JPH11105532A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH11105532A
JPH11105532A JP9270077A JP27007797A JPH11105532A JP H11105532 A JPH11105532 A JP H11105532A JP 9270077 A JP9270077 A JP 9270077A JP 27007797 A JP27007797 A JP 27007797A JP H11105532 A JPH11105532 A JP H11105532A
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康弘 佐藤
Kazuo Kito
和雄 鬼頭
Tetsuya Takechi
哲也 武知
Toshihiko Muraki
俊彦 村木
Katsutoshi Hirose
勝敏 廣瀬
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00642Control systems or circuits; Control members or indication devices for heating, cooling or ventilating devices
    • B60H1/00814Control systems or circuits characterised by their output, for controlling particular components of the heating, cooling or ventilating installation
    • B60H1/00821Control systems or circuits characterised by their output, for controlling particular components of the heating, cooling or ventilating installation the components being ventilating, air admitting or air distributing devices
    • B60H1/00835Damper doors, e.g. position control
    • B60H1/00842Damper doors, e.g. position control the system comprising a plurality of damper doors; Air distribution between several outlets

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイパス通路の開閉の際に緩やかに空調風の
風量を変化させる。 【解決手段】温風バイパスドア22を中間位置bに停止
させずに、2層流モードと全外気モードとを切り換える
と、空調風の風量や吹出温度が大きく変化する。そこ
で、この場合に温風バイパスドア22を中間位置bに一
旦停止させることで、空調風の風量の変化、および吹出
温度の変化を緩やかにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置に
おいて、暖房能力を高めるため等に利用される温風バイ
パス通路を設けたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置として、エバポレ
ータを通過してヒータコアをバイパスした冷風と、ヒー
タコアを通過した温風との混合割合をエアミックスドア
にて調整して、所望の空調風温度を得るものが周知であ
る。上記従来装置では、例えば上記冷風が流れる冷風通
路はヒータコアの上方に設けられ、上記温風が流れる温
風通路を下方から上方に立ち上げるように設けられ、こ
れら冷風と温風とはヒータコアの上方空間のエアミック
スチャンバー内で混合される。そして、上記従来装置で
は、冷風と温風とエアミックスドアにて混合したのち、
温風通路を流れた温風を乗員の足元のフット吹出口から
送風する場合では、上方に流れた温風を下方に向けてU
ターンさせてから、上記フット吹出口に送風するように
している。
【0003】また、例えば上記エアミックスドアがエバ
ポレータを通過した冷風を全てヒータコアを通過させる
最大暖房時では、空調風の全てが上記温風通路を流れ
て、上記フット吹出口に送風されると、フット吹出口ま
での送風路が上述のようにUターンするようになってい
るため、通風抵抗が大きく空調風の風量が出にくい。そ
こで、従来装置では、上記温風が上記温風通路をバイパ
スするバイパス通路、およびこのバイパス通路を開閉す
る温風バイパスドアを設け、最大暖房時には上記温風バ
イパスドアにて上記バイパス通路を開けて、通風抵抗
(通風距離)を減らして、暖房能力を向上させるように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来装置では、例えばフット吹出口に温風を送風している
ときに、温風バイパスドアにてバイパス通路を急に開閉
すると、大きく通風抵抗が変化して、温風バイパスドア
の切替えによって風量が急激に変化し、これにより吹出
温度も変動するという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、バイパス通路の開閉の
際に緩やかに空調風の風量を変化させることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1ないし4記載の発明では、温風バイパスド
ア(22)を所定作動範囲(a)作動させて、前記入口
部(21)を開閉するときには、温風バイパスドア(2
2)を前記所定作動範囲の途中部位(b)にて一旦停止
させることを特徴としている。
【0007】これにより、温風バイパスドアを途中部位
に一旦停止させるため、空調風の風量の変化、および吹
出温度の変化を緩やかにすることができる。ところで、
本出願人は先に特願平9−91003号において、暖房
能力の向上と車両窓ガラスの防曇性の向上を目的とした
