JP4045680B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特に、前席側への吹出空気温度と後席側への吹出空気温度とを独立に制御可能な車両用空調装置において、デフロスタ能力の向上を図るための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用空調装置では、車室内の各座席の乗員に対する空調機能向上の要求がますます高まっており、そのため、前席側の左右の乗員に対する独立温度制御機能の他に、後席側の乗員に対しても独立に空調機能(温度制御機能)を果たすものが要求される場合がある。
【0003】
そこで、本発明者らは、このような前席側の左右の独立温度制御機能および後席側の独立温度制御機能を、車室内計器盤下方部に設置される1つの共通の空調ユニットで実現する車両用空調装置を現在開発中である。
具体的には、1つの空調ユニットのケース内通風路を、前席左側の通風路と、前席右側の通風路と、後席用通風路とに3分割し、この3分割した各通風路にそれぞれ温度調整手段としてのエアミックスドアを独立に設置する。そして、各通風路のエアミックスドアをそれぞれ独立に開度調整することにより、前席左側の吹出空気温度、前席右側の吹出空気温度および後席側吹出空気温度をそれぞれ独立に調整するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような前席側の左右の独立温度制御機能および後席側の独立温度制御機能を備える車両用空調装置について、その空調性能を実験検討してみると、左右前後の独立温度制御を行わない通常の空調装置(シングルエアコン)に比して、デフロスタ能力の低下が顕著であることが判明した。
【0005】
この理由は、空調ユニットのケース内通風路を上記のごとく3分割しているので、デフロスタ開口部の開口面積が後席用通風路の分だけ狭められ、その結果、デフロスタモードにおける吹出風量が大幅に減少し、デフロスタ能力を低下させることが分かった。
なお、左右の独立温度制御機能を持たず、前席側と後席側の独立温度制御機能のみを設定する前後独立温度制御型の車両用空調装置においても、同様に、後席用通風路の設置によりデフロスタ能力の低下が生じる。
【0006】
また、実公平4−4881号公報には、空調ユニットケースから後席用吹出ダクトを分岐し、デフロスタモード時にこの後席用吹出ダクトを切替ドアにより閉塞することにより、デフロスタ能力を増加させるようにした車両用空調装置が提案されているが、この従来装置は、後席用吹出ダクトを冷房用あるいは暖房用熱交換器の下流位置から単に分岐しているだけであるので、後席側の吹出空気温度の独立制御機能を果たすことができない。
【0007】
そこで、本発明は上記点に鑑みて、少なくとも前後独立温度制御の機能を有する車両用空調装置において、デフロスタ能力の向上を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1ないし5記載の発明では、前席用通風路(14、15)と、後席用通風路(16)とを並列に設け、
この前席用通風路(14、15)および後席用通風路(16)を流れる空気を暖房用熱交換器(13)により加熱するとともに、この暖房用熱交換器(13)による加熱量を前席用温度調整手段(21a、21b)と後席用温度調整手段(21c)とにより独立に調整可能とし、
前席用通風路(14、15)に、暖房用熱交換器(13)で加熱された空気を車両窓ガラスへ向けて空気を吹き出す第1デフロスタ開口部(24a、24b)と、この第1デフロスタ開口部(24a、24b)に隣接して設けられ、前席用フェイス開口部(27a、27b)および前席用フット開口部(28a、28b)に連通する第1連通口(26a、26b)と、この第1連通口(26a、26b)と第1デフロスタ開口部(24a、24b)を開閉する平板状ドアからなる第1デフロスタドア(25a、25b)を備え、
また、後席用通風路(16)に、暖房用熱交換器(13)で加熱された空気を車両窓ガラスへ向けて空気を吹き出す第2デフロスタ開口部(24c)と、第2デフロスタ開口部(24c)に隣接して設けられ、後席用フェイス通路(35)および後席用フット通路(36)に連通する第2連通口(26c)と、この第2連通口(26c)と第2デフロスタ開口部(24c)を開閉する平板状ドアからなる第2デフロスタドア(25c)とを備え、
車両窓ガラスへ空気を吹き出すデフロスタモードが設定されたとき、第1デフロスタドア(25a、25b)により第1連通口(26a、26b)を閉塞して第1デフロスタ開口部(24a、24b)を開放するとともに、第2デフロスタドア(25c)により第2連通口(26c)を閉塞して第2デフロスタ開口部(24c)を開放することを特徴としている。
【0009】
これによると、互いに並列な前席用および後席用通風路(14、15、16)と、互いに独立に調整可能な前席用および後席用温度調整手段(21a、21b、21c)との組み合わせにより、前席側の吹出温度調整と、後席側の吹出温度調整とを相互に独立に行うことができる。
