JP2004330908A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイドフェイス吹出口に風向センサなどを設けることなく、サイドフェイス吹出口から吹き出す空調風の風向に応じて空調風の温度を変更することが可能な車両用空調装置を提供する。
【解決手段】横方向風向変更フィン22の流路上流に温風流路端部20dと冷風流路端部20eを設け、温風流路端部20dに横方向風向変更フィン22の動きを伝える歯車22f、24dによって動作する温風量調整フィン24を設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】横方向風向変更フィン22の流路上流に温風流路端部20dと冷風流路端部20eを設け、温風流路端部20dに横方向風向変更フィン22の動きを伝える歯車22f、24dによって動作する温風量調整フィン24を設ける。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インストルメントパネルの側方に設けられるサイドフェイス吹出口から最適な温度の空気流を吹き出すようにした車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両を寒冷地などで使用する場合、側方窓ガラスの曇りが著しく、その解決策としてサイドフェイス吹出口から温風を吹き出させ、側方窓ガラスに向けることで、サイドデフロスタとして使用するなどの対応策がとられている。しかし、サイドフェイス吹出口から温風を吹き出させた場合、吹出口からの温風が乗員の方に向けられると、温度の高い空調風により乗員の顔がほてり不快感をもよおすという問題が生じてしまう。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に記載された車両用空調装置では、サイドフェイス吹出口から吹き出される空調風の向きを風向センサによって検出し、その検出信号に応じて、空調風の温度を調整する冷風バイパスドアの開閉を制御するという技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−48740号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の車両用空調装置においては、風向センサをサイドフェイス吹出口に取り付ける必要があり、コスト高となってしまう。また、風向センサによって検出した検出信号に基づいて冷風パイバスドアの開閉をECUによって自動的に制御しているので、除湿、温度、風量などの設定を人の手によって操作するマニュアル仕様のエアコンに適用するのは難しいと言って良い。
【0006】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもので、サイドフェイス吹出口に風向センサなどを設けることなく、サイドフェイス吹出口から吹き出す空調風の風向に応じて空調風の温度や風量を変更することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するにあたり、請求項1に記載の本発明は、側方上部吹出口(16)に、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、この風向変更手段(22)の上流側に、温風流路(13b、20d)とバイパス流路(14b、20e)とを接続し、温風流路(13b、20d)に、温風流路(13b、20d)から流れ出す温風の量を調整する温風量調整手段(24)を配置し、風向変更手段(22)の動きを温風量調整手段(24)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、側方上部吹出口(16)に、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、この風向変更手段(22)の上流側に、温風流路(13b、20d)とバイパス流路(14b、20e)とを接続し、バイパス流路(14b、20e)に、バイパス流路(14b、20e)から流れ出す冷風の量を調整する冷風量調整手段(25)を配置し、風向変更手段(22)の動きを冷風量調整手段(25)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、側方上部吹出口(16)に、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、この風向変更手段(22)の上流側に、温風流路(13b、20d)とバイパス流路(14b、20e)とを接続し、温風流路(13b、20d)に、温風流路(13b、20d)から流れ出す温風の量を調整する温風量調整手段(24)を配置し、バイパス流路(14b、20e)に、バイパス流路(14b、20e)から流れ出す冷風の量を調整する冷風量調整手段(25)を配置し、風向変更手段(22)の動きを温風量調整手段(24)及び冷風量調整手段(25)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする。
【0010】
これにより、側方上部吹出口(16)に風向センサなどを設けることなく、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向に応じて空気流の温度や風量を変更することが可能である。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、温風量調整手段が風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が乗員の上半身に向いている場合は、風向が前記側面窓ガラスに向いている場合に比べて、温風流路(13b、20d)からの温風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項2に記載の本発明において、冷風量調整手段(25)は、風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が側面窓ガラスに向いている場合は、風向が乗員の上半身に向いている場合に比べて、冷風流路(13b)からの冷風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項3に記載の本発明において、温風量調整手段(24)は、風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が乗員の上半身に向いている場合は、風向が側面窓ガラスに向いている場合に比べて、温風流路(13b、20d)からの温風の風量を減らすように構成されており、冷風量調整手段(25)は、風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が側面窓ガラスに向いている場合は、風向が乗員の上半身に向いている場合に比べて、冷風流路(13b)からの冷風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、側方上部吹出口(16)からの風向が、乗員の上半身に向いている場合は、比較的冷たい空気流を側方上部吹出口(16)から吹き出すことができ、該風向が側面窓ガラス側に向いている場合は、比較的暖かい空気流を側方上部吹出口(16)から吹き出すことができる。
