JP2503126B2 - 強化プラスチック複合被覆鋼材の製造方法 - Google Patents

強化プラスチック複合被覆鋼材の製造方法

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JP2503126B2
JP2503126B2 JP3131243A JP13124391A JP2503126B2 JP 2503126 B2 JP2503126 B2 JP 2503126B2 JP 3131243 A JP3131243 A JP 3131243A JP 13124391 A JP13124391 A JP 13124391A JP 2503126 B2 JP2503126 B2 JP 2503126B2
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俊幸 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衝撃、磨耗等機械的作
用の厳しい環境で用いられる強化プラスチック複合被覆
鋼材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海洋、港湾等の構造物や杭として使用さ
れる鋼材は、厳しい使用環境にさらされ中でも干満帯の
腐食は深刻な問題である。そのため周知のように、ポリ
オレフィン樹脂もしくは熱硬化性樹脂の重防食被覆鋼材
が広く市販されている。これらの重防食被覆鋼材は、防
食性のみならず流木等の衝撃にも十分耐えられるような
機械的性質を保有している。
【0003】ところが近年になって、有脚浮体式係船岸
の浮体構造の支柱では50トン前後の押圧が一般的であ
り、また基礎杭の場所によっては打設後に直径200m
m前後の捨石の施工等、従来以上に機械的作用条件の厳
しい場所での使われ方が増加してきており、従来の重防
食被覆では防食被覆層が貫通する疵も発生するなど、機
械強度が不十分になってきている。
【0004】そこで特開昭63−027248号公報の
ように防食被覆層の表面に繊維強化プラスチックを被覆
して得られる強化プラスチック複合被覆鋼材が提供され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
に機械的作用条件の厳しい場所では、繊維強化プラスチ
ックの保護層が防食被覆層から剥落するという問題が考
えられる。その対策として防食被覆層と保護層との界面
に無機系繊維もしくは有機系繊維の植毛材を介在させて
物理的に防食被覆層と保護層とを接着させるという方法
があり、例えば防食被覆層に凹凸をつけて保護層との接
触面積を大きくすることにより密着性を向上させる方法
と比較し優れた密着性を示すが、植毛材を介在させる方
法として防食被覆層上へ自由落下やロール等による押し
付けでは防食被覆層上に植毛材が寝てしまい、十分な植
毛効果が得られず大衝撃に耐えられるほど十分な密着力
は得られない。
【0006】本発明では防食被覆層と保護層との界面に
介在させる植毛材を立たせることにより、大衝撃に対し
ても保護層が剥落しないほどの密着力を持つ強化プラス
チック複合被覆鋼材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、防食
被覆層と保護層との界面に無機系繊維もしくは有機系繊
維の植毛材を介在させることにより物理的に接着させる
ことを特徴とする強化プラスチック複合被覆鋼材におい
て、植毛材を静電植毛方法により電極間電位差もしく
は静電植毛機と鋼材との電位差=1〜100kV、電
極間距離もしくは静電植毛機と鋼材との距離=20〜7
00mm、電位傾度=0.05〜2.0kV/mmの
条件下で防食被覆層上に介在させることを特徴とする強
化プラスチック複合被覆鋼材の製造方法である。
【0008】以下に本発明における強化プラスチック複
合被覆鋼材の製造方法について具体的に説明する。
【0009】本発明により得られる強化プラスチック複
合被覆鋼材の断面の1例を図1に示す。図において、1
は鋼材、2は下地処理層、3は防食被覆層、4は植毛
材、5は保護層である。鋼材1の被覆面をショットブラ
スト、グリットブラスト、サンドブラストなどにより清
浄化した後クロム酸系の化成処理を施すか、有機系プラ
イマー層を形成させるか、もしくはクロム酸系の化成処
理を施した後有機系プライマー層を形成させる等の下地
処理を施す。下地処理層2が完全に硬化後、その上に防
食被覆層3を被覆する。下地処理層2としては、防食被
覆層3との密着性に優れたものであれば特に限定はな
い。また防食被覆層3としては、従来より防食性能が高
く評価され重防食被覆鋼材に広く用いられているポリオ
レフィン樹脂、もしくはポリウレタン等の熱可塑性樹脂
が良い。該防食被覆層3が硬化する前に無機系繊維もし
くは有機系繊維の植毛材4を静電植毛方法によって植毛
する。静電植毛は電極間に鋼材を置くかもしくは片側の
電極として鋼材をアースして用いるかいずれでもよい
が、電極間電位差もしくは静電植毛機と鋼材との電位
差=1〜100kV、電極間距離もしくは静電植毛機
と鋼材との距離=20〜700mm、電位傾度=0.
05〜2.0kV/mmの条件が均一な植毛のためには
必要である。また植毛される繊維の径や長さによっては
上記の範囲内で適正な条件が限定される場合がある。
【0010】この方法により図2に示すように、防食被
覆層3上で植毛材4が立って付着し保護層との間に十分
な耐衝撃密着力を発揮する。電極間電位差もしくは静電
植毛機と鋼材との電位差は、1kV未満では電極間距離
