JP4055318B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内の計器盤左右両端部に配置されて、冷房時には乗員頭部に向けて冷風を吹き出し、暖房時には車両側面窓ガラスに向けて温風を吹き出して曇り止めを行うサイドフェイス吹出口を有する車両用空調装置において、サイドフェイス吹出口への空調空気の配風構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用空調装置において、サイドフェイス吹出口は、冷房時には乗員の頭部に向けて冷風を吹き出し、暖房時には車両側面窓ガラスに向けて温風を吹き出し窓ガラスの曇り止めを行うものであるため、全吹出モードにおいて空調空気を吹き出すようになっている。このため、車両用空調装置の空調ユニットにおいては、温度制御後の空調空気を吹出モードの変化にかかわらず、常に取り出すことができる部位にサイドフェイス開口部を設け、サイドフェイス吹出口を接続する必要がある。
【0003】
ところで、サイドフェイス吹出口からの吹出風量は、吹出モードによって調整ができることが望ましいものである。特に、暖房時のフット吹出モードにおいては、温風が乗員頭部側に吹き出されると快適性を悪くすることがあるため、サイドフェイス吹出口からの温風は車両側面窓ガラスの曇り止めが可能なできるだけ少量の風量であることが望ましい。ただし、寒冷地などでフット吹出モードで走行中に窓ガラスが曇るようなときに選択されるフットデフロスタ吹出モードとか、冬季窓ガラスが曇り走行不能となったときに窓ガラスを積極的に晴らすために選択されるデフロスタモードでは、それぞれの目的に応じて吹出風量が異なる。
【0004】
そこで、乗員頭部に冷風を吹き出すフェイス吹出モードと車両側面窓ガラスに温風を向けて曇り止めを行うフット吹出モードとで吹出風量を変えた従来技術がある。例えば、特開平10−166838号公報に記載されたものがあり、この公報記載のものにおいては、空調ユニットに、左右のサイドフェイス吹出口に通ずる左右のサイドフェイス開口部と左右の補助サイドフェイス開口部とを設け、前者のサイドフェイス開口部は、全吹出モードにおいて左右それぞれのフェイス吹出口と連通させ、後者の補助サイドフェイス開口部は、吹出モードのうちフェイス吹出モードやバイレベル吹出モードのときに、左右のフェイス吹出口と連通させて、その他の吹出モードよりも吹出風量を増加させるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構成では、吹出モードに応じてサイドフェイス開口部からの吹出風量を調整するために、異なる位置に複数のサイドフェイス開口部を設けている。そのために、車両側にサイドフェイス吹出口に接続するダクトの配設スペースと、空調ケースにサイドフェイス開口部の配置スペースとが必要となり空間利用効率が悪い。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑み、空調ケースの空間利用効率を向上させ小型化が可能な車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
すなわち、請求項1の発明では、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)の下流側に形成され、車室内乗員の足元に向けて空調空気を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(27)と、車室内中央部から乗員頭部側に向けて空調空気を吹き出すセンタフェイス吹出口に接続されるセンタフェイス開口部(22)と、車室内左右両端部から乗員頭部側または車両側面窓ガラスに向けて空調空気を吹き出すサイドフェイス吹出口に接続されるサイドフェイス開口部(24、25)と、センタフェイス開口部(22)とサイドフェイス開口部(24、25)との空気上流側に配置され、センタフェイス開口部(22)およびサイドフェイス開口部(24、25)とを開閉するフェイスドア(26)と、フット開口部(27)の空気上流側に配置され、フット開口部(27)を開閉するフットドア(28)とを備える車両用空調装置であって、フェイスドア(26)には、フェイスドア(26)がセンタフェイス開口部(22)サイドフェイス開口部(24、25)とを閉じたときに、サイドフェイス開口部(24、25)に連通する開口部(24a、25a)が設けられ、
フットドア(28)が、フット開口部(27)の開閉状態に応じて開口部(24a、25a)の開口度合を調整可能とするために、