【0015】
請求項7に記載の本発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1つ記載の本発明において、動力伝達手段(22f、24d)が歯車(22f、24d)であることを特徴とする。
【0016】
これにより、簡単な機構で風量調整手段(24、25)を動作させることが可能である。
【0017】
尚、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態を、図1〜図7を用いて示す。
【0019】
図1は本発明が適用される車両用空調装置1の断面を示す模式図である。車両用空調装置1は大きく分けると、送風機ユニット2、空調ユニット3、ダクト4から構成されている。
【0020】
送風機ユニット2は、空気取り込み口を、内気取り込み口2aまたは外気取り込み口2bから内外気切替えドア5によって選択し、取り込んだ空気をブロワファン6により空調ユニット3の方向へ送風するものである。
【0021】
内外気切替えドア5は、内外気切替えドア回転軸5aを軸にし、図示しないサーボモータにより回動されるダンパ状のドアであり、後述するインストルメントパネル7の中央に配置された操作部8から入力される内外気切替え信号により車両用空調装置1を内気循環モードまたは外気導入モードのいずれかに切り替えるものである。
【0022】
内気取り込み口2aと外気取り込み口2bは、送風機ユニット2へ空気を取り込むための開口部であり、それぞれ図示しない車両の車室内部と車両外部に通じている。また、ブロワファン6は、例えば遠心式のファンで、図示しないブロワモータにより駆動されるものである。
【0023】
空調ユニット3は、送風機ユニット2から送られてきた空気をエバポレータ9により冷風にし、エアミックスドア10によりその一部をヒータコア11へと振り分け再加熱するものである。ヒータコア11によって加熱された温風と、ヒータコア11を迂回した冷風はそれぞれダクト4の温風ダクト13と冷風ダクト14の方向へ送られる。
【0024】
エバポレータ9は、図示しないコンプレッサにより作動する周知の冷凍サイクルを構成するものであり、内部を流通する冷媒が蒸発する際に自身を通過する空気を冷却し、冷風にする熱交換器である。
【0025】
エアミックスドア10は、図示しないサーボモータなどのアクチュエータにより回動し、操作部8より入力された設定温度信号に基づいて、ヒータコア11へと導かれ再加熱されて温風となる冷風と、冷風バイパス流路12を通ることでヒータコア11を迂回する冷風の比率を決定するものである。
【0026】
また、ヒータコア11は、図示しないエンジンのエンジン冷却水が内部を循環し、この冷却水を熱源として自身を通過する空気を加熱し、温風にする熱交換器である。
【0027】
ダクト4は、温風ダクト13と冷風ダクト14により構成され、空調ユニット3から送られてくる温風と冷風を、後述するインストルメントパネル7の中央に配されるセンターフェイス吹出口15、インストルメントパネル7の両端に配されるサイドフェイス吹出口16、フロントウィンドウ18へ向けられたデフロスト吹出口19、図示しない車室内に配される図示しないフット吹出口へと導くものである。
【0028】
温風ダクト13は、ヒータコア11を通過してきた温風が流れる流路であり、温風ダクト13中の温風分岐点13aはサイドフェイス吹出口16へ導かれる温風が流れるサイドフェイス温風ダクト13bと、それ以外の吹出口即ち、センターフェイス吹出口15、デフロスト吹出口19、フット吹出口へ導かれる温風の流れる、その他の温風ダクト13cとの分岐点である。
【0029】
冷風ダクト14は、冷風バイパス流路12を通過してきた冷風が流れる流路であり、冷風ダクト14中の冷風分岐点14aはサイドフェイス吹出口16へ導かれる冷風が流れるサイドフェイス冷風ダクト14bと、それ以外の吹出口即ち、センターフェイス吹出口15、デフロスト吹出口19、フット吹出口へ導かれる冷風の流れる、その他の冷風ダクト14cとの分岐点である。
【0030】
そして、その他の温風ダクト13cを通る温風と、その他の冷風ダクト14cを通る冷風はエアミックスチャンバー17まで至ると混合され、操作部8より入力される設定温度信号に基づいた温度の空調風となり、図示しないモード切替えユニットへ送られる。
【0031】
モード切替えユニットは、ダクト4のエアミックスチャンバー17から送られてきた空調風を、図示しないモード切替えドアにより、車室内に配置されたセンターフェイス吹出口15、デフロスト吹出口19、図示しないフット吹出口などへ振り分けるものである。
【0032】
モード切替えドアは操作部8から入力されるモード切替え信号に基づいて制御され、その位置によりセンターフェイス吹出口15から空調風を吹き出すフェイスモード、フット吹出口から空調風を吹き出すフットモード、デフロスト吹出口19から空調風を吹き出すデフロストモード、センターフェイス吹出口15とフット吹出口両方から空調風を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口とデフロスト吹出口19から空調風を吹き出すフット・デフモードのうちいずれかを選択し、切り替えるものである。
【0033】
次にインストルメントパネル7について説明する。図2は車室内からインストルメントパネル7を見た図である。インストルメントパネル7の左右両端には、サイドフェイス吹出口16、中央にはセンターフェイス吹出口15が配置され、センターフェイス吹出口15の下側には図示しない設定温度設定スイッチ、内外気切替えスイッチ、吹き出しモード切替えスイッチなどが並べられた操作部8が配置されている。さらに、インストルメントパネル7の車両前方側、フロントウィンドウ18との境にはデフロスト吹出口19が配置されている。
【0034】