しかも、本来デフロスタ機能を必要としない後席用通風路(16)に第2デフロスタ開口部(24c)および第2デフロスタドア(25c)を備え、デフロスタモード時には、この第2デフロスタドア(25c)を第1デフロスタドア(25a、25b)と連動して、第2デフロスタ開口部(24c)の開放位置に操作しているから、前席用通風路(14、15)のみならず、後席用通風路(16)をも通して車両窓ガラスへ空気を吹き出すことができる。
具体的には、デフロスタモード時に、前席用通風路(14、15)では第1デフロスタドア(25a、25b)により第1連通口(26a、26b)を閉塞することで、フェイス開口部(27a、27b)およびフット開口部(28a、28b)からの空気吹出を遮断して第1デフロスタ開口部(24a、24b)からの吹出風量を増加させ、また、後席用通風路(16)では第2デフロスタドア(25c)により第2連通口(26c)を閉塞することで、後席用フェイス通路(35)および後席用フット通路(36)からの空気吹出を遮断して第2デフロスタ開口部(24c)からの吹出風量を増加させることができ、この結果、デフロスタ能力を効果的に発揮できる。
【0010】
そのため、前席側および後席側の独立温度調整機能を持つものにおいても、後席側の独立温度調整機能を持たない通常の空調装置と同等のレベルまでデフロスタ吹出風量を増加でき、車両窓ガラスのデフロスタ能力を十分確保できる。
また、請求項2記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、第1デフロスタドア(25a、25b)の下流側に、前席用フェイス開口部(27a、27b)と前席用フット開口部(28a、28b)を開閉する平板状ドアからなる前席用フット・フェイス開閉ドア(33a、33b)が設けられ、
第2デフロスタドア(25c)の下流側に、前記後席用フェイス通路(35)と前記後席用フット通路(36)を開閉する平板状ドアからなる後席用フット・フェイス開閉ドア(37)が設けられていることを特徴としている。
【0011】
これによると、前席用通風路(14、15)では、平板状ドアからなる第1デフロスタドア(25a、25b)と平板状ドアからなる前席用フット・フェイス開閉ドア(33a、33b)とにより、第1デフロスタ開口部(24a、24b)、フェイス開口部(27a、27b)およびフット開口部(28a、28b)を開閉して、前席側の吹出モードを切り替えることができる。
また、後席用通風路(16)では平板状ドアからなる第2デフロスタドア(25c)と平板状ドアからなる後席用フット・フェイス開閉ドア(37)とにより、第2デフロスタ開口部(24c)、後席用フェイス通路(35)および後席用フット通路(36)を開閉して、後席側の吹出モードを切り替えることができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明では、前席用通風路を、前席右側へ吹き出される空気が流れる前席右側通風路(14)と前席左側へ吹き出される空気が流れる前席左側通風路(15)とに分割し、
前席用温度調整手段を、前席右側通風路(14)から前席右側へ吹き出す空気の温度を調整する前席右側温度調整手段(21a)と、前席左側通風路(15)から前席左側へ吹き出す空気の温度を調整する前席左側温度調整手段(21b)とに分割することを特徴としている。
【0013】
これによると、前席右側および左側への吹出空気温度をそれぞれ右側および左側の温度調整手段(21a)、(21b)により独立に調整できる。
また、請求項4記載の発明では、車室内前部の計器盤下方部において車両左右方向の中央部に配置される空調ケース(11)を有し、
この空調ケース(11)内において、車両左右方向の中央部に前記後席用通風路(16)が車両前後方向に延びるように配置されており、空調ケース(11)内において、後席用通風路(16)の右側に前席右側通風路(14)が車両前後方向に延びるように配置されており、空調ケース(11)内において、後席用通風路(16)の左側に前席左側通風路(15)が車両前後方向に延びるように配置されていることを特徴としている。
【0014】
これによると、各通風路(14、15、16)内を車両前方から後方に向けて空気を流して、暖房用熱交換器(13)の加熱量で温度調整された空気を前席右側通風路(14)では車両後方側の部位から直ちに前席右側へ吹き出すことができる。同様に、前席左側通風路(15)でも温度調整された空気を車両後方側の部位から直ちに前席左側へ吹き出すことができる。
【0015】
さらに、後席用通風路(16)は、左右の通風路(14、15)の中央に位置しているから、後席用通風路(16)を前席の左右の座席(運転席と助手席)の中間位置前方に配置できる。従って、空調ケース(11)の中央部の後席用通風路(16)に対して、前席の左右の座席の間に配置される後席用吹出ダクト(30)を容易に接続することができる。以上により、請求項4記載の発明によると、車両への搭載性の良い空調装置を提供できる。
【0016】