センタフェイス開口部(22)が閉じフット開口部(27)が全開するフット吹出モード時に、フットドア(28)がサイドフェイス開口部(24、25)に連通する開口部(24a、25a)の一部を覆うように全開するように構成されたことを特徴としている。
【0009】
請求項1によれば、センタフェイス開口部(22)およびサイドフェイス開口部(24、25)とを開閉するフェイスドア(26)に、サイドフェイス開口部(24、25)を連通させる開口部(24a、25a)を設け、フットドア(28)の開閉状態で開口度合を調整することにより、各吹出モードにおけるサイドフェイス吹出口からの吹出風量の調整ができる。これにより、従来異なる位置に設けていたサイドフェイス開口部(24、25)をなくすことができるため、サイドフェイス吹出口に通ずるダクトの配設スペースを小さくでき空間利用効率の向上が図れ小型化が可能となる。
【0011】
また、フット吹出モードのときに、フェイスドア(26)にサイドフェイス開口部(24、25)に連通する開口部(24a、25a)を形成して、この開口部(24a、25a)の一部をフットドア(28)で覆うことで、この開口部(24a、25a)の開口面積が絞られ、サイドフェイス吹出口からの吹出風量を所定風量に設定できる。これにより、車両側面の窓ガラスの曇り止めができるとともに、快適性の悪化を招かない。
【0012】
また、フェイスドア(26)を全閉のままでフットドア(28)を半開とするフットデフロスタ吹出モードでは、サイドフェイス吹出口からの吹出風量をやや増加させ、フェイスドア(26)を全閉のままでフットドア(28)を全開とするデフロスタ吹出モードではさらに増加させるなど、吹出モード毎に適性吹出風量の調整をフットドア(28)の開閉状態に応じて容易にできる。
【0013】
請求項2の発明では、空調ケース(11)の上面部に、センタフェイス開口部(22)およびデフロスタ開口部(20)が車両の前後方向に配設され、センタフェイス開口部(22)の車両左右方向に、左右のサイドフェイス開口部(24、25)が配置されていることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明によれば、センタフェイス開口部(22)の車両左右方向に、サイドフェイス開口部(24、25)を配置することにより、車両の前後方向の奥行き寸法が縮小でき小型化が図れる。
【0015】
請求項3の発明では、センタフェイス開口部(22)およびフット開口部(27)の両方を同時に開口するバイレベル吹出モード時に、フェイスドア(26)はドア開度が全開に設定されるとともに、フットドア(28)のドア開度で風量配分するように構成されたことを特徴としている。
【0016】
請求項3の発明によれば、バイレベル吹出モードにおける風量配分がフェイスドア(26)のドア開度を全開として、フットドア(28)のドア開度を半開とすることでできるため、フェイスドア(26)のリンク機構を全開と全閉のみとなることより、リンク機構の簡素化が図れる。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜3に基づいて説明する。本実施形態の車両用空調装置の通風系は、大別して図示しない送風機ユニットと、空調ユニット10との2つの部分に分かれている。送風機ユニットは車室内の計器盤下方部のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されており、これに対し、空調ユニット10は車室内の計器盤下方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されている。
【0019】
送風機ユニットは周知のごとく内気(車室内空気)と外気(車室外空気)を切換導入する内外気切換箱を通して空気を吸入して送風する送風機から構成されている。この送風機は周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータで駆動するものである。空調ユニット10は、1つの共通の空調ケース11内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータコア(暖房用熱交換器)13を両方とも一体的に内蔵するタイプのものである。空調ケース11はポリプロピレンのような、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成形品からなる。空調ケース11は具体的には複数の分割ケースからなり、この複数の分割ケースは、上記熱交換器12、13、後述の制御ドア等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の締結手段により一体に結合されて空調ユニット10を構成する。