ここで、本発明の要部をなすサイドフェイス吹出口16の機構について図3及び図4を用いて述べる。
【0035】
図3aはサイドフェイス吹出口16を正面から見た図であり、図3bは図3a中A−A’で示す破線について矢印(ア)の方向から見た断面図、図3cは図3a中B−B’で示す破線について矢印(イ)の方向から見た断面図である。また、図4はサイドフェイス吹出口16を構成する各部品の組み付け構造が分かるように、枠体20から外して分解した斜視図である。
【0036】
尚、サイドフェイス吹出口16はインストルメントパネル7の左右に左右対称な構造で、一箇所ずつ設けられているが、ここでは運転席右側のサイドフェイス吹出口16について説明する(図2参照)
サイドフェイス吹出口16は、枠体20、縦方向風向調整フィン21、横方向風向調整フィン22、風向手動調整リブ23、温風量調整フィン24からなっており、サイドフェイス温風ダクト13bの端部及びサイドフェイス冷風ダクト14bの端部が、枠体20の温風流路端部20dと冷風流路端部20eに接続されている。
【0037】
枠体20は、内壁に縦方向風向変更フィン組み付け用孔20a、横方向風向変更フィン組み付け用孔20b、温風量調整フィン組み付け用孔20cを備えている。また、図3b及び図3cに示すように、枠体20の図中矢印で指し示す前方側にはサイドフェイス温風ダクト13b及びサイドフェイス冷風ダクト14bに繋がる温風流路端部20dと冷風流路端部20eが設けられている。
【0038】
縦方向風向変更フィン21は、縦方向風向変更フィン突起部21aを縦方向風向変更フィン組み付け用孔20aに差し込むことで枠体20に取り付けられており、縦方向風向変更フィン突起部21aを軸にして上下に回動可能な構成になっている。また、上下に3枚存在する縦方向風向変更フィン21のうち真中のものは、図4に示すように風向手動変更用リブ23のスリット23aを貫通するように組みつけられている。
【0039】
さらに、3枚の縦方向風向変更フィン21それぞれの縦方向連結用突起21bを縦方向連結板21cにはめ込むことにより、風向手動変更用リブ23を上下に動かすと、3枚の縦方向風向変更フィン21それぞれが縦方向風向変更フィン突起部21aを軸にして同じ動きをする構造になっている。
【0040】
横方向風向変更フィン22は、横方向風向変更フィン突起部22aを横方向風向変更フィン組み付け用孔20bに差し込むことで枠体20に取り付けられており、横方向風向変更フィン突起部22aを軸にして左右に回動可能な構成になっている。
【0041】
また、左右に5枚存在する横方向風向変更フィン22のうち、真中のものは扇形の穴22dを有している。扇形の穴22dによって形成される横方向風向変更フィン22が細くなった部分22eが、図4に示すように風向手動変更用リブ23の端部23bに挟み込まれている。
【0042】
さらに、5枚存在する横方向風向変更フィン22のうち、右端の横方向風向変更フィン22の下部には横方向風向変更フィン22の動きを温風量調整フィン24に伝える動力伝達機構としての駆動側歯車22fが設けられている。
【0043】
そして、5枚の横方向風向変更フィン22それぞれの横方向連結用突起部22bを横方向連結板22cにはめ込むことにより、風向手動変更用リブ23を左右に動かすと、5枚の横方向風向変更フィン22それぞれが横方向風向変更フィン突起部22aを軸にして同じ動きをする構造になっている。
【0044】
温風量調整フィン24は、温風量調整フィン突起部24aを温風量調整フィン組み付け用孔20cに差し込むことで枠体20の横方向風向変更フィン22の上流側である、温風流路端部20dに取り付けられており、温風量調整フィン突起部24aを軸にして左右に回動可能な構成になっている。また、左右に3枚存在する温風量調整フィン24のうち、右端の温風量調整フィン24の下部には、駆動側歯車22fと噛み合う従動側歯車24dが設けられている。本実施形態では、駆動側歯車22fと従動側歯車24dとが噛み合う機構によって、横方向風向変更フィン22の動きを受けて温風量調整フィン24を動かす動力伝達機構を構成している。
【0045】
さらに、3枚の温風量調整フィン24それぞれの温風量調整フィン連結用突起24bを温風量調整フィン連結板24cにはめ込むことにより、従動側歯車24dによって、右端の温風量調整フィン24が動くと、3枚の温風量調整フィン24それぞれが温風量調整フィン突起部24aを軸にして同じ動きをする構造になっている。
【0046】
風向手動変更用リブ23は、スリット23aと端部23bを有するサイドフェイス吹出口から吹き出す空調風の向きを手動で変更するための摘みである。
【0047】
(本実施の形態の作動)
次に本実施の形態の作動について、説明する。空調ユニット3にて空調され、温風と冷風となった空気のうち一部は、それぞれサイドフェイス温風ダクト13bとサイドフェイス冷風ダクト14bを通って別々にサイドフェイス吹出口16の直上流に至る。
【0048】
サイドフェイス吹出口16は、風向手動変更用リブ23によって縦方向風向調整フィン21と、横方向風向調整フィン22を動かすことで、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の向きを変えることができる。図5は、サイドフェイス吹出口16が乗員の上半身側、図6はサイドフェイス吹出口16が側面窓ガラス側を向いている様子を表す図である。
【0049】
図5において、風向手動変更用リブ23は乗員の上半身側に寄っており、横方向風向変更フィン22も乗員の方に空調風を吹き出すように傾いている。そして、駆動側歯車22fが従動側歯車24dと噛み合うことで、温風量調整フィン24がサイドフェイス温風ダクト13bを塞ぐように回動している。
【0050】
また、図6において、風向手動変更用リブ23は側面窓ガラス側に寄っており、横方向風向変更フィン22も側面窓ガラスの方に空調風を吹き出すように傾いている。この場合、駆動側歯車22fは従動側歯車24dと噛み合うことはなく、温風量調整フィン24はサイドフェイス温風ダクト13bを塞ぐことはない。
【0051】
(本実施形態の効果)
このように、本実施の形態によると、サイドフェイス吹出口16からの空調風の吹き出し方向に応じて、温風量調整フィン24を回動させることが可能であり、サイドフェイス温風ダクト13bの開閉を行う事ができる。
【0052】
よって、サイドフェイス吹出口16に風向センサなどを設けることなく、図7に示すような、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じて、温風と冷風の混合量に差を着けて、空調風の吹き出し温度を調整することが可能となる。