2層流モードが切替え可能なものについて出願した。
【0008】すなわち、請求項2記載の発明のように、
空調ケース内へ導入される内気導入量および外気導入量
を作動制御する内外気切替ドア部材(4、5)と、車両
窓ガラス内面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出
口に接続されるデフロスタ開口部(25)を有し、フッ
ト開口部(29、33)とデフロスタ開口部(25)の
両方を同時に開口する吹出モードにおいて、加熱量が最
大となる位置に温度調整手段(17、18)が操作され
る最大暖房状態が設定されたときには、空調空気の通路
は、内外気切替ドア部材(4、5)を作動させることで
導入された内気をフット開口部(29、33)に導く第
1空気通路(8)と、内外気切替ドア部材(4、5)を
作動させることで導入された外気をデフロスタ開口部
(25)に導く第2空気通路(9)とに区画形成される
ようになっており、第1空気通路(8)と前記第2空気
通路(9)とは、温風バイパスドア(22)を前記入口
部(21)が開放するように作動させることで、第1の
温風通路(19a)が2つに区画されることにより形成
されることを特徴としている。
【0009】これにより、温風バイパスドア自身に内外
気の可動仕切り部材としての役割を兼務させることがで
きるので、固定仕切り部材の設置領域を減少でき、空調
装置の小型化および構成の簡素化を図ることができる。
そして、請求項1記載の発明は、このような空調装置に
有効である。また、請求項3記載の発明では、2層流モ
ードにおいて、第1空気通路(8)を流れる内気を加熱
する電気式加熱手段を有し、電気式加熱手段は、前記2
層流モードが設定されている状態において、通電が施さ
れて内気を加熱するようになっており、さらに電気式加
熱手段は、吹出モードにおいて、最大暖房状態が解除さ
れて、2層流モードから、空調ケース内に外気のみが導
入される全外気モードに切り換わる前で、2層流モード
が設定されているときに通電が遮断されることを特徴と
している。
【0010】ここで、電気式加熱手段にて十分に空調風
を加熱するためには、大きな電力を消費するため、本当
に暖房用熱交換器での暖房能力では賄えないときにのみ
に使用すべきである。このため、電気式加熱手段は、上
記2層流モードにおいてのみ使用されるべきである。す
なわち、2層モード以外のときに電気式加熱手段を使用
して暖房能力を稼ぐのであれば、2層流モードとして、
電力を消費せずに暖房能力を向上した方が良い。
【0011】また、2層流モードから全外気モードに切
り換えるのと同時に、電気式加熱手段への通電を遮断す
ると、以下のような問題がある。つまり、電気式加熱手
段は、2層流モードで比較的高温な内気を加熱してい
る。したがって、この際、2層流モードから全外気モー
ドへ切り換えると、低温な外気が空調ケース内を流れる
ため、吹出温度が急激に低下する。そして、このタイミ
ングで電気式加熱手段への通電の遮断をも同時に行う
と、吹出温度の変動がさらに大きくなる。
【0012】そこで、請求項3記載の発明では、全外気
モードに切り換わる前に、先ず電気式加熱手段への通電
を遮断し、その後、全外気モードとしている。これによ
り、本例では、吹出温度の変動をさらに緩やかにでき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を図に示す実施形態に
ついて説明する。図1〜5は本発明の一実施形態を示す
ものであり、本実施形態は、ディーゼルエンジンを搭載
する車両、電気自動車、ハイブリッド車等のように、暖
房用として十分な熱源の確保が困難な車両における空調
装置に適用されるものである。
【0014】本実施形態における空調装置通風系は、大
別して、図1に示す送風機ユニット1と図2に示す空調
ユニット100の2つの部分に分かれている。最初に、
図1に基づいて送風機ユニット1を説明すると、送風機
ユニット1は車室内の計器盤下方部のうち、中央部から
助手席側へオフセットして配置されている。そして、送
風機ユニット1には内気(車室内空気)を導入する第
1、第2内気導入口2、2aと、外気(車室外空気)を
導入する外気導入口3が備えられている。
【0015】ここで、外気導入口3と第2内気導入口2
aは、送風機ユニット1の上部に隣接して配置され、第
2内外気切替ドア5により切替開閉される。一方、第1
内気導入口2は送風機ユニット1の下部に配置され、第
1内外気切替ドア4により開閉される。この両内外気切
替ドア4、5は、それぞれ回転軸4a、5aを中心とし
て回動操作されるものであって、図示しないリンク機構
およびサーボモータのようなアクチュエータによって、
空調装置の内外気導入モード制御信号に応じて連動操作
される。
【0016】そして、第2内外気切替ドア5の下側に
は、外気導入口3および第2内気導入口2aからの導入
空気を清浄化(塵埃の除去、悪臭の吸着等)する空気フ
ィルタ40が配置してある。また、送風機ユニット1内
において、空気フィルタ40の下側には、上記導入口
2、2a、3からの導入空気を送風する第1(内気側)
ファン6および第2(外気側)ファン7が配置されてい
る。この両ファン6、7は周知の遠心多翼ファン(シロ
ッコファン)からなるものであって、1つの共通の電動
モータ42にて同時に回転駆動される。このファン駆動
用電動モータ42は内気側の第1ファン6の下方側に配
置されている。
【0017】第1ファン6の吸入口6aは、第1内気導
入口2に連通可能であるとともに、連通路43を介して
空気フィルタ40下流側の空間44に連通可能になって
いる。第1内外気切替ドア4は上記第1内気導入口2の
開閉と連動して連通路43も開閉する。図1は後述する
2層流モードの状態を示しており、第1内外気切替ドア
4は第1内気導入口2を開放して外気導入口3に連通す
る連通路43を閉塞しているので、第1(内気側)ファ
ン6の吸入口6aに内気が吸入される。一方、第2内外
気切替ドア5は第2内気導入口2aを閉塞して外気導入
口3を開放しているので、第2(外気側)ファン7の吸
入口7aに空気フィルタ40を介して外気が吸入され
る。
【0018】従って、この状態では、第1ファン6は、
内気導入口2からの内気を第1(内気側)通路8に送風
