には、空調ケース(11)内で前席フット開口部(28)と分岐した後に、後席フット開口部(20)から後席フットダクト(23)を流通して後席フット吹出口(24)から空調空気が吹き出される。
【0015】
従って、例えば、第2フットモード時には第1フットモード時に比べて低圧損の流通経路となるようにすれば、前席フット吹出口(30)からの吹出風量に対する後席フット吹出口(24)からの吹出風量の割合は、第2フットモード時の方が第1フットモード時よりも大きくなる。
【0016】
このように、請求項2に記載の発明によれば、簡素な構造で容易に請求項1に記載の発明を実現でき、好適である。
【0017】
また、請求項3に記載の発明では、車両前方の計器盤内側に配置されて空気通路を形成し、前席フット開口部(28)および後席フット開口部(20)を有する空調ケース(11)と、
前席フット開口部(28)を開閉する第1ドア部(25e、25f)および後席フット開口部(20)を開閉する第2ドア部(25a)が一体的に設けられ、空調ケース(11)内に回動可能に配設されて吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(25)とを備え、 両フット開口部(20、28)から空調空気を吹き出す第1フットモードと、前席フット開口部(28)からの風量と後席フット開口部(20)からの風量との割合が第1フットモード時の割合と異なるように設定された第2フットモードとを、吹出モード切替手段(25)の回動により切替設定可能にし、
さらに、空調ケース(11)には、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)が形成されており、
吹出モード切替手段(25)は、前席フット開口部(28)および後席フット開口部(20)に加え、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)をも切替開閉することを特徴とする。
【0018】
これによれば、前席フット開口部(28)からの風量と後席フット開口部(20)からの風量との風量割合が互いに異なる第1および第2フットモードを、吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(25)の回動により切り替えることができる。よって、前席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量と後席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量との風量割合を変更できる。
【0019】
さらに、吹出モード切替手段(25)には第1および第2ドア部(25a、25e、25f)が一体的に設けられているため、従来の空調装置のように吹出モード切替手段(25)の駆動とは別にドアを駆動させることを必要としない。
また、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)の切替開閉も、前席および後席フット開口部(20、28)の切替開閉と同一の吹出モード切替手段(25)により行うことができるので、より一層、部品点数増によるコストアップを抑制できる。
【0020】
以上により請求項3に記載の発明によれば、新たな駆動機構を必要とすることなく、空調装置の部品点数増による大幅なコストアップを抑制しつつ、前席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量と後席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量との風量割合を変更可能にすることができる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明では、後席フット開口部(20)、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)を空調ケース(11)の円弧部(18)に形成し、
第2ドア部(25a)を、円弧部(18)を摺動して後席フット開口部(20)、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)を切替開閉する円弧面形状に形成し、
前席フット開口部(28)を、空調ケース(11)のうち吹出モード切替手段(25)の回動方向に対向する板面部(27)に形成し、
第1ドア部(25e、25f)を、前席フット開口部(28)を開閉する平板形状に形成したことを特徴とする。
【0024】
これによると、前席フット開口部(28)を空調ケース(11)の円弧部(18)に形成して第2ドア部(25a)を第1ドア部(25e、25f)に連なる円弧面形状に形成した場合に比べて、吹出モード切替手段(25)の円弧面の円周長さを小さくすることができる。しかも、第2ドア部(25a)を第1ドア部(25e、25f)の径内方側の領域に配置できるので、回動空間の内側に前席フット開口部(28)を配置できる。従って、空調ケース(11)の小型化を図ることができる。
【0025】