【0053】
(他の実施の形態)
上記実施形態では、温風量調整フィン24を横方向風向変更フィン22の上流側である温風流路端部20dに設けが、温風量調整フィン24は、歯車やリンクなどの動力伝達機構22f、24dによって動かすことができ、温風の風量を調整できる位置であればサイドフェイス吹出口16と温風ダクト13のどこに設けてもよい。
【0054】
また、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じて、サイドフェイス温風ダクト13bから吹き出す温風の量を調整したが、図8に示すように、冷風流路端部20eに、温風量調整フィン24と同様の構造の冷風量調整フィン25設け、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じて、サイドフェイス冷風ダクト14bから吹き出す冷風の量を調整するようにしてもよい。
【0055】
また、図9に示すように温風量調整フィン24と冷風量調整フィン25の両方を設け、サイドフェイス吹出口16から吹き出される空調風の風向に応じて、サイドフェイス温風ダクト13bから吹き出す温風とサイドフェイス冷風ダクト14bから吹き出す冷風の量を調整するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施の形態では、サイドフェイス温風ダクト13bとサイドフェイス冷風ダクト14bとが、これらのダクトの温風と冷風とが互いに混ざることなく横方向風向変更フィン22の上流側に接続されるようにしたが、図10に示すように、横方向風向変更フィン22の上流側において、各ダクト13b、14bの温風と冷風とが一部混合されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の空調ユニットの模式図である。
【図2】車室内からインストルメントパネル7を見た図である。
【図3】(a)サイドフェイス吹出口16を正面から見た図である。
(b)図3a中A−A’で示す破線について矢印(ア)の方向から見た断面図である。
(c)図3a中B−B’で示す破線について矢印(イ)の方向から見た断面図である。
【図4】サイドフェイス吹出口16を構成する各部品の組み付け構造が分かるように枠体20から外して分解した斜視図である。
【図5】サイドフェイス吹出口16が乗員の上半身側を向いている時のサイドフェイス吹出口16の様子を表す断面図である。
【図6】サイドフェイス吹出口16が側面窓ガラス側を向いている時のサイドフェイス吹出口の様子を表す断面図である。
【図7】サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じた吹き出し温度の制御を表す図である。
【図8】他の実施の形態におけるサイドフェイス吹出口16の断面図である。
【図9】他の実施の形態におけるサイドフェイス吹出口16の断面図である。
【図10】他の実施の形態におけるサイドフェイスダクト13b、14bの形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
16…サイドフェイス吹出口、
20…枠体、
20a…縦方向風向変更フィン組み付け用孔、
20b…横方向風向変更フィン組み付け用孔、
20c…温風量調整フィン組み付け用孔、
20d…温風流路端部、
20e…冷風流路端部、
21…縦方向風向変更フィン、
21a…縦方向風向変更フィン突起部、
21b…縦方向連結用突起、
21c…縦方向連結板、
22…横方向風向変更フィン、
22a…横方向風向変更フィン突起部、
22b…横方向連結用突起部、
22c…横方向連結板、
22d…扇形の穴、
22e…細くなった部分、
22f…駆動側歯車、
23…風向手動変更用リブ、
23a…スリット、
23b…風向手動変更用リブの端部、
24…温風量調整フィン、
24a…温風量調整フィン突起部、
24b…温風量調整フィン連結用突起、
24c…温風量調整フィン連結板、
24d…従動側歯車、
25…冷風量調整フィン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インストルメントパネルの側方に設けられるサイドフェイス吹出口から最適な温度の空気流を吹き出すようにした車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両を寒冷地などで使用する場合、側方窓ガラスの曇りが著しく、その解決策としてサイドフェイス吹出口から温風を吹き出させ、側方窓ガラスに向けることで、サイドデフロスタとして使用するなどの対応策がとられている。しかし、サイドフェイス吹出口から温風を吹き出させた場合、吹出口からの温風が乗員の方に向けられると、温度の高い空調風により乗員の顔がほてり不快感をもよおすという問題が生じてしまう。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に記載された車両用空調装置では、サイドフェイス吹出口から吹き出される空調風の向きを風向センサによって検出し、その検出信号に応じて、空調風の温度を調整する冷風バイパスドアの開閉を制御するという技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−48740号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の車両用空調装置においては、風向センサをサイドフェイス吹出口に取り付ける必要があり、コスト高となってしまう。また、風向センサによって検出した検出信号に基づいて冷風パイバスドアの開閉をECUによって自動的に制御しているので、除湿、温度、風量などの設定を人の手によって操作するマニュアル仕様のエアコンに適用するのは難しいと言って良い。