し、第2ファン7は、外気導入口3からの外気を第2
(外気側)通路9に送風するようになっており、第1、
第2通路8、9は、第1ファン4と第2ファン5との間
に配置された仕切り板10により仕切られている。この
仕切り板10は、両ファン6、7を収納する樹脂製のス
クロールケーシング10aに一体成形できる。
【0019】次に、図2により空調ユニット100を説
明すると、空調ユニット100は1つの空調ケース11
内に蒸発器(冷房用熱交換器)12とヒータコア(暖房
用熱交換器)13とを両方とも一体的に内蔵するタイプ
のものである。空調ケース11はポリプロピレンのよう
な、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂の成
形品からなり、図2の上下方向(車両上下方向)に分割
面を有する左右2分割のケースからなる。この左右2分
割のケースは、上記熱交換器12、13、後述するドア
等の機器を収納した後に、金属バネクリップ、ネジ等の
締結手段により一体に結合されて、空調ユニット100
を構成する。
【0020】空調ユニット100は、車室内の計器盤下
方部のうち、車両左右方向の略中央部に配置されるもの
であり、そして、空調ケース11の、最も車両前方側の
部位には、空気流入口14が配設されており、この空気
流入口14には、送風機ユニット1から送風される空調
空気が流入する。この空気流入口14は助手席前方の部
位に配置される送風機ユニット1の空気出口部に接続す
るために、空調ケース11のうち、助手席側の側面に開
口している。
【0021】空調ケース11内において、空気流入口1
4直後の部位に蒸発器12が第1、第2空気通路8、9
の全域を横切るように配置されている。この蒸発器12
は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空
気から吸熱して、空調空気を冷却するものである。ここ
で、蒸発器12は図2に示すように、車両前後方向には
薄型で、車両上下方向に長手方向が向く形態で空調ケー
ス11内に設置されている。
【0022】また、空気流入口14から蒸発器12に至
る空気通路は、仕切り板15により車両下方側の第1空
気通路8と車両上方側の第2空気通路9とに仕切られて
いる。この仕切り板15は空調ケース11に樹脂にて一
体成形され、水平方向に延びる固定仕切り部材である。
そして、蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)
に、所定の間隔を開けてヒータコア13が隣接配置され
ている。このヒータコア13は、蒸発器12を通過した
冷風を再加熱するものであって、その内部に高温のエン
ジン冷却水(温水)が流れ、この冷却水を熱源として空
気を加熱するものである。このヒータコア13も蒸発器
12と同様に、車両前後方向には薄型で、車両上下方向
に長手方向が向く形態で空調ケース11内に設置されて
いる。但し、ヒータコア13は垂直より若干の角度だけ
車両後方側へ傾斜して配置されている。
【0023】また、空調ケース11内で、ヒータコア1
3の上方部位には、このヒータコア13をバイパスして
空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路16が形成され
ている。空調ケース11内で、ヒータコア13と蒸発器
12との間には、ヒータコア13で加熱される温風とヒ
ータコア13をバイパスする冷風(すなわち、冷風バイ
パス通路16を流れる冷風)との風量割合を調整する平
板状の主エアミックスドア17、および補助エアミック
スドア18が配置されている。ここで、この両エアミッ
クスドア17、18は、それぞれ水平方向に配置された
回転軸17a、18aと一体に結合されており、この回
転軸17a、18aとともに車両上下方向に回動可能に
なっている。
【0024】回転軸17a、18aは、空調ケース11
に回転自在に支持され、かつ回転軸17a、18aの一
端部は空調ケース11の外部に突出して、図示しないリ
ンク機構に結合されている。両エアミックスドア17、
18は、このリンク機構およびサーボモータのようなア
クチュエータを介して、空調装置の吹出空気温度制御信
号に応じて、連動操作されるようになっている。
【0025】主エアミックスドア17の回転軸17aは
補助エアミックスドア18の回転軸18aよりも所定間
隔をあけて上方側に配置され、主、補助の両エアミック
スドア17、18は、互い干渉しないようにして任意の
回動位置に操作可能になっており、最大冷房時には、両
エアミックスドア17、18は図2の2点鎖線に示すよ
うに互いにラップした位置に回動操作されて、両エアミ
ックスドア17、18が空調ケース11側の突出リブに
圧着し、ヒータコア13への空気流入路を全閉する。
【0026】一方、最大暖房時には、両エアミックスド
ア17、18は図2の実線位置に回動操作されて、主エ
アミックスドア17が冷風バイパス通路16の入口穴1
6aを全閉すると同時に、補助エアミックスドア18の
先端部が蒸発器12直後の位置で、かつ仕切り板15の
延長線A近傍に位置することにより、補助エアミックス
ドア18は、蒸発器12とヒータコア13との間の空気
通路を第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成す
る可動仕切り部材として作用する。
【0027】なお、蒸発器12は周知の積層型のもので
あって、アルミニュウム等の金属薄板を2枚張り合わせ
て構成した偏平チューブをコルゲートフィンを介在して
多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。そし
て、空調ケース11内において、ヒータコア13の空気
下流側(車両後方側の部位)には、ヒータコア13との
間に所定間隔を開けて上下方向に延びる仕切り壁19が
空調ケース11に一体成形されており、この仕切り壁1
9によりヒータコア13の直後から上方に向かう第1温
風通路19aが形成されている。この第1温風通路19
aの下流側(上方側)はヒータコア13の上方部におい
て冷風バイパス通路16と合流し、冷風と温風の混合を
行う冷温風混合空間20を形成している。
【0028】また、仕切り壁19の下端部には、ヒータ