もしくは静電植毛機と鋼材との距離を短くしても電位傾
度が小さすぎるため植毛することが困難である。また1
00kVを超えると電位傾度が大きすぎるため植毛材4
を防食被覆層3上に均一に分布させることが困難である
だけでなく安全上も好ましくない。電極間距離もしくは
静電植毛機と鋼材との距離は、20mm未満では植毛材
4を防食被覆層3上に均一に立てて介在させることが困
難であり、700mmを超えると植毛材4を防食被覆層
3上に均一に分布させることが困難である。電位傾度
は、0.05kV/m未満では植毛することが困難であ
るし、2.0kV/mmを超えると植毛材4を防食被覆
層3上に均一に分布させることが困難である。また自由
落下やロール等による押し付けでは図3に示すように防
食被覆層3上で植毛材4が寝てしまい十分な耐衝撃密着
力を発揮しない。
【0011】植毛される繊維は、本発明の範囲外である
が、径が2〜50μm、長さが1〜10mmの無機系繊
維もしくは有機系繊維を3〜50g/m2植毛するのが
望ましい。また帯電しやすいように電着加工を施しても
よい。
【0012】防食被覆層3が完全に硬化後、保護層5を
被覆する。保護層5は耐衝撃性、耐磨耗性に優れた強化
プラスチック樹脂であれば特に限定はなく、例えばガラ
スフレーク入りビニルエステル、ガラスフレーク入りポ
リエステル、ガラスフレーク入りエポキシ等である。保
護層5の塗装方法は特に限定はないが少なくとも通常の
スプレー塗装であれば良好な塗膜が得られる。また保護
層5の塗装の際に植毛材4に与える悪影響、例えば植毛
材4が吹き飛ばされるもしくは寝てしまうといった現象
は、植毛材4の植毛方法に不具合がなければ特に心配は
なく良好な植毛効果が期待できる。その他、保護層5は
用途に応じて着色等を施しても構わない。
【0013】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0014】第1表には実施例−1〜6及び比較例−1
〜4の植毛材、植毛条件、保護層及び性能試験結果を示
す。鋼板(150×75×9mm)をグリットブラスト
処理し、ウレタン系プライマーを膜厚30μに塗布し硬
化後、ポリウレタン樹脂を膜厚2.5mmにスプレー塗
装し防食被覆層とした。ポリウレタン樹脂をスプレー塗
装後1〜3分のまだ未硬化時にハンディータイプの静電
植毛機を用い片側の電極として鋼材をアースし実施例及
び比較例に示す条件にて植毛を実施した。防食被覆層が
完全に硬化後、保護層としてガラスフレーク入りビニル
エステルを膜厚2.2mmに塗装した。
【0015】上記により得られた試験片について密着力
測定(プルオフ法)及び、耐衝撃性評価を実施した。耐
衝撃密着性は、ポンチ径15.9mmで10kgのおも
りを1m高さから落とし、クラックが発生した保護層の
剥落の有無で評価した。
【0016】また鋼板(500×150×9mm)に上
記と同様の塗装を実施し耐磨耗密着性評価を実施した。
耐磨耗密着性は径120mm、長さ100mmのウレタ
ンゴムロールに荷重1Tonをかけストローク300m
mにてロールころがり磨耗試験を20000回実施した
時の保護層の剥落の有無にて評価した。
【0017】比較例−1の植毛材の自由落下による植毛
方法では、植毛材が防食被覆層上に寝て付着するために
密着力が不十分である。比較例−2及び3の植毛条件で
は、十分に植毛材が防食被覆層上に付着せず適正な植毛
密度が得られないために密着力が不十分である。比較例
−4の植毛条件では、植毛密度のばらつきが大きく均一
な植毛が困難であるために安定した密着力が得られな
い。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明により、海洋、港湾、河川等の構
造物、杭等に使用される重防食被覆鋼材において、使用
中に鋼材に加えられる衝撃、磨耗等の機械的条件の厳し
い環境においても、被覆損傷の少ない重防食被覆鋼材を
得ることができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によってなる強化プラスチック複合被覆
鋼材の被覆構成図
【図2】本発明の適正な植毛方法により植毛した後の被
覆構成図
【図3】本発明外の不適正な植毛方法により植毛した後
の被覆構成図
【符号の説明】
1…鋼材 2…下地処理層 3…防食被覆層 4…植毛材 5…保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E02D 31/06 E02D 31/06 B

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂もしくはポリオレフィン樹
    脂を防食被覆層とし、該防食被覆層上に無機系繊維もし
    くは有機系繊維の植毛材を介在させた後強化プラスチッ
    クを被覆してなる強化プラスチック複合被覆鋼材の製造
    方法において、植毛材を静電植毛方法により電極間電
    位差もしくは静電植毛機と鋼材との電位差=1〜100
    kV、電極間距離もしくは静電植毛機と鋼材との距離
    =20〜700mm、電位傾度=0.05〜2.0k
    V/mmの条件下で防食被覆層上に介在させることを特
    徴とする強化プラスチック複合被覆鋼材の製造方法。
JP3131243A 1991-06-03 1991-06-03 強化プラスチック複合被覆鋼材の製造方法 Expired - Lifetime JP2503126B2 (ja)

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