【0020】
空調ユニット10は、車室内の計器盤下方部の略中央部に、車両の前後、左右および上下方向に対して、図1に示す形態で配置され、そして、空調ケース11の、最も車両前方側の部位には空気入口14が形成されている。この空気入口14には、前述の送風機ユニットから送風される空調空気が流入する。この空気流入口14は助手席前方の部位に配置される送風機ユニットの空気出口部に接続するために、空調ケース11のうち、助手席側の側面に開口している。
【0021】
空調ケース11内において空気入口14直後の部位に蒸発器12が配置されている。この蒸発器12は車両前後方向には薄型の形態で空調ケース11内通路を横断するように上下方向に配置されている。従って、蒸発器12の車両上下方向に延びる前面に空気入口14からの送風空気が流入する。この蒸発器12は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調空気を冷却するものである。
【0022】
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア13が配置されている。このヒータコア13は空調ケース11内の下方側において、車両後方側に傾斜して配置されている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
【0023】
空調ケース11内の空気通路において、ヒータコア13の上方部位には、このヒータコア13をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路15が形成されている。また、ヒータコア13と蒸発器12との間の部位には、ヒータコア13で加熱される温風と、冷風バイパス通路15を通ってヒータコア13をバイパスする冷風との混合割合を調整する平板状のエアミックスドア16が配置されている。
【0024】
ここで、このエアミックスドア16は、水平方向に配置された回転軸16aと一体結合されており、この回転軸16aとともに車両上下方向に回転可能になっている。このエアミックスドア16は上記混合割合の調整により車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段をなす。回転軸16aは、空調ケース11に回転自在に支持され、かつ回転軸16aの一端部は空調ケース11の外部に突出して、図示しないリンク機構に結合されて、空調装置の温度制御機構(サーボモータのようなアクチュエータ等)により回動駆動されるようになっている。
【0025】
そして、空調ケース11内において、ヒータコア13の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒータコア13との間に所定間隔を開けて上下方向に延びる壁面17が空調ケース11に一体成形されている。この壁面17によりヒータコア13の直後から上方に向かう温風通路18が形成されている。空調ケース11内において、冷風バイパス通路15および温風通路18の空気下流側(上方側)には、冷風と温風の混合を行う空気混合部19が形成されている。
【0026】
空調ケース11の上面部において、車両前方側の部位にはデフロスタ開口部20が冷風バイパス通路15および空気混合部19の車両前方向の上方側に開口しており、かつ略水平に形成されている。このデフロスタ開口部20は空気混合部19から温度制御された空調空気が流入するものであって、図示しないデフロスタダクトを介してデフロスタ吹出口に接続され、このデフロスタ吹出口から、車両前面窓ガラスの内面に向けて風を吹き出す。
【0027】
デフロスタ開口部20に至る通路に設けられた入口穴20aは平板状のデフロスタドア21により開閉される。このデフロスタドア21は、入口穴20aの空気上流側に配置され、空調ケース11の上面部近傍で蒸発器12の上端部に隣接して水平方向に配置された回転軸21aにより回転自在に支持されている。
【0028】
次に、空調ケース11の上面部において、デフロスタ開口部20に隣接し、かつデフロスタ開口部20よりも車両後方側(乗員寄り)の部位にセンタフェイス開口部22が設けられており、このセンタフェイス開口部22には空気混合部19から温度制御された空調空気が空気通路23を通して流入する。また、センタフェイス開口部22は図示しないフェイスダクトを介して、計器盤左右方向中央部の上方側に配置されているセンタフェイス吹出口に接続され、この吹出口から車室内中央部の乗員頭部に向けて風を吹き出す。