【0006】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたもので、サイドフェイス吹出口に風向センサなどを設けることなく、サイドフェイス吹出口から吹き出す空調風の風向に応じて空調風の温度や風量を変更することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するにあたり、請求項1に記載の本発明は、側方上部吹出口(16)に、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、この風向変更手段(22)の上流側に、温風流路(13b、20d)とバイパス流路(14b、20e)とを接続し、温風流路(13b、20d)に、温風流路(13b、20d)から流れ出す温風の量を調整する温風量調整手段(24)を配置し、風向変更手段(22)の動きを温風量調整手段(24)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、側方上部吹出口(16)に、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、この風向変更手段(22)の上流側に、温風流路(13b、20d)とバイパス流路(14b、20e)とを接続し、バイパス流路(14b、20e)に、バイパス流路(14b、20e)から流れ出す冷風の量を調整する冷風量調整手段(25)を配置し、風向変更手段(22)の動きを冷風量調整手段(25)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、側方上部吹出口(16)に、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、この風向変更手段(22)の上流側に、温風流路(13b、20d)とバイパス流路(14b、20e)とを接続し、温風流路(13b、20d)に、温風流路(13b、20d)から流れ出す温風の量を調整する温風量調整手段(24)を配置し、バイパス流路(14b、20e)に、バイパス流路(14b、20e)から流れ出す冷風の量を調整する冷風量調整手段(25)を配置し、風向変更手段(22)の動きを温風量調整手段(24)及び冷風量調整手段(25)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする。
【0010】
これにより、側方上部吹出口(16)に風向センサなどを設けることなく、側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向に応じて空気流の温度や風量を変更することが可能である。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、温風量調整手段が風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が乗員の上半身に向いている場合は、風向が前記側面窓ガラスに向いている場合に比べて、温風流路(13b、20d)からの温風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項2に記載の本発明において、冷風量調整手段(25)は、風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が側面窓ガラスに向いている場合は、風向が乗員の上半身に向いている場合に比べて、冷風流路(13b)からの冷風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の本発明は、請求項3に記載の本発明において、温風量調整手段(24)は、風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が乗員の上半身に向いている場合は、風向が側面窓ガラスに向いている場合に比べて、温風流路(13b、20d)からの温風の風量を減らすように構成されており、冷風量調整手段(25)は、風向変更手段(22)により変更された側方上部吹出口(16)からの風向が側面窓ガラスに向いている場合は、風向が乗員の上半身に向いている場合に比べて、冷風流路(13b)からの冷風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、側方上部吹出口(16)からの風向が、乗員の上半身に向いている場合は、比較的冷たい空気流を側方上部吹出口(16)から吹き出すことができ、該風向が側面窓ガラス側に向いている場合は、比較的暖かい空気流を側方上部吹出口(16)から吹き出すことができる。
【0015】
請求項7に記載の本発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1つ記載の本発明において、動力伝達手段(22f、24d)が歯車(22f、24d)であることを特徴とする。
【0016】
これにより、簡単な機構で風量調整手段(24、25)を動作させることが可能である。
【0017】
尚、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態を、図1〜図7を用いて示す。
【0019】
図1は本発明が適用される車両用空調装置1の断面を示す模式図である。車両用空調装置1は大きく分けると、送風機ユニット2、空調ユニット3、ダクト4から構成されている。
【0020】
送風機ユニット2は、空気取り込み口を、内気取り込み口2aまたは外気取り込み口2bから内外気切替えドア5によって選択し、取り込んだ空気をブロワファン6により空調ユニット3の方向へ送風するものである。
【0021】
内外気切替えドア5は、内外気切替えドア回転軸5aを軸にし、図示しないサーボモータにより回動されるダンパ状のドアであり、後述するインストルメントパネル7の中央に配置された操作部8から入力される内外気切替え信号により車両用空調装置1を内気循環モードまたは外気導入モードのいずれかに切り替えるものである。
【0022】
内気取り込み口2aと外気取り込み口2bは、送風機ユニット2へ空気を取り込むための開口部であり、それぞれ図示しない車両の車室内部と車両外部に通じている。また、ブロワファン6は、例えば遠心式のファンで、図示しないブロワモータにより駆動されるものである。
【0023】
空調ユニット3は、送風機ユニット2から送られてきた空気をエバポレータ9により冷風にし、エアミックスドア10によりその一部をヒータコア11へと振り分け再加熱するものである。ヒータコア11によって加熱された温風と、ヒータコア11を迂回した冷風はそれぞれダクト4の温風ダクト13と冷風ダクト14の方向へ送られる。
【0024】
エバポレータ9は、図示しないコンプレッサにより作動する周知の冷凍サイクルを構成するものであり、内部を流通する冷媒が蒸発する際に自身を通過する空気を冷却し、冷風にする熱交換器である。
【0025】
エアミックスドア10は、図示しないサーボモータなどのアクチュエータにより回動し、操作部8より入力された設定温度信号に基づいて、ヒータコア11へと導かれ再加熱されて温風となる冷風と、冷風バイパス流路12を通ることでヒータコア11を迂回する冷風の比率を決定するものである。
【0026】
また、ヒータコア11は、図示しないエンジンのエンジン冷却水が内部を循環し、この冷却水を熱源として自身を通過する空気を加熱し、温風にする熱交換器である。
