JP2004195892A - フランジ鋼板付きゴム鋼板積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム鋼板積層構造体のゴム層とフランジ鋼板との接着面の外周近傍での接着力を向上して、この部分に生じ易い剥離・亀裂の発生を防止したゴム鋼板積層構造体を提供する。
【課題を解決する手段】上下端部がゴム層となるようにゴム層と内部鋼板とを交互に複数層積層してゴム鋼板積層体を作製し、この上下端のゴム層にフランジ鋼板3,3’を接着したゴム鋼板積層構造体10であって、フランジ鋼板3,3’のゴム層1’、1”と接着される面が金属メッキが施され、その金属メッキの上にブラスト処理が施されて、表面粗さがピークカウント数で28〜80である。
【選択図】 図1
【課題を解決する手段】上下端部がゴム層となるようにゴム層と内部鋼板とを交互に複数層積層してゴム鋼板積層体を作製し、この上下端のゴム層にフランジ鋼板3,3’を接着したゴム鋼板積層構造体10であって、フランジ鋼板3,3’のゴム層1’、1”と接着される面が金属メッキが施され、その金属メッキの上にブラスト処理が施されて、表面粗さがピークカウント数で28〜80である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、建物とその基礎との間に装着される免震装置や、橋桁と橋脚との間に装着される支承装置に使用される上下端にフランジ鋼板を設けたゴム鋼板積層体であるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
免震装置や支承装置として使用されるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体(ゴム鋼板積層構造体ともいう)は、図2(a)に平面図を示し、図2(b)に一部断面で表す側面図を示すように、ゴム鋼板積層体17を上下端より挟んでフランジ鋼板3,3’を接着している。ゴム鋼板積層体17は内部鋼板2と未加硫のゴム層1を交互に積層し上下端部がゴム層1’、1”となるように成形され、このゴム層1’、1”にフランジ鋼板3,3’の接着面4,4’を重ね合わせて加圧・加熱して加硫接着している。フランジ鋼板3,3’と接着するゴム層1’、1”の外周部には、フランジ鋼板3,3’に沿ってその半径方向外側に拡がる延出部16、16’が形成されている。なお、このゴム鋼板積層構造体10の中心軸部には、鉛などの振動エネルギー吸収材が充填される貫通孔21が設けられている。
【0003】
また、接着面4,4’には下地処理として、サンドブラスト、サンドペーパー、ワイヤーブラシなどにより粗面化し、汚れを取り除くと共に接着面に凹凸を形成してアンカー効果を出し、この下地処理した面に接着剤を塗布している。なお、フランジ鋼板3,3’には、建物やその基礎などに、例えばボルトなどで固定するための取り付け孔11が設けられている。
【0004】
上記ゴム鋼板積層構造体は、例えば建物とその基礎の間、または橋桁と橋脚と間に取り付けられる免震装置または支承装置(免震装置等とも云う)として、高湿度環境下で長期間使用されることも多く、露出しているフランジ鋼板の防錆処理が求められている。このフランジ鋼板の防錆処理としては、下地接着処理として金属板の接着面に、結晶サイズ0.1〜10μmの燐酸亜鉛、燐酸亜鉛カルシウム等の燐酸系化成被膜を形成する下地接着処理が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、燐酸系被膜を形成する場合、高価な材料を使用し特別な工程を必要とするために高価となり、しかも防錆耐久性が十分でないという問題がある。また、耐腐食性を改善するためにフランジ鋼板に亜鉛、クロム等の金属メッキを施すという方法もあるが、ゴム層とフランジ鋼板の金属メッキ面との接着力が充分でないという問題があり、実用化に至っていない。
【0006】
特に、免震装置等として使用されるゴム鋼板積層構造体10は、地震等の際、図6に示すように、垂直方向の面圧wが掛かった状態で水平方向の剪断変形mが加えられる。これによりフランジ鋼板3’と接着するゴム層1”の一方の延出部16’は強く圧縮され、反対側の延出部16は伸張される。剪断変形mが反対方向に加えられると延出部16’は伸張され、延出部16は圧縮される。このように、フランジ鋼板3’と接着するゴム層1”の延出部16,16’に集中して大きな繰り返し剪断変形mが加えられると、この延出部16,16’で接着剥離を生じやすく、剥離部分より水が侵入し、錆劣化を引き起こすことがある。