【0029】
さらに、センタフェイス開口部22の車両左右方向の両側には、図2に示すように、左側および右側のサイドフェイス開口部24、25が開口している。この左右のサイドフェイス開口部24、25にも空気混合部19から温度制御された空調空気が空気通路23を通して流入する。また、この左右のサイドフェイス開口部24、25は図示しない左右のサイドフェイスダクトを介して、計器盤左右両端部の上方側に配置されている左右のサイドフェイス吹出口に接続され、この吹出口から車室内左右両端部の乗員頭部側または車両側面窓ガラスに向けて風を吹き出す。サイドフェイス吹出口は周知のごとく手動操作される風向変更装置を備えており、この風向変更装置の風向板の方向の調整により、吹出空気を車室内左右両端部の乗員頭部側または車両側面窓ガラスに向けて風を吹き出すことが可能になっている。
【0030】
センタフェイス開口部22に至る通路に設けられた入口穴22aおよびサイドフェイス開口部24、25に至る通路に設けられた入口穴24a、25aは平板状のフェイスドア26により開閉される。このフェイスドア26は、入口穴22a、24a、25aの空気上流側に配置され、デフロスタドア21が入口穴20aを全閉した位置におけるデフロスタドア21の先端部に隣接して、略水平方向に配置された回転軸26aにより回転自在に支持されている。
【0031】
また、このフェイスドア26の車両左右方向の両端側には、図3に示すように、サイドフェイス開口部24、25に対向した位置に開口部24a、25aを形成している。なお、このフェイスドア26は、入口穴22a、24a、25aを全閉したときに、センタフェイス開口部22を閉塞させるが、左右のサイドフェイス開口部24、25は、フェイスドア26の開口部24a、25aを介して空気通路23と連通するものである。
【0032】
ところで、この開口部24a、25aの開口面積の大きさは、デフロスタ吹出モードのとき、すなわちデフロスタドア21が入口穴20a全開し、フェイスドア26が入口穴22a、24a、25aを全閉し、後述するフットドア28がフット開口部27を全閉したときに、左側サイドフェイス開口部24に15%程度、デフロスタ開口部20に70%程度、右側サイドフェイス開口部25に15%程度の風量配分になるように設定されている。
【0033】
次に、空調ケース11内で、フェイスドア26の動作範囲より車両後方側の上方側の部位にフット開口部27が開口している。このフット開口部27には空気混合部19から温度制御された空調空気が空気通路23を通って流入する。そして、フット開口部27の空気下流側にフット用通路29が形成され、このフット用通路29の途中部位に前席用フット通路30が開口している。このフット通路30からの空調空気は図示しない前席用フットダクト、前席用フット吹出口を経て前席の乗員足元に吹き出す。
【0034】
また、フット用通路29の下方部に形成される開口端31に、図示しない後席用フットダクト、後席用フット吹出口を接続し、この後席用フット吹出口を経て後席の乗員足元に風を吹き出す。
【0035】
また、フット開口部27の開閉は平板状のフットドア28により開閉される。このフットドア28はフット開口部27の空気上流側に配置され、フェイスドア26が入口穴22a、24a、25aを全閉するときに、フェイスドア26の先端部26bの近傍に水平方向に配置された回転軸28aにより回動自在に支持されている。
【0036】
ここで、デフロスタドア21が入口穴20aを若干量開口し、フェイスドア26が入口穴22a、24a、25aを全閉し、フットドア28がフット開口部27を全開するフット吹出モードのときには、フットドア28の一部がフェイスドア26の開口部24a、25aの開口面積の一部を絞るようにして、この開口部24a、25aを通過する空調空気の風量を低減させるものである。
【0037】
また、フットドア28の動作範囲は、フェイスドア26の動作範囲内を互いに干渉しないように共用するように構成されている。
【0038】
次に、フットデフロスタ吹出モードのときには、フェイスドア26は全閉のままでデフロスタドア21およびフットドア28のドア開度がほぼ半開(図1の一点鎖線21c、28cで示す位置)となり、フットドア28の一部によるフェイスドア26の開口部24a、25aの絞り量がやや減り、それによって開口部24a、25aの通過風量がやや増大するようになっている。また、デフロスタ吹出モードのときには、フットドア28がフット開口部27を全閉させることにより、前述した風量配分となるように設定されている。
【0039】