【0027】
ダクト4は、温風ダクト13と冷風ダクト14により構成され、空調ユニット3から送られてくる温風と冷風を、後述するインストルメントパネル7の中央に配されるセンターフェイス吹出口15、インストルメントパネル7の両端に配されるサイドフェイス吹出口16、フロントウィンドウ18へ向けられたデフロスト吹出口19、図示しない車室内に配される図示しないフット吹出口へと導くものである。
【0028】
温風ダクト13は、ヒータコア11を通過してきた温風が流れる流路であり、温風ダクト13中の温風分岐点13aはサイドフェイス吹出口16へ導かれる温風が流れるサイドフェイス温風ダクト13bと、それ以外の吹出口即ち、センターフェイス吹出口15、デフロスト吹出口19、フット吹出口へ導かれる温風の流れる、その他の温風ダクト13cとの分岐点である。
【0029】
冷風ダクト14は、冷風バイパス流路12を通過してきた冷風が流れる流路であり、冷風ダクト14中の冷風分岐点14aはサイドフェイス吹出口16へ導かれる冷風が流れるサイドフェイス冷風ダクト14bと、それ以外の吹出口即ち、センターフェイス吹出口15、デフロスト吹出口19、フット吹出口へ導かれる冷風の流れる、その他の冷風ダクト14cとの分岐点である。
【0030】
そして、その他の温風ダクト13cを通る温風と、その他の冷風ダクト14cを通る冷風はエアミックスチャンバー17まで至ると混合され、操作部8より入力される設定温度信号に基づいた温度の空調風となり、図示しないモード切替えユニットへ送られる。
【0031】
モード切替えユニットは、ダクト4のエアミックスチャンバー17から送られてきた空調風を、図示しないモード切替えドアにより、車室内に配置されたセンターフェイス吹出口15、デフロスト吹出口19、図示しないフット吹出口などへ振り分けるものである。
【0032】
モード切替えドアは操作部8から入力されるモード切替え信号に基づいて制御され、その位置によりセンターフェイス吹出口15から空調風を吹き出すフェイスモード、フット吹出口から空調風を吹き出すフットモード、デフロスト吹出口19から空調風を吹き出すデフロストモード、センターフェイス吹出口15とフット吹出口両方から空調風を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口とデフロスト吹出口19から空調風を吹き出すフット・デフモードのうちいずれかを選択し、切り替えるものである。
【0033】
次にインストルメントパネル7について説明する。図2は車室内からインストルメントパネル7を見た図である。インストルメントパネル7の左右両端には、サイドフェイス吹出口16、中央にはセンターフェイス吹出口15が配置され、センターフェイス吹出口15の下側には図示しない設定温度設定スイッチ、内外気切替えスイッチ、吹き出しモード切替えスイッチなどが並べられた操作部8が配置されている。さらに、インストルメントパネル7の車両前方側、フロントウィンドウ18との境にはデフロスト吹出口19が配置されている。
【0034】
ここで、本発明の要部をなすサイドフェイス吹出口16の機構について図3及び図4を用いて述べる。
【0035】
図3aはサイドフェイス吹出口16を正面から見た図であり、図3bは図3a中A−A’で示す破線について矢印(ア)の方向から見た断面図、図3cは図3a中B−B’で示す破線について矢印(イ)の方向から見た断面図である。また、図4はサイドフェイス吹出口16を構成する各部品の組み付け構造が分かるように、枠体20から外して分解した斜視図である。
【0036】
尚、サイドフェイス吹出口16はインストルメントパネル7の左右に左右対称な構造で、一箇所ずつ設けられているが、ここでは運転席右側のサイドフェイス吹出口16について説明する(図2参照)
サイドフェイス吹出口16は、枠体20、縦方向風向調整フィン21、横方向風向調整フィン22、風向手動調整リブ23、温風量調整フィン24からなっており、サイドフェイス温風ダクト13bの端部及びサイドフェイス冷風ダクト14bの端部が、枠体20の温風流路端部20dと冷風流路端部20eに接続されている。
【0037】
枠体20は、内壁に縦方向風向変更フィン組み付け用孔20a、横方向風向変更フィン組み付け用孔20b、温風量調整フィン組み付け用孔20cを備えている。また、図3b及び図3cに示すように、枠体20の図中矢印で指し示す前方側にはサイドフェイス温風ダクト13b及びサイドフェイス冷風ダクト14bに繋がる温風流路端部20dと冷風流路端部20eが設けられている。
【0038】
縦方向風向変更フィン21は、縦方向風向変更フィン突起部21aを縦方向風向変更フィン組み付け用孔20aに差し込むことで枠体20に取り付けられており、縦方向風向変更フィン突起部21aを軸にして上下に回動可能な構成になっている。また、上下に3枚存在する縦方向風向変更フィン21のうち真中のものは、図4に示すように風向手動変更用リブ23のスリット23aを貫通するように組みつけられている。
【0039】
さらに、3枚の縦方向風向変更フィン21それぞれの縦方向連結用突起21bを縦方向連結板21cにはめ込むことにより、風向手動変更用リブ23を上下に動かすと、3枚の縦方向風向変更フィン21それぞれが縦方向風向変更フィン突起部21aを軸にして同じ動きをする構造になっている。
【0040】
横方向風向変更フィン22は、横方向風向変更フィン突起部22aを横方向風向変更フィン組み付け用孔20bに差し込むことで枠体20に取り付けられており、横方向風向変更フィン突起部22aを軸にして左右に回動可能な構成になっている。
【0041】
また、左右に5枚存在する横方向風向変更フィン22のうち、真中のものは扇形の穴22dを有している。扇形の穴22dによって形成される横方向風向変更フィン22が細くなった部分22eが、図4に示すように風向手動変更用リブ23の端部23bに挟み込まれている。
【0042】
さらに、5枚存在する横方向風向変更フィン22のうち、右端の横方向風向変更フィン22の下部には横方向風向変更フィン22の動きを温風量調整フィン24に伝える動力伝達機構としての駆動側歯車22fが設けられている。
【0043】
そして、5枚の横方向風向変更フィン22それぞれの横方向連結用突起部22bを横方向連結板22cにはめ込むことにより、風向手動変更用リブ23を左右に動かすと、5枚の横方向風向変更フィン22それぞれが横方向風向変更フィン突起部22aを軸にして同じ動きをする構造になっている。
【0044】