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−126884号公報(段落番号0009)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みフランジ鋼板に防錆処理として金属メッキを施した場合でも、接着部、特に、フランジ鋼板と接着するゴム層の延出部で完全に接着でき、更に、水分の侵入による腐食劣化を防止することができるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために請求項1に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体は、ゴム層と内部鋼板とを交互に複数層積層したゴム鋼板積層体の上下端となるゴム層にフランジ鋼板を接着してなるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体であって、前記フランジ鋼板の前記ゴム層と接着される面に金属メッキが施され、その上に、ピークカウント数で表す表面粗さが28〜80となるようにブラスト処理されていることを特徴とする。
【0010】
この構成、即ち、防錆のために平滑な面に形成した金属メッキ面の上に更にブラスト処理して表面を粗面とする手段により、フランジ鋼板の防錆効果とともに、フランジ鋼板とゴム層との接着力が大幅に向上した。また、理由は必ずしも明確ではないがピークカウント数が10mmあたり28未満であるとメッキ面の総表面積が十分に確保できず、80を超えると凹部の深さ不足となりアンカー効果が充分に発現できなくなり、いずれの場合も充分な接着力が得られにくい。
【0011】
この表面粗さを確保するために、金属メッキ面に施すブラスト処理が、一粒当たりの平均重量(一粒平均重量ともいう)が0.08mg以上であって80mg以下であるブラスト材により処理されていることが必要である。0.08mg未満では充分な表面粗さが得られずゴム層との接着力が充分に向上しない、また、80mgを超えると表面粗さが大きくなりすぎてまた接着力は低下する。作用は明確ではないが、粒径とショット時の衝撃の大きさによると考えられる。
【0012】
請求項2に記載のゴム鋼板積層構造体は、前記金属メッキが溶融亜鉛メッキであることを特徴とする。溶融亜鉛メッキは汎用的な金属メッキであるがゴムと接着しにくい欠点があるが、上記構成を取ることにより接着力が向上する。また、溶融亜鉛メッキはブラスト処理に耐えられる厚いメッキ層を容易に形成することができる。
【0013】
請求項3に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体は、前記フランジ鋼板の金属メッキされた面の一部であってブラスト処理が施されている範囲が、少なくとも、フランジ鋼板に接着するゴムの延出部の外周より半径方向外側に10mmから半径方向内側に前記内部鋼板の外径に相当する位置までの環状範囲であることを特徴とする。
【0014】
このように、フランジ鋼板に接着するゴムの延出部の外周を含む所定の範囲をブラスト処理して充分に接着することにより、面圧がかかった状態での水平変位による集中応力に対する抵抗が増し、剥離が生じにくくなる。ブラスト処理する範囲をフランジ鋼板に接着するゴムの延出部の外周より外側に10mm程度、内側に内部鋼板の外径に相当する位置までとするのは、加硫収縮によりゴム延出部の形状が変化し、ブラスト処理をされていない部分から剥離する現象を生じにくくするためである。このようにブラスト処理する範囲を限定することにより、ブラスト処理コストを抑え、接着力を向上することができる。
【0015】
請求項4に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体は、免震装置または支承装置であることを特徴とする。免震装置、支承装置に用いられるゴム鋼板積層構造体は、高湿度環境下で長期間使用されることが多く、フランジ鋼板とゴム層との接着面の外周部に圧縮、伸張する繰り返し応力が強く掛かり、上記ゴム鋼板積層構造体の特長を有効に活用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係るゴム鋼板積層構造体の接着構造を説明する。図1は、本発明に係るゴム鋼板積層構造体の下側のフランジ鋼板3の平面図であり、ゴム鋼板積層体のゴム層と接着する側の面を示す。この面には、高湿度の雰囲気中で長期間使用しても腐食しないように金属メッキされ、また、フランジ鋼板3と接着するゴム層(延出部)の外周20(破線円で示す)の内側が接着する範囲となる(貫通孔21の部分を除く)。金属メッキとしては、溶融亜鉛メッキ、無電解ニッケルメッキ、硬質クロムメッキ等を挙げることができる。比較的厚いメッキ層が得られ、汎用性がある点で溶融亜鉛メッキが好ましく用いられる。本発明においては、フランジ鋼板3のこの金属メッキ面にブラスト処理を施して接着の向上を図っている。ブラスト処理による接着効果を確認するために、ブラスト材の材質、一粒平均重量を変化させて試験片を作成し、剥離試験を行ってゴム凝集面積率を測定し接着力向上の効果を確認した。以下に各実施例、比較例を説明する。
〔実施例1〕