ここで、デフロスタドア21、フェイスドア26およびフットドア28は、吹出モード切替用の制御ドア手段であって、図示しないリンク機構に連結されて、吹出モード切替機構(サーボモータなどのアクチュエータ)により連動操作されるようになっている。それぞれの制御ドアの回転軸21a、26a、28aの一端部は空調ケース11の外部に突出している。
【0040】
そして、上述した各制御ドア16、21、26、28は、いずれも単体の状態では同一構造であり、各回転軸16a、21a、26a、28aと一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有し、この基板の表裏両面にウレタンフォームなどの弾性シール材を貼着した構造である。
【0041】
次に、上記構成において、本実施形態の作動を説明すると、車両用空調装置は、周知のように、空調操作パネルに設けられた各種操作部材からの操作信号および空調制御用の各種センサーからのセンサ信号が入力される電子制御装置(図示せず)を備えており、この制御装置の出力信号により各制御ドア16、21、26、28の位置が制御される。なお、車室内への吹出空気温度の調整は、蒸発器12で冷却されて直接冷風バイパス通路15側に流れる冷風と、ヒータコア13で加熱される温風との風量割合をエアミックスドア16にて調整して行われる。そして、冷風と温風は、空気混合部19で混合されたのち、吹出モードに応じて車室内の所定の部位に吹き出される。
【0042】
図1はフット吹出モードが設定された状態を示しており、フェイス開口部22は、フェイスドア26にて閉じられ、デフロスタ開口部20およびフット開口部27はともに開放されるとともに、フェイスドア26の開口部24a、25aも一部開口されているのでサイドフェイス開口部24、25も連通されている。従って、図示しない送風機ユニットからの空調空気は、フット開口部27を介して乗員の足元に向けて吹き出すとともに、デフロスタ開口部20およびサイドフェイス開口部24、25を介して前面窓ガラスと車両側面窓ガラスに向けて吹き出す。
【0043】
ここで、この吹出モードは、おもに冬季の暖房用に選択されるモードであり、乗員の足元に温風を向けて吹き出すとともに、前面および側面の窓ガラスに温風の一部を当ててガラスの温度を下げないようにして、窓ガラスが曇らないようにするためである。そして、デフロスタ吹出口およびサイドフェイス吹出口からの吹出風量が多すぎると乗員の顔面側の温度が上昇して不快感を与えることがあるため、不快感を与えないようにサイドフェイス吹出口からの吹出風量を通常よりも絞ることが必要である。
【0044】
そこで、フットドア28、デフロスタドア21、フェイスドア26(開口部24a、25a)は、乗員足元への吹出風量と前面窓ガラスへの吹出風量と側面窓ガラスへの吹出風量との風量配分が65:15:20程度になるように操作される。本実施形態においては、デフロスタドア21を図1に示すように、デフロスタ開口部20を少し開いた位置に操作されるとともに、フットドア28を全開する位置でフェイスドア26の開口部24a、25aの開口面積の一部を絞るように操作されることにより、上記吹出風量の風量配分が達成される。
【0045】
なお、図1のフット吹出モードでは、エアミックスドア16は最大暖房位置に操作された状態を示しているが、エアミックスドア16をこの最大暖房位置から最大冷房側へ回動操作することにより、吹出空気温度を任意に調整できる。
【0046】
次に、寒冷地でフット吹出モードで走行中に窓ガラスが曇るようなときに選択する吹出モードであるフットデフロスタ吹出モードにおいては、乗員足元への吹出風量と前面窓ガラスへの吹出風量と側面窓ガラスへの吹出風量との風量配分が35:35:30程度になるように操作される。デフロスタドア21を半開位置(21cで示す位置)とさせ、フットドア28も半開位置(28cで示す位置)とさせることにより、フェイスドア26の開口部24a、25a側が開放され、フット吹出モードよりも窓ガラスに向ける風量を多くして曇り止めを行いつつ車室内を暖房する。
【0047】
次に、冬季窓ガラスが曇り走行不能となったとき、窓ガラスを積極的に晴らすために選択する吹出モードであるデフロスタ吹出モードにおいては、デフロスタドア21を全開にさせ、フットドア26を全閉にさせることにより、空気通路23内にフットドア28の遮蔽物がなくなるため、フェイスドア26の開口部24a、25aに前述した所定の風量が流れ、前面窓ガラスへの吹出風量と側面窓ガラスへの吹出風量との風量配分を70:30程度になるように操作されるものである。
【0048】