請求項5に記載のように、前席用温度調整手段は、前席用通風路(14、15)において暖房用熱交換器(13)を通過する温風と暖房用熱交換器(13)をバイパスする冷風の風量割合を調整するエアミックスドア(21a、21b)で構成することができ、また、後席用温度調整手段は、後席用通風路(16)において暖房用熱交換器(13)を通過する温風と暖房用熱交換器(13)をバイパスする冷風の風量割合を調整するエアミックスドア(21c)で構成することができる。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図7は本発明の第1実施形態であり、各図における上下、前後、左右の矢印は、車両での搭載方向を示す。図1、図2は、本実施形態における車両用空調装置の通風系の全体構成を示すもので、図1は前席側通風路部分の断面図で、図2は後席側通風路部分の断面図である。
【0019】
車両用空調装置の通風系は、大別して、送風機ユニット1と、空調ユニット10との2つの部分に分かれている。図3はその空調ユニット10部分の概略平面断面図である。
送風機ユニット1は車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、これに対し、空調ユニット10は車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されている。なお、図1、2では、図作成状の便宜から空調ユニット10の車両前方側に送風機ユニット1が位置する状態を図示している。
【0020】
送風機ユニット1は周知のごとく内外気切替箱2とこの内外気切替箱2を通して空気を吸入して送風する送風機3とから構成されている。内外気切替箱2には外気(車室外空気)を導入する外気導入口4と、内気(車室内空気)を導入する内気導入口5が形成されている。この両導入口4、5は内外気切替ドア6により開閉される。送風機3は、遠心式ファン7と駆動用モータ8とスクロールケース9とから構成されている。
【0021】
空調ユニット10部は、図3に示すように1つの共通の空調ケース11内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータコア(暖房用熱交換器)13を両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。そして、空調ケース11内の通風路は、車両左右方向(幅方向)に3つの通風路14、15、16とに仕切られている。すなわち、空調ケース11内部において、蒸発器12直後の部位から空気流れ下流端部にわたって、車両前後方向に平行に延びる2つの仕切り壁17、18が配置されている。そして、この2つの仕切り壁17、18により、ケース内通風路が前席右側通風路(運転席側通風路)14と、前席左側通風路(助手席側通風路)15と、この両通風路14、15の中央に位置する後席用通風路16とに3分割されている。
【0022】
次に、図4〜図7は空調ユニット10部の具体的構成を例示するものであり、上記空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなり、具体的には複数の分割ケースからなり、この複数の分割ケースは、上記熱交換器12、13、後述のドア等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合されて空調ユニット10を構成する。なお、上記した仕切り壁17、18は空調ケース11の分割ケースに一体成形された壁で構成することができる。
【0023】
空調ユニット10部は、車室内の計器盤下方部の略中央部に、車両の前後、上下、左右の各方向に対して、図4〜6に示す形態で配置されている。空調ケース11の、最も車両前方側の部位の側面には空気入口19が形成されている。この空気入口19には、前述の送風機ユニット1のスクロールケース9からの送風空気が流入する。
【0024】
空調ケース11内において空気入口19直後の部位に蒸発器12が配置されている。この蒸発器12は車両前後方向には薄型の形態で空調ケース11内通路を横断するように上下方向に配置されている。従って、蒸発器12の車両上下方向に延びる前面に空気入口19からの送風空気が流入する。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調空気を冷却するものである。
【0025】
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が配置されている。このヒータコア13は空調ケース11内の下方側において、車両後方側に傾斜して配置されている。なお、蒸発器12およびヒータコア13の車両左右方向の幅寸法は、図3に示すように空調ケース11の幅寸法と略同等に設計されている。
【0026】
ヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
ここで、ヒータコア13は周知のごとく温水が通過する偏平チューブとこれに接合されたコルゲートフィンとからなる熱交換用コア部13aと、多数の偏平チューブへの温水分配、多数の偏平チューブからの温水の集合を行うタンク部13b、13cとを有している。熱交換用コア部13aの通風路は上記した仕切り壁17、18により、3つの通風路14〜16に仕切られている。
【0027】
そして、この3つの通風路14〜16において、ヒータコア13の上方部位には、それぞれ、ヒータコア13をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路20a〜20cが形成されている。