温風量調整フィン24は、温風量調整フィン突起部24aを温風量調整フィン組み付け用孔20cに差し込むことで枠体20の横方向風向変更フィン22の上流側である、温風流路端部20dに取り付けられており、温風量調整フィン突起部24aを軸にして左右に回動可能な構成になっている。また、左右に3枚存在する温風量調整フィン24のうち、右端の温風量調整フィン24の下部には、駆動側歯車22fと噛み合う従動側歯車24dが設けられている。本実施形態では、駆動側歯車22fと従動側歯車24dとが噛み合う機構によって、横方向風向変更フィン22の動きを受けて温風量調整フィン24を動かす動力伝達機構を構成している。
【0045】
さらに、3枚の温風量調整フィン24それぞれの温風量調整フィン連結用突起24bを温風量調整フィン連結板24cにはめ込むことにより、従動側歯車24dによって、右端の温風量調整フィン24が動くと、3枚の温風量調整フィン24それぞれが温風量調整フィン突起部24aを軸にして同じ動きをする構造になっている。
【0046】
風向手動変更用リブ23は、スリット23aと端部23bを有するサイドフェイス吹出口から吹き出す空調風の向きを手動で変更するための摘みである。
【0047】
(本実施の形態の作動)
次に本実施の形態の作動について、説明する。空調ユニット3にて空調され、温風と冷風となった空気のうち一部は、それぞれサイドフェイス温風ダクト13bとサイドフェイス冷風ダクト14bを通って別々にサイドフェイス吹出口16の直上流に至る。
【0048】
サイドフェイス吹出口16は、風向手動変更用リブ23によって縦方向風向調整フィン21と、横方向風向調整フィン22を動かすことで、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の向きを変えることができる。図5は、サイドフェイス吹出口16が乗員の上半身側、図6はサイドフェイス吹出口16が側面窓ガラス側を向いている様子を表す図である。
【0049】
図5において、風向手動変更用リブ23は乗員の上半身側に寄っており、横方向風向変更フィン22も乗員の方に空調風を吹き出すように傾いている。そして、駆動側歯車22fが従動側歯車24dと噛み合うことで、温風量調整フィン24がサイドフェイス温風ダクト13bを塞ぐように回動している。
【0050】
また、図6において、風向手動変更用リブ23は側面窓ガラス側に寄っており、横方向風向変更フィン22も側面窓ガラスの方に空調風を吹き出すように傾いている。この場合、駆動側歯車22fは従動側歯車24dと噛み合うことはなく、温風量調整フィン24はサイドフェイス温風ダクト13bを塞ぐことはない。
【0051】
(本実施形態の効果)
このように、本実施の形態によると、サイドフェイス吹出口16からの空調風の吹き出し方向に応じて、温風量調整フィン24を回動させることが可能であり、サイドフェイス温風ダクト13bの開閉を行う事ができる。
【0052】
よって、サイドフェイス吹出口16に風向センサなどを設けることなく、図7に示すような、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じて、温風と冷風の混合量に差を着けて、空調風の吹き出し温度を調整することが可能となる。
【0053】
(他の実施の形態)
上記実施形態では、温風量調整フィン24を横方向風向変更フィン22の上流側である温風流路端部20dに設けが、温風量調整フィン24は、歯車やリンクなどの動力伝達機構22f、24dによって動かすことができ、温風の風量を調整できる位置であればサイドフェイス吹出口16と温風ダクト13のどこに設けてもよい。
【0054】
また、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じて、サイドフェイス温風ダクト13bから吹き出す温風の量を調整したが、図8に示すように、冷風流路端部20eに、温風量調整フィン24と同様の構造の冷風量調整フィン25設け、サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じて、サイドフェイス冷風ダクト14bから吹き出す冷風の量を調整するようにしてもよい。
【0055】
また、図9に示すように温風量調整フィン24と冷風量調整フィン25の両方を設け、サイドフェイス吹出口16から吹き出される空調風の風向に応じて、サイドフェイス温風ダクト13bから吹き出す温風とサイドフェイス冷風ダクト14bから吹き出す冷風の量を調整するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施の形態では、サイドフェイス温風ダクト13bとサイドフェイス冷風ダクト14bとが、これらのダクトの温風と冷風とが互いに混ざることなく横方向風向変更フィン22の上流側に接続されるようにしたが、図10に示すように、横方向風向変更フィン22の上流側において、各ダクト13b、14bの温風と冷風とが一部混合されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用空調装置の空調ユニットの模式図である。
【図2】車室内からインストルメントパネル7を見た図である。
【図3】(a)サイドフェイス吹出口16を正面から見た図である。
(b)図3a中A−A’で示す破線について矢印(ア)の方向から見た断面図である。
(c)図3a中B−B’で示す破線について矢印(イ)の方向から見た断面図である。
【図4】サイドフェイス吹出口16を構成する各部品の組み付け構造が分かるように枠体20から外して分解した斜視図である。
【図5】サイドフェイス吹出口16が乗員の上半身側を向いている時のサイドフェイス吹出口16の様子を表す断面図である。
【図6】サイドフェイス吹出口16が側面窓ガラス側を向いている時のサイドフェイス吹出口の様子を表す断面図である。
【図7】サイドフェイス吹出口16から吹き出す空調風の風向に応じた吹き出し温度の制御を表す図である。
【図8】他の実施の形態におけるサイドフェイス吹出口16の断面図である。
【図9】他の実施の形態におけるサイドフェイス吹出口16の断面図である。
【図10】他の実施の形態におけるサイドフェイスダクト13b、14bの形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
16…サイドフェイス吹出口、
20…枠体、
20a…縦方向風向変更フィン組み付け用孔、
20b…横方向風向変更フィン組み付け用孔、
20c…温風量調整フィン組み付け用孔、
20d…温風流路端部、
20e…冷風流路端部、
21…縦方向風向変更フィン、
21a…縦方向風向変更フィン突起部、
21b…縦方向連結用突起、
21c…縦方向連結板、
22…横方向風向変更フィン、