ここで、吹出モード切替手段(25)を車両前後方向に回動するように配置した場合においては、各開口部(20、21、22、28)を、吹出モード切替手段(25)の回動方向において、請求項5に記載の発明のように、後席フット開口部(20)、前席フェイス開口部(21)、デフロスタ開口部(22)、前席フット開口部(28)の順に配置したり、請求項6に記載の発明のように、前席フット開口部(28)、後席フット開口部(20)、前席フェイス開口部(21)、デフロスタ開口部(22)の順に配置するようにして好適である。
【0026】
また、請求項7に記載の発明では、第1フットモードにおける吹出モード切替手段(25)の回動位置を第1回動位置とし、第2フットモードにおける吹出モード切替手段(25)の回動位置を第2回動位置とし、第1回動位置から第2回動位置までの回動範囲では、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)は全閉されるとともに前席フット開口部(28)は全開され、かつ、後席フット開口部(20)は吹出モード切替手段(25)の回動位置に応じて開口面積が変化するようになっていることを特徴とする。
【0027】
これによれば、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)を全閉させるとともに前席フット開口部(28)を全開させたまま後席フット開口部(20)の開口面積を調節できるので、吹出モード切替手段(25)の回動により上記風量割合をきめ細かく調節できる。
【0028】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1〜図6は第1実施形態による車両用空調装置の室内ユニット部のうち、空調ユニット部10の概略断面図であり、空調ユニット部10は車室内前部の計器盤(図示せず)内側において車両幅(左右)方向の略中央部に配置される。その際、空調ユニット部10は車両の上下前後方向に対して図1〜図6の矢印のように搭載される。
【0031】
図1は本発明の特徴点である後席大風量モード時、図2は本発明の特徴点である後席小風量フットモード時、図3はフェイスモード時、図4はバイレベルモード時、図5はフットデフモード時、図6はデフロスタモード時をそれぞれ示す。
【0032】
なお、室内ユニット部のうち、空調ユニット部10に空気を送風する送風機ユニット(図示せず)は、計器盤内側において空調ユニット部10から助手席側にオフセット配置されている。この送風機ユニットは周知の構成でよく、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替部と、この内外気切替部から導入した空気を空調ユニット部10へ向けて送風する送風機部とを有している。この送風機部には遠心式の送風ファンが備えられている。
【0033】
空調ユニット部10は樹脂製の空調ケース11を有し、このケース11は縦長の形状であり、その内部に下方側から上方側へと送風空気が流れる空気通路を構成する。ケース11内部において最下部に、上記送風機ユニットの送風空気が流入する空気入口空間12が形成されている。
【0034】
この空気入口空間12の上方側には、冷房用熱交換器をなす蒸発器13と暖房用熱交換器をなすヒータコア14とが配置されている。蒸発器13は空気入口空間12の直ぐ上方に略水平に配置され、ヒータコア14は蒸発器13の更に上方に略水平に配置されている。
【0035】
また、蒸発器13は、周知のように空調用冷凍サイクルの減圧手段(図示せず)にて減圧された低圧冷媒が導入され、この低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却するようになっている。
【0036】
なお、蒸発器13は、周知のように2つのタンク部(図示せず)の間に熱交換コア部(図示せず)を配置した構成であり、この熱交換コア部は複数の偏平チューブ(図示せず)と複数のコルゲート状の伝熱フィン(図示せず)とを交互に並列的に積層して接合した構成である。そして、空気入口空間12内に流入した空気は蒸発器13の熱交換コア部を矢印aのように下方から上方へ通過するようになっている。
【0037】
また、ヒータコア14は、車両エンジン(図示せず)からの温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する温水式暖房用熱交換器であり、周知のように2つのタンク部(図示せず)の間に熱交換コア部(図示せず)を配置した構成である。そして、この熱交換コア部は、複数の偏平チューブ(図示せず)と複数のコルゲート状の伝熱フィン(図示せず)とを交互に並列的に積層して接合した構成である。
【0038】
また、ケース11内のうちヒータコア14よりも車両後方側の部位に、ヒータコア14をバイパスして冷風を流す冷風バイパス通路15が形成されている。また、ケース11内のうちヒータコア14の車両後方側端部近傍の部位に、エアミックスドア16の回転軸16aが配置されている。
【0039】
この回転軸16aは図1の紙面垂直方向(車両幅方向)に延びるように配置され、回転軸16aの両端部はケース11の壁面の軸受孔(図示せず)により回転可能に保持される。回転軸16aには板状のエアミックスドア16の上端部が一体に連結され、エアミックスドア16は回転軸16aを中心として図1の実線位置と2点鎖線位置との間で回転可能になっている。
【0040】