また、3つの通風路14〜16において、ヒータコア13と蒸発器12との間の部位には、それぞれ、平板状のエアミックスドア21a〜21cが回動可能に配置されている。この各エアミックスドア21a〜21cはそれぞれ独立に操作可能になっており、各通風路14〜16において、ヒータコア13の熱交換用コア部13aで加熱される温風と、冷風バイパス通路20a〜20cを通ってヒータコア13をバイパスする冷風との風量割合を調整して、車室内への吹出空気温度を調整する。
【0028】
一方、空調ケース11において、ヒータコア13の空気下流側(車両後方側)の部位には、ヒータコア13との間に所定間隔を開けて上下方向に延びる壁面22(図5、6)が空調ケース11に一体成形されている。この壁面22によりヒータコア13の直後から上方に向かう温風通路23a〜23cが各通風路14〜16に形成されている。この温風通路23a〜23cの下流側(上方側)はヒータコア13の上方部において冷風バイパス通路20a〜20cの下流側と合流し、その合流部にて冷風と温風の混合を行うようになっている。
【0029】
そして、空調ケース11の上面部において、各通風路14〜16の冷風バイパス通路20a〜20cの上方部位にそれぞれデフロスタ開口部24a〜24c(図4〜図7)が開口している。ここで、注目すべきは、デフロスタ吹出空気が不要となる後席用通風路16においてもデフロスタ開口部24cを配置していることである。
【0030】
このデフロスタ開口部24a〜24cは上記冷温風の合流部から温度制御された空調空気が流入するものであって、図示しないデフロスタダクトを介してデフロスタ吹出口に接続され、このデフロスタ吹出口から、車両前面窓ガラスの内面に向けて風を吹き出す。
各通風路14〜16において、デフロスタ開口部24a〜24cに隣接して平板状のデフロスタドア25a〜25cが回動可能に配置され、このデフロスタドア25a〜25cによりデフロスタ開口部24a〜24cと連通口26a〜26cが切替開閉される。この連通口26a〜26cのうち、前席用右側連通口26aは、上記冷温風の合流部からの空調空気を前席用右側フェイス開口部27a(図4、図7)および前席用右側フット開口部28a側へ流すための通路となる。
【0031】
また、前席用左側連通口26bは、上記冷温風の合流部からの空調空気を前席用左側フェイス開口部27b(図4、図7)および前席用左側フット開口部28b側へ流すための通路となる。さらに、後席用連通口26cは、図6に示すように上記冷温風の合流部からの空調空気を後席用吹出開口部29へ流すための通路となり、この後席用吹出開口部29には後席用吹出ダクト30が接続される。
【0032】
上記した前席用右側フェイス開口部27aおよび前席用左側フェイス開口部27bは、空調ケース11の上面部において、デフロスタ開口部24a〜24cよりも車両後方側(乗員寄り)の部位に配置され、この両フェイス開口部27a、27bは図示しないフェイスダクトを介して、計器盤上方側に配置されている前席用右側および前席用左側のフェイス吹出口に接続され、このフェイス吹出口から車室内の前席乗員の頭部に向けて風を吹き出す。
【0033】
また、上記した前席用右側フット開口部28aおよび前席用左側フット開口部28bは、空調ケース11内部で、フェイス開口部27a、27bの下方側の部位に配置され、この左右のフット開口部28a、28bは空調ケース11の左右両側の側面に開口する前席用右側および前席用左側のフット吹出口31、32(図4、7)に連通している。この左右のフット吹出口31、32は、前席の運転席側および助手席側の乗員足元に空気を吹き出すものである。
【0034】
そして、前席右側通風路(運転席側通風路)14において、前席用右側フェイス開口部27aと前席用右側フット開口部28aとの間には前席用右側のフットフェイス切替ドア33aが配置されている。また、前席左側通風路(助手席側通風路)15において、前席用左側フェイス開口部27bと前席用左側フット開口部28bとの間には前席用左側のフットフェイス切替ドア33bが配置されている。この両切替ドア33a、33bは回動可能な平板状ドアであり、それぞれ上記開口部を切替開閉する。
【0035】
また、上記した後席用吹出開口部29、後席用吹出ダクト30は、空調ケース11において、最も車両後方側部位で、かつ、下方側の中央部位に配置されており、後席用吹出ダクト30の内部は、仕切り壁34により上側の後席用フェイス通路35と下側の後席用フット通路36とに仕切られている。
そして、後席用吹出ダクト30内の入口部に平板状の後席用吹出モードドア37が回動可能に配置されて、両通路35、36を開閉するようになっている。
【0036】
後席用吹出ダクト30の先端部は後席側まで配置され、後席用フェイス通路35の先端には後席用フェイス吹出口(図示せず)が設けられて、後席乗員の頭部に向けて風を吹き出すようになっており、また、後席用フット通路36の先端には後席用フット吹出口(図示せず)が設けられて、後席乗員の足元部に向けて風を吹き出すようになっている。
【0037】