次に、おもに夏季の冷房時に選択される吹出モードであるフェイス吹出モードにおいては、デフロスタドア21とフットドア28とを全閉させ、フェイスドア26を全開する。一方、エアミツクスドア16は、通常ヒータコア13に流入する空気を零ないし少量にする領域に操作される。これにより、図示しない送風機ユニットからの送風空気を蒸発器12で冷却して冷風とし、この冷風を冷風バイパス通路15から空気混合部19、空気通路23を介してセンタフェイス開口部22とサイドフェイス開口部24、25に送り込んで、センタフェイス吹出口および左右のサイドフェイス吹出口から乗員の頭部側に向けて吹き出す。なお、この際の風量配分は、センタフェイス吹出風量とサイドフェイス吹出風量との比は50:50程度になるように操作されるものである。
【0049】
次に、おもに春、秋などの中間期に選択される頭寒足熱をねらったバイレベル吹出モードにおいては、デフロスタドア21は全閉としフェイスドア26を全開とさせ、フットドア28を半開とすることにより、乗員の頭部側への吹出風量と乗員の足元側への吹出風量との比を50:50程度になるように操作されるものである。この際、フットドア28のドア開度のみで上述した風量配分を調整することが可能となる。
【0050】
なお、フェイス吹出モードおよびバイレベル吹出モードにおいては、フェイスドア26を全開に操作されているため、フェイスドア26の開口部24a、25aは、使用しないがセンタフェイス吹出風量とサイドフェイス吹出風量との風量配分は、50:50程度なるようにセンタフェイス開口部22とサイドフェイス開口部24、25との開口面積の比で設定されている。
【0051】
以上本実施形態によれば、センタフェイス開口部22およびサイドフェイス開口部24、25とを開閉するフェイスドア26に、サイドフェイス開口部24、25を連通させる開口部24a、25aを設け、フットドア28の開閉状態で開口度合を調整することにより、各吹出モードにおけるサイドフェイス吹出口からの吹出風量の調整ができる。これにより、従来異なる位置に設けていたサイドフェイス開口部をなくすことができるため、サイドフェイス吹出口に通ずるダクトの配設スペースを小さくでき空間利用効率の向上が図れ小型化が可能となる。
【0052】
また、サイドフェイス吹出口からの吹出風量を絞りたいフット吹出モードのときに、フェイスドア26にサイドフェイス開口部24、25に連通する開口部24a、25a を形成して、この開口部24a、25a の一部をフットドア28で覆うことで、この開口部24a、25a の開口面積が絞られ、サイドフェイス吹出口からの吹出風量を所定風量に設定できる。これにより、車両側面の窓ガラスの曇り止めができるとともに、快適性の悪化を招かない。
【0053】
また、フェイスドア26を全閉のままでフットドア28を半開28cとするフットデフロスタ吹出モードでは、サイドフェイス吹出口からの吹出風量をやや増加させ、フェイスドア26を全閉のままでフットドア28を全開とするデフロスタ吹出ードではさらに増加させるなど、吹出モード毎に適性吹出風量の調整をフットドア28の開閉状態に応じて容易にできる。
【0054】
また、センタフェイス開口部22の車両左右方向に、サイドフェイス開口部24、25を配置することにより、車両の前後方向の奥行き寸法が縮小でき小型化が図れる。
【0055】
また、バイレベル吹出モードにおける風量配分がフェイスドア26のドア開度を全開として、フットドア28のドア開度を半開とすることでできるため、フェイスドア26のリンク機構を全開と全閉のみとなることより、リンク機構の簡素化が図れる。
【0056】
(他の実施形態)
上記実施形態では、開口部24a、25aの形成は、フェイスドア26の両端側を開口させることで説明したが、これに限らず、図4に示すように、フェイスドア33の両端側を切り欠いて開口部34a、35aを形成させても良い。
【0057】
また、サイドフェイス開口部24、25をセンタフェイス開口部22に対して車両左右方向の両側に形成したが、これに限らず、車両前後方向に形成して、開口部24a、25a、34a、35aをこれに合わせて形成するようにしても良い。
【0058】
さらに、上記実施形態では、サイドフェイス開口部24、25を左右にそれぞれ設けたが、サイドフェイス開口部24、25を1個所のみとして、この開口部に接続するダクトを分岐させて左右のサイドフェィス吹出口に導くようにしても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、各制御ドアの操作をリンク機構を介してサーボモータなどのアクチュエータにより駆動する説明をしたが、空調操作パネルに設けられた温度制御レバー、吹出モード切替レバー等の手動操作部材に加えられる手動操作力にて、操作ケーブル等を介して上記各制御ドアを操作するようにしても良い。