コア13の空気下流側の面と対向するようにして、温風
バイパス入口部21が開口しており、この温風バイパス
入口部21は温風バイパスドア22により開閉される。
この温風バイパスドア22は温風バイパス入口部21の
上端部に回動自在に配置された回転軸23に連結され、
この回転軸23と一体に図2の実線位置と2点鎖線位置
との間で回動操作される。本例では、温風バイパスドア
22は図示しないリンク機構を介して、両エアミックス
ドア17、18の駆動用アクチュエータにより連動操作
されるようになっている。
【0029】この温風バイパスドア22は、後述のフッ
ト吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードにおい
て、最大暖房状態が設定されたとき(2層流モード)に
は、図2の実線位置(ヒータコア13の仕切り線B近傍
位置)に操作されてヒータコア13直後の第1温風通路
19aを第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成
する可動仕切り部材として作用する。
【0030】なお、ヒータコア13は周知のものであっ
て、アルミニュウム等の金属薄板を溶接等により断面偏
平状に接合してなる偏平チューブをコルゲートフィンを
介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものであ
る。また、ヒータコア13の空気上流側には、その仕切
り線Bと補助エアミックスドア18の回転軸17aとの
間を仕切る固定仕切り板24が空調ケース11に一体成
形されている。
【0031】空調ケース11の上面部において、車両前
方側の部位にはデフロスタ開口部25が開口している。
このデフロスタ開口部25は冷温風混合空間20から温
度制御された空調空気が流入するものであって、図示し
ないデフロスタダクトおよびデフロスタ吹出口を介し
て、車両窓ガラス内面に向けて風を吹き出す。デフロス
タ開口部25は、回転軸27により回動自在なデフロス
タドア26により開閉される。
【0032】空調ケース11の上面部において、デフロ
スタ開口部25よりも車両後方側(乗員寄り)の部位に
はフェイス開口部28が開口している。このフェイス開
口部28も冷温風混合空間20から温度制御された空調
空気が連通路36を通って流入するものであって、図示
しないフェイスダクトを介して計器盤上方部のフェイス
吹出口より乗員頭部に向けて風を吹き出す。
【0033】また、空調ケース11のうち、車両後方側
の側面の上部側には、前席用フット開口部29が開口し
ている。この前席用フット開口部29は冷温風混合空間
20から温度制御された空調空気が連通路36を通って
流入するとともに、最大暖房時には、温風バイパス入口
部21の開口により、このバイパス入口部21からの温
風が第2温風通路30を通して流入するようになってい
る。そして、前席用フット開口部29は図示しない前席
用フットダクトを介して前席用フット吹出口から前席側
の乗員足元に温風を吹き出す。
【0034】フェイス開口部28は回転軸32により回
動自在なフェイスドア31により開閉される。また、前
席用フット開口部29の入口穴29aは回転軸311に
より回動自在なフットドア310により開閉される。ま
た、空調ケース11のうち、車両後方側(乗員寄り)の
側面の下部側には、後席用フット開口部33が温風バイ
パス入口部21の直後に対向するように開口している。
この後席用フット開口部33は、温風バイパス入口部2
1および第2温風通路30からの温風が流入し、この温
風を図示しない後席用フットダクトを介して後席用フッ
ト吹出口から後席側の乗員足元に温風を吹き出す。
【0035】本実施形態では、フット吹出モードにおけ
る2層流モード時において、ヒータコア13直後の空気
下流側では、温風バイパスドア22が実線位置に操作さ
れて、第1、第2空気通路8、9を仕切るが、デフロス
タ開口部25の入口部と前席用フット開口部29の入口
部付近では、連通路36を介して第1、第2空気通路
8、9が連通するようにしてある。
【0036】デフロスタドア26、フェイスドア31お
よびフットドア310は、吹出モード切替用のドア手段
であって、図示しないリンク機構に連結されて、サーボ
モータのようなアクチュエータにより、空調装置の吹出
モード制御信号に応じて、連動操作されるようになって
いる。なお、上述した各ドア4、5、17、18、2
2、26、31は、いずれも基本構造は同一であり、各
回転軸4a、5a、17a、18a、23、27、32
と一体に結合された樹脂または金属製のドア基板を有
し、この基板の表裏両面にウレタンフォームのような弾
性シール材を貼着した構造である。
【0037】次に、図1、2に基づいて、空調装置の機
械的構成部分の作動について説明する。図1、2は、フ
ット吹出モードにおいて、最大暖房状態が設定されて、
2層流モードが設定された状態を示している。この状態
では、内外気ユニット1において、第1内気導入口2が
第1(内気側)ファン6の吸入口6aに連通し、また、
外気導入口3が第2(外気側)ファン7の吸入口7aに
連通する。従って、この状態では、第1ファン6は内気
導入口2からの内気を第1(内気側)通路8に送風し、
第2ファン7は外気導入口3からの外気を第2(外気
側)通路9に送風する。
【0038】また、空調ユニット100においては、両
エアミックスドア17、18は図示の実線位置に回動操
作されて、主エアミックスドア17が冷風バイパス通路
16の入口穴16aを全閉すると同時に、補助エアミッ
クスドア18の先端部が蒸発器12直後の位置で、かつ
仕切り板15の延長線Aよりも第2空気通路9側に所定
量シフトするように設定してある。これにより、補助エ
アミックスドア18は、蒸発器12とヒータコア13と
の間の空気通路を第1空気通路8と第2空気通路9とに
区画形成する可動仕切り部材として作用する。
【0039】また、温風バイパスドア22は、図示の実
線位置に操作されてヒータコア13直後の第1温風通路
19aを第1空気通路8と第2空気通路9とに区画形成
する可動仕切り部材として作用するとともに、温風バイ
パス入口部21を開放する。また、デフロスタドア26
およびフットドア310はそれぞれデフロスタ開口部2