ここで、エアミックスドア16の2点鎖線位置はヒータコア14の熱交換コア部の通風路を全閉する最大冷房位置であって、実線位置は冷風バイパス通路15を全閉する最大暖房位置である。エアミックスドア16がヒータコア14の熱交換コア部の通風路を開けると、蒸発器13通過後の空気は熱交換コア部を通過してヒータコア14の上方へ流れる。
【0041】
エアミックスドア16は周知のごとくヒータコア14の熱交換コア部を通過する温風とヒータコア14をバイパスして冷風バイパス通路15を通過する冷風との風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段である。
【0042】
そして、上記温風と上記冷風は、ケース11内においてヒータコア14の上方側に形成された空気混合部17に流入するようになっており、この空気混合部17にて上記温風と上記冷風が混合され、この冷温風の混合により所望温度の空気が得られる。
【0043】
この空気混合部17の上方側(空気流れ下流側)、すなわち、ケース11の上面部に吹出モード切替部18が配置されている。この吹出モード切替部18は、請求項に記載の円弧部に対応するものであり、半円筒状の開口シール面19をその円周面が車両前後方向に延びるようにしてケース11の上面部に形成している。
【0044】
この開口シール面19のうち最も車両後方側の下方部位に後席フット開口部20を開口し、この後席フット開口部20の開口位置よりも車両前方側で上方部位にフェイス開口部21を配置し、このフェイス開口部21よりも更に車両前方側の部位にデフロスタ開口部22を配置している。
【0045】
後席フット開口部20には後席フットダクト23が接続されている。この後席フットダクト23は、ケース11の車両後方側の面にて下方に延び、その後、車両の後席に向かって延び、その延出端には、後席乗員の足元に向けて空調空気を吹き出す後席フット吹出口24が形成されている。なお、本実施形態では、後席フットダクト23のうちケース11に面した部分をケース11と一体に成型している。
【0046】
フェイス開口部21は図示しないフェイスダクトを介して乗員の顔部に向けて空気を吹出すものである。デフロスタ開口部22は図示しないデフロスタダクトを介して車両前面窓ガラスの内面に向けて空気を吹出すものである。
【0047】
半円筒状の開口シール面19の内側には、吹出モード切替手段としてのロータリードア25が、ヒータコア14の上方に配置された回転軸26により車両前後方向に回転可能に配置されている。このロータリードア25には、回転軸26を中心とする所定の曲率半径の円周壁面25aが設けられ、この円周壁面25aの軸方向(車両幅方向)の両端部を2枚の側面板部25bにより回転軸26に連結する構造になっている。ロータリードア25の円周壁面25a、側面板部25bおよび回転軸26は樹脂により一体成形されている。
【0048】
また、円周壁面25aの外周側には図示しない弾性材を介して樹脂製の薄膜材からなるフィルム部材25cが装着され、このフィルム部材25cが円周壁面25aと一体に回転するようになっている。このフィルム部材25cには円周壁面25aに設けられた開口部(図示せず)および弾性材相互間の開口部(図示せず)を通してロータリードア25内部の風圧が加わるようになっている。そのため、この風圧および弾性材の弾性押圧力によってフィルム部材25cがケース11側の開口シール面19の内周面に圧着して各吹出開口部20、21、22を確実に閉塞するようになっている。
【0049】
また、円周壁面25a、弾性材およびフィルム部材25cの円周方向の中間部位には、これらの部材25a、25cを貫通する連通穴25dが設けてあり、ロータリードア25の回転変位により上記の各開口部20〜22を開閉する。
【0050】
ところで、ケース11内のうちヒータコア14の上方かつ回転軸26の車両前方であって、円周壁面25aの回動方向に対向する板面部27には、前席フット開口部28が形成されている。そして、ロータリードア25には、円周壁面25aと一体に回転する第1、第2の2つの板ドア部25e、25fが設けられており、この板ドア部25e、25fにより前席フット開口部28が開閉されるようになっている。
【0051】
すなわち、円周壁面25aと両板ドア部25e、25fとの組み合わせにより後席フット開口部20、フェイス開口部21、デフロスタ開口部22および前席フット開口部28を開閉する。なお、板ドア部25e、25fは請求項に記載の第1ドア部に対応するものであり、円周壁面25aは請求項に記載の第2ドア部に対応するものである。
【0052】
なお、本発明の実施にあたり、円周壁面25aおよび板ドア部25e、25fの各開口部20、21、22、28側の面にパッキン等の弾性部材を備えるようにしてもよい。
【0053】
また、第1板ドア部25eは、前席フット開口部28の下面側に配置されており、連結アーム部25gとともに樹脂等にてロータリードア25と別体で成形される。第1板ドア部25eはロータリードア25の回転軸26の軸方向に延びて前席フット開口部28の開口面積より大きい板形状になっている。そして、第1板ドア部25eのドア軸方向の両端部近傍位置に2本の連結アーム部25gを一体成形している。この2本の連結アーム部25gは前席フット開口部28の中を通して上方へ円弧状に延びるようになっている。
【0054】