ところで、デフロスタドア25a〜25cおよびフットフェイス切替ドア33a、33bは、前席用吹出モード切替手段であって、図示しないリンク機構を介してサーボモータ等からなるアクチュエータ機構に連結され、このアクチュエータ機構により連動操作されるようになっている。あるいは、前席用吹出モード切替手段を図示しないリンク機構、ケーブル等を介して空調操作パネルの前席用吹出モード操作部材に連結して、この前席用吹出モード操作部材の手動操作力により前席用吹出モード切替手段を連動操作するようにしてもよい。
【0038】
また、後席用吹出モードドア37は前席用吹出モード切替手段とは独立に操作されるものであって、上記のようなアクチュエータ機構または後席用吹出モード操作部材により操作されるようになっている。
さらに、3つの通風路14〜16において、それぞれ配置された平板状のエアミックスドア21a〜21cも、後述のアクチュエータ機構43、46、47によりそれぞれ独立に操作されるようになっている。ここで、空調操作パネルには各エアミックスドア21a〜21cに対応して、前席右側用、前席左側用、および後席用の温度設定部材をそれぞれ独立に設け、この各温度設定部材による温度設定信号を空調制御装置(図示せず)に入力することより、各アクチュエータ機構の回転量が調整されて、各エアミックスドア21a〜21cの開度が調整される。
【0039】
なお、アクチュエータ機構43、46、47を廃止して、空調操作パネルの前席右側用温度調整操作部材、前席左側用温度調整操作部材、および後席用温度調整操作部材の手動操作力により各エアミックスドア21a〜21cを直接操作するようにしてもよい。
ところで、本第1実施形態では、後席用エアミックスドア21cの回転軸38と前席用エアミックスドア21a、21bの回転軸44、45を図3、図5、6に示すように同一位置(一直線上の位置)に配置しているので、各ドア21a〜21cの駆動機構を次のように構成している。
【0040】
すなわち、図7は、第1実施形態における後席用エアミックスドア21cの駆動機構の具体例を示すもので、後席用エアミックスドア21cを回転軸38により後席用通風路16内に回動可能に保持するとともに、後席用エアミックスドア21cの平板面の途中部位(図6参照)にレバー39を設ける。このレバー39にはリンク40を介してレバー41が連結され、このレバー41には駆動軸42が連結されている。
【0041】
この駆動軸42は、後席用通風路16の部位から前席左側通風路(助手席側通風路)15を貫通して空調ケース11の側面外部へ突出するとともに、空調ケース11に対して回動可能に保持されている。ここで、駆動軸42の配置場所は、上記レバー39、41およびリンク40により回転軸38から所定量オフセットした位置に設定できる。
【0042】
そして、空調ケース11の側面(図7の例では左側の側面)に、後席用エアミックスドアのためのアクチュエータ機構(サーボモータ)43を配置し、このアクチュエータ機構43により駆動軸42を回転駆動するようになっている。この駆動軸42の回転によりレバー41が一体に回転し、さらに、リンク40、レバー39を介して後席用エアミックスドア21cが回動する。
【0043】
すなわち、後席用エアミックスドア21cの回転軸38からオフセット配置した駆動軸42の回転により後席用エアミックスドア21cを回動させることができる。
従って、前席左側エアミックスドア21bの回転軸45(図3、5)は、直接、空調ケース11の左側の側面の外部へ突出させて、アクチュエータ機構(サーボモータ)46により回転駆動することがてきる。また、前席右側エアミックスドア21aの回転軸44は、直接、空調ケース11の右側の側面の外部へ突出させて、アクチュエータ機構(サーボモータ)47により回転駆動することがてきる。
【0044】
次に、上記構成において本実施形態の作動を吹出モード毎に説明する。
(1)フェイスモード
いま、空調操作パネルの前席用吹出モード操作部材の操作、あるいは、空調制御装置における吹出モード算出信号によりフェイスモードが選択されると、デフロスタドア25a〜25cは図1、2の実線位置に操作され、デフロスタ開口部24a〜24cを閉じるとともに連通口26a〜26cを開放する。また、前席用フットフェイス切替ドア33a、33bは図1の実線位置に操作され、前席用フット開口部28a、28bを閉じて、前席用フェイス開口部27a、27bを開放する。
【0045】
このとき、後席側においても、フェイスモードが選択されると、後席用吹出モードドア37により図2の実線位置に操作され、後席用フット通路36を閉じて、後席用フェイス通路35を開放する。
また、前席右側用、前席左側用、および後席用エアミックスドア21a〜21cを図1、2の実線位置に操作すると、各通風路14〜16におけるヒータコア13の流路が全閉され、冷風バイパス通路20a〜20cが全開されるので、各通風路14〜16がいずれも、最大冷房状態に設定される。
【0046】
この状態において、送風機ユニット1および冷凍サイクルが運転されると、送風機ユニット1からの送風空気が空気入口19より流入した後、蒸発器12で冷却されて冷風となる。
最大冷房状態ではこの冷風がそのまま、各冷風バイパス通路20a〜20cを通過し、前席用冷風バイパス通路20a、20bの冷風は、前席用フェイス開口部27a、27bから前席乗員の頭部に向けて吹き出す。また、同時に、後席用冷風バイパス通路20cの冷風は後席用フェイス通路35を通過して、後席乗員の頭部に向けて吹き出す。