5および前席用フット開口部29の入口部29aを所定
量開口しているが、フェイスドア31はフェイス開口部
28を閉塞している。
【0040】従って、ファン6、7を作動させることに
より、内気導入口2からの内気と外気導入口3からの外
気は、仕切り部材10、15、18、22により仕切ら
れて、第1空気通路8と第2空気通路9とをそれぞれ区
分されたまま流れる。この内気と外気はすべてヒータコ
ア13を通過し、最大限加熱される。内気はヒータコア
13で加熱された後に、温風バイパス入口部21を通っ
て第2温風通路30を経由して、前席用、後席用フット
開口部29、33に至る。これに対して、外気はヒータ
コア13で加熱された後に、温風バイパスドア22上方
側の第1温風通路19aを経て、冷温風混合空間20に
至り、さらに、ここから外気は2つの流れに分岐して、
その一方の外気はデフロスタ開口部25に流入し、残余
の外気は連通路36を通って前席用フット開口部29に
流入する。
【0041】以上の結果、デフロスタ開口部25には低
湿度の外気を加熱した温風が流れて、窓ガラス内面にこ
の低湿度の温風が吹き出すので、窓ガラスの防曇性を良
好に確保できる。しかも、前席用、後席用フット開口部
29、33には主に内気を加熱した温度の高い温風を吹
き出して、暖房効果を向上させることができる。図2に
おいて、矢印Cは内気の流れを示し、矢印Dは外気の流
れを示している。
【0042】このとき、デフロスタ開口部25への吹出
風量と、フット開口部29、33への吹出風量の割合
は、デフロスタドア26を小開度の位置に操作すること
により、第2空気通路9側の外気の一部を前席用フット
開口部29側へ流入させることができ、フット開口部2
9、33への吹出風量を80%程度、デフロスタ開口部
25への吹出風量を20%程度に設定できる。
【0043】次に、フット吹出モードにおいて、両エア
ミックスドア17、18を最大暖房状態から吹出空気温
度の制御のために中間開度位置に操作すると、空調ユニ
ット100は通常モードの状態となる。この通常モード
状態では、両エアミックスドア17、18が中間開度位
置に操作されて、主エアミックスドア17が冷風バイパ
ス通路16を開放するので、この冷風バイパス通路16
を通って冷風がヒータコア13をバイパスして直接、冷
温風混合空間20に至る。
【0044】この両エアミックスドア17、18の操作
に連動して、温風バイパスドア22が図2の2点鎖線位
置に操作されて温風バイパス入口部21を閉塞するとと
もに、ヒータコア13直後の第1温風通路19aに対す
る仕切り作用を消滅する。従って、ヒータコア13を通
過して加熱された温風はすべて第1温風通路19aを上
昇した後に空間20にて冷風バイパス通路16からの冷
風と混合して所望の温度となる。この温風は、その大部
分は連通路36を通って前席用、後席用フット開口部2
9、33側に至り、乗員足元に吹き出す。また、空間2
0の温風の残余はデフロスタ開口部25側に至り、窓ガ
ラス内面に吹き出す。
【0045】上記の通常モード(温度制御域)のフット
吹出モードでは、最大暖房能力を必要としていないた
め、内外気導入モードは、第1、第2の内気導入口2、
2aをともに閉塞し、外気導入口3のみを開放する全外
気モードに設定する。しかし、乗員の手動操作よる設定
にて、第1、第2の内気導入口2、2aをともに開放す
る全内気モードとすることができる。
【0046】また、この通常モード(温度制御域)にお
けるフット吹出モードでは、温風バイパス入口部21の
閉塞により前席用、後席用フット開口部29、33側へ
の吹出風量が減少しようとするので、フットドア310
の開度を図2の2層流モード時よりも増大させる。これ
により、上記吹出風量の減少を防止するようにしてい
る。
【0047】次に、前席用、後席用フット開口部29、
33からの吹出風量と、デフロスタ開口部25からの吹
出風量とを略同等とするフットデフロスタ吹出モードに
おいて、最大暖房状態が設定されて、2層流モードが設
定されたときは、図2のフット吹出モード時に比して、
デフロスタドア26の開度を増大させる。これにより、
デフロスタ開口部25からの吹出風量を増加できて、前
席用、後席用フット開口部29、33からの吹出風量
と、デフロスタ開口部25からの吹出風量とを略同等に
することが可能となる。他の点はフット吹出モードにお
ける2層流モードと同じである。
【0048】次に、フットデフロスタ吹出モードにおい
て、両エアミックスドア17、18を最大暖房状態から
吹出空気温度の制御のために中間開度位置に操作する
と、両エアミックスドア17、18の操作に連動して、
温風バイパスドア22が図2の2点鎖線位置に操作され
て温風バイパス入口部21を閉塞するので、2層流モー
ドが解除され、通常モード状態となる。このフットデフ
ロスタ吹出モードの通常モード状態は、フット側の吹出
風量と、デフロスタ側の吹出風量とを略同等にしている
点がフット吹出モードの通常モード状態と異なるのみ
で、他の点はフット吹出モードと同じである。
【0049】ところで、上記したフット吹出モードおよ
びフットデフロスタ吹出モードにおいて、最大暖房状態
が設定されて、2層流モードが設定されたときは、図8
の風量制御 なお、フェイス吹出モードでは、図2にお
いて、温風バイパスドア22、デフロスタドア26、お
よびフットドア310がすべて閉塞位置となり、フェイ
スドア31のみがフェイス開口部28の全開位置に操作
される。そして、両エアミックスドア17、18をヒー
タコア13への空気流入路を全閉する最大冷房位置(2
点鎖線位置)に操作すれば、蒸発器12で冷却された冷
風をすべてバイパス通路16を通過して、フェイス開口
部28側へ吹き出すことができる。
【0050】そして、両エアミックスドア17、18を
最大冷房状態から最大暖房側へ任意の量回動操作するこ
とにより、フェイス吹出モードにおける吹出空気温度を
任意に調整できる。また、バイレベル吹出モードでは、
上記フェイス吹出モードに対して、フットドア310を
開放位置に操作することにより、フェイス開口部28側
への空気通路とフット開口部29、33側への空気通路
を同時に開放できる。これにより、冷風バイパス通路1
6からの冷風が主にフェイス開口部28側へ流れ、第1