一方、ロータリードア25において軸方向の両端部に位置する左右の側板部25bの間に第2板ドア部25fを一体成形で設けている。この第2板ドア部25fも第1板ドア部25eと同様の板形状であり、この両板ドア部25e、25fはともに円周壁面25aの径内方側の領域にて回転軸26から同一の半径位置に配置されている。2本の連結アーム部25gの先端部は第2板ドア部25fにはめ込み、接着等の手段にて固定するようになっている。
【0055】
また、前席フット開口部28には前席フットダクト29が接続されている。この前席フットダクト29は、ケース11の車両前方側の面にて下方に延び、その後、ケース11の底面にて車両後方側に向かって延びる。そして、前席フットダクト29のうちケース11下方部分の左右両側面には、前席乗員の足元に向けて空調空気を吹き出す前席フット吹出口30が形成されている。なお、本実施形態では、前席フットダクト29をケース11と一体に成型している。
【0056】
また、前席フットダクト29のうち前席フット吹出口30よりも空気流れ下流側部分に、後席フットダクト23を連通させている。これにより、たとえ後席フット開口部20が全閉されていても、前席フット開口部28が開いていれば、前席フットダクト29を流通して前席フット吹出口30に向かって流れる空調空気の一部が、後席フットダクト23を流通して後席フット吹出口24からも吹き出されることとなる。
【0057】
なお、ロータリードア25の回転軸26は、ケース11の外部に突出して図示しないリンク機構を介して吹出モード操作機構に連結されて、この吹出モード操作機構によりロータリードア25が回転操作される。同様に、エアミックスドア16の回転軸16aもケース11の外部にてリンク機構を介して温度調整操作機構に連結されて、この温度調整操作機構によりエアミックスドア16が回転操作される。
【0058】
これらの吹出モード操作機構および温度調整操作機構は、サーボモータを用いたオート操作機構で構成されるが、乗員の手動操作力により直接操作されるマニュアル操作機構にしてもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、計器盤の操作面に、ロータリードア25の回動をマニュアル操作するためのダイヤル操作部材(図示せず)を備えており、ダイヤル操作部材の回動操作に応じてロータリードア25が回動する。
【0060】
図7は、ダイヤル操作部材の回動操作位置を示す模式図である。そして、フェイスモード、バイレベルモード、請求項に記載の第2フットモードに対応する後席大風量フットモード、請求項に記載の第1フットモードに対応する後席小風量フットモード、フットデフモード、デフロスタモードの6つのモードを順番に切り替えることができるようになっている。
【0061】
なお、後席大風量フットモードと後席小風量フットモードは、いずれのモードも前席フット吹出口30および後席フット吹出口24の両吹出口24、30から温風を吹き出すが、前席フット吹出口30からの吹出風量と後席フット吹出口24からの吹出風量との風量割合が互いに異なるように設定されている。すなわち、後席大風量フットモード時における後席フット吹出口24からの吹出風量は、後席小風量フットモード時における後席フット吹出口24からの吹出風量よりも大風量となるものである。
【0062】
次に、上記構成に基づいて本実施形態の作動を簡単に説明する。図示しない送風機ユニットの送風機を作動させると、図示しない内外気切替部から内気または外気が吸入され、この吸入空気は送風機により送風されて空調ユニット部10のケース11内最下部の空気入口空間12に流入する。
【0063】
その後、蒸発器13を矢印aのごとく下方から上方へ通過して冷却され、冷風となる。この冷風は、次に、エアミックスドア16の開度により冷風バイパス通路15を通過する冷風とヒータコア14を通過する温風とに振り分けられる。そして、これらの冷風と温風は空気混合部17に導かれて混合し、所定温度の空調空気となる。従って、エアミックスドア16の開度により冷風と温風の風量割合を調整することにより、空気混合部17付近で混合される空気の温度を所望の温度に調整できる。
【0064】
そして、吹出モード切替用のロータリードア25を操作して、後席フット開口部20とフェイス開口部21とデフロスタ開口部22と前席フット開口部28との開閉を選択することにより、空気混合部17で混合された空調空気bを所定の1つの開口部または複数の開口部から車室内へ吹き出すことができる。
【0065】
すなわち、図1は後席大風量フットモードの状態を示し、ロータリードア25の連通穴25dにより後席フット開口部20を開口するとともに、ロータリードア25の円周壁面25aのフィルム部材25cにより前席フェイス開口部21およびデフロスタ開口部22をともに閉塞している。また、第1板ドア部25eが前席フット開口部28の下方に位置するとともに第2板ドア部25fが前席フット開口部28の上方に位置し、前席フット開口部28が開口状態となる。
【0066】
これにより、空気混合部17から上方に向かって流れる空調空気(温風)bは、矢印c、dに示すように、前席フット開口部28から前席フットダクト29に流出する空調空気cと、後席フット開口部20から後席フットダクト23に流出する空調空気dとに振り分けられる。
【0067】