【0060】
なお、上記実施形態では、各制御ドア16、21、26、28は、いずれも単体の状態では同一構造であり、各回転軸16a、21a、26a、28aと一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有し、この基板の表裏両面にウレタンフォームなどの弾性シール材を貼着した構造であると説明したが、これに限らず、前記弾性シール材を貼着しない構造のドア基板でも良い。
【0061】
さらに、吹出モード切替手段の駆動をコントロールレバーを用いて吹出モード切替レバーを使用者がマニアル操作するようにしているが、吹出モード切替手段を自動制御するオートエアコン搭載の空気調和装置にも適用できるものである。
【0062】
また、空調ユニット10内に蒸発器(冷房用熱交換器)12を配設しないタイプの空調装置およびリヒート方式の車両用空調装置にも同様に本発明が適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における車両用空調装置の空調ユニットの断面図で、フット吹出モードの状態を示す。
【図2】図1の空調ユニットの上面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるフェイスドアを示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態におけるフェイスドアを示す斜視図である。
【符号の説明】
11…空調ケース
13…ヒータコア(暖房用熱交換器)
20…デフロスタ開口部
22…センタフェイス開口部
24、25…サイドフェイス開口部
24a、25a…開口部
26…フェイスドア
27…フット開口部
28…フットドア
Claims (3)
- 空気通路を形成する空調ケース(11)と、
前記空調ケース(11)内に設置され、空気を加熱する暖房用熱交換器(13)と、
前記暖房用熱交換器(13)の下流側に形成され、車室内乗員の足元に向けて空調空気を吹き出すフット吹出口に接続されるフット開口部(27)と、
前記暖房用熱交換器(13)の下流側に形成され、車室内中央部から乗員頭部側に向けて空調空気を吹き出すセンタフェイス吹出口に接続されるセンタフェイス開口部(22)と、
車室内左右両端部から乗員頭部側または車両側面窓ガラスに向けて空調空気を吹き出すサイドフェイス吹出口に接続されるサイドフェイス開口部(24、25)と、
前記センタフェイス開口部(22)と前記サイドフェイス開口部(24、25)との空気上流側に配置され、前記センタフェイス開口部(22)およびサイドフェイス開口部(24、25)とを開閉するフェイスドア(26)と、
前記フット開口部(27)の空気上流側に配置され、前記フット開口部(27)を開閉するフットドア(28)とを備え、
かつ、前記フェイスドア(26)には、前記フェイスドア(26)が前記センタフェイス開口部(22)およびサイドフェイス開口部(24、25)とを閉じたときに、前記サイドフェイス開口部(24、25)に連通する開口部(24a、25a)が設けられ、
前記フットドア(28)が、前記フット開口部(27)の開閉状態に応じて前記開口部(24a、25a)の開口度合を調整可能とするために、前記センタフェイス開口部(22)が閉じ前記フット開口部(27)が全開するフット吹出モード時に、前記フットドア(28)が前記サイドフェイス開口部(24、25)に連通する前記開口部(24a、25a)の一部を覆うように全開するように構成されたことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記空調ケース(11)の上面部に、前記センタフェイス開口部(22)およびデフロスタ開口部(20)が車両の前後方向に配設され、
前記センタフェイス開口部(22)の車両左右方向に、左右の前記サイドフェイス開口部(24、25)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記センタフェイス開口部(22)および前記フット開口部(27)の両方を同時に開口するバイレベル吹出モード時に、前記フェイスドア(26)は、ドア開度が全開に設定されるとともに、前記フットドア(28)のドア開度で風量配分するように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
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