温風通路19aからの温風が主にフット開口部29、3
3側へ流れるので、フェイス開口部28側の吹出温度を
フット開口部29、33側の吹出温度より低くして、頭
寒足熱の吹出温度分布を得ることができる。
【0051】また、デフロスタ吹出モードでは、ドア3
1、310、22がすべて閉塞位置に操作され、デフロ
スタドア26のみがデフロスタ開口部25の全開位置に
操作される。従って、両エアミックスドア17、18の
回動位置により温度調整された温風をデフロスタ開口部
25に流して、窓ガラスの曇り止めを行うことができ
る。
【0052】図3は空調制御の概要を示すシステム図で
あり、空調用電子制御装置50はマイクロコンピュータ
等から構成されるものであって、周知のセンサ群51か
らの各種センサ信号および図示しない空調操作パネルに
設けられた操作部材群52からの各種操作信号が入力さ
れる。空調用電子制御装置50によって制御される空調
用の各種機器のうち、53は第1内外気切替ドア4およ
び第2内外気切替ドア5をリンク機構を介して駆動する
サーボモータ、54は主エアミックスドア17、および
補助エアミックスドア18を連動して駆動するサーボモ
ータで、このサーボモータ54は両エアミックスドア1
7、18を駆動する所定の回転角範囲を越えた最大暖房
側の領域で温風バイパスドア22を駆動する。55はデ
フロスタドア26、フェイスドア31、およびフットド
ア310を連動して駆動するサーボモータである。
【0053】空調用電子制御装置50は予め設定されR
OMに記憶されているプログラムに基づいて、各入力信
号に対する演算処理を行って、空調用の各種機器(上述
したドア等)の作動を制御するもので、本第2実施形態
に関連する制御部分のみを抽出して説明すると、56は
車室内を設定温度に維持するために必要な目標吹出空気
温度TAOを算出する第1算出手段で、予めROMに記
憶された下記数式1に基づいて、車室内への目標吹出温
度TAOを算出する。
【0054】
【数1】TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts +C なお、Tset は空調操作パネルの温度設定用操作部材に
よる設定温度、Tr は内気温センサの検出する内気温、
Tamは外気温センサの検出する外気温、およびTs は日
射センサの検出する日射量である。また、Kset 、Kr
、Kam、およびKs はゲイン、Cは補正用の定数であ
る。
【0055】57は送風ファン用電動モータ42の制御
手段で、予めROMに記憶されたマップに基づいて、上
記TAOに対応するファンモータ電圧を決定して、モー
タ42に印加する。58はエアミックスドア17、18
の目標開度を決めるための温度制御演算値SWを算出す
る第2算出手段で、この温度制御演算値SWを、予めR
OMに記憶された下記数式2に基づいて算出する。
【0056】
【数2】 SW=〔(TAO−Te )/(Tw −Te )〕×100 (%) ここで、Tw は水温センサにより検出されるヒータコア
13への流入温水温度(水温)、Te は蒸発器吹出空気
温センサにより検出される、蒸発器12の吹出空気温度
である。
【0057】59は内外気切替ドア4、5駆動用のサー
ボモータ53の制御手段で、予めROMに記憶されたマ
ップに基づいて、上記温度制御演算値SWに対応してサ
ーボモータ53の通電を制御しモータ回転角を決定す
る。60はエアミックスドア17、18および温風バイ
パスドア22駆動用のサーボモータ54の制御手段で、
予めROMに記憶されたマップに基づいて、上記温度制
御演算値SWに対応してサーボモータ54の通電を制御
しモータ回転角を決定する。
【0058】61は吹出モードドア26、31、310
駆動用のサーボモータ55の制御手段で、予めROMに
記憶されたマップに基づいて、上記目標吹出空気温度T
AOに対応してサーボモータ55の通電を制御しモータ
回転角を決定する。次に、図4は本例における、上記温
度制御演算値SWに対応したドア制御内容を例示するも
ので、デフロスタ吹出モードを除く、それ以外の吹出モ
ードにおいて図4のごとく各ドアが制御される。但し、
フェイスモード、およびバイレベルモードでは、最大暖
房モードは不要であるので、温度制御演算値SWがSW
2未満の領域(SW<SW2)で、各ドアが制御され
る。
【0059】図4のドア制御について具体的に述べる
と、温度制御演算値SWがSW1以下のときは、エアミ
ックスドア17、18が冷風バイパス通路16を全開
し、ヒータコア13への通風路を全閉する最大冷房位置
に操作される。そして、この際、本例では、温風バイパ
スドア22は入口部21を閉塞する通常位置に操作さ
れ、また、本例では、内外気切替ドア4、5は、内気導
入口2、2aをともに閉塞し、外気導入口3を開放する
全外気モードの位置に操作される。
【0060】温度制御演算値SWがSW1を越えると、
温度制御演算値SWがSW2(SW1に比して十分大き
な値)に到達するまでの間は、温風バイパスドア22は
入口部21を閉塞する通常位置に保持される。また、第
1、第2内外気切替ドア4、5は全外気モードの位置を
保持する。一方、エアミックスドア17、18はこの
間、ヒータコア13への通風路の開度を連続的に増大さ
せて、吹出空気温度を上昇させていく。
【0061】温度制御演算値SWがSW2に到達する
と、エアミックスドア17、18が冷風バイパス通路1
6を全閉し、ヒータコア13への通風路を全開する最大
暖房位置に操作される。しかし、温風バイパスドア22
は依然として入口部21を閉塞する通常位置に保持さ
れ、また、第1、第2内外気切替ドア4、5は全外気モ
ードの位置を保持する。
【0062】そして、温度制御演算値SWがSW2より
若干量大きいSW3に到達すると、先ず、温風バイパス
ドア22が通常位置から、上記所定作動範囲aのうち途
中部位の中間位置(図2中一点鎖線位置)に移動して、
温風バイパスドア22をこの中間部位にて一旦停止させ
る。そして、この停止は、温度制御演算値SWが大きく
なって、SW4になるまで継続される。温度制御演算値
SWがSW4となると、温風バイパスドア22の作動を
再開して、温風バイパスドア22を2層流位置に移動す
る。つまり、温風バイパスドア22は、入口部21を開