そして、空調空気dは、後席フットダクト23を流通して後席フット吹出口24から吹き出される。一方、空調空気cは、前席フットダクト29を流通して前席フット吹出口30から吹き出されるとともに、空調空気cの一部は、矢印hに示すように後席フットダクト23に流入して空調空気dと合流し、後席フット吹出口24から吹き出される。
【0068】
図2は後席小風量フットモードの状態を示し、図1の状態からロータリードア25が反時計方向に所定角度回転している。この場合は、ロータリードア25のフィルム部材25cにより後席フット開口部20、前席フェイス開口部21およびデフロスタ開口部22の全てを閉塞している。また、前席フット開口部28は開口状態のままである。
【0069】
これにより、空調空気bの全てが、矢印cに示すように、前席フット開口部28から前席フットダクト29に流出する。そして、空調空気cは、前席フットダクト29を流通して前席フット吹出口30から吹き出されるとともに、空調空気cの一部は、矢印iに示すように後席フットダクト23に流入して後席フット吹出口24から吹き出される。
【0070】
従って、以上の図1、図2に示すように、空調ケース11内の空調空気bが空気混合部17から後席フット吹出口24まで流通する流通経路は、後席大風量フットモード時と後席小風量フットモード時とで異なる経路となる。そして、本実施形態では、、後席大風量フットモード時には後席小風量フットモード時に比べて低圧損の流通経路となる。これにより、前席フット吹出口30からの吹出風量に対する後席フット吹出口24からの吹出風量の割合は、後席大風量フットモード時の方が後席小風量フットモード時よりも大きくなる。
【0071】
図3はフェイスモードの状態を示し、ロータリードア25を時計方向に最大に回転した状態である。この場合は、ロータリードア25の連通穴25dにより前席フェイス開口部21を開口するとともに、ロータリードア25のフィルム部材25cにより後席フット開口部20およびデフロスタ開口部22をともに閉塞している。また、第2板ドア部25fにより前席フット開口部28を閉塞している。
【0072】
これにより、空調空気bの全てが、矢印jに示すように、前席フェイス開口部21からフェイスダクトに流出し、前席乗員の上半身に向けて吹き出される。
【0073】
図4はバイレベルモードの状態を示し、図3の状態からロータリードア25が反時計方向に所定角度回転している。この場合は、ロータリードア25の連通穴25dにより後席フット開口部20および前席フェイス開口部21を同時に開口するとともに、ロータリードア25のフィルム部材25cによりデフロスタ開口部22を閉塞している。また、第1および第2板ドア部25e、25fは前席フット開口部28を開口状態にさせている。
【0074】
これにより、空気混合部17から上方に向かって流れる空調空気bは、前席フット開口部28から前席フットダクト29に流出する空調空気cと、ロータリードア25の連通穴25dから流出する空調空気k、jとに振り分けられる。
【0075】
そして、空調空気jは、前席フェイス開口部21からフェイスダクトに流出し、空調空気kは、後席フット開口部20から後席フットダクト23を流通して後席フット吹出口24から吹き出される。一方、空調空気cは、前席フットダクト29を流通して前席フット吹出口30から吹き出されるとともに、空調空気cの一部は、矢印hに示すように後席フットダクト23に流入して空調空気kと合流し、後席フット吹出口24から吹き出される。
【0076】
図5はフットデフモードの状態を示し、図2の状態からロータリードア25が反時計方向に所定角度回転している。この場合は、ロータリードア25はデフロスタ開口部22を開口するとともに、ロータリードア25の円周壁面25aのフィルム部材25cにより後席フット開口部20および前席フェイス開口部21をともに閉塞している。また、第1および第2板ドア部25e、25fは前席フット開口部28を開口状態にさせている。
【0077】
これにより、空気混合部17から上方に向かって流れる空調空気bは、矢印c、lに示すように、前席フット開口部28から前席フットダクト29に流出する空調空気cと、デフロスタ開口部22からデフロスタダクトに流出する空調空気lとに振り分けられる。
【0078】
図6はデフロスタモードの状態を示し、図5の状態からロータリードア25が反時計方向に所定角度回転している。この場合は、ロータリードア25はデフロスタ開口部22を開口するとともに、ロータリードア25の円周壁面25aのフィルム部材25cにより後席フット開口部20および前席フェイス開口部21をともに閉塞している。また、第1板ドア部25eにより前席フット開口部28を閉塞している。
【0079】
これにより、空調空気bの全てが、矢印lに示すように、デフロスタ開口部22からデフロスタダクトに流出し、車両前面窓ガラスの内面に向けて吹き出される。
【0080】
なお、上述のように本実施形態では1つのロータリードア25で合計6つの吹出モードを切り替えるようにしているが、少なくとも後席大風量フットモードおよび後席小風量フットモードの2つのモードを切り替えるようにしても本発明を適用できる。
【0081】
また、図2の後席小風量フットモードでは、デフロスタ開口部22を全閉しているが、後席小風量フットモード時に前席フット開口部28を開口すると同時にデフロスタ開口部22を少量開口するようにしてもよい。これによれば、後席小風量フットモードによる冬期暖房時にデフロスタ開口部22から少量の空調空気(温風)を吹き出して、車両窓ガラスの防曇性能を高めることができる。