図3に斜視図を示すように、試験片50は、試験用鋼板51、51’の接着面53,53’に、100ミクロンの溶融亜鉛メッキを施し、塩化エチレンに1分間浸漬し、取り出して布で拭きあげる脱脂処理をした後、ブラスト処理をしている。なお、試験用鋼板51,51’は、材質=SS−400、厚さ=2.6mm、幅=25mmであって、長さは60mmであり長さ25mmの接着面(試験用ゴムを接着する面)を有する。
【0017】
ブラスト処理は、図4に概念図を示すように、表1に記載のブラスト材61を、ショットガン60により、エアー圧4kg/cm2、ノズル65と接着面53の間隔d=30cm、衝突角度θ=45°で20秒間ブラストしている。なお、表1に記載の一粒平均重量は、真比重と平均粒径とにより次式で算定する。
【0018】
一粒平均重量=(平均粒径/2)3×4π/3×真比重
ブラスト処理した接着面のブラスト効果を確認するために、ブラスト面のピークカウント数を測定した。ピークカウント数はブラスト面の単位長さ(10mm)当たりのピーク(突出部)の数をいい、図5にブラスト面の部分断面拡大図を示すように、単位長さD(10mm)の間のピークpをカウントする。カウント方法は隣り合うピークp、p’の間隔(sm)を測定し、ピークカウント=1/smで計算することもできる。測定機はミツトヨ社製、商品名:サーフテスト501を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0019】
この接着面53.53’には、プライマーとしてシランカップリング剤を塗布し乾燥した後、フェノール系ゴム用接着剤を乾燥後厚さが15ミクロンになるように塗布した上にハロゲン化ポリマーゴム用加硫接着剤を乾燥後厚さが15ミクロンになるように塗布した(以上の接着剤は、ロード社製、商品名ケムロック)。
【0020】
この試験用鋼板51,51’の接着面53,53’を向かい合わせて、その間に未加硫のゴム材料52を挟んで、温度=150℃、面圧=20kg/cm2で1000分間加硫接着する。なお、未加硫のゴム材料52は、天然ゴムを主体としカーボンブラック、加硫剤等のゴム配合剤を混練りして厚さ=5mm、幅=25mm、長さ=25mmのシートとしたものを用いた。
【0021】
このように作成された試験片50を、剥離試験機(引張り試験機) に取り付け、引張り速度50mm/minで引張り、引張り破断強度(TB),引張り破断伸び(EB)を測定すると共に、剥離後のゴム接着面(25mm×25mm)を目視観察してゴム凝集面積率(残留ゴムの付着面積をゴム接着面積で除した百分率)を測定した。結果を表1に示す。
【0022】
〔実施例2〜6〕
ブラスト材としてアルミナとスチールとの何れかを用い、一粒平均重量を56.4〜0.08mgとした以外は実施例1と同様に試料を作成し、実施例1と同様に試験片を作成した。実施例1と同様に評価して結果を表1に示す。
【0023】
〔比較例1、2〕
一粒平均重量を188.5mgまたは123.9mgと大きくした以外は実施例1と同様に試料を作成し、実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0024】
〔比較例3〕
ブラスト材の材質としてスチールを用い、一粒平均重量を89.6mgと小さくした以外は実施例1と同様に資料を作成し、実施例1と同様に評価して結果を表1に示す。
【0025】
〔比較例4〕
試験用鋼板は実施例1と同様に溶融亜鉛メッキを施しているが、ブラスト処理はしていない。このブラスト処理していない試験用鋼板に接着剤処理して実施例1と同じゴム材料を、実施例1と同様に加硫接着して試験片として、実施例1と同様に評価した結果を表1に示す(ピークカウントは測定せず)。
【0026】
注1:フランジ鋼板のゴム層と接着する面の金属メッキは、実施例1〜6及び比較例1〜4は溶融亜鉛メッキであり、実施例7は無電解ニッケルメッキである。
【0027】
表1から明らかなように、フランジ鋼板に金属メッキを施した上に、ブラスト処理して、ピークカウント数で評価した表面粗さを28〜80にしたものは、剥離試験後の接着面のゴム凝集面積率が100%で、ゴム層とフランジ鋼板との接着界面での剥離は認められない。一方、金属メッキを施した上に粗面化せずゴムを接着させた比較例4は、剥離後のゴム凝集面積率が0で上記接着界面で剥離している。また、金属メッキを施した上にブラスト処理を施してもピークカウント数で評価した表面粗さで28未満の比較例1〜3は一部しかゴムが付着しておらず接着力(TBで評価)も弱い。
【0028】
なお、ブラスト処理を施してピークカウントが80を超えた表面粗さを得ることは技術的に困難である。
【0029】
上記実施例を基にフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体で検証実験を行い、これを図2(b)を参考に説明する。ゴム鋼板積層体17としては、厚み5.7mmの天然ゴム配合ゴムであるゴム層1、1’、1”を28層と、厚み4.3mmで外径(矢印a)800mmの接着処理をした内部鋼板2を27層とを交互に積層し、被覆ゴム部18を含めたゴム鋼板積層体17の積層部の外径(矢印b)を820mmとし、中心部に内径40mmの貫通孔21を有するものを用いた。フランジ鋼板3,3’と接着する面の延出部16、16’に、別途配合の高伸張率ゴムを配した。この延出部16,16’の外径を矢印cで示す。