き、第1温風通路19aを第1、第2空気通路8、9に
仕切る位置に移動する。このとき、第1、第2内外気切
替ドア4、5はまだ全外気モードの位置を保持している
ので、ヒータコア13下流側で内外気が一時的に混合す
るという事態は生じない。
【0063】さらに、温度制御演算値SWがSW4より
増大してSW5に到達すると、第1内外気切替ドア4が
第1内気導入口2を全開し、連通路43を全閉する。な
お、第2内外気切替ドア5は、SW>SW1の範囲では
常に外気導入口3を開いた状態に保持されているので、
SW>SW5となったときに始めて、送風機ユニット1
の内外気導入部は内外気2層流位置となる。つまり、温
風バイパスドア22が通常位置から、2層流位置に切り
替わるタイミング(SW4)より送風機ユニット1の内
外気導入部が内外気2層流位置となるタイミング(SW
5)の方が遅れている。
【0064】逆に、2層流モードから全外気モードに切
り替わる場合は、SW5の時点で、まず、送風機ユニッ
ト1の内外気導入部において、第1内外気切替ドア4が
全外気位置に移動し、その後、SW4の時点で、第2内
外気切替ドア5が第1内気導入口2を全閉し、連通路4
3を全開するので、送風機ユニット1の内外気導入部が
全外気モードに切り替わる。
【0065】しかし、このとき、温風バイパスドア22
は依然として2層流位置を保持しているので、ヒータコ
ア13下流側で内外気が一時的に混合するという事態は
生じない。そして、その後、SW4の時点で、温風バイ
パスドア22が中間位置まで移動し、さらにSW3の時
点で、中間位置より通常位置に復帰する。そして、この
ように温風バイパスドア22を開閉するときには、温風
バイパスドア22を所定作動範囲aの途中部位にて一旦
停止させるようにしたのは、以下のような理由がある。
【0066】すなわち、温風バイパスドア22を開閉す
るということは、通風経路が変更されるということであ
るため、リアフット吹出口33に送風される空調風の風
量、およびフロントフット吹出口29に送風される空調
風の風量が変化する。例えば、リアフット吹出口33に
は、2層流モードである場合は、図1中矢印C1で示す
ようにヒータコア13を通過した温風が流れやすい。し
かし、全外気モードである場合は、温風バイパスドア2
2が閉じるため、リアフット吹出口33には第1温風通
路19aを流れたのち、Uターンしてさらに上方から下
方に向けて第2温風通路30を流れた温風が流れ込む。
【0067】従って、上述した温風バイパスドア22を
中間位置にて停止させずに、2層流モードと全外気モー
ドとを切り換えると、空調風の風量や吹出温度が大きく
変化する。そこで、本例では、この場合に温風バイパス
ドア22を中間位置に一旦停止させることで、空調風の
風量の変化、および吹出温度の変化を緩やかにすること
ができる。
【0068】なお、図5に本発明者らが検討した検討装
置(上述の先願装置)と、本発明装置との風量変化の挙
動を示すが、これを見て分かるように本発明装置の方
が、検討装置より風量の変化が緩やかになっていること
が分かる。但し、図5中〜は、図4におけるタイミ
ングを表したものである。 (第2実施形態)本例では、上記第1実施形態と比べ
て、第2温風通路30に電気式加熱手段である補助ヒー
タ333を設置したことが異なる。この補助ヒータ33
3は、負の温度抵抗特性を有し、所定温度となると抵抗
値が増大して、発熱量を自己制御する電気素子(PT
C)であり、周知のものである。
【0069】そして、この補助ヒータ333への通電
は、上記2層流モード時のみに施される。つまり、2層
流モードでは、第2温風通路30を流れる温風は、フロ
ントフット吹出口29に流れるため、補助ヒータ333
で温められた温風(内気)は、車室内の前席側に送風さ
れる。次に上記補助ヒータ333の通電制御のタイミン
グについて図7を用いて説明する。なお、図7は、図4
に補助ヒータ333の通電遮断のタイミングを追加した
ものである。また、図6に示すように補助ヒータ333
への通電遮断のタイミングは、空調用電子制御装置50
にて制御される。
【0070】そして、補助ヒータ333は、温度制御演
算値SWが上記SW5より大きいSW6となると、通電
が開始(ON)され、温度制御演算値SWがSW6より
小さくなると、通電が遮断されるようになっている。つ
まり、補助ヒータ333は、最大暖房状態が解除され
て、2層流モードから、全外気モードに切り換わる前
で、2層流モードが設定されているときに通電が遮断さ
れるようになっている。
【0071】具体的には、補助ヒータ333は、第1内
外気切替ドア4が2層流位置から全外気位置となる前
に、通電が遮断される。このようにした理由を以下に説
明する。先ず、補助ヒータ333にて十分に空調風を加
熱するためには、大きな電力を消費するため、本当にヒ
ータコア13での暖房能力では賄えないときにのみに使
用すべきである。このため、補助ヒータ333は、上記
2層流モードにおいてのみ使用されるべきである。すな
わち、2層モード以外のときに補助ヒータ333を使用
して暖房能力を稼ぐのであれば、2層流モードとして、
電力を消費せずに暖房能力を向上した方が良い。
【0072】また、例えば、第1内外気切替ドア4が全
外気位置に切り換わると同時、つまりSW5時点にて、
補助ヒータ333の通電を遮断すると、以下のように問
題がある。つまり、補助ヒータ333は、2層流モード
で比較的高温な内気を加熱している。したがって、この
際、2層流モードから全外気モードへ切り換えると、低
温な外気が第2温風通路30を流れるため、吹出温度が
急激に低下する。そして、このタイミングSW5で補助
ヒータ333の通電の遮断をも同時に行うと、吹出温度
の変動がさらに大きくなる。
【0073】このため、本例では、2層流モードにおい
て、温度制御演算値SWがSW6となるとき、つまり全
外気モードに切り換わる前に、先ず補助ヒータ333へ
の通電を遮断し、その後温度制御演算値SWがSW5を
なったときに、始めて全外気モードとしている。これに
より、本例では、吹出温度の変動をさらに緩やかにでき
る。
【0074】(変形例)上記実施形態では、温風バイパ
スドアを2層流モードが切換可能な空調装置に適用した
が、本発明は、空調ケース内を2つの通路に仕切らない