【0082】
以上により、本実施形態によれば、ロータリードア25に、後席フット開口部20を開閉する円周壁面25aと、前席フット開口部28を開閉する板ドア部25e、25fとを一体的に設けることにより、1つのロータリードア25の回動により後席小風量フットモードと後席大風量フットモードとの切り替えを可能にし、これらのフットモードの切り替えにより、前席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量と後席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量との風量割合を変更できる。
【0083】
従って、本実施形態によれば、新たな駆動機構を必要とすることなく、空調装置の部品点数増による大幅なコストアップを抑制しつつ、前席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量と後席乗員の足元に向けて吹き出される吹出風量との風量割合を変更可能にすることができる。
【0084】
(第2実施形態)
第1実施形態では、前席フット開口部28を回転軸26の車両前方側に配置して、各開口部20、21、22、28を、ロータリードア25の回動方向の車両後方側から前方側にかけて、後席フット開口部20、前席フェイス開口部21、デフロスタ開口部22、前席フット開口部28の順に形成している。これに対し、本実施形態では、前席フット開口部28を回転軸26の車両後方側に配置して、各開口部20、21、22、28を、ロータリードア25の回動方向の車両後方側から前方側にかけて、前席フット開口部28、後席フット開口部20、前席フェイス開口部21、デフロスタ開口部22の順に形成している。
【0085】
そして、図8は後席大風量モード時、図9は後席小風量フットモード時、図10はフェイスモード時、図11はバイレベルモード時、図12はフットデフモード時、図13はデフロスタモード時をそれぞれ示す。なお、本実施形態におけるダイヤル操作部材の回動操作位置とロータリードア25の回動位置との位置関係は、第1実施形態と同様に図7に示す位置関係となる。
【0086】
なお、本実施形態の空調ユニット部10は車両の上下前後方向に対して図8〜図13の矢印のように搭載されるものであるが、本発明の実施にあたり、前後方向を逆転させて、カッコ内に示す矢印の前後関係となるように空調ユニット部10を搭載するようにしてもよい。
【0087】
ただし、このように前後方向を逆転させた場合には、図中の符号21に示す前席フェイス開口部を符号(22)に示すようにデフロスタ開口部として利用し、符号22に示すデフロスタ開口部を符号(21)に示すように前席フェイス開口部として利用すればよい。そして、ダイヤル操作部材の回動操作位置は、図14に示すように後席大風量モードと前席大風量モードとの位置が反対となるように変更されることとなる。
【0088】
(第3実施形態)
第1実施形態では、前席フット開口部28を回転軸26の車両前方側に配置して、各開口部20、21、22、28を、ロータリードア25の回動方向の車両後方側から前方側にかけて、後席フット開口部20、前席フェイス開口部21、デフロスタ開口部22、前席フット開口部28の順に形成している。これに対し、本実施形態では、前席フット開口部28を回転軸26の車両後方側に配置して、各開口部20、21、22、28を、ロータリードア25の回動方向の車両後方側から前方側にかけて、前席フット開口部28、前席フェイス開口部21、デフロスタ開口部22、後席フット開口部20の順に形成している。
【0089】
換言すれば、第2実施形態では後席フットダクト23がケース11の車両後方側にて上下方向に延びるように形成されていたが、本実施形態では後席フットダクト23がケース11の車両前方側にて上下方向に延びるように形成されている。
【0090】
そして、図15は後席大風量モード時、図16は後席小風量フットモード時、図17はフェイスモード時、図18はバイレベルモード時、図19はフットデフモード時、図20はデフロスタモード時をそれぞれ示す。なお、本実施形態におけるダイヤル操作部材の回動操作位置とロータリードア25の回動位置との位置関係は、第2実施形態の変形例と同様に図14に示す位置関係となる。
【0091】
(他の実施形態)
上記第1〜第3実施形態では、前席フット開口部28を板面部27に形成し、第1ドア部を板ドア部25e、25fで形成しているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、前席フット開口部28を吹出モード切替部18に形成し、第1ドア部も第2ドア部とともに円周壁面25aで形成するようにしてもよい。
【0092】
また、上記第1〜第3実施形態では、後席フットダクト23と前席フットダクト29とを前席吹出口30の下流側で連通させているが、この連通を廃止して、後席フット開口部20からの吹出風量と、前席フット開口部28からの吹出風量との風量割合をロータリードア25の回動により切替設定するようにしてもよい。例えば、前席フット開口部28が板面部27に形成されている場合において、両ドア部25e、25fの前席フット開口部28との距離を変化させれば、前席フット開口部28からの吹出風量を変化させることができる。この吹出風量の変化を利用して、上記風量割合の設定を行うことができる。