【0030】
フランジ鋼板3,3’としては、厚み36mmで外径1200mmであって、中心部に内径140mmで深さ10mmの凹部を設けたものを用いた。ゴム鋼板積層体17と接着する面4,4’に、厚さ約0.1mmの溶融亜鉛メッキを施した。この溶融亜鉛メッキの上に、
▲1▼ブラスト処理を、メッキ面全体に施したもの、
▲2▼ブラスト処理を、フランジ鋼板3,3’の中心を中心とする直径860mm〔矢印d、延出部16,16’の半径方向外側に矢印y(10mm)だけ拡げている〕の円と、内部鋼板の外径aに相当する直径800mmの円との間(矢印x)の環状範囲〔図1の斜線部分(B)参照〕のみに施したもの、及び
▲3▼ブラスト処理をしない従来のものとの3種類を用意した。
【0031】
フランジ鋼板3,3’のブラスト処理面を脱脂洗浄し、プライマー(ロード社製、商品名ケムロック205)を塗布し乾燥した後、加硫接着剤(ロード社製、商品名ケムロック220)にチウラムジスルフィルド系加硫促進剤を接着固形分100重量部に対し10重量部配合した接着剤を塗布し、100℃で30分焼き付けした後、加硫金型に収容した未加硫のゴム鋼板積層体を挟み込んで、150℃で8時間加硫接着して、フランジ鋼板付きゴム鋼板積層体を得た。
【0032】
得られたフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体10を、面圧14.7MPaを掛けた状態で、左右水平方向に±300%の変位を、5サイクル加えた後、前記延出部の接着剥離および亀裂の有無を目視チェックした。
【0033】
上記ブラスト範囲を変えた▲1▼及び▲2▼は共に、接着剥離も亀裂も観察されず良好なものであった。しかし、ブラスト処理をしていない▲3▼のものは、フランジ鋼板3,3’と延出部16との間に接着剥離が認められた。
【0034】
なお、上記▲2▼のブラスト処理を環状範囲とする場合には、内部鋼板の外周の相当する位置より半径方向内側は金属メッキを施さないこともできる。これによって金属メッキのコストは低減できるできる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体には、次のような効果がある。請求項1に記載のゴム鋼板積層体では、フランジ鋼板のゴム積層面を金属メッキを施した上にブラスト処理することにより接着力が大幅に改善され、剥離試験した鋼板にゴムが凝集してくっついており殆ど100%に近い接着である。
【0036】
ブラスト材の一粒平均重量を所定範囲(0.08〜80mg)とすることにより、形成されるブラスト面の表面粗さ(ピークカウント数)が所定範囲(28〜80個)となり、この試験用鋼板にゴム層を積層して加圧、加熱して接着するとゴム凝集面積率が100%となる。
【0037】
なお、請求項2に記載のように、前記金属メッキを溶融亜鉛メッキとすることにより、前記のブラスト処理に耐える金属メッキを容易に施すことができる。
【0038】
また、請求項3に記載のように、フランジ鋼板のゴム層との接着面の外周近傍を所定範囲だけブラスト処理した場合も全面ブラスト処理と変わらず、免震装置等として剪断応力がかけられても剥離することがないゴム鋼板積層構造体を作製できる。
【0039】
請求項4に記載のゴム鋼板積層構造体は、免震装置または支承装置であり、ゴム層と鋼板との接着面外周部にある延出部が強靱な接着力を有する本発明のゴム鋼板積層構造体が有効に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴム鋼板積層構造体の下側フランジ鋼板の平面図であり、斜線部分Bはゴム鋼板接着面の外周20近傍の環状範囲のみをブラスト処理する位置を示す。
【図2】本発明に係る免震装置の概要を示し、図1(a)は平面図であり、図1(b)は側面図(一部断面)である。
【図3】ゴム層と鋼板との接着力(ゴム凝集面積率)を測定する試験片の斜視図である。
【図4】メッキ面をブラスト処理する条件を説明する概念図である。
【図5】本発明の評価項目であるピークカウントの測定方法を説明する試験用鋼板の断面拡大図である。
【図6】本発明に係るゴム鋼板積層構造体に剪断力fが掛けられた場合の変形状況を示す断面図である。
【符号の説明】
3、3’:フランジ鋼板
10:ゴム鋼板積層構造体
16,16’:延出部
17:ゴム鋼板積層体
20:接着面の外周
50:試験片
51:試験用鋼板
52:ゴム材料
53、53’:接着面
60:ショットガン
61:ブラスト材
63:溶融亜鉛メッキ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、建物とその基礎との間に装着される免震装置や、橋桁と橋脚との間に装着される支承装置に使用される上下端にフランジ鋼板を設けたゴム鋼板積層体であるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