一般的な車両用空調装置にも適用できる。また、上記各
実施形態では、温風バイパスドアが可動仕切り部材とな
って、2層流モードを達成するようにしたが、温風バイ
パスドアを使用せずに固定仕切り部材を用いて、2層流
モードを達成するようにしても良い。
【0075】また、上記各実施形態では、冷風と温風と
の混合させて吹出温度を調整するエアミックスタイプの
ものについて説明したが、本発明は、ヒータコア13に
供給される温水量を調整するものであっても良いし、ヒ
ータコア13に供給される温水の温度を調整するものに
も適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における内外気ユニットの構
成図である。
【図2】上記実施形態における車両用空調装置の空調ユ
ニットの構成図である。
【図3】上記実施形態における車両用空調装置の制御系
を表す図である。
【図4】上記実施形態における車両用空調装置の制御内
容を表す作動図である。
【図5】上記実施形態における風量変化を表す図であ
る。
【図6】本発明の第2実施形態における車両用空調装置
の構成図である。
【図7】上記第2実施形態における車両用空調装置の制
御内容を表す作動図である。
【符号の説明】
11…空調ケース、13…ヒータコア、17、18…エ
アミックスドア、19a…第1温風通路、21…入口
穴、22…温風バイパスドア、29…フロントフット開
口部、30…第2温風通路、33…リアフット開口部、
50…電子空調制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村木 俊彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 廣瀬 勝敏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調ケース(11)内の空調空気を加熱
    する暖房用熱交換器(13)と、 この暖房用熱交換器(13)による空調空気の加熱量を
    調整して空気温度を調整する温度調整手段(17、1
    8)と、 車室内乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口に
    接続されるフット開口部(29、33)と、 前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を前記フッ
    ト開口部(29、33)に導く第1の温風通路(19
    a)と、 前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風を、前記第
    1の温風通路(19a)をバイパスして前記フット開口
    部(29、33)に直接導く第2の温風通路(30)
    と、 この第2の温風通路(30)の入口部(21)を開閉す
    るために所定作動範囲作動する温風バイパスドア(2
    2)とを備えた車両用空調装置であって、 前記温風バイパスドア(22)を前記所定作動範囲作動
    させて、前記入口部(21)を開閉するときには、前記
    温風バイパスドア(22)を前記所定作動範囲の途中部
    位にて一旦停止させることを特徴とする車両用空調装
    置。
  2. 【請求項2】 前記空調ケース内へ導入される内気導入
    量および外気導入量を作動制御する内外気切替ドア部材
    (4、5)と、 車両窓ガラス内面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ
    吹出口に接続されるデフロスタ開口部(25)を有し、 前記フット開口部(29、33)と前記デフロスタ開口
    部(25)の両方を同時に開口する吹出モードにおい
    て、前記加熱量が最大となる位置に前記温度調整手段
    (17、18)が操作される最大暖房状態が設定された
    ときには、 前記空調空気の通路は、 前記内外気切替ドア部材(4、5)を作動させることで
    導入された内気を前記フット開口部(29、33)に導
    く第1空気通路(8)と、前記内外気切替ドア部材
    (4、5)を作動させることで導入された外気を前記デ
    フロスタ開口(25)に導く第2空気通路(9)とに区
    画形成されるようになっており、 前記第1空気通路(8)と前記第2空気通路(9)と
    は、前記温風バイパスドア(22)を前記入口部(2
    1)が開放するように作動させることで、前記第1の温
    風通路(19a)が2つに区画されることにより形成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記2層流モードにおいて、前記第1空
    気通路(8)を流れる内気を加熱する電気式加熱手段を
    有し、 前記電気式加熱手段は、前記2層流モードが設定されて
    いる状態において、通電が施されて内気を加熱するよう
    になっており、 さらに前記電気式加熱手段は、前記吹出モードにおい
    て、前記最大暖房状態が解除されて、前記2層流モード
    から、前記空調ケース内に外気のみが導入される全外気
    モードに切り換わる前で、前記2層流モードが設定され
    ているときに通電が遮断されることを特徴とする請求項
    1または2記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記暖房用熱交換器(13)をバイパス
    して空調空気を流す冷風バイパス通路(16)と、 この冷風バイパス通路(16)からの冷風と前記第1の
    温風通路(19a)からの温風とを混合させる冷温風混
    合空間(20)とを備え、 前記温度調整手段は、前記暖房用熱交換器(13)を通
    過する風量と前記冷風バイパス通路(16)を通過する
    風量との風量割合を調節するエアミックスドア(17、
    18)であることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れか1つに記載の車両用空調装置。
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