【0093】
また、上記上記第1〜第3実施形態では、後席大風量モードと後席小風量フットモードとの2種類で上記風量割合を変化させるようにしているが、後席小風量フットモードにおけるロータリードア25の回動位置を第1回動位置とし、後席大風量フットモードにおけるロータリードア25の回動位置を第2回動位置とし、この第1回動位置から第2回動位置までの回動範囲のうち乗員が所望する任意の位置でロータリードア25を設定できるようにしてもよい。これにより、所定範囲内で乗員の好みに応じた風量割合に設定することができ、風量割合をきめ細かく調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る後席大風量フットモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図2】第1実施形態に係る後席小風量フットモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図3】第1実施形態に係るフェイスモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図4】第1実施形態に係るバイレベルモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図5】第1実施形態に係るフットデフモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図6】第1実施形態に係るデフロスタモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図7】第1実施形態に係るダイヤル操作部材の回動操作位置を示す模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る後席大風量フットモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図9】第2実施形態に係る後席小風量フットモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図10】第2実施形態に係るフェイスモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図11】第2実施形態に係るバイレベルモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図12】第2実施形態に係るフットデフモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図13】第2実施形態に係るデフロスタモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図14】第2実施形態の変形例に係るダイヤル操作部材の回動操作位置を示す模式図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る後席大風量フットモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図16】第3実施形態に係る後席小風量フットモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図17】第3実施形態に係るフェイスモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図18】第3実施形態に係るバイレベルモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図19】第3実施形態に係るフットデフモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図20】第3実施形態に係るデフロスタモードの状態を示す、空調ユニット部の概略断面図である。
【図21】従来の空調ユニット部におけるフットモードの状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
11…空調ケース、20…後席フット開口部、23…後席フットダクト、
24…後席フット吹出口、25…ロータリードア(吹出モード切替手段)、
25a…円周壁面(第2ドア部)、25e…第1板ドア部(第1ドア部)、
25f…第2板ドア部(第1ドア部)、28…前席フット開口部、
29…前席フットダクト、30…前席フット吹出口。
Claims (7)
- 車両前方の計器盤内側に配置されて空気通路を形成し、前席フット開口部(28)および後席フット開口部(20)を有する空調ケース(11)と、
前記前席フット開口部(28)を開閉する第1ドア部(25e、25f)および前記後席フット開口部(20)を開閉する第2ドア部(25a)が一体的に設けられ、前記空調ケース(11)内に回動可能に配設されて吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(25)と、
前記前席フット開口部(28)に接続され、前席乗員の足元に向けて空調空気を吹き出す前席フット吹出口(30)が形成された前席フットダクト(29)と、