免震装置や支承装置として使用されるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体(ゴム鋼板積層構造体ともいう)は、図2(a)に平面図を示し、図2(b)に一部断面で表す側面図を示すように、ゴム鋼板積層体17を上下端より挟んでフランジ鋼板3,3’を接着している。ゴム鋼板積層体17は内部鋼板2と未加硫のゴム層1を交互に積層し上下端部がゴム層1’、1”となるように成形され、このゴム層1’、1”にフランジ鋼板3,3’の接着面4,4’を重ね合わせて加圧・加熱して加硫接着している。フランジ鋼板3,3’と接着するゴム層1’、1”の外周部には、フランジ鋼板3,3’に沿ってその半径方向外側に拡がる延出部16、16’が形成されている。なお、このゴム鋼板積層構造体10の中心軸部には、鉛などの振動エネルギー吸収材が充填される貫通孔21が設けられている。
【0003】
また、接着面4,4’には下地処理として、サンドブラスト、サンドペーパー、ワイヤーブラシなどにより粗面化し、汚れを取り除くと共に接着面に凹凸を形成してアンカー効果を出し、この下地処理した面に接着剤を塗布している。なお、フランジ鋼板3,3’には、建物やその基礎などに、例えばボルトなどで固定するための取り付け孔11が設けられている。
【0004】
上記ゴム鋼板積層構造体は、例えば建物とその基礎の間、または橋桁と橋脚と間に取り付けられる免震装置または支承装置(免震装置等とも云う)として、高湿度環境下で長期間使用されることも多く、露出しているフランジ鋼板の防錆処理が求められている。このフランジ鋼板の防錆処理としては、下地接着処理として金属板の接着面に、結晶サイズ0.1〜10μmの燐酸亜鉛、燐酸亜鉛カルシウム等の燐酸系化成被膜を形成する下地接着処理が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、燐酸系被膜を形成する場合、高価な材料を使用し特別な工程を必要とするために高価となり、しかも防錆耐久性が十分でないという問題がある。また、耐腐食性を改善するためにフランジ鋼板に亜鉛、クロム等の金属メッキを施すという方法もあるが、ゴム層とフランジ鋼板の金属メッキ面との接着力が充分でないという問題があり、実用化に至っていない。
【0006】
特に、免震装置等として使用されるゴム鋼板積層構造体10は、地震等の際、図6に示すように、垂直方向の面圧wが掛かった状態で水平方向の剪断変形mが加えられる。これによりフランジ鋼板3’と接着するゴム層1”の一方の延出部16’は強く圧縮され、反対側の延出部16は伸張される。剪断変形mが反対方向に加えられると延出部16’は伸張され、延出部16は圧縮される。このように、フランジ鋼板3’と接着するゴム層1”の延出部16,16’に集中して大きな繰り返し剪断変形mが加えられると、この延出部16,16’で接着剥離を生じやすく、剥離部分より水が侵入し、錆劣化を引き起こすことがある。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−126884号公報(段落番号0009)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みフランジ鋼板に防錆処理として金属メッキを施した場合でも、接着部、特に、フランジ鋼板と接着するゴム層の延出部で完全に接着でき、更に、水分の侵入による腐食劣化を防止することができるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために請求項1に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体は、ゴム層と内部鋼板とを交互に複数層積層したゴム鋼板積層体の上下端となるゴム層にフランジ鋼板を接着してなるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体であって、前記フランジ鋼板の前記ゴム層と接着される面に金属メッキが施され、その上に、ピークカウント数で表す表面粗さが28〜80となるようにブラスト処理されていることを特徴とする。
【0010】
この構成、即ち、防錆のために平滑な面に形成した金属メッキ面の上に更にブラスト処理して表面を粗面とする手段により、フランジ鋼板の防錆効果とともに、フランジ鋼板とゴム層との接着力が大幅に向上した。また、理由は必ずしも明確ではないがピークカウント数が10mmあたり28未満であるとメッキ面の総表面積が十分に確保できず、80を超えると凹部の深さ不足となりアンカー効果が充分に発現できなくなり、いずれの場合も充分な接着力が得られにくい。
【0011】
この表面粗さを確保するために、金属メッキ面に施すブラスト処理が、一粒当たりの平均重量(一粒平均重量ともいう)が0.08mg以上であって80mg以下であるブラスト材により処理されていることが必要である。0.08mg未満では充分な表面粗さが得られずゴム層との接着力が充分に向上しない、また、80mgを超えると表面粗さが大きくなりすぎてまた接着力は低下する。作用は明確ではないが、粒径とショット時の衝撃の大きさによると考えられる。