【0047】
そして、車室内吹出空気温度の制御のために、各エアミックスドア21a〜21cを図1、2の実線位置(最大冷房位置)から中間開度位置に操作すると、各エアミックスドア21a〜21cの開度位置に従って、各通風路14〜16におけるヒータコア13の流路が一部開放され、冷風の一部がヒータコア13で再加熱されることにより温風となり、この温風と各冷風バイパス通路20a〜20cからの冷風とが混合することにより、吹出空気温度を制御することができる。
【0048】
しかも、各エアミックスドア21a〜21cの開度位置を独立に調整することにより、前席右側(運転席側)、前席左側(助手席側)、および後席側の吹出温度をそれぞれ独立に制御できる。
(2)バイレベルモード
デフロスタドア25a〜25cが図1、2の実線位置に操作され、デフロスタ開口部24a〜24cを閉じるとともに連通口26a〜26cを開放する。また、前席用フットフェイス切替ドア33a、33bは図1の実線位置と一点鎖線位置との中間位置に操作され前席用フェイス開口部27a、27bと前席用フット開口部28a、28bをともに開放する。このとき、後席側においても、バイレベルモードが選択されると、後席用吹出モードドア37は図2の実線位置と一点鎖線位置との中間位置に操作され、後席用フェイス通路35と後席用フット通路36をともに開放する。
【0049】
バイレベルモードは、通常、春秋の中間シーズンで用いられるので、各エアミックスドア21a〜21cが中間開度位置に操作され、所望温度に調整された風が、前席用フェイス開口部27a、27bと前席用フット開口部28a、28bの両方から前席側の上下両側に同時に吹き出す。
同様に、後席側においても、所望温度に調整された風を後席用フェイス通路35と後席用フット通路36の両方を通過して、後席側の上下両側に同時に吹き出すことができる。
【0050】
(3)フットモード
デフロスタドア25a〜25cが図1、2の実線位置からデフロスタ開口部24a〜24cを少量開放するとともに連通口28を開放(ほぼ全開)する位置に操作される。また、前席用フットフェイス切替ドア33a、33bは図1の一点鎖線位置に操作され前席用フェイス開口部27a、27bを閉塞し、前席用フット開口部28a、28bを開放する。
【0051】
また、このとき、後席側においても、フットモードが選択されると、後席用吹出モードドア37が図2の一点鎖線位置に操作されて、後席用フェイス通路35を閉塞し、後席用フット通路36を開放する。
このとき、各エアミックスドア21a〜21cが図1、2の一点鎖線位置に操作されると、各冷風バイパス通路20a〜20cを全閉し、各通風路14〜16におけるヒータコア13の流路を全開するので、最大暖房状態が設定される。この状態では、送風機ユニット1からの送風空気が空気入口19より流入した後、蒸発器12を通過してヒータコア13に全量、流入して加熱され、温風となる。
【0052】
前席用通風路14、15の温風は前席用フット開口部28a、28bを通過してフット吹出口31、32から前席乗員の足元部に向けて吹き出す。このとき、後席用通風路16の温風は後席用フット通路36を通過して後席乗員の足元部に向けて吹き出す。
そして、前席右側、前席左側、および後席側へのフット吹出温度は、各エアミックスドア21a〜21cの開度位置調整によりそれぞれ独立に調整できる。
【0053】
なお、フットモードでは、前席側において、デフロスタ開口部25a〜25cからの吹出風量に比して前席用フット開口部28a、28bからの吹出風量の割合を大きくしているが、デフロスタドア25a〜25cを、フットモードの場合よりデフロスタ開口部25a〜25cの開口度合いが増加し、連通口26a〜26cの開口度合いが減少する位置に操作すれば、デフロスタ開口部25a〜25cからの吹出風量と前席用フット開口部28a、28bからの吹出風量との割合を5対5程度の割合にすることができる。
【0054】
これにより、フットモードよりも窓ガラスの曇り止め効果の高いフットデフロスタモードを設定できる。
(4)デフロスタモード
デフロスタドア25a〜25cが図1、2の一点鎖線位置に操作され、3つのデフロスタ開口部24a〜24cをすべて全開し、連通口26a〜26cを閉塞する。そして、各エアミックスドア21a〜21cを図1、2の一点鎖線位置(最大暖房位置)に操作すれば、送風機ユニット1からの送風空気の全量をヒータコア13で加熱した後、この温風の全量を3つのデフロスタ開口部24a〜24cを通して、デフロスタ吹出口から車両前面窓ガラスに向けて吹き出し、前面窓ガラスの曇り止めを行う。
【0055】
因みに、前席側の左右独立温度制御機能と後席側の独立温度制御機能を併せ有する装置であっても、図8〜図10に示す比較例の場合は、後席用通風路16に対応してデフロスタ開口部24cおよびデフロスタドア25cを設けていないので、デフロスタ開口部24cの分だけ総開口面積が減少してデフロスタ吹出風量が減少してしまうが、本実施形態によると、後席用通風路16への送風空気もデフロスタモード時にはデフロスタ開口部24cから車両前面窓ガラスに向けて吹き出すことができる。