前記後席フット開口部(20)に接続され、後席乗員の足元に向けて空調空気を吹き出す後席フット吹出口(24)が形成された後席フットダクト(23)とを備え、
前記両フット吹出口(24、30)から空調空気を吹き出す第1フットモードと、前記前席フット吹出口(30)からの風量と前記後席フット吹出口(24)からの風量との割合が前記第1フットモード時の割合と異なるように設定された第2フットモードとを、前記吹出モード切替手段(25)の回動により切替設定可能にし、
さらに、前記空調ケース(11)には、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)が形成されており、
前記吹出モード切替手段(25)は、前記前席フット開口部(28)および前記後席フット開口部(20)に加え、前記前席フェイス開口部(21)および前記デフロスタ開口部(22)をも切替開閉することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記前席フットダクト(29)のうち前記前席フット吹出口(30)よりも空気流れ下流側部分に、前記後席フットダクト(23)を連通させ、
前記第1フットモードでは、前記後席フット開口部(20)を全閉しつつ前記前席フット開口部(28)を開くように前記吹出モード切替手段(25)を回動させ、
前記第2フットモードでは、前記両フット開口部(20、28)をともに開くように前記吹出モード切替手段(25)を回動させることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 車両前方の計器盤内側に配置されて空気通路を形成し、前席フット開口部(28)および後席フット開口部(20)を有する空調ケース(11)と、
前記前席フット開口部(28)を開閉する第1ドア部(25e、25f)および前記後席フット開口部(20)を開閉する第2ドア部(25a)が一体的に設けられ、前記空調ケース(11)内に回動可能に配設されて吹出モードを切り替える吹出モード切替手段(25)とを備え、
前記両フット開口部(20、28)から空調空気を吹き出す第1フットモードと、前記前席フット開口部(28)からの風量と前記後席フット開口部(20)からの風量との割合が前記第1フットモード時の割合と異なるように設定された第2フットモードとを、前記吹出モード切替手段(25)の回動により切替設定可能にし、
さらに、前記空調ケース(11)には、前席フェイス開口部(21)およびデフロスタ開口部(22)が形成されており、
前記吹出モード切替手段(25)は、前記前席フット開口部(28)および前記後席フット開口部(20)に加え、前記前席フェイス開口部(21)および前記デフロスタ開口部(22)をも切替開閉することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記後席フット開口部(20)、前記前席フェイス開口部(21)および前記デフロスタ開口部(22)を前記空調ケース(11)の円弧部(18)に形成し、
前記第2ドア部(25a)を、前記円弧部(18)を摺動して前記後席フット開口部(20)、前記前席フェイス開口部(21)および前記デフロスタ開口部(22)を切替開閉する円弧面形状に形成し、
前記前席フット開口部(28)を、前記空調ケース(11)のうち前記吹出モード切替手段(25)の回動方向に対向する板面部(27)に形成し、
前記第1ドア部(25e、25f)を、前記前席フット開口部(28)を開閉する平板形状に形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記吹出モード切替手段(25)は車両前後方向に回動するように配置されており、
前記各開口部(20、21、22、28)を、前記吹出モード切替手段(25)の回動方向において前記後席フット開口部(20)、前記前席フェイス開口部(21)、前記デフロスタ開口部(22)、前記前席フット開口部(28)の順に配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記吹出モード切替手段(25)は車両前後方向に回動するように配置されており、
前記各開口部(20、21、22、28)を、前記吹出モード切替手段(25)の回動方向において前記前席フット開口部(28)、前記後席フット開口部(20)、前記前席フェイス開口部(21)、前記デフロスタ開口部(22)の順に配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記第1フットモードにおける前記吹出モード切替手段(25)の回動位置を第1回動位置とし、
前記第2フットモードにおける前記吹出モード切替手段(25)の回動位置を第2回動位置とし、
前記第1回動位置から第2回動位置までの回動範囲では、前記前席フェイス開口部(21)および前記デフロスタ開口部(22)は全閉されるとともに前記前席フット開口部(28)は全開され、かつ、前記後席フット開口部(20)は前記吹出モード切替手段(25)の回動位置に応じて開口面積が変化するようになっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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