【0012】
請求項2に記載のゴム鋼板積層構造体は、前記金属メッキが溶融亜鉛メッキであることを特徴とする。溶融亜鉛メッキは汎用的な金属メッキであるがゴムと接着しにくい欠点があるが、上記構成を取ることにより接着力が向上する。また、溶融亜鉛メッキはブラスト処理に耐えられる厚いメッキ層を容易に形成することができる。
【0013】
請求項3に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体は、前記フランジ鋼板の金属メッキされた面の一部であってブラスト処理が施されている範囲が、少なくとも、フランジ鋼板に接着するゴムの延出部の外周より半径方向外側に10mmから半径方向内側に前記内部鋼板の外径に相当する位置までの環状範囲であることを特徴とする。
【0014】
このように、フランジ鋼板に接着するゴムの延出部の外周を含む所定の範囲をブラスト処理して充分に接着することにより、面圧がかかった状態での水平変位による集中応力に対する抵抗が増し、剥離が生じにくくなる。ブラスト処理する範囲をフランジ鋼板に接着するゴムの延出部の外周より外側に10mm程度、内側に内部鋼板の外径に相当する位置までとするのは、加硫収縮によりゴム延出部の形状が変化し、ブラスト処理をされていない部分から剥離する現象を生じにくくするためである。このようにブラスト処理する範囲を限定することにより、ブラスト処理コストを抑え、接着力を向上することができる。
【0015】
請求項4に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体は、免震装置または支承装置であることを特徴とする。免震装置、支承装置に用いられるゴム鋼板積層構造体は、高湿度環境下で長期間使用されることが多く、フランジ鋼板とゴム層との接着面の外周部に圧縮、伸張する繰り返し応力が強く掛かり、上記ゴム鋼板積層構造体の特長を有効に活用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係るゴム鋼板積層構造体の接着構造を説明する。図1は、本発明に係るゴム鋼板積層構造体の下側のフランジ鋼板3の平面図であり、ゴム鋼板積層体のゴム層と接着する側の面を示す。この面には、高湿度の雰囲気中で長期間使用しても腐食しないように金属メッキされ、また、フランジ鋼板3と接着するゴム層(延出部)の外周20(破線円で示す)の内側が接着する範囲となる(貫通孔21の部分を除く)。金属メッキとしては、溶融亜鉛メッキ、無電解ニッケルメッキ、硬質クロムメッキ等を挙げることができる。比較的厚いメッキ層が得られ、汎用性がある点で溶融亜鉛メッキが好ましく用いられる。本発明においては、フランジ鋼板3のこの金属メッキ面にブラスト処理を施して接着の向上を図っている。ブラスト処理による接着効果を確認するために、ブラスト材の材質、一粒平均重量を変化させて試験片を作成し、剥離試験を行ってゴム凝集面積率を測定し接着力向上の効果を確認した。以下に各実施例、比較例を説明する。
〔実施例1〕
図3に斜視図を示すように、試験片50は、試験用鋼板51、51’の接着面53,53’に、100ミクロンの溶融亜鉛メッキを施し、塩化エチレンに1分間浸漬し、取り出して布で拭きあげる脱脂処理をした後、ブラスト処理をしている。なお、試験用鋼板51,51’は、材質=SS−400、厚さ=2.6mm、幅=25mmであって、長さは60mmであり長さ25mmの接着面(試験用ゴムを接着する面)を有する。
【0017】
ブラスト処理は、図4に概念図を示すように、表1に記載のブラスト材61を、ショットガン60により、エアー圧4kg/cm2、ノズル65と接着面53の間隔d=30cm、衝突角度θ=45°で20秒間ブラストしている。なお、表1に記載の一粒平均重量は、真比重と平均粒径とにより次式で算定する。
【0018】
一粒平均重量=(平均粒径/2)3×4π/3×真比重
ブラスト処理した接着面のブラスト効果を確認するために、ブラスト面のピークカウント数を測定した。ピークカウント数はブラスト面の単位長さ(10mm)当たりのピーク(突出部)の数をいい、図5にブラスト面の部分断面拡大図を示すように、単位長さD(10mm)の間のピークpをカウントする。カウント方法は隣り合うピークp、p’の間隔(sm)を測定し、ピークカウント=1/smで計算することもできる。測定機はミツトヨ社製、商品名:サーフテスト501を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0019】
この接着面53.53’には、プライマーとしてシランカップリング剤を塗布し乾燥した後、フェノール系ゴム用接着剤を乾燥後厚さが15ミクロンになるように塗布した上にハロゲン化ポリマーゴム用加硫接着剤を乾燥後厚さが15ミクロンになるように塗布した(以上の接着剤は、ロード社製、商品名ケムロック)。