【0056】
従って、後席側の独立温度制御機能を有する装置においても、デフロスタ能力(防曇性能)を左右前後の独立温度制御を行わない通常の空調装置(シングルエアコン)と同等レベルまで向上できる。
(第2実施形態)
図11は第2実施形態であり、エアミックスドア21a〜21cの駆動機構を第1実施形態とは別の方式にしたものである。すなわち、前席左側のエアミックスドア21bの回転軸45を円筒状の中空軸とし、この中空回転軸45の中空孔45aを通して後席用エアミックスドア21cの回転軸38を空調ケース11の左側側面の外部へ突出させてアクチュエータ機構(サーボモータ)43により回転駆動する。また、前席左側のエアミックスドア21bの回転軸45は、空調ケース11の左側側面の外部において、レバー45b等を介してアクチュエータ機構(サーボモータ)46により回転駆動する。
【0057】
なお、前席右側エアミックスドア21aの回転軸44は、第1実施形態と同様に直接、空調ケース11の右側の側面の外部へ突出させて、アクチュエータ機構(サーボモータ)47により回転駆動する。
(第3実施形態)
図12は第3実施形態であり、前席右側エアミックスドア21aの回転軸44および前席左側のエアミックスドア21bの回転軸45に対して後席用エアミックスドア21cの回転軸38の位置をオフセット配置し、これにより、回転軸38を、前席左側通風路(助手席側通風路)15を貫通して空調ケース11の左側の側面の外部へ突出させ、回転軸38をアクチュエータ機構(サーボモータ)43により回転駆動するようにしたものである。
【0058】
(他の実施形態)
▲1▼エアミックスドア21a〜21cの駆動機構の他の例として、空調ケース11内の中央に位置する後席用通風路16にケーブル等の連結手段を挿入し、この連結手段により後席用エアミックスドア21cの回転軸38とケース外部のアクチュエータ機構(サーボモータ)43とを連結するようにすれば、回転軸38をケース外部へ突出させることなく、後席用エアミックスドア21cを直接駆動することができる。
【0059】
また、後席用通風路16内にアクチュエータ機構(サーボモータ)43を配置して後席用エアミックスドア21cを直接駆動するようにしてもよい。
▲2▼上記の実施形態では、各通風路14〜16共通の1つのヒータコア13を用い、車室内への吹出空気温度の温度調整手段として、各通風路14〜16における冷風と温風の風量割合を調整するエアミックスドア21a〜21cを用いているが、各通風路14〜16にそれぞれ独立のヒータコアを配置し、各通風路14〜16におけるヒータコアへの温水流量または温水温度をそれぞれ独立に調整する温水弁を設置して、この温水弁による温水流量または温水温度の調整により車室内への吹出空気温度を調整するようにしてもよい。
【0060】
▲3▼上記の実施形態では、前席右側通風路(運転席側通風路)14と、前席左側通風路(助手席側通風路)15と、この両通風路14、15の中央に位置する後席用通風路16とを設けて、前席側の左右の独立温度制御機能および後席側の独立温度制御機能を備える車両用空調装置について述べたが、左右の独立温度制御機能を持たず、前席側と後席側の独立温度制御機能のみを設定する前後独立温度制御型の車両用空調装置においても、本発明は同様に実施できる。
【0061】
▲4▼上記の実施形態では、前席側の吹出モードがデフロスタモードであるときに、後席用通風路16のデフロスタドア25cが連通口26cを全閉し、デフロスタ開口部24cを全開しているが、このデフロスタモード時にデフロスタドア25cを連通口26cとデフロスタ開口部24cの両方を開放する中間位置に操作するようにしてもよい。この場合は、デフロスタ風量がある程度減少するが、その代わりに、デフロスタモード時にも後席用通風路16から後席側への空調空気の吹出を持続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用空調装置の通風系全体の概略断面図で、前席用通風路部を示す。
【図2】本発明の第1実施形態による車両用空調装置の通風系全体の概略断面図で、後席用通風路部を示す。
【図3】図1、2における空調ユニット部の平面断面図である。
【図4】第1実施形態による空調ユニット部の前席側から見た正面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】第1実施形態による空調ユニット部の斜視図である。
【図8】比較例の空調ユニット部の前席側から見た正面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】図8のB−B断面図である。
【図11】第2実施形態による空調ユニット部の要部断面図である。
【図12】(a)は第3実施形態による空調ユニット部の要部断面図、(b)は(a)のエアミックスドア配置図である。
【符号の説明】
11…空調ケース、12…蒸発器、13…ヒータコア、
14…前席用右側通風路、15…前席用左側通風路、16…後席用通風路、
21a、21b、21c…エアミックスドア、
24a、24b、24c…デフロスタ開口部、
25a、25b、25c…デフロスタドア。

Claims (5)