22a…横方向風向変更フィン突起部、
22b…横方向連結用突起部、
22c…横方向連結板、
22d…扇形の穴、
22e…細くなった部分、
22f…駆動側歯車、
23…風向手動変更用リブ、
23a…スリット、
23b…風向手動変更用リブの端部、
24…温風量調整フィン、
24a…温風量調整フィン突起部、
24b…温風量調整フィン連結用突起、
24c…温風量調整フィン連結板、
24d…従動側歯車、
25…冷風量調整フィン。
Claims (7)
- 少なくとも乗員の上半身及び側面窓ガラスのいずれかに向けて送風機(2)によって起こされた空気流を吹き出す側方上部吹出口(16)を有する空気流路(3、4)と、
前記空気流路(3、4)内に設けられ、前記空気流路(3、4)を通過する空気流を加熱し、温風にする加熱用熱交換器(11)と、
前記空気流路(3、4)のうち前記加熱用熱交換器(11)を通過して加熱された温風を流す温風流路(13b、20d)と、
前記空気流路(3、4)内を流れる空気流のうち冷風を、前記加熱用熱交換器(11)を迂回させて流すバイパス流路(14b、20e)とを有し、
前記側方上部吹出口(16)に、前記側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、
この風向変更手段(22)の上流側に、前記温風流路(13b、20d)と前記バイパス流路(14b、20e)とを接続した車両用空調装置であって、
前記温風流路(13b、20d)に、前記温風流路(13b、20d)から流れ出す温風の量を調整する温風量調整手段(24)を配置し、
前記風向変更手段(22)の動きを前記温風量調整手段(24)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 少なくとも乗員の上半身及び側面窓ガラスのいずれかに向けて送風機(2)によって起こされた空気流を吹き出す側方上部吹出口(16)を有する空気流路(3、4)と、
前記空気流路(3、4)内に設けられ、前記空気流路(3、4)を通過する空気流を加熱し、温風にする加熱用熱交換器(11)と、
前記空気流路(3、4)のうち前記加熱用熱交換器(11)を通過して加熱された温風を流す温風流路(13b、20d)と、
前記空気流路(3、4)内を流れる空気流のうち冷風を、前記加熱用熱交換器(11)を迂回させて流すバイパス流路(14b、20e)とを有し、
前記側方上部吹出口(16)に、前記側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、
この風向変更手段(22)の上流側に、前記温風流路(13b、20d)と前記バイパス流路(14b、20e)とを接続した車両用空調装置であって、
前記バイパス流路(14b、20e)に、前記バイパス流路(14b、20e)から流れ出す冷風の量を調整する冷風量調整手段(25)を配置し、
前記風向変更手段(22)の動きを前記冷風量調整手段(25)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 少なくとも乗員の上半身及び側面窓ガラスのいずれかに向けて送風機(2)によって起こされた空気流を吹き出す側方上部吹出口(16)を有する空気流路(3、4)と、
前記空気流路(3、4)内に設けられ、前記空気流路(3、4)を通過する空気流を加熱し、温風にする加熱用熱交換器(11)と、
前記空気流路(3、4)のうち前記加熱用熱交換器(11)を通過して加熱された温風を流す温風流路(13b、20d)と、
前記空気流路(3、4)内を流れる空気流のうち冷風を、前記加熱用熱交換器(11)を迂回させて流すバイパス流路(14b、20e)とを有し、
前記側方上部吹出口(16)に、前記側方上部吹出口(16)から吹き出す空気流の風向を変更する風向変更手段(22)を設け、
この風向変更手段(22)の上流側に、前記温風流路(13b、20d)と前記バイパス流路(14b、20e)とを接続した車両用空調装置であって、
前記温風流路(13b、20d)に、前記温風流路(13b、20d)から流れ出す温風の量を調整する温風量調整手段(24)を配置し、
前記バイパス流路(14b、20e)に、前記バイパス流路(14b、20e)から流れ出す冷風の量を調整する冷風量調整手段(25)を配置し、
前記風向変更手段(22)の動きを前記温風量調整手段(24)及び前記冷風量調整手段(25)に伝達する動力伝達機構(22f、24d)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記温風量調整手段(24)は、前記風向変更手段(22)により変更された前記側方上部吹出口(16)からの風向が前記乗員の上半身に向いている場合は、前記風向が前記側面窓ガラスに向いている場合に比べて、前記温風流路(13b、20d)からの温風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記風冷量調整手段(25)は、前記風向変更手段(22)により変更された前記側方上部吹出口(16)からの風向が前記側面窓ガラスに向いている場合は、前記風向が前記乗員の上半身に向いている場合に比べて、前記冷風流路(13b)からの冷風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記温風量調整手段(24)は、前記風向変更手段(22)により変更された前記側方上部吹出口(16)からの風向が前記乗員の上半身に向いている場合は、前記風向が前記側面窓ガラスに向いている場合に比べて、前記温風流路(13b、20d)からの温風の風量を減らすように構成されており、
前記冷風量調整手段(25)は、前記風向変更手段(22)により変更された前記側方上部吹出口(16)からの風向が前記側面窓ガラスに向いている場合は、前記風向が前記乗員の上半身に向いている場合に比べて、前記冷風流路(13b)からの冷風の風量を減らすように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。 - 前記動力伝達手段(22f、24d)が歯車(22f、24d)であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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- 2003-05-08 JP JP2003130572A patent/JP2004330908A/ja not_active Withdrawn
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