【0020】
この試験用鋼板51,51’の接着面53,53’を向かい合わせて、その間に未加硫のゴム材料52を挟んで、温度=150℃、面圧=20kg/cm2で1000分間加硫接着する。なお、未加硫のゴム材料52は、天然ゴムを主体としカーボンブラック、加硫剤等のゴム配合剤を混練りして厚さ=5mm、幅=25mm、長さ=25mmのシートとしたものを用いた。
【0021】
このように作成された試験片50を、剥離試験機(引張り試験機) に取り付け、引張り速度50mm/minで引張り、引張り破断強度(TB),引張り破断伸び(EB)を測定すると共に、剥離後のゴム接着面(25mm×25mm)を目視観察してゴム凝集面積率(残留ゴムの付着面積をゴム接着面積で除した百分率)を測定した。結果を表1に示す。
【0022】
〔実施例2〜6〕
ブラスト材としてアルミナとスチールとの何れかを用い、一粒平均重量を56.4〜0.08mgとした以外は実施例1と同様に試料を作成し、実施例1と同様に試験片を作成した。実施例1と同様に評価して結果を表1に示す。
【0023】
〔比較例1、2〕
一粒平均重量を188.5mgまたは123.9mgと大きくした以外は実施例1と同様に試料を作成し、実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
【0024】
〔比較例3〕
ブラスト材の材質としてスチールを用い、一粒平均重量を89.6mgと小さくした以外は実施例1と同様に資料を作成し、実施例1と同様に評価して結果を表1に示す。
【0025】
〔比較例4〕
試験用鋼板は実施例1と同様に溶融亜鉛メッキを施しているが、ブラスト処理はしていない。このブラスト処理していない試験用鋼板に接着剤処理して実施例1と同じゴム材料を、実施例1と同様に加硫接着して試験片として、実施例1と同様に評価した結果を表1に示す(ピークカウントは測定せず)。
【0026】
注1:フランジ鋼板のゴム層と接着する面の金属メッキは、実施例1〜6及び比較例1〜4は溶融亜鉛メッキであり、実施例7は無電解ニッケルメッキである。
【0027】
表1から明らかなように、フランジ鋼板に金属メッキを施した上に、ブラスト処理して、ピークカウント数で評価した表面粗さを28〜80にしたものは、剥離試験後の接着面のゴム凝集面積率が100%で、ゴム層とフランジ鋼板との接着界面での剥離は認められない。一方、金属メッキを施した上に粗面化せずゴムを接着させた比較例4は、剥離後のゴム凝集面積率が0で上記接着界面で剥離している。また、金属メッキを施した上にブラスト処理を施してもピークカウント数で評価した表面粗さで28未満の比較例1〜3は一部しかゴムが付着しておらず接着力(TBで評価)も弱い。
【0028】
なお、ブラスト処理を施してピークカウントが80を超えた表面粗さを得ることは技術的に困難である。
【0029】
上記実施例を基にフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体で検証実験を行い、これを図2(b)を参考に説明する。ゴム鋼板積層体17としては、厚み5.7mmの天然ゴム配合ゴムであるゴム層1、1’、1”を28層と、厚み4.3mmで外径(矢印a)800mmの接着処理をした内部鋼板2を27層とを交互に積層し、被覆ゴム部18を含めたゴム鋼板積層体17の積層部の外径(矢印b)を820mmとし、中心部に内径40mmの貫通孔21を有するものを用いた。フランジ鋼板3,3’と接着する面の延出部16、16’に、別途配合の高伸張率ゴムを配した。この延出部16,16’の外径を矢印cで示す。
【0030】
フランジ鋼板3,3’としては、厚み36mmで外径1200mmであって、中心部に内径140mmで深さ10mmの凹部を設けたものを用いた。ゴム鋼板積層体17と接着する面4,4’に、厚さ約0.1mmの溶融亜鉛メッキを施した。この溶融亜鉛メッキの上に、
▲1▼ブラスト処理を、メッキ面全体に施したもの、
▲2▼ブラスト処理を、フランジ鋼板3,3’の中心を中心とする直径860mm〔矢印d、延出部16,16’の半径方向外側に矢印y(10mm)だけ拡げている〕の円と、内部鋼板の外径aに相当する直径800mmの円との間(矢印x)の環状範囲〔図1の斜線部分(B)参照〕のみに施したもの、及び
▲3▼ブラスト処理をしない従来のものとの3種類を用意した。
【0031】
フランジ鋼板3,3’のブラスト処理面を脱脂洗浄し、プライマー(ロード社製、商品名ケムロック205)を塗布し乾燥した後、加硫接着剤(ロード社製、商品名ケムロック220)にチウラムジスルフィルド系加硫促進剤を接着固形分100重量部に対し10重量部配合した接着剤を塗布し、100℃で30分焼き付けした後、加硫金型に収容した未加硫のゴム鋼板積層体を挟み込んで、150℃で8時間加硫接着して、フランジ鋼板付きゴム鋼板積層体を得た。
【0032】
得られたフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体10を、面圧14.7MPaを掛けた状態で、左右水平方向に±300%の変位を、5サイクル加えた後、前記延出部の接着剥離および亀裂の有無を目視チェックした。
【0033】
上記ブラスト範囲を変えた▲1▼及び▲2▼は共に、接着剥離も亀裂も観察されず良好なものであった。しかし、ブラスト処理をしていない▲3▼のものは、フランジ鋼板3,3’と延出部16との間に接着剥離が認められた。
【0034】
なお、上記▲2▼のブラスト処理を環状範囲とする場合には、内部鋼板の外周の相当する位置より半径方向内側は金属メッキを施さないこともできる。これによって金属メッキのコストは低減できるできる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体には、次のような効果がある。請求項1に記載のゴム鋼板積層体では、フランジ鋼板のゴム積層面を金属メッキを施した上にブラスト処理することにより接着力が大幅に改善され、剥離試験した鋼板にゴムが凝集してくっついており殆ど100%に近い接着である。
【0036】
ブラスト材の一粒平均重量を所定範囲(0.08〜80mg)とすることにより、形成されるブラスト面の表面粗さ(ピークカウント数)が所定範囲(28〜80個)となり、この試験用鋼板にゴム層を積層して加圧、加熱して接着するとゴム凝集面積率が100%となる。
【0037】
なお、請求項2に記載のように、前記金属メッキを溶融亜鉛メッキとすることにより、前記のブラスト処理に耐える金属メッキを容易に施すことができる。
【0038】
また、請求項3に記載のように、フランジ鋼板のゴム層との接着面の外周近傍を所定範囲だけブラスト処理した場合も全面ブラスト処理と変わらず、免震装置等として剪断応力がかけられても剥離することがないゴム鋼板積層構造体を作製できる。
【0039】
請求項4に記載のゴム鋼板積層構造体は、免震装置または支承装置であり、ゴム層と鋼板との接着面外周部にある延出部が強靱な接着力を有する本発明のゴム鋼板積層構造体が有効に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴム鋼板積層構造体の下側フランジ鋼板の平面図であり、斜線部分Bはゴム鋼板接着面の外周20近傍の環状範囲のみをブラスト処理する位置を示す。
【図2】本発明に係る免震装置の概要を示し、図1(a)は平面図であり、図1(b)は側面図(一部断面)である。
【図3】ゴム層と鋼板との接着力(ゴム凝集面積率)を測定する試験片の斜視図である。
【図4】メッキ面をブラスト処理する条件を説明する概念図である。
【図5】本発明の評価項目であるピークカウントの測定方法を説明する試験用鋼板の断面拡大図である。
【図6】本発明に係るゴム鋼板積層構造体に剪断力fが掛けられた場合の変形状況を示す断面図である。
【符号の説明】
3、3’:フランジ鋼板
10:ゴム鋼板積層構造体
16,16’:延出部
17:ゴム鋼板積層体
20:接着面の外周
50:試験片
51:試験用鋼板
52:ゴム材料
53、53’:接着面
60:ショットガン
61:ブラスト材
63:溶融亜鉛メッキ
Claims (4)
- ゴム層と内部鋼板とを交互に複数層積層したゴム鋼板積層体の上下端となるゴム層にフランジ鋼板を接着してなるフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体であって、
前記フランジ鋼板の前記ゴム層と接着される面が、金属メッキを施された上にブラスト処理を施されて10mm当たりのピークカウント数で表す表面粗さが28以上であって80以下とされていることを特徴とするフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体。 - 前記金属メッキが溶融亜鉛メッキである請求項1に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体。
- 前記フランジ鋼板の金属メッキされた面の一部であってブラスト処理が施されている範囲が、少なくとも、フランジ鋼板に接着するゴムの延出部の外周より半径方向外側に10mmの位置から半径方向内側に前記内部鋼板の外周に相当する位置までの環状範囲である請求項1または2に記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体。
- 前記フランジ鋼板付きゴム鋼板積層体が、免震装置または支承装置である請求項1〜3の何れかに記載のフランジ鋼板付きゴム鋼板積層体。
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JP2006220190A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-08-24 | Kurashiki Kako Co Ltd | 防振構造体の製造方法 |
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