  1. 車室内の前席側へ吹き出される空気が流れる前席用通風路(14、15)と、
    前記前席用通風路(14、15)と並列に形成され、車室内の後席側へ吹き出される空気が流れる後席用通風路(16)と、
    前記前席用通風路(14、15)および前記後席用通風路(16)を流れる空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
    前記暖房用熱交換器(13)による加熱量を調整して、前記前席用通風路(14、15)から車室内の前席側へ吹き出す空気の温度を調整する前席用温度調整手段(21a、21b)と、
    前記暖房用熱交換器(13)による加熱量を調整して、前記後席用通風路(16)から車室内の後席側へ吹き出す空気の温度を調整する後席用温度調整手段(21c)と、
    前記前席用通風路(14、15)において前記暖房用熱交換器(13)の下流側の部位に設けられ、車両窓ガラスへ向けて空気を吹き出す第1デフロスタ開口部(24a、24b)と、
    前記前席用通風路(14、15)において前記第1デフロスタ開口部(24a、24b)に隣接して設けられ、前席用フェイス開口部(27a、27b)および前席用フット開口部(28a、28b)に連通する第1連通口(26a、26b)と、
    前記前席用通風路(14、15)において前記第1デフロスタ開口部(24a、24b)と前記第1連通口(26a、26b)を開閉するように設けられた平板状ドアからなる第1デフロスタドア(25a、25b)と、
    前記後席用通風路(16)において前記暖房用熱交換器(13)の下流側の部位に設けられ、車両窓ガラスへ向けて空気を吹き出す第2デフロスタ開口部(24c)と、
    前記後席用通風路(16)において前記第2デフロスタ開口部(24c)に隣接して設けられ、後席用フェイス通路(35)および後席用フット通路(36)に連通する第2連通口(26c)と
    前記後席用通風路(16)において前記第2デフロスタ開口部(24c)と前記第2連通口(26c)を開閉するように設けられた平板状ドアからなる第2デフロスタドア(25c)とを備え、
    車両窓ガラスへ空気を吹き出すデフロスタモードが設定されたとき、前記第1デフロスタドア(25a、25b)により前記第1連通口(26a、26b)を閉塞して前記第1デフロスタ開口部(24a、24b)を開放するとともに、前記第2デフロスタドア(25c)により前記第2連通口(26c)を閉塞して前記第2デフロスタ開口部(24c)を開放することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記第1デフロスタドア(25a、25b)の下流側に、前記前席用フェイス開口部(27a、27b)と前記前席用フット開口部(28a、28b)を開閉する平板状ドアからなる前席用フット・フェイス開閉ドア(33a、33b)が設けられ、
    前記第2デフロスタドア(25c)の下流側に、前記後席用フェイス通路(35)と前記後席用フット通路(36)を開閉する平板状ドアからなる後席用フット・フェイス開閉ドア(37)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記前席用通風路は、前席右側へ吹き出される空気が流れる前席右側通風路(14)と前席左側へ吹き出される空気が流れる前席左側通風路(15)とに分割されており、
    前記前席用温度調整手段は、前記前席右側通風路(14)から前席右側へ吹き出す空気の温度を調整する前席右側温度調整手段(21a)と、前記前席左側通風路(15)から前席左側へ吹き出す空気の温度を調整する前席左側温度調整手段(21b)とに分割されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 車室内前部の計器盤下方部において車両左右方向の中央部に配置される空調ケース(11)を有し、
    前記空調ケース(11)内において、車両左右方向の中央部に前記後席用通風路(16)が車両前後方向に延びるように配置されており、
    前記空調ケース(11)内において、前記後席用通風路(16)の右側に前記前席右側通風路(14)が車両前後方向に延びるように配置されており、
    前記空調ケース(11)内において、前記後席用通風路(16)の左側に前記前席左側通風路(15)が車両前後方向に延びるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記前席用温度調整手段は、前記前席用通風路(14、15)において前記暖房用熱交換器(13)を通過する温風と前記暖房用熱交換器(13)をバイパスする冷風の風量割合を調整するエアミックスドア(21a、21b)であり、
    前記後席用温度調整手段は、前記後席用通風路(16)において前記暖房用熱交換器(13)を通過する温風と前記暖房用熱交換器(13)をバイパスする冷風の風量割合を調整するエアミックスドア